JP3952666B2 - 弾性表面波素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯電話等に用いられる弾性表面波を用いる素子およびその基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等に用いられる弾性表面波素子は、例えば、電子情報通信学会論文誌A,J76巻−A,2号、185−192頁(1993年2月)に示されているように、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板および四ホウ酸リチウム基板などの単結晶圧電基板上に金属薄膜の櫛形交差電極を形成して構成されている。
【0003】
携帯電話等の高性能化に伴い、それらに用いる弾性表面波素子用基板の遅延時間温度係数を改善させた報告がなされている。例えば、特開平11−55070号に示されているように単結晶圧電基板とガラス基板を直接接合させた事例がある。さらに、第20回超音波シンポジウム予稿集51頁(1999年11月)に示されているように単結晶圧電基板とマイナス膨張ガラスを紫外線硬化型樹脂で接合させた事例がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
携帯電話等は、近年の急速な市場拡大から、送受信の各周波数帯域がより拡大される傾向にあり、送信帯域と受信帯域の周波数間隔が非常に狭いシステムも存在している。このことから携帯電話等に内蔵される各種デバイスに対しても、より一層の高性能化が要求されている。特にタンタル酸リチウム基板あるいはニオブ酸リチウム基板等の単結晶圧電基板上に金属薄膜の櫛形交差電極を形成する従来の弾性表面波素子では、遅延時間温度係数が大きい場合、帯域間減衰量が十分に取れないため重大な課題となる。
【0005】
弾性表面波素子の遅延時間温度係数は、単結晶圧電基板の線熱膨張係数と弾性表面波伝搬速度の温度係数との差によって決定される。これらの値は単結晶圧電基板固有の値であり、線熱膨張係数に関して言えば、例えばX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板のX軸、すなわち弾性表面波伝搬方向では約16.1ppm/℃、またX軸を中心にY軸からZ軸方向に64°の角度で回転された面方位を持つニオブ酸リチウム基板のX軸すなわち弾性表面波伝搬方向では約15.4ppm/℃と大きい。今後、弾性表面波素子の性能向上を図る上でこの点が障害となっている。
【0006】
上記の課題を解決する方法として、単結晶圧電基板に線熱膨張係数が小さいガラス基板を直接接合した複合圧電基板を用いる方法がある。しかし、上記複合圧電基板は材質の異なる基板を接合しているため、特に基板接合界面でのバルク波反射の影響が大きく、弾性表面波素子の特性を劣化させる問題(フィルタでは例えば帯域内リップル、あるいは帯域外のスプリアス応答等)がある。
【0007】
また、基板接合方法に関しては、前記直接接合以外に、接着剤等を用いる方法もあるが、適用できる接着剤に耐熱性がなく、デバイスを形成する過程での加熱処理時に問題が生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を考慮し、弾性表面波を励振伝搬させる単結晶圧電基板の線熱膨張係数を改善することによって、遅延時間温度係数が向上できる弾性表面波素子用基板、およびその弾性表面波素子用基板上に弾性表面波素子を実現することを目的とする。
【0009】
すなわち、単結晶圧電基板の接合法に関しては、直接接合法において基板接合界面でのバルク波反射の影響を抑えた良好な弾性表面波伝搬特性を実現することを目的とし、また接着層を介して基板接合を行う方法において基板接合後の櫛形交差電極の製造プロセス工程に対して十分な耐熱性および耐薬品性を示す基板接合を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による弾性表面波素子は、単結晶圧電基板である第1の基板と、第1の基板に接合された第2の基板と、第1の基板の第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性表面波を励振伝搬する櫛型交差電極とを備えた構造において、第1の基板の弾性表面波伝搬方向を第2の基板の接合面内で最も線熱膨張係数の小さい方向と平行にすることを特徴とする。
【0011】
上記において、第1と第2の基板が実質的に接合層を介さず、直接接合される構成の場合、上記第1と第2の基板の材質は、同じ材質であることが好ましい。また、本発明による上記第1と第2の基板が異種材料を接合した構成であるときには、耐熱性および耐薬品性の問題を解決した基板接合を可能とするために、基板の接合界面に塗布ガラスを主成分とする接着層を介することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による弾性表面波素子の第1の実施例を示す斜視図である。図の1は単結晶圧電基板、2は上記基板1に接合された第2の基板、3は上記基板1の、基板2との接合面と反対側の面上に形成された櫛型交差電極である。本実施例において、基板2の材質は基板1と同じであるが、基板1の弾性表面波の伝搬方向(矢印4)における基板2の線熱膨張係数は、基板1の同方向の線熱膨張係数より小さくなるように接合されている。
【0013】
本実施例における弾性表面波素子では、基板1と基板2とが直接接合によって接合され、接合した基板を弾性表面波素子用基板5として用いる。基板1上に形成された櫛型交差電極3により励振された弾性表面波は基板1上を伝搬し、弾性表面波素子として機能している。櫛形交差電極3の電極指は基板1のX軸に対して垂直方向に形成されているため、弾性表面波は基板1のX軸に対して平行な方向に伝搬する。
【0014】
基板1上に金属薄膜の櫛形交差電極3を形成した弾性表面波素子において遅延時間温度係数は、基板1の弾性表面波伝搬方向4の線熱膨張係数と弾性表面波伝搬速度の温度係数との差によって決定する。これらの値は単結晶圧電基板固有の値であり、例えば、X軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板の弾性表面波伝搬方向4(X軸方向)の線熱膨張係数は約16.1ppm/℃と良好な数値ではない。
【0015】
現在、弾性表面波素子に使用されている単結晶圧電基板において、遅延時間温度係数が良好なものとしては水晶基板がある。水晶基板の場合、弾性表面波伝搬方向4の線熱膨張係数は約13.71ppm/℃と、けして良好な値ではないが、弾性表面波伝搬速度の温度係数がタンタル酸リチウム基板やニオブ酸リチウム基板などとは逆に正の値となる性質を持っているため、線熱膨張係数の値が弾性表面波伝搬速度の温度係数の値によって相殺され、遅延時間温度係数が小さな値を示す。しかしながら、水晶基板は電気機械結合係数が小さく、十分な周波数帯域幅を得ることができないという欠点がある。電気機械結合係数と遅延時間温度係数の両方がともに良好な単結晶圧電基板は、現在のところ発見されていない。
【0016】
本実施例では、電気機械結合係数が大きい単結晶圧電基板を用いて、遅延時間温度係数が小さい弾性表面波素子を実現するために、単結晶圧電基板である基板1の弾性表面波伝搬方向4と第2の基板2の線熱膨張係数の小さい方向とを平行にして接合する。これにより、基板2の線熱膨張係数によって基板1の線熱膨張係数が抑制され、遅延時間温度係数が改善される。
【0017】
図2は本実施例による基板1の面方位の一例を示したものであり、図3は本実施例による基板2の面方位の一例を示したものである。図3の矢印6は、第2の基板の熱膨張係数が最も小さい方向を示す。ここでは基板1としてX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用い、基板1と同じ材質からなる基板2としてY軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用いる。
【0018】
図4は、基板1と基板2を接合させる場合の接合方向を示した図である。ここで、基板1および基板2の線熱膨張係数を考える。基板1であるX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板では、弾性表面波の伝搬方向4であるX軸方向の線熱膨張係数が約16.1ppm/℃である。これに対して、基板2であるY軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板の熱膨張係数が非常に小さい方向(矢印6で示す。ここでは弾性表面波の伝搬方向であるX軸方向に対して直交するZ軸方向)の線熱膨張係数は約4.1ppm/℃と、この面内で最も小さい。
【0019】
本発明によると図4に示すように、基板1の弾性表面波伝搬方向4であるX軸方向と、基板2の線熱膨張係数が非常に小さいZ軸方向6を平行にして接合することにより、基板1の線熱膨張係数が基板2の線熱膨張係数によって抑制されるため、弾性表面波伝搬方向4の線熱膨張係数を改善することができる。ただし、基板1の線熱膨張係数がそのまま基板2の線熱膨張係数となるわけではなく、基板1と基板2の熱膨張差によって接合面に生じる熱応力に準じた数値となるため、基板1と基板2の基板厚さが重要となる。検討した結果、基板2の厚さが基板1の厚さの3倍以上となるように基板1を薄板化することにより、接合した弾性表面波素子用基板5において弾性表面波伝搬方向の線熱膨張係数をより顕著に改善できることが分かった。
【0020】
ここでは、基板1であるX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板の板厚を90μm、基板2であるY軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板の板厚を270μmとすることにより、Y軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板の線熱膨張係数が支配的となり、線熱膨張係数が改善される。この場合の遅延時間温度係数を測定した結果、24ppm/℃であった。基板接合を行わない従来の弾性表面波素子の遅延時間温度係数は33ppm/℃であるから、本発明により9ppm/℃の改善効果があった。また、基板1の板厚をより一層薄くすることで、より大きい効果が得られる。
【0021】
また、本実施例によれば、接合された基板1と基板2が同じ材質からなる構造、すなわち接合界面における格子定数が同じとなる構造であるため、単結晶圧電基板とガラス基板に代表されるような異種材料基板の接合と比較して、より強力な接着力が実現できる。すなわち、X軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板とY軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板は同じ材質であることから、非常に強力な接着力の実現が可能である。
【0022】
図5を用いて本実施例による基板接合界面のバルク波反射の影響を説明する。基板2の厚さが基板1の厚さの3倍以上となるように基板1の板厚を薄板化すると、基板1の表面と基板接合界面とが接近するために(a)に示すようにバルク波7の基板接合界面からの反射波8の影響がより大きくなる。しかしながら、本実施例によれば(b)に示すように、接合した基板1と基板2が同じ材質からなる構造であるため、異種材料基板を接合した場合と比較して、バルク波7の基板接合界面からの反射波8の影響が小さくなる。
【0023】
すなわち、X軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板とY軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板は、同じ材質であることから接合界面での反射による影響が小さく、この構造を有する本実施例の弾性表面波では接合界面からのバルク波反射による素子特性の劣化を小さくすることができる。
【0024】
また、異種材料基板どうしを直接接合する場合には、接合基板の線熱膨張係数の差やボイド部と接合部との熱応力の不均一などにより、基板破損の問題が生じやすいが、本実施例によれば、接合された基板1と2が同じ材質であるため、異種材料基板の直接接合と比較して基板破損の問題が生じにくい。
【0025】
つぎに本発明の弾性表面波素子の製造方法の一例を図6により説明する。例えば基板1として、X軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つ鏡面研磨されたタンタル酸リチウム基板を用意する。また、基板2としてはY軸方向の面方位を持つ鏡面研磨されたタンタル酸リチウム基板を用意する。上記両者を接合する前処理として300℃以上の温度で1時間以上の熱処理を行う。これは基板1および基板2の表面に付着しているガスや有機物を除去する目的で行う。この処理を怠ると基板接合後に接合界面にボイドが発生する可能性がある。
【0026】
次いで、接合する2枚のタンタル酸リチウム基板を、過酸化水素(H22)とアンモニア水溶液(NH4OH)と純水(H2O)を混合した溶液に約10分程度浸漬させた後、純水によるリンスを行う。これは基板1および基板2の表面に親水性を持たせ、基板接合時に基板表面に吸着されている水分子間に働くファンデルワース力により結合させる効果がある。
【0027】
その後、2枚のタンタル酸リチウム基板を乾燥させた後、室温、空気雰囲気中で基板接合を行う。ここではパーティクルフリーの接合界面を得ることが特に重要であり、前記洗浄後、クラス10以上のクリーン度を持つクリーンルームで基板接合を行うことが望ましい。また、接合直前に洗浄を行うことによりパーティクルフリーの界面と親水性を持った界面を両立させることができる。
【0028】
その後、接合された2枚のタンタル酸リチウム基板は基板2であるY軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板の線熱膨張係数が支配的となるように、基板1であるX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板の薄板化を行う。基板研磨装置を用いて、X軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板の板厚を、Y軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板の板厚に対して3分の1以下となるように研磨する。
【0029】
研磨工程は粗研磨から仕上げ研磨を段階的に行い、鏡面研磨を実現する。このとき、ここに示したように基板接合後の研磨工程によって薄板化するのではなく、あらかじめY軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板に対して3分の1以下の板厚となるX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用意してから接合してもよく、基板1の板厚が基板2の板厚に対して3分の1以下の板厚であれば製法は特に問わない。
【0030】
基板1を薄板化した後、250℃の温度で約2時間の熱処理を行うことにより2枚のタンタル酸リチウム基板は完全に接合される。その後、図7に示すような櫛形交差電極3を、基板2に接合された基板1上に通常の電極作製工程を行って作製する。このとき櫛形交差電極3により励振伝搬される弾性表面波が基板1の弾性表面波伝搬方向(X軸方向)と一致するように櫛形交差電極3を配置する。
【0031】
上記、第1の実施例においては、基板1としてX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板、同じ材質からなる基板2としてY軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用いた例について説明したが、基板2としてX軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用いた場合も同様の効果がある。
【0032】
同様に、基板1としてX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用い、同じ材質からなる基板2として基板1と同じ面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用い、基板1のX軸方向が基板2のX軸方向と直交するように接合した場合も同様の効果がある。
【0033】
同様に、基板1としてX軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用い、同じ材質からなる基板2としてY軸方向もしくはX軸方向の面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用い、基板1の弾性表面波伝搬方向4であるY軸からZ軸方向に112°の角度で回転された方向が基板2のZ軸方向と平行となるように接合した場合も同様の効果がある。
【0034】
同様に、基板1としてX軸を中心にY軸からZ軸方向に41°〜64°の角度で回転された面方位を持つニオブ酸リチウム基板を用い、同じ材質からなる基板2としてY軸方向もしくはX軸方向の面方位を持つニオブ酸リチウム基板を用い、基板1のX軸方向が基板2のZ軸方向と平行するように接合した場合も同様の効果がある。
【0035】
同様に、基板1としてX軸を中心にY軸からZ軸方向に41°〜64°の角度で回転された面方位を持つニオブ酸リチウム基板を用い、同じ材質からなる基板2として基板1と同じ面方位を持つニオブ酸リチウム基板を用い、基板1のX軸方向が基板2のX軸方向と直交するように接合した場合も同様の効果がある。
【0036】
また、基板1として四ホウ酸リチウム基板を用い、同じ材質からなる基板2として接合面内にc軸を有する四ホウ酸リチウム基板を用い、基板1の弾性表面波伝搬方向4が基板2のc軸方向と平行となるように接合した弾性表面波素子用基板5においても同様の効果がある。
【0037】
この場合の基板1および基板2の線熱膨張係数を考えると、基板1である四ホウ酸リチウム基板のa軸方向の線熱膨張係数が約13ppm/℃であるのに対して、基板2である四ホウ酸リチウム基板のc軸の線熱膨張係数は約−1.5ppm/℃と負の線熱膨張係数となる。よって、四ホウ酸リチウム基板のa軸方向と四ホウ酸リチウム基板のc軸方向が平行となるように基板接合することにより、a軸方向の線熱膨張係数の約13ppm/℃がc軸方向の線熱膨張係数の約−1.5ppm/℃によって抑制され、接合した弾性表面波素子用基板5において弾性表面波伝搬方向の線熱膨張係数が改善できる。
【0038】
つぎに、本発明の別の実施例を説明する。図8は本発明による弾性表面波素子の第2の実施例を示す斜視図である。図8に示す弾性表面波素子は単結晶圧電基板である基板1と、基板1に接合された基板2と、基板1の基板2との接合面と反対側の面上に形成され弾性表面波を励振する櫛型交差電極3とを備えた弾性表面波素子であり、基板1と基板2の接合には基板1と基板2の接合界面に塗布ガラス(SOG:Spin On Grass)を主成分とする接着層9を有している。
【0039】
基板1の弾性表面波の伝搬方向4における基板2の線熱膨張係数は、基板1の同方向の線熱膨張係数より小さくなるように接合されている。また、基板2の厚さが基板1の厚さの3倍以上となるように基板1の板厚が薄板化されている。接着層9として塗布ガラスを用いて基板1と基板2を接合させた基板を弾性表面波素子用基板5として用いる。基板1上に形成された櫛型交差電極3により励振された弾性表面波は基板1上を伝搬し、弾性表面波素子として機能する。
【0040】
接着層9として用いる塗布ガラスは酸化珪素を主成分とする被膜を塗布・焼成法で形成することができるもので、珪素化合物を有機溶剤に溶解させたものである。ここでは基板1としてX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板を用い、基板2として酸化珪素基板を用いる。
【0041】
本実施例によれば、基板1と基板2の接合において、接着層9として主成分が酸化珪素からなる塗布ガラスを用いることにより、接着層9自体の遅延時間温度係数が小さいことから、例えば紫外線硬化型樹脂等を接着剤として用いた場合との比較において、接着層9による遅延時間温度係数の悪化がないため、接合した弾性表面波素子用基板5の弾性表面波伝搬方向4に対する遅延時間温度係数がより改善される。また、塗布ガラスは主成分が酸化珪素からなるため非常に硬度が高く、基板1の熱膨張による応力が発生した場合にも、例えば紫外線硬化型樹脂等と比べて圧電基板1の伸びを抑制することができ、線熱膨張係数の改善にも効果的である。
【0042】
基板1と基板2を接合した弾性表面波素子用基板5は基板接合後に弾性表面波素子を作製する製造プロセスとして、前工程においては金属薄膜被着工程、ホトリソグラフィー工程、エッチング工程、さらに後工程においては半田リフロー工程などの熱処理を伴う工程を有するため、耐熱性が重要となる。また、各工程において、有機および無機薬品なども使用されるため耐薬品性も重要となる。よって、接着層9を用いて基板1と基板2を接合させる場合には接着層9に耐熱性および耐薬品性が必須となる。
【0043】
一例として、接着層9に紫外線硬化型樹脂を用いた場合について説明する。基板2の接合面に紫外線硬化型樹脂を塗布し基板接合を行った後、紫外線を照射するだけで紫外線硬化型樹脂が硬化して基板接合が完了するため、熱処理も不要な非常に簡便な基板接合法である。しかし、紫外線硬化型樹脂の特性として耐薬品性は十分であるが、耐熱性が120℃程度と低いため接着層9としての適用は難しい。
【0044】
別の例として、接着層9に熱硬化型樹脂を用いた場合について説明する。基板2の接合面に熱硬化型樹脂を塗布し、熱処理により溶剤を揮発させ硬化させた後、熱硬化型樹脂が塗布された基板2を再び加熱し、熱硬化型樹脂を軟化させた状態で基板1を接合し、基板接合後に冷却することにより熱硬化型樹脂を硬化させ、接合が完了する。しかし、熱硬化型樹脂の特性としては耐薬品性が脆弱で、さらに基板接合後の再加熱により軟化することもあるため接着層9としての適用は難しい。
【0045】
さらに別の例として、接着層9に接着用ワックスを用いた場合について説明する。ホットプレートなどで加熱した基板2の接合面に接着用ワックスを塗り、接着用ワックスが溶けた状態で基板1を接合した後、冷却することにより接着用ワックスを硬化させ、接合が完了するという非常に簡便な基板接合方法である。しかしながら、接着用ワックスの特性としては耐熱性が低いことにくわえて、アルコールでも溶けるほど耐薬品性がないため接着層9としての適用は難しい。
【0046】
本実施例において、基板1と基板2を接合する際に接着層9として用いる主成分が酸化珪素からなる塗布ガラスは、400℃以上の熱処理においても十分な耐熱性を示し、また耐薬品性に関しても酸化珪素に準じた高い耐性を示すため、前記紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、接着用ワックス等を接着層に使用した場合と比較するまでもなく、櫛形交差電極3の製造プロセス工程、半田リフロー工程等に対しても十分な耐熱性、耐薬品性を示し、強力な接着力が維持できる。
【0047】
弾性表面波素子の遅延時間温度係数は、前述のとおり単結晶圧電基板の弾性表面波伝搬方向4の線熱膨張係数と弾性表面波伝搬速度の温度係数との差によって決定する。ここで弾性表面波伝搬速度の温度係数に着目すると、タンタル酸リチウム基板やニオブ酸リチウム基板等では負の値となる性質を持っているため、線熱膨張係数との差により決まる遅延時間温度係数はより悪化する。
【0048】
これに対して、本実施例において接着層9として用いる塗布ガラスは主成分が酸化珪素からなるため、弾性表面波伝搬速度の温度係数が正の値となり、線熱膨張係数との差により決まる遅延時間温度係数は向上する。塗布ガラスが有するこの性質を利用することにより、基板1の線熱膨張係数の値を接着層9の塗布ガラスが有する弾性表面波伝搬速度の温度係数の値によって相殺することが可能である。
【0049】
つまり、塗布ガラスを主成分とする接着層9が有する弾性波伝搬速度の温度係数が、基板1の弾性波表面波伝搬方向4の熱膨張係数を相殺する値となるように、接着層9の膜厚を最適化することにより、接合した弾性表面波素子用基板5の弾性表面波伝搬方向4の遅延時間温度係数が改善できることになる。
【0050】
また本実施例として、基板1と基板2の接合界面に塗布ガラスを主成分とする接着層9を有する弾性表面波素子用基板5において、基板2として接合面内にc軸を有する四ホウ酸リチウム基板を用い、基板1の弾性表面波伝搬方向4が基板2のc軸と平行となるように接合することにより、接合した弾性表面波素子用基板5において弾性表面波伝搬方向4の線熱膨張係数が改善できる。
【0051】
四ホウ酸リチウム基板のc軸の線熱膨張係数は前述のように約−1.5ppm/℃と負の線熱膨張係数を示すため、基板1の線熱膨張係数がより大きく改善できるためである。
【0052】
また本実施例の別の実施形態として、単結晶圧電基板である基板1と、基板1に塗布ガラスを主成分とする接着層9により接合された基板2と、基板1の基板2との接合面と反対側の面上に形成され弾性表面波を励振する櫛型交差電極3とを備えた弾性表面波素子において、基板2として弾性表面波伝搬速度が非常に高速であるダイアモンド基板を用いると、接合した基板1上に形成された弾性表面波素子において励振伝搬される弾性表面波の伝搬速度が速くなるため、高周波化に対して効果がある。さらに、基板2に用いたダイアモンド基板には熱伝導性が非常に高いという性質もあるため、弾性表面波素子の熱伝導率が高くなり、櫛形交差電極3の耐電力性も向上できる。
【0053】
つぎに本実施例の弾性表面波素子の製造方法の一例を図9により説明する。例えば基板1として用いる鏡面研磨されたX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板と、基板2として用いる鏡面研磨されたダイアモンド基板を、接合の前処理として300℃以上の温度で1時間以上の熱処理を行う。
【0054】
次いで、接合するタンタル酸リチウム基板とダイアモンド基板を過酸化水素(H22)とアンモニア水溶液(NH4OH)と純水(H2O)を混合した溶液に約10分程度浸漬させた後、純水によるリンスを行う。2枚の基板を乾燥させた後、接着層9として塗布ガラスを介して基板接合する工程を行う。まずダイアモンド基板の接合面に塗布ガラスを回転塗布する。
【0055】
その後、塗布ガラスを塗布したダイアモンド基板を80℃程度に加熱したホットプレート上で5分程度加熱する。これは塗布ガラスの溶媒である有機溶剤を蒸発させるために行なう。5分間程度加熱した後、ホットプレート上でタンタル酸リチウム基板の接合面とダイアモンド基板の塗布ガラス塗布面とを接合させる。ここではパーティクルフリーの接合界面を得ることが特に重要であり、クラス10以上のクリーン度を持つクリーンルームで基板接合を行うことが望ましい。
【0056】
基板接合後、タンタル酸リチウム基板とダイアモンド基板に圧力をかけることで基板接合界面の気泡を完全に除去する。その後、接合された弾性表面波素子用基板5は、ダイアモンド基板の線熱膨張係数が支配的となるようにタンタル酸リチウム基板1の薄板化を行う。基板研磨装置(図示せず)を用いて、タンタル酸リチウム基板1の板厚をダイアモンド基板2の板厚に対して3分の1以下となるように研磨する。上記研磨工程は、粗研磨から仕上げ研磨を段階的に行い、鏡面研磨を実現する。なお、基板の薄膜化に関しては前記の方法にこだわるものではなく、基板1の板厚が基板2の板厚に対して3分の1以下の板厚であれば製法は特に問わない。
【0057】
タンタル酸リチウム基板を薄板化した後、150℃の温度で20分の熱処理を行い、さらに200℃の温度で約1時間程度の熱処理を行なうことにより、2枚の基板は完全に接合される。
【0058】
その後、図10に示すような櫛形交差電極3を、塗布ガラスによる接着層9を介してダイアモンド基板2に接合されたタンタル酸リチウム基板1上に、通常の電極作製工程を行って作製する。このとき櫛形交差電極3により励振伝搬される弾性表面波が基板1の弾性表面波伝搬方向4(X軸方向)と一致するように櫛形交差電極3を配置する。
【0059】
上記第2の実施例は、基板1としてX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の角度で回転された面方位を持つタンタル酸リチウム基板について説明したが、基板1としてX軸を面方位とするタンタル酸リチウム、もしくはX軸を中心にY軸からZ軸方向に41〜64°の範囲の角度で回転された面方位を有するニオブ酸リチウム基板を用いた場合も同様の効果がある。
【0060】
また上記第2の実施例は、基板2として酸化珪素基板、ダイアモンド基板および四ホウ酸リチウム基板について説明したが、窒化アルミニウム、珪素、窒化珪素、硼素、酸化硼素、窒化硼素、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、またはそれらの複合材料による基板においても同様な効果がある。
【0061】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明において弾性表面波を励振伝搬させる第1の基板の弾性波表面波伝搬方向と、第1の基板と同じ材料からなる第2の基板の接合面内で最も熱膨張係数の小さい方向とを平行にして接合する構造を提案した。これにより、線熱膨張係数が改善され、遅延時間温度係数が小さい弾性表面波素子の作製が可能となる。
【0062】
また、接合した第1の基板と第2の基板が同じ材質からなる構造であることから、非常に強力な接着力の実現でき、さらには接合界面でのバルク波反射の影響が小さい弾性表面波素子の作製が可能となる。また、同種材料基板どうしを直接接合することにより、異種材料基板を直接接合する場合と比較して基板破損の発生が減少するという効果もある。
【0063】
また、本発明において、第1の基板と第2の基板の接合に、塗布ガラスを接着層として用いる方法を提案した。塗布ガラスを用いることにより、耐熱性、耐薬品性を有する基板接合が簡便かつ安価な方法により実現が可能となり、線熱膨張係数の小さい基板、弾性表面波伝搬速度の速い基板、および熱伝導率が高い基板など、あらゆる特性を持つ基板を第2の基板として用いることができるため弾性表面波素子の特性改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による弾性表面波素子の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施例による第1の基板の面方位の一例を示す説明図。
【図3】本発明の第1の実施例による第2の基板の面方位の一例を示す説明図。
【図4】本発明の第1の実施例による弾性表面波素子用基板の接合方向を示す説明図。
【図5】弾性表面波素子用基板の接合界面でのバルク波反射を示す説明図。
【図6】本発明の第1の実施例による弾性表面波素子用基板の製造工程を示す断面図。
【図7】本発明の第1の実施例による弾性表面波素子の断面図。
【図8】本発明の第2の実施例による弾性表面波素子の斜視図。
【図9】本発明の第2の実施例による弾性表面波素子用基板の製造工程を示す断面図。
【図10】本発明の第2の実施例による弾性表面波素子の断面図。
【符号の説明】
1…第1の基板、2…第2の基板、3…櫛形交差電極、4…第1の基板の弾性表面波伝搬方向、5…弾性表面波素子用基板、6…第2の基板の熱膨張係数が最も小さい方向、7…バルク波、8…反射波、9…接着層。

Claims (9)

  1. 単結晶圧電基板である第1の基板と、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性波を励振する櫛型交差電極とを備えた弾性表面波素子において、前記第2の基板は前記第1の基板と同一材質の基板であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向における前記第2の基板の熱膨張係数は、前記第1の基板の同方向の熱膨張係数より小さく、
    前記第1および第2の基板はタンタル酸リチウムであり、前記第2の基板のZ軸は前記第2の基板の接合面内に存在し、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向は前記第2の基板のZ軸と平行であることを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 単結晶圧電基板である第1の基板と、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性波を励振する櫛型交差電極とを備えた弾性表面波素子において、前記第2の基板は前記第1の基板と同一材質の基板であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向における前記第2の基板の熱膨張係数は、前記第1の基板の同方向の熱膨張係数より小さく、
    前記第1および第2の基板はタンタル酸リチウムであり、前記第1の基板の面方位はX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の範囲の角度で回転された方向であり、前記第2の基板の面方位はY軸方向もしくはX軸方向であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向は前記第1の基板のX軸方向であり、前記第1の基板のX軸は前記第2の基板のZ軸と平行であることを特徴とする弾性表面波素子。
  3. 単結晶圧電基板である第1の基板と、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性波を励振する櫛型交差電極とを備えた弾性表面波素子において、前記第2の基板は前記第1の基板と同一材質の基板であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向における前記第2の基板の熱膨張係数は、前記第1の基板の同方向の熱膨張係数より小さく、
    前記第1および第2の基板はタンタル酸リチウムであり、前記第1および第2の基板の面方位はX軸を中心にY軸からZ軸方向に36°〜46°の範囲の角度で回転された方向であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向は前記第1の基板のX軸方向であり、前記第1の基板のX軸は前記第2の基板のX軸と直交することを特徴とする弾性表面波素子。
  4. 単結晶圧電基板である第1の基板と、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性波を励振する櫛型交差電極とを備えた弾性表面波素子において、前記第2の基板は前記第1の基板と同一材質の基板であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向における前記第2の基板の熱膨張係数は、前記第1の基板の同方向の熱膨張係数より小さく、
    前記第1および前記第2の基板はタンタル酸リチウムであり、前記第1の基板の面方位はX軸方向であり、前記第2の基板の面方位はY軸方向もしくはX軸方向であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向は前記第1の基板のY軸からZ軸方向に112°の角度で回転された方向であり、前記第1の基板のY軸からZ軸方向に112°の角度で回転された方向は前記第2の基板のZ軸と平行であることを特徴とする弾性表面波素子。
  5. 単結晶圧電基板である第1の基板と、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性波を励振する櫛型交差電極とを備えた弾性表面波素子において、前記第2の基板は前記第1の基板と同一材質の基板であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向における前記第2の基板の熱膨張係数は、前記第1の基板の同方向の熱膨張係数より小さく、
    前記第1および前記第2の基板はニオブ酸リチウムであり、前記第2の基板のZ軸は前記第2の基板の接合面内に存在し、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向は前記第2の基板のZ軸と平行であることを特徴とする弾性表面波素子。
  6. 単結晶圧電基板である第1の基板と、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性波を励振する櫛型交差電極とを備えた弾性表面波素子において、前記第2の基板は前記第1の基板と同一材質の基板であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向における前記第2の基板の熱膨張係数は、前記第1の基板の同方向の熱膨張係数より小さく、
    前記第1および前記第2の基板はニオブ酸リチウムであり、前記第1の基板の面方位はX軸を中心にY軸からZ軸方向に41〜64°の範囲の角度で回転された方向であり、前記第2の基板の面方位はY軸方向もしくはX軸方向であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向は前記第1の基板のX軸方向であり、前記第1の基板のX軸は前記第2の基板のZ軸と平行であることを特徴とする弾性表面波素子。
  7. 単結晶圧電基板である第1の基板と、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性波を励振する櫛型交差電極とを備えた弾性表面波素子において、前記第2の基板は前記第1の基板と同一材質の基板であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向における前記第2の基板の熱膨張係数は、前記第1の基板の同方向の熱膨張係数より小さく、
    前記第1および前記第2の基板はニオブ酸リチウムであり、前記第1および前記第2の基板の面方位はX軸を中心にY軸からZ軸方向に41〜64°の範囲の角度で回転された方向であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向は前記第1の基板のX軸方向であり、前記第1の基板のX軸は前記第2の基板のX軸と直交することを特徴とする弾性表面波素子。
  8. 単結晶圧電基板である第1の基板と、前記第1の基板に接合された第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との接合面と反対側の面上に形成され弾性波を励振する櫛型交差電極とを備えた弾性表面波素子において、前記第2の基板は前記第1の基板と同一材質の基板であり、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向における前記第2の基板の熱膨張係数は、前記第1の基板の同方向の熱膨張係数より小さく、
    前記第2の基板は四ホウ酸リチウム単結晶であり、前記第2の基板の四ホウ酸リチウム単結晶のc軸は前記第2の基板の接合面内に存在し、前記第1の基板の前記弾性波の伝搬方向は前記第2の基板の四ホウ酸リチウム単結晶のc軸と平行であることを特徴とする弾性表面波素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の弾性表面波素子において、
    前記第2の基板の厚さは前記第1の基板の厚さの3倍以上であることを特徴とする弾性表面波素子。
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