JP3960835B2 - 車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用内装部品をトリムボードへ予め取付けてモジュール化しておき、車両への取付け作業を効率化するために用いられる車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの室内壁には、トリムボードという装飾用のライナーが貼られている。そして、例えばフック、アシストグリップ、サンバイザ、ルームランプ、灰皿などの車両用内装部品は、トリムボードに設けられた取付け孔に挿入され、トリムボードの背面側に配置されている車体パネルにネジ止め等の手段で固定されている。
【0003】
これまでの内装部品の取付けは、最初にトリムボードを貼り付け、次にトリムボードの孔を通して内装部品を挿入し、車体パネルにネジ止めしたり、クリップを嵌合させたりして固定するという作業によって行われていた。しかし、自動車の組立て現場で、種類の異なる内装部品を1つずつ取付けるのは作業性が悪く、時間がかかるという問題があった。
【0004】
このため、各種の内装部品をトリムボードに予め仮止めしてモジュール化しておき、トリムボードを取付けると内装部品もそのままセットされるようにして、後はネジ止めしたり、クリップ嵌合させるだけで装着できるようにすることが行われつつある。
【0005】
例えば特開2001−132716号には、トリムボード(ガーニッシュ類)の取付け孔に一対の脚部を挿入すると、一対の脚部に連設した弾性片が錨形状に開いてトリムボードの裏面に係合して仮固定され、本取付けの際には、脚部を車体パネルの取付け孔に挿入して脚部間にプラグを押し込むと、一対の脚部の基部側が車体パネルに食い込んで、完全に固定されるように構成された、仮係合弾性爪及び本係合用係合部を有する部品が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2001−132716号に開示された仮係合弾性爪及び本係合用係合部を有する部品では、トリムボードに仮固定したときに、トリムボードの厚さの違い等によって、部品の脚部がトリムボードに密着せず、ガタついたり、外れたりする虞れがあった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、トリムボードの厚さに多少の変動があっても、内装部品をしっかりとガタ付きなく取付けることができるようにした車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1は、車両用内装部品をトリムボードへ予め取付けてモジュール化しておき、車両への取付け作業を効率化するために用いられる車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置において、前記トリムボードに設けられた、前記内装部品の外周が挿入される取付け孔と、前記内装部品の外周に形成された突起と、前記内装部品の外周が嵌入する孔を有する枠板と、この枠板の内周に形成されて前記内装部品の突起に係合する係合爪と、前記枠板から延出されて前記トリムボードに弾性的に当接する弾性片とを備えていることを特徴とする車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置を提供するものである。
【0009】
上記発明によれば、トリムボードの表側からその取付け孔に内装部品を挿入し、トリムボードの裏側から上記内装部品の外周に枠板を嵌め込むと、枠板の係合爪が内装部品外周の突起に係合し、かつ、枠板の弾性片がトリムボードの裏面に押圧される。その結果、内装部品の本体部と上記枠板との間にトリムボードを挟んで、内装部品をトリムボードに取付けることができる。また、弾性片がトリムボードの裏面に押圧されるので、トリムボードの厚さが多少変化しても、内装部品をガタ付きなくトリムボードに取付けることができる。
【0010】
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記突起が、前記内装部品の前記トリムボードへの挿入方向に沿って、所定間隔で複数形成されている車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置を提供するものである。
【0011】
上記発明によれば、トリムボードの裏側から内装部品の外周に枠板を嵌め込むとき、枠板の係合爪を係合させる内装部品の突起を、トリムボードの厚さに応じて選択することができ、係合爪と突起とを係合させたときの内装部品の本体部と枠板との間隔をトリムボードの厚さに適合するようにすることができるので、内装部品をトリムボードに更にしっかりと取付けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜7には本発明による車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置の一実施形態が示されている。図1は同取付け装置の全体を示す斜視図、図2は同取付け装置に適用される内装部品の一例である掛止具を示す分解斜視図、図3は同掛止具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は平面図、(e)は底面図、(f)は背面図、図4は同取付け装置に用いられる枠板を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(a)のA−A’矢示線に沿った断面図、(d)は(a)のB−B’矢示線に沿った断面図、図5は同取付け装置によって内装部品をトリムボードに取付ける方法を示し、(a)は枠板を取付ける前の状態を示す断面図、(b)は枠板を取付けた状態を示す断面図、図6は同内装部品を厚さの異なるトリムボードに取付けた状態を示す断面図、図7は同内装部品を厚さの異なるトリムボードに取付けた状態を示す側面図である。
【0013】
図1に示すように、この取付け装置は、車両用内装部品の一例である掛止具20を、トリムボード50の取付け孔51に挿入し、枠板60を掛止具20の外周に装着して、掛止具20と枠板60との間でトリムボード50を挟んで固定する構造をなしている。
【0014】
まず、車両用内装部品の一例である掛止具20について説明すると、図2、3に示すように、この掛止具20は、所定深さの凹状をなす合成樹脂製のハウジング21を有している。ハウジング21は、底壁21aと、周壁21bと、周壁21bの開口縁部から広がるフランジ21cとを有している。また、底壁21aには、ボルト31の挿通孔21eが形成されている。
【0015】
ハウジング21の一端部には、ヒンジ22を介して、カバー23が一体に成形されている。カバー23は、覆い面23aと、周壁23bとを有し、覆い面23aの前端部には次第に厚さを薄くした傾斜部23cが設けられている。カバー23の周壁23bの下縁部には、左右に対向する1対の爪部23dが形成されている。この爪部23dは、カバー23を閉じたとき、ハウジング21の底壁21aに形成された係合孔21dに係合して、カバー23を閉じた状態に保持する。
【0016】
ハウジング21の底壁21aの下面には、金属板30が取付けられる。金属板30は、ボルト31の挿通孔30aを中央に有し、両側には折曲形成された一対の耳部30bが設けられている。耳部30bは、シャフト挿通孔30cを有している。
【0017】
これに関連して、ハウジング21の底壁21aには、上記金属板30の耳部30bが挿通される挿通孔21gが形成され、ハウジング21の周壁21bの左右に対向する部分には、一対のシャフト挿通孔21fが形成されている。
【0018】
また、ほぼU字状をなす掛止部40が設けられており、この掛止部40の両端には、シャフト32を挿通するための軸孔40aが形成されている。掛止部40の両端部の間にはコイルバネ33が配置され、このコイルバネ33はシャフト32の外周に装着されるようになっている。
【0019】
そして、金属板30の耳部30bを、ハウジング21の挿通孔21gに挿入し、ハウジング21のシャフト挿通孔21fと、耳部30bに設けたシャフト挿通孔30cと、掛止部40の軸孔40aと、コイルバネ33の軸心とを貫通するように、シャフト32を挿通させて、図示しない抜け止め手段によってハウジング21に取付けている。コイルバネ33は、捩じられた状態で、その一端が掛止部40に係合し、他端がハウジング21の底壁に係合して、掛止部40をハウジング21の凹部に収容される方向に常時付勢している。
【0020】
ハウジング21の底壁21aには、掛止部40がハウジング21の凹部に向かって回動されるとき、そのストッパとなる段状の受け部21hが、底壁21aの両側にそれぞれ形成されている。このため、掛止部40がハウジング21に収容された状態では、掛止部40は、上記受け部21hに当接し、ハウジング21の底壁21aから所定間隔をおいて浮いた状態で支持されている。
【0021】
したがって、この掛止具20においては、例えば荷物を固定するためのベルトのフックを掛止部40に引き掛けることにより、掛止部40がコイルバネ33の付勢力に抗して起立する。また、フックを取り外すと、コイルバネ33の付勢力で掛止部40はハウジング21の凹部に収容される。したがって、使用しない状態では、掛止部40が外側に突出せず、外観を良好にすることができる。
【0022】
そして、本発明の特徴とすることは、上記掛止具20の外周の複数箇所に、トリムボード50への挿入方向に沿って所定間隔で配列された複数の突起25が設けられていることにある。
【0023】
次に、枠板60について説明すると、枠板60は、上記掛止具20の外周が嵌入する孔61を有している。孔61の内周には、前記掛止具20の外周の突起25に対応する位置に係合爪62が形成されている。係合爪62には、板片63が連設されており、板片63を外側に開くことによって、係合爪62を押し広げて係合を解除できるようになっている。
【0024】
また、枠板60の内周の3箇所には、掛止具20の外周に装着される状態でトリムボード50方向に向かって斜めに延びる弾性片64が形成されている。弾性片64は、その両側にスリット状の切込み65を有し、枠板60に対して十分な弾性力が得られるように形成されている。
【0025】
次に、この取付け装置の使用方法について説明する。
図5(a)に示すように、内装部品の一例である掛止具20をトリムボード50に仮固定する際には、まず、トリムボード50の取付け孔51に、トリムボード50の表側から掛止具20をその底部から挿入する。掛止具20は、そのハウジング21のフランジ21cが、取付け孔51の開口縁部に係合して取付け孔51に挿入配置される。そして、枠板60の孔61に、掛止具20の外周を挿入しながら、枠板60をトリムボード50の裏側から装着する。
【0026】
すると、図5(b)に示すように、枠板60の係合爪62が、掛止具20の外周の突起25に係合し、掛止具20のハウジング21のフランジ21cと、枠板60との間に、トリムボード50が挟まれた状態で、枠板60と掛止具20とが固定される。
【0027】
図5の場合には、トリムボード50が比較的薄いため、突起25の最もフランジ21cに近接したものに、枠板60の係合爪62が係合している。また、弾性片64がトリムボード50の裏面に圧接される。その結果、トリムボード50の取付け孔51の開口縁部が、枠板60と掛止具20のフランジ21cとの間で、互いに密着するようにしっかりと挟持され、トリムボード50に掛止具20をガタ付きなく確実に取付けることができる。
【0028】
なお、トリムボード50への掛止具20の取付け位置や方向が誤っていた場合には、係合爪62に連設された板片63を外側に開くことによって、係合爪62を押し広げて係合を解除し、掛止具20を取り外すことができる。
【0029】
そして、同じトリムボード50に取付けられる他の内装部品も、上記と同様にして取付けて、トリムボード50に各種の内装部品を取付けてモジュール化しておく。次に、自動車の組立てラインにおいて、トリムボード50を自動車の内壁に貼り付けると、各種の内装部品もトリムボード50と一緒に設置される。したがって、それぞれの内装部品をトリムボード50の背面側に配置された車体パネルにネジ止め、クリップ嵌合等の手段で固定するだけで、内装部品の取付け作業が終了する。
【0030】
例えば、図5(b)の例では、掛止具20のハウジング21及び金属板30を挿通させたボルト31を、トリムボード50の背面側に配置された車体パネル53に螺着させることにより、掛止具20をしっかりと固定することができる。
【0031】
また、図6、7に示すように、トリムボード50の厚さが変わって、例えば図5に示すものよりも厚くなった場合には、例えば、突起25の最も底壁21aに近接したものに、枠板60の係合爪62が係合して、トリムボード50が枠板60とフランジ21cとで挟み込まれる。この場合も、枠板60の弾性片64がトリムボード50の裏面に弾性的に圧接されるので、掛止具20をトリムボード50にガタ付きなくしっかりと取付けることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トリムボードの表側からその取付け孔に内装部品を挿入し、トリムボードの裏側から上記内装部品の外周に枠板を嵌め込むことにより、枠板の係合爪が内装部品外周の突起に係合し、かつ、枠板の弾性片がトリムボードの裏面に押圧されるので、トリムボードの厚さが多少変化しても、内装部品をガタ付きなく、しっかりと取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置の一実施形態を示斜視図である。
【図2】同取付け装置に適用される内装部品の一例である掛止具を示す分解斜視図である。
【図3】同掛止具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は平面図、(e)は底面図、(f)は背面図である。
【図4】同取付け装置に用いられる枠板を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(a)のA−A’矢示線に沿った断面図、(d)は(a)のB−B’矢示線に沿った断面図である。
【図5】同取付け装置によって内装部品をトリムボードに取付ける方法を示し、(a)は枠板を取付ける前の状態を示す断面図、(b)は枠板を取付けた状態を示す断面図である。
【図6】同内装部品を厚さの異なるトリムボードに取付けた状態を示す断面図である。
【図7】同内装部品を厚さの異なるトリムボードに取付けた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
20 掛止具(内装部品の一例)
21 ハウジング
21c フランジ
25 突起
40 掛止部
50 トリムボード
51 取付け孔
60 枠板
61 孔
62 係合爪
63 板片
64 弾性片
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用内装部品をトリムボードへ予め取付けてモジュール化しておき、車両への取付け作業を効率化するために用いられる車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの室内壁には、トリムボードという装飾用のライナーが貼られている。そして、例えばフック、アシストグリップ、サンバイザ、ルームランプ、灰皿などの車両用内装部品は、トリムボードに設けられた取付け孔に挿入され、トリムボードの背面側に配置されている車体パネルにネジ止め等の手段で固定されている。
【0003】
これまでの内装部品の取付けは、最初にトリムボードを貼り付け、次にトリムボードの孔を通して内装部品を挿入し、車体パネルにネジ止めしたり、クリップを嵌合させたりして固定するという作業によって行われていた。しかし、自動車の組立て現場で、種類の異なる内装部品を1つずつ取付けるのは作業性が悪く、時間がかかるという問題があった。
【0004】
このため、各種の内装部品をトリムボードに予め仮止めしてモジュール化しておき、トリムボードを取付けると内装部品もそのままセットされるようにして、後はネジ止めしたり、クリップ嵌合させるだけで装着できるようにすることが行われつつある。
【0005】
例えば特開2001−132716号には、トリムボード(ガーニッシュ類)の取付け孔に一対の脚部を挿入すると、一対の脚部に連設した弾性片が錨形状に開いてトリムボードの裏面に係合して仮固定され、本取付けの際には、脚部を車体パネルの取付け孔に挿入して脚部間にプラグを押し込むと、一対の脚部の基部側が車体パネルに食い込んで、完全に固定されるように構成された、仮係合弾性爪及び本係合用係合部を有する部品が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2001−132716号に開示された仮係合弾性爪及び本係合用係合部を有する部品では、トリムボードに仮固定したときに、トリムボードの厚さの違い等によって、部品の脚部がトリムボードに密着せず、ガタついたり、外れたりする虞れがあった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、トリムボードの厚さに多少の変動があっても、内装部品をしっかりとガタ付きなく取付けることができるようにした車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1は、車両用内装部品をトリムボードへ予め取付けてモジュール化しておき、車両への取付け作業を効率化するために用いられる車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置において、前記トリムボードに設けられた、前記内装部品の外周が挿入される取付け孔と、前記内装部品の外周に形成された突起と、前記内装部品の外周が嵌入する孔を有する枠板と、この枠板の内周に形成されて前記内装部品の突起に係合する係合爪と、前記枠板から延出されて前記トリムボードに弾性的に当接する弾性片とを備えていることを特徴とする車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置を提供するものである。
【0009】
上記発明によれば、トリムボードの表側からその取付け孔に内装部品を挿入し、トリムボードの裏側から上記内装部品の外周に枠板を嵌め込むと、枠板の係合爪が内装部品外周の突起に係合し、かつ、枠板の弾性片がトリムボードの裏面に押圧される。その結果、内装部品の本体部と上記枠板との間にトリムボードを挟んで、内装部品をトリムボードに取付けることができる。また、弾性片がトリムボードの裏面に押圧されるので、トリムボードの厚さが多少変化しても、内装部品をガタ付きなくトリムボードに取付けることができる。
【0010】
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記突起が、前記内装部品の前記トリムボードへの挿入方向に沿って、所定間隔で複数形成されている車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置を提供するものである。
【0011】
上記発明によれば、トリムボードの裏側から内装部品の外周に枠板を嵌め込むとき、枠板の係合爪を係合させる内装部品の突起を、トリムボードの厚さに応じて選択することができ、係合爪と突起とを係合させたときの内装部品の本体部と枠板との間隔をトリムボードの厚さに適合するようにすることができるので、内装部品をトリムボードに更にしっかりと取付けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜7には本発明による車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置の一実施形態が示されている。図1は同取付け装置の全体を示す斜視図、図2は同取付け装置に適用される内装部品の一例である掛止具を示す分解斜視図、図3は同掛止具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は平面図、(e)は底面図、(f)は背面図、図4は同取付け装置に用いられる枠板を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(a)のA−A’矢示線に沿った断面図、(d)は(a)のB−B’矢示線に沿った断面図、図5は同取付け装置によって内装部品をトリムボードに取付ける方法を示し、(a)は枠板を取付ける前の状態を示す断面図、(b)は枠板を取付けた状態を示す断面図、図6は同内装部品を厚さの異なるトリムボードに取付けた状態を示す断面図、図7は同内装部品を厚さの異なるトリムボードに取付けた状態を示す側面図である。
【0013】
図1に示すように、この取付け装置は、車両用内装部品の一例である掛止具20を、トリムボード50の取付け孔51に挿入し、枠板60を掛止具20の外周に装着して、掛止具20と枠板60との間でトリムボード50を挟んで固定する構造をなしている。
【0014】
まず、車両用内装部品の一例である掛止具20について説明すると、図2、3に示すように、この掛止具20は、所定深さの凹状をなす合成樹脂製のハウジング21を有している。ハウジング21は、底壁21aと、周壁21bと、周壁21bの開口縁部から広がるフランジ21cとを有している。また、底壁21aには、ボルト31の挿通孔21eが形成されている。
【0015】
ハウジング21の一端部には、ヒンジ22を介して、カバー23が一体に成形されている。カバー23は、覆い面23aと、周壁23bとを有し、覆い面23aの前端部には次第に厚さを薄くした傾斜部23cが設けられている。カバー23の周壁23bの下縁部には、左右に対向する1対の爪部23dが形成されている。この爪部23dは、カバー23を閉じたとき、ハウジング21の底壁21aに形成された係合孔21dに係合して、カバー23を閉じた状態に保持する。
【0016】
ハウジング21の底壁21aの下面には、金属板30が取付けられる。金属板30は、ボルト31の挿通孔30aを中央に有し、両側には折曲形成された一対の耳部30bが設けられている。耳部30bは、シャフト挿通孔30cを有している。
【0017】
これに関連して、ハウジング21の底壁21aには、上記金属板30の耳部30bが挿通される挿通孔21gが形成され、ハウジング21の周壁21bの左右に対向する部分には、一対のシャフト挿通孔21fが形成されている。
【0018】
また、ほぼU字状をなす掛止部40が設けられており、この掛止部40の両端には、シャフト32を挿通するための軸孔40aが形成されている。掛止部40の両端部の間にはコイルバネ33が配置され、このコイルバネ33はシャフト32の外周に装着されるようになっている。
【0019】
そして、金属板30の耳部30bを、ハウジング21の挿通孔21gに挿入し、ハウジング21のシャフト挿通孔21fと、耳部30bに設けたシャフト挿通孔30cと、掛止部40の軸孔40aと、コイルバネ33の軸心とを貫通するように、シャフト32を挿通させて、図示しない抜け止め手段によってハウジング21に取付けている。コイルバネ33は、捩じられた状態で、その一端が掛止部40に係合し、他端がハウジング21の底壁に係合して、掛止部40をハウジング21の凹部に収容される方向に常時付勢している。
【0020】
ハウジング21の底壁21aには、掛止部40がハウジング21の凹部に向かって回動されるとき、そのストッパとなる段状の受け部21hが、底壁21aの両側にそれぞれ形成されている。このため、掛止部40がハウジング21に収容された状態では、掛止部40は、上記受け部21hに当接し、ハウジング21の底壁21aから所定間隔をおいて浮いた状態で支持されている。
【0021】
したがって、この掛止具20においては、例えば荷物を固定するためのベルトのフックを掛止部40に引き掛けることにより、掛止部40がコイルバネ33の付勢力に抗して起立する。また、フックを取り外すと、コイルバネ33の付勢力で掛止部40はハウジング21の凹部に収容される。したがって、使用しない状態では、掛止部40が外側に突出せず、外観を良好にすることができる。
【0022】
そして、本発明の特徴とすることは、上記掛止具20の外周の複数箇所に、トリムボード50への挿入方向に沿って所定間隔で配列された複数の突起25が設けられていることにある。
【0023】
次に、枠板60について説明すると、枠板60は、上記掛止具20の外周が嵌入する孔61を有している。孔61の内周には、前記掛止具20の外周の突起25に対応する位置に係合爪62が形成されている。係合爪62には、板片63が連設されており、板片63を外側に開くことによって、係合爪62を押し広げて係合を解除できるようになっている。
【0024】
また、枠板60の内周の3箇所には、掛止具20の外周に装着される状態でトリムボード50方向に向かって斜めに延びる弾性片64が形成されている。弾性片64は、その両側にスリット状の切込み65を有し、枠板60に対して十分な弾性力が得られるように形成されている。
【0025】
次に、この取付け装置の使用方法について説明する。
図5(a)に示すように、内装部品の一例である掛止具20をトリムボード50に仮固定する際には、まず、トリムボード50の取付け孔51に、トリムボード50の表側から掛止具20をその底部から挿入する。掛止具20は、そのハウジング21のフランジ21cが、取付け孔51の開口縁部に係合して取付け孔51に挿入配置される。そして、枠板60の孔61に、掛止具20の外周を挿入しながら、枠板60をトリムボード50の裏側から装着する。
【0026】
すると、図5(b)に示すように、枠板60の係合爪62が、掛止具20の外周の突起25に係合し、掛止具20のハウジング21のフランジ21cと、枠板60との間に、トリムボード50が挟まれた状態で、枠板60と掛止具20とが固定される。
【0027】
図5の場合には、トリムボード50が比較的薄いため、突起25の最もフランジ21cに近接したものに、枠板60の係合爪62が係合している。また、弾性片64がトリムボード50の裏面に圧接される。その結果、トリムボード50の取付け孔51の開口縁部が、枠板60と掛止具20のフランジ21cとの間で、互いに密着するようにしっかりと挟持され、トリムボード50に掛止具20をガタ付きなく確実に取付けることができる。
【0028】
なお、トリムボード50への掛止具20の取付け位置や方向が誤っていた場合には、係合爪62に連設された板片63を外側に開くことによって、係合爪62を押し広げて係合を解除し、掛止具20を取り外すことができる。
【0029】
そして、同じトリムボード50に取付けられる他の内装部品も、上記と同様にして取付けて、トリムボード50に各種の内装部品を取付けてモジュール化しておく。次に、自動車の組立てラインにおいて、トリムボード50を自動車の内壁に貼り付けると、各種の内装部品もトリムボード50と一緒に設置される。したがって、それぞれの内装部品をトリムボード50の背面側に配置された車体パネルにネジ止め、クリップ嵌合等の手段で固定するだけで、内装部品の取付け作業が終了する。
【0030】
例えば、図5(b)の例では、掛止具20のハウジング21及び金属板30を挿通させたボルト31を、トリムボード50の背面側に配置された車体パネル53に螺着させることにより、掛止具20をしっかりと固定することができる。
【0031】
また、図6、7に示すように、トリムボード50の厚さが変わって、例えば図5に示すものよりも厚くなった場合には、例えば、突起25の最も底壁21aに近接したものに、枠板60の係合爪62が係合して、トリムボード50が枠板60とフランジ21cとで挟み込まれる。この場合も、枠板60の弾性片64がトリムボード50の裏面に弾性的に圧接されるので、掛止具20をトリムボード50にガタ付きなくしっかりと取付けることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トリムボードの表側からその取付け孔に内装部品を挿入し、トリムボードの裏側から上記内装部品の外周に枠板を嵌め込むことにより、枠板の係合爪が内装部品外周の突起に係合し、かつ、枠板の弾性片がトリムボードの裏面に押圧されるので、トリムボードの厚さが多少変化しても、内装部品をガタ付きなく、しっかりと取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置の一実施形態を示斜視図である。
【図2】同取付け装置に適用される内装部品の一例である掛止具を示す分解斜視図である。
【図3】同掛止具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は平面図、(e)は底面図、(f)は背面図である。
【図4】同取付け装置に用いられる枠板を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(a)のA−A’矢示線に沿った断面図、(d)は(a)のB−B’矢示線に沿った断面図である。
【図5】同取付け装置によって内装部品をトリムボードに取付ける方法を示し、(a)は枠板を取付ける前の状態を示す断面図、(b)は枠板を取付けた状態を示す断面図である。
【図6】同内装部品を厚さの異なるトリムボードに取付けた状態を示す断面図である。
【図7】同内装部品を厚さの異なるトリムボードに取付けた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
20 掛止具(内装部品の一例)
21 ハウジング
21c フランジ
25 突起
40 掛止部
50 トリムボード
51 取付け孔
60 枠板
61 孔
62 係合爪
63 板片
64 弾性片
Claims (2)
- 車両用内装部品をトリムボードへ予め取付けてモジュール化しておき、車両への取付け作業を効率化するために用いられる車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置において、前記トリムボードに設けられた、前記内装部品の外周が挿入される取付け孔と、前記内装部品の外周に形成された突起と、前記内装部品の外周が嵌入する孔を有する枠板と、この枠板の内周に形成されて前記内装部品の突起に係合する係合爪と、前記枠板から延出されて前記トリムボードに弾性的に当接する弾性片とを備えていることを特徴とする車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置。
- 前記突起が、前記内装部品の前記トリムボードへの挿入方向に沿って、所定間隔で複数形成されている請求項1記載の車両用内装部品のトリムボードへの取付け装置。
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