JP3950827B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3950827B2
JP3950827B2 JP2003293381A JP2003293381A JP3950827B2 JP 3950827 B2 JP3950827 B2 JP 3950827B2 JP 2003293381 A JP2003293381 A JP 2003293381A JP 2003293381 A JP2003293381 A JP 2003293381A JP 3950827 B2 JP3950827 B2 JP 3950827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
coil
magnetic pole
coil piece
track width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003293381A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004296062A (ja
Inventor
清 佐藤
澄人 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2003293381A priority Critical patent/JP3950827B2/ja
Priority to GB0325773A priority patent/GB2396247B/en
Priority to US10/716,830 priority patent/US6987644B2/en
Publication of JP2004296062A publication Critical patent/JP2004296062A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3950827B2 publication Critical patent/JP3950827B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
    • G11B5/3967Composite structural arrangements of transducers, e.g. inductive write and magnetoresistive read
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/1274Structure or manufacture of heads, e.g. inductive with "composite" cores, i.e. cores composed in some parts of magnetic particles and in some other parts of magnetic metal layers
    • G11B5/1276Structure or manufacture of heads, e.g. inductive with "composite" cores, i.e. cores composed in some parts of magnetic particles and in some other parts of magnetic metal layers including at least one magnetic thin film

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Description

本発明は、例えば浮上式磁気ヘッドなどに使用される記録用の薄膜磁気ヘッドに係り、特に、磁性層を挟んで上下に形成される第1コイル片と第2コイル片との電気的な接続を確実且つ容易に行うことができるとともに、前記磁性層を平坦化面上に形成することが可能な薄膜磁気ヘッド製造方法に関する。
以下に示す公知文献には、いずれもインダクティブヘッド(記録用ヘッド)を構成するコアの周りをトロイダル状に巻回されたコイル層の構成が開示されている。
前記コア層の周囲の三次元的な空間を有効活用するには、前記コイル層をトロイダル状にすることが好ましく、これによってインダクティブヘッドの小型化を実現できるとともに、磁化効率も良好になると期待された。
特開平11−273028号公報 特開2000−311311号 特開2002−170205号 US6,335,846 B1
しかしながら上記した特許文献に記載されたトロイダル状のコイル構造には以下のような問題点がある。
これら文献ではいずれもコア層(例えば上部コア層)の下側に形成された下側コイル層と、前記コア層の上側に形成された上側コイル層とを接続部を介して電気的に接続することが記載されているが、この接続層は例えば、前記下側コイル層上に形成された絶縁層を掘り込んで前記下側コイル層にまで通じる貫通孔を形成し、この貫通孔からメッキ層を成長させて形成するとしている。
ところが、前記下側コイル層は狭い領域内に複数本密集して形成されており、また各文献を見ると前記接続層の平面での大きさは下部コイル層の幅よりも小さくしていることから、各下側コイル層にまで通じる貫通孔を形成するには、かなり高精度なエッチング技術が無いと現実的に難しい。また前記エッチングによって下側コイル層を損傷させる可能性も高い。
また前記貫通孔内から接続層をメッキ成長させるといっても、前記貫通孔がきちんと前記下側コイル層の上面まで届くように掘り込まれていないと適切なメッキ成長がなされず、また前記接続層が例えば前記貫通孔の途中までしかメッキ形成されなかったりすると上側コイル層との電気的な接続が不安定化しやすい。
さらに前記下側コイル層上に形成される絶縁層の上面は、前記下側コイル層と下部コア層間の段差などによってうねり、このようなうねりのある前記絶縁層の上面に上部コア層を形成しなけばならず従って前記上部コア層を所定形状にパターン形成できないとともに、そもそもうねりのある絶縁層に上記した貫通孔を所定の形状で形成することは難しく、さらに前記上部コア層の上に別の絶縁層を介して形成される上側コイル層もうねりのある表面に形成されるため、前記上側コイル層と下側コイル層との接続層を介した電気的な接続が不安定化しやすい。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、磁性層を挟んで上下に形成される第1コイル片と第2コイル片との電気的な接続を確実且つ容易に行うことができるとともに、前記磁性層を平坦化面上に形成することが可能な薄膜磁気ヘッド製造方法を提供することを目的としている。
本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(a)記録媒体との対向面側からハイト方向に下部コア層を延ばして形成する工程と、
(b)前記下部コア層上にコイル絶縁下地層を形成した後、所定領域の前記コイル絶縁下地層上に、前記ハイト方向と交叉する方向に伸長している複数本の第1コイル片を、ハイト方向に所定間隔を空けて形成する工程と、
(c)前記下部コア層上であって前記対向面からハイト方向に前記第1コイル片と接触しない位置で***層を形成し、前記***層のハイト方向後端面からハイト方向に離して、且つ前記第1コイル片と接触しない位置での前記下部コア層上にバックギャップ層を形成するとともに、各第1コイル片のトラック幅方向の端部から接続層を突出形成し、このとき、前記***層、前記バックギャップ層及び前記接続層を同じ材質で且つ同時に形成する工程と、
(d)前記第1コイル片上、前記***層上、前記バックギャップ層上及び前記接続層上をコイル絶縁層で埋めた後、前記***層の上面、前記コイル絶縁層の上面、前記バックギャップ層の上面及び前記接続層の上面が同じ平坦化面となるまで、前記コイル絶縁層、前記***層、前記バックギャップ層及び前記接続層を削る工程と、
(e)前記コイル絶縁層、前記***層及び前記バックギャップ層の平坦化面上に、前記***層と前記バックギャップ層間を繋前記対向面のトラック幅方向への幅寸法でトラック幅Twを規制する層を形成する工程と、
(f)前記磁層上に絶縁層を形成し、この絶縁層の上に、前記磁層上を横断する複数本の第2コイル片を形成するとともに、各第2コイル片のトラック幅方向における端部を、前記平坦化面から露出した前記接続層の上面に接続して、隣りあう前記第1コイル片の端部どうしを、前記第2コイル片を介して接続してトロイダル状に巻回するコイル層を形成する工程。
本発明では、前記磁極層を、下から下部磁極層、ギャップ層及び上部磁極層の順に構成された積層構造で形成し、前記積層構造の前記対向面のトラック幅方向への幅寸法でトラック幅Twを規制することが好ましい。
また、前記(e)工程にて、前記磁極層を形成する前に、前記平坦面上であって、前記対向面からハイト方向に離れた位置にGd決め層を形成し、その後、
前記対向面から前記Gd決め層の前端面までの平坦化面上、及び前記Gd決め層の後端面から前記バックギャップ層上までの平坦化面上に下から前記下部磁極層及び前記ギャップ層を形成し、次に、前記ギャップ層上及び前記Gd決め層上に前記上部磁極層を形成することが好ましい。
本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、前記(b)工程で下部コア層上にコイル絶縁下地層を介して前記第1コイル片を形成し、前記(c)工程で***部、バックギャップ層及び接続層の形成を行っている。このため前記(d)工程で前記第1コイル片上をコイル絶縁層で埋めた後、前記***層の上面、前記コイル絶縁層の上面、バックギャップ層の上面及び接続層の上面が同じ平坦化面となるように研削工程を施すことが可能である。
この結果、前記(e)工程では平坦化された前記コイル絶縁層、***層及びバックギャップ層上に、***層とバックギャップ層間を繋ぐ磁層を形成でき、前記磁層を所定の形状にて形成することが可能になるとともに、前記コイル絶縁層の上面と同じ平坦化面上に前記接続層の上面も露出しているため、前記(f)工程で前記第2コイル片のトラック幅方向における端部と前記接続層の上面とを確実且つ容易に電気的に接続させることが可能である。
また、本発明では、前記(c)工程で、前記***層、バックギャップ層及び接続層を同じ材質で且つ同時に形成しているので、製造工程の迅速化、及び前記接続層の形成を容易化でき
前記(f)工程に代えて以下の工程を有するものであってもよい。
(g)前記接続層上に、前記磁層の上面よりも高い位置にまで延びる上側接続層を形成する工程と、
(h)前記磁層上及び前記上側接続層上を絶縁層で覆い、前記上側接続層の上面と前記絶縁層の上面が同じ平坦化面になるまで、前記絶縁層及び前記上側接続層を削る工程と、
(i)前記絶縁層の平坦化面上に、前記磁層上を横断する複数本の第2コイル片を形成するとともに、各第2コイル片のトラック幅方向における端部を、前記平坦化面から露出した前記上側接続層の上面に接続して、隣りあう前記第1コイル片の端部どうしを、前記第2コイル片を介して接続してトロイダル状に巻回するコイル層を形成する工程。
この発明では、前記上側接続層の上面が、前記磁層上を覆う絶縁層の上面と同じ平坦化面になるまで研削工程を施しており、この結果、前記第2コイル片を平坦化面上に形成できるとともに、前記第2コイル片と第1コイル片との端部間を上部接続層及び接続層を介して確実且つ容易に電気的に接続させることが可能になっている。
以上、詳細に説明した本発明によれば、下部コア層、***層及びバックギャップ層で囲まれた空間内に第1コイル片を形成し、前記第1コイル片上を覆うコイル絶縁層の上面を平坦化面で形成しているとともに、この平坦化面と同一面上に前記第1コイル片の端部から突出形成された接続層の上面を露出させている。
従って前記コイル絶縁層の上に形成される磁極層を平坦化面上に形成できるため、前記磁極層を所定形状に形成でき、この結果、トラック幅Twを所定の寸法で形成することが可能であり、さらに前記磁極層上に形成される第2コイル片と前記コイル絶縁層の上面から露出する接続層の上面とを確実且つ容易に接続させることができる。また前記磁極層上に形成される絶縁層を平坦化面とし、この平坦化面から前記接続層(下側接続層)と電気的に接続する上側接続層の上面を露出させることもでき,かかる場合、前記第2コイル片を平坦化面上に形成でき、前記第2コイル片を所定形状に形成できるとともに、前記第2コイル片と前記上側接続層の上面とをより確実且つ容易に接続させることが可能となる。
また、前記第1コイル片間及び/または前記第2コイル片間の、ハイト方向に隣りあう端部と端部の距離を本発明のように大きくすることによって、前記第1コイル片の端部と前記第2コイル片の端部の接続を容易かつ確実に行える。
なお、前記複数本の第1コイル片及び/または前記第2コイル片が、前記磁極層と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位を有することによって、前記コイル層から前記磁極層に誘導される磁界が安定する。
図1は、本発明における第1実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分縦面図、図2は図1に示す薄膜磁気ヘッドから***層32、保護層60、MRヘッド等を図面上除き、最も記録媒体との対向面側に形成された第1コイル片及び第2コイル片等を記録媒体との対向面側から見た部分正面図、図3は図1に示す薄膜磁気ヘッドのコイル構造の部分平面図、図4は図1に示す薄膜磁気ヘッドの一部の構造を示した部分拡大斜視図である。
なお以下では図示X方向をトラック幅方向と呼び、図示Y方向をハイト方向と呼ぶ。また図示Z方向は記録媒体(磁気ディスク)の進行方向である。また薄膜磁気ヘッドの前端面(図1に示す最左面)を「記録媒体との対向面」と呼ぶ。さらに各層において「前端面」とは図1における左側の面を指し「後端面」とは図1における右側の面を指す。
また図面を用いて説明する薄膜磁気ヘッドは、記録用ヘッド(インダクティブヘッドとも言う)と再生用ヘッド(MRヘッドとも言う)とが複合された薄膜磁気ヘッドであるが、記録用ヘッドのみで構成された薄膜磁気ヘッドであってもよい。
符号20はアルミナチタンカーバイト(Al23−TiC)などで形成された基板であり、前記基板20上にAl23層21が形成されている。
前記Al23層21上には、NiFe系合金やセンダストなどで形成された下部シールド層22が形成され、前記下部シールド層22の上にAl23などで形成された下部ギャップ層23が形成されている。
前記下部ギャップ層23の上の記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さでスピンバルブ型薄膜素子などのGMR素子に代表される磁気抵抗効果素子24が形成され、前記磁気抵抗効果素子24のトラック幅方向(図示X方向)の両側にはハイト方向(図示Y方向)に長く延びる電極層25が形成されている。
前記磁気抵抗効果素子24上及び電極層25上にはAl23などで形成された上部ギャップ層26が形成され、前記上部ギャップ層26上にはNiFe系合金などで形成された上部シールド層27が形成されている。
前記下部シールド層22から前記上部シールド層27までを再生用ヘッド(MRヘッドとも言う)と呼ぶ。
図1に示すように前記上部シールド層27上には、Al23などで形成された分離層28が形成されている。なお前記上部シールド層27及び分離層28が設けられておらず、前記上部ギャップ層26上に次の下部コア層29が設けられていてもよい。かかる場合、前記下部コア層29が上部シールド層をも兼ね備える。
図1では、前記分離層28の上に下部コア層29が形成されている。前記下部コア層29はNiFe系合金などの磁性材料で形成される。前記下部コア層29は記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法で形成される。前記下部コア層29の後端面29aよりもハイト方向後方及び前記下部コア層29のトラック幅方向(図示X方向)における両側には非磁性絶縁材料層31が設けられている。図1に示すように前記下部コア層29及び非磁性絶縁材料層31の各層の表面は連続した平坦化面である。
前記下部コア層29上には記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)にかけて所定の長さ寸法L1(図4を参照)で形成された***層32が形成されている。さらに前記***層32のハイト方向後端面32aからハイト方向(図示Y方向)に所定距離離れた位置にバックギャップ層33が前記下部コア層29上に形成されている。
前記***層32及びバックギャップ層33は磁性材料で形成され、前記下部コア層29と同じ材質で形成されてもよいし、別の材質で形成されていてもよい。また前記***層32及びバックギャップ層33は単層であってもよいし多層の積層構造で形成されていてもよい。前記***層32及びバックギャップ層33は前記下部コア層29に磁気的に接続されている。
図1に示すように、前記***層32とバックギャップ層33間の下部コア層29上にはコイル絶縁下地層34が形成され、前記コイル絶縁下地層34上には、図3に示すようにトラック幅方向(図示X方向)に平行に延び、且つ互いに平行に形成された複数本の第1コイル片55がハイト方向に並んで形成されている。なお各第1コイル片55はトラック幅方向(図示X方向)からハイト方向に傾斜して延びていてもよい。
前記第1コイル片55上はAl23などの無機絶縁材料で形成されたコイル絶縁層36で埋められている。図1に示すように前記***層32の上面、コイル絶縁層36の上面、及びバックギャップ層33の上面は図1に示す基準面Aに沿った連続した平坦化面となっている。
図2及び図3に示すように、前記第1コイル片55のトラック幅方向(図示X方向)における端部55a上には導電性を有する接続層61が突出形成されている。前記接続層61の平面形状(すなわちX−Y平面と平行な方向から切断した面の形状)には図3のような楕円形状や円形状、正方形、長方形、菱形等、種々の形状を選択できる。また前記接続層61は後述するように前記***層32やバックギャップ層33と同じ材質で形成されていることが製造工程上好ましいが、前記***層32やバックギャップ層33とは別の材質で形成されていてもよい。また前記接続層61は単層構造であってもよいし多層の積層構造であってもよい。また前記接続層61は前記第1コイル片55の端部55aと電気的に接続された状態にあるが、「電気的に接続」とは直接的な接続、間接的な接続を問わず、2層間に電気が通る状態になっていればよいことを意味する。以下同じである。
また前記接続層61は図3を見てわかるように、最も記録媒体との対向面側寄りに形成された第1コイル片55には図示上側の端部上にだけ前記接続層61が設けられているが、それ以外の第1コイル片55にはトラック幅方向(図示X方向)の両側端部上に前記接続層61が設けられている。
図2に示すように各第1コイル片55のトラック幅(図示X方向)における端部55a上に形成された接続層61の上面61aは上記した基準面Aと同一面上で形成される。すなわち図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記***層32の上面、コイル絶縁層36の上面、バックギャップ層33の上面及び接続層61の上面61aが全て同じ平坦化面で形成されている。
図1に示すように前記***層32及びコイル絶縁層36の平坦化面上には、前記記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の距離離れた位置からハイト方向に向けてGd決め層38が形成されている。
図1に示す実施形態では前記Gd決め層38の前端面38aは、***層32上にあり、また前記Gd決め層38の後端面38bはコイル絶縁層36上にある。
また図1に示すように、記録媒体との対向面から前記Gd決め層38の前端面38aまでの***層32上、前記Gd決め層38の後端面38bよりハイト方向のコイル絶縁層36上、及び前記バックギャップ層33上に、下から下部磁極層39及びギャップ層40が形成されている。前記下部磁極層39及びギャップ層40はメッキ形成されている。
また図1に示すように前記ギャップ層40上及びGd決め層38上には、本発明における磁性層である上部磁極層41がメッキ形成され、さらに前記上部磁極層41上には上部コア層42がメッキ形成されている。前記上部磁極層41は、前記バックギャップ層33を介して、前記下部コア層29と直接的あるいは間接的に接続されている。前記下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41が本発明の積層構造である。
この実施の形態では、前記下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42の4層で積層体62が構成されている。
図1及び図2に示すように前記上部コア層42の上には、例えばAl23などの絶縁材料で形成された絶縁層58が形成されている。前記絶縁層58は無機絶縁材料で形成されていることが好ましい。この絶縁層58は前記積層体62のトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がるコイル絶縁層36上にも形成されている。また図2に示すように、前記絶縁層58のトラック幅方向(図示X方向)における両側端部上から前記積層体62のトラック幅方向における両側にかけてレジストなどの有機絶縁材料で形成された絶縁層63が形成されている。無機絶縁材料で形成された絶縁層58はスパッタ法などで形成され、前記絶縁層58を有機絶縁材料で形成された絶縁層63に比べて薄い膜厚で形成することができるため、積層体62と次に説明する第2コイル片56とを距離的に近づけることができ磁化効率を向上させることができるとともに、前記積層体62のトラック幅方向における両側で、前記積層体62と第2コイル片56間の絶縁を良好に保つことが可能である。
図1ないし図3に示すように前記絶縁層58、63の上に、トラック幅方向(図示X方向)からハイト方向(図示Y方向)に傾斜して延び、且つ互いに平行に形成された複数本の第2コイル片56がハイト方向に並んで形成されている。各第2コイル片56はトラック幅方向(図示X方向)に平行な方向に延びて形成されていてもよい。
図3に示すように、前記第1コイル片55と第2コイル片56とは互いに非平行の関係にあり、図2及び図3に示すように、積層体62の膜厚方向(図示Z方向)で対向する第1コイル片55のトラック幅方向における左側端部55aと第2コイル片56のトラック幅方向における左側端部56aとが接続部61を介して電気的に接続されている。なお図2の図示右側に示した点線の接続部61は、図面上見えている第1コイル片55の一つ後ろ側(図示Y方向)に位置する第1コイル片55の右側端部と、図面上見えている第2コイル片56の右側端部56bとを電気的に接続している。
このように図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記積層体62の膜厚方向の上下で対向する第1コイル片55のトラック幅方向における端部と第2コイル片56のトラック幅方向における端部とが接続部61を介して電気的に接続されてトロイダル状のコイル構造57が形成されている。
なお図1に示す符号60の層はAl23などで形成された保護層であり、また図1や図3に示す符号59の層は引出し層である。前記引出し層59は最もハイト寄りに形成された第2コイル片56と一体に繋がって形成されている。
図1に示す薄膜磁気ヘッドの特徴的部分について以下に説明する。
図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、複数本の第1コイル片55が、前記下部コア層29、***層32及びバックギャップ層33で囲まれた空間内に形成されている。前記下部コア層29上に***層32及びバックギャップ層33を***形成することで前記第1コイル片55を形成することができる空間を適切に形成している。特に前記***層32及びバックギャップ層33はメッキ形成されていることが、前記***層32及びバックギャップ層33の膜厚を厚く形成できるから、前記下部コア層29、***層32及びバックギャップ層33で囲まれる空間を広く取ることができ、前記第1コイル片55を所定の膜厚で形成しやすい。
各第1コイル片55のトラック幅方向における端部55aからは接続層61が突出形成されているが、この接続層61の上面は前記***層32の上面、バックギャップ層33の上面及びコイル絶縁層36の上面と同一平面上に形成されているため、前記平坦化面上から前記接続層61の上面が露出した状態になっている。
このため図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記***層32、コイル絶縁層36及びバックギャップ層33上に形成される積層体62を前記平坦化面上に形成することができ、前記積層体62を所定形状で形成することが可能になるため、前記積層体62のうち上部磁極層41の記録媒体との対向面でのトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法で決定されるトラック幅Twを所定寸法に高精度に形成することができる。この実施形態では前記トラック幅Twを0.1μm〜0.3μmの範囲内で形成することができる。
しかも図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記コイル絶縁層36と同一の平坦化面から前記接続層61の上面61aが露出しているから、前記接続層61の上に前記第2コイル片56のトラック幅方向(図示X方向)における端部を確実且つ容易に電気的に接続させることが可能であり、前記第1コイル片55と第2コイル片56間の電気的な接触不良を抑制することができる。
また上記のようにコイル絶縁層36の上面、***層32の上面、バックギャップ層33の上面及び接続層61の上面を全て同じ平坦化面で形成することで、薄膜磁気ヘッド全体の薄型化を促進させることができる。
また前記***層32上とバックギャップ層33上間を膜面と平行な直線状の前記積層体62で結んで磁路長を形成するため、短磁路化を実現できる。磁路長を短くできるので磁界反転速度を上げることができ、高周波特性に優れた薄膜磁気ヘッドを形成することができる。
また前記第1コイル片55及び第2コイル片56は導電性に優れたCuやAuなどで形成されるが、前記接続層61は前記第1コイル片55及び第2コイル片56と同じ材質で形成されなくてもよく、導電性を有する材質であれば磁性材料などであってもよい。前記接続層61は好ましくは***層32と同じ磁性材料で形成されており、この結果、前記接続層61は前記***層32やバックギャップ層33と同じ工程時に形成できるため製造工程の迅速化を図ることが可能である。
また上記したように前記コイル絶縁層36の上面は平坦化面とされるが、これを実現するには前記コイル絶縁層36はAl23やSiO2などの無機絶縁材料で形成されることが好ましい。
次に前記積層体62の形状について以下に説明する。図4に示す前記積層体62の斜視図は一例である。図4では、下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42の平面形状は、記録媒体との対向面でトラック幅方向(図示X方向)に一定の幅寸法を有し、ハイト方向(図示Y方向)に向けてこの幅寸法を保ちながら延びる先端部Bと、この先端部Bの両側基端B1、B1からハイト方向(図示Y方向)に向けてトラック幅方向への幅が徐々に広がる後端部Cとで構成されている。上記したように上部磁極層41の記録媒体との対向面のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法でトラック幅Twが規制される。
なお前記先端部Bは、記録媒体との対向面からハイト方向に向けて徐々にトラック幅方向への幅寸法が広がる形状であってもよい。かかる場合、前記先端部Bの両側基端B1からはハイト方向へさらにトラック幅方向への幅寸法が広がった後端部Cが形成される。
図4に示すようにギャップデプス(Gd)は、前記ギャップ層40の上面40aの記録媒体との対向面から前記Gd決め層38に突き当たるまでのハイト方向(図示Y方向)への長さで決められる。
次に下部磁極層39及び上部磁極層41の材質について説明する。前記下部磁極層39及び上部磁極層41は、上部コア層42や下部コア層29、***層32及びバックギャップ層33よりも高い飽和磁束密度Bsを有していることが好ましい。ギャップ層40に対向する下部磁極層39および上部磁極層41が高い飽和磁束密度を有していることにより、ギャップ近傍に記録磁界を集中させ、記録密度を向上させることが可能になる。
また図1に示すように、前記下部磁極層39及び上部磁極層41はGd決め層38よりもさらにハイト方向(図示Y方向)の後方に延びており、第1コイル片55及び第2コイル片56に近い位置に飽和磁束密度Bsの高い領域を設けることができる。このため磁束効率を向上させることができ、記録特性に優れた薄膜磁気ヘッドを製造することが可能になる。
また図1に示すギャップ層40は、非磁性金属材料で形成されて、下部磁極層39上にメッキ形成される。前記非磁性金属材料として、NiP、NiReP、NiPd、NiW、NiMo、NiRh、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましく、ギャップ層40は、単層構造でも多層構造で形成されていてもどちらであってもよい。
なお図1に示す積層体62は下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42の4層構造であるが、下部磁極層39、ギャップ層40及び上部磁極層41の3層構造であってもよい。
図5ないし図7は、いずれも図2に示す薄膜磁気ヘッドの部分正面図とは異なる形態のものである。図5ないし図7は、薄膜磁気ヘッドを構成するMRヘッド、***層32及び保護層60等を図面から削除し、最も記録媒体との対向面側に形成された第1コイル片及び第2コイル片等を示した部分正面図である。
図5に示す薄膜磁気ヘッドでは、図2と異なり、前記積層体62の上面から側面にかけて有機絶縁材料で形成された絶縁層63が形成されており、図2のように無機絶縁材料で形成された絶縁層58を前記積層体62の上面にスパッタ成膜していない。それ以外の部分はすべて図2と同じであるため、図5に示す薄膜磁気ヘッドにおいても、前記接続層61の上面61aは前記***層32の上面、バックギャップ層33の上面及びコイル絶縁層36の上面と同一平面上に形成されており、その結果、前記積層体62を前記平坦化面上に形成することができ、前記積層体62を所定形状で形成することが可能になっている。
また前記コイル絶縁層36と同一の平坦化面から前記接続層61の上面61aが露出しているから、前記接続層61の上に前記第2コイル片56のトラック幅方向(図示X方向)における端部を確実且つ容易に電気的に接続させることができる。
図6に示す薄膜磁気ヘッドでは、基準面Aよりも下の層の構成は図2と同じである。すなわち下部コア層29、***層32及びバックギャップ層33に囲まれた空間内に複数本の第1コイル片55が設けられ、この第1コイル片55のトラック幅方向(図示X方向)における端部55aから突出形成された接続層(以下では下側接続層という)61の上面61aが、前記***層32の上面、コイル絶縁層36の上面及びバックギャップ層33の上面と同一平面上で形成されている。
図6では前記積層体62は平坦化面の***層32の上面、コイル絶縁層36の上面及びバックギャップ層33の上面に所定形状で高精度に形成されており、さらに前記積層体62のトラック幅方向(図示X方向)の両側には、前記下側接続層61と電気的に接続する第1持ち上げ層70が形成されている。
この第1持ち上げ層70は、例えば前記積層体62の形成と同時に前記積層体62と同じ材質を用いてメッキ形成される。このため前記第1持ち上げ層70の上面70aは前記積層体62の上面62aと同じ高さ位置で形成される。また前記積層体62は下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42の4層構造であるため、前記第1持ち上げ層70もこれらの4層構造で形成される。この実施の形態では前記ギャップ層40を導電性のNiPでメッキ形成しているため、前記第1持ち上げ層70を前記積層体62の形成と同時に前記積層体62と同じ材質を用いてメッキ形成することが可能になっている。
前記第1持ち上げ層70の上にはCuなどの導電性の第2持ち上げ層71が形成され、前記第2持ち上げ層71と第1持ち上げ層70とが電気的に接続されている。この実施の形態では、前記第1持ち上げ層70の図示X−Y平面と同一平面での面積が、前記下側接続層61の図示X−Y平面と同一平面での面積及び第2持ち上げ層71の図示X−Y平面と同一平面での面積に比べて大きくなっているが、これらの層の前記面積の大小関係は特に制限されない。
図6では前記第1持ち上げ層70と第2持ち上げ層71の2層で上側接続層72が構成されている。
図6に示すように前記積層体62の上面及びトラック幅方向における側面がAl23などの無機絶縁材料で形成された絶縁層73で覆われており、またこの絶縁層73は前記上側接続層72の周囲にも形成されている。
図6に示すように前記絶縁層73の上面73aと前記上側接続層72の上面72aは基準面Fに沿った同じ平坦化面で形成されている。
そして平坦化された前記絶縁層73上及び上側接続層72上に、トラック幅方向(図示X方向)に平行にあるいはトラック幅方向からハイト方向(図示Y方向)に傾斜して延びるとともに前記第1コイル片55と非平行を成し、且つ互いに平行に形成された複数本の第2コイル片56がハイト方向に並んで形成されている。
図6に示すように前記第2コイル片56のトラック幅方向(図示X方向)における端部56a、56bは前記上側接続層72の上面72aと電気的に接続し、これによって第1コイル片55、下側接続層61、上側接続層72及び第2コイル片56から成るトロイダル状のコイル構造が形成されている。
図6に示す形態では、前記下側接続層61と電気的に接続する前記上側接続層72を設け、前記積層体62上を覆う絶縁層73の上面73aを平坦化面で形成するとともに、この平坦化面と同一面に前記上側接続層72の上面72aを露出させている。
従って前記第2コイル片56を平坦化された絶縁層73の上に形成できるため、前記第2コイル片56を所定形状で形成できるとともに、図2や図5のように前記第2コイル片56のトラック幅方向における両側を下方に屈曲させて基準面Aから露出する接続層(下側接続層)61の上面と前記第2コイル片56とを接続させるよりも、前記第2コイル片56が形成される位置と同位置まで前記接続層を持ち上げ、前記上側接続層72の上面72aを基準面Fから露出させることで、前記第2コイル片56のトラック幅方向における端部56a、56bと前記上側接続層72との電気的な接続をより確実且つ容易に行うことが可能になっている。また図6のような形態にすることで前記第2コイル片56と積層体62間の絶縁性もより好ましいものになる。
図7は図6に示すコイル構造の変形例であり、図7では前記下側接続層61と電気的に接続する上側接続層72を単層構造で形成している。前記上側接続層72はCuなどの導電性材料で形成される。この図7でも図6と同様に前記上側接続層72の上面72aを前記積層体62の上面を覆う絶縁層73の上面73aと同一の平坦化面とし、前記平坦化面から前記上側接続層72の上面72aを露出させている。このため前記第2コイル片56を所定形状で形成できるとともに、前記第2コイル片56のトラック幅方向における端部56a、56bと前記上側接続層72との電気的な接続をより確実且つ容易に行うことが可能になっている。
なお前記上側接続層72の構造は図6のように2層の積層構造や図7の単層構造に限定されるものではなく3層以上の積層構造であってもよい。
また図6及び図7に示す実施の形態では、共に積層体62下のコイル絶縁層36の上面と下側接続層61の上面とが基準面Aに沿った同一の平坦化面で形成されているが、前記コイル絶縁層36の上面と下側接続層61の上面との形成位置関係を限定せず、少なくとも前記積層体62上を覆う絶縁層73の上面73aと上側接続層72の上面72aとが同一の平坦化面で形成された形態であってもよい。
図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を図8ないし図16に示す製造工程図を用いて以下に説明する。なお図1に示す下部コア層29から第2コイル片56までの各層の形成方法について説明する。また図8ないし図16に示す製造工程図は製造途中の薄膜磁気ヘッドの縦断面図(すなわち図示Y−Z平面と平行な平面から切断した断面図)である。
図8に示す工程では、NiFe系合金等からなる下部コア層29をメッキ形成し、前記下部コア層29のハイト側後端面よりもハイト方向(図示Y方向)や前記下部コア層29のトラック幅方向(図示X方向)の両側をAl23などの非磁性絶縁材料層31によって埋めた後、CMP技術等を用いて前記下部コア層29表面及び非磁性絶縁材料層31表面を研磨加工し、平らな面とする。
次に図9に示す工程では、前記下部コア層29表面及び非磁性絶縁材料層31表面にAl23などのコイル絶縁下地層34をスパッタ等で形成する。次に前記コイル絶縁下地層34上に第1コイル片55をパターン形成する。前記第1コイル片55はCuなどの非磁性導電材料でメッキ形成されたものである。
前記第1コイル片55は複数本設けられ、各第1コイル片55はトラック幅方向(図示X方向)に平行にあるいはトラック幅方向(図示X方向)からハイト方向(図示Y方向)に傾斜して延び、且つ互いに平行に形成されている。その後、次工程で形成される***層32及びバックギャップ層33が形成される領域のコイル絶縁下地層34を除去する。
次に図10に示す工程では、前記コイル絶縁下地層34上にレジスト層75を塗布し、このレジスト層75に露光現像により穴部75a、75bを形成する。前記穴部75aは、記録媒体との対向面から前記第1コイル片55のうち最も前記対向面寄りの前記第1コイル片55の前端面付近まで、前記穴部75bは、前記下部コア層29の基端部付近に設けられ、穴部75aから露出する前記下部コア層29上に***層32をメッキ形成し、同じ工程時に、前記穴部75b内から露出する前記下部コア層29の基端部上にバックギャップ層33をメッキ形成する。前記***層32及びバックギャップ層33と下部コア層29間にはコイル絶縁下地層34は無く、これらの層は磁気的に接続された状態になっている。
図11は、図10とは別の部分を切断して示した薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図である。図11は例えば前記第1コイル片55のトラック幅方向(図示X方向)における右側端部付近をY−Z平面と平行な方向に切断した部分縦断面図である。
図11に示す工程は図10に示される工程の後、コイルメッキシード膜を残した状態で行われるものであり、図11に示すように前記レジスト層75には前記第1コイル片55のトラック幅方向における端部にまで貫通する穴部75cが露光現像によって形成されており、前記穴部75cから前記第1コイル片55のトラック幅方向における端部の上面が露出している。
そしてCu、Au、Ni、Cu/Ni、NiFeを用いて図11に示す穴部75c内に接続層61をメッキ形成する。その後、コイルメッキシード膜を除去する。
このように図10及び図11工程によれば、前記***層32、バックギャップ層33及び接続層61をコイルメッキシード膜を利用して形成でき、これによって製造工程の迅速化を図ることができ、また前記接続層61の形成を容易化することができる。なお前記接続層61の形成は、前記***層32及びバックギャップ層33の形成よりも前あるいは後に、別の工程を用いて行ってもよい。
次に前記レジスト層75を除去する。そして図12に示す工程では、前記第1コイル片55上、前記***層32上及びバックギャップ層33上をAl23などのコイル絶縁層36で覆う。前記コイル絶縁層36をスパッタ等で形成する。またこの際、図13に示すように前記コイル絶縁層36によって前記第1コイル片55のトラック幅方向の端部上に形成された接続層61上も覆う。
そして図12及び図13に示すD−D線まで前記コイル絶縁層36、***層32、バックギャップ層33及び接続層61をX−Y平面と平行な方向からCMP技術等を用いて削り込む。削り込みを終了した時点を示したのが図14である。
図14では***層32の上面、コイル絶縁層36の上面、バックギャップ層33の上面、さらには図示されていないが前記接続層61の上面が基準面Aに沿った平坦化面として形成される。そして図14に示すように第1コイル片55は、前記コイル絶縁層36内に完全に埋められた状態になっている。なお前記研削加工を適切に行うには前記コイル絶縁層36がAl23などの無機絶縁材料で形成されていることが必要である。例えば前記コイル絶縁層36が有機絶縁材料で形成された場合、上記の研削加工を施しても前記有機絶縁材料のねばり気によって適切に削り込むことができず平坦化加工を行うことが難しいからである。
次に図15工程では、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定距離だけ離れた位置にGd決め層38を形成する。前記Gd決め層38は無機絶縁材料や有機絶縁材料で形成される。
次に図16に示す工程では、メッキに必要な例えばNiFe合金やFeCo合金から成るメッキシード膜(図示しない)を形成した後、例えば平面形状が図4に示す先端部Bと後端部Cとからなるパターン65aが設けられたレジスト層65を形成し、このパターン65a内に下から下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42を連続してメッキ形成する。
前記下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42の平面形状は、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に向けて細長形状の先端部Bと、この先端部Bの両側基端B1からハイト方向にトラック幅方向(図示X方向)が広がる後端部Cとで構成されている。またこのとき前記上部磁極層41の前記対向面でのトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法でトラック幅Twが規制される。そして前記レジスト層65を除去する。
この図16工程では、前記下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42からなる積層体62を、平坦化されたコイル絶縁層36上、***層32上及びバックギャップ層33上に形成できる点で効果的である。すなわち前記積層体62を前記コイル絶縁層36上、***層32上及びバックギャップ層33上に所定形状に高精度に形成でき、これにより、前記トラック幅Twを所定寸法で形成することが可能である。
また図16の工程の次には、図2で示す絶縁層58、63を形成し、有機絶縁材料で形成された絶縁層63に露光現像で穴部を空けて前記穴部内から前記接続層61の上面61aを露出させた後、前記絶縁層58、63上から前記接続層61の上面61aにかけて第2コイル片56をパターン形成する。前記第2コイル片56は例えばCuなどの非磁性導電材料でメッキ形成される。また前記第2コイル片56は複数本設けられ、各第2コイル片56はトラック幅方向(図示X方向)に平行にあるいはトラック幅方向からハイト方向(図示Y方向)に傾斜して延びるとともに前記第1コイル片55と非平行を成し、且つ互いに平行に形成されたものである。
上記した製造方法によれば図12及び図13工程でCMP技術等を用いて、基準面Aに沿って、コイル絶縁層36、***層32、バックギャップ層33及び接続層61の上面を同じ平坦化面として形成しているため、前記接続層61の上面61aは前記平坦化面から露出した状態にあり、そのため前記第2コイル片56のトラック幅方向(図示X方向)における端部56a、56bを前記接続層61の上面61aに確実且つ容易に接続させやすくなっている。
図17ないし図19は、図6に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図であり、図面から***層32等を削除して示した部分正面図である。
基準面Aまでの製造工程は上記した通りである。図17工程では平坦化されたコイル絶縁層36の上面、***層32の上面及びバックギャップ層33の上面に積層体62をメッキ形成すると同時に同じ材質で第1持ち上げ層70を前記基準面Aから露出した接続層61の上面61aにメッキ形成する。なお図17には図示していないが、図16工程で使用されるレジスト層65に露光現像によって前記第1持ち上げ層70を形成するための穴部を設け、その穴部内に前記第1持ち上げ層70をメッキ形成していく。
さらに上記したレジスト層65を除去し、新たなレジスト層76を前記積層体62上、コイル絶縁層36上及び第1持ち上げ層70上に塗布した後、露光現像によって前記レジスト層76に前記第1持ち上げ層70の上面にまで貫通する穴部76aを設け、この穴部内に第2持ち上げ層71をメッキ形成していく。
また図17工程で第1持ち上げ層70の形成を行わず、図18工程で前記レジスト層76に前記接続層(下側接続層)61の上面61aにまで貫通する穴部を設け、この穴部内に単層の上側接続層72をメッキ形成してもよい。かかる場合、完成した薄膜磁気ヘッドの部分正面図は図7と同じになる。
なお少なくとも前記上側接続層72の上面は、前記積層体62の上面よりも高い位置になくてはならない。
次に図18に示すレジスト層76を除去した後、図19工程では、前記積層体62の上面、コイル絶縁層36の上面及び上側接続層72の上面をAl23などの無機絶縁材料からなる絶縁層73で覆い、前記絶縁層73及び上側接続層72をCMP技術等を用いて図面のE−E線まで削り、前記絶縁層73の上面と上側接続層72の上面を同じ平坦化面に加工する。この研削工程で前記積層体62の上面が露出してはいけない。なお前記研削加工を適切に行うには前記絶縁層73がAl23などの無機絶縁材料で形成されていることが必要である。例えば前記絶縁層73が有機絶縁材料で形成された場合、上記の研削加工を施しても前記有機絶縁材料のねばり気によって適切に削り込むことができず平坦化加工を行うことが難しいからである。
図19工程で前記積層体62は前記絶縁層73に完全に覆われた状態になるとともに、平坦化された前記絶縁層73の表面と同一面から前記上側接続層72の上面72aが露出した状態になる。
次に前記絶縁層73上及び前記上側接続層72の上面72aに前記第2コイル片56をパターン形成するが、図19の工程のように前記積層体62上を覆う絶縁層73を平坦化面とすることで、その上に形成される前記第2コイル片56を平坦化面上に形成でき、前記第2コイル片56を所定形状で形成することが可能になる。しかも前記絶縁層73と同一面上に上側接続層72の上面72aが露出することから、前記第2コイル片56のトラック幅方向における端部を図2や図5のように屈曲させなくても、前記上側接続層72の上面72aに前記第2コイル片56の端部を設置することができ、従ってより確実且つ容易に前記第2コイル片56のトラック幅方向における端部と前記上側接続層72の上面72aとを電気的に接続させることが可能である。
図20は本発明の第5実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分縦断面図である。図20に示す薄膜磁気ヘッドは図1に示す薄膜磁気ヘッドとほぼ同様の構造で構成されている。したがって、図20に示す薄膜磁気ヘッドの構造部分のうち、図1に示す薄膜磁気ヘッドと同様の構造部分には同様の符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図20に示す薄膜磁気ヘッドでは、第1コイル片455の上面が図20に示す基準面Aに形成されており、***層32の上面、第1コイル片455の上面、コイル絶縁層36の上面、バックギャップ層33の上面が、前記基準面Aに沿った連続した平坦化面となっている。
前記平坦化面上には、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定距離離れた位置からハイト方向に向けてGd決め層438が形成されている。前記Gd決め層438の前端面438aは図1に示す薄膜磁気ヘッドと同様に前記***層32上に位置し、また前記Gd決め層の後端面438bは前記バックギャップ層33上に位置するように形成されている。あるいは、前記Gd決め層の後端面438bは前記ギャップ層33の上面と前記前端面33aとの境界部33b上に位置するように構成しても良い。
図20に示す薄膜磁気ヘッドでは、第1コイル片455の上部に前記Gd決め層438が形成されており、このGd決め層438は有機絶縁材料または無機絶縁材料で形成されている。したがって、第1コイル片455の上面を前記基準面Aまで延ばしてGd決め層438の下面に接触するように形成しても、第1コイル片455と積層体62を絶縁することができる。したがって、第1コイル片455の断面積を大きくすることができ、抵抗を小さくすることが可能となる。
図21は図20に示す薄膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側からみた正面図である。この正面図は、図7に示される薄膜磁気ヘッドの正面図と類似している。なお、図21では、前記***層32を図示せずに、前記***層32の後方にある第1コイル片455を図示している。
本実施の形態のように、第1コイル片455の上面が***層32の上面、コイル絶縁層36の上面、バックギャップ層33の上面との同一面である、前記基準面Aに沿った平坦化面上に位置していると、第1コイル片455と上側接続層72とを直接接続させることができる。従って、図7に示される薄膜磁気ヘッドにおいて、第1コイル片34を上側接続層72と接続するための、接続層61を省略でき、接続部の数が減少してコイル層全体の抵抗値が減る。従って、発熱量も減少して、薄膜磁気ヘッドの記録媒体との対向面の熱膨張量あるいは突出量を低減でき、低浮上量の磁気ヘッドを提供することができる。
なお、図21では、上側接続層72の形状を図7に示された薄膜磁気ヘッドと同様のものとしたが、上側接続層72が図6に示された薄膜磁気ヘッドと同様のものであってもよい。また、上側接続層72が省略され、第1コイル片455と第2コイル片56が直接接続されてもよい。
なお、本発明のコイル層は、図3に示されるような、複数の第1コイル片55が互いに平行になっており、複数の第2コイル片56も互いに平行になっているものに限られない。
すなわち、本発明では、第1コイル片が下部コア層29、***層32及びバックギャップ層33で囲まれた空間内に、積層体62と交叉する方向に伸長して形成され、第2コイル片が積層体62上を横断して形成され、隣りあう前記第1コイル片の端部どうしが、前記第2コイル片を介して接続されることにより前記トロイダル状に巻回するコイル層が形成されていればよい。
図22ないし図26は、本発明の薄膜磁気ヘッドに適用できる第1コイル片及び第2コイル片の平面構造を示すための平面図である。
図22には、薄膜磁気ヘッドの積層体62とコイル層90のみ示している。図22に示される薄膜磁気ヘッドは、図1に示される薄膜磁気ヘッドとほぼ同じ構造を有しており、コイル層の構造のみ異なっている。
すなわち、図22に示される薄膜磁気ヘッドのコイル層90を構成している複数の第1コイル片80は互いに平行に形成されておらず、また、複数の第2コイル片81も、積層体62と重なっている部位81bは互いに平行になっているが、積層体62のトラック幅方向(図示X方向)の両側の部位は、端部81aに向うにつれてハイト方向(図示Y方向)間距離が大きくなるように広がっている。
なお、図22では、積層体62の下に形成される前記第1コイル片80を点線で示し、積層体62の上に形成される前記第2コイル片81を実線で示している。
図2及び図4に示される構造と同様に、前記第2コイル片81のトラック幅方向(図示X方向)における端部81a上には導電性を有する持ち上げ層82が接続されており、持ち上げ層82は前記第1コイル片80の端部と電気的に接続されている。前記第1コイル片80の端部は、前記第2コイル片81の端部81aと重なる位置に形成されており、図22では図示されていない。なお、持ち上げ層82は、図2に示される上側接続層72と同様の構造を有しており、前記接続層61と同様の接続層を介して、前記第1コイル片80の端部に接続された状態になっている。図22に示されるコイル層90も、積層体62の周囲をトロイダル状に巻回する構造である。なお、符号83及び84は、コイル層90の両端部を電極層とつなげるための引き出し層である。
図22では、例えば、図の最も左側に形成されている第2コイル片81と、その右隣にある前記第2コイル片81の、端部81aと端部81a間の距離S1aが、これらの前記第1コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L1aより大きくなっている。
また、図の左から2番目に形成されている第2コイル片81と、その右隣にある前記第2コイル片81の、端部81aと端部81a間の距離S1b及びS1cが、これらの前記第2コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L1bより大きくなっている。さらに、図の最も右側に形成されている第2コイル片81と、その左隣にある前記第2コイル片81の、端部81aと端部81a間の距離S1dが、これらの前記第2コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L1cより大きくなっている。
なお、上記において、端部81aと端部81a間の距離は、端部81aの中心と端部81aの中心間の距離としている。また、前記第2コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離とは、前記第2コイル片を幅方向に2等分する直線間の最小の距離である。
インダクティブ型の薄膜磁気ヘッドでは、磁束が流れる磁気回路の体積を小さくしてインダクタンスを減少させることが好ましい。このため、前記積層体62のハイト方向長さも小さくすることが必要になり、前記第2コイル片81間の前記積層体62に重なる領域における間隔距離L1a、L1b、L1cも小さくなる。このとき、前記第2コイル片81間の、ハイト方向に隣りあう端部81aと端部81aの距離を本発明のように大きくすることによって、端部81aの形成が容易になり、前記第1コイル片80の端部と前記第2コイル片81の端部81aの接続を容易かつ確実におこなえる。
また、前記複数本の第2コイル片81は、前記積層体62と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位81bを有しており、しかも部位81bは、図示トラック幅方向に伸長している。これにより、前記コイル層90から前記積層体62に誘導される磁界が安定する。
図22に示されるコイル層90の構造では、前記複数本の第2コイル片81は、前記積層体62と重なる全て領域において、互いに平行に形成されている。しかし、図23に示されるように、前記複数本の第2コイル片81が、前記積層体62と重なる一部の領域だけ、互いに平行に形成されている部位81bを有するものであっても、前記コイル層90から前記積層体62に誘導される磁界を安定させる効果を奏することができる。
また、本発明では、少なくとも一組の前記第2コイル片81間の、ハイト方向に隣りあう端部81aと端部81aの距離が、これらの前記第2コイル片81間の前記積層体62に重なる領域における最小距離より大きけれぱよい。
例えば、図24に示されるコイル層の構造も本発明の範囲にはいるものである。図24では、図の最も右側に形成されている第2コイル片81と、その左隣にある前記第2コイル片81の、端部81aと端部81a間の距離S1dのみが、これらの前記第2コイル片81間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L1cより大きくなっている。しかし、他の組み合わせの前記第2コイル片81間の、ハイト方向に隣りあう端部81aと端部81aの距離は、これらの前記第1コイル片81間の前記積層体62に重なる領域における最小距離と等しくなっている。
図22から図24では、前記第2コイル片81間の距離を、前記積層体62に重なる領域から、端部81aにかけて広げで大きくすることを説明したが、同様の構成を前記第1コイル片80に適用することも可能である。
図25に、前記第1コイル片80間の距離も、前記積層体62に重なる領域から、前記第1コイル片80の端部にかけて広げて大きくする構成のコイル層91を示す。
図25に示されるコイル層91の第2コイル片81の構造は、図23に示されるコイル層90の第2コイル片81の構造と同じである。図25でば、図23に示されていない、第1コイル片80の端部80aを図示し、第2コイル片81の端部81aの図示を省略している。
図25では、例えば、図の最も左側に形成されている第1コイル片81と、その右隣(中央)にある前記第1コイル片80の、端部80aと端部80a間の距離S2a、S2bが、これらの前記第1コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L2aより大きくなっている。
また、図の左から2番目(中央)に形成されている第1コイル片80と、その右隣(右端)にある前記第2コイル片80の、端部80aと端部80a間の距離S1c及びS1dが、これらの前記第1コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L2bより大きくなっている。
なお、上記においても、端部80aと端部80a間の距離は、端部80aの中心と端部80aの中心間の距離としている。また、前記第1コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離とは、前記第1コイル片を幅方向に2等分する直線間の最小の距離である。
また、前記複数本の第1コイル片80は、前記積層体62と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位80bを有しており、しかも部位80bは、図示トラック幅方向に伸長している。これにより、前記コイル層91から前記積層体62に誘導される磁界が安定する。
なお、第1コイル片80の構造は、図25に示されるもの以外のものでもよい。例えば、第1コイル片80が図22、図24に示された第2コイル片81の構造と相似する形状であってもよい。
また、第1コイル片80のみが本発明の構造をとるもの、すなわち、少なくとも一組の前記第1コイル片80間の距離が、前記積層体62に重なる領域から、前記第1コイル片80の端部にかけて大きくなる構造を有するものも本発明の範囲に含まれる。
なお、図26に示されるコイル層92のように、前記積層体62と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位が形成されないものであってもよい。
図27は、参考例の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分縦面図、図28は図27に示す薄膜磁気ヘッドからMRヘッド、絶縁層536及び保護層561等を図面上除き、磁極端層と、最も記録媒体との対向面側に形成された第1コイル片及び第2コイル片と、これらの層と膜厚方向で対向する各層の構造を記録媒体との対向面側から見た部分正面図である。
前記下部シールド層22から前記上部シールド層27までの再生用ヘッド(MRヘッドとも言う)は、第1実施形態ないし第5実施形態の薄膜磁気ヘッドと同じものである。
図27に示すように前記上部シールド層27上には、Al23などで形成された分離層28が形成されている。なお前記上部シールド層27及び分離層28が設けられておらず、前記上部ギャップ層26上に次の下部コア層529が設けられていてもよい。かかる場合、前記下部コア層529が上部シールド層をも兼ね備える。
図27では、前記分離層28の上に下部コア層529が形成されている。前記下部コア層529はNiFe系合金などの磁性材料で形成される。前記下部コア層529は記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法で形成される。前記下部コア層529の後端面529aよりもハイト方向後方及び前記下部コア層529のトラック幅方向(図示X方向)における両側には非磁性絶縁材料層31が設けられている。図27に示すように前記下部コア層529及び非磁性絶縁材料層31の各層の表面は連続した平坦化面である。
図27に示すように下部コア層529上には、記録媒体との対向面からハイト方向後方に向けて所定の長さ寸法で磁極端層(***層)548が形成されている。磁極端層548はトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法がトラック幅Twで形成されている。トラック幅Twは、例えば0.5μm以下で形成される。
図28に示す形態では、磁極端層548は、下部磁極層549、ギャップ層550、および上部磁極層551の3層膜の積層構造で構成されている。以下、磁極層549、551およびギャップ層550について説明する。
下部コア層529上には磁極端層548の最下層となる下部磁極層549がメッキ形成されている。下部磁極層549は磁性材料を用いて形成され、下部コア層529と磁気的に接続されており、下部磁極層549は、下部コア層529と同じ材質でも異なる材質で形成されていてもどちらでもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。
下部磁極層549上には、非磁性のギャップ層550が積層されている。
ギャップ層550は非磁性金属材料で形成されて、下部磁極層549上にメッキ形成されることが好ましい。非磁性金属材料として、NiP、NiReP、NiPd、NiW、NiMo、NiRh、NiRe、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましく、ギャップ層550は、単層膜で形成されていても多層膜で形成されていてもどちらであってもよい。
次にギャップ層550上には、後述する上部コア層560と磁気的に接続する上部磁極層551がメッキ形成されている。本形態では、上部磁極層551を下層551aと上層551bの積層構造にしている。下層551a及び上層551bは磁性材料によって形成され、下層551aの飽和磁束密度は、上層551bの飽和磁束密度より大きくなっている。
上記したようにギャップ層550が、非磁性金属材料で形成されていれば、下部磁極層549、ギャップ層550および上部磁極層551を連続してメッキ形成することが可能になる。
さらに前記磁極端層548のハイト方向後端面548aからハイト方向(図示Y方向)に所定距離離れた位置にバックギャップ層533が前記下部コア層529上に形成されている。
バックギャップ層533は磁性材料で形成され、前記下部コア層529と同じ材質で形成されてもよいし、別の材質で形成されていてもよい。またバックギャップ層533は単層であってもよいし多層の積層構造で形成されていてもよい。バックギャップ層533は前記下部コア層529に磁気的に接続されている。
バックギャップ層533間の下部コア層529上にはコイル絶縁下地層534が形成され、前記コイル絶縁下地層534上には、トラック幅方向(図示X方向)に平行に延び、且つ互いに平行に形成された複数本の第1コイル片555がハイト方向に並んで形成されている。なお各第1コイル片555はトラック幅方向(図示X方向)からハイト方向に傾斜して延びていてもよい。
前記第1コイル片555上はAl23などの無機絶縁材料で形成されたコイル絶縁層536で埋められている。図27に示すように前記磁極端層548の上面、コイル絶縁層536の上面、及びバックギャップ層533の上面は図27に示す基準面Aに沿った連続した平坦化面となっている。
図28に示すように、前記第1コイル片555のトラック幅方向(図示X方向)における端部555a上には導電性を有する接続層561が突出形成されている。前記接続層561の平面形状(すなわちX−Y平面と平行な方向から切断した面の形状)には楕円形状や円形状、正方形、長方形、菱形等、種々の形状を選択できる。また前記接続層561はバックギャップ層533と同じ材質で形成されていることが製造工程上好ましいが、バックギャップ層533とは別の材質で形成されていてもよい。また前記接続層561は単層構造であってもよいし多層の積層構造であってもよい。また前記接続層561は前記第1コイル片555の端部555aと電気的に接続された状態にあるが、「電気的に接続」とは直接的な接続、間接的な接続を問わず、2層間に電気が通る状態になっていればよいことを意味する。以下同じである。
図28に示すように各第1コイル片555のトラック幅方向(図示X方向)における端部555a上に形成された接続層561の上面561aは上記した基準面Aと同一面上で形成される。すなわち図27に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記磁極端層548の上面、コイル絶縁層536の上面、バックギャップ層533の上面及び接続層561の上面561aが全て同じ平坦化面で形成されている。
図27に示すように下部コア層529上には、前記記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の距離離れた位置からハイト方向に向けてGd決め層538が形成されている。また図27に示すように上部磁極層551の後端部はGd決め層538上に載せられている。ギャップデプス(Gd)は、前記ギャップ層550の記録媒体との対向面から前記Gd決め層538に突き当たるまでのハイト方向(図示Y方向)への長さで決められる。
前記上部磁極層551とバックギャップ層533上には上部コア層(磁性層)560がメッキ形成されている。前記上部コア層560は、バックギャップ層533を介して、前記下部コア層529のハイト側と前記磁極端層548とを接続しており、上部コア層560が本形態の磁性層に相当する。
なお上部磁極層551と上部コア層560と同じ材質で形成されていてもよいが、異なる材質で形成されるほうが好ましい。特に、上部コア層560が前記上部磁極層551の上層551bよりも飽和磁束密度が低いことがより好ましい。上部コア層560の飽和磁束密度は例えば1.4T〜1.9T、前記上部磁極層551の飽和磁束密度は例えば下層が1.9T〜2.4T、上層が1.4T〜1.9Tである。
前記上部コア層560の飽和磁束密度が前記上部磁極層551の飽和磁束密度よりも低いと、上部コア層560からの洩れ磁界で磁気記録することを防ぐことが容易になる。
図27及び図28に示すように前記上部コア層560の上には、例えばAl23などの絶縁材料で形成された絶縁層558が形成されている。前記絶縁層558は無機絶縁材料で形成されていることが好ましい。この絶縁層558は前記上部コア層560のトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がるコイル絶縁層536上にも形成されている。また図28に示すように、前記絶縁層558のトラック幅方向(図示X方向)における両側端部上から前記上部コア層560のトラック幅方向における両側にかけてレジストなどの有機絶縁材料で形成された絶縁層563が形成されている。この絶縁層563は前記持ち上げ層572の周囲にも形成されている。
無機絶縁材料で形成された絶縁層558はスパッタ法などで形成され、前記絶縁層558を有機絶縁材料で形成された絶縁層563に比べて薄い膜厚で形成することができるため、上部コア層560と次に説明する第2コイル片556とを距離的に近づけることができ磁化効率を向上させることができるとともに、前記上部コア層560のトラック幅方向における両側で、前記上部コア層560と第2コイル片556間の絶縁を良好に保つことが可能である。
図27、図28に示すように前記絶縁層558、563の上に、トラック幅方向(図示X方向)からハイト方向(図示Y方向)に傾斜して延び、且つ互いに平行に形成された複数本の第2コイル片556がハイト方向に並んで形成されている。各第2コイル片556はトラック幅方向(図示X方向)に平行な方向に延びて形成されていてもよい。
前記第1コイル片555と第2コイル片556とは互いに非平行の関係にあり、図28に示すように、磁性層562の膜厚方向(図示Z方向)で対向する第1コイル片555のトラック幅方向における左側端部555aと第2コイル片556のトラック幅方向における左側端部556aとが接続部561を介して電気的に接続されている。なお図28の図示右側に示した点線の接続部561は、図面上見えている第1コイル片555の一つ後ろ側(図示Y方向)に位置する第1コイル片555の右側端部と、図面上見えている第2コイル片556の右側端部556bとを電気的に接続している。
このように図27、図28に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記積層体62の膜厚方向の上下で対向する第1コイル片555のトラック幅方向における端部と第2コイル片556のトラック幅方向における端部とが接続部561を介して電気的に接続されてトロイダル状のコイル構造557が形成されている。
なお図27に示す符号561の層はAl23などで形成された保護層であり、また図27に示す符号559の層は引出し層である。前記引出し層559は最もハイト寄りに形成された第2コイル片556と一体に繋がって形成されている。
コイル層557に記録電流が与えられると、下部コア層529及び上部コア層560に記録磁界が誘導され、ギャップ層550を介して対向する下部磁極層549及び上部磁極層551間に漏れ磁界が発生し、この漏れ磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
図27に示す薄膜磁気ヘッドでは、複数本の第1コイル片555が、前記下部コア層529、磁極端層548及びバックギャップ層533で囲まれた空間内に形成されている。前記下部コア層529上に磁極端層548及びバックギャップ層533を***形成することで前記第1コイル片555を形成することができる空間を適切に形成している。特に前記磁極端層548及びバックギャップ層533はメッキ形成されていることが、前記磁極端層548及びバックギャップ層533の膜厚を厚く形成できるから、前記下部コア層529、磁極端層548及びバックギャップ層533で囲まれる空間を広く取ることができ、前記第1コイル片555を所定の膜厚で形成しやすい。
各第1コイル片555のトラック幅方向における端部555aからは接続層561が突出形成されているが、この接続層561の上面は前記磁極端層548の上面、バックギャップ層533の上面及びコイル絶縁層536の上面と同一平面上に形成されているため、前記平坦化面上から前記接続層561の上面が露出した状態になっている。
このため図27に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記磁極端層548、コイル絶縁層536及びバックギャップ層533上に形成される上部コア層560を前記平坦化面上に形成することができ、前記上部コア層560を所定形状で形成することが可能になるため、前記上部コア層560を所定寸法に高精度に形成することができる。
しかも図27に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記コイル絶縁層536と同一の平坦化面から前記接続層561の上面561aが露出しているから、前記接続層561の上に前記第2コイル片556のトラック幅方向(図示X方向)における端部を確実且つ容易に電気的に接続させることが可能であり、前記第1コイル片555と第2コイル片556間の電気的な接触不良を抑制することができる。
また上記のようにコイル絶縁層536の上面、磁極端層548の上面、バックギャップ層533の上面及び接続層561の上面を全て同じ平坦化面で形成することで、薄膜磁気ヘッド全体の薄型化を促進させることができる。
また前記磁極端層548上とバックギャップ層533上間を膜面と平行な直線状の前記上部コア層560で結んで磁路長を形成するため、短磁路化を実現できる。磁路長を短くできるので磁界反転速度を上げることができ、高周波特性に優れた薄膜磁気ヘッドを形成することができる。
また前記第1コイル片555及び第2コイル片556は導電性に優れたCuやAuなどで形成されるが、前記接続層561は前記第1コイル片555及び第2コイル片556と同じ材質で形成されなくてもよく、導電性を有する材質であれば磁性材料などであってもよい。前記接続層561は好ましくは磁極端層548と同じ磁性材料で形成されており、この結果、前記接続層561は前記磁極端層548やバックギャップ層533と同じ工程時に形成できるため製造工程の迅速化を図ることが可能である。
また上記したように前記コイル絶縁層536の上面は平坦化面とされるが、これを実現するには前記コイル絶縁層536はAl23やSiO2などの無機絶縁材料で形成されることが好ましい。
なお、前記上部コア層560の平面形状は図4に示された上部コア層42と同様である。
本形態では、上部コア層560と磁極端層548の上部磁極層551の材料を異ならせることによって、上部磁極層551のみ高飽和磁束密度を有する材料で形成し、上部コア層560を上部磁極層551より飽和磁束密度の小さな材料で形成することができる。また、高飽和磁束密度を有する上部磁極層551や下部磁極層549は、Gd決め層538の後方には形成されないので、磁束密度を適度に調節でき、磁極端層548の両側部からの磁束の洩れが少なくなり、磁気ヘッドのS/N比が向上する。
また、上部コア層560の前端面560aを記録媒体との対向面よりも、ハイト方向後方に後退させることによって上部コア層560からの磁束の洩れをさらに低減できる。
また、本形態では、上部コア層560の上の第2コイル片556の膜厚t1を第1コイル片55の膜厚t2より大きくし、また、前記第2コイル片の電流が流れる方向と直交する第1の方向の長さ寸法W2を、前記第1コイル片の前記第1の方向の長さ寸法W1よりも大きくして、抵抗値を低減できる。すなわち、前記コイル層557の発熱を低減することができ、磁極端部548周辺の記録媒体側への突出を低減できる。
図27及び図28に示された磁気ヘッドは、磁極端部548上とバックギャップ層533上間を平坦形状の上部コア層560で結んで磁路長を形成するため、上部コア層が盛り上がって形成される磁気ヘッドに比べて磁路長を短くできる。また、上部コア層560が平坦形状を有していると、コイル層557から発生するジュール熱を磁気ヘッドの外部に効率よく放出することができる。
さらに、コイル層557は、上部コア層560を軸として巻回するトロイダルコイル構造を有している。
このため磁気ヘッドを構成するコイル層557のターン数を少なくしても一定の記録特性を維持することができ、ターン数を減らせることでコイル抵抗を低減できるから磁気ヘッドの駆動時においても磁気ヘッドの発熱を抑えることができる。
磁気ヘッドの発熱を抑えることができると、磁極端部548周辺が記録媒体との対向面Fから突き出す等の問題を抑制することができる。
さらにコイル層557を覆うコイル絶縁層536に無機絶縁材料を用いることによって磁気ヘッドの熱膨張係数を低減させることができる。
図29は参考例の薄膜磁気ヘッドの部分正面図であり、薄膜磁気ヘッドを構成するMRヘッド、保護層561等を図面から削除し、最も記録媒体との対向面側に形成された第1コイル片及び第2コイル片並びに磁極端部と、これらの層と膜厚方向で対向する各層の構造を示したものである。
図29に示す薄膜磁気ヘッドでは、基準面Aよりも下の層の構成は図28と同じである。すなわち下部コア層529、磁極端層548及びバックギャップ層533に囲まれた空間内に複数本の第1コイル片555が設けられ、この第1コイル片555のトラック幅方向(図示X方向)における端部555aから突出形成された接続層561の上面561aが、前記磁極端層548の上面、コイル絶縁層536の上面及びバックギャップ層533の上面と同一平面上で形成されている。
図29では前記上部コア層560は平坦化面の磁極端層548の上面、コイル絶縁層536の上面及びバックギャップ層533の上面に所定形状で高精度に形成されており、さらに前記上部コア層560のトラック幅方向(図示X方向)の両側には、前記下側接続層561と電気的に接続する持ち上げ層572が形成されている。
図29に示すように前記持ち上げ層572は2つの持ち上げ層が段差を介して積層された構成である。前記持ち上げ層572のうち下側の持ち上げ層570は前記上部コア層560を構成する材料でメッキ形成されている。あるいは前記下側の持ち上げ層570はCu、FeNi、Ni、Au、FeCo、FeCoRh、FeCoNiから選ばれた1層あるいは2層以上の層の上にNi、CuNi、NiPから選ばれた1層あるいは2層以上の保護膜が形成された積層構造であってもよい。
前記下側の持ち上げ層570上に段差を介して積層された上側の持ち上げ層571(以下、持ち上げ調整層という)は前記持ち上げ層572全体の高さを調整する機能を有し、図29に示すように下側の持ち上げ層570の上に持ち上げ調整層571を設けることで前記持ち上げ層572の上面572aの高さを前記上部コア層560の上面562aの高さよりも高くしている。
前記持ち上げ調整層571は導電性を有し且つメッキ形成可能な材質で形成される。前記持ち上げ調整層571はCu、FeNi、Ni、Au、FeCo、FeCoRh、FeCoNiから選ばれた1層あるいは2層以上の層であることが好ましい。またCuやCo、Niを含む層を主体とし、その上にNi、CuNi、NiPから選ばれた1層あるいは2層以上の保護膜が形成された構造であってもよい。
前記下側の持ち上げ層570の下面と前記接続層561の上面及び前記下側の持ち上げ層570の上面570aと持ち上げ調整層571の下面は電気的に接続された状態になっている。
図29に示すように持ち上げ層572を2段構造にする利点は、前記持ち上げ層572の上面572aの高さを前記上部コア層560の上面562aよりも容易に高くすることができることである。前記持ち上げ調整層571は前記下側の持ち上げ層570を形成した後、別工程で前記下側の持ち上げ層570上にメッキ形成することで形成される。
前記持ち上げ層572の上面572aの高さを前記上部コア層560の上面560aの高さよりも高く形成することで前記上部コア層560の上面及び側面を覆う絶縁層573(無機絶縁材料で形成されることが好ましい)の上面573aを図示X−Y平面と平行な平坦化面で形成できるため、前記第2コイル片556を前記平坦化面上に形成できる結果、前記第2コイル片556を高精度にパターン形成でき、前記平坦化面から露出する前記持ち上げ層572の上面572aに前記第2コイル片556の端部556a、556bを確実且つ容易に電気的に接続させることができる。また前記上部コア層560の上面562aよりも背の高い持ち上げ層572を形成することで、前記第2コイル片556と前記上部コア層560間の絶縁性をより高めることが可能になる。
前記持ち上げ層572の上面572aを前記上部コア層560の上面560aよりも高く形成するには図29のような構造以外に図30のような構造でも達成することができる。
図30に示す薄膜磁気ヘッドの構造では、前記上部コア層560のトラック幅方向(図示X方向)の両側のコイル絶縁層536上から形成された持ち上げ層572は、下面から上面572aにかけて膜面方向(図示X−Y平面と平行な方向)への面積が一定で、導電性を有する材料の単層あるいは多層構造であり、図30のように前記持ち上げ層572の上面572aは前記上部コア層560の上面560aよりも高い位置にある。図30における持ち上げ層572は、Cu、FeNi、Ni、Au、FeCo、FeCoRh、FeCoNiから選ばれた1層あるいは2層以上の多層でメッキ形成されることが好ましく、またより好ましくはCu、FeNi、Ni、Au、FeCo、FeCoRh、FeCoNiから選ばれた1層あるいは2層以上の多層を主体とし、この層上にNi、CuNi、NiPから選ばれた1層あるいは2層以上の保護膜が形成された積層構造である。
従って図30に示す薄膜磁気ヘッドにおいても、前記第2コイル片556を前記平坦化面上に形成できる結果、前記第2コイル片556を高精度にパターン形成でき、前記平坦化面から露出する前記持ち上げ層572の上面572aに前記第2コイル片556の端部556a、556bを確実且つ容易に電気的に接続させることができる。また前記上部コア層560の上面560aよりも高い持ち上げ層572を形成することで、前記第2コイル片556と前記上部コア層560間の絶縁性をより高めることが可能になる。
図27ないし図30に示された磁気ヘッドの製造方法は、図8ないし図19に示される磁気ヘッドの製造方法と類似しており、***層32を磁極端層548としてメッキ形成し、積層体62を上部コア層560として形成する。
図29と図30に示された前記持ち上げ層572の製造方法は、図6と図7の前記持ち上げ層72の製造方法と同じである。
以上、詳述した本発明における薄膜磁気ヘッドは、例えばハードディスク装置などに搭載される磁気ヘッド装置に内蔵される。前記薄膜磁気ヘッドは浮上式磁気ヘッドあるいは接触式磁気ヘッドのどちらに内蔵されたものでもよい。また前記薄膜磁気ヘッドはハードディスク装置以外にも磁気センサ等に使用できる。
本発明における第1の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す縦断面図、 図1に示す薄膜磁気ヘッドの部分正面図、 図1に示す薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 図1に示す薄膜磁気ヘッドの部分拡大斜視図、 本発明における第2の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、 本発明における第3の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、 本発明における第4の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、 本発明の図1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図、 図8に示す工程の次に行なわれる一工程図、 図9に示す工程の次に行なわれる一工程図、 図10に示す工程と同時に行なわれる一工程図、 図10に示す工程の次に行なわれる一工程図、 図12に示す工程と同時に行なわれる一工程図、 図12に示す工程の次に行なわれる一工程図、 図14に示す工程の次に行なわれる一工程図、 図15に示す工程の次に行なわれる一工程図、 本発明の図6の薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図、 図17に示す工程の次に行なわれる一工程図、 図18に示す工程の次に行なわれる一工程図、 本発明における第5の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す縦断面図、 本発明における第5の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 参考例の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分縦面図、 図16に示す薄膜磁気ヘッドの部分正面図、 参考例の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、 参考例の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
符号の説明
29 下部コア層
32 ***層
33 バックギャップ層
36 コイル絶縁層
55 第1コイル片
56 第2コイル片
58、63、73 絶縁層
61 接続層(下側接続層)
62 磁極層
65、75 レジスト層
70 第1持ち上げ層
71 第2持ち上げ層
72 上側接続層

Claims (4)

  1. 以下の工程を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
    (a)記録媒体との対向面側からハイト方向に下部コア層を延ばして形成する工程と、
    (b)前記下部コア層上にコイル絶縁下地層を形成した後、所定領域の前記コイル絶縁下地層上に、前記ハイト方向と交叉する方向に伸長している複数本の第1コイル片を、ハイト方向に所定間隔を空けて形成する工程と、
    (c)前記下部コア層上であって前記対向面からハイト方向に前記第1コイル片と接触しない位置で***層を形成し、前記***層のハイト方向後端面からハイト方向に離して、且つ前記第1コイル片と接触しない位置での前記下部コア層上にバックギャップ層を形成するとともに、各第1コイル片のトラック幅方向の端部から接続層を突出形成し、このとき、前記***層、前記バックギャップ層及び前記接続層を同じ材質で且つ同時に形成する工程と、
    (d)前記第1コイル片上、前記***層上、前記バックギャップ層上及び前記接続層上をコイル絶縁層で埋めた後、前記***層の上面、前記コイル絶縁層の上面、前記バックギャップ層の上面及び前記接続層の上面が同じ平坦化面となるまで、前記コイル絶縁層、前記***層、前記バックギャップ層及び前記接続層を削る工程と、
    (e)前記コイル絶縁層、前記***層及び前記バックギャップ層の平坦化面上に、前記***層と前記バックギャップ層間を繋前記対向面のトラック幅方向への幅寸法でトラック幅Twを規制する層を形成する工程と、
    (f)前記磁層上に絶縁層を形成し、この絶縁層の上に、前記磁層上を横断する複数本の第2コイル片を形成するとともに、各第2コイル片のトラック幅方向における端部を、前記平坦化面から露出した前記接続層の上面に接続して、隣りあう前記第1コイル片の端部どうしを、前記第2コイル片を介して接続してトロイダル状に巻回するコイル層を形成する工程。
  2. 前記磁極層を、下から下部磁極層、ギャップ層及び上部磁極層の順に構成された積層構造で形成し、前記積層構造の前記対向面のトラック幅方向への幅寸法でトラック幅Twを規制する請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記(e)工程にて、前記磁極層を形成する前に、前記平坦面上であって、前記対向面からハイト方向に離れた位置にGd決め層を形成し、その後、
    前記対向面から前記Gd決め層の前端面までの平坦化面上、及び前記Gd決め層の後端面から前記バックギャップ層上までの平坦化面上に下から前記下部磁極層及び前記ギャップ層を形成し、次に、前記ギャップ層上及び前記Gd決め層上に前記上部磁極層を形成する請求項2記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記(f)工程に代えて以下の工程を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
    (g)前記接続層上に、前記磁層の上面よりも高い位置にまで延びる上側接続層を形成する工程と、
    (h)前記磁層上及び前記上側接続層上を絶縁層で覆い、前記上側接続層の上面と前記絶縁層の上面が同じ平坦化面になるまで、前記絶縁層及び前記上側接続層を削る工程と、
    (i)前記絶縁層の平坦化面上に、前記磁層上を横断する複数本の第2コイル片を形成するとともに、各第2コイル片のトラック幅方向における端部を、前記平坦化面から露出した前記上側接続層の上面に接続して、隣りあう前記第1コイル片の端部どうしを、前記第2コイル片を介して接続してトロイダル状に巻回するコイル層を形成する工程。
JP2003293381A 2002-11-22 2003-08-14 薄膜磁気ヘッドの製造方法 Expired - Fee Related JP3950827B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003293381A JP3950827B2 (ja) 2002-11-22 2003-08-14 薄膜磁気ヘッドの製造方法
GB0325773A GB2396247B (en) 2002-11-22 2003-11-05 Thin film magnetic head and method for manufacturing the same
US10/716,830 US6987644B2 (en) 2002-11-22 2003-11-17 Thin film magnetic head including coil wound in toroidal shape and method for manufacturing the same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002339365 2002-11-22
JP2003066275 2003-03-12
JP2003293381A JP3950827B2 (ja) 2002-11-22 2003-08-14 薄膜磁気ヘッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004296062A JP2004296062A (ja) 2004-10-21
JP3950827B2 true JP3950827B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=29740568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003293381A Expired - Fee Related JP3950827B2 (ja) 2002-11-22 2003-08-14 薄膜磁気ヘッドの製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6987644B2 (ja)
JP (1) JP3950827B2 (ja)
GB (1) GB2396247B (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3950827B2 (ja) * 2002-11-22 2007-08-01 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3950807B2 (ja) * 2003-03-12 2007-08-01 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッド
JP3950828B2 (ja) 2003-03-14 2007-08-01 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP4181134B2 (ja) 2005-01-12 2008-11-12 Tdk株式会社 垂直記録磁気ヘッド及びその製造方法
JP2007141394A (ja) 2005-11-21 2007-06-07 Alps Electric Co Ltd 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US7791837B2 (en) * 2006-03-31 2010-09-07 Tdk Corporation Thin film device having thin film coil wound on magnetic film
JP4706927B2 (ja) * 2006-03-31 2011-06-22 Tdk株式会社 薄膜デバイス
US7676816B2 (en) * 2006-06-30 2010-03-09 Sap Ag Systems and methods for integrating services
US7729084B2 (en) * 2006-12-22 2010-06-01 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Formation of low resistance damascene coils
US20080247086A1 (en) * 2007-02-08 2008-10-09 Daniel Wayne Bedell Method for forming interleaved coils with damascene plating
JP2009205710A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv 垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2002A (en) * 1841-03-12 Tor and planter for plowing
US6195232B1 (en) * 1995-08-24 2001-02-27 Torohead, Inc. Low-noise toroidal thin film head with solenoidal coil
US5703740A (en) * 1995-08-24 1997-12-30 Velocidata, Inc. Toroidal thin film head
FR2745111B1 (fr) 1996-02-15 1998-03-13 Commissariat Energie Atomique Tete magnetique verticale a bobinage integre et son procede de realisation
FR2774797B1 (fr) 1998-02-11 2000-03-10 Commissariat Energie Atomique Procede de realisation d'un ensemble a plusieurs tetes magnetiques et ensemble a tetes multiples obtenu par ce procede
JPH11316910A (ja) * 1998-05-01 1999-11-16 Sony Corp 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US6246541B1 (en) * 1998-05-29 2001-06-12 Hitachi Metals, Ltd. Thin film magnetic head with reduced magnetic gap by incorporating coil conductors with convex surfaces
JP3747135B2 (ja) * 1999-08-06 2006-02-22 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP4008654B2 (ja) 2000-11-29 2007-11-14 新科實業有限公司 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2002311311A (ja) 2001-04-16 2002-10-23 Mitsubishi Cable Ind Ltd 光ファイバケーブル
JP2002334409A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Alps Electric Co Ltd 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP3950789B2 (ja) * 2002-07-17 2007-08-01 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2004296061A (ja) * 2002-11-22 2004-10-21 Alps Electric Co Ltd 薄膜磁気ヘッド
JP3950827B2 (ja) * 2002-11-22 2007-08-01 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3842767B2 (ja) * 2002-11-22 2006-11-08 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッド
JP3944138B2 (ja) * 2003-03-07 2007-07-11 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
US20040100728A1 (en) 2004-05-27
US6987644B2 (en) 2006-01-17
GB2396247B (en) 2005-10-26
GB0325773D0 (en) 2003-12-10
JP2004296062A (ja) 2004-10-21
GB2396247A (en) 2004-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5995342A (en) Thin film heads having solenoid coils
JP3950789B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3950827B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3842767B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP2005149604A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3747135B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3950807B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP3522620B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
US20020176206A1 (en) Thin film magnetic head intended to decrease inductance with track narrowing and method of manufacturing the same
JP3499458B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに薄膜コイルの形成方法
JP2004296061A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP2002157707A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP3499490B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3950808B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP3579271B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3842724B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP3553393B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3950828B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3576324B2 (ja) 磁気ヘッドおよびそれを用いた録再一体型磁気ヘッド
JP3469473B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3611801B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP4490579B2 (ja) 誘導型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP3880944B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP3929926B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
US20030087132A1 (en) Thin-film magnetic head capable of suppressing side fringing

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees