JP3955293B2 - 内燃エンジンの触媒付きマフラー - Google Patents

Description

本発明は、膨張室及び排ガス浄化用触媒を備えたマフラーに係り、特に、刈払機、チェンソー等の携帯型作業機に用いられる小型空冷２サイクルガソリンエンジン等に用いて好適な触媒付きマフラーに関する。

近年、刈払機、チェンソー等の携帯型作業機に使用される小型空冷２サイクルガソリンエンジン等の内燃エンジンおいても、車載用エンジン等と同様に、排ガス中の炭化水素（ＨＣ）、一酸化炭素（ＣＯ）等を低減することが強く要望されてきており、そのため、排気系に備えられるマフラー内に排ガス浄化用触媒を配設し、該触媒に排ガスを通過させることによって排ガスの浄化（ＨＣ、ＣＯ等の低減）を図ることが提案されている。

このような触媒付きマフラーにおいて、例えば、下記特許文献１等にも見られるように、マフラーの膨張室を仕切パネルで第１膨張室と第２膨張室とに仕切るとともに、前記仕切パネルに排ガス浄化用触媒を前記両膨張室に臨むようにように取り付け、内燃エンジンの排気口から排ガスを前記第１膨張室に噴出させるとともに、前記第１膨張室から排ガスを前記触媒を介して前記第２膨張室に導き、該第２膨張室に設けられた出口を介して外部に排出するようにしたものが知られている。

また、前記マフラーのエンジン（のシリンダ）への取り付けは、従来、下記特許文献２等にも見られるように、マフラーを横断貫通し得る程の長さを有する比較的長尺のボルト類を用いて前記マフラー（の外壁パネル）の外側から行うようにされている。

さらに、最近では、前記仕切パネルに前記触媒を取り付けるのではなく、別途に触媒保持体（ディフューザー）を用意し、このディフューザーに前記触媒を保持固定するようにしたものが考えられている。

かかるディフューザーを備えた触媒付きマフラーを図９を参照しながら説明する。図９において、内燃エンジン１’は、刈払機やチェーンソー等の携帯型作業機の動力源として組み込まれているシュニューレ掃気式の小型空冷２サイクルガソリンエンジンとされ、排気量は、例えば約２３〜４５ｍＬ程度のものである。このエンジン１’は、半球形の燃焼室５’を有するシリンダ２’を備え、該シリンダ２’には、その外周に多数の冷却フィン６’が設けられるとともに、内端側から外端側に向けて断面積が漸増する末広がり形状の排気口１０’（断面は、例えば小判形状）が設けられ、さらに、図示はされていないが、周知の態様で吸気口や掃気口が設けられている。

前記シリンダ２’における前記排気口１０’側の外側部に、マフラー２０’が取り付けられている。このマフラー２０’は、はぜ折り加工によって密封接合されている前後の外壁パネル２１’、２２’を備え、これらの外壁パネル２１’、２２’により膨張室２５’が画成されている。前記排気口１０’側に位置する前側外壁パネル２１’には、前記排気口１０’の外端部と略同じ形状の開口部２１ａ’が形成され、この開口部２１ａ’周りには補強板２８’が溶接等により取り付けられている。また、後側外壁パネル２２’における前記排気口１０’の真向かいには、凹部２２ａ’が設けられ、この凹部２２ａ’と前記補強板２８’とを橋絡するように、有底角筒状のディフューザー（触媒保持体）４０’が架設されている。

前記ディフューザー４０’の内端部４１’側（前記排気口１０’側）には、短円柱状の排気浄化用触媒３０’を嵌め込んで溶接等により固定保持するための取付穴４０ａ’が設けられ、前記ディフューザー４０’における外端部４２’側（前記凹部２２ａ’側）には、所要数の排ガス挿通穴４３’が設けられている。前記触媒３０’は、通気性を有するメタル担体酸化触媒とされ、その外周には円筒状のシェル３２’が外装されている。前記触媒３０’は、その中心軸線Ｏが、前記排気口１０’（の外端部）及び前記ディフューザー４０’の中心線と略一致するように、前記ディフューザー４０’に保持されている。

また、前記後側外壁パネル２２’の下部には、排ガスを外部に排出するための出口２９’が設けられ、この出口２９’には、図示されていないが、金属製のスパークアレスタースクリーン（ＳＡＭスクリーン）や、排ガスの排出方向を規制する排ガス案内部材等が設けられる。

かかる構成のもとでは、前記排気口１０’から音速に近い速度で噴出せしめられる排ガスは、図９において実線矢印で示されているように、前記マフラー２０’内に配在された前記ディフューザー４０’の前記内端部４１’を介して前記触媒３０’に導かれ、その内部を横断通過する。その際、前記触媒３０’により排ガス中のＨＣ、ＣＯ等が低減せしめられる。前記触媒３０’を横断通過した排ガスは、前記ディフューザー４０’の前記排ガス挿通穴４３’を介して前記膨張室２５’内に吹き出されて膨張拡散せしめられ、それによって排気音が減衰せしめられる。前記膨張室２５’で膨張拡散した排ガスは、下部方向に移動し、前記出口２９’を介して外部に排出される。
特開２００１−３１７３２５号公報 特表平９−５０７８９８号公報

しかしながら、前記した従来の触媒付きマフラーでは、膨張室を画成する前後の外壁パネル、仕切パネル、ディフューザー、触媒等の保持固定には、溶接やカッパーブレージングを多用しているので、製造コストが高くなる嫌いがある。

また、前記マフラーのシリンダへの取り付けを、比較的長尺のボルト類を用いて前記マフラー（の外壁パネル）の外側から行うようにされているので、締付固定位置がシリンダから相当離れてしまう。そのため、マフラーの取付安定性、剛性が低くなりやすく、また、ボルト類挿入用の穴等が必要となるので、前記外壁パネル等の構造が複雑となるといった問題もある。

さらに、図９に示される如くの、ディフューザーを備えたものでは、該ディフューザーに触媒を保持固定するために、前記ディフューザーに取付穴等を設ける必要があるので、構成が複雑になりやすいとともに、図１０に示される如くに、前記触媒３０’の断面形状と前記排気口１０’の開口形状及び前記ディフューザー４０’（の内端部４１’）の断面形状とが異なるので、排ガスは、その大部分が前記触媒３０’の上下方向中央部を通り、前記触媒３０の上下端部付近は排ガスがほとんど通らず、したがって、前記触媒３０’の浄化能力が十分には活用されていないという問題もあった。

また、前記後側外壁パネル２２’に設けられている出口２９’に、スパークアレスタースクリーンと排ガス案内部材をビス止めする構成となっているので、部品点数（ビス類）が多くなるとともに、前記出口２９’の位置や形状に制約が課せられ、設計自由度が低いものとなっている。

本発明は、前記した如くの従来の問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、溶接箇所を低減して製造コストを可及的に抑えることができるとともに、比較的簡素な構成のもとで、長尺のボルト類を使用することなく、シリンダに直接取付固定することができて、取付安定性、剛性等を向上させることができ、さらに、触媒の浄化能力を最大限活用することができるとともに、排ガスの出口の位置や形状の設計自由度を大きくできるようにされた内燃エンジンの触媒付きマフラーを提供することにある。

前記の目的を達成すべく、本発明に係る内燃エンジンの触媒付きマフラーは、基本的には、相互に分離可能なカップ状の前側外壁パネルと後側外壁パネルにより画成された膨張室を有し、該膨張室が前記前側外壁パネルと前記後側外壁パネルとの間に配在された仕切パネルで第１膨張室と第２膨張室とに仕切られ、前記第１膨張室内に有底筒状のディフューザーが配在されるとともに、該ディフューザー内に通気性を有する排ガス浄化用触媒が嵌挿固定され、シリンダに設けられた排気口から噴出せしめられる排ガスを前記触媒を介して前記第１膨張室に導入するとともに、該第１膨張室から前記仕切パネルに形成された開口を介して前記第２膨張室に導き、該第２膨張室から前記前側外壁パネルに形成された出口を介して外部に排出するようにされ、前記シリンダの前記排気口周辺部に、前記前側外壁パネルの前端部、前記仕切パネルの前端部、及び、前記ディフューザーの前端に設けられたフランジ部が、前記第１膨張室内のボルト類により共締め固定されていることを特徴としている。

前記触媒は、好ましくは、円柱状あるいは角柱状とされ、前記ディフューザー内に嵌挿されて点溶接により固定される。
前記触媒は、好ましくは、メタル担体酸化触媒とされる。

他の好ましい態様では、前記仕切パネルに形成された前記開口にスパークアレスタースクリーンが取着される。
さらに別の好ましい態様では、前記前側外壁パネルの後端、前記仕切パネルの後端、及び前記後側外壁パネルの前端には、それぞれ鍔状部が設けられ、それらの鍔状部が順次重ねられて、ボルト類により共締め固定される。

本発明に係る触媒付きマフラーは、相互に分離可能なカップ状の前側外壁パネルと後側外壁パネルにより膨張室を画成するようにされているので、前記後側外壁パネルを前記前側外壁パネルに取り付けて前記膨張室を画成する前においては、前記前側外壁パネルが開口しているので、取付固定用のボルト類を前記前側外壁パネル内に挿入し、シリンダに直接締め付けることができる。そのため、前記取付固定用のボルト類は、短いものでよく、しかも、前記前側外壁パネル、仕切パネル、ディフューザーを、前記短いボルト類で共締めして同時にシリンダに固定することができる。そのため、締付固定位置が従来の長尺のボルト類を使用する場合に比してシリンダ近傍となり、取付安定性、剛性等を向上させることができる。

また、前側外壁パネル、仕切パネル、ディフューザーを、ボルト類で共締め固定するとともに、触媒をディフューザー内に嵌挿（圧入）して点溶接により固定するようにされているので、従来のものに比して手間のかかる溶接が低減され、その結果、製造コストを抑えることができる。

さらに、排ガス浄化用触媒が、好ましくは、円柱状あるいは角柱状とされて、ディフューザー内に嵌挿するようにされているので、触媒の全領域が排ガスの浄化に使用される。そのため、触媒の浄化能力を最大限活用することができ、排ガス浄化性能が格段に向上する。

また、前側外壁パネルに排ガスの出口を形成し、それとは別に、仕切パネルに開口を形成し、該開口にスパークアレスタースクリーンを取着するようにされているので、排ガスの出口の位置や形状の設計自由度を大きくできる。

以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図１は、本発明に係る触媒付きマフラーの一実施形態を、それが適用された内燃エンジンと共に示す概略断面図である。
図１において、内燃エンジン１は、図９に示される従来例のものと同様に、刈払機やチェーンソー等の携帯型作業機の動力源として組み込まれているシュニューレ掃気式の小型空冷２サイクルガソリンエンジンとされ、排気量は、例えば約２３〜４５ｍＬ程度のものである。このエンジン１は、半球形の燃焼室５を有するシリンダ２を備え、該シリンダ２には、その外周に多数の冷却フィン６が設けられるとともに、断面形状が円形ないし小判形で、内端側から外端側に向けて断面積が漸増する末広がり形状（ラッパ状）とされている排気口１０が設けられ、さらに、図示はされていないが、周知の態様で吸気口や掃気口が設けられている。

前記シリンダ２における前記排気口１０側の外側部に、本実施形態のマフラー２０が取り付けられている。このマフラー２０は、相互に分離可能なカップ状の前側外壁パネル２１と後側外壁パネル２２により画成された膨張室２５を有し、該膨張室２５が、前記前側外壁パネル２１内に配在されたカップ状の仕切パネル２３で第１膨張室２５Ａと第２膨張室２５Ｂとに仕切られている。

前記排気口１０側に位置する前記前側外壁パネル２１の前端部２１Ａの中央近くには、前記排気口１０の外端部と略同じ寸法形状の開口２１ａが形成されている。この開口２１ａの周りには、該開口２１ａと同じ寸法形状の開口２８ａが形成された平面視角丸付き菱形の補強板２８が点溶接により取付固定されている（図４も参照）。

また、前記前側外壁パネル２１の後端には、断面Ｌ形の鍔状部２１ｂが設けられ、この鍔状部２１ｂの四隅には、図４に示される如くに、ボルト挿通穴２１ｃが形成されている。

前記後側外壁パネル２２の前端には、前記前側外壁パネル２１の前記鍔状部２１ｂの内側に嵌合せしめられる断面Ｌ形の鍔状部２２ｂが設けられ、この鍔状部２２ｂの四隅にも、前記前側外壁パネル２１の前記ボルト挿通穴２１ｃに対応してボルト挿通穴２２ｃ（図７参照）が形成されている。

前記仕切パネル２３の前端部２３Ａの中央近くにも、円形の開口２３ａが形成され、その後端には、図６に示される如くに、前記前側外壁パネル２１の前記鍔状部２１ｂと前記後側外壁パネル２２の前記鍔状部２２ｂとの間に挟まれる鍔状部２３ｂが設けられ、この鍔状部２３ｂの四隅にも、前記前側外壁パネル２１の前記ボルト挿通穴２１ｃと前記後側外壁パネル２２の前記ボルト挿通穴２２ｃに対応してボルト挿通穴２３ｃが形成されている。

前記前側外壁パネル２１の前記前端部２１Ａ（の外面）は、前記シリンダ２における前記排気口１０が開口している張出部２Ａに当接せしめられ、前記仕切パネル２３の前記前端部２３Ａ（の外面）は、前記補強板２８に当接せしめられ、前記仕切パネル２３の前記前端部２３Ａ（の内面）には、図２に示される如くの平面視角丸付き菱形の鍔状部４１を有する、有底円筒状のディフューザー４０の前記鍔状部４１が当接せしめられ、前記仕切パネル前端部２３Ａの前記開口２３ａの周囲が密閉される。この場合、前記前側外壁パネル２１（補強板２８）、前記仕切パネル２３、及び前記ディフューザー４０は、前記各開口２１ａ、２８ａ、２３ａの中心線と前記ディフューザー４０の中心軸線Ｏとが一致するように配置される。

前記前側外壁パネル２１の前記前端部２１Ａ、前記補強板２８、前記仕切パネル２３の前端部２３Ａ、及び、前記ディフューザー４０の前記鍔状部４１には、図２、３、４、６に示される如くに、それぞれ重なるようにボルト挿通穴２１ｄ、２８ｄ、２３ｄ、４１ｄが二箇所ずつ形成されており、それらのボルト挿通穴２１ｄ、２８ｄ、２３ｄ、４１ｄにボルト２６が通されて前記シリンダ２の前記張出部２Ａにねじ込まれており、このボルト２６により、前記前側外壁パネル２１（前記補強板２８）、前記仕切パネル２３、及び前記ディフューザー４０が前記シリンダ２に直接的に共締め固定されている。

また、図７に示される如くに、前記前側外壁パネル２１の前記鍔状部２１ｂ、前記仕切パネル２３の前記鍔状部２３ｂ、及び前記後側外壁パネル２２の前記鍔状部２２ｂは、順次重ねられて、それらに形成されている前記各ボルト挿通穴２１ｃ、２３ｃ、２２ｃに通されるボルト３７と前記鍔状部２１ｂに溶接で接合されているナット３８とにより、相互に密封状態で共締め固定されている。したがって、前記ボルト３７による締付を緩めることにより、前記前側外壁パネル２１から前記後側外壁パネル２２を簡単に分離することができ、これにより、保守点検等の便宜が図られる。

前記ディフューザー４０の前端部４０Ａ側には、円柱状の排気浄化用触媒３０が嵌挿（圧入）されて点溶接（点溶接部４４）により固定され、前記ディフューザー４０における後端部４０Ｂ側の周面部には、排ガス導出穴４３が上下二箇所に設けられている。前記触媒３０は、通気性を有するメタル担体酸化触媒とされ、その外周には円筒状の金属製シェル３２が外装されている。

また、前記前側外壁パネル２１の後端部の一側には、図４、図５に示される如くに、内方に打ち出されたルーバー状の出口２９が形成されており、前記仕切パネル２３の後端部の他側（前記出口２９とは反対側）には、図１、図６に示される如くに、内方に凹む凹み面部２３Ｄが設けられており、この凹み面部２３Ｄには、矩形の開口２３ｅが形成され、この開口２３ｅを覆うようにスパークアレスタースクリーン３５が点溶接等、適宜の取着法により取着されている。なお、前記出口２９の外側には、図示されていないが、排ガスの排出方向を規制する排ガス案内部材等が設けられる。

かかる構成のもとでは、前記排気口１０から音速に近い速度で噴出せしめられる排ガスは、図１において実線矢印で示されているように、前記前側外壁パネル２１の前記開口２１ａ、前記補強板２８の前記開口２８ａ、及び前記仕切パネル２３の前記開口２３ａを介して前記ディフューザー４０内に導かれ、その中に嵌挿固定された前記触媒３０の内部を横断通過する。その際、該触媒３０により排ガス中のＨＣ、ＣＯ等が低減せしめられる。前記触媒３０を横断通過した排ガスは、前記ディフューザー４０の前記排ガス導出穴４３を介して前記第１膨張室２５Ａに吹き出されて膨張拡散せしめられ、それによって排気音が減衰せしめられる。前記第１膨張室２５で膨張拡散した排ガスは、前記仕切パネル２３に取着された前記スパークアレスタースクリーン３５を介して前記第２膨張室２５Ｂに導出され、この第２膨張室２５Ｂから前記前側外壁パネル２１に形成された前記出口２９を介して外部に排出される。

このような構成とされた本実施形態の触媒付きマフラー２０は、相互に分離可能なカップ状の前側外壁パネル２１と後側外壁パネル２２により膨張室２５を画成するようにされているので、前記後側外壁パネル２２を前記前側外壁パネル２１に取り付けて前記膨張室を画成する前においては、前記前側外壁パネル２１が開口しているので、シリンダ２への取付固定用のボルト２６を容易に前記前側外壁パネル２１内に挿入して締め付けることができる。そのため、前記取付固定用のボルト２６は、ごく短いものでよく、しかも、前記前側外壁パネル２１、仕切パネル２３、ディフューザー４０を、前記短いボルト２６で共締めして同時にシリンダ２に固定することができる。そのため、締付固定位置が従来の長尺のボルト類を使用する場合に比してシリンダ２の近傍となり、取付安定性、剛性等を向上させることができる。

また、前側外壁パネル２１、仕切パネル２３、ディフューザー４０を、ボルト２６で共締め固定するとともに、触媒３０をディフューザー４０内に嵌挿（圧入）して点溶接により固定するようにされているので、従来のものに比して手間のかかる溶接等の作業が低減され、その結果、製造コストを大幅に抑えることができる。

さらに、触媒３０が、円柱状とされて、排気口１０からの全排ガスを漏れなく受け入れる有底円筒状のディフューザー４０内に嵌挿するようにされているので、触媒３０の全領域が排ガスの浄化に使用される。そのため、触媒３０の浄化能力を最大限活用することができ、排ガス浄化性能が格段に向上する。

また、前側外壁パネル２１に排ガスの出口２９を形成し、それとは別に、仕切パネル２３に開口２３ｅを形成し、該開口２３ｅにスパークアレスタースクリーン３５を取着するようにされているので、排ガスの出口２９の位置や形状の設計自由度を大きくできる。

以上、本発明の一実施形態について、詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱することなく、設計において種々の変更ができるものである。

例えば、前記実施形態では、スパークアレスタースクリーン３５が仕切パネル２３の凹み面部２３Ｄに取り付けられているが、スパークアレスタースクリーン３５の取付位置はそこに限定される訳ではなく、例えば、図８に示される如くに、仕切パネル２３の上面部２３Ｂ等に取り付けてもよい。

また、前記実施形態では、有底円筒状のディフューザー４０における後端部４０Ｂ側の上下周面部に排ガス導出穴４３が設けられているが、それに代えて、図８に示される如くに、排ガス導出穴４３を前記ディフューザー４０の底面部４０Ｃに設けてもよい。

さらに、外壁パネル２２の表面が過度に高温になるのを避けるべく、図８に示される如くに、前記外壁パネル２２の内側に断熱空間３９を形成するように内壁パネル３６を設けてもよい。この場合、前記した前側外壁パネル２１、仕切パネル２３、及び後側外壁パネル２２の各鍔状部２１ｂ、２３ｂ、２２ｂと同様に、前記内壁パネル３６の前端にも鍔状部３６ｂを設け、これを前記仕切パネル２３の鍔状部２３ｂと前記後側外壁パネル２２の鍔状部２２ｂとの間に挟むようにして共締め固定するとよい。

また、本発明の触媒付きマフラーは、前記実施形態で使用された空冷２サイクルガソリンエンジン以外の４サイクルエンジン等にも同様に適用できるものである。

さらに、排ガス浄化用触媒も、前記したもの（メタル担体酸化触媒）以外の、発泡成形体、セラミック担体等よりなるものを用いることができる。

本発明に係る触媒付きマフラーの一実施形態を、それが適用された内燃エンジンと共に示す概略断面図。 図１に示されるディフューザーの平面図。 図２のIII−III矢視線に従って排気口周辺部及びディフューザー部分を拡大して示す断面図。 図１に示される前側外壁パネルの平面図。 図４のＶ−Ｖ矢視断面図。 図１に示される仕切パネルの平面図。 図１に示される前後の外壁パネルと仕切パネルとを共締め固定した状態を示す部分断面図。 図１に示される触媒付きマフラーの変形例を示す概略断面図。 従来の触媒付きマフラーの一例を、それが適用された内燃エンジンと共に示す概略断面図。 図９のＸ−Ｘ矢視図。

符号の説明

１ 内燃エンジン（小型空冷２サイクルガソリンエンジン）
２ シリンダ
１０ 排気口
２０ マフラー
２１ 前側外壁パネル
２１Ａ 前端部
２２ 後側外壁パネル
２３ 仕切パネル
２３Ａ 前端部
２３ｅ 開口
２１ｂ、２２ｂ、２３ｂ…鍔状部
２５ 膨張室
２５Ａ 第１膨張室
２５Ｂ 第２膨張室
２６ ボルト
２９ 出口
３０ 排ガス浄化用触媒
３５ スパークアレスタースクリーン
３７ ボルト
３８ ナット
４０ ディフューザー
４１ フランジ部

Claims (5)

1. 相互に分離可能なカップ状の前側外壁パネル（２１）と後側外壁パネル（２２）により画成された膨張室（２５）を有し、該膨張室（２５）が前記前側外壁パネル（２１）と前記後側外壁パネル（２２）との間に配在された仕切パネル（２３）で第１膨張室（２５Ａ）と第２膨張室（２５Ｂ）とに仕切られ、前記第１膨張室（２５Ａ）内に有底筒状のディフューザー（４０）が配在されるとともに、該ディフューザー（４０）内に通気性を有する排ガス浄化用触媒（３０）が嵌挿固定され、シリンダ（２）に設けられた排気口（１０）から噴出せしめられる排ガスを前記触媒（３０）を介して前記第１膨張室（２５Ａ）に導入するとともに、該第１膨張室（２５Ａ）から前記仕切パネル（２３）に形成された開口（２３ｅ）を介して前記第２膨張室（２５Ｂ）に導き、該第２膨張室（２５Ｂ）から前記前側外壁パネル（２１）に形成された出口（２９）を介して外部に排出するようにされている内燃エンジンの触媒付きマフラーであって、
   前記シリンダ（２）の前記排気口（１０）周辺部に、前記前側外壁パネル（２１）の前端部（２１Ａ）、前記仕切パネル（２３）の前端部（２３Ａ）、及び、前記ディフューザー（４０）の前端に設けられたフランジ部（４１）が、前記第１膨張室（２５Ａ）内のボルト類（２６）により共締め固定されていることを特徴とする内燃エンジンの触媒付きマフラー。
2. 前記触媒（３０）は、円柱状あるいは角柱状とされ、前記ディフューザー（４０）内に嵌挿されて点溶接により固定されていることを特徴とする請求項１に記載の内燃エンジンの触媒付きマフラー。
3. 前記触媒（３０）は、メタル担体酸化触媒であることを特徴とする請求項１又は２に記載の内燃エンジンの触媒付きマフラー。
4. 前記仕切パネル（２３）に形成された前記開口（２３ｅ）にスパークアレスタースクリーン（３５）が取着されていることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の内燃エンジンの触媒付きマフラー。
5. 前記前側外壁パネル（２１）の後端、前記仕切パネル（２３）の後端、及び前記後側外壁パネル（２２）の前端には、それぞれ鍔状部（２１ｂ、２３ｂ、２２ｂ）が設けられ、それらの鍔状部（２１ｂ、２３ｂ、２２ｂ）が順次重ねられて、ボルト類（３７、３８）により共締め固定されていることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の内燃エンジンの触媒付きマフラー。

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