JP3951108B2 - 車両内装部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基材、表皮材および両部材の間に介在させた発泡体からなり、空調ユニットからの調温空気を乗員室内へ吹出させる空気吹出部を有する車両内装部材と、この車両内装部材を好適に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、乗用車等の乗員室内に設置される車両内装部材としてのインストルメントパネルには、図8に示すように、車両搭載の空調ユニット(図示せず)から送出される調温空気を乗員室内へ吹出し案内する空気吹出部20,22,24が、所要個所に適数個設けられている。このうち、インストルメントパネル10の乗員席側を指向した前面中央および前面左右に設けられた夫々の空気吹出部20は、主に乗員室の空調に供される調温空気を吹出し案内し、上面後方(図示しないフロントウインドウガラスの下方)に設けられた横長の空気吹出部22は、フロントデフロスタとしてフロントウインドウガラスの霜取りに供される調温空気を吹出し案内すると共に、上面左端および上面右端に設けられた各空気吹出部24,24は、サイドデフロスタとしてサイドウインドウガラスの霜取りに供される調温空気を吹出し案内するものである。
【0003】
前述した夫々の空気吹出部20,22,24は、一般的には前記インストルメントパネル10とは別体に成形されて風向制御のためのフィン28を設けたエアアウトレット26を有し、該インストルメントパネル10の製造時に予め開設した開口設置部18に該エアアウトレット26を後工程で装着して構成される。なお図示のインストルメントパネル10は、所要形状にインジェクション成形された合成樹脂製のパネル基材12と、所要形状に予備成形された後に装着される表皮材14と、両部材12,14の間に介在したウレタンフォーム等の発泡体16とからなる3層タイプである(図9)。
【0004】
図9は、図8のIX−IX線断面図であって、サイドデフロスタとして機能する空気吹出部24を示した断面図である。この空気吹出部24では、前述した如く、インストルメントパネル10に設けた前記開口設置部18に対し、別体に成形されたエアアウトレット26を後付装着することで構成される。このエアアウトレット26は、サイドデフロスタガーニッシュとも称され、前記開口設置部18に挿入されると共に前面に化粧枠32を一体成形した筒状本体30と、この筒状本体30の内側に一体的に成形された3枚の前記フィン28(固定タイプ)とから構成されている。このようなエアアウトレット26は、インストルメントパネル10に設けた前記開口設置部18に対して該パネル10の前側から前記筒状本体30を嵌入させた際に、該筒状本体30の外周面に突設した係止凸部34が開口設置部18の内周面に凹設した係止凹部36へ嵌合することで、当該インストルメントパネル10から脱落不能に固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記空気吹出部24をはじめとする夫々の空気吹出部20,22を設けたインストルメントパネル10では、該インストルメントパネル10を構成するパネル基材12および表皮材14とエアアウトレット26とが夫々別体に形成されて相互に組付けられるようになっているので、前記開口設置部18に対する当該エアアウトレット26の組付精度にバラツキがあった場合、前記化粧枠32と表皮材14との間に隙間が画成されたり段差が形成されて質感低下を来す問題を内在していた。また、部品点数が増加するからコストアップを招来すると共に、前述した如く設置開口部18に対する装着作業を要するから作業工数が増加する課題もあった。更には、前記エアアウトレット26がパネル基材12や表皮材14とは異なる材質である場合には、インストルメントパネル10を廃棄処理するに際して当該エアアウトレット26を取外す作業を要することとなり、リサイクル性がよくない等の欠点もあった。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、表皮材に空気吹出部を構成するフィン等を一体成形することで、質感向上、コスト低減、リサイクル性向上等を図り得るようにした車両内装部材と、この車両内装部材を好適に製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、基材、表皮材および両部材の間に介在させた発泡体からなり、空調ユニットからの調温空気を乗員室内へ吹出させる空気吹出部を有する車両内装部材において、
前記空気吹出部を、
前記基材の所要位置に開設され、前記空調ユニットにダクトを介して接続される第1開口部と、
前記表皮材の所要位置に開設されて前記基材に向けて延在し、前記第1開口部に密着的に整合する筒状の第2開口部と、
前記第2開口部の内側に位置するよう表皮材に一体成形されると共に、該表皮材の厚みより大きな厚みに設定され、調温空気の吹出し方向を決定するフィンとから構成したことを特徴とする。
【0008】
同じく前記課題を解決し、所期の目的を達成するため別の発明は、基材、表皮材および両部材の間に介在させた発泡体からなり、空調ユニットからの調温空気を乗員室内へ吹出させる空気吹出部を有する車両内装部材の製造方法において、
前記基材の予備成形に際して、最終的に前記空気吹出部に対応する位置に第1開口部を成形し、
前記表皮材を、ウレタンスプレー成形法に基き表皮成形型の成形面にウレタン材料を吹付けて成形する予備成形に際して、最終的に前記空気吹出部に対応する位置に凹状部を一体的に成形すると同時に、該凹状部の内側に表皮材の厚みより大きな厚みに設定されて調温空気の吹出し方向を決定する複数のフィンを一体的に成形すると共に、フィン間に位置する前記凹状部の底面不要部分と各フィンとの境界部分は薄肉に成形し、
発泡型における第1成形型に、前記凹状部およびフィンを一体的に形成した前記表皮材をセットすると共に、該発泡型における第2成形型に、前記第1開口部を形成した前記基材をセットし、
両成形型の型閉め後に、表皮材および基材の間で発泡材料を発泡させて両部材の間に前記発泡体を存在させ、
所要のキュアタイムの経過後に、成形された車両内装部材を両成形型から脱型し、前記凹状部の底面不要部分を、薄肉とした前記境界部分でトリミングすることで、前記第1開口部と密着的に整合する第2開口部を成形するようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る車両内装部材およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお実施例では、車両内装部材としてインストルメントパネルを例示することとし、図8および図9で既出の部材、部位と同一の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0010】
図1は、本実施例に係る車両内装部材としてのインストルメントパネル10において、空気吹出部20,24を設けた部位を示す部分斜視図、図2は、図1のII−II線断面図である。実施例のインストルメントパネル10は、裏側に位置して該パネル10に要求される形状や剛性を有するパネル基材(基材)12と、乗員室内に露出する化粧面となる表皮材14と、これらパネル基材12および表皮材14の間に介在されて適宜の弾性を有する発泡体16とから構成される3層タイプとされている。
【0011】
前記パネル基材12は、例えばPPやASG等の合成樹脂をインジェクション成形することで、インストルメントパネル10に要求される形状および剛性となるよう予備成形したものである。そして予備成形されたパネル基材12では、最終的に前記空気吹出部24が設けられる部位に、後述する表皮材14に設けた凹状部42が密着的に整合する第1開口部40が形成されている。そして、この第1開口部40の裏側には、図示しない空調ユニットに連通接続したダクト38が接合されるようになっている。
【0012】
前記表皮材14は、インストルメントパネル10に要求される意匠形状に予備成形されたもので、例えば、(a)ウレタンスプレー成形法に基き、表皮成形型の成形面にウレタン材料を吹付けることで成形されたもの(図3)、(b)パウダースラッシュ成形法に基き、表皮成形型の成形面に樹脂粉末を溶融付着させることで成形されたもの(図示せず)、等が好適に採用される。このような予備成形された表皮材14では、最終的に前記空気吹出部24に対応する位置に凹状部42が成形されていると共に、調温空気の吹出し方向を決定する複数枚(実施例では3枚)のフィン44が、該凹状部42の内側に所要間隔で一体的に成形されている。そして後述するように、発泡体16の成形後の後工程において、前記各フィン44間に形成された凹状部42の底面不要部分46をトリミングすることで、前記第1開口部40と密着的に整合する筒状の第2開口部48が成形されるようになっている(図7)。なお夫々のフィン44は、その肉厚を適宜大きく設定してあるので充分な剛性が付与されている。
【0013】
前記発泡体16は、図4〜図6に示した発泡成形型60を利用したもとで、第1成形型62にセットした予備成形後の前記表皮材14および第2成形型64にセットした予備成形後の前記パネル基材12の間で発泡材料Fを発泡・硬化させることで、両部材14,12の間に存在させたものである。そして、前記表皮材14に形成された凹状部42の周囲に硬化した発泡体16が存在しているので、該凹状部42により形成された前記第2開口部48の形状が保持されると共に、この第2開口部48に成形された前記各フィン44も適切に支持されるようになっている。
【0014】
このように実施例のインストルメントパネル10は、該インストルメントパネル10を構成するパネル基材12および表皮材14以外の別体部材(エアアウトレット等)を一切使用せずに、空調ユニットから送出される調温空気用の前記空気吹出部24を構成するようになっている。すなわち前記空気吹出部24は、前記パネル基材12の所要位置に開設され、前記空調ユニットに前記ダクト38を介して接続される第1開口部40と、前記表皮材14の所要位置に開設されて前記パネル基材12に向け延在し、前記第1開口部40に密着的に整合する筒状の第2開口部48と、前記第2開口部48の内側に一体成形され、調温空気の吹出し方向を決定する前記フィン44とから構成されている。
【0015】
これにより実施例のインストルメントパネル10は、前記空気吹出部24を形成するためにエアアウトレット等の別体部材を装着する必要がないから、図1から明らかなように、該空気吹出部24の周縁部位が表皮材14のみで形成されて隙間や段差等が一切形成されず、当該インストルメントパネル10の質感向上を図り得る。また、インストルメントパネル10を構成するパネル基材12および表皮材14から空気吹出部24が形成されるから、部品点数が削減されることに伴うコスト低減が可能となる。更には、当該インストルメントパネル10の廃棄処理に際しては、エアアウトレット等の別体部材を取外す作業が一切不要となるから、リサイクル性の向上も期待できる。
【0016】
次に、前述のように構成された本実施例に係る車両内装部材の製造方法につき、具体的かつ詳細に説明する。
【0017】
前記パネル基材12は、図示しない基材成形型によりインジェクション成形され、この予備成形に際して、最終的に前記空気吹出部24に対応する位置に前記第1開口部40を同時に成形する。
【0018】
前記表皮材14は、前述した如く、ウレタンスプレー成形法またはパウダースラッシュ成形法に基いて成形されたものが採用され、例えばウレタンスプレー成形法により成形する場合には、図3(a)に示した表皮成形型50が使用される。この表皮成形型50は、前記表皮材14の形状に成形されると共に表面にシボ加工等が施された成形面52を設けた電鋳型であって、スプレーガン59によって所要厚に吹付けたウレタン材料Uが硬化することで厚みが約1mm程度のウレタン製の表皮材14を成形することができ、成形された表皮材14の表面に成形面52の模様を忠実に転写再現し得る。また前記成形面52の所要位置には、前記凹状部42を成形するための突出部54が突設されていると共に、この突出部54には前記フィン44を成形するための溝部56が凹設されている。また、前記成形面52の裏側には、水またはオイル等の熱媒体が流通する加熱パイプ58が例えば蛇行状に敷設され、該成形面52の表面温度をウレタン材料Uの硬化に最適な温度(例えば65℃程度)に加熱し得るようになっている。更に前記突出部54の上面において、前記夫々の溝部56の開口端縁には尖状凸部54aが突設され、この部分では成形された表皮材14の厚みが薄くなるよう考慮されており、後述する如く、成形された表皮材14の凹状部42における底面不要部分46を簡易にトリミングし得るようになっている。
【0019】
このような表皮成形型50によるウレタンスプレー成形法では、前記加熱パイプ58へ熱媒体を供給して成形面52を所要温度に加熱保持したもとで、スプレーガン59を所定速度で移動させつつウレタン材料Uを成形面52に吹付けていく(図3(a))。但し、前記突出部54に設けた溝部56は成形される表皮材14の厚みより溝幅が大きくなっているので、▲1▼ウレタン材料Uの吹付け量を一定としたもとでスプレーガン59の移動速度を適宜遅くする、▲2▼スプレーガン59の移動速度を一定としたもとでウレタン材料Uの吹付け量を多くする、等の調整を適宜行なうことで、夫々の溝部56にウレタン材料Uが完全に充填するようにする。
【0020】
ここで前記ウレタン材料Uは、所要色に着色された無発泡タイプおよび発泡タイプ等があり、インストルメントパネル10の表皮材としての使用を前提とすれば、耐久性に優れている無発泡タイプでかつソフトタイプのものが好適に使用される。なお、無着色のウレタン材料Uを使用する場合は、該ウレタン材料Uを吹付けるに先立ち、前記成形面52に所要色のウレタン塗料等を吹付けておく必要がある。
【0021】
前記成形面52の表面に吹付けられた前記ウレタン材料Uは、該成形面52が前述した温度に加熱されているから、吹付け直後から硬化が促進されて短時間で硬化が完了する。このように、前記表皮成形型50により予備成形された表皮材14では、最終的に前記空気吹出部24に対応する位置に前記凹状部42が一体成形されると共に、これと同時に該凹状部42の内側に調温空気の吹出し方向を決定する前記フィン44が一体的に成形される(図3(b))。
【0022】
前述のように、凹状部42および各フィン44を一体的に形成した表皮材14は、図4に示すように、発泡体16を成形するための発泡成形型60における第1成形型62にセットする。なお、第1成形型62は、例えば第1金型62Aおよび該金型62Aに整合する第2金型62Bからなる分割型であって、表皮材14の凹状部42に該第2金型62Bを予めセットしたもとで該表皮材14を第1金型62Aにセットするようになっている。これにより表皮材14に形成した前記凹状部42および各フィン44が、変形することなく所定形状に保持される。一方、第1開口部40を形成した前記パネル基材12は、前記発泡成形型60における第2成形型64にセットする。
【0023】
次いで図4に示すように、表皮材14をセットした第1成形型62およびパネル基材12をセットした第2成形型64を型閉めすると、該表皮材14における前記凹状部42の底面がパネル基材12の前記第1開口部40に密着的に整合するようになる(図5)。そして、第1成形型62および第2成形型64の型閉め後に、表皮材14およびパネル基材12の間に注入した発泡材料Fを両部材14,12の間で発泡させ、これら表皮材14およびパネル基材12の間に前記発泡体16を成形する。この際に、前記凹状部42およびフィン44は、前述した如く第1成形型62の第2金型62Bで形状保持されているから、発泡材料Fの発泡圧により変形することが適切に防止される。
【0024】
所要のキュアタイムの経過後に、発泡材料Fが硬化して発泡体16の成形が完了したら、成形されたインストルメントパネル10を両成形型62,64から脱型する(図6)。この際に、第1成形型62と第2成形型64とを型開きし、先ず成形されたインストルメントパネル10と第2成形型64とを分離させ、次いで成形されたインストルメントパネル10と第2金型62Bとを第1金型62Aから一体的に脱型し、更に該第2金型62Bを表皮材14の凹状部42から取外すことにより、当該インストルメントパネル10の脱型が完了する。
【0025】
そして、脱型後の後工程において、前記夫々のフィン44間に形成された前記凹状部42の底面不要部分46をトリミングすることで、前記第1開口部40と密着的に整合する第2開口部48が成形される(図7)。この際に、前記底面不要部分46とフィン44との境界部分は薄肉となっているから、この底面不要部分46を指先等で押圧するだけで該底面不要部分46が簡易にトリミングされる。
【0026】
このように実施例の製造方法では、インストルメントパネル10を構成するパネル基材12の成形時に第1開口部40が同時成形され、該パネル10を構成する表皮材14の成形時に第2開口部48を形成する凹状部42および各フィン44が同時成形され、発泡体16の成形完了後に底面不要部分46をトリミングすれば第2開口部48が形成された前記空気吹出部24の成形が完了する。すなわち、従来の製造工程と基本的に同一の工程に沿ってインストルメントパネル10の製造を行なえば、空気吹出部24の成形もこれと同時に行なわれることになり、空気吹出部24の成形に伴う製造コストを大幅に低減することが可能である。しかも、インストルメントパネル10の外方へ露出する第2開口部48および各フィン44が表皮材14と一体的に形成されているから、該第2開口部48の周縁部分に隙間や段差が一切形成されず、該インストルメントパネル10の質感向上を図り得る。
【0027】
なお前記実施例では、サイドデフロスタとして機能する前記空気吹出部24を例示したが、本願のインストルメントパネル10では、フロントデフロスタとして機能する前記空気吹出部22も同様の方法で成形可能である。更には、本願が対象とする車両内装部材は、前記実施例のインストルメントパネル10のみならず、例えばフロアコンソール、ルーフパネル等も含まれる。
【0028】
なお前記実施例では、表皮材14について、ウレタンスプレー成形法に基いて前記表皮成形型50の成形面52にウレタン材料Uを吹付けることで成形されるものを例示したが、該表皮材14はこれ以外の成形方法に基いて成形されたものでもよい。すなわち前述した如く、前記表皮成形型50をパウダースラッシュ成形型の仕様としたもとで、パウダースラッシュ成形法に基いて該表皮成形型50の成形面52に樹脂粉末を溶融付着させることで成形した表皮材も好適に実施可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る車両内装部材によれば、該車両内装部材を構成する基材および表皮材以外の別体部材(エアアウトレット等)を一切使用せずに、空調ユニットから送出される調温空気用の空気吹出部を構成することができる。これにより、空気吹出部の周縁部位が表皮材のみで形成されて隙間や段差等が一切形成されないから、質感向上を図り得る有益な効果を奏する。また、空気吹出部を形成するための部品点数が削減されるから、コスト低減が可能となる利点もある。更には、当該車両内装部材の廃棄処理が簡単となり、リサイクル性の向上も期待できる等の利点もある。
【0030】
また、別の発明に係る車両内装部材の製造方法によれば、従来の製造工程と同一工程により車両内装部材の製造を行なうことで、空気吹出部の成形も同時に行なわれることになり、空気吹出部の成形に伴う製造コストを大幅に低減することが可能となる極めて有益な効果を奏する。しかも、車両内装部材の外方へ露出する第2開口部および各フィンが表皮材と一体的に形成されるので、該第2開口部の周縁部分に隙間や段差が一切形成されなくなり、該車両内装部材の質感向上を図り得る等の利点がある。
更に、第2開口部を形成する凹状部の底面不要部分とフィンとの境界部分は薄肉となっているから、底面不要部分を指先等で押圧するだけで該底面不要部分を簡易にトリミングできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係る車両内装部材としてのインストルメントパネルにおいて、空気吹出部を設けた部位を示す部分斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】 (a)は、ウレタンスプレー成形法に基いて表皮成形型の成形面にウレタン材料を吹付けている状態を示す断面図であり、(b)は、凹状部および各フィンと共に表皮材が成形面に一体成形された状態を示す断面図である。
【図4】予備成形された表皮材をセットした第1成形型および予備成形されたパネル基材をセットした第2成形型を型閉めする状態を示す断面図である。
【図5】表皮材とパネル基材との間で発泡材料を発泡・硬化させることで、両部材の間に発泡体が成形された状態を示す断面図である。
【図6】発泡体の成形完了後に、型開きした発泡成形型の第1成形型からインストルメントパネルを脱型する状態を示す断面図である。
【図7】フィン間の底面不要部分をトリミングすることで空気吹出部の成形が完了した状態を示す断面図である。
【図8】空気吹出部が設けられた車両内装部材としてのインストルメントパネルを示す概略斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図であって、インストルメントパネルに設けた開口設置部に別体部材であるエアアウトレットを装着することで、空気吹出部が形成されることを示している。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(車両内装部材)
12 パネル基材
14 表皮材
16 発泡体
24 サイドデフロスタ(空気吹出部)
38 ダクト
40 第1開口部
42 凹状部
44 フィン
46 底面不要部分
48 第2開口部
50 表皮成形型
52 成形面
62 第1成形型
64 第2成形型
Claims (5)
- 基材(12)、表皮材(14)および両部材(12,14)の間に介在させた発泡体(16)からなり、空調ユニットからの調温空気を乗員室内へ吹出させる空気吹出部(24)を有する車両内装部材(10)において、
前記空気吹出部(24)を、
前記基材(12)の所要位置に開設され、前記空調ユニットにダクト(38)を介して接続される第1開口部(40)と、
前記表皮材(14)の所要位置に開設されて前記基材(12)に向けて延在し、前記第1開口部(40)に密着的に整合する筒状の第2開口部(48)と、
前記第2開口部(48)の内側に位置するよう表皮材 (14)に一体成形されると共に、該表皮材 (14) の厚みより大きな厚みに設定され、調温空気の吹出し方向を決定するフィン(44)とから構成した
ことを特徴とする車両内装部材。 - 前記空気吹出部(24)は、車両用インストルメントパネルの所要位置に設けたサイドデフロスタである請求項1記載の車両内装部材。
- 基材(12)、表皮材(14)および両部材(12,14)の間に介在させた発泡体(16)からなり、空調ユニットからの調温空気を乗員室内へ吹出させる空気吹出部(24)を有する車両内装部材(10)の製造方法において、
前記基材(12)の予備成形に際して、最終的に前記空気吹出部(24)に対応する位置に第1開口部(40)を成形し、
前記表皮材 (14) を、ウレタンスプレー成形法に基き表皮成形型 (50) の成形面 (52) にウレタン材料を吹付けて成形する予備成形に際して、最終的に前記空気吹出部(24)に対応する位置に凹状部(42)を一体的に成形すると同時に、該凹状部(42)の内側に表皮材 (14) の厚みより大きな厚みに設定されて調温空気の吹出し方向を決定する複数のフィン(44)を一体的に成形すると共に、フィン (44) 間に位置する前記凹状部 (42) の底面不要部分 (46) と各フィン (44) との境界部分は薄肉に成形し、
発泡型における第1成形型(62)に、前記凹状部(42)およびフィン(44)を一体的に形成した前記表皮材(14)をセットすると共に、該発泡型における第2成形型(64)に、前記第1開口部(40)を形成した前記基材(12)をセットし、
両成形型(62,64)の型閉め後に、表皮材(14)および基材(12)の間で発泡材料を発泡させて両部材(12,14)の間に前記発泡体(16)を存在させ、
所要のキュアタイムの経過後に、成形された車両内装部材(10)を両成形型(62,64)から脱型し、前記凹状部(42)の底面不要部分(46)を、薄肉とした前記境界部分でトリミングすることで、前記第1開口部(40)と密着的に整合する第2開口部(48)を成形するようにした
ことを特徴とする車両内装部材の製造方法。 - 前記表皮成形型 (50) に突設されて前記凹状部 (42) を成形する突出部 (54) に、前記フィン (44) を成形するための複数の溝部 (56) が凹設されると共に各溝部 (56) の開口端縁に尖状凸部 (54a) が突設され、該表皮成形型 (50) の成形面 (52) にウレタン材料を吹付けた際に、前記尖状凸部 (54a) と対応する前記境界部分が薄肉に成形される請求項3記載の車両内装部材の製造方法。
- 前記車両内装部材(10)は車両用インストルメントパネルである請求項3または4記載の車両内装部材の製造方法。
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