JP3953588B2 - カラーフィルタおよびこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パーソナルコンピュータに代表される液晶表示装置に関し、特に液晶表示装置のカラーフィルタが対向基板とのギャップ制御機能を行う多数の微小柱状体を有しており、当該柱状体が特定の材料、形状および強度で最適化されていることを特徴とするカラーフィルタおよびこれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶表示装置においては、互いに向かい合う2枚の基板間隔を維持するために、これらの間にスペーサを設け、これによって液晶層の厚みを面内均一に保持するようにしたものが知られている。このスペーサには通常、プラスチックやシリカの球状粒子がギャップ制御粉体として用いられている。このスペーサは用途および液晶の厚さに応じて、直径1.5〜8.0μmのものが用いられている。また、スペーサは一方の基板に散布し、外周部分をシール材により封着することによって用いられている。
しかし、上述のように散布工程で行うため、設置される位置は特定化されず、表示画素部に位置したり数個が集まって凝集したりする状況が生じる。また、電圧印加時やセル搬送中にスペーサが移動し配向膜を損傷する恐れもある。
このため、設置位置を特定し、スペーサの移動を防止する目的でカラーフィルタの着色層を3層重畳して形成した3層構造部をスペーサ代替としたギャップ機能付きカラーフィルタが提案されている(特開平5−196946号公報)。
しかし、同公開公報ではブラックマトリクス部に3層構造体を形成することの開示はあるものの、スペーサの機能を充分に満足するものであることの開示はされていない。すなわち、広開口率化に伴うブラックマトリクスの微細化により3層構造体をブラックマトリクス上に形成するためにはそのサイズの微小化も余儀なくされる。また、たとえブラックマトリクス上に形成されなくても、その数量は画素表示に影響を及ぼさないためにもできるだけ少なくする必要がある。つまり、3層構造体が微小であり、小量で強い強度を有することが肝要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その目的とするところは、スペーサの代替部となる柱状体の材料、サイズ、強度を規定することにより、表示に影響を与えることなく充分に微小であり、かつ少数の柱状体でスペーサの代替部を有するカラーフィルタおよび液晶表示装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の液晶用カラーフィルタの態様は、カラーフィルタと対向基板とのギャップ制御機能を行う多数の柱状体を着色層上に有し、且つ、該柱状体はフォトリソ工程により形成されているカラーフィルタであって、当該柱状体がポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂のいずれかを主成分とする材料により形成されたものであり、当該柱状体が柱状体上に透明導電膜を有し、単一の柱状体の荷重5mNに対する塑性変形量が0.12μm以下で、当該単一の柱状体の底面断面積を200μm 2 未満としていることを特徴とする液晶用カラーフィルタ、にある。
かかる液晶用カラーフィルタであるため精度良くギャップ制御ができ柱状体の強度を充分に高くすることができる。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
本発明の液晶表示装置の態様は、対向基板とのギャップ制御機能を行う柱状体を有しており、当該柱状体がポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂のいずれかを主成分とする材料により形成されたカラーフィルタと、対向基板とを、当該柱状体を内側として接触させて形成される間隙内に液晶が充填されており、前記柱状体の対向基板側の柱状体上に透明導電膜を有し、該単一の柱状体の荷重5mNに対する塑性変形量が0.12μm以下で、該単一の柱状体の底面断面積を200μm 2 未満としていることを特徴とする液晶表示装置、にある。
かかる液晶表示装置であるため、ギャップ精度の高い液晶表示装置が得られる。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液晶用カラーフィルタの一例を示す概略構成図であり、図1(A)はその平面図、図1(B)は、図1(A)の1−1線における断面図である。図1に示されるように、本発明の液晶用カラーフィルタ1は、透明基板2の上に形成され、着色層からなるカラーフィルタ層3(R,G,B)と柱状体4を基本構成としている。
なお、柱状体4は、図1(B)のように、R、G、Bの各着色層を積み重ねることにより形成してもよいし、図1(C)のように、R、G、Bの各着色層を形成した後、柱状体4のみを着色層上に別に形成してもよい。図1(C)のように着色層上に別に形成する場合は着色層に影響を及ぼさないように透明材料により形成することが好ましい。この場合、透明材料にオーバーコート層6を兼ねた役割を持たせることもできる。
【0011】
柱状体は、図1のように各着色層に設けても良いし強度的に問題がなければ特定の着色層にのみ、あるいは間隔を空けて設けてもよい。柱状体4は図1(A)では断面正方形に図示されているが、特に正方形である必要はなく、断面円形や楕円形、長方形などのその他の形状のものであっても差し支えない。
また、非表示部以外のガラス面にも柱状体を形成することができ、柱状体を非表示部、特に基板周囲のシール材塗布部に同様の柱状体を形成することが好ましい。従来、シール材中にもスペーサを混合させ、基板間隔を一定にする役割をさせているが、その代替機能を果たすことができるからである。これら非表示部における柱状体の底面断面積は特に微小であることを要求されない。
【0012】
カラーフィルタ1の表面には、着色層3と透明導電膜層(ITO)5を有している。図1(B)の場合は透明導電膜層5を柱状体4の下部に設けることができ、対向基板との接触を防止する上で有利である。なお、本発明のカラーフィルタをIPS方式(In−Plane−Switching)に適用する場合には、透明導電膜層(ITO)5は必要ない。また、必要であれば、ブラックマトリクス層およびオーバーコート層を有していてもよい。ブラックマトリクス層を形成する場合には、柱状体4はブラックマトリクスの存在する上に形成するのが、画素表示部を有効に利用する上で好ましい。
【0013】
また、オーバーコート層を形成する場合には、有機、無機材料共にオーバーコート層として用いることができる。オーバーコート層が有機材料である場合、通常の保護膜の機能の他に、オーバーコート材料に感光性を持たせれば、柱状体4とオーバーコート層を同時に形成することが可能である。この場合、例えば全面のフラッシュ露光と柱状体部分のパターン露光とを組み合わせた2重露光を行うことで達成できる。また、透明導電膜5形成後に柱状体4を形成することも可能である。また、オーバーコート層が無機材料(SiO2 等)である場合、オーバーコート層の膜厚を薄く設定することができるので、柱状体4を着色層の重ね合わせで形成した場合、着色層3のギャップ量を低下させることなく、着色層3および柱状体4を保護することができる。
【0014】
また、ブラックマトリクスを樹脂系ブラックマトリクスとし、柱状体4をその上に形成する場合、ブラックマトリクス層自身の膜厚が通常、1.0〜2.0μm程度あり、柱状体部がその上に形成されるので、柱状体4と着色層3のギャップ量が広がり、柱状体部を高くしたい場合には有効である。
【0015】
また、ブラックマトリクス上に形成する場合で、TFTやIPS方式のように対向基板側にスイッチング機能を有する場合には、対向基板のTFTを避ける位置に柱状体4を形成することが望ましい。さらに、TFT上に樹脂ブラックマトリクスを設ける場合には、その位置に対応するようにカラーフィルタ側で柱状体4を設けることが望ましい。なお、上記のように対向基板のTFTを避ける位置に柱状体を形成した場合においても、柱状体4の形成時の位置ズレや張り合わせ時の位置ズレ等によりTFTと柱状体4が接触するおそれはある。このことによりTFTを破壊する可能性が生じる。
【0016】
また、TFT上に樹脂ブラックマトリクスを設け、その位置に対応するようにカラーフィルタ側で柱状体4を設ける場合においても、柱状体4の面内での個数を少なくした場合、TFTにかかる負荷が大きくなり、TFTを破壊する可能性が生じる。TFTが破壊された場合、通常TFT方式でよく用いられるノーマリーホワイトモード(電圧無印加時にはTN液晶が90°ねじられた状態にある)では、破壊された部分は電圧印加の有無にかかわらず、完全に光を透過することになる。これはカラーフィルタ単色の透過光と対応する。通常はその視感透過光率(Y値)は緑色>赤色、青色であり緑色が最も光を透過する。
例えば、破壊されたTFTが緑色(G)の着色部に対応するものであれば、緑色のY値が高いことから、他の色に比べて輝点が目立つことになる。従って、柱状体4は緑色の着色部分を避け、赤色(R)、青色(B)部分に形成することが好ましい。
【0017】
この柱状体4の高さは、着色層の表面から1μm〜8μmの高さとすることが好ましい。1μm以下ではセル中に液晶を注入するとき、時間がかかるため、プロセスタイムに制約を受けるからである。また、ギャップを厚くすればするほど応答速度が遅くなるとともに、8μm以上の柱を形成する場合には、透明樹脂による柱状体でも、塗布面内の均一性が充分に得られない。まして3色重ね合わせによる柱状体の形成では面内均一性の達成は実現が困難である。さらに高すぎると配向膜のラビング工程でラビングのかげになる部分が発生する可能性があり好ましくない。通常は、4〜6μm程度の高さとすることが好ましい。さらに柱状体4の高さの面内均一性に関しては、TFT方式の場合には通常のスペーサ散布方式の経験から±0.3μmの精度が必要とされる。
また、この柱状体4は規則的に配列させることが望ましい。これはカラーフィルタ作製上の不良突起と区別することを容易とするためと、等間隔で柱状体を形成することで対向基板面にあたる力が分散できること等がその理由である。
さらにまた、この柱状体4の最表面は平坦であることが望ましい。平坦であると、通常のスペーサビーズが点接触であるのに比べ、面接触で対向基板と接触でき応力を分散できるからである。
【0018】
なお、着色層を重ね合わせて柱状体4を形成し、さらにオーバーコート層を有機材料で形成する場合で着色層の表面平坦性のみを向上させる場合には、柱状体4を抜けパターンとしてオーバーコート層が柱状体の上に形成されないようにしてパターン露光し、現像することで、柱状体4のみを露出させても良い。また、対向基板が柱状体4に対応する絶縁層を有する場合には、柱状体4にも透明導電膜層を形成しても良い。対向基板との接触が防止されるからである。
【0019】
本発明において、カラーフィルタ層3(R,G,B)および柱状体4は通常のフォトリソ工程によって形成される。すなわち、透明基板あるいはブラックマトリクスが形成された基板に、スピンコータ、ロールコータ等の手段により、着色感材を所定の膜厚になるように形成した後、露光、現像、処理の工程を行う。同様の工程をR,G,Bに関して繰り返し行う。
また、必要ならば、着色感材の上にさらに感光性ポジ型レジストを塗布し露光・現像を行って必要部分のパターンを残し、R,G,Bに関して同様の工程を繰り返し行い、所定の着色画素となる部分および柱状体となる部分を形成する。感光性ポジ型レジストを用いる場合には、柱状体となる部分に感光性ポジ型レジストをエッチングした後に剥離除去しないでそのまま着色層と共に柱状体として残しても良い。この場合には、柱状体部が着色層とポジ型レジスト層との2層になるので柱状体形成には有利である。
R,G,Bの着色層形成工程は通常の着色層3のみを形成し、オーバーコート層に感光性を持たせて、図1(C)のように柱状体をオーバーコート層のみで形成することも可能である。また、前述のように、オーバーコート層を柱状体部以外の非柱状体部のみに形成して、着色画素部の平坦性も向上させることが可能である。
【0020】
【実施例】
(カラーフィルタに関する試作例)
ギャップ制御のための柱状体として適切な材料、サイズ、強度を把握するために以下の各種の試作品(試作1〜試作5)を作製し、比較試験を行った。
▲1▼試作1 柱状体の組成材料による強度を確認するための試験であって、柱状体を構成する着色層の材料樹脂には、アクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリイミド系の3種の樹脂を使用した。なお、アクリル系、ポリビニルアルコール系は感光性着色材料であるが、ポリイミド系は非感光性のものである。
▲2▼試作2 柱状体の底面断面積の違いによる塑性変形量を測定するための試験であって、アクリル系の着色感材を使用して各種のサイズ、底面断面積の柱状体を有するカラーフィルタを作製した。柱状体部を当該着色感材の重ね合わせで形成した。なお、表面にITOを成膜したものも試作した。これらの柱状体のサイズおよび断面積は柱状体形成の際のフォトマスクのパターンサイズを変えることによって調整した。
▲3▼試作3 柱状体の底面断面積の違いによる塑性変形量を測定するための試験であって、柱状体部分にアクリル系の透明感光性材料を使用して各種のサイズ、底面断面積の柱状体を有するカラーフィルタを作製した。着色層はアクリル系着色感材を用い、柱状体部のみをアクリル系の透明感材とした。また、これらの柱状体のサイズおよび断面積は上述のように、柱形成の際のフォトマスクのパターンサイズを変えることによって調整した。なお、表面にITOを成膜したものも試作した。
▲4▼試作4 柱状体の耐荷重強度を調べるための試験であって、アクリル系の着色感材を使用し、柱状体の底面断面形状を15×25μmの矩形状として、荷重を変えた場合の弾性変形量、塑性変形量を測定した。
▲5▼試作5 柱状体の底面断面積の違いによるITOの破壊荷重を測定するための試験であって、アクリル系の着色感材を使用して各種のサイズ、底面断面積の柱状体を有するカラーフィルタを作製した後、その表面にITOを成膜した。
なお、試作1〜試作5のいずれもブラックマトリクス層は使用しなかった。
【0021】
〔試作1〕
次に、ギャップ機能を有する柱状体の形成方法を試作1に基づいて説明する。試作1は、3色のライン上にそれぞれ一定間隔で柱状体を形成する場合であって、この方法の製造方法の一例を図2から図4を参照して説明する。
図2は、本発明の液晶用カラーフィルタの一実施形態の第1の工程を示す図である。図2(A)はその平面図、図2(B)は、図2(A)のa−a線における断面図である。なお、図2(A)においては透明基板2は省略されている。以下、同様である。
図2のように、まず透明基板2上に着色材料としてアクリル系のネガ型感材(富士ハントエレクトロニクステクノロジー株式会社製「カラーモザイクCR−7001」)を使用して、赤色(R)のストライプを厚さ3.5μmで形成する。ここでは、柱状体を各色の領域に形成させるために、本来の赤色(R)のストライプに加えて、緑色(G)の領域および青色(B)の領域の所定個所に赤色(R)の柱状体R1 を同じ3.5μmの厚みに形成する。なお、比較試験のため、柱状体の基板に平行な底面におけるサイズおよび面積は表3に示す各種のものを形成した。
【0022】
図3は、第2の工程を示す図である。図3(A)はその平面図、図3(B)は、図3(A)のb−b線における断面図である。
次いで、図3のように、透明基板上に着色材料としてアクリル系のネガ型感材(同社製「カラーモザイクCG−7001」)を使用して、緑色(G)のストライプを厚さ3.5μmで形成する。この緑色(G)のストライプによって、あらかじめ緑色(G)の領域の所定個所に形成された赤色(R)の柱状体R1 は覆われる。また、青色(B)の領域にも柱状体G1 をR1 の上に形成する。
【0023】
図4は、第3の工程を示す図である。図4(A)はその平面図、図4(B)は、図4(A)のc−c線における断面図である。
次いで、図4のように、透明基板上に着色材料としてアクリル系のネガ型感材(同社製「カラーモザイクCB−7001」)を使用して、青色(B)のストライプを厚さ3.5μmで形成する。ここでは本来の青色(B)のストライプに加えて青色(B)の柱状体B1 を赤色(R)の柱状体R1 の上に緑色(G)のストライプを介して厚さ3.5μmに形成する。また、赤色(R)のストライプ上に形成した緑色(G)の柱状体G1 の上にも柱状体B1 を形成する。
【0024】
以上の結果、緑色(G)のストライプパターンの領域には、R1 +G+B1 からなる柱状体が、赤色(R)のストライプパターンの領域には、R+G1 +B1 からなる柱状体が、青色(B)のストライプパターンの領域には、R1 +G1 +Bからなる柱状体が、着色層表面からは4.7μmの高さで突出されて形成された。上記の形成方法はネガ型の感光性材料であるアクリル系感材、ポリビニルアルコール系感材についての方法であり、ポリイミド系はポリイミド前駆体による非感光性の着色材料を塗布後、その上にポジ型のレジスト材料を塗布し使用した。露光、現像、エッチング、レジスト剥離処理後、着色層をポリイミド化した。フォトマスクにはネガ型とは反転したフォトマスクを使用した。いずれの場合も各層の柱高さ4.7μmに調整した。
また、上記柱状体を形成するためのマスクパターンは、通常のカラーフィルタ形成用のフォトマスクに柱状体形成部分のパターンのみを付加するだけであるのでその他の格別の要素を加える必要はない。
以上の試作品を、アクリル系(富士ハントエレクトロニクステクノロジー株式会社製「カラーモザイク」)、ポリビニルアルコール系(ザ・インクテック株式会社製「試作品」)、ポリイミド系(BREWER SCIENCE社「試作品」)の3種の着色感材について作製した。
【0025】
〔試作2〕
試作1と同様な製法により、カラーフィルタ基板を作製した。ただし、試作1と同一のアクリル系着色感材を使用し、柱状体の底面断面積の違いによる塑性変形量を測定するため、柱状体の底面断面サイズを5×15μmから25×25μmの各種サイズとした。これらのサイズは、柱状体形成の際のフォトマスクのパターンサイズを変えることによって調整することができる。また、着色層上にITOによる透明導電膜層5(膜厚1500Å)を設けたものも試作した。
【0026】
〔試作3〕
柱状体を透明感光材料で形成し、その底面断面積の違いによる塑性変形量を測定するため、柱状体の底面断面サイズを5×15μmから25×25μmの各種サイズとした。これらのサイズは柱状体形成の際のフォトマスクのパターンサイズを変えることにより調整することができる。
【0027】
試作3に基づいて、ギャップ機能を有する柱状体の他の形成方法を説明する。試作3は、3色のライン上にそれぞれ一定間隔で柱状体を形成する場合であって、この方法の製造方法の一例を図5から図7を参照して説明する。
図5は、本発明の液晶用カラーフィルタの他の実施形態の第1の工程を示す図である。図5(A)はその平面図、図5(B)は、図5(A)のd−d線における断面図である。
まず、図5のように、まず透明基板2上にネガ型のアクリル系着色感材(富士ハントエレクトロニクス株式会社製「カラーモザイク」)を使用して、赤色(R)のストライプ、緑色(G)のストライプ、青色(B)のストライプからなる着色層3を形成した。各着色層の膜厚は1.5μmとした。これらの形成工程は通常のカラーフィルタの形成工程と同様である。柱状体を着色層の重ね合わせで形成する場合には着色層自体も厚膜に形成する必要があるが、柱状体を着色層3形成後に透明感光性材料で形成する場合は、着色層を薄くすることができる利点がある。
【0028】
図6は、第2の工程を示す断面図である。図6(A)はその平面図、図6(B)は、図6(A)のe−e線における断面図である。
次いで、図6のように、着色層上に透明感光性材料(アクリル系感材)を使用して柱状体4を形成する。予定される柱高さに形成するため、膜厚5.5μmの塗布層を形成し、柱状体4部分のみをフォトマスクを介して露光し、所定の現像処理、乾燥を行った。柱状体4は着色層上4.7μmの高さで形成された。
図7は、第3の工程を示す図である。次いで、ITOからなる透明導電膜層5をスパッタリングにより柱状体4及び着色層3上に形成する。透明導電膜層の膜厚は、1500Åとした。
【0029】
〔試作4〕
試作1と同様な製法により、カラーフィルタ基板を作製した。ただし、試作1と同一のアクリル系着色感材を使用し、柱状体の底面断面サイズを15×25μmとして、柱状体にかかる負荷(荷重)を変えた場合の総変形量と塑性変形量を測定し、弾性変形量を求めた。
【0030】
〔試作5〕
試作1と同様な製法により、ITOによる透明導電膜層付きカラーフィルタ基板を作製した。ただし、試作1と同一のアクリル系着色感材を使用し、柱状体の底面断面積の違いによるITO破壊負荷を測定するため、柱状体の底面断面サイズを5×15μmから25×25μmの各種サイズとした。これらのサイズは柱状体形成の際のフォトマスクのパターンサイズを変えることにより調整することができる。透明導電膜層は柱状体付きカラーフィルタを作製した後、スパッタリングにより柱状体の上を含め全面に膜厚1500Åに形成した。
【0031】
(カラーフィルタの評価)
〔試作1〕
試作1によるカラーフィルタの着色層部分(柱状体のない部分)の強度を、超微小硬度計を使用して、以下の方法で測定した。
<測定方法>
Figure 0003953588
図8は、ダイナミック硬さ値を求める荷重試験を説明する図である。まず、図8(A)のように設定荷重5.0mNまでの負荷を上記負荷速度で、先端が三角錐状の三角錐圧子(図8(C))で着色層に与え、5.0mNに到達後、5秒間の間荷重を保持した後、その時の荷重(5.0mN)と圧子の押し込み深さからダイナミック硬さ値を求めた(図8(B))。
【0032】
その結果は、表1に示すとおりであり、アクリル系<ポリビニルアルコール系<ポリイミド系 の傾向が認められた。なお、表1中の測定単位は、ダイナミック硬さに対する値を示す。
【表 1】
Figure 0003953588
【0033】
試作1によるカラーフィルタの柱状体部分のダイナミック硬さを、上記と同一の方法で測定した。その結果は、表2に示すとおりであり、この場合にも着色層と同様にアクリル系<ポリビニルアルコール系<ポリイミド系 の傾向が認められた。なお、表2中の測定単位は、ダイナミック硬さに対する値を示す。
このことより、柱状体の硬さは、着色層に使用する樹脂材料によって左右されることが確認された。アクリル系に比べポリビニルアルコール系は、柱状体の強度が1.13倍、ポリイミド系は1.27倍の強度が得られる。
これはギャップ制御機能を有する柱状体をカラーフィルタに形成した場合、アクリル系が柱状体を一定面積に対して、100個設ける必要があるのに対して、ポリビニルアルコール系では88個、ポリイミド系では78個の個数でよいことを意味する。なお、表2中、「R上」とは、赤の着色層上に形成された柱状体を意味する。
【0034】
【表 2】
Figure 0003953588
【0035】
〔試作2〕
試作2によるカラーフィルタの柱状体部分の強度を、超微小硬度計を使用して、以下の方法で測定した。
<測定方法>
Figure 0003953588
【0036】
図9は、塑性変形量、弾性変形量を求める荷重試験を説明する図である。図9(A)は試験時における時間経過とその時の荷重を表しており、まず円柱状圧子を用いて一定の負荷速度で柱状体部分に設定荷重の5.0mNに到達するまで負荷を与える。次に、5秒間設定荷重を保持する。さらに、一定の除荷速度(負荷速度と同じ)で除荷を行い無負荷の状態に戻す。これにより一回の測定が終了する。実際には図9(B)に示すように、負荷時には設定荷重までは押し込み深さがD1まで増し、除荷時には押し込み深さがD2まで戻る。D2は除荷後にも変形した量であるので、塑性変形量を表し、D1は設定荷重での総変形量を表す。従って、D1からD2を差し引けば、設定荷重での弾性変形量を算出できる。
【0037】
表3は、R,G,Bの着色層上に形成した柱状体の柱サイズとその柱状体に測定条件の5mNの荷重をかけた場合の測定結果を示したものである。
【0038】
【表 3】
Figure 0003953588
なお、柱サイズ,D1,D2,弾性変形,塑性変形の単位は、μm
柱面積は、μm2 荷重は、mN である。
以下の表において同じである。
【0039】
その結果、表3のように、着色層R上に形成された柱状体に注目すると、柱面積を大きくしていくと、総変形量(D1)が100μm2 と200μm2 を境として変化していくことがわかる。この変化は塑性変形量(D2)でも同様の変化を示しており、柱状体の柱面積が200μm2 以上であれば、塑性変形量が0.05μm以下となる。次に、柱面積200μm2 に注目して各着色層の塑性変形量をみると0.04μm前後であり、ほぼ同様の値を示していることがわかる。柱状体の構成は、図4(B)に示すように各層で異なっている。すなわち、R層上に形成したものは、そのほかの着色層上に形成された柱状体に比べ着色層により柱の側面等がカバーされてはおらず、柱状体の2層構造に直接負荷がかかることとなる。従って、75μm2 での塑性変形量は、そのほかの層上に形成されたものに比べR層上に形成された柱状体の方が悪い。しかしながら上述のように200μm2 以上で形成されたものは柱状体の構成の違いにかかわらず、ほぼ同様の値を示している。
【0040】
このことから、200μm2 以上の柱面積を有することで、塑性変形量を0.05μm以下におさえることが説明できる。すなわち、柱状体の底面断面積が、200μm2 以上であれば、塑性変形量は柱状体の構成の影響を受けずに、0.05μm以下におさえることができる。
面積200μm2 の柱状体を正方形に形成する場合には、一辺が、14μm程度となるが、200μm2 以上であれば無制限という意味ではない。大きければ画質を低下させるし、明視の距離で柱状体が認識されないことが望ましいので、できるかぎり小さいことにこしたことはない。通常、人間の目の分解能(点の存在を検知できる最小の大きさ)が、角度にして約1分であり、これをもとに計算すると、約30cmの距離から液晶ディスプレイをみた際の最小分解能が87μm程度となる。従って、対角線が87μmの正方形とした場合は、その面積は約7570μm2 となる。
【0041】
【表 4】
Figure 0003953588
【0042】
試作2のうち、R層においてITO層を設けたものの測定値を表4に示す。ITO層を設けない表3の試作2と同様、総変形量(D1)が100μm2 と200μm2 を境として変化していることがわかる。また表3と比較して弾性変形量はほぼ同一の値を示しているのに対し、塑性変形量は柱サイズの依存性はみられず、0.1μm前後の値を示している。
これらのことから、弾性変形量は下地の着色柱状体に依存し、塑性変形量は無機膜であるITO層に依存することがわかる。この場合には、5mNの荷重に対して0.12μm以下に変形量を想定して柱状体を設計すれば、柱サイズの依存性はなく柱状体を配置できる。また、あとから述べるように、ITO膜破壊荷重は遙かに大きく、ITOの破壊による液晶表示装置での実際上の支障は生じないものと考えられる。
【0043】
〔試作3〕
試作3による試作カラーフィルタの柱状体部分の強度を、試作2と同様の方法で超微小硬度計を使用して測定した。その結果を表5に示す。なお、この測定はITO層を設ける前の状態(図6(B))で行ったものである。
【0044】
【表 5】
Figure 0003953588
【0045】
表5からも柱面積を大きくしていくと、総変形量(D1)が100μm2 と200μm2 を境として変化していくことがわかる。この変化は塑性変形量(D2)でも同様の変化を示しており、柱状体の柱面積が、200μm2 以上であれば、透明な感光性材料による柱状体であっても塑性変形量が0.05μm以下となる。
試作3のうち、ITO層を設けたものの測定値を表6に示す。
【0046】
【表 6】
Figure 0003953588
【0047】
ITO層を設けない表5の試作3と同様、総変形量(D1)が100μm2 と2002 μmを境として変化していることがわかる。また表5と比較して弾性変形量はほぼ同一の値を示しているのに対し、塑性変形量は柱サイズの依存性はみられず、0.1μm前後の値を示している。これらのことから、試作2と同様、弾性変形量は下地の透明柱状体に依存し、塑性変形量は無機膜であるITO層に依存することがわかる。この場合には、5mNの荷重に対して0.12μm以下に変形量を想定して柱状体を設計すれば、柱サイズの依存性なく柱状体を配置できる。
【0048】
〔試作4〕
次に、試作4による試作カラーフィルタの柱状体部分の荷重試験を、以下の方法で実施した。この場合の柱状体4の断面積は、前記のように15×25μmである。パラメータとして荷重を変化させ、弾性変形量および塑性変形量を測定した。
<測定方法>
Figure 0003953588
【0049】
図10は、柱状体の荷重に対する変形量を示すグラフと測定数値である。
図10(A)は、試作4のカラーフィルタの柱状体部分を測定した結果をグラフ化したものであり、図10(B)は、その測定数値を示す表である。
グラフより明らかなように、100mN以上の荷重がかかった場合には、弾性変形と塑性変形の傾きが同じとなる。このことから、柱状体が破壊されていくことがわかる。すなわち、15×25μmの柱状体では、柱1個で100mN(10.2gf)の耐荷重に耐えられ、実用上充分な値であることがわかる。
ところで、この柱状体がいかに実用的といっても限界は存在する。図10のグラフから明らかなように、100mN以上の荷重をかけた場合には変形量が急激に変化する。作業時にたとえば柱状体の高さが4μmあったとしても、200mNの荷重をかけた場合には、0.5μmの塑性変形となり、ギャップ制御は3.5μmになってしまう。着色層を重ねあわせて柱の高さを高くさせるためには、一般的には着色層を厚くする必要があり、設計およびプロセスが非常に困難になる。一方、100mN以下の荷重では、0.2μm以下の塑性変形であり、最初からその変形量を見込んで柱状体の設計が可能になる。
【0050】
もちろん着色層を形成後、透明樹脂をパターニングして柱状体を形成する場合には、上述のような荷重に対する組成変形量を加味して最終的に必要な柱状体の高さを設計すればよい。
また、後述のように表8から荷重5mNに対するミクロパール1個の塑性変形量は0.5μmであるのに対し、柱状体では上述のように200mNの荷重である。つまり、約40倍の荷重に耐え得ると言える。このことからも実用上充分な値であることがわかる。
【0051】
〔試作5〕
次に、試作5によるカラーフィルタの柱状体部分のITO破壊負荷試験を、以下の方法で実施した。この場合の柱状体の断面積は、10×10、15×15、20×20、25×25μmの4種類である。これらの柱状体に対して荷重を変化させ、その後の基板を顕微鏡で観察し、ITOの破壊の有無を確認し破壊される以上の荷重を負荷させた。
<測定方法>
Figure 0003953588
【0052】
図11は、柱状体部分のITO破壊負荷試験の結果を示す図である。上記試験荷重での総変形量をプロットしたものが図11であり、図のように、10×10μmでは200mN、15×15μmでは350mN、20×20μmでは500mN、25×25μmでは750mNでITOが破壊されることが確認できた。また、グラフから明らかなように、ITO破壊時に変曲点が存在することが確認できる。また、柱サイズにより破壊変曲点が異なることがわかる。いずれのサイズでもITOの破壊荷重は通常、柱状体にかかる荷重に比べれば遙かに高く、この柱状体がギャップ制御材料として充分に機能を果すことが確認された。
【0053】
(比較例)
次に、通常のカラーフィルタに球状のスペーサを使用した場合のスペーサの塑性変形量を測定した。すなわち、試作1と同様にして形成された柱状体のないカラーフィルタ基板に、平均粒子径5.00±0.05μm、標準偏差0.19±0.01μmのスペーサ(積水ファインケミカル株式会社製「ミクロパールSPN−205」)を散布したものについて、試作2と同一の測定方法で測定した。その試験方法は下記のとおりである。なお上記スペーサについては以下、「ミクロパール」と呼ぶ。
【0054】
(ミクロパールの試験方法)
IPA(イソプロピルアルコール 純正化学株式会社製)にミクロパールを少量添加し、充分に攪拌させて分散液を作製する。ミクロパールが分散したIPA溶液に布片をピンセットを用いて浸漬させる。上記布片をカラーフィルタにこすりつけ、ミクロパールを付着させる。その後、室温でIPAを乾燥させる。
顕微鏡により着色画素1個について、ミクロパールが1個付着したものを確認し、測定対象とした。ただし表10については比較のため、ミクロパール1個のものと2個のものを測定した。
【0055】
その結果は、表7〜表10に示すとおりであるが、表7、表8に示すように、ミクロパールの荷重5mNに対する塑性変形量は0.5から0.6μm程度であり、本発明の柱状体に比べて一桁程度、塑性変形量が大きいことがわかる。
【0056】
【表 7】
Figure 0003953588
【0057】
【表 8】
Figure 0003953588
【0058】
【表 9】
Figure 0003953588
【0059】
【表10】
Figure 0003953588
【0060】
次に、表8と表9を比較すると、表8の標準的なカラーフィルタ+ITO+ミクロパールの塑性変形量が、0.51μm程度であるのに対し、ガラス上にミクロパールを付着させたサンプル(表9)では、その塑性変形量が0.42μm程度である。その差はカラーフィルタ自身に寄与する変形量であって、0.1μm以下であり、そのほとんどの変形がミクロパールの変形であると推定できる。表9のように荷重を変化させたとき、総変形量、塑性変形量ともに変化することより、ミクロパールが変形することがわかる。
ミクロパールの個数が塑性変形量に影響することを確認するために、1画素に2個のミクロパールが存在するものについて測定を行った。結果は表10に示すとおりである。塑性変形量を少なくするためには、1画素に複数個のミクロパールを散布する必要がある。
【0061】
ここで、1個当たりのスペーサーにどの程度の荷重がかかるかを求めてみる。今、11.3インチ(画面の対角線長さ)のパネルに10kgfの荷重が全体にかかることを想定する。11.3インチのパネルの場合、両辺は通常172.8×230.4mmであり、その面積は、約40,000mm2 (400cm2 )になる。スペーサーは通常1mm2 に100〜200個散布されるため全体では、400万個〜800万個の数が散布されることになる。この数で、10kgfを除すれば、1個のスペーサーにかかる荷重は、1.25mgf〜2.50mgfとなる。
【0062】
もう少し具体的な数値で算出すると基板張り合わせ時にかかる圧力は0.45〜0.55kg/cm2 と言われている。今、基板張り合わせ時にかかる圧力を0.5kg/cm2 とすると、基板全体にかかる力は200kgfである。この数で上記1個のスペーサにかかる荷重を求めれば、25〜50mgfとなる。
【0063】
ここで、試験荷重5.0mN(0.51gf)はスペーサ10〜20個にかかる荷重に相当する。これは上述から0.1mm2 に存在するスペーサ量に相当し、S−VGA(スーパー ビデオ グラフィックス アレイ)の1画素のサイズは、288μm×96μmであることを考えると3.6画素分に相当する。
すなわち、試験荷重5.0mN(0.51gf)は現状使われているパネルのインチサイズ、ディスプレイ規格から考えても通常スペーサでのRGBの3画素分程度に相当する。
【0064】
上記のように、アクリル系の着色材料では柱状体を形成したカラーフィルタの試作2、試作3がミクロパール以上の塑性変形に対する能力を有し、ギャップ制御材料として充分に有効であることが確認された。
一方、アクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリイミド系着色材料では柱状体を形成した試作1のカラーフィルタでは、アクリル系の着色材料による柱状体が硬度的にはポリビニルアルコール系、ポリイミド系より低い値であることが確認できた。このことからも、アクリル系のものがギャップ制御材料として充分に有効であれば、他の2種の材料も充分にその機能を発揮し得るものと考えられる。
【0065】
(液晶表示装置に関する実施例)
上記、試作結果より、アクリル感材による15×15μmの底面断面積の柱状体を着色層上に有し、さらにカラーフィルタ基板の周囲のシール材塗布部にも、50×50μmの柱状体を設けた液晶用カラーフィルタ(試作1による着色感材による柱状体のものと試作3による透明感材による柱状体のものの2種)を作製し、それぞれを用いて、液晶表示装置を組み立てた。
まず、上記試作方法により作製されたTFT基板上にポリイミド系の配向膜を塗布し配向処理を施し対向基板を形成した。カラーフィルタ側にも同様にポリイミド系の配向膜を塗布し、配向処理を施した後、カラーフィルタ基板側の外周にシール材(三井東圧化学株式会社製「ストラクトボンドXN−21−S−B」)を塗布し、対向基板とカラーフィルタ基板とを張り合わせ、液晶注入部を残して封着した。
最後に上記のセル基板に液晶を充填して封止し、所定の駆動回路、照明装置を設けることにより液晶表示装置が完成した。
完成した液晶表示装置は、いずれも対向基板とカラーフィルタ間が一定間隔に保たれ、画像表示機能試験でも良好な結果が得られた。
【0066】
【発明の効果】
本発明では、以下のような顕著な効果を有する。
▲1▼スペーサの代替部となる柱状体の材質・サイズ・強度を選定することで従来のスペーサと同様な機能を充分に持たせることができる。
▲2▼着色感材による柱状体の場合はマスクパターンを変更することで、あらたに工程を付加させず均一な間隔を有する柱状体を形成できる。透明感材による柱状体の場合は、任意の高さの柱状体を精度よく形成することができる。
▲3▼いずれの場合も一定の規則的関係で柱状体が形成され、固定されているので、スペーサーのように移動を起こし画像表示を損なうことがなく、かつ、光散乱の心配がない。
▲4▼カラーフィルタ基板周囲のシール部に柱状体を設けることにより、シール材にスペーサ材料を含ませる必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶用カラーフィルタの一例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の液晶用カラーフィルタの一実施形態の第1の工程を示す図である。
【図3】 第2の工程を示す図である。
【図4】 第3の工程を示す図である。
【図5】 本発明の液晶用カラーフィルタの他の実施形態の第1の工程を示す図である。
【図6】 第2の工程を示す図である。
【図7】 第3の工程を示す図である。
【図8】 ダイナミック硬さ値を求める荷重試験を説明する図である。
【図9】 塑性変形量、弾性変形量を求める荷重試験を説明する図である。
【図10】 柱状体の荷重に対する変形量を示すグラフと測定数値である。
【図11】 柱状体部分のITO破壊負荷試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 液晶用カラーフィルタ
2 透明基板
3 着色層またはカラーフィルタ層
4 柱状体
5 透明導電膜層
6 オーバーコート層

Claims (11)

  1. カラーフィルタと対向基板とのギャップ制御機能を行う多数の柱状体を着色層上に有し、且つ、該柱状体はフォトリソ工程により形成されているカラーフィルタであって、当該柱状体がポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂のいずれかを主成分とする材料により形成されたものであり、当該柱状体が柱状体上に透明導電膜を有し、単一の柱状体の荷重5mNに対する塑性変形量が0.12μm以下で、当該単一の柱状体の底面断面積を200μm 2 未満としていることを特徴とする液晶用カラーフィルタ。
  2. 柱状体が透明感光性材料により形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶用カラーフィルタ。
  3. 柱状体がカラーフィルタの着色層の重ね合わせにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶用カラーフィルタ。
  4. 柱状体の頂部が平坦であることを特徴とする請求項1から請求項3記載の液晶用カラーフィルタ。
  5. 柱状体が特定着色層に対応する位置にのみ形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4記載の液晶用カラーフィルタ。
  6. 柱状体の高さが、着色層の表面から1μm以上であって8μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5記載の液晶用カラーフィルタ。
  7. 柱状体がブラックマトリクス上に配列されていることを特徴とする請求項1から請求項6記載の液晶用カラーフィルタ。
  8. 柱状体が規則的に配列されていることを特徴とする請求項1から請求項7記載の液晶用カラーフィルタ。
  9. 対向基板とのギャップ制御機能を行う柱状体を着色層上に有しており、当該柱状体がポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂のいずれかを主成分とする材料により形成されたカラーフィルタと、対向基板とを、当該柱状体を内側として接触させて形成される間隙内に液晶が充填されており、前記柱状体の対向基板側の柱状体上に透明導電膜を有し、該単一の柱状体の荷重5mNに対する塑性変形量が0.12μm以下で、該単一の柱状体の底面断面積を200μm 2 未満としていることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 前記柱状体は、着色層の重ね合わせにより形成されていることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置。
  11. 対向基板とのギャップ制御機能を行う柱状体が、基板周囲のシール材塗布部分にも形成されていることを特徴とする請求項9から請求項10記載の液晶表示装置。
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