JP3956247B2 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルプリント配線板等の製造に用いられる感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の製造には、従来より液状又はフィルム状の感光性樹脂組成物が用いられている。例えば、銅箔を絶縁基板上に積層した銅張積層板の銅箔をエッチングするときのレジスト、配線の形成されたプリント配線板のはんだ付け位置限定及び保護の目的で使用するソルダレジスト等として用いられている。
プリント配線板には、カメラなどの小型機器に折り曲げて組み込むことができる、一般にフレキシブルプリント配線板と呼ばれるフィルム状のプリント配線板があり、FPCと略称されている。このFPCも部品搭載のためにはんだ付けがあり、ソルダレジストが必要である。この目的のために接着剤付きのポリイミドフィルムを所定の型に打ち抜いたものを積層したり、耐熱性の材料で構成された印刷インクを印刷して用いられてきた。前者をカバーレイ、後者をカバーコートと呼んでいる。
このカバーレイ、カバーコートははんだ付け後の配線の保護膜も兼ねており、はんだ付け時の耐熱性、絶縁性、基板組み込み時の折り曲げでクラックが入らない可撓性及び安全性の面から難燃性が必要である。
現在、接着剤付きポリイミドフィルムを打ち抜いて形成されるカバーレイはこれらの特性を満足しており最も多く使用されているが、型抜きに高価な金型が必要で、打ち抜いたフィルムを人手で位置合わせ、貼り合わせするために高コストになり、また、微細パターンの形成が困難であるという問題がある。
これらの問題解決のために、液状の感光性レジストが提案(特開平7−207211、特開平8−134390、特開平9−5997等)されているが、液状感光性レジストは有機溶剤による環境汚染、膜厚のばらつき、印刷性付与のための充填剤により十分な可撓性がない等の問題がある。また、フィルムタイプの感光性カバーレイも提案(特開平5−254064、特開平7−278492等)されているが、ポリアミド酸層上に感光性レジスト層を設けた2層構造の感光性カバーレイの場合は解像度が低く、また、他の感光性カバーレイは難燃性がない等の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は良好な可撓性、解像性、はんだ耐熱性、難燃性に優れた可撓性耐熱保護被膜の微細パターンを写真法で容易に形成できる感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)アクリル酸又はメタクリル酸、及び、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルをモノマー単位として含むバインダーポリマー、
(B)繰り返し単位として、下記式(a)及び下記式(b)
【化4】
を含み、(a)/(b)モル比が9/1〜1/9であるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーであって、末端にヒドロキシル基を有するコポリカーボネート(数平均分子量が600〜1,000)と有機イソシアネートとが鎖状に連結してなる、ウレタンオリゴマー(数平均分子量1,000〜10,000)の末端に、更に不飽和オルガノオキシカルボニルイミド基が結合した、前記のウレタン・不飽和オルガノオリゴマー、
(C)一般式(I)
【0005】
【化5】
【0006】
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、m及びnは、m+n=8〜12を満たす正の整数である。)
で表わされるエチレン性不飽和基含有重合性化合物、
(D)光重合開始剤及び
(E)一般式(II)
【0007】
【化6】
【0008】
(式中R3 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表されるリン化合物
を必須成分として含有する感光性樹脂組成物並びに支持体フィルム上に前記感光性樹脂組成物の層を積層してなる感光性フィルムに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる各成分について詳述する。
(A)成分のバインダーポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルとこれらと共重合し得るビニルモノマー等を共重合した共重合体などがあげられる。これらの共重合体は、単独でも2種類以上を組み合わせても用いることができる。
アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルやこれらのアルキル基の水素原子が、水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等に置換したアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
また、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルやアクリル酸又はメタクリル酸と共重合しうるビニルモノマーとしては、アクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
これらの構成モノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分中のアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は、5〜40重量%であることが好ましく、(A)成分中のアクリル酸のアルキルエステル又はメタクリル酸のアルキルエステルの含有量は、60〜95重量%であることが好ましい。
また、(A)成分の重量平均分子量は、塗膜性及び塗膜強度、現像性の点から10,000〜300,000であることが好ましい。
【0010】
本発明に(B)成分として用いるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーは繰り返し単位として、下記式(a)及び下記式(b)
【化7】
を含み、(a)/(b)モル比が9/1〜1/9であり、かつ末端にヒドロキシル基を有するコポリカーボネート(数平均分子量が600〜1,000)と有機イソシアネートとが鎖状に連結してなるウレタンオリゴマー(数平均分子量1,000〜10,000)の末端に、更に不飽和オルガノオキシカルボニルイミド基が結合したものである。
不飽和オルガノオキシカルボニルイミド基としては、
一般式(III)
【化8】
R7 =R8 −OCONH− (III)
(式中、R7 =R8 −は、二重結合を1以上含む不飽和オルガノ基を示す)
で表わされる基が挙げられる。
上記ウレタンオリゴマーの数平均分子量は、1,000〜10,000であるが、この数平均分子量が1,000未満では、可撓性が低下し、10,000を越えると、現像性が低下する。
このようなウレタン・不飽和オルガノオリゴマーは、例えば、下記一般式(IV)
【0011】
【化9】
【0012】
(式中、R11は両末端からヒドロキシル基が脱離した形で表示されるコポリカーボネートの2価の残基を示し、R12は有機イソシアネートがイソシアネート基を脱離させた形で表示される2価の脂肪族基又は芳香族基を示し、nはオリゴマー中の繰り返し単位を示す)等で表わされる。ここで、R11の両末端からヒドロキシル基が脱離した形で表示されるコポリカーボネートの2価の残基を与える末端にヒドロキシル基を有するコポリカーボネートの数平均分子量は、600〜1,000とされる。この数平均分子量が、600未満では、可撓性が低下し、1,000を越えると、現像性、感度等が低下する。
上記一般式(IV)中のnはオリゴマ中の繰り返し単位数であり、1〜100であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
R7 =R8 −は、二重結合を1以上含む不飽和オルガノ基であり、R11、R12等からなるウレタンオリゴマーの末端に、オキシカルボニルイミド基(−OCONH−)を介して結合している。二重結合をはさむ2つのR7 及びR8 の基本骨格は互いに同一でもよく、異なってもよい。
【0013】
このような不飽和オルガノ基としては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレートが反応したジメチレンアクリレート基(−C2 H4 OCOCH=CH2 )、ヒドロキシプロピルアクリレートが反応したトリメチレンアクリレート基、ヒドロキシブチルアクリレートが反応したテトラメチレンアクリレート基、ヒドロキシエチルアクリレート・カプロラクトン付加物が反応したペンタメチレンカルボニルオキシジメチレン−アクリレート(−(CH2 )5 COOC2 H4 OCOCH=CH2 )、ヒドロキシプロピルアクリレート・カプロラクトン付加物が反応したペンタメチレンカルボニルオキシトリメチレン−アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート・カプロラクトン付加物が反応したペンタメチレンカルボニルオキシテトラメチレン−アクリレート基等のカプロラクトン付加物又は酸化アルキレン付加物が反応した基、ヒドロキシエチルアクリレート・酸化エチレン付加物が反応したジメチレンオキシジメチレン−アクリレート基(−C2 H4 OC2 H4 OCOCH=CH2 )、ヒドロキシエチルアクリレート・酸化プロピレン付加物が反応したメチルジメチレンオキシジメチレン−アクリレート基(−C2 H3 (CH3 )OC2 H4 OCOCH=CH2 )、ヒドロキシエチルアクリレート・酸化ブチレン付加物が反応したエチルジメチレンオキシジメチレン−アクリレート基(−C2 H3 (C2 H5 )OC2 H4 OCOCH=CH2 )等が挙げられる。
【0014】
R11は、両末端から水酸基が脱離した形で表示されるコポリカーボネートの2価の残基であり、上記式(a)で表わされるヘキサメチレンカーボネート繰り返し単位と上記式(b)で表わされる繰り返し単位を含む共重合基である。また、隣接する繰り返し単位相互間ではお互いに同一でもよく、異なっていてもよく、繰り返しは規則的でもよく、不規則でもよい。
R11は、例えば、一般式(V)
【化10】
(式中、r、sは整数である)
等で表わされる。
【0015】
R11はヘキサメチレンカーボネート(a)/ペンタメチレンカーボネート(b)の含有比率(モル比)は、9/1〜1/9であり、7.5/2.5〜1.5/8.5であることが好ましい。
また、R11が上記一般式(V)で表わされるようにヘキサメチレンカーボネート(a)とペンタメチレンカーボネート(b)のみの共重合体でなる場合は特に、(a)/(b)を7.5/2.5〜1.5/8.5の範囲内にすると、オリゴマーは効果的に非晶質化を呈する。
R11は、ヘキサメチレンカーボネート(a)とペンタメチレンカーボネート(b)のみで構成されてもよいが、共重合体中の繰り返し単位として、ポリオールがその両端のヒドロキシル基を脱離した形で表示される残基が含まれていることが好ましい。
【0016】
ポリオールがその両末端のヒドロキシル基を脱離した形で表示される残基としては、例えば、1,4−ブタンジオール残基(−(CH2 )4 −)、トリメチロールプロパン残基(−CH2 C(CH2 OH)(C2 H5 )CH2 −)、トリメチロールエタン残基(−CH2 C(CH2 OH)(CH3 )CH2 −)、ヘキサントリオール残基(例えば、(−(CH2 )4 CH(OH)CH2 −)等)、ヘプタントリオール残基(例えば、(−(CH2 )5 CH(OH)CH2 −)等)、ペンタエリスリトール残基(−CH2 C(CH2 OH)2 CH2 −)等の多官能ポリオール残基が挙げられる。
含有するポリオール残基の割合は、ヘキサメチレンカーボネート(a)とペンタメチレンカーボネート(b)との総量に対し、1,4−ブタンジオール残基の場合は、20モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であることがより好ましい。また、1,4−ブタンジオール以外の上記のポリオールの残基の場合には、10モル%以下であることが好ましい。
ポリオール残基が含まれていると、上記のヘキサメチレンカーボネート(a)/ペンタメチレンカーボネート(b)モル比が、7.5/2.5〜1.5/8.5の範囲外でも、9/1〜1/9の範囲であれば、オリゴマーはゲル化が有効に防止される。
【0017】
R12は、有機イソシアネートがイソシアネート基を脱離させた形で表示される2価の脂肪族又は芳香族基である。適宜に合成反応過程の一例を示しながらその具体例を示す。例えば、トルエン−2−,4−ジイル基、トルエン−2,6−ジイル基、イソホロンジイソシアネートが反応した1−メチレン−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン−5−イル基、ヘキサメチレン基、ジフェニルメチレン基、(o,m又はp)−キシレンジイル基(−(CH3 )2 C6 H4 −)、メチレンビス(シクロヘキシニル)基(−C6 H10CH2 C6 H10−)、トリメチルヘキサメチレン基(−(CH3 )3 C6 H9 −)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレン基(−CH2 C6 H10CH2 −)、シクロヘキサン−1,4−ジメチレン基、ナフタレン−1,5−ジイル基、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートが反応したトリフェニレンチオフォスフェイト基((−C6 H4 )3 P=S)等が挙げられる。
上記のR11とR12とはウレタン結合してウレタンオリゴマーを形成している。主鎖中には、本発明の効果を損なわない範囲で、水、低分子ポリオール、ポリアミンなどの残基が、さらにエーテル結合又はイミノ結合して含まれていると、主鎖の長さが適宜長くなって好ましい。
このような鎖延長基としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等の残基で、それぞれヒドロキシル基中の水素を脱離させた形で表示されるものが挙げられる。
【0018】
(B)成分であるウレタン・不飽和オルガノオリゴマーの数平均分子量は、1,000〜10,000であることが好ましい。この数平均分子量1,000未満では、可撓性が低下する傾向があり、10,000を越えると、現像性が低下する傾向がある。
市販品としては、例えば、UF−8001、UF−8002、UF−8003、UF−8003M(いずれも共栄社化学(株)製、商品名)が挙げられる。
【0019】
(C)成分である一般式(I)で表わされる重合性化合物としては、例えば、2,2’−ビス{4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル}プロパン、2,2’−ビス{4−(アクリロキシペンタエトキシ)フェニル}プロパン、2,2’−ビス{4−(メタクリロキシテトラエトキシ)フェニル}プロパン等があり、市販品としては、NKエステルBPE−10(新中村化学工業(株)製、商品名)等がある。
一般式(I)においてm及びnは、m+nが4〜12となるように選ばれる正の整数である。m+nが4未満の場合は、可撓性が低下し、12を越える場合は、系の親水性が増し、現像時の密着性が低下する。
(C)成分としては、(B)成分及び一般式(I)で表わされる重合性化合物以外の重合性化合物として、常圧で沸点が100℃以上であるものを含有してもよい。
【0020】
本発明において(D)成分として用いる光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヘラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などが挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0021】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、(E)成分として前記の一般式(II)で表わされるリン化合物を含有する。リン化合物としては、例えば、テトラキス(メチルフェニル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスフェート、テトラキス(エチルフェニル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスフェート等があり、市販品としては、CR−747(大八化学(株)製、商品名)等がある。
一般式(II)で表わされるリン化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0022】
本発明における、(A)成分の配合量としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の、30〜70重量%とすることが好ましい。この配合量が、30重量%未満では、現像性の低下や感光性フィルムとした場合、感光性樹脂組成物層が柔らかくなり、フィルム端面からのしみ出しが起きる傾向があり、70重量%を越えると、感度の低下やはんだ耐熱の低下が起こる傾向がある。
本発明における、(B)成分の配合量としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の、10重量%〜70重量%とすることが好ましい。この配合量が、10重量%未満では、カバーレイとしての可撓性が劣る傾向があり、70重量%を越えると、はんだ耐熱性が低下する傾向にある。
本発明における、(C)成分の配合量としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の、5〜50重量%とすることが好ましい。この配合量が、5重量%未満では、感度が低下する傾向があり、50重量%を越えると、可撓性が低下する傾向がある。
本発明における、(D)成分の配合量としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の、0.01〜20重量%とすることが好ましい。この配合量が、0.01重量%未満では、感度が低下する傾向があり、20重量%を越えると、はんだ耐熱性が低下する傾向がある。
本発明における、(E)成分の配合量としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の、10〜100重量%とすることが好ましい。この配合量が、10重量%未満では、難燃性が低下する傾向があり、100重量%を越えると、タックが増加して作業性が低下する傾向にある。
本発明の感光性樹脂組成物には、メラミン樹脂などの熱硬化成分、染料、顔料、可塑剤、安定剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0023】
本発明の感光性樹脂組成物は、これを支持体フィルム上に塗布、乾燥し、感光性フィルムとして使用することもできる。支持体としては、重合体フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの重合体フィルムは、後に感光層から除去可能でなくてはならないため、除去不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であってはならない。これらの重合体フィルムの厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜30μmである。これらの重合体フィルムの一つは感光層の支持フィルムとして、他の一つは感光層の保護フィルムとして感光層の両面に積層してもよい。
【0024】
感光性フィルムを製造するに際しては、まず、(A)〜(E)成分を含む感光性樹脂組成物を溶剤に均一に溶解する。溶剤は、感光性樹脂組成物を溶解する溶剤であればよく、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、N−メチル−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコールなどが用いられる。これらの溶剤は単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
次いで、溶液状に感光性樹脂組成物を前記支持体フィルム層としての重合体フィルム上に均一に塗布した後、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶剤を除去し、乾燥皮膜とする。乾燥皮膜の厚さには制限はなく、通常10〜100μm、好ましくは20〜60μmとされる。
【0025】
このようにして得られる感光層と重合体フィルムとの2層からなる本発明の感光性フィルムは、そのまま又は感光層の他の面に保護フィルムをさらに積層してロール状に巻きとって貯蔵される。
本発明の感光性フィルムを用いてフォトレジスト画像を製造するに際しては、前記保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光層を加熱しながら基板に圧着させることにより積層する。より好ましくは減圧下で積層する。積層される表面は、通常、エッチング等により配線の形成されたFPCであるが、特に制限はない。感光層の加熱、圧着は通常70〜130℃、圧着圧力1×105 〜1×106 Paで4×103 Pa以下の減圧下で行われるが、これらの条件に制限はない。
本発明の感光性フィルムを用いる場合には、感光層を前記のように加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではない。積層性を更に向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできるのはもちろんである。
【0026】
このようにして積層が完了した感光層は、次いでネガフィルム又はポジフィルムを用いて活性光に画像的に露光される。この際感光層上に存在する重合体フィルムが透明の場合には、そのまま露光してもよく、また不透明の場合には、当然除去する必要がある。感光層の保護という点からは、重合体フィルムは透明で、この重合体フィルムを残存させたまま、それを通して露光することが好ましい。活性光は公知の活性光源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、その他から発生する光が用いられる。感光層に含まれる光開始剤の感受性は、通常紫外線領域において最大であるので、その場合は活性光源は紫外線を有効に放射するべきものにすべきである。
次いで露光後、感光層上に重合体フィルムが存在している場合には、これを除去した後、例えばスプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により未露光部を除去して現像する。現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられ、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5重量%水溶液)等が用いられる。
【0027】
現像後、FPCのカバーレイとしてのはんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行う。紫外線の照射量は0.2〜10J/cm2 程度が一般的に用いられ、この照射の際60〜150℃の熱を伴うことがより好ましい。加熱は100〜170℃程度の範囲で15〜90分程行われる。これら紫外線の照射と加熱の順はどちらが先でもよい。
このようにしてカバーレイの特性を付与された後、LSIなどの部品実装(はんだ付け)、カメラ等機器への装着がなされる。
【0028】
【実施例】
次に本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記例中の「部」は特に断らない限り、「重量部」を意味する。
【0029】
実施例1
表1に示す(A)〜(E)成分及びその他の成分を混合し、溶液を調整した。
【0030】
【表1】
【0031】
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を19μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で約5分間乾燥して感光性フィルムを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、50μmであった。感光性樹脂組成物層の上には、さらに、厚さ25μmのポリエチレンフィルムを保護フィルムとして貼り合わせ、本発明の感光性フィルムの感光特性、レジスト形成後のはんだ耐熱性、耐折性について、下記の方法で評価した。得られた結果を表3に示す。
【0032】
(1)感光特性
35μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名F30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗後、乾燥した。このフレキシブルプリント配線板用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシュー温度120℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4.0×103 Pa以下、圧着圧力3.0×105 Paで前記感光性フィルムをポリエチレンフィルムを剥がしながら積層した。
次に、得られた試料のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、コダックステップタブレットNo.2(イーストマンコダック(株)製、21段ステップタブレット)を密着させ、(株)オーク製作所製HMW−201GX型露光機を使用して所定量露光した。続いて、100℃で10分間加熱した後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として30℃で90分間スプレーし、ステップタブレット段数8段を得るために必要な露光量を感度とした。
また、フォトツール(コダックステップタブレットNo.2とライン/スペース(μm)=30/30〜250/250(解像度)、及びライン/スペース(μm)=30/400〜250/400(密着性)のネガパターンを有するフォトツール)を、得られた試料のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から密着させ、ステップタブレット段数8段を得られる露光量で露光し、現像した時に矩形のレジスト形状が得られる最も小さい解像度パターンのライン/スペースの値を解像度とした。
【0033】
(2)はんだ耐熱性
上記(1)と同様に、フレキシブルプリント配線板用基板に感光性フィルムを積層した試料のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、(1)と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像し、80℃で10分間乾燥した、次いで、(株)オーク製作所製紫外線照射装置を使用して1J/cm2 の紫外線照射を行い、さらに150℃で60分間加熱処理を行い、カバーレイを形成したフレキシブルプリント配線板を得た。
次いで、ロジン系フラックスMH−820V(タムラ化研(株)製)を塗布した後、260℃のはんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ処理を行った。このような操作の後、カバーレイのクラック発生状況、基板からのカバーレイの浮きや剥がれの状況を目視で次の基準で評価した。
良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの
不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの
【0034】
(3)耐折性
上記(2)と同様の操作で得たフレキシブルプリント配線板用基板上にカバーレイを形成し、はんだ付け処理を行った試料をハゼ折りで180°折り曲げ、折り曲げた際のカバーレイのクラックの発生状況を目視で下記の基準で評価した。
良好:クラックの発生がないもの
不良:クラックの発生したもの
【0035】
(4)難燃性
上記(1)で使用したフレキシブルプリント配線板用基板(ニッカン工業(株)製、商品名F30VC125RC11)の銅箔をエッチングした基材の両面に上記(2)と同様の操作で得たカバーレイを形成した試料をUL(Underwriters Laboratories Inc )で規定された試験方法(UL94)に定められたサイズ、形状及び試験(VTM)条件でUL94に準拠して難燃性(VTM-0 )を評価した。
【0036】
実施例2〜4、比較例1〜4
表1に示した各成分の配合量を表2のように変えた以外は実施例1と同様にして感光性フィルムを作成し、実施例1と同様の工程でカバーレイを作成し、評価した。得られた結果を表3に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】
表3から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物を用いることで、はんだ耐熱性、耐折性、難燃性の良好なフレキシブルプリント配線板用のカバーレイが得られた。
Claims (2)
- (A)アクリル酸又はメタクリル酸、及び、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルをモノマー単位として含むバインダーポリマー、
(B)繰り返し単位として、下記式(a)及び下記式(b)
(C)一般式(I)
で表わされるエチレン性不飽和基含有重合性化合物、
(D)光重合開始剤及び
(E)一般式(II)
を必須成分として含有する感光性樹脂組成物。 - 支持体フィルム上に請求項1記載の感光性樹脂組成物の層を積層してなる感光性フィルム。
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