JP3954780B2 - アルミ撚線の圧縮接続部付近に於ける過熱断線の未然検知方法 - Google Patents
アルミ撚線の圧縮接続部付近に於ける過熱断線の未然検知方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気鉄道の電力供給用に架設されているき電線等の電線として多く用いられているアルミ撚線の圧縮接続部における過熱断線を未然に検知する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力供給用のアルミ撚線と分岐線等の他の電線との接続が、アルミ圧縮管を用いた圧縮接続である場合に、この接続部の近傍位置で、断線事故が度々生じている。これは、圧縮接続部に生じる電気抵抗による熱で、アルミ撚線が溶断されることが原因であると考えられてきた。このような断線事故を未然に防ぐために、アルミ圧縮管の表面に、温度を表示する示温ラベルを貼付し、その不可逆的な色の変化を定期的に点検することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、アルミ圧縮管の過熱を伴わない場合でも、アルミ圧縮管の近傍位置の一部の外層アルミ素線の過熱、破断が引き金となってアルミ撚線全体の破断に進行するプロセスの存在を本発明者らが確認した。このような断線事故を未然に防止するため、一部の外層素線の過熱を検知する必要が生じる。ところが、アルミ撚線の圧縮接続部付近の電気抵抗による温度上昇は、素線毎に異なって生じ、かつ、どの素線が最も高温となるかは偶発的であるため、個々の素線の過熱を効率よく検知する必要がある。
従って、本発明は、事前に素線を特定することが困難なアルミ撚線の圧縮接続部付近の電気抵抗による個々のアルミ素線の過熱を効率よく確実に検知する方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、アルミ撚線1とこれに接続される分岐線2のような他の電線とにアルミ圧縮管3を被せて一体に圧縮接続した圧縮接続部付近における過熱断線を未然に検知するため、アルミ圧縮管3の少なくとも一端部付近のアルミ撚線1の外周に低融点素材から成る検知バンド11を巻き、アルミ撚線1の素線4の過熱による検知バンド11の溶断を契機としてアルミ撚線1の過熱を検知する方法を採用する。検知バンド11は、多数の素線4に接触し、個々の素線4の過熱を監視できる。
検知バンド11のアルミ撚線1上への取付位置は、素線4の温度上昇が集中的に生じやすいアルミ圧縮管3の一端部から5cm乃至10cm離れた位置が適当である。
検知バンド11は、融点70゜C乃至150゜Cの合成樹脂製とし、これが接触する何れかの素線4の過熱によって確実に溶断するようにする。
具体的には、検知バンド11の溶断によるアルミ撚線1からの脱落を目視で確認することにより、あるいは、検知バンド11の溶断で電気信号を生じさせ、この電気信号により、アルミ撚線1の断線を未然に検知する。
【0005】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1はアルミ撚線と分岐線との圧縮接続部を示す概略的正面図、図2は図1におけるII−II拡大断面図である。
【0006】
図1には、アルミ撚線1から成るき電線と、分岐線2とをアルミ圧縮管3で一体に圧縮接続した接続部が示してある。発明者らは、これまでの研究によって、アルミ撚線の断線が、アルミ圧縮管3の端部から数センチメートル程度離れた位置で生じやすいとされていたアルミ撚線の断線プロセスが、以下のようであるとの知見を得た。
【0007】
即ち、電流は、主として、アルミ撚線1の最外層を経て、アルミ圧縮管3を通り、分岐線2へ流れるものと考えられるが、各部材の劣化とともに、アルミ撚線1の最外層と、アルミ圧縮管3との間の電気抵抗(接触抵抗)に、アルミ素線4毎に差が生じる。そして、抵抗の比較的低い素線4aの電流密度が高まり、当該素線4aがジュール熱で過熱して破断する。この場合、アルミ撚線1の電流は、アルミ圧縮管3に近づくに従って内層から外層寄りに移転し、最外層の素線4の電流密度(発熱量)がアルミ圧縮管3の直近で最大になるが、アルミ圧縮管3の直近では、熱容量の大きなアルミ圧縮管3に熱が吸収されて温度上昇が抑制される現象が伴うために、結果として、アルミ圧縮管3の端部から数センチメートル程度離れた位置における温度上昇が最大となり易く、ここで素線4の過熱破断が生じやすい。そして、個々の素線4の破断プロセスの繰り返しにより、破断本数が増加し、これに振動、動揺による繰り返し応力と張力の作用が加わって、アルミ圧縮管の端部から数センチメートル程度離れた位置でアルミ撚線1全体の断線が発生する。
【0008】
そこで、発明者らは、アルミ圧縮管3の端部から数センチメートル程度離れた位置での一部のアルミ素線4の異常過熱を検知することにより、断線プロセスを初期段階で検知し、アルミ撚線1全体の破断を未然に防止することに想到した。本発明においては、アルミ素線4の異常過熱を、アルミ撚線1の外周に巻いた検知バンド11の溶断により検知する。即ち、最外層の何れかの素線4の温度が、検知バンド11の素材の融点を超えた時点でバンド11が溶断されることを利用するものある。検知バンド11の巻き止め位置は、アルミ圧縮管3の端部から5cm乃至10cm離れた位置が最適である。
【0009】
アルミ素線4は、300゜C乃至400゜Cの温度で破断が生じ、また150゜C以上の温度では、時間とともに機械的強度が弱まっていくことから、検知バンド11の素材として、融点70゜C乃至150゜C程度の樹脂を選定すれば、熱によってアルミ素線4の機械的強度が損なわれる前に、検知バンド11が破断する。この破断現象により、過熱を事前に検知することができる。素線4aの過熱により溶断された検知バンド11は、重力により架空アルミ撚線1から離脱して落下するから、点検時にこれを目視により確認して対応することができる。
【0010】
必要に応じて、検知バンド11に機構部を保持させ、落下に連動して機構部を動作させて旗などの目印を飛び出させ、視認性を高めることができる。また、検知バンド11に導電性塗料を塗布するなどして電気的導通を得ておき、破断時にこの導通を絶って警報装置に動作信号を発するようにする等、検知バンド11の破断を電気信号発生の契機として電気的に自動警報するように構成することもできる。
【0011】
なお、本発明は図示の実施形態に限定されるものではなく、例えば、これをアルミ撚線同士の圧縮接続部にも適用することができるし、アルミ撚線の用途は電車線路用のみでなく一般電力用であってもよい。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、アルミ撚線1とこれに接続される分岐線2のような他の電線とにアルミ圧縮管3を被せて一体に圧縮接続したアルミ圧縮管3の少なくとも一端部付近のアルミ撚線1の外周に、低融点素材から成る検知バンド11を巻き、アルミ撚線1の素線4の過熱による検知バンド11の溶断を契機として、アルミ撚線1の過熱を検知する方法を採用したため、最外層の多数の素線4に接触する検知バンド11で、個々の素線4の過熱を効果的に確実に監視し、安全を確保することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミ撚線と分岐線との圧縮接続部を示す概略的正面図である。
【図2】図1におけるII−II拡大断面図である。
【符号の説明】
1 アルミ撚線
2 分岐線
3 アルミ圧縮管
4 素線
4a 過熱した素線
11 検知バンド
Claims (4)
- アルミ撚線とこれに接続される他の電線とにアルミ圧縮管を被せて一体に圧縮接続した圧縮接続部付近における過熱断線を未然に検知するための方法であって、
前記アルミ圧縮管の一端部から5 cm 乃至10 cm 離れた位置のアルミ撚線の外周に低融点素材から成る検知バンドを巻き、アルミ撚線の素線の過熱による検知バンドの溶断を契機としてアルミ撚線の過熱を検知することを特徴とする方法。 - 前記検知バンドが、融点70゜C乃至150゜Cの合成樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記検知バンドの溶断による前記アルミ撚線からの脱落を目視で確認することによりアルミ撚線の断線を未然に検知することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記検知バンドの溶断により電気信号を生じさせ、この電気信号によりアルミ撚線の断線を未然に検知することを特徴とする請求項1に記載の方法。
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