JP3950099B2 - 金属粒子担持複合酸化物、その製造方法、およびそれを用いた燃料改質器 - Google Patents

金属粒子担持複合酸化物、その製造方法、およびそれを用いた燃料改質器 Download PDF

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Description

本発明は、金属粒子担持複合酸化物、その製造方法、およびそれを用いた燃料改質器に関する。
燃料電池においては、酸化物セラミックス上に金属触媒微粒子を担持させてなる粒子状の改質触媒が用いられてきた。こうした触媒は、触媒利用率が低く、長時間の使用で活性が低下することから改善が求められている。燃料改質器に適用する際には、一般に触媒粒子は多孔質なペレット状セラミックの上に担持され、これを反応容器内に充填して用いる。ペレットの充填により圧力損失が増加するため、場合によっては燃料ガスを加圧して供給しなければならない。
最近では、複合酸化物焼結体を還元して一部の金属粒子を析出させ、機械特性に優れた金属/セラミックス複合材料を作製する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。析出された金属粒子は、微細で分散性がよく、基材としての複合酸化物との密着性も優れている。しかしながら、金属粒子は、粒界を主とする基材内部にも多く析出しており、触媒として用いるには効率が悪く、また、長時間使用した際には内部粒界からの劣化が危惧される。
触媒としては、金属粒子が複合酸化物のごく表面部に限られて存在していることが好ましく、触媒活性の点では、金属粒子の数密度(単位面積当たりの触媒粒子の数)が高く、触媒反応に有利な金属比表面積の大きいものが好ましい。上述したような還元析出法を採用することによって、触媒/担体を一体化されたものとして作製することが可能であり、例えば多孔質の担体を用いれば、触媒をハンドリングし易くコンパクトな触媒が得られる。しかしながら、現状の材料では、反応に寄与する表面部の触媒量は十分とはいえず、適正な触媒量を確保するために体積が必要とされる。このため、燃料改質器として使用するには小型・コンパクト化を十分果たせるというものではなかった。
J. Am. Ceram. Soc., vol. 80, No.5, 1139(1997)
本発明は、金属粒子が、基材としての複合酸化物の表面に高い数密度で均一に析出した金属粒子担持複合酸化物、およびその製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、小型・コンパクトな燃料改質器を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態にかかる金属粒子担持複合酸化物は、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物との複合酸化物からなる基材と、前記複合酸化物基材の表面に析出した活性金属粒子とを具備し、前記複合酸化物は、Sc、Cr、BGa、In、Lu、およびNbからなる群から選択される少なくとも一種の添加金属を、元素量で0.01モル%以上0.25モル%以下の量で含有することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる金属粒子担持複合酸化物の製造方法は、難還元性金属の酸化物粉末と、易還元性金属の酸化物粉末と、Sc、Cr、BGa、In、Lu、およびNbからなる群から選択される少なくとも1種の添加金属を含む粉末とを混合して、混合粉末を得る工程、
前記混合粉末を成形して成形体を得る工程、
前記成形体を焼結して、前記難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物との複合酸化物からなる焼結体を得る工程、および
前記焼結体を還元して、前記易還元性金属の粒子を前記複合酸化物の表面に析出させる工程を具備し、
前記混合粉末は、前記添加金属を0.01モル%以上0.25モル%以下の量で含有することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる燃料改質器は、炭化水素系燃料、メタノール、またはエタノールよりなる燃料を収容する燃料タンク、
前記燃料を改質する改質剤を収容する改質剤タンク、
前記燃料および前記改質剤をそれぞれ気化する予備加熱装置、
気化した燃料と改質剤とを混合する混合器、
前記混合器により混合されたガスを反応させ、水素を主成分とする燃料に改質するリフォーミング触媒が収容された触媒層を有する改質器、および
前記改質器を加熱する加熱装置を具備し、
前記リフォーミング触媒に、本発明の実施形態にかかる金属粒子担持複合酸化物を用いることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、金属粒子が、基材としての複合酸化物の表面に高い数密度で均一に析出した金属粒子担持複合酸化物、およびその製造方法が提供される。本発明の他の態様によれば、小型・コンパクトな燃料改質器が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態にかかる金属粒子担持複合酸化物は、易還元性金属酸化物と難還元性金属酸化物との複合酸化物からなる基材を含有する。
易還元性酸化物とは、室温〜1500℃の水素雰囲気中もしくはプラズマ条件下、あるいはカーボン製治具を用いての不活性雰囲気下などで、金属へ還元され得る金属酸化物をさす。具体的には、Cu、Co、Fe、Ni、Zn、Sn、Cd、Pd、Hg、およびAgなどの酸化物が挙げられる。ガス改質やガス合成等のための触媒として用いる場合には、触媒効率が高いことから、ニッケル酸化物、コバルト酸化物、および鉄酸化物が好ましく、ニッケル酸化物が最も好ましい。こうした易還元性酸化物は、単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
一方、難還元性酸化物とは、室温〜1500℃の水素などの還元性雰囲気下で、金属へ還元されない酸化物をさす。具体的には、Al、Mg、Si、Zr、Ti、Hf、およびCe等の酸化物が挙げられる。難還元性金属酸化物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。こうした難還元性金属酸化物のなかでも、マグネシウム酸化物、ジルコニウム酸化物、およびセリウム酸化物が安定な固溶体を形成する点で好ましく、マグネシウム酸化物が最も好ましい。
上述したような還元性金属酸化物と難還元性金属酸化物との固溶体から、本発明の実施形態における複合酸化物が構成される。固溶体としては、例えば、NiO−MgO、CoO−MgO、FeO−MgO、およびNiO−CoO−MgO等の酸化物同士の全率固溶体が好ましい。あるいは、ZrO2−NiOやMgO−CuO、MgO−CuO−ZnOのように、難還元性金属酸化物に対する易還元性金属酸化物の固溶限が、水素還元温度において1原子%以上である系であってもよい。
本発明者らは、これら全率固溶系の複合酸化物について、還元による析出金属の特徴と改質性能との関係を鋭意検討した結果、特定の金属元素を所定量含有していると、還元時に顕著な金属粒子の析出が引き起こされることを見出した。こうした作用を有する金属元素としては、Sc、Cr、BGa、In、Lu、およびNbが挙げられ、特に、CrおよびScが好ましい。容易に入手でき、混合して焼成するだけといった単純な方法で添加することができることから、こうした金属は酸化物の形で添加されることが好ましいが、それに限定されず、水酸化物や炭酸化合物などのいかなる様態で添加されても構わない。
本発明の実施形態にかかる金属粒子担持複合酸化物は、混合粉末を調製し、固溶・焼成し、還元処理を施すことによって製造することができる。
混合粉末の調製に当たっては、まず、難還元性酸化物と、易還元性酸化物と、Sc、Cr、BGa、In、Lu、およびNbから選択される少なくとも1種の添加金属を含む化合物とを、ボールミル等により均一に混合する。この際、混入が起こらないように、ボールやポットの材質はナイロン製のものなどを用いることが望まれる。湿式および乾式のいずれの方法で混合してもよいが、より均一な混合を行なうには湿式混合が好ましく、PVA(ポリビニルアルコール)等のバインダーを加えてもよい。
例えば、難還元性酸化物であるMgO粉末と、易還元性酸化物であるNiO粉末もしくはCoO粉末とをモル比で2:1となるように混合することが好ましい。2:1の比で難還元性酸化物と易還元性酸化物とを混合することにより、水素還元による析出金属量を適量に抑えられ、金属粒子同士の合体や粒成長を抑制することができる。このような複合酸化物の応用としては、NiO−MgO−CuO系などのように三元系のものも考えられる。この系の複合酸化物焼結体を還元するとNiとCuとが析出して、酸化物表面にNi−Cu合金の粒子を形成することができる。
一方、前述の金属元素は、例えば、Sc23のように酸化物の形で添加することが好ましい。Sc等の金属元素成分量は、混合粉末全体に対して、0.01モル%以上0.25モル%以下に規定される。添加金属量が0.01モル%未満の場合には、十分な量の易還元性金属粒子を複合酸化物表面に析出させることができない。一方、0.25モル%を越えると、添加した化合物自体が固溶体の粒界に残留して、複合酸化物の焼結性を阻害し、強度の低下を招く。さらに、還元による析出が過剰となって、金属粒子同士が凝集・合体して触媒性能が低下してしまう。
添加する最適量は、析出させる金属粒子や還元の条件などによって異なるが、還元温度が高過ぎたり、還元時間が長過ぎたりする場合には析出粒子が大きく粒成長してしまう。この場合には触媒活性が低下するので、適切な温度や時間で還元処理を行なうことが望まれる。
得られた混合粉末を所定の形状に成形して、成形体を得る。例えば、ハニカム形状、フォーム形状、あるいは流体の流路となる溝を付けたシート形状などに成形することができる。この成形体を1000℃〜1400℃の範囲で焼結して固溶体化することによって、複合酸化物(固溶焼結体)が作製される。例えば、ハニカム状に成形し、後述するように還元処理を施してNi粒子を表面に析出させた金属粒子担持複合酸化物は、炭化水素系燃料の改質触媒として好適に用いることができる。
得られた固溶焼結体を水素ガス等の雰囲気下で還元処理を行なうことにより、金属粒子を複合酸化物表面および粒界界面に析出させる。例えば、NiO−MgOの場合には、固溶体の一部、易還元性であるNi粒子が還元され、複合酸化物表面に析出する。このNi粒子は分散性に優れ、しかも、基材である複合酸化物の内部から析出により生成しているために基材との密着性が高い。
還元処理の温度や時間は、使用する材料に応じて適宜選択することができる。例えば、NiO−MgO系の場合、500〜1000℃の温度で、10分程度の還元処理を施すことが好ましい。還元温度が高すぎる場合には、金属粒子の成長が必要以上に進行して凝集や粒界部での破壊を引き起こしたり、触媒性能が低下するおそれがある。一方、温度が低すぎる場合には熱処理に長時間を要するため、工業的に好ましくない。
以上の工程により、本発明の実施形態にかかる金属粒子担持複合酸化物が得られる。
このようにして作製される金属粒子担持複合酸化物は、炭化水素系燃料の改質触媒として好適に用いることができる。本発明の一実施形態にかかる炭化水素系燃料改質器の構成を、図1に模式的に示す。
図示する炭化水素系燃料の改質器においては、炭化水素系燃料保管用のタンク10に、CH4などの気体燃料やCH3OHやC25OHなどの液体燃料が収容され、こうした燃料を改質するための水あるいは炭酸ガス等は、改質剤タンク20に収容される。燃料および改質剤は、それぞれ予備加熱装置30,40において気化され、混合器50に導入される。混合されたガスは、リフォーミング触媒層80内で反応して水素を主成分とする燃料に改質される。
得られた改質ガスを燃料電池用の燃料として用いる際には、一酸化炭素変成器(図示せず)に供給して改質ガス中のCO濃度を減少させた後、固体高分子膜型燃料電池等(図示せず)の燃料極に供給すればよい。
図示する例では、リフォーミング触媒層80内を均一に加熱するためにバーナー70が使用されるが、触媒による燃焼加熱を採用してもよい。
リフォーミング触媒層80には、例えば図2に示すようなハニカム状に作製した金属粒子担持複合酸化物110を装填することができる。本発明の実施形態においては、複合酸化物100から金属粒子90を還元により析出させるので、図3に模式的に示すように、ガス等の流路となるハニカム内壁面に金属粒子90を形成することができる。また、このようなハニカム状の触媒とすることによってハンドリングが容易となり、燃料や改質ガスの流れに対する圧力損失を格段に低減することが可能である。
以下に具体例を示して本発明の実施形態をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜3)
易還元性金属酸化物としてのNiO粉末(平均粒径約1μm)と、難還元性金属酸化物としてのMgO粉末(平均粒径約1μm)とを、モル比でNiO:MgO=1:2となるように秤量した。添加化合物としては高純度Sc23を用意し、Sc元素換算で、0.015モル%および0.2モル%になるように添加した。これを、ナイロン製ボールを用い湿式で20時間均一に混合して、混合粉末を得た。
混合粉末を金型プレスにて1ton/cm2の圧力で加圧成形した後、成形体を大気中、1300℃で5時間焼結して複合酸化物焼結体を作製した。次に、純度99.9%の水素ガスを500cc/分で流しながら15℃/分の速度で昇温し、1000℃で10分間還元処理を施してNi粒子を析出させ、その間の熱重量分析を行なった。重量減少測定に用いた試料は、焼結体を乳鉢により数μm程度のサイズになるまで粉砕して準備した。また、微構造組織を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、化学吸着測定装置により水素吸着による活性金属比表面積を測定した。
密度、還元減量、および活性金属比表面積を、複合酸化物組成、添加酸化物および金属添加量とともに下記表1にまとめる。
さらに、Sc元素換算で0モル%、0.008モル%および0.3モル%となるようにSc23の添加量を変更した以外は前述と同様にして、3種類の混合粉末を準備した。こうして得られた混合粉末を用いた以外は前述と同様にして、比較例1〜3の金属粒子複合酸化物を作製した。得られた金属粒子複合酸化物の特性を前述と同様に評価して、その結果を下記表1にまとめた。
(実施例3〜7,9)
添加化合物を、Cr23、In23、Lu23、Ga23、B23 およびNb23に変更し、それぞれを金属元素量で約0.15モル%添加した以外は、前述と同様にして種類の混合粉末を得た。
こうした混合粉末を用いた以外は前述と同様にして、実施例3〜7,9の金属粒子複合酸化物を作製した。得られた金属粒子複合酸化物の特性を前述と同様に評価して、その結果を下記表1にまとめた。
(実施例11、比較例4)
易還元性金属酸化物としてCuO粉末(平均粒径1μm)をさらに原料粉末として用いて、混合組成がMgO:NiO:CuO=2:1:0.1(mol比)となるように秤量した。添加化合物としては高純度Sc23を用意し、Sc元素換算で0.15モル%になるように添加して混合粉末を得た。
こうした混合粉末を用いた以外は前述と同様にして、実施例11の金属粒子複合酸化物を作製した。得られた金属粒子複合酸化物においては、Ni−Cu合金粒子が表面に析出していた。さらに、添加化合物を配合しない以外は同様にして、比較例4の金属粒子複合酸化物を作製した。
得られた金属粒子複合酸化物の特性を前述と同様に評価して、その結果を下記表1にまとめた。
(実施例12、比較例5)
易還元性金属酸化物をCoO粉末(平均粒径1μm)に変更し、Sc元素量で0.15モル%となるように添加化合物としてのSc23粉末を加えた以外は、前述と同様にして、実施例12の金属粒子複合酸化物を作製した。さらに、添加化合物を配合しない以外は同様にして、比較例5の金属粒子複合酸化物を作製した。
得られた金属粒子複合酸化物の特性を前述と同様に評価して、その結果を下記表1にまとめた。
Figure 0003950099
実施例1と比較例1との比較から、0.015モル%の添加金属を含有することによって、還元減量および活性金属比表面積が増加することがわかる。金属添加量が0.20モル%の場合には、還元減量は10.1%まで高められ、活性金属比表面積は無添加の場合の10倍にも増加することが実施例2の結果に示されている。
一方、比較例2に示されるように、金属添加量が0.01モル%未満の場合には、無添加のもの(比較例1)とほぼ同等の特性であり、その効果はほとんど見られない。また、金属添加量が0.25モル%を超えるもの(比較例3)では、組織の観察から析出粒子の粗大化、凝集が顕著になり、触媒としてあまり好ましくないことが確認された。この傾向は、他の金属元素を含有する化合物を用いた場合も同様であった。
また、実施例3〜7,9の結果に示されるように、Cr23、In23、Lu23、Ga23、B23 およびNb23のいずれの化合物を添加した場合も、還元時の重量減少が大きくなり、これに伴なって活性金属比表面積も増大している。
さらに、複合酸化物の組成が、MgO−NiO−CuO系の場合(実施例11)およびMgO−CoO系の場合(実施例12)には、より優れた特性が得られる。
このように、微量の元素の添加によって、複合酸化物表面への金属Ni粒子(またはNi−Cu粒子、Co粒子)の析出が促進されることが明らかになった。添加金属を含まない比較例の材料と比較すると、本発明の実施形態にかかる金属粒子担持複合酸化物は、いずれの場合も高い数密度(単位面積あたりの析出金属粒子数)の金属粒子が、凝集・合体することなく、表面に均一に形成された組織を有していた。なお、密度は添加する金属元素に依存して変化した。一般的には、金属元素の添加量が増えるにしたがって密度が低下する傾向が見られるが、これは添加した酸化物の多くが粒界に残留して焼結性を阻害するためと考えられる。機械的特性の低下を避けるために、金属元素の添加量は最大でも0.25モル%にとどめる必要がある。
(実施例13、比較例6)
易還元性金属酸化物としてのNiO粉末(平均粒径約1μm)と、難還元性金属酸化物としてのMgO(平均粒径約1μm)とを、モル比でNiO:MgO=1:2となるように秤量した。添加化合物としては高純度Sc23を用意し、Sc元素換算で、0.05モル%となるように添加した。これを、ナイロン製ボールを使った湿式で20時間均一に混合して、混合粉末を得た。
混合後は、有機溶剤系のバインダーを加えて混練し、この混練物を押出し成形して、ハニカム成形体を作製した。得られた成形体を脱脂炉に導入し、500℃まで8時間かけて昇温して、500℃で5時間脱脂した。脱脂後は、1300℃で5時間焼結して、セル数300セル/in2、壁厚0.5mm、φ20mm×15mmからなるハニカム多孔体を得た。
この焼結体を、500cc/分の水素気流中、900℃で10分間還元してNi粒子を析出させ、触媒と担持体である多孔体とが一体化してなる実施例13のNi粒子担持ハニカム型触媒を作製した。得られたハニカム型触媒においては、図3に示したように、MgO−NiO系の複合酸化物基材100表面に、金属粒子90としてのNi粒子が均一に分散していた。
さらに、添加化合物としてのSc23を加えない以外は同様にして、比較例6のハニカム型触媒を作製した。
このようにして作製したハニカム型触媒を、図1に示した改質器内の触媒充填層にそれぞれ充填し、転化率を評価した。
CH4ガスおよびCO2ガスを、燃料タンク10および改質剤タンク20にそれぞれ収容し、50cc/minの流量で、予備加熱装置30および40を介して改質器60に導入した。改質器60は800℃まで加熱して、水素ガスを生成した。ハニカム型触媒を通過して改質されたガスを、ガス分析装置にて定量分析した。
その結果、比較例6のハニカム型触媒を用いた場合には、800℃においてCH4のH2およびCOへの転化率が70%と低かったのに対して、実施例13のハニカム型触媒を用いた場合には95%を超える転化率を示した。また、1モルのCH4に対して約1.8モルの水素の生成が認められた。
(実施例14、比較例7)
易還元性金属酸化物としてCuO粉末(平均粒径1μm)をさらに原料粉末として用いて、混合組成がMgO:NiO:CuO=2:1:0.1(mol比)となるように秤量した。添加化合物としては高純度Sc23を用意し、Sc元素換算で、0.1モル%になるように添加して混合粉末を得た。これを、ナイロン製ボールミルにより湿式で20時間均一に混合して、混合粉末を得た。
混合後は、有機溶剤系のバインダーを加えて混練し、この混練物を押出し成形して、ハニカム成形体を作製した。得られた成形体を脱脂炉に導入し、500℃まで8時間かけて昇温して、500℃で5時間脱脂した。脱脂後は、1300℃で5時間焼結して、セル数300セル/in2、壁厚0.5mm、φ20mm×15mmからなるハニカム多孔体を得た。
この焼結体を500cc/分の水素気流中、900℃で10分還元してNiおよびCu粒子を析出させて、実施例14の金属粒子担持ハニカム型触媒を作製した。得られたハニカム型触媒においては、図3に示したように、MgO−NiO−CuO系の複合酸化物基材100表面に、金属粒子90としてのNi−Cu粒子が均一に分散していた。
さらに、添加化合物としてのSc23を加えない以外は同様にして、比較例7のハニカム型触媒を作製した。
このようにして作製したハニカム型触媒を、図1に示した改質器内の触媒充填層にそれぞれ充填し、転化率を評価した。
燃料ガスとしては、CH3OHおよびH2Oを予備加熱装置30および40により気化して導入した。CH3OHおよびH2Oの混合比は、モル比で1:4とし、メタノール気体流量を30cc/min、水蒸気流量を120cc/minとした。ハニカム型触媒を通過した改質ガスは、ガス分析装置により定量分析した。
比較例7のハニカム型触媒を用いた場合には、900℃×10分の水素還元で0.4%程度しか重量減少しなかった。これは、CuOの存在により焼結時の緻密化が進行して、全体としての表面積が減少したためであると考えられる。その結果、CH3OHの他のガスへの転化率は400℃で90%は超えたものの、水素生成量はCH3OH1モルに対して1.7モルであった。
これに対して、実施例14のハニカム型触媒では3%程度の重量減少があり、CH3OH転化率は350℃で95%、400℃で100%であった。CH3OH1モルに対して約2.4モルの水素を生成することができた。
本発明は、炭化水素系燃料の改質やガス合成、燃料電池用電極など触媒/触媒担体として、あるいはカーボンナノチューブ繊維合成の触媒材料などとして好適に用いることができる。
本発明の一実施形態にかかる炭化水素系燃料改質器を表わす概略図。 ハニカム状の金属粒子担持複合酸化物を表わす斜視図。 ハニカム状金属粒子担持複合酸化物の断面構造を表わす概略図。
符号の説明
10…炭化水素系燃料タンク;20…改質剤タンク;30…予備加熱装置
40…予備加熱装置;50…混合器;60…改質器;70…バーナー
80…リフォーミング触媒層;90…析出させた金属触媒粒子
100…複合酸化物基材;110…金属粒子担持複合酸化物。

Claims (3)

  1. 難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物との複合酸化物からなる基材と、前記複合酸化物基材の表面に析出した活性金属粒子とを具備し、前記複合酸化物は、Sc、Cr、BGa、In、Lu、およびNbからなる群から選択される少なくとも一種の添加金属を、元素量で0.01モル%以上0.25モル%以下の量で含有することを特徴とする金属粒子担持複合酸化物。
  2. 難還元性金属の酸化物粉末と、易還元性金属の酸化物粉末と、Sc、Cr、BGa、In、Lu、およびNbからなる群から選択される少なくとも1種の添加金属を含む粉末とを混合して、混合粉末を得る工程、
    前記混合粉末を成形して成形体を得る工程、
    前記成形体を焼結して、前記難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物との複合酸化物からなる焼結体を得る工程、および
    前記焼結体を還元して、前記易還元性金属の粒子を前記複合酸化物の表面に析出させる工程を具備し、
    前記混合粉末は、前記添加金属を0.01モル%以上0.25モル%以下の量で含有することを特徴とする金属粒子担持複合酸化物の製造方法。
  3. 炭化水素系燃料、メタノール、またはエタノールよりなる燃料を収容する燃料タンク、
    前記燃料を改質する改質剤を収容する改質剤タンク、
    前記燃料および前記改質剤をそれぞれ気化する予備加熱装置、
    気化した燃料と改質剤とを混合する混合器、
    前記混合器により混合されたガスを反応させ、水素を主成分とする燃料に改質するリフォーミング触媒が収容された触媒層を有する改質器、および
    前記改質器を加熱する加熱装置を具備し、
    前記リフォーミング触媒に、請求項1に記載の金属粒子担持複合酸化物を用いることを特徴とする燃料改質器。
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