JP3952771B2 - 塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体をろ過し、かつ所望の量の流体を塗布対象物に塗布するための塗布装置に関している。
【0002】
【従来の技術】
電子部品などの製造方法として、塗布液を、塗布対象物に対して塗布する工程を有するものがある。例えば、半導体製造方法では、シリコン基板表面に感光性レジスト液を塗布した後、スピンコートなどで液を表面に塗り広げ、その後フォトリソ法にてシリコン基板上に所定の被膜パターンを形成し、しかる後にイオン注入等の工程を行う。また、カラーフィルタの製造においては、所定色の色顔料を分散させた着色感光性レジストをガラス、プラスチック等の基板上に塗布した後、スピンコートなどで基板上に塗り広げ、フォトリソ法を用い基板上に着色画素パターンを形成している。さらに、リードフレーム、シャドウマスクなどの材質を金属板とする電子部品の場合には、塗布した感光性レジストにフォトリソ法を行い、所定のパターンの耐エッチング性被膜を形成し、しかる後にエッチングを行うことで金属板に所望のパターンを形成する。
【0003】
以下に、図8を参照して、塗布対象物に塗布液を塗布するために用いられている従来の塗布装置を説明する。図8は、従来の塗布装置を模式的に示す図である。
【0004】
図8中に示すように、塗布装置110は、液体流路100と、加圧パイプ120と、フィルタ140と、タンク300とを有している。液体流路100は、自身の中間部に開閉を行うための弁101を有している。また、液体流路100は、一端がタンク300に接続されており、他端が塗布液の吐出口102を備えている。フィルタ400は、塗布液中の不純物をろ過・除去するためのフィルタである。このフィルタ400は、液体流路100中に配置されており、より詳しくは、弁101よりも上流(タンク300側)に配置されている。タンク300は、塗布液が貯蔵されている。このタンク300は、密閉されており、前述の液体流路100と、加圧パイプ120が接続されている。加圧パイプ120は、一端がタンク300に接続されており、他端が図示しない加圧気体供給部に接続されている。この加圧パイプ120は、タンク300中に加圧気体(例えば、Nガス等の不活性気体)を送り、タンク300中を加圧する。
【0005】
前記塗布液は、タンク300が加圧パイプ120からの加圧気体によって加圧されることにより、タンク300から液体流路100中に流れる。そして、前記塗布液は、前記加圧により、液体流路100中を圧送され、吐出口より塗布対象物200上に塗布される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した塗布装置110(タンク内への加圧を行うため、以下、加圧塗布装置と記す)は、構成が簡単であるため広く用いられている。
【0007】
近年、電子部品は、高密度化し、これに伴って、形成されるパターンも微細化している。そのため、高密度化、微細化した前記部品の製造にあたり、所望される正確な量にて塗布液を塗布する必要性が高まっている。また、前記部品の製造にあたり、塗布対象物上に塗布された塗布液中に不純物や気泡が無いことも要求されている。
【0008】
すなわち、塗布対象物上に塗布された塗布液の量が不均一であった場合、塗布対象物上に形成される被膜の膜厚が不均一となってしまう。従って、フォトリソ法、フォトエッチング法を用いて形成される製品のパターン精度は、低下してしまう。また、塗布された塗布液中に不純物や気泡が混入していた場合、製品のパターン欠けなどの不良の原因となる。
【0009】
ここで上述した加圧塗布装置110は、タンク300の加圧によりタンク300から前記塗布液を圧送することで、フィルタ400を通過させると共に吐出口102から塗布対象物200上に塗布する。すなわち、加圧塗布装置110では、前記加圧の量に応じて、塗布液の流速が変化する。従って、加圧塗布装置110では、前記加圧の量に応じて、フィルタ400でのろ過時間が決まる。言い換えると、加圧塗布装置110は、吐出時しか塗布液が流路を流れないため、塗布液の吐出時間もしくは吐出量に応じてフィルタ400でのろ過条件が決まる。このため、被製造物の製造効率を上げるべく短時間で必要量の吐出が完了するよう、前記加圧量を上げ塗布液の流速を速くした場合、塗布液がフィルタを通過する時間が短くなり十分な精度のろ過が出来なくなる。従って、塗布対象物に塗布された前記塗布液中には、塗布液中にフィルタで除去されなかった不純物が存在しやすくなるといえる。特に、前述のようにろ過精度が低下した場合、軟質な不純物は、フィルタで除去されず、そのままフィルタを通過しやすいと言える。
【0010】
一方、十分なろ過を行う(フィルタによる塗布液のろ過精度を上げる)ために、フィルタの目を細かくすると、フィルタ400は、目詰まりが早くなり、頻繁に交換する必要が出てきてしまう。このフィルタの交換作業は、繁雑である。また、フィルタ交換中は、塗布作業が中断されるため、製造効率が低下することになる。また、フィルタが目詰まりした際に、前記加圧量を上げ塗布液をフィルタに送り込み、ろ過速度を上げようとすると、軟質な不純物は、圧力により変形し、フィルタを通過してしまう。
【0011】
また、加圧塗布装置110において、塗布液の流速を遅くした場合、塗布時間がかかってしまい、塗布装置としてのタクトタイムが低下してしまう。
【0012】
また、加圧塗布装置110において、塗布液の流速を早くした場合、前記塗布液は、液体流路100の内壁、この液体流路100中に存在する各種の突起物、及び/又は、フィルタ400、への接触などにより受ける物理的外力が大きくなると、塗布液中にカスや気泡が生じ易くなる。前記不純物や気泡の発生は、塗布液が揮発性の溶剤を含むときに特に生じやすくなるものである。
【0013】
前述したように、塗布液の流速が早い場合、フィルタを通過する時間が短いため、十分なろ過が行われないとともに、前記不純物や気泡が発生してしまう。もちろん、前記発生した不純物や気泡を十分にろ過することは、困難である。即ち、前記塗布液中には、液体流路100内を流れる際に発生した気泡、及びタンク300から液体流路中に圧送された次点で既に存在して気泡などを含んでいる。このため、前記塗布液中は、前記不純物や気泡を含んだまま、塗布対象物に塗布されてしまう。
【0014】
上述した課題を鑑みて、本発明の目的は、不純物や気泡の除去を確実に行えるとともに、流路中で新たに不純物や気泡が発生することを防止し、不純物や気泡を含まない流体を塗布対象物に塗布し得る塗布装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、塗布装置としてタクトタイムの低下を防止し得る塗布装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の塗布装置は、下記の如く構成されている。
【0016】
本発明の塗布装置は、
塗布対象物に塗布するための流体を貯蔵しているタンクと、
前記流体の流路であり、前記タンクの中の流体に一端が接続される吸引流路と、
前記吸引流路中に配置されており、前記吸引流路の開閉を行う入口弁と、
前記吸引流路の他端が接続されており、前記流体を前記タンクから吸引するとともに受容し、受容した前記流体を押し出すフィードポンプと、
前記流体の流路であり、前記フィードポンプに一端が接続されている搬送流路と、
前記搬送流路中に配置されており、前記流体をろ過するためのフィルタと、
前記フィルタ中に配置されており、気泡並びに前記流体の一部を排出するためのフィルタ排出機構と、
前記搬送流路の他端が接続されており、前記流体を所定量受容し、前記流体を所定量吐出するディスペンスポンプと、
端が前記ディスペンスポンプに接続されており、他端が流体の吐出口に接続されている吐出流路と、
前記吐出流路中に配置されており、前記吐出流路の開閉を行う出口弁と、
を具備しており、
前記フィードポンプは、前記流体を受容するとともに自身の容積を所定の量に維持し得る搬送チャンバーと、搬送チャンバー中の気泡並びに流体の一部を排出するための搬送チャンバー排出部と、を有しており、
前記搬送チャンバー排出部は、排出する気体並びに流体の流路の開閉を行う搬送チャンバー排出弁を有しており、
前記ディスペンスポンプは、前記流体を受容するとともに自身の容積を所定の量に維持し得る分与チャンバーを有しており、
前記フィルタ排出機構は、排出する気体並びに流体の流路の開閉を行う排出機構弁を有しており、
前記入口弁,前記フィードポンプ,前記搬送チャンバー排出弁,前記排出機構弁,前記ディスペンスポンプ,そして前記出口弁の動作を制御する制御部をさらに備えていて、
前記制御部は、前記入口弁を開放し,前記搬送チャンバー排出弁,前記排出機構弁,そして前記出口弁を閉じ、さらに前記ディスペンスポンプの分与チャンバーの容積を維持した状態で前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積を拡大させて前記タンク中の流体を前記吸引流路を介して前記フィードポンプの前記搬送チャンバー中に吸引して受容し、
次に、前記制御部は、前記入口弁を閉じ,前記搬送チャンバー排出弁を開放し,前記排出機構弁,そして前記出口弁を閉じ、さらに前記ディスペンスポンプの分与チャンバーの容積を維持した状態で前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積を減少させることにより、前記搬送チャンバー中に受容されている前記流体中の気泡を前記流体の一部とともに搬送チャンバー排出部を介して排出させ、
次に、前記制御部は、前記入口弁,前記搬送チャンバー排出弁,前記排出機構弁,そして前記出口弁を閉じた状態で前記フィードポンプと前記ディスペンスポンプとを同期して動作させ、前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積の減少による流体の押し出しと前記ディスペンスポンプの前記分与チャンバーの容積の増大による前記押し出された流体の受容との容積変化が1:1の関係になるよう制御し、
次に、前記制御部は、前記入口弁,前記搬送チャンバー排出弁,そして前記出口弁を閉じ、前記排出機構弁を開放し、さらに前記ディスペンスポンプの分与チャンバーの容積を維持した状態で前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積をさらに減少させることにより、前記フィルタ中に生じた気泡を前記流体の一部とともに前記フィルタ排出機構を介して排出させ、
次に、前記制御部は、前記入口弁,前記搬送チャンバー排出弁,そして前記排出機構弁を閉じ、前記出口弁を開放し、さらに前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積を 維持した状態で前記ディスペンスポンプの前記分与チャンバーの容積を減少させることにより、前記ディスペンスポンプの前記分与チャンバー中の流体を前記吐出流路の前記他端の前記吐出口から排出させる
【0017】
上記構成により、本発明の塗布装置は、前記フィードポンプが、受容する流体の量を規定するように容積を維持し得る搬送チャンバーを有している。同様にディスペンスポンプが、容積を維持し得る分与チャンバーを有している。このため、上記塗布装置は、前記搬送流路中に弁を設けることなく、前記搬送流路中の流体を逆流させることなく、流体をタンクから吸引し、塗布対象物に対して流体を塗布し得る。さらに、塗布装置は、上記搬送流路中に弁を有することなく、フィルタ排出機構から気泡を排出し得る。従って、本発明の塗布装置は、新たに気泡や不純物の発生の原因となる突起部を有している弁を搬送流路中に設ける必要がない。このため、この塗布装置は、流路中であらたに気泡や不純物が発生することを防止し得る。
【0018】
また、本発明の塗布装置のフィードポンプは、搬送チャンバー中の気泡並びに流体を排出するための搬送チャンバー排出部を有している。このため、この塗布装置は、フィルタに流体を搬送する前に、大部分の気泡を排出し得る。従って、この塗布装置は、フィルタに殆ど気泡が搬送されず、気泡がフィルタに付着する可能性を低くし得る。従って、この塗布装置は、フィルタに付着した気泡により流体が汚染される可能性を低減し得る。
【0019】
さらに、上記フィルタは、フィルタ排出機構を有しているため、搬送チャンバー排出部で排出されなかった流体中の微小な気泡を排出することができる。従って、本発明の塗布装置は、より確実に気泡の除去をし得る。
【0020】
さらに、この塗布装置は、ディスペンスポンプに搬送される前に流体中の不純物を除去し得る。従って、ディスペンスポンプ中の流体には、不純物が混入していない。このため、この塗布装置は、塗布する際の流体の定量性をより確実にし得る。
【0021】
また前記フィルタは、搬送された流体を受容するフィルタチャンバーと、前記搬送された流体の出口であるフィルタ出口と、前記フィルタチャンバーとフィルタ出口との間に配置され、前記出口に向けて移動する流体をろ過するろ過媒体とを有しており、
前記フィルタ排出機構は、前記フィルタチャンバーに接続されている第1排出部と、前記フィルタ出口に接続されている第2排出部とを有しており、
前記排出機構弁は、前記第1排出部の排出する気体並びに流体の流路の開閉を行う第1排出弁と、第2排出部の排出する気体並びに流体の流路の開閉を行う第2排出弁とを有しており、
前記制御部は、前記入口弁,前記搬送チャンバー排出弁,そして前記出口弁を閉じ、前記排出機構弁を開放し、さらに前記ディスペンスポンプの分与チャンバーの容積を維持した状態で前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積をさらに減少させることにより、前記フィルタ中に生じた気泡を前記流体の一部とともに前記フィルタ排出機構を介して排出させるときに、前記第2排出弁を閉鎖させている間に前記第1排出弁を最初に開放し、次に前記第1排出弁を閉鎖した後に前記第2排出弁を開放させ得る。
【0022】
上記構成により、フィルタ排出機構は、第1排出部と、第2排出部を有している。このため、フィルタ排出機構は、ろ過される前の流体の気泡を第1排出部により排出することが出来る。また、フィルタ排出機構は、フィルタ出口近傍のろ過後の流体の気泡を第2排出部により排出すること出来る。従って、第2排出部は、ろ過媒体を通過してしまった気泡や、交換後のろ過媒体に付着していた空気による気泡を、確実に排出し得る。従って、この塗布装置は、より確実に流体から不純物や気泡を除去し得る。
【0023】
また、前記搬送チャンバー排出部は、前記フィードポンプの上部に配置され得る。
【0024】
上記構成により、フィードポンプ中の気泡を搬送チャンバー排出部に容易に集めることができ、より確実に搬送チャンバー排出部から不純物を排出し得る。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明のある1つの実施の形態について説明する。
【0026】
上記ある1つの実施の形態について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に従った塗布装置を示す概略図である。
【0027】
塗布装置10は、以下で詳しく説明するが、図1中に示すように、タンク90と、フィードポンプ20と、ディスペンスポンプ30と、吐出口61とを有している。
【0028】
タンク90には、塗布対象物200に塗布するための流体300を貯蔵している。なお、流体300は、例えば、レジスト液のような弾性率の小さい流体が使用される。
【0029】
フィードポンプ20は、例えば、ダイアフラムポンプなどのポンプであり、本実施の形態において、ダイアフラムポンプを使用した場合について説明する。フィードポンプ20は、タンク90に接続されている吸引流路21と接続されている。言い換えると、吸引流路21は、一端がタンク90の液体300に延在しており、他端がフィードポンプ20に接続されている。吸引流路21は、流路の開閉を行う入口弁22を有している。入口弁22は、制御部400に接続されており、コンピュータ等からなる制御部400の命令により開閉を制御される。
【0030】
また、フィードポンプ20は、金属等の変形しない材質からなる自身の内壁23と隔壁24とにより画定される内部空間である搬送チャンバー25と、隔壁24を間に挟んで搬送チャンバー25と反対側にある内壁23と隔壁24とにより画定される内部空間である圧力室26とを有する。
【0031】
膜状の隔壁24は例えばテフロンなどの弾性変形しうる、かつ、流体300に対して耐溶性のある材質で形成されておりフィードポンプ20によりその外縁全体が固定され搬送チャンバー25と圧力室26とを分離している。
【0032】
ここで、圧力室26内にはポリエチレングリコール等の弾性変形の少ない圧力伝達液が充填されている。圧力伝達液は圧力室26内から出し入れされる。この圧力伝達液の出し入が行われた際に隔壁24が弾性変形し、圧力室26の容積を増減させる。この圧力伝達液の出し入れは、圧力室26に接続した圧力調節部27により行われ、圧力調節部27の駆動は制御部400により制御される。
【0033】
また、圧力調節部27と圧力室26との間に圧力計を設置している(図示せず)。
【0034】
前記制御部400により制御された圧力調節部27の駆動による圧力室26の容積変化に応じて搬送チャンバー25の体積を変化させ得る。すなわち、圧力伝達液を圧力室26に入れると隔壁24が搬送チャンバー25側に膨らみ圧力室26の容積が増す。その際、内壁23と隔壁24とで画定される搬送チャンバー25の容積は減少する。一方、圧力伝達液を圧力室26より出すと隔壁24が圧力室26側に凹み圧力室26の容積が減る。その際、内壁23と隔壁24とで画定される搬送チャンバー25の容積は増加する。なお、搬送チャンバー25内の圧力は大気圧程度となっている。
【0035】
ここで、隔壁24がある位置まで変形した、もしくは、ある位置にある時点で、圧力調節部27とフィードポンプ20との間に配設したストップバルブ(図示せず)により圧力室26内への圧力伝達液の出し入れを止めると、搬送チャンバー25と圧力室26は上記時点での容積をそのまま維持することになる。すなわち、搬送チャンバー25と圧力室26との容積は固定されることになる。本実施の形態において、上記のように搬送チャンバー25の容積が固定された状態のことを膜ロック状態と呼ぶ。なお、ストップバルブは、制御部400により開閉を制御される。ここで、前述したようにタンク90より延存する吸引経路21は搬送チャンバー25に接続している。そのため、後述する表1の状態で、搬送チャンバー25の容積を増大させた際、タンク90中の流体300は吸引経路21を経由して搬送チャンバー25内部に吸引される。
【0036】
次いで、搬送チャンバー25には搬送チャンバー排出部80を設けている。搬送チャンバー排出部80は、搬送チャンバー排出流路81と、搬送チャンバー排出流路81の開閉を行う搬送チャンバー排出弁82とを有している。
【0037】
搬送チャンバー排出流路81は、一端がフィードポンプ20、より詳しくは搬送チャンバー25の上部に接続されており、他端はタンク90と接続されている。なお、本実施の形態では、搬送チャンバー排出流路81の他端はT字状に分岐させており、一方の分岐をタンク90に接続させている。なお、他方の分岐の接続については後述する。また搬送チャンバー排出弁82は制御部400に接続されており、制御部400の命令により搬送チャンバー排出流路81の開閉は制御される。
【0038】
次いで、搬送チャンバー25の搬送チャンバー排出流路81との接続部の下方であって吸引流路21の接続部の下方の位置に搬送流路50の一端が接続されている。フィードポンプ20は、搬送チャンバー25中の流体300を隔壁24の変形により押し出し、搬送流路50に搬送する。言い換えると、搬送チャンバー25内の容積が増加した際に搬送チャンバー25内に吸引された流体300は、搬送チャンバー25内の容積が減少した際に、搬送チャンバー25内より押し出される。
【0039】
搬送流路50は、他端(フィードポンプ20と接続されている端部に対して反対側の端部)がディスペンスポンプ30に接続されている。また、搬送流路50の間には、流体300をろ過するためのフィルタ40が配設されている。
【0040】
ここで、フィルタ40は、フィルタチャンバー41と、フィルタ出口42と、ろ過媒体43とを有している。本実施の形態に用いたフィルタチャンバー41は、図1中に示されているように、フィルタ40の上部の略中央に配置されたろ過媒体43を覆うように配置されている。ろ過媒体43は、中空な有底の筒状に形成されており、この中空部がフィルタ出口42と略同じ大きさを有している。ろ過媒体43は、搬送流路50を経由して搬送チャンバー25からフィルタチャンバー41に送られフィルタ出口42に移動する流体300をろ過し得るように構成されている。また、フィルタ40には、フィルタ40中の気泡並びに流体300を排出するためのフィルタ排出機構70を接続している。
【0041】
フィルタ排出機構70は、フィルタチャンバー41の上部に接続されている第1排出部71と、フィルタ出口42の上部に接続されている第2排出部72とを有している。第1排出部71は、フィルタチャンバー41より排出される気泡並びに流体が流れる第1排出路73と、第1排出流路73の開閉を行う第1排出弁74とを有している。第2排出部72は、フィルタ出口42より排出される気泡並びに流体が流れる第2排出流路75と、第2排出流路75の開閉を行う第2排出弁76とを有している。なお、本明細書中において、第1並びに第2排出弁74、76を合わせて、排出機構弁と呼ぶ。第1並びに第2排出弁74、76は、それぞれ、制御部400に接続されており、制御部400の命令により開閉を制御される。
【0042】
第1排出流路73は、一端がフィルタチャンバー41上部に接続され、他端がタンク90と接続されるように配設している。また、第2排出流路75は、一端がフィルタ出口42の上部に接続され、他端がタンク90と接続するように配設している(なお、本実施の形態においては、図1中に示すように、前述した搬送チャンバー排出流路81の他方の分岐に第1排出流路73の他端及び第2排出流路75の他端を接続させている)。
【0043】
なお、第2排出弁76とフィルタ出口42との間、および、第1排出弁74とフィルタチャンバー41との間には、圧力計(図示せず)が配置されている。この圧力計は、制御部400に接続されており、フィルタ出口42及び、フィルタチャンバー41における流体300の圧力の測定結果を制御部400に送る。
【0044】
搬送流路50は、フィルタ40に接続した後、フィルタ出口42より出て、再び延び、ディスペンスポンプ30に接続される。
【0045】
ディスペンスポンプ30は、例えば、ダイアフラムポンプなどのポンプであり、本実施の形態においては、ダイアフラムポンプを使用した場合について説明する。
【0046】
ディスペンスポンプ30は、搬送流路50から搬送されてきた流体300を受容する。このディスペンスポンプ30は、金属等の変形しない材質からなる自身の内壁31と隔壁32とにより画定される内部空間である分与チャンバー33と、隔壁32を間に挟んで分与チャンバー33と反対側にある内壁31と内隔壁32とにより画定される内部空間である圧力室34とを有する。
【0047】
膜状の隔壁32は例えばテフロンなどの弾性変形しうる、かつ、流体300に対して耐溶性を有する材質で形成されており、ディスペンスポンプ30によりその外縁全体が固定され分与チャンバー33と圧力室34とを分離している。
【0048】
ここで、圧力室34内にはポリエチレングリール等の弾性変形の少ない圧力伝達液が充填されている。
【0049】
圧力伝達液は圧力室34内から出し入れされる。この圧力伝達液の出し入が行われた際に隔壁32が弾性変形し、圧力室34の容積を増減させ得る。この圧力伝達液の出し入れは、圧力室34に接続したサーボ圧力調節部35により行われ、サーボ圧力調節部35の駆動は制御部400により制御される。なお、サーボ圧力調節部35は、フィードポンプ20に配設した圧力調節部27とは異なり、前記容積の増減の調節を細かく制御し得るように構成されている。より具体的には、サーボ圧力調節部35は、ディスペンスポンプの吸引時に、圧力室34中の圧力伝達液の量を細かく減少させることで、フィルタ40を経由して送られてくる流体300に対して過不足のない速度で圧力室34の容積を細かく減少させることが出来る。これによりフィードポンプ20とディスペンスポンプ30との間の流体300に余分な正、負の圧力を掛けることなく流体300を搬送することが可能となる。またサーボ圧力調節部35は、流体300の塗布時に、圧力室34中の圧力伝達液の量を所望する量に正確に増加させることで、圧力室34の容積を所望する値に正確に増大させ得る。
【0050】
次いで、搬送流路50の方のディスペンスポンプ30の部分に、吐出流路60の一端が接続されている。なお、吐出流路60は、他端が吐出口61に接続されている。
【0051】
分与チャンバー33は、前記制御部400で制御されるサーボ圧力調節部35の駆動による圧力室34の容積変化に応じて容積を変化させ得る。
【0052】
すなわち、制御部400は、サーボ圧力調節部35を制御して、圧力室34中の容積を調整する。この容積変化により、隔壁32は弾性変化して圧力室34の容積を変化させる。この圧力室34の容積変化に応じて分与チャンバー33の容積を変化させる。なお、サーボ圧力調節部35とディスペンスポンプ30との間にはストップパルプ若しくはサーボロックを配置しており(図示せず)、ストップバルブ若しくはサーボロックにより圧力伝達液の流路を閉じることが出来る。これにより圧力室34の容積を固定し、ひいては、分与チャンバー33の容積も固定することが可能となる。本明細書中において、この分与チャンバー33の容積が固定された状態も膜ロック状態と呼称する。ディスペンスポンプ30は、分与チャンバー33の容積を減少させた際、分与チャンバー33中の流体300を吐出流路60に押し出す。
【0053】
吐出流路60は、分与チャンバー33より押し出された流体300の流路を開閉する出口弁62を有する。出口弁62は、制御部400に接続されており、制御部400の命令により開閉が制御される。また、吐出口61は、塗布対象である塗布対象物物200に対して流体300を塗布し得るよう、塗布対象物200の上方に配置される。
【0054】
以下に、上記構成の塗布装置10の動作について説明する。
【0055】
塗布装置10は、流体300をタンク90から吸引し、ろ過し、塗布対象物200に塗布するために、以下の工程を有している。
【0056】
塗布装置10は、まず、初期化工程が行われる。この初期化工程では、全ての弁22,82,74,76,62を閉じた状態で、塗布装置10内に流体300が満たされた状態にする。
【0057】
塗布装置10は、上記初期化工程が終了すると、流体吸引工程が行われる。以下に、この流体吸引工程を図2並びに表1を参照して説明する。図2は、流体吸引工程での塗布装置の動作を示す図である。なお、図2中において塗布装置10内の流体は、説明に必要な部分のみ図示している。表1は、以下に示す各工程において、制御部400が塗布装置10の各弁並びに各ポンプへの制御を示す表である。
【0058】
【表1】
Figure 0003952771
【0059】
流体吸引工程において、制御部400は、表1に示すように各弁の開閉を制御し、分与チャンバー33の容積を維持する(膜ロック状態)。この状態で、フィードポンプ20は、隔壁24を動作させ搬送チャンバー25の容積を増大させて、タンク90中の流体300を搬送チャンバー25中に吸引する。なお、このとき、搬送チャンバー排出弁82は、閉じている。また、流体300の弾性率は小さい。これらのため、搬送チャンバー排出流路81中の流体300は、搬送チャンバー25中に逆流することはない。また、第1並びに第2排出弁74,76並びに出口弁62は閉じているとともに、分与チャンバー33は膜ロック状態であり、そして流体300の弾性率は小さい。このため、搬送流路50中の流体300は、搬送チャンバー25中に逆流することはない。従って、フィードポンプ20への流体の吸引中に、流体300は、フィルタ40中を逆流して通ることは実質的にない。
【0060】
前記流体吸引工程が終了すると、搬送チャンバーパージ工程が行われる。以下に搬送チャンバーパージ工程を図3を参照して説明する。図3は、搬送チャンバーパージ工程での塗布装置の動作を示す図である。なお、図3中において塗布装置10内の流体は、説明に必要な部分のみ図示している。
【0061】
搬送チャンバーパージ工程では、入口弁22を閉じてから、一定時間フィードポンプ20を待機させる(膜ロック状態とする)。この待機中に、搬送チャンバー25中の流体300に含まれる気泡は、搬送チャンバー25の上部に上がって行き、搬送チャンバー排出流路81中に溜まる。この状態で、制御部400は、表1中の[搬送チャンバーパージ工程]のように制御する。この制御により、フィードポンプ20は、流体の一部を排出する。なお、このとき、搬送流路50中の流体300は、前記流体吸引工程と同様に、移動(流動)しない。また、入口弁22が閉じられているため、吸引流路21中の流体300がタンク90中に入ることはない。従って、搬送チャンバー25中の気泡並びに気泡を含んでいる流体300は、搬送チャンバー25から、搬送チャンバー排出流路81を介してタンク90に排出される。
【0062】
なお、搬送チャンバー排出弁82は、気泡や不純物の発生原因となる突起部を有している。しかし、この搬送チャンバー排出弁82の近傍で発生する気泡や不純物は、上記排出動作により、排出される流体300とともにタンク90に排出されるため、搬送流路50に搬送されることはない。上記排出は、所定量の流体300が排出されると終了する。即ち、フィードポンプ20中の流体300より、気泡や不純物が除去されたことになる。
【0063】
上記搬送チャンバーパージ工程が終了すると、続いて流体搬送工程が行われる。以下に流体搬送工程を図4を参照して説明する。図4は、流体搬送工程での塗布装置10の動作を示す図である。なお、図4中において塗布装置10内の流体は、説明に必要な部分のみ図示している。
【0064】
流体搬送工程において、制御部400は、表1中の[流体搬送工程]に示すように各部を制御する。上記制御により、搬送チャンバー25中の流体300は、分与チャンバー33に搬送される。なお、フィードポンプ20と、ディスペンスポンプ30とは、同期するように動作する。より具体的には、搬送チャンバー25は、容積を減少させて、減少させた容積分だけ流体300を押し出す。このとき、分与チャンバー33は、搬送チャンバー25により押し出された流体300を受容し得るように、搬送チャンバー25の容積の減少量と同期して容積を増大させる。即ち、フィードポンプ20とディスペンスポンプ30との容積変化は、略一対一の関係になるように制御される。従って、本実施の形態の塗布装置は、搬送過程で実施されるろ過に関して、ろ過精度を向上することができる。すなわち、上記搬送は、出口弁62を閉じた状態で行われているため、吐出口61からの流体300の塗布とは、別の流速で流体300を搬送出来る。圧力調節部27近傍の圧力計で検出する圧力をPF、第1排出弁74近傍の圧力計で検出する圧力をP1、第2排出弁76近傍の圧力計で検出する圧力をP2、としたとき、PF>P1>P2となるように(例えば、PF=1Kpa、P1=0.7KPa、P2=0.1KPa)、P2を限りなく0Kpaに近づくよう各ポンプの動きを制御すれば流体300は、フィルタ40中を所望の速度(塗布する際の流速より十分に遅い速度)で通過させ得る。フィルタ40を十分に時間をかけて通過させるため流体300は、十分にろ過し得る。
【0065】
なお、第1排出弁74の近傍には、前述したように、圧力計が配置されている。言い換えると、この圧力計は、搬送流路50と連通している第1排出流路73とフィルタチャンバー41との間に配置されているため、搬送流路50の流圧を検出することが出来る。従って、制御部400は、圧力計の検出結果により、搬送中の流体300に過度の流圧がかからないように、フィードポンプ20とディスペンスポンプ30とをフィードバック制御し得る。なお、上記制御は、搬送流路50中の流圧が、略大気圧と同様になるようにされることが好ましい。また、第1排出弁74及び第2排出弁76の近傍に設けた2つの圧力計の差圧(P1−P2)の検出結果により、ろ過媒体43の目詰まりを検出でき、ろ過媒体43の交換時期を検知することが出来る。
【0066】
なお、フィードポンプ20並びにディスペンスポンプ30は、分与チャンバー33に、塗布する際の所定量の流体300が溜まると、動作を終了する。このとき、搬送チャンバー25中には、搬送されていない流体300が一部残っていてもよく、残っている流体300分だけの容積を持つ。
【0067】
上記流体搬送工程が終了すると、続いて、フィルタ第1パージ工程が行われる。以下にフィルタ第1パージ工程を図5を参照して説明する。図5は、フィルタ第1パージ工程での塗布装置の動作を示す図である。なお、図5中において塗布装置10内の流体は、説明に必要な部分のみ図示している。
【0068】
前記流体搬送工程において、ろ過媒体43を通過する前に搬送中の流体300に加わったわずかな圧力により気泡が、発生する場合がある。この気泡は、フィルタチャンバー41の上方に配置されている第1排出部71に溜まる。
【0069】
フィルタ第1パージ工程において、制御部400は、表1中の[フィルタ第1パージ工程]に示すように各部を制御する。上記制御により分与チャンバー33が膜ロック状態となるため、搬送流路50中のフィルタ40より下流の流体300は、移動(流動)しない。また、上記制御により、フィードポンプ20より、流体300を押し出した際、気泡並びに気泡を含んでいる第1排出部71に溜まった流体300は、第1排出流路73を介してタンク90に排出される。
【0070】
なお、第1排出弁74は、不純物の発生原因となる突起部を有している。しかし、この第1排出弁74の近傍で発生する不純物は、上記排出動作により、排出される流体300とともにタンク90に排出されるため、搬送流路50に搬送されることはない。即ち、フィルタチャンバー41中の流体300より、気泡や不純物が除去されたことになる。
【0071】
上記排出は、所定量の流体300が排出されると終了する。なお、このとき、搬送チャンバー25には、搬送されていない流体300が残っていてもよい。
【0072】
上記フィルタ第1パージ工程が終了すると、続いて、フィルタ第2パージ工程が行われる。以下にフィルタ第2パージ工程を図6を参照して説明する。図6は、フィルタ第2パージ工程での塗布装置の動作を示す図である。なお、図6中において塗布装置10内の流体は、説明に必要な部分のみ図示している。
【0073】
前記流体搬送工程において、流体300中の気泡が、ろ過媒体43を通過する場合がある。また、ろ過媒体43を交換した際に、ろ過媒体43に付着していた空気が、気泡となってフィルタ出口42側に移動する場合がある。これらの気泡は、フィルタ出口42の上方に配置されている第2排出部72に溜まる。第2排出部72に溜まった気泡は、構造上、下流に流されない形状を有している。
【0074】
フィルタ第2パージ工程において、制御部400は、表1中の[フィルタ第2パージ工程]に示すように各部を制御する。上記制御により分与チャンバー33が膜ロック状態であるため、搬送流路中のフィルタ40より下流の流体300は、移動(流動)しない。また、上記制御により、フィードポンプ20は、流体300を押し出すため、気泡並びに気泡を含んでいるフィルタ出口42部の流体300は、第2排出流路75を介してタンク90に排出される。即ち、フィルタ出口42の流体300は、気泡や不純物が除去されたことになる。上記排出は、所定量の流体300が排出されると終了する。
【0075】
第1排出弁74及び第2排出弁76の近傍に各々圧力計を有しているため、不純物の発生原因となる突起部を有していると言える。しかし、これらの突起部で発生する不純物は、上記排出動作により、排出される流体300とともにタンク90に排出されるため、搬送流路50に搬送されることはない。
【0076】
前記フィルタ第2パージ工程が終了すると、続いて、流体塗布工程が行われる。以下に流体塗布工程を図7を参照して説明する。図7は、流体塗布工程での塗布装置の動作を示す図である。なお、図7中において塗布装置10内の流体は、説明に必要な部分のみ図示している。
【0077】
流体塗布工程において、制御部400は、表1中の[流体塗布工程]に示すように各部を制御する。この制御により、ディスペンスポンプ30は、分与チャンバー33中の流体300を吐出口61に向けて押し出す。この押し出された流体300は、吐出口61から塗布対象物200上に吐出される。なお、このとき、表1中に示されているように、第1並びに第2排出弁74,76と、入口弁22と、搬送チャンバー排出弁82が閉じており、搬送チャンバー25が膜ロック状態であるため、搬送流路50中の流体300は、搬送チャンバー25中に逆流することはない。従って、ディスペンスポンプ30の流体の吐出中に、流体300は、フィルタ40中を逆流して通ることはない。
【0078】
塗布装置10は、前記流体吸引工程から流体塗布工程までを繰り返し、塗布対象物200への塗布を行う。なお、上述した塗布工程を始める前に初期化工程として、上流側から逐次吸引、ベントを繰り返し、前記タンクから吐出口まで、ポンプ、流路中に液を満たしておくものである。また、フィルタ第1パージ工程、フィルタ第2パージ工程は、必要により省略しても構わない。
【0079】
上記動作で示すように、塗布装置10は、搬送チャンバー25並びに分与チャンバー33を膜ロック状態にし得るとともに、上述のように各弁を連動して閉じられる。このため、塗布装置10は、搬送流路50中に弁を設けることなく、搬送流路中の流体を逆流させることなく、タンク90から流体300を吸引し、塗布対象200に対して流体300を塗布することが出来る。言い換えると、塗布装置10は、搬送流路50中に弁を設けることなく、塗布装置10中への流体300の吸引と、塗布対象物200への塗布とを分離して行うことが可能である。従って、塗布装置10は、流体300を確実にろ過し得るとともに、新たに気泡の発生の原因となる突起部を有している弁を搬送流路50中に設ける必要がないため、流路中であらたに不純物が発生することを防止し得る。
【0080】
また、塗布装置10のフィードポンプ20は、搬送チャンバー25中の気泡並びに流体を排出するための搬送チャンバー排出部80を有している。このため、この塗布装置10は、フィルタ40に流体を搬送する前に、十分な時間を掛けて流体から気泡を分離させてから気泡を排出し得る。従って、この塗布装置10は、フィルタ40に殆ど気泡が搬送されず、気泡がフィルタ40に付着する可能性が低い。従って、この塗布装置10は、フィルタ40に付着した気泡により流体が汚染される可能性を低減し得る。
【0081】
さらに、塗布装置10は、第1排出部71を有している。このため、フィルタ排出機構70は、フィルタチャンバー41中のろ過される前の流体に含まれる気泡(ろ過媒体43より上流の気泡)を第1排出部71により排出することが出来る。
【0082】
また、フィルタ排出機構70は、フィルタ出口42近傍において、第2排出部72を有している。従って、第2排出部72は、ろ過媒体43を通過してしまった気泡や、交換後のろ過媒体43に付着していた空気による気泡を、確実に排出し得る。従って、この塗布装置10は、より確実に流体から気泡や不純物を除去し得る。
【0083】
このように、塗布装置10は、気泡や不純物の除去を確実に行えるとともに、流路中であらたに気泡や不純物が発生することを防止し得る。
【0084】
また、塗布装置10は、上述のように、フィルタ排出機構70により、流体300がディスペンスポンプ30に搬送される前に、不純物を取り除く。このため、塗布装置10は、ディスペンスポンプ30中に排出機構を配置する必要がないため、あらたに不純物が発生する可能性を低減し得る。さらに、ディスペンスポンプ30中の流体300には、不純物や気泡が混入していないため、塗布する際の流体の定量性をより確実にし得る。
【0085】
また、本実施の形態において、搬送チャンバー排出部80、第1排出部71,及び第2排出部72により排出される気泡並びに流体300は、タンク90中に戻されているため、排出した流体300を再利用することが可能である。従って、塗布装置10は、流体300をより無駄なく利用し得る。
【0086】
なお、本実施の形態において、フィードポンプ20並びにディスペンスポンプ30は、ダイアフラムポンプを使用した場合において説明しているが、流体を所定量受容出来ると共に、任意の容積で流体の受容部を維持し得るように構成されていれば、他の公知のポンプを使用することも可能である。
【0087】
また、本実施の形態の塗布装置10は、突起部や圧力の変化などにより気泡や不純物が発生しやすい流体を、不純物を除去するとともに定量で塗布する装置である。このため、本実施の形態において、流体300は、レジスト液を用いた場合において説明しているが、上記塗布が求められる流体ならば、どのような流体に対しても使用し得る。なお、上記流体は、弾性率の小さいものが望まれる。
【0088】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0089】
【発明の効果】
本発明は、不純物や気泡の除去を確実に行えるとともに、流路中で新たに不純物や気泡が発生することを防止し、不純物や気泡を含まない流体を塗布対象物に塗布し得る塗布装置を提供し得る。また、本装置では、被塗布物が吐出口下に搬送され流体の塗布工程が行われる前に流体吸引からフィルタリング、気泡のパージといった一連動作(表1中の流体吸引工程〜フィルタ第2パージ工程)が行われるており、被塗布物が吐出口の下に来たとき即座に所定量の流体の塗布が行える。これにより被塗布対象物への塗布時間は、短く出来る。即ち本装置は、塗布装置としてタクトタイムの低下を防止した装置としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ある1つの実施の形態に従った塗布装置を示す概略図である。
【図2】図2は、流体吸引工程での塗布装置の動作を示す図である。
【図3】図3は、搬送チャンバーパージ工程での塗布装置の動作を示す図である。
【図4】図4は、流体搬送工程での塗布装置の動作を示す図である。
【図5】図5は、フィルタ第1パージ工程での塗布装置の動作を示す図である。
【図6】図6は、フィルタ第2パージ工程での塗布装置の動作を示す図である。
【図7】図7は、流体塗布工程での塗布装置の動作を示す図である。
【図8】図8は、従来の塗布装置を示す概略図である。
【符号の説明】
10 塗布装置
20 フィードポンプ
21 吸引流路
22 入口弁
25 搬送チャンバー
30 ディスペンスポンプ
33 分与チャンバー
40 フィルタ
41 フィルタチャンバー
42 フィルタ出口
43 ろ過媒体
50 搬送流路
60 吐出流路
61 吐出口
62 出口弁
70 フィルタ排出機構
71 第1排出部
72 第2排出部
80 搬送チャンバー排出部
90 タンク
200 塗布対象物
300 流体
400 制御部

Claims (4)

  1. 塗布対象物に塗布するための流体を貯蔵しているタンクと、
    前記流体の流路であり、前記タンクの中の流体に一端が接続される吸引流路と、
    前記吸引流路中に配置されており、前記吸引流路の開閉を行う入口弁と、
    前記吸引流路の他端が接続されており、前記流体を前記タンクから吸引するとともに受容し、受容した前記流体を押し出すフィードポンプと、
    前記流体の流路であり、前記フィードポンプに一端が接続されている搬送流路と、
    前記搬送流路中に配置されており、前記流体をろ過するためのフィルタと、
    前記フィルタ中に配置されており、気泡並びに前記流体の一部を排出するためのフィルタ排出機構と、
    前記搬送流路の他端が接続されており、前記流体を所定量受容し、前記流体を所定量吐出するディスペンスポンプと、
    端が前記ディスペンスポンプに接続されており、他端が流体の吐出口に接続されている吐出流路と、
    前記吐出流路中に配置されており、前記吐出流路の開閉を行う出口弁と、
    を具備しており、
    前記フィードポンプは、前記流体を受容するとともに自身の容積を所定の量に維持し得る搬送チャンバーと、搬送チャンバー中の気泡並びに流体の一部を排出するための搬送チャンバー排出部と、を有しており、
    前記搬送チャンバー排出部は、排出する気体並びに流体の流路の開閉を行う搬送チャンバー排出弁を有しており、
    前記ディスペンスポンプは、前記流体を受容するとともに自身の容積を所定の量に維持し得る分与チャンバーを有しており、
    前記フィルタ排出機構は、排出する気体並びに流体の流路の開閉を行う排出機構弁を有しており、
    前記入口弁,前記フィードポンプ,前記搬送チャンバー排出弁,前記排出機構弁,前記ディスペンスポンプ,そして前記出口弁の動作を制御する制御部をさらに備えていて、
    前記制御部は、前記入口弁を開放し,前記搬送チャンバー排出弁,前記排出機構弁,そして前記出口弁を閉じ、さらに前記ディスペンスポンプの分与チャンバーの容積を維持した状態で前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積を拡大させて前記タンク中の流体を前記吸引流路を介して前記フィードポンプの前記搬送チャンバー中に吸引して受容し、
    次に、前記制御部は、前記入口弁を閉じ,前記搬送チャンバー排出弁を開放し,前記排出機構弁,そして前記出口弁を閉じ、さらに前記ディスペンスポンプの分与チャンバーの容積を維持した状態で前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積を減少させることにより、前記搬送チャンバー中に受容されている前記流体中の気泡を前記流体の一部とともに搬送チャンバー排出部を介して排出させ、
    次に、前記制御部は、前記入口弁,前記搬送チャンバー排出弁,前記排出機構弁,そして前記出口弁を閉じた状態で前記フィードポンプと前記ディスペンスポンプとを同期して動作させ、前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積の減少による流体の押し出しと前記ディスペンスポンプの前記分与チャンバーの容積の増大による前記押し出された流体の受容との容積変化が1:1の関係になるよう制御し、
    次に、前記制御部は、前記入口弁,前記搬送チャンバー排出弁,そして前記出口弁を閉じ、前記排出機構弁を開放し、さらに前記ディスペンスポンプの分与チャンバーの容積を維持した状態で前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積をさらに減少させることにより、前記フィルタ中に生じた気泡を前記流体の一部とともに前記フィルタ排出機構を介して排出させ、
    次に、前記制御部は、前記入口弁,前記搬送チャンバー排出弁,そして前記排出機構弁を閉じ、前記出口弁を開放し、さらに前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積を 維持した状態で前記ディスペンスポンプの前記分与チャンバーの容積を減少させることにより、前記ディスペンスポンプの前記分与チャンバー中の流体を前記吐出流路の前記他端の前記吐出口から排出させる、
    塗布装置。
  2. 前記フィルタは、搬送された流体を受容するフィルタチャンバーと、前記搬送された流体の出口であるフィルタ出口と、前記フィルタチャンバーとフィルタ出口との間に配置され、前記出口に向けて移動する流体をろ過するろ過媒体とを有しており、
    前記フィルタ排出機構は、前記フィルタチャンバーに接続されている第1排出部と、前記フィルタ出口に接続されている第2排出部とを有しており、
    前記排出機構弁は、前記第1排出部の排出する気体並びに流体の流路の開閉を行う第1排出弁と、第2排出部の排出する気体並びに流体の流路の開閉を行う第2排出弁とを有しており、
    前記制御部は、前記入口弁,前記搬送チャンバー排出弁,そして前記出口弁を閉じ、前記排出機構弁を開放し、さらに前記ディスペンスポンプの分与チャンバーの容積を維持した状態で前記フィードポンプの前記搬送チャンバーの容積をさらに減少させることにより、前記フィルタ中に生じた気泡を前記流体の一部とともに前記フィルタ排出機構を介して排出させるときに、前記第2排出弁を閉鎖させている間に前記第1排出弁を最初に開放し、次に前記第1排出弁を閉鎖した後に前記第2排出弁を開放させる、
    請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記搬送チャンバー排出部は、前記フィードポンプの上部に配置されている請求項1に記載の塗布装置。
  4. 前記フィードポンプはダイアフラムポンプであり、そして前記ディスペンスポンプはダイアフラムポンプである、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗布装置。
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