JP3951122B2 - 信号処理方法および信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホームシアターなどに適用して好適なオーディオ信号の処理方法および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホームシアターやAVシステムなどに適用して好適なスピーカシステムとして、スピーカアレイシステムがある(例えば、特許文献1参照)。図9は、そのスピーカアレイシステムの一例を示すもので、図9に示すシステムにおいては、スピーカアレイ10が、多数のスピーカ(スピーカユニット)SP0〜SPnが配列されて構成される。この場合、一例として、n=255、スピーカの口径は数cmであり、したがって、実際には、スピーカSP0〜SPnは平面上に2次元状に配列されることになるが、以下の説明においては、簡単のため、スピーカSP0〜SPnは水平方向に一列に配列されているものとする。
【0003】
そして、オーディオ信号が、ソースSCから遅延回路DL0〜DLnに供給されて所定の時間τ0〜τnだけ遅延され、その遅延されたオーディオ信号がパワーアンプPA0〜PAnを通じてスピーカSP0〜SPnにそれぞれ供給される。なお、遅延回路DL0〜DLnの遅延時間τ0〜τnについては、後述する。
【0004】
すると、どの場所においても、スピーカSP0〜SPnから出力される音波が合成され、その合成結果の音圧が得られることになる。そこで、図9に示すように、スピーカSP0〜SPnにより形成される音場において、任意の場所Ptgの音圧を周囲よりも高くするには、
L0〜Ln:各スピーカSP0〜SPnから場所Ptgまでの距離
s :音速
とすると、遅延回路DL0〜DLnの遅延時間τ0〜τnを、
τ0=(Ln−L0)/s
τ1=(Ln−L1)/s
τ2=(Ln−L2)/s
・・・・
τn=(Ln−Ln)/s=0
に設定する。
【0005】
そのように設定すると、ソースSCから出力されるオーディオ信号がスピーカSP0〜SPnにより音波に変換されて出力されるとき、それらの音波は上式で示される時間τ0〜τnだけ遅れて出力されることになる。したがって、それらの音波が場所Ptgに到達するとき、すべて同相で到達することになり、場所Ptgの音圧は周囲よりも大きくなる。つまり、並行光が凸レンズにより焦点を結ぶように、スピーカSP0〜SPnから出力された音が場所Ptgに焦点を結ぶ。以下、場所Ptgを焦点と呼び、このタイプのシステムを「焦点型」と呼ぶものとする。
【0006】
また、図10は別のスピーカアレイシステムを示す。このシステムにおいては、スピーカSP0〜SPnから出力される進行波(音波)の位相波面が同じになるように、遅延回路DL0〜DLnの遅延時間τ0〜τnを設定され、音波に指向性が与えられるとともに、その指向方向が焦点Ptgの方向とされる。
【0007】
このシステムは、焦点型のシステムにおいて、距離L0〜Lnを無限遠にした場合とも考えられるが、以下、このタイプのシステムを「指向性型」と呼ぶものとする。
【0008】
以上のように、スピーカアレイシステム10によれば、その遅延時間τ0〜τnを適切に設定することにより、音場内の任意の場所に焦点Ptgを結ばせたり、指向方向を合わせたりすることができる。
【0009】
また、どちらのシステムにおいても、場所Ptg以外の場所においては、スピーカSP0〜SPnの出力は、位相のずれた状態で合成されるので、結果的に平均化され、音圧は滅少する。さらに、スピーカアレイ10から出力された音をいったん壁面に反射させてから場所Ptgに焦点を結ばせたり、指向方向を場所Ptgの方向とすることもできる。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−303381号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ソースSCから出力されるオーディオ信号を、遅延回路DL0〜DLnにおいて劣化させずに遅延させるには、遅延回路DL0〜DLnをデジタル回路により構成する必要があり、具体的には、デジタルフィルタにより構成することができる。また、実際のAV機器においては、ソースSCはDVDプレーヤなどのデジタル機器であることが多く、オーディオ信号はデジタル信号とされているので、遅延回路DL0〜DLnは、なおさらデジタル回路により構成することになる。
【0012】
ところが、遅延回路DL0〜DLnをデジタル回路により構成すると、スピーカSP0〜SPnに供給されるオーディオ信号の時間分解能は、そのデジタルオーディオ信号および遅延回路DL0〜DLnにおけるサンプリング間隔(サンプリング周期)により制限され、そのサンプリング間隔以上とすることはできない。ちなみに、サンプリング周波数が48kHzのとき、サンプリング周期は約20.8μsであり、この1周期の間に音波は約7mm進む。また、この1周期分の遅れは周波数が10kHzのオーディオ信号では70°の位相遅れに相当する。
【0013】
このため、スピーカSP0〜SPnから出力される各音波の位相を焦点Ptgで十分に合わせることができなくなり、焦点Ptgの大きさ、つまり、リスナからみた音像が大きくなったり、ぼやけたりすることがある。
【0014】
また、焦点Ptg以外の場所での音波の位相のばらつきが少なくなり、焦点Ptg以外の場所で十分な音圧の減少を期待できなくなってしまう。したがって、この点からも、音像が大きくなったり、ぼやけたりしてしまい、本来の効果が発揮できなくなってしまう。
【0015】
さらに、遅延回路DL0〜DLnなどによりオーディオ信号に残響成分を付加する場合があるが、その場合、遅延回路DL0〜DLnにおけるサンプリング周期よりも短い周期の遅延処理ができないと、目的とする残響パターンの再現ができないことがある。
【0016】
この発明は、以上のような問題点を解決しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明においては、
デジタル信号を所定の遅延時間だけ遅延させる場合に、その遅延時間が、上記デジタル信号のサンプリング周期を単位として整数部と小数部とを有するとき、
上記デジタル信号を上記サンプリング周期で動作するデジタル遅延回路に供給して上記所定の遅延時間のうち、上記整数部に相当する上記サンプリング周期の整数倍の遅延処理を行い、
上記小数部で表される遅延時間が上記サンプリング周期のm/N倍(Nは2以上の整数。m=1〜N−1のどれか)に近い値のとき、
デジタルフィルタを上記サンプリング周期で動作させるとともに、このサンプリング周期の上記m/N倍の遅延時間だけ遅延させるパルス波形データを、上記デジタルフィルタのフィルタ係数に設定し、
このデジタルフィルタに上記デジタル遅延回路の出力信号を供給して上記小数部の遅延処理を行う
ようにした信号処理方法
とするものである。
したがって、デジタルフィルタにより必要とする遅延時間の端数が実現され、デジタル信号に適切な遅延時間が与えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
▲1▼ この発明のアウトライン
この発明においては、遅延を表すインパルス応答を、システムのサンプリング周波数よりも高い周波数でオーバーサンプリングしてシステムのサンプリング間隔よりも高い分解能で表現し、このインパルスのデータをシステムのサンプリング周波数でダウンサンプリングして複数のパルスからなるパルス列を得、このパルス列をデータベースに蓄積しておく。そして、デジタルオーディオ信号に遅延時間τ0〜τnを与えるとき、そのデータベースに蓄積しておいたデータをデジタルフィルタに設定するものである。
【0019】
なお、以後、上記パルス列を「擬似パルス列」と呼ぶものとする。また、記号を以下のように定義する。
Fs :システムのサンプリング周波数。
Nov:時間分解能を、サンプリング周期1/Fsの何分の1にするかを示す値。サンプリング周波数Fsに対するオーバーサンプリングの倍数でもある。
Nps:オーバーサンプリング周期1/(Fs×Nov)の時間軸上におけるパルスの形状を、サンプリング周波数が周波数Fsの複数のパルスにより近似表現するときのパルス数。擬似パルス列のパルス数でもあり、所望の遅延を実現するデジタルフィルタの次数でもある。
一例として、
Fs=48kHz、Nov=8、Nps=16
である。
【0020】
▲2▼−1 データベースの作成
スピーカアレイ10による再生の前処理として、まず、上記のように擬似パルス列を生成し、データベースに登録する。すなわち、
(1) 必要とする時間分解能に基づいて、オーバーサンプリングの倍数Novと、擬似パルス列のパルス数Npsとを想定する。ここでは、図1AおよびBに示すように、第M番目のパルスから次の第(M+1)番目のパルスまでの期間の時間分解能を、Nov倍に上げる場合である。また、サンプリング周期1/Fsの時間軸上で、Nps個のパルスによる時間幅を設定する。
【0021】
(2) オーバーサンプリングの倍数が値Novであるから、図1Bにも示すように、第M番目のパルスから第(M+1)番目のパルスまでの期間に、Nov個のオーバーサンプリングパルスが立つことになる。
そして、
m=0、1、2、・・・、Nov−1
とすれば、サンプリング周期1/Fsの時間軸上において、そのオーバーサンプリングパルスの位置は、(M+m/Nov)となる。あるいは、オーバーサンプリング周期1/(Fs×Nov)の時間軸上では、そのオーバーサンプリングパルスの位置は、(M+Nov×m)となる。
【0022】
(3) 図1Cに示すように、(2)項のオーバーサンプリングパルスを、サンプリング周波数Fs×Novからサンプリング周波数Fsへダウンサンプリングして擬似パルス列を求める。
この場合、例えば、(2)項の各系列をFFTを用いて周波数軸変換し、サンプリング周波数Fsまでの有効値のみ残して時間軸へ逆FFTするなどの方法が考えられる。また、ダウンサンプリングの手法は、エリアシングフィルタの設計を含めて多々あるので、ここでは言及しない。
【0023】
(4) 以後、(3)項によって求めた擬似パルス列(パルス数Npsの系列)は、サンプリング周期1/Fsの時間軸上で、擬似的に、時間位置(M+m/Nov)に立ったパルスとして扱う。この場合、サンプリング周期1/Fsの時間軸上では、値Mは整数であり、値m/Novは小数である。
【0024】
(5) 図1Dに示すように、値Mをオフセット情報とみなすとともに、値m/Novをインデックス情報とみなし、これらの情報と、(4)項で求めた擬似パルス列の波形のデータとの対応テーブルをデータベース20に登録する。
【0025】
図2〜図5は、(1)〜(4)項により形成した擬似パルス列の波形、利得特性および位相特性を示す。なお、図2〜図5は、上記のように、Nov=8、Nps=16の場合であり、m=0〜7について示している。
【0026】
例えば、図2に示すm=0の場合は、その時間軸波形は第8サンプル目が値1.0であり、他のサンプル値は0.0なので、8サンプル周期(8/Fs)だけ単純に遅延させる伝達特性を示す。以下、値mが増加するにつれて、時間軸波形におけるピーク位置が次第に第9サンプル目に移動していく様子が示されている。このとき、それぞれの周波数利得特性はほとんど平坦であるが、周波数位相特性は、値mの増加につれて位相遅れが大きくなっていることがわかる。すなわち、1/(Fs×Nov)の時間分解能での遅延処理を、サンプリング周波数Fsのフィルタ処理で実現している。
【0027】
以上が再生に必要な前処理であり、以後、データベース20の情報を使用して次に述べる再生処理を実行する。
【0028】
▲2▼−2 再生時の処理
スピーカアレイ10による再生時には、上記▲2▼−1項により作成したデータベース20を以下のように使用して再生を行う。すなわち、
(11) 遅延回路DL0〜DLnと直列に、デジタルフィルタを設ける。このデジタルフィルタは、遅延用として使用されるものであるが、そのフィルタ係数は後述のように設定する。
【0029】
(12) 焦点Ptgの位置(あるいは指向方向)に対応する遅延時間τ0〜τnを求め、これにサンプリング周波数Fsを乗算して、遅延時間τ0〜τnをサンプリング周波数Fsの周波数軸上の「遅延サンプル数」に換算する。このとき、遅延時間τ0〜τnは、遅延回路DL0〜DLnの分解能では表現できない端数を持つ値であってよい。つまり、遅延時間τ0〜τnおよび遅延サンプル数は、遅延回路DL0〜DLnの分解能の整数倍でなくてよい。
【0030】
(13) (12)項で求めた遅延サンプル数を、整数部と小数部(端数部)とに分け、その整数部を遅延回路DL0〜DLnの遅延時間に設定する。
【0031】
(14) (12)項で求めた遅延サンプル数の小数部が、データベース20に蓄積してあるインデックス情報m/Novのどれに近いかを判定する。つまり、小数部が、0/Nov、1/Nov、2/Nov、・・・、(Nov−1)/Novのどれに近いかを判定する。なお、小数部がNov/Nov=1.0に近いと判定された場合は、整数部を1だけ繰り上げて、小数部は0/Novに近いと判定するものとする。
【0032】
(15) (14)項の判定結果にしたがって、データベース20から対応する擬似パルス列の波形データを取り出し、(11)項のFIRデジタルフィルタにそのフィルタ係数として設定する。
【0033】
以上により、オーディオ信号に対する遅延回路DL0〜DLnおよびデジタルフィルタの総合の遅延時間は、(12)項で求めた遅延時間τ0〜τnとなる。したがって、焦点型のシステムであれば、スピーカSP0〜SPnから出力された音は、焦点Ptgの位置に焦点を結ぶことになり、音像が明瞭に定位する。また、指向性型のシステムであれば、指向方向が場所Ptgに合うことになり、やはり、音像が明瞭に定位する。
【0034】
また、スピーカSP0〜SPnからの音は、焦点Ptgにおいて位相がより正確に揃うことになるので、このとき、焦点Ptg以外の場所では、位相がよりばらつくことになり、その結果、焦点Ptg以外の場所における音圧をより減少させることができる。したがって、この点からも音像の定位が明瞭になる。
【0035】
なお、厳密には、全帯域で時間分解能があがったわけではなく、ダウンサンプリングの手法によっては、高域に対しての時間分解能がとりにくくなることもあるが、焦点Ptg(あるいは指向方向)と、焦点Ptg以外の場所(あるいは非指向方向)との音圧差を考えた場合、実際上、ほとんどの周波数帯域で十分指向性を強くする効果がある。
【0036】
▲3▼−1 第1の実施例
図6はこの発明による再生装置の一例を示す。すなわち、ソースSCからデジタルオーディオ信号が取り出され、このオーディオ信号が、デジタル遅延回路DL0〜DLnおよびFIRデジタルフィルタDF0〜DFnに順に供給され、そのフィルタ出力がパワーアンプPA0〜PAnに供給される。
【0037】
この場合、遅延回路DL0〜DLnの遅延時間は(13)項に示す整数部とされる。また、FIRデジタルフィルタDF0〜DFnは、そのフィルタ係数を(15)項にしたがって設定することにより、(13)項に示す小数部の時間の遅延を行うようにされる。さらに、パワーアンプPA0〜PAnにおいて、これに供給されたデジタルオーディオ信号は、D/A変換されてからパワー増幅され、あるいはD級増幅され、スピーカSP0〜SPnに供給される。
【0038】
さらに、データベース20が用意される。このデータベース20は、(1)〜(5)項にしたがって、オフセット情報Mおよびインデックス情報m/Novと、(4)項で求めた擬似パルス列の波形データとの対応テーブルを有する。そして、このデータベース20が(13)項の小数部したがって検索され、その検索結果がFIRデジタルフィルタDF0〜DFnに設定される。また、(13)項の整数部が遅延回路DL0〜DLnの遅延時間に設定される。
【0039】
このような構成によれば、場所Ptgに焦点を結ぶ(あるいは場所Ptgを指向方向にする)ために必要な遅延時間τ0〜τnが、遅延回路DL0〜DLnの分解能を越えていても、FIRデジタルフィルタDF0〜DFnの遅延時間が、その分解能を越えた小数部分を実現する。
【0040】
したがって、焦点型のシステムであれば、スピーカSP0〜SPnから出力された音は、焦点Ptgの位置に焦点を結ぶことになり、音像が明瞭に定位する。また、指向性型のシステムであれば、指向方向が場所Ptgに合うことになり、やはり、音像が明瞭に定位する。
【0041】
▲3▼−2 第2の実施例
図7に示す再生装置においては、FIRデジタルフィルタDF0〜DFnが、遅延回路DL0〜DLnを兼ねる場合である。すなわち、この場合には、インデックス情報m/Novにしたがってデータベース20が検索され、その検索結果により、FIRデジタルフィルタDF0〜DFnに、オフセット情報Mが設定されて遅延回路DL0〜DLnの遅延時間が付加されるとともに、インデックス情報m/Novの波形データが設定される。
【0042】
したがって、この再生装置においても、焦点Ptgあるいは指向方向が適切に設定されるので、明瞭な音像の定位を得ることができる。
【0043】
▲3▼−3 第3の実施例
図8に示す再生装置は、図7に示す再生装置において、デジタルフィルタDF0〜DFnにより、イコライジング、振幅(音量)、残響などの音響効果も実現する場合である。このため、たたみ込み回路CV0〜CVnにおいて、目的の音響効果となる外部データが、データベース20から取り出されたデータにたたみ込まれ、その出力がFIRデジタルフィルタDF0〜DFnに設定される。
【0044】
▲4▼ その他
この発明による遅延処理は、上述のスピーカアレイ10への適用に限らないことはもちろんである。例えば、マルチウェイスピーカシステムで使用されるチャンネルデバイダに適用すれば、低域用スピーカと高域用スピーカとの仮想音源の位置を微細に調整する、いわゆるタイムアライメントを行うことができる。また、SACDやDVD−Audioなどにより高品位のオーディオ再生を行う装置においては、スーパーツィータの前後方向における配置位置をミリメートル単位で調整できることが望まれるが、そのような場合にも対応できる。
【0045】
さらに、上述において、データベース20におけるデータは、あらかじめ計算しておいたものをROMなどのメモリに用意しておいてもよく、あるいは必要に応じてリアルタイムで計算してもよい。
【0046】
また、データベース20におけるデータを計算するときの計算速度や計算に必要なリソース、あるいはメモリのデータ量を少なくするために、焦点Ptgや指向方向の場所によって、データベース20のデータを使用する/使用しないを使い分けることもできる。例えば、焦点Ptgをリスナの横方向に位置させる場合には、正面方向に位置させる場合に比べ、精度が低くても問題がないので、データベース20のデータを使用しないように、あるいは擬似パルス列のパルス数Npsを減らすように、自動的に制御することにより、全体的なデータ量や計算量を抑えることができる。
【0047】
さらに、焦点Ptgの位置や指向方向、あるいはそれぞれの場合のハードウェアの計算量や計算能力に応じて、値Nov、Npsの数を自動的に変更することもできる。また、例えば、焦点Ptgの位置や指向方向などをリアルタイムに動的に変更して効果を増強する場合、その処理を連続的に行うこともできる。そして、その場合も、値Nov、Npsを動的に変更することができる。
【0048】
〔この明細書で使用している略語の一覧〕
AV :Audio and Visual
CCD :Charge Coupled Device
D/A :Digital to Analog
FFT :Fast Fourier Transform
FIR :Finite Impulse Response
SACD:Super Audio CD
【0049】
【発明の効果】
この発明によれば、遅延回路では実現できない遅延時間の端数がデジタルフィルタにより実現されるので、スピーカから出力される音には必要な遅延が与えられることになり、したがって、焦点の位置や指向方向が明確となるので、音像が明瞭に定位する。また、焦点以外や指向方向以外の場所では、音圧が減少するので、この点からも音像の定位が明瞭になる。さらに、残響などの音響効果を付加する場合、適切な特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を説明するための図である。
【図2】この発明を説明するための特性図である。
【図3】この発明を説明するための特性図である。
【図4】この発明を説明するための特性図である。
【図5】この発明を説明するための特性図である。
【図6】この発明の一形態を示す系統図である。
【図7】この発明の他の形態を示す系統図である。
【図8】この発明の他の形態を示す系統図である。
【図9】この発明を説明するための平面図である。
【図10】この発明を説明するための平面図である。
【符号の説明】
10…スピーカアレイ、20…データベース、DL0〜DLn…遅延回路、DF0〜DFn…FIRデジタルフィルタ、PA0〜PAn…パワーアンプ、Ptg…焦点、SC…ソース、SP0〜SPn…スピーカ(スピーカユニット)

Claims (7)

  1. デジタル信号を所定の遅延時間だけ遅延させる場合に、その遅延時間が、上記デジタル信号のサンプリング周期を単位として整数部と小数部とを有するとき、
    上記デジタル信号を上記サンプリング周期で動作するデジタル遅延回路に供給して上記所定の遅延時間のうち、上記整数部に相当する上記サンプリング周期の整数倍の遅延処理を行い、
    上記小数部で表される遅延時間が上記サンプリング周期のm/N倍(Nは2以上の整数。m=1〜N−1のどれか)に近い値のとき、
    デジタルフィルタを上記サンプリング周期で動作させるとともに、このサンプリング周期の上記m/N倍の遅延時間だけ遅延させるパルス波形データを、上記デジタルフィルタのフィルタ係数に設定し、
    このデジタルフィルタに上記デジタル遅延回路の出力信号を供給して上記小数部の遅延処理を行う
    ようにした信号処理方法。
  2. 請求項1に記載の信号処理方法において、
    上記サンプリング周期よりも短い遅延時間のインパルスのデータを、上記サンプリング周期でダウンサンプリングして上記デジタルフィルタのフィルタ係数となる上記パルス波形データを得る
    ようにした信号処理方法。
  3. 請求項1に記載の信号処理方法において、
    上記パルス波形データをあらかじめデータベースに格納しておき、
    この格納されたパルス波形データの中から、上記小数部で表される遅延時間に近いパルス波形データを取り出して上記デジタルフィルタのフィルタ係数に設定する
    ようにした信号処理方法。
  4. 請求項に記載の信号処理方法において、
    上記デジタル遅延回路の遅延処理を上記デジタルフィルタにおいて行う
    ようにした信号処理方法。
  5. 請求項1に記載の信号処理方法において、
    上記パルス波形データに、所定の音響効果を与える伝達特性をたたみ込んで上記デジタルフィルタのフィルタ係数に設定する
    ようにした信号処理方法。
  6. デジタル信号を所定の遅延時間だけ遅延させるとき、その遅延時間が、上記デジタル信号のサンプリング周期を単位として整数部と小数部とを有する信号処理装置において、 上記サンプリング周期で動作するとともに、上記所定の遅延時間のうち、上記整数部に相当する上記サンプリング周期の整数倍の遅延処理を行うデジタル遅延回路と、
    上記小数部で表される遅延時間が上記サンプリング周期のm/N倍(Nは2以上の整数。m=1〜N−1のどれか)に近い値のとき、上記サンプリング周期の上記m/N倍の遅延時間だけ遅延させるパルス波形データを出力する出力回路と、
    上記サンプリング周期で動作するとともに、上記出力回路により上記パルス波形データがフィルタ係数として設定されて上記デジタル遅延回路の出力信号に上記小数部の遅延処理を行うデジタルフィルタと
    を有する信号処理装置。
  7. 複数のスピーカのそれぞれに供給するデジタルオーディオ信号を、それぞれ所定の遅延 時間だけ遅延させることにより上記複数のスピーカから出力される音波を合成するようにした信号処理装置であって、
    上記所定の遅延時間を、上記デジタルオーディオ信号のサンプリング周期を単位として整数部と小数部とに分けたとき、
    上記サンプリング周期で動作するとともに、上記所定の遅延時間のうち、上記整数部に相当する上記サンプリング周期の整数倍の遅延処理を行うデジタル遅延回路と、
    上記小数部で表される遅延時間が上記サンプリング周期のm/N倍(Nは2以上の整数。m=1〜N−1のどれか)に近い値のとき、上記サンプリング周期の上記m/N倍の遅延時間だけ遅延させるパルス波形データを出力する出力回路と、
    上記サンプリング周期で動作するとともに、上記出力回路により上記パルス波形データがフィルタ係数として設定されて上記デジタル遅延回路の出力信号に上記小数部の遅延処理を行うデジタルフィルタと
    を有する信号処理装置。
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