JP3960422B2 - 外断熱壁構造及び外断熱壁工法 - Google Patents

外断熱壁構造及び外断熱壁工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に木造系や鉄骨系の建物において構造体の屋外側に断熱・気密ラインを形成する外断熱方式の壁構造及び壁工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
資源・エネルギーの有効活用や建物の長寿命化の観点から、近年では、建物の気密性や断熱性を向上させる研究が積極的に重ねられている。かかる高気密・高断熱型の建築工法は、一般に、構造体の屋内側に断熱材と気密材(気密フィルム等)からなる断熱・気密ラインを設ける内断熱工法と、構造体の屋外側に断熱・気密ラインを設ける外断熱工法とに大別される。わが国では従来、内断熱工法が主流をなしてきたが、断熱材のつなぎ目やコンセント周りなどに断熱・気密ラインの隙間(不連続部)ができ、壁面や壁の内部に結露が生じやすくなって、カビやダニが発生し、建物が劣化しやすくなるという問題が指摘されていた。
【0003】
これに対して外断熱工法は、内断熱工法に比べて断熱・気密ラインの連続性を確保しやすい。構造体は断熱材の屋内側に位置しているので、外気の温湿度変化の影響を受けにくく、内部結露が生じにくくなって、建物の耐久性が向上するという長所を有している。
【0004】
かかる外断熱工法を木造軸組建物に適用する場合、従来、一般的には、図8に示すように、躯体の柱91,92や梁の屋外側に断熱材93を釘94やビスで取り付けている。断熱材93同士の継ぎ目は合决りとし、目地部分や他部材との取り合い部分には気密テープ95を貼着したり、発泡ウレタン等を現場で充填するなどして、断熱・気密ラインを連続させる。続いて、断熱材93の屋外側に透湿性防水シート96を貼着し、柱91,92や梁に対して胴縁97等を釘94やビスで取り付け、この胴縁97等に外壁仕上材98を取り付けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の工法は、構造体に対して、屋外側から、断熱材93を隙間なく繋ぎ合わせつつ取り付け、さらに透湿性防水シート96や胴縁97、外壁仕上材98等を順次取り付けるとういう工程で行われるので、現場で取り扱う部材が多く、施工上の煩雑さや困難さを伴う。そのため、施工者の技量次第で施工精度が低下して断熱性能がばらつく可能性が大きい。特に、断熱材93同士の継ぎ目や他部材との取り合い部分においては、気密テープ95の皺や発泡ウレタンの充填不良によって断熱・気密ラインの欠損が生じやすい。また、経年による断熱材93の収縮や気密テープ95の剥離も生じる。このような断熱・気密ラインの欠損は、漏湿気による結露を招いて建物の劣化を促進することになる。
【0006】
また、断熱材93や胴縁97等を柱91,92や梁に対して取り付けるときに、数十mm以上の厚さを有する断熱材93を貫通して釘94やビスを打つことになる。このとき、作業する側からは柱91,92や梁が見えないので、釘94やビスが柱91,92や梁から外れてしまう場合がある。すると、外れて貫通した釘94等が冷橋となり、屋内側に露出した釘94等の表面に屋内側の湿気が結露して、カビの発生や金属部の発錆を招くことになる。
【0007】
さらに、前記従来のような工法では、増改築等に際して外壁の取外しを行う場合、釘94等を抜き取るときに断熱材93が壊れやすいので、廃材の分別回収やリサイクルの面でも問題がある。
【0008】
そこで本発明は、現場での施工が容易で、断熱・気密ラインの連続性を確保しやすく、長期的にも建物の劣化を生じにくい外断熱方式の壁構造及び壁工法を提供することを解決課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の外断熱壁構造は、柱、梁、胴縁その他の軸組部材と、該軸組部材の屋外側表面に建て込まれる壁断熱パネルと、該壁断熱パネルの屋外側に取り付けられる外壁パネルとかならる外断熱壁構造において、
(a)軸組部材の屋外側表面に気密テープが貼着され、
(b)壁断熱パネルは、木質材からなる枠材と、前記枠材で囲まれた枠内に充填された断熱材と、前記枠材及び断熱材の屋内側全面に貼着された気密フィルムとを備えるとともに、前記枠材のうち縦辺に位置する縦枠材は、屋内側縁部に外方への張出縁を備えた略L字形の断面形状を有し、この前記壁断熱パネルが、前記軸組部材の屋外側に密着状態で建て込まれ、
(c)前記壁断熱パネル同士が左右方向に突き合わされる縦目地部分には、基部と、基部に固着された基板と、締付ビス及びコイルスプリングを介して基板上に回動可能に取り付けられた2枚の押え板を備えてなる壁断熱パネル取付金具が、前記基部を前記縦目地部分に挟み込まれた状態で軸組部材に対し固定されるととともに、前記押え板により壁断熱パネルの縦枠材の張出縁が軸組部材側に押圧されて、壁断熱パネルが軸組部材に対し固定され、
(d)前記縦目地部分に形成された溝部に断熱充填材が充填され、
(e)前記縦目地部分を挟んで対をなす壁断熱パネルの両縦枠材の屋外側見付面には、基板と、締付ビス及びコイルスプリングを介して基板上に回動可能に取り付けられた2枚の押え板を備えてなる外壁パネル取付金具が、前記壁断熱パネル取付金具とは前記断熱充填材を介し熱的に分断された状態で取り付けられ、
(f)前記外壁パネル取付金具を介して壁断熱パネルの屋外側に外壁パネルが取り付けられたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の外断熱壁工法は、
(ア)柱、梁、胴縁その他の軸組部材の屋外側表面に気密テープを貼着し、
(イ)次いで、木質材からなる枠材の内側に予め断熱材を充填して屋内側全面に気密フィルムを貼着してなる壁断熱パネルを、前記軸組部材の屋外側に密着させて建て込み、
(ウ)次いで、前記壁断熱パネルの目地部分に配した壁断熱パネル取付金具によって、各壁断熱パネルを前記軸組部材に固定し、
(エ)次いで、前記壁断熱パネルの目地部分に断熱充填材を充填し、
(オ)次いで、前記壁断熱パネルの目地部分に、前記壁断熱パネル取付金具とは前記断熱充填材を介し熱的に分断された状態で外壁パネル取付金具を取り付け、
(カ)前記外壁パネル取付金具を介して壁断熱パネルの屋外側に外壁パネルを取り付けることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本発明の外断熱壁構造及び壁工法に使用される壁断熱パネルの基本的な構成を示す分解斜視図である。また、図2〜図3は、本発明の外断熱壁構造及び壁工法の基本的構成を示す部分斜視図であり、図4は、図2〜図3に示した外断熱壁構造における壁断熱パネルの縦目地部分の詳細を示す部分断面図である。
【0017】
壁断熱パネル1は、四周を構成する枠材11と、それらの枠材11で囲まれた枠内に充填された断熱材12と、枠材11及び断熱材12の裏面(屋内側)全面に貼着された気密フィルム13とを備えている。この壁断熱パネル1が、図2に示すように、建物の柱、間柱、梁、胴縁等からなる軸組部材2の屋外側に複数枚、隣接して建て込まれることにより、軸組部材2の屋外側に気密・断熱ラインが形成される。
【0018】
例示の形態にかかる壁断熱パネル1の枠材11は、見込み寸法が約100mm 程度の木質材で、その縦辺に位置する縦枠材11aは、図4に示すように、屋内側縁部部に外方への張出縁111を備えた略L字形の断面形状に形成されている。また、上辺に位置する上枠材11bは略台形状の断面形状を有し、その上面が、母屋材等からなる屋根架構3の上面と面一に揃うように形成されている。
【0019】
断熱材12は、例えば硬質ウレタン等の発泡樹脂や、グラスウールその他の一般的な断熱材料を利用して形成される。断熱材12の厚さは、この例では約75mmであるが、枠材11の見込み寸法内に納まる範囲で、所要の断熱性能に合わせて任意に設定される。また、気密フィルム13には、例えば0.1mm 程度の厚さのポリプロピレンフィルム等が使用される。
【0020】
例示した建物は、柱、桁、間柱、胴縁等の軸組部材2が軽量鉄骨材からなるものである。本発明の外断熱壁構造及び壁工法では、壁断熱パネル1の建て込みに先立って、軸組部材2の屋外側表面に気密テープ4が貼着される。この気密テープ4は、例えば発泡ポリエチレンや発泡ウレタン、発泡ポリスチレンなどの発泡樹脂、あるいは発泡EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン3元共重合体)などの合成ゴムからなるもので、厚さが少なくとも2mm以上、好ましくは3mm程度の帯状体に形成されている。かかる発泡体としては気泡が個々に独立したもの(独立発泡体)が好ましいが、連続気泡を有する材料(連続発泡体)の少なくとも一面に気密性のフェイス層を設けたものも利用可能である。この気密テープ4を軸組部材2の表面に貼着して壁断熱パネル1を密着させることにより、軸組部材2の表面や壁断熱パネル1の裏面(屋内側表面)に現れる微小な不陸が吸収されて、精度の高い断熱・気密ラインが形成されることになる。
【0021】
断熱壁パネルを軸組部材2に取り付けるに際しては、例えば図5に示すような壁断熱パネル取付金具5が使用される。例示の壁断熱パネル取付金具5は、2本のリップ付溝形鋼を背中合せにして構成された間柱21に取り付けられる形態を有している。
【0022】
この壁断熱パネル取付金具5は、上面に開口溝を有する略矩形断面の基部51に基板52が固着され、この基板52の上に、締付ビス53及びコイルスプリング54を介して、2枚の押え板55,55が回動自在に取り付けられた構成を備えている。締付ビス53の頭部は指先で回すことができるようにローレット状に加工されるとともに、頭部の頂面にはレンチ締結用の六角孔が形成されている。また、締付ビス53の脚部は基板52に形成された雌ネジ孔に螺合されている。各押え板55は、コイルスプリング54の弾発力によって締付ビス53の頭部側に保持され、基部51の軸線に沿う位置から軸線に直交する位置まで、互いに反対向きに約90度の角度範囲を回動する。押え板55の先端部は、斜め下向きに湾曲形成されている。基板52の側縁部には上方に延出する一対のストッパー56,56が形成されて、これらのストッパー56が各押え板55をそれぞれ軸線に直交する位置で止めるようになっている。基部51の高さは壁断熱パネル1の縦枠材11aにおける張出縁111の見込み寸法とほぼ等しく形成されており、基部51の中央には下方に延びる軸柱57が固着されている。
【0023】
この壁断熱パネル取付金具5は、軸柱57を間柱21の中央の隙間に挿入した状態で間柱21に固定される。固定に際しては、間柱21の背面側(屋内側)から軸柱57の先端部にピン状の係止部材58を嵌め込むか、軸柱57の先端をボルト状に加工して間柱21の背面側からナット締結する。壁断熱パネル1は、図4に示したように、この壁断熱パネル取付金具5を縦目地部分に挟み込むようにして建て込まれる。そして、壁断熱パネル取付金具5の各押え板55を回動させて、隣接する壁断熱パネル1の縦枠材11aの張出縁111にそれぞれ係合させ、締付ビス53を締め付けると、押え板55の先端部が縦枠材11aを間柱21側に押圧する。これにより、間柱21の表面に貼着された気密テープ4が壁断熱パネル1との間に圧縮され、間柱21と壁断熱パネル1とが気密的に連結される。
【0024】
図6に示す壁断熱パネル取付金具50は、木質材からなる矩形断面の柱22に取り付けられる形態を示したものである。この壁断熱パネル取付金具50は、主要部分において前記図5に示したものとほぼ同じであるが、基部51に軸柱がなく、基部51を直接、柱22の屋外側表面に対してビス止めできるようになっている。ビス止めを容易にするために、基部51の底面は軸線方向に延長されて、その延長部分にビス孔59が形成されている。
【0025】
このような壁断熱パネル取付金具5,50を使用することにより、押え板55を回動させて締付ビス53を締結するという簡単な作業で、特別な技量を必要とせずに、壁断熱パネル1を建て込むことができる。そして、壁断熱パネル1が軸組部材2に密着状態で建て込まれることにより、壁断熱パネル1の裏面(屋内側)に貼着された気密フィルム13と軸組部材2に貼着された気密テープ4とが重なり合って、軸組部材2の屋外側に断熱・気密ラインが形成される。この断熱・気密ラインは断熱材12の屋内側で連続するので、軸組部材2が外気の影響を受けにくくなり、壁体内結露が生じにくくなる。また、気密フィルム13と気密テープ4との重なり幅にも十分な余裕があるので、経年によって壁断熱パネル1や気密テープ4が収縮した場合でも、良好な気密性が保持される。
【0026】
壁断熱パネル1の縦目地部分は、壁断熱パネル取付金具5を挟み込んでいるために、若干の隙間が生じる。そこで、図4に示したように、この縦目地部分には発泡ウレタンその他の発泡樹脂やグラスウール等からなる断熱充填材6が現場で充填される。それぞれに張出縁111を備えた縦枠材11aは、縦目地部分を挟んで対をなすことにより屋外側に開口した溝部を形成するので、この溝部内に十分な量の断熱充填材6を充填することができる。これにより、縦目地部分においても良好な断熱性が確保される。
【0027】
こうして、軸組部材2の屋外側に壁断熱パネル1が建て込まれたならば、図3に示すようにして、壁断熱パネル1の屋外側に外壁パネル7を建て込む。外壁パネル7の幅は、壁断熱パネル1の幅と同じモジュールで設計されている。本発明において外壁パネル7の構造や材質は特に限定されないが、基本的には、外装仕上材71の裏面に軽量溝形鋼等からなる枠材72を取り付けたものが好適である。
【0028】
外壁パネル7の取り付けは、壁断熱パネル1の縦目地部分に固定した外壁パネル取付金具8を介して行われる。図7は外壁パネル取付金具8の例を示す。この外壁パネル取付金具8も、前記図5〜図6に示した壁断熱パネル取付金具5と類似の構成を有している。すなわち、基板82に、締付ビス83及びコイルスプリング84を介して2枚の押え板85,85が回動自在に取り付けられ、各押え板85は、互いに反対向きに約90度の角度範囲を回動して、その先端部で外壁パネル7の枠材72を押さえつける。
【0029】
ただし、この外壁パネル取付金具8における基板82は、平坦な固定板81に固着された形態を有している。固定板81は、縦目地部分を挟んで対をなす壁断熱パネル1の両縦枠材11aに跨がる板幅に形成され、各縦枠材11aの屋外側見付面にビス固定されるようになっている。また、固定板81の下側には、バネ鋼板を折曲して形成されたクリップ部87が設けられ、このクリップ部87が対をなす縦枠材11aによって形成された溝部の内側に嵌め込まれるようになっている。これにより、壁断熱パネル1の縦目地に対して外壁パネル7の縦目地を容易に一致させることができる。
【0030】
このように本発明の外断熱壁構造及び壁工法では、枠内に断熱材12を充填して裏面に気密フィルム13を貼着した壁断熱パネル1が軸組部材2の外側に建て込まれるので、壁断熱パネル1の枠材11の断面寸法を規格化することにより、外壁の下地材や仕上材を軸組部材2に対して共通の納まりで取り付けることができる。断熱材12は各壁断熱パネル1の枠内に充填されるので、環境条件や建物部位によって断熱材12の厚みが変化する場合でも、壁厚を一定に揃えることができる。なお、図4中に符号23で示した部分は空気層となる。
【0031】
また、本発明の外断熱壁構造及び壁工法では、軸組部材2の表面に貼着された気密テープ4と、壁断熱パネル1の裏面に貼着された気密フィルム13とが重なり合うようにして壁断熱パネル1が建て込まれるので、連続した断熱・気密ラインが形成されるとともに、その気密性を長期的に保持することができる。
【0032】
また、本発明の外断熱壁構造及び壁工法では、壁断熱パネル1が縦目地部分に配した壁断熱パネル取付金具5を介して軸組部材2に取り付けられ、さらに、外壁パネル7も類似の構造を有する外壁パネル取付金具8を介して壁断熱パネル1の枠材11に取り付けられるので、特別や技量を必要とすることなく、簡単な作業で効率的に施工することができる。壁断熱パネル取付金具5と外壁パネル取付金具8との間は現場充填の断熱充填材6で分断されるので、壁を貫通する金属部分はなく、したがって冷橋も生じない。これにより、壁体内での結露やカビの発生を効果的に防ぐことができ、建物の耐久性能も向上する。また、このような取付金具を利用することにより、増改築等に際しても各部材を破壊することなく容易に取り外すことが可能になり、リサイクル性が向上する。
【0033】
【発明の効果】
本発明の外断熱壁構造及び壁工法は、枠内に断熱材を充填して裏面に気密フィルムを貼着した壁断熱パネルが、軸組部材の外側に建て込まれて断熱・気密ラインを形成するように構成される。したがって、壁断熱パネルの枠材の断面寸法を規格化することにより、断熱材の厚みが変化しても、外壁の下地材や仕上材を軸組部材に対して共通の納まりで取り付けることができる。
【0034】
また、本発明の外断熱壁構造及び壁工法では、軸組部材の表面に貼着された気密テープと、壁断熱パネルの裏面に貼着された気密フィルムとが、十分な幅をもって重なり合うので、断熱・気密ラインの連続性が良好に確保されるとともに、それを長期的にも保持することができる。
【0035】
また、本発明の外断熱壁構造及び壁工法では、壁断熱パネルが縦目地部分に配した壁断熱パネル取付金具を介して軸組部材に取り付けられ、さらに、外壁パネルも類似の構造を有する外壁パネル取付金具を介して壁断熱パネルの枠材に取り付けられるので、特別や技量を必要とすることなく、簡単な作業で効率的に施工することができる。壁断熱パネル取付金具と外壁パネル取付金具との間に断熱充填材を充填することにより、壁を貫通する金属部分をなくして、冷橋の発生を防ぐこともできる。また、このような取付金具を利用することにより、増改築等に際しても各部材のリサイクルが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁断熱パネルの基本的な構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の外断熱壁構造及び壁工法(前半部分)の基本的構成を示す部分斜視図である。
【図3】本発明の外断熱壁構造及び壁工法(後半部分)の基本的構成を示す部分斜視図である。
【図4】図2〜図3の外断熱壁構造における壁断熱パネルの縦目地部分の詳細を示す部分断面図である。
【図5】軽量鉄骨軸組建物に適した壁断熱パネル取付金具の詳細を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図6】木造軸組建物に適した壁断熱パネル取付金具の詳細を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図7】外壁パネル取付金具の詳細を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図8】従来の技術にかかる外断熱壁構造の基本的な構成を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 壁断熱パネル
11 枠材
11a 縦枠材
111 張出縁
12 断熱材
13 気密フィルム
2 軸組部材
21 間柱
22 柱
4 気密テープ
5 壁断熱パネル取付金具
51 基部
52 基板
53 締付ビス
54 コイルスプリング
55 押え板
6 断熱充填材
7 外壁パネル
8 外壁パネル取付金具

Claims (2)

  1. 柱、梁、胴縁その他の軸組部材と、該軸組部材の屋外側表面に建て込まれる壁断熱パネルと、該壁断熱パネルの屋外側に取り付けられる外壁パネルとかならる外断熱壁構造において、
    (a)軸組部材の屋外側表面に気密テープが貼着され、
    (b)壁断熱パネルは、木質材からなる枠材と、前記枠材で囲まれた枠内に充填された断熱材と、前記枠材及び断熱材の屋内側全面に貼着された気密フィルムとを備えるとともに、前記枠材のうち縦辺に位置する縦枠材は、屋内側縁部に外方への張出縁を備えた略L字形の断面形状を有し、この前記壁断熱パネルが、前記軸組部材の屋外側に密着状態で建て込まれ、
    (c)前記壁断熱パネル同士が左右方向に突き合わされる縦目地部分には、基部と、基部に固着された基板と、締付ビス及びコイルスプリングを介して基板上に回動可能に取り付けられた2枚の押え板を備えてなる壁断熱パネル取付金具が、前記基部を前記縦目地部分に挟み込まれた状態で軸組部材に対し固定されるととともに、前記押え板により壁断熱パネルの縦枠材の張出縁が軸組部材側に押圧されて、壁断熱パネルが軸組部材に対し固定され、
    (d)前記縦目地部分に形成された溝部に断熱充填材が充填され、
    (e)前記縦目地部分を挟んで対をなす壁断熱パネルの両縦枠材の屋外側見付面には、基板と、締付ビス及びコイルスプリングを介して基板上に回動可能に取り付けられた2枚の押え板を備えてなる外壁パネル取付金具が、前記壁断熱パネル取付金具とは前記断熱充填材を介し熱的に分断された状態で取り付けられ、
    (f)前記外壁パネル取付金具を介して壁断熱パネルの屋外側に外壁パネルが取り付けられたことを特徴とする外断熱壁構造。
  2. (ア)柱、梁、胴縁その他の軸組部材の屋外側表面に気密テープを貼着し、
    (イ)次いで、木質材からなる枠材の内側に予め断熱材を充填して屋内側全面に気密フィルムを貼着してなる壁断熱パネルを、前記軸組部材の屋外側に密着させて建て込み、
    (ウ)次いで、前記壁断熱パネルの目地部分に配した壁断熱パネル取付金具によって、各壁断熱パネルを前記軸組部材に固定し、
    (エ)次いで、前記壁断熱パネルの目地部分に断熱充填材を充填し、
    (オ)次いで、前記壁断熱パネルの目地部分に、前記壁断熱パネル取付金具とは前記断熱充填材を介し熱的に分断された状態で外壁パネル取付金具を取り付け、
    (カ)前記外壁パネル取付金具を介して壁断熱パネルの屋外側に外壁パネルを取り付けることを特徴とする外断熱壁工法。
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CN102535677A (zh) * 2012-01-18 2012-07-04 中铁十六局集团北京工程有限公司 钢结构厂房横排版大波纹彩钢板***护墙及施工方法
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