JP3955940B2 - モータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動式のモータに関するものであり、特に、レイアウトフリーのモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種電子機器に取り付けられるファンや情報記憶を行うディスク装置等では、特定の向きで使用しなければならないモータが用いられる場合がある。例えば、モータ内部の軸受機構のシャフトをスリーブに回転可能に嵌合して支持し、容易に抜くことができるタイプのモータの場合、使用中にロータ部の脱落またはロータ部とステータ部との間の位置のずれを防止するための移動規制手段が必要であったり、または、モータの姿勢が限定されることがある。
【0003】
また、そのような軸受機構を備えるモータでは、シャフトのぶれにより回転音が大きくなってしまい、動作音の低減が求められる情報機器において問題となることがある。さらに、このようなモータでは上記移動規制手段を構成するためにロータ部の磁石とステータ部の電磁石との磁気的中心をずらせて磁気的な付勢力を作用させる構成をとることがあるが、磁気ノイズや磁気振動が増大し、駆動効率が減少してしまう。
【0004】
そこで、上記移動規制手段として特開平7−208457号公報や特開平8−317588号公報のように、シャフトがスリーブから抜けないようにする構成を追加したモータが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記移動規制手段として上記公報のようにシャフトに抜け防止用の機構を取り付ける場合、シャフトの端部という微小な部位に複雑な機構を取り付けることとなり、組み立て作業が煩雑になってしまう。そこで、本発明は、シャフト以外の部位にシャフトとスリーブとの位置関係を一定とするための機構を設けることにより、任意の姿勢で使用できるモータの構造を簡素化することを目的としている。
【0006】
一方、このような機構をシャフトに取り付けるために、従来技術では、シャフトの端部と対向するステータ部側の部位に部品を取り付けるための開口を設けたり、スリーブがステータ部に固定される前にシャフトをスリーブに挿入し、シャフトに各種部品を取り付けるようにしている。
【0007】
しかしながら、ステータ部に開口を設けると軸受機構のスリーブに含浸された油が開口から漏れ出したり、開口を塞ぐという追加作業が必要となる。スリーブに予めシャフトを挿入しておく場合も、シャフトが既に取り付けられたロータ部を組み立てに使用することができず、シャフトにロータ部を後付けする作業が必要になることからモータの生産コストが増大してしまう。
【0008】
本発明では上記課題に鑑み、シャフトをスリーブに挿入するだけで任意の姿勢で使用することが可能となるモータを提供することも目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、電動式のモータであって、シャフトと、前記シャフトを回転可能に支持するスリーブと、前記シャフトの一端が取り付けられた第1の部材と、前記スリーブが挿入される凹部を有する第2の部材と、前記第1の部材を前記第2の部材に対して相対的に回転させる駆動機構と、前記シャフトの他端を前記一端側へと付勢する付勢手段と、前記凹部の底面と対向する前記スリーブの端面と前記底面との間において前記シャフトに設けられ、前記付勢手段の作用により前記スリーブの前記端面に当接する当接部とを備え、前記当接部が1つの部材であって前記シャフトとともに回転し、前記当接部の当接面がリング状である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータであって、前記付勢手段が、前記シャフトの前記他端に当接するスラスト軸受部と、前記スラスト軸受部を前記他端に向けて付勢する弾性部とを有する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のモータであって、前記シャフトの前記他端が凸形状であり、前記スラスト軸受部の前記他端と当接する面が前記凸形状よりも曲率半径の大きい凹面である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のモータであって、前記当接部が、前記スリーブの挿入口に前記シャフトの前記他端が挿入されることにより前記シャフトに取り付けられる部材であり、前記シャフトが前記スリーブに挿入される際に、前記当接部が前記凹部内の部位と当接した状態で弾性変形しつつ前記シャフトの前記他端が前記挿入口に挿入され、前記他端が前記スラスト軸受部と当接して前記弾性部を変形させた段階で前記当接部の復元力により前記シャフトと前記当接部とが係合し、前記シャフトを挿入する力が解除されると前記弾性部の弾性力により前記当接部が前記凹部内の部位と非接触になるとともに前記スリーブの前記端面に当接する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のモータであって、前記シャフトが、外側面の周方向に沿って前記当接部と係合する溝を有する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5のいずれかに記載のモータであって、前記シャフトが前記スリーブに挿入される際に、前記第1の部材が前記シャフトに取り付けられている。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のモータであって、前記第1の部材が、成形と同時に前記シャフトに取り付けられる部材である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載のモータであって、前記第1の部材が、インペラとともに成形される部材である。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載のモータであって、前記当接部と前記スリーブの前記端面との間に流体が介在し、前記当接面および前記当接面と対向する面の少なくとも一方に流体動圧溝が形成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一の実施の形態に係るファンモータ7の外観を示す図である。ファンモータ7は、例えば、各種情報機器内部の排気や電子回路の冷却等を行うために用いられる。ファンモータ7は電動式のモータ部1のロータ部に複数のインペラ71が取り付けられた構成をしており、モータ部1のステータ部はフランジ72に支持される。
【0021】
図2は図1中の矢印A−Aの位置におけるモータ部1の縦断面図である。図2中には説明の便宜上、回転の中心軸に平行な方向をZ方向として示している。モータ部1はシャフト11およびスリーブ12から構成される軸受機構10を中央に有し、シャフト11はスリーブ12によりZ方向を向く軸を中心に回転可能に支持される。スリーブ12は焼結材料等の多孔質材料に潤滑油を含浸させた含油軸受となっている。
【0022】
シャフト11の(+Z)方向の一端はスリーブ12の外部においてロータ部(第1部材)21に接続される。ステータ部(第2部材)22は中央に有底円筒状の凹部220を有し、スリーブ12は凹部220に挿入される。ロータ部21の外周面211の外側には図1に示すインペラ71が形成されており、ロータ部21の本体は樹脂にてインペラ71とともに一体的に成形される。また、ロータ部21の本体が成形される際にはシャフト11が同時に取り付けられ(いわゆる、インサート成形)、ロータ部21はシャフト11が取り付けられた部材として準備される。ステータ部22は図1に示すフランジ72に支持され、フランジ72が情報機器等に取り付けられることにより、ステータ部22が固定される。モータ部1が駆動されるとロータ部21とともにインペラ71が回転し、気流が発生する。
【0023】
ロータ部21の外周面211の内側には、ヨーク212を介して多極着磁された磁石213が取り付けられる。一方、ステータ部22においてスリーブ12の周囲には、鉄心221に絶縁部材を介して導線を捲回したコイル222が複数設けられる。導線はその絶縁部材に保持されたピン223を介してステータ部22下部の回路基板224に電気的に接続される。そして、コイル222に流される電流が制御されることにより、磁石213、鉄心221およびコイル222で構成される駆動機構がロータ部21を回転させる。
【0024】
スリーブ12が挿入される凹部220には、スリーブ12の(−Z)側の端面と当接する面220bが設けられており、凹部220の底面220aに対向するスリーブ12の端面と底面220aとの間には、スリーブ12の端面と当接する当接部4がシャフト11に取り付けられる。
【0025】
凹部220の底面220aの中央には、シャフト11の(−Z)側の端部を(+Z)側に向けて付勢する付勢機構3が配置される。付勢機構3は、シャフト11の端部に当接するスラスト軸受部として機能するスラストチップ31、および、スラストチップ31の(−Z)側に配置された弾性体であるバネ32を有する。図2に示す状態においてバネ32は圧縮されており、スラストチップ31をシャフト11の端部に向けて付勢する。したがって、シャフト11は(+Z)側に付勢され、当接部4がスリーブ12の端面と当接する。
【0026】
なお、モータ部1では、付勢機構3および当接部4によりシャフト11とスリーブ12との相対的位置関係が一定とされるため、従来のように磁石213の磁気的中心を電磁石(すなわち、鉄心221)の磁気的中心よりも(+Z)側に位置させてシャフト11に(−Z)方向の力を作用させる必要がない。そこで、図2に示すモータ部1では磁石213の磁気的中心と電磁石の磁気的中心とを一致させることにより、磁気ノイズや磁気振動が低減し、駆動効率を高めることが実現される。
【0027】
スリーブ12が挿入されるステータ部22の凹部220上端には、ロータ部21への潤滑油の飛散あるいは流出を抑えるためのキャップ226が取り付けられる。キャップ226の内面に付着した潤滑油はキャップ226の内面を伝わってスリーブ12へと戻る。
【0028】
図3ないし図5は当接部4の平面図、正面図および底面図である。当接部4はリング状となっており、図3に示すように中央にシャフト11が挿入される挿入口41を有する。スリーブ12の端面と当接する当接面42には流体動圧溝421が形成されている。当接部4の材質は例えば金属である。
【0029】
当接部4の底面側には図4および図5に示すように略円筒状の突出部43が形成されており、突出部43には挿入口41の伸びる方向に沿って複数の切欠部431が形成されている。突出部43の内側面(すなわち、挿入口41の内側面)には周方向に沿って凸部432が形成される。なお、図4および図5に示す当接部4では、4つの凸部432は切欠部431により分離されている。
【0030】
図6ないし図8はステータ部22にロータ部21が取り付けられる際のシャフト11、付勢機構3および当接部4の様子を説明するための図である。図6はシャフト11がスリーブ12に挿入されて当接部4に到達した直後の状態を示し、図7はシャフト11の端部に当接部4が取り付けられる瞬間の状態を示し、図8はシャフト11に当接部4が取付られた後の様子を示している。
【0031】
ロータ部21がステータ部22に取り付けられる際には、予め底面220aの中央の穴にバネ32およびスラストチップ31が配置され、面220bに載せられるようにして当接部4が配置され、さらに、スリーブ12が凹部220に挿入される。当接部4は、突出部43の外側面が周辺部位に当接することで凹部220のほぼ中央に位置する。
【0032】
図6に示すようにシャフト11が底面220aに向かって押し込まれると、シャフト11の端部が当接部4の挿入口41に挿入され、やがて端部が凸部432と当接する。その後、当接部4が面220bと当接した状態でシャフト11の端部が挿入口41を押し広げるように凸部432を付勢する。このとき、当接部4が弾性変形して切欠部431(図4参照)が広がることにより、シャフト11の先端が容易に挿入口41の奥へと挿入される。
【0033】
シャフト11の端部の外側面には周方向に沿って円環状に溝111が形成されており、シャフト11がさらに奥へと挿入されると、端部がスラストチップ31と当接してバネ32を変形(すなわち、圧縮)させた段階で、当接部4の復元力により図7に示すように凸部432が溝111と係合する。
【0034】
その後、シャフト11をスリーブ12内へと押し込む力が解除されると、図8に示すようにバネ32の弾性力によりシャフト11がロータ部21の本体に接続された端部に向かって(すなわち、図8中の(+Z)方向に)付勢され、シャフト11および当接部4が(+Z)方向に移動し、当接部4と面220bとが非接触の状態になるとともに当接部4の当接面42がスリーブ12の端面と当接する。
【0035】
以上のように、ファンモータ7では、ステータ部22側のスリーブ12にロータ部21側のシャフト11を挿入するのみでシャフト11と当接部4とが係合し、ロータ部21は容易には抜けないようにされる(当接部4がロータ部21の移動規制手段として機能する)。また、シャフト11の挿入のみで組み立てを行うことができるため、シャフト11が取り付けられた部品として予めロータ部21を準備することができ、シャフト挿入後にロータを後付けしたり、ステータの底面に穴を設けて別途シャフトが抜けない機構を取り付けて封止する必要もない。その結果、組み立て作業に要する工数を削減することができる。
【0036】
また、シャフト11はバネ32によりロータ部21の本体側へと付勢されるため(すなわち、バネ32がシャフト11の(−Z)側の端部を(+Z)側の端部へと付勢するため)、シャフト11が重力に対して任意の方向を向いてもステータ部22に対するロータ部21の相対的位置関係を適正に維持することができ、ファンモータ7を任意の姿勢で使用すること(いわゆる、レイアウトフリー)が実現される。
【0037】
また、シャフト11をスラストチップ31に当接させることにより、シャフト11のアキシャルおよびラジアル方向のぶれを抑制することができ、回転音の低減を図ることができる。したがって、ファンモータ7を情報機器に用いることにより、情報機器の動作音の低減が実現される。
【0038】
さらに、シャフト11を付勢する機構がシャフト以外の部位に設けられるため、モータ部1の構造を簡素化すること(または、組み立て作業を容易に行うこと)が実現される。
【0039】
加えて、従来のように回転軸方向に関して磁石213の磁気的中心と電磁石の磁気的中心とをずらしてステータ部22側へと引き込む力をロータ部21に作用させる必要もないことから、既述のように磁石213と鉄心221との中心を(Z方向に関して)一致させることによりモータ部1の磁気ノイズや磁気振動が低減し、駆動効率を向上することができる。
【0040】
一方、図2に示すコイル222に電流が流されてロータ部21が回転すると、シャフト11の溝111と当接部4の凸部432とが強く係合していることから、当接部4がシャフト11とともに回転する。図3に示すように当接面42上には流体動圧溝421が形成されており、当接部4とスリーブ12の端面との間にはスリーブ12が含有する流体である油が介在するため、ロータ部21とともに当接部4が回転すると流体動圧溝421の作用により流体動圧が発生し、スリーブ12と当接部4とが非接触とされる。その結果、ロータ部21を滑らかに回転させることが実現される。
【0041】
図9は付勢機構3の他の例を示す図である。図9に示す付勢機構3ではスラストチップ31においてシャフト11の凸形状の端部と当接する面が凹面311とされる。凹面311のシャフト11と当接する部位における曲率半径は、シャフト11の凸形状の曲率半径よりも大きくされる。さらに、底面220aに形成された穴の大きさがスラストチップ31よりも大きな穴とされる。
【0042】
図9に示す付勢機構3の場合、スラストチップ31はラジアル方向(回転の中心軸に対するラジアル方向)にも可動とされ、さらにバネ32によりスラストチップ31の凹面311とシャフト11の端部とが当接することから、スラストチップ31をシャフト11の先端に適切に当接させることが実現される。これにより、スラストチップ31とシャフト11との接触状態を安定させることができる。
【0043】
図10は、凹部220内に当接部4が当接する面220b(図8参照)が存在しない場合の当接部4の取り付け手法を説明するための図である。
【0044】
面220bが存在しない場合、凹部220の底面220aにはステータ部22を貫通する穴220cが設けられる。そして、シャフト11をスリーブ12に挿入する際に穴220cから棒状の治具8が挿入され、治具8の先端が当接部4に当接する。これにより、当接部4の挿入口41にシャフト11の先端が挿入されると、シャフト11の溝111と当接部4の凸部432とが係合する。すなわち、治具8の先端が図8における面220bの役割を果たす。
【0045】
シャフト11に当接部4が取り付けられると、治具8が穴220cから引き出され、穴220cの封止が行われる。以上の作業により、シャフト11および当接部4がロータ部21の本体側へと付勢されたレイアウトフリーのファンモータ7を組み立てることが実現される。この場合、ステータ部22に貫通孔(挿入口220c)が形成されるが、その孔の大きさは、従来のようなシャフトに抜け防止用の機構をステータ部の孔から取り付ける場合の孔に比べて十分に小さいものであり、油漏れの発生や孔の封止作業の煩雑化等を伴うものではない。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0047】
上記実施の形態におけるスリーブ12は含油軸受に限定されるものではなく、流体動圧軸受でもよい。また、スラスト方向に対する軸受部材もスラストチップ31に代えて流体動圧軸受が用いられてもよい。
【0048】
上記実施の形態では当接部4に流体動圧溝421が形成されるが、流体動圧溝421は当接面42に対向するスリーブ12の端面に形成されてもよく、双方の面に形成されてもよい。また、当接部4は完全にシャフト11と一体的に回転するように取り付けられなくてもよく、流体動圧溝421を用いずにスリーブ12の端面と当接部4との間が潤滑されるのみでもよい。なお、スリーブ12の端面と当接部4とは回転の際に実質的に当接するのであるならば、非接触状態であっても接触状態であってもよい。
【0049】
さらに、当接部4はスリーブ12の端面以外のステータ部22側の部位と当接してもよい。例えば、スリーブ12の端面の下方に別部材が配置されてもよく、凹部220内の部位と当接部4とが当接してもよい。もちろん、油がスリーブ12に多く存在することを考慮すると当接部4はスリーブ12の端面と当接することが好ましいといえる。
【0050】
上記実施の形態におけるスラストチップ31はZ方向に可動であるが、周方向に回転することでシャフト11が不安定になる場合には、スラストチップ31とステータ部22側の嵌合部とにZ方向にのびる凹凸を設けてスラストチップ31がZ方向のみに移動可能とされてもよい。
【0052】
上記実施の形態における面220bは、凹部220の側面から突出した部位に設けられてもよく、底面から突出した部位に設けられてもよい。すなわち、シャフト11がスリーブ12に挿入される際に当接部4を凹部220内の所定の部位に当接させることにより、当接部4のシャフト11への取り付けが実現される。
【0053】
コイル状のバネ32に代えて他の種類の弾性体が用いられてもよい。例えば、ゴムや板バネが用いられてもよい。スラスト軸受部であるスラストチップ31と弾性体であるバネ32とが一体となった付勢機構3とされてもよい。例えば、板バネをシャフト11の端部に当接させ、板バネの当接箇所がスラスト軸受部としての役割を果たし、板バネ全体が当接箇所を付勢する弾性体としての役割を果たしてもよい。もちろん、従来よりスラストチップ等のスラスト軸受部が個別の部材として設けられるモータでは、スラスト軸受部の部材と弾性体とが個別に設けられることが設計上好ましい。
【0054】
上記実施の形態にて参照した図面では、溝111の中心軸方向(Z方向)の幅は凸部432の幅よりも広くなっているが、溝111の幅は凸部432の幅と同等であってもよく、狭くてもよい。
【0055】
上記実施の形態では凸部432は挿入口41の内側面に沿って形成されるが、内側面の一部のみに形成されてもよい。例えば、凸部432として球面状の凸部が複数形成されてもよい。溝111もシャフト11の外側面に沿って連続的に形成される必要はなく、一部のみに形成されてもよい。凸部432および溝111の断面形状も適宜変更されてよい。
【0056】
なお、通常、シャフト11の外側面が円筒状であることから挿入口41の内側面も円筒状であることが好ましく、シャフト11に当接部4を強固に取り付けるためには、凸部432および溝111が円筒状の面の周方向に沿って円環状に形成されることが好ましいといえる。
【0057】
凹部220は円筒状の穴に蓋が取り付けられることにより形成されてもよい。もちろん、ステータ部22の本体が一体的に成形される場合には、凹部220の側面および底面220aが一体的に成形されることが好ましい。ステータ部22の本体に凹部220を一体的に形成することによりステータ部22の背面からの油の漏れを完全に防止することに加えて、スラストチップ31およびバネ32の精度の高い取り付けが実現される。
【0058】
シャフト11のロータ部21への取り付けはロータ部21の本体の成形と同時取り付けられるいわゆるインサート成形には限定されない。例えば、シャフト11は圧入や接着によりロータ部21に取り付けられてもよい。
【0059】
モータ部1の機構はファンとしての利用に限定されず、コンパクトディスクやハードディスク等の情報読み出しを行うディスク装置にも利用することができる。これにより、ディスク装置の動作効率の向上、動作音の低減およびレイアウトフリーが実現される。
【0060】
上記実施の形態では、シャフト11がスリーブ12内で回転するが、シャフトが固定され、スリーブが回転してもよい。すなわち、シャフトが取り付けられる部材とスリーブが取り付けられる部材とは相対的に回転すればよい。磁石と電磁石による駆動機構もステータ部に磁石が設けられ、ロータ部に電磁石が設けられてもよい。
【0061】
上記実施の形態におけるモータ部1では円環状の多極着磁された磁石213が用いられるが、磁石213はもちろん複数の磁石により構成されてもよい。逆に、ステータ部22側の電磁石は複数の電磁石と捉えられる形態に限定されるものではなく、複数の磁極を発生することができる1つの電磁石であってもよい。
【0062】
また、図11に示すように溝111および凸部432のスラストチップ31側の面が回転軸に垂直な面とされてもよい。これにより、シャフト11が抜ける方向に力を受けたとしても回転軸に垂直な面が互いに当接し合い、シャフト11の抜け防止を確実に実現することができる。なお、図11に示す形状であっても当接部4をシャフト11に取り付ける際の作業性が損なわれることはない。
【0063】
【発明の効果】
請求項1ないし9の発明では、任意の姿勢で使用することができるモータの構造を簡素化することができる。
【0064】
また、請求項3の発明では、スラスト軸受部とシャフトとの接触状態を安定させることができる。
【0065】
また、請求項4の発明では、シャフトをスリーブに挿入するのみでモータを組み立てることができる。
【0066】
また、請求項5の発明では、シャフトに当接部を強固に取り付けることができる。
【0067】
また、請求項6ないし8の発明では、予め第1の部材にシャフトが取り付けられている場合でも容易にシャフトを第2の部材側に取り付けることができる。
【0068】
また、請求項9の発明では、シャフトを円滑に回転させることが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファンモータの外観を示す図である。
【図2】モータ部の縦断面図である。
【図3】当接部の平面図である。
【図4】当接部の正面図である。
【図5】当接部の底面図である。
【図6】ステータ部にロータ部が取り付けられる際のシャフト、付勢機構および当接部の様子を説明するための図である。
【図7】ステータ部にロータ部が取り付けられる際のシャフト、付勢機構および当接部の様子を説明するための図である。
【図8】ステータ部にロータ部が取り付けられる際のシャフト、付勢機構および当接部の様子を説明するための図である。
【図9】付勢機構の他の例を示す図である。
【図10】当接部の他の取り付け手法を説明するための図である。
【図11】溝および凸部の他の形状を示す図である。
【符号の説明】
1 モータ部
3 付勢機構
4 当接部
11 シャフト
12 スリーブ
21 ロータ部
22 ステータ部
31 スラストチップ
32 バネ
41 挿入口
42 当接面
71 インペラ
111 溝
213 磁石
220 凹部
220a 底面
220b 面
221 鉄心
222 コイル
311 凹面
421 流体動圧溝
Claims (9)
- 電動式のモータであって、
シャフトと、
前記シャフトを回転可能に支持するスリーブと、
前記シャフトの一端が取り付けられた第1の部材と、
前記スリーブが挿入される凹部を有する第2の部材と、
前記第1の部材を前記第2の部材に対して相対的に回転させる駆動機構と、
前記シャフトの他端を前記一端側へと付勢する付勢手段と、
前記凹部の底面と対向する前記スリーブの端面と前記底面との間において前記シャフトに設けられ、前記付勢手段の作用により前記スリーブの前記端面に当接する当接部と、
を備え、
前記当接部が1つの部材であって前記シャフトとともに回転し、前記当接部の当接面がリング状であることを特徴とするモータ。 - 請求項1に記載のモータであって、
前記付勢手段が、
前記シャフトの前記他端に当接するスラスト軸受部と、
前記スラスト軸受部を前記他端に向けて付勢する弾性部と、
を有することを特徴とするモータ。 - 請求項2に記載のモータであって、
前記シャフトの前記他端が凸形状であり、前記スラスト軸受部の前記他端と当接する面が前記凸形状よりも曲率半径の大きい凹面であることを特徴とするモータ。 - 請求項2または3に記載のモータであって、
前記当接部が、前記スリーブの挿入口に前記シャフトの前記他端が挿入されることにより前記シャフトに取り付けられる部材であり、
前記シャフトが前記スリーブに挿入される際に、前記当接部が前記凹部内の部位と当接した状態で弾性変形しつつ前記シャフトの前記他端が前記挿入口に挿入され、前記他端が前記スラスト軸受部と当接して前記弾性部を変形させた段階で前記当接部の復元力により前記シャフトと前記当接部とが係合し、前記シャフトを挿入する力が解除されると前記弾性部の弾性力により前記当接部が前記凹部内の部位と非接触になるとともに前記スリーブの前記端面に当接することを特徴とするモータ。 - 請求項4に記載のモータであって、
前記シャフトが、外側面の周方向に沿って前記当接部と係合する溝を有することを特徴とするモータ。 - 請求項4または5のいずれかに記載のモータであって、
前記シャフトが前記スリーブに挿入される際に、前記第1の部材が前記シャフトに取り付けられていることを特徴とするモータ。 - 請求項6に記載のモータであって、
前記第1の部材が、成形と同時に前記シャフトに取り付けられる部材であることを特徴とするモータ。 - 請求項6または7に記載のモータであって、
前記第1の部材が、インペラとともに成形される部材であることを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載のモータであって、
前記当接部と前記スリーブの前記端面との間に流体が介在し、前記当接面および前記当接面と対向する面の少なくとも一方に流体動圧溝が形成されることを特徴とするモータ。
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