JP2008207070A - 水素製造用触媒の製造方法 - Google Patents

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Keizo Shimamura
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Abstract

【課題】低温での触媒活性が高いのみならず、耐酸化性、耐シンタリング性に優れ、耐久性も高い水素製造用触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】 Cu/Alのモル比が1〜4のCuOとAl23の混合物を非酸化性雰囲気中で焼結して複合酸化物(CuAlO2)を生成し、この複合酸化物を還元熱処理により金属Cu粒子を表面に析出することによりCu微粒子/α−Al23基基材一体型の触媒を製造する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水素製造のための触媒の製造方法に関し、特にメタノールもしくはジメチルエーテル(DME)などの炭化水素系液体燃料の水蒸気改質のための改質反応またはCOを水蒸気と反応させるためのシフト反応による水素製造に用いられる触媒の製造方法に係わる。
工業先進国のわが国は、エネルギー資源の自給率が低く、そのほとんどを諸外国に頼っている。このため、将来のエネルギー資源の一つとして、クリーンで質の高い電気エネルギーへ変換が容易な水素エネルギーに高い関心が集まっている。定置用の燃料電池は既に一般家庭向けに販売が開始されている。燃料電池自動車についても研究開発が進められており、今後水素関連の事業が大きく成長していくものと予測されている。その中で最近、従来は廃熱として捨てられていた300℃以下の熱源を利用して水素を製造する試みがなされている。
水素の製造には、炭化水素系燃料を水蒸気改質による方法が知られており、その燃料としてメタノールもしくはジメチルエーテルなどの液体燃料が用いられている。炭化水素系燃料の水蒸気改質には触媒が用いられている。Cu系の触媒は、前記液体燃料を低温で効率よく改質でき、かつ安価であるために、広く用いられている。特に、Cu−Zn系材料は著名で、比表面積が大きく、活性とともに生成ガスの選択性にも優れるため、改質触媒およびシフト触媒として利用されている。
しかしながら、これら従来のCu系触媒は耐酸化性および耐シンタリング性が劣るという最大の欠点を有する。すなわち、従来のCu系触媒は大気に曝されると急激な発熱を伴って酸化し、Cu粒子同士が凝集する。また、熱的な要因等により時間とともに粒成長が起こり、結果として比表面積が低下し活性が低下する。これらの理由により、反応器に触媒を充填した後に還元を行う、初期の還元処理が必要不可欠必要である。また、運転中は温度の管理、大気の混入などを徹底して制御する必要がある。
特許文献1には、γ−Al23などの高比表面積を有する多孔質セラミックス上に共沈法等によりCu系酸化物を含む微粒子を担持させた後、還元して金属Cu微粒子を析出させるCu系触媒の製造方法が開示されている。
しかしながら、このような方法で得られた触媒はCu粒子とγ−Al23を含むセラミックス基材との密着性(結合性)が低い問題がある。その上、生成直後の形態が数nm程度の微粒子であるために長時間の使用により粒成長や凝集を起こし易い問題がある。
一方、非特許文献1及び非特許文献2にはスピネル型複合酸化物を還元処理して得た触媒が記載されている。還元処理により基材内部から析出させた金属粒子は、基材との結合性が良好で、かつ高度に分散できるために優れた耐久性を有すると考えられている。この文献中では、Cu−Al系、Cu−Mn系、Cu−Mn−Fe系のスピネル型複合酸化物を還元処理して得た触媒が評価され、Cu−Mn系、Cu−Mn−Fe系スピネル型複合酸化物を還元処理して得た触媒が最も活性が高いことが記載されている。
しかしながら、還元により生成されたMnOなどの基材は機械的強度が劣る。また、Mnがいくつかの価数を取り得るために、長時間使用による安定性が危惧される。さらに、CuAl24系の触媒は400℃以下の温度の還元で得られることが記載されている。この温度でもCuは析出するものの、他の系と異なりCu成分がすべて還元されて析出せず、基材中にCu成分を含んだ状態で残留する。その結果、反応器の充填した後の実使用等の状況によっては新たなCuの析出も考えられ、組織が不均一になって特性が不安定になる虞がある。
特開昭60−84142号公報 Appl. Catal. A: General, 242,287(2003) 第94回触媒討論会予稿集,390(2004)
Cu系材料を用いた従来の触媒は、貴金属系触媒に比べて安価で入手が容易であり、改質触媒やCOシフト触媒などへの利用が期待されている。しかしながら、その耐酸化性、耐シンタリング性(焼結による粒子の成長や合体の耐性)に劣り、使用条件に制約を受ける。また、Cu系スピネル型酸化物においては粒子の分散性や基材との密着性においては優れるが、長期の使用において組成の安定性や組織の均一性が保たれない虞がある。
本発明は、低温での触媒活性が高いのみならず、耐酸化性、耐シンタリング性に優れ、耐久性も高い水素製造用触媒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によると、銅化合物およびアルミニウム化合物をCu/Alのモル比が1〜4になるように混合した後、この混合物を非酸化性雰囲気中、900〜1300℃の温度で焼成してCuAlO2、またはCuAlO2とAl23の混合相からなる複合酸化物を生成する工程と、
前記複合酸化物を還元性雰囲気中で加熱して還元処理することによりα型Al23の基材の少なくとも表面部に5〜500nmの平均粒径を有する金属Cu粒子を析出させる工程と
を含むことを特徴とする水素製造用触媒の製造方法が提供される。
本発明によれば、耐酸化性、耐シンタリング性に優れ、低温触媒性能の高いCu系の水素製造用触媒を製造することができる。また、従来のCu系触媒のように使用直前での還元処理の必要がなく、合成後、大気中でも搬送が可能になる。
したがって、得られた水素製造用触媒は市販のCu系触媒の欠点である酸化後の性能も十分維持できるため、メタノールやジメチルエーテル等の低温改質用触媒、またはシフト反応のためのシフト触媒として優れた性能を有する。
以下、本発明の実施形態に係る水素製造用触媒の製造方法を詳細に説明する。
(複合酸化物の生成工程)
銅化合物およびアルミニウム化合物をCu/Alのモル比が1〜4になるように混合した後、この混合物を非酸化性雰囲気中、900〜1300℃の温度で焼成してCuAlO2、またはCuAlO2とAl23の混合相からなる複合酸化物を生成する。
銅化合物およびアルミニウム化合物は、例えばCuOおよびAl23の粉末を用いることができる。これらの粉末は、サブミクロンの平均粒径、例えば0.5〜1.0μmの平均粒径を有することが好ましい。銅化合物およびアルミニウム化合物は、酸化物の粉末で用いる以外に、例えば銅、アルミニウムの金属塩の形態で用いることができる。この場合、各金属塩は水に溶解して混合され、さらに焼成前に乾燥処理が施される。銅塩としては、例えば硝酸銅、硫酸銅、塩化銅を用いることができる。アルミニウム塩としては、例えば硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムを用いることができる。取り扱いの点から、硝酸銅および硝酸アルミニウムを使用することが好ましい。
銅化合物およびアルミニウム化合物の混合時のCu/Alのモル比が1〜4にすることによって、組織の均一な複合酸化物を得ることが可能になり、後述する還元処理により良好な性能を有する触媒を製造することが可能になる。Cu/Alのモル比を1未満にすると、得られた複合酸化物中に固溶されるCu量が不足してCuAlO2相の生成が低下し、Al23のみの相が多く混在する。その結果、後述する還元処理により得られた触媒の性能が低下する虞がある。一方、Cu/Alのモル比が4を超えると、得られた複合酸化物中にCuOが残留し、その後の還元処理において低温度でCuの析出が生じ、これより高い温度(正規の還元温度)で析出したCuと凝集して局所的に粗大Cu粒子の凝集体を生成する。その結果、後述する還元処理により得られた触媒の性能が低下する虞がある。より好ましいCu/Alのモル比は、2〜3である。
焼成は、アルゴン、窒素のような非酸化性ガスの雰囲気中、900〜1300℃、より好ましくは1000〜1200℃の温度で行う。このような焼成により薄青色を呈し、CuAlO2単独、またはCuAlO2とAl23の混合相からなる複合酸化物を合成される。なお、同焼成を大気中(酸化性雰囲気中)で行うと、赤茶色を呈する主成分がスピネル型複合酸化物(CuAl24)になる。
(還元処理工程)
得られた複合酸化物を還元性雰囲気中で加熱する還元処理を行う。このとき、複合酸化物のCuAlO2から実質的に全てのCu成分が金属Cu粒子として析出される。同時に、基材はα−Al23に変換される。析出した金属Cu粒子は、α−Al23の基材の内部および表面部に存在される。
還元雰囲気は、水素単独または水素を含む不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス等)が挙げられる。また、前記混合物を炭素の詰め粉に埋め込んで還元雰囲気にすることも可能である。
複合酸化物の還元処理において、金属Cu粒子の析出は600℃を超えるあたりから起こり始め、700℃付近でほぼ完了する。したがって、還元処理時の加熱は600℃以上の温度で行うことが好ましい。加熱温度の上限は析出した金属Cu粒子の凝集を回避するために1000℃にすることが好ましい。より好ましい還元処理時の加熱温度は、650〜800℃である。このような還元処理時の加熱温度は、水蒸気改質反応での改質触媒またはCOシフト反応触媒として使用するときの温度(300℃前後)より高いため、前記各反応での熱的な安定性を確保することが可能になる。
析出した金属Cu粒子は、5〜500nmの平均粒径を有する。金属Cu粒子の平均粒径は、例えば電子顕微鏡により撮影された画像をもとに特定の視野内に存在する粒子の数を数えることにより測定することができる。金属Cu粒子の平均粒径が500nmを超えると、金属Cu粒子を含む触媒表面の比表面積が低下して、触媒活性が低下する虞がある。より好ましい金属Cu粒子の平均粒径は、10〜100nmである。
このような還元処理によりα−Al23の基材の少なくとも表面部に金属Cu粒子が析出された複合材料である水素製造用触媒が得られる。
実施形態に係る水素製造用触媒は、以下の酸化処理をさらに施すことが好ましい。
前記複合材料を酸化性雰囲気中で加熱して酸化処理を施す。このとき、金属Cu粒子が酸化されて若干の発熱が生じる。ただし、金属Cu粒子の径が5〜500nmと比較的大きいために、急激な発熱→溶解は起こり難い。酸化処理の時間は、例えば15分間程度であれば十分である。
酸化処理においては、金属Cu粒子が酸化されてCuOが生成される。CuOの生成は、金属Cu粒子の一部であることが好ましい。CuOは、金属Cu粒子表面を覆うように生成されることが最も好ましい。
前記酸化処理での酸化性雰囲気は、酸素を含む雰囲気であればよく、例えば空気(大気)または酸素を5体積%以下含む窒素ガスのようなフォーミングガス等を挙げることができる。
酸化処理は、150〜350℃の温度で行うことが好ましい。150℃未満では、金属Cu粒子の酸化が十分になされない虞がある。一方、350℃を超えると、隣接する金属Cu粒子同士が合体して肥大化したCuO粒子等に変化し、触媒活性が低下する虞がる。より好ましい酸化処理の温度は、150〜300℃である。
このような水素製造用触媒の製造において、複合酸化物の粉末を還元処理し、好ましくはさらに酸化処理する方法が採用される。このような方法の他に、複雑な形状の触媒を製造する場合、複合酸化物粉末を成形した固形化物もしくはハニカムを還元処理し、好ましくはさらに酸化処理する方法を採用してもよい。
実施形態に係る水素製造用触媒は、例えば300℃程度の低温廃熱を利用して炭化水素系燃料と水蒸気を反応させて水素を取り出す改質触媒、または例えば改質反応で副生されるCOと水蒸気を反応させてCOを除去すると共に水素を取り出すシフト触媒として用いることができる。
炭化水素系燃料としては、例えばメタノール、エタノール、ジメチルエーテル(DME)等の液体燃料が挙げられる。メタノール、エタノールを原料とする水蒸気改質反応は、下記式(1)、式(2)で表される。
CH3OH+H2O ⇔ 3H2+CO2 …(1)
25OH+3H2O ⇔ 6H2+2CO2 …(2)
COシフト反応は、下記式(3)で表される。
CO+H2O⇔ H2+CO2 …(3)
なお、メタノールの水蒸気改質反応で生成される改質ガスの組成は、例えば図1に示す試験装置を用いて分析することができる。図1の試験装置において、メタノールおよび水の混合液が収容されたシリンジポンプ1は配管2を通して気化器3に連結されている。窒素ガスの供給管4は、配管2に連結され、シリンジポンプ1から供給される前記混合液と共に窒素ガスを気化器3に供給する。気化器3は、配管5を通して改質器6に連結されている。改質器6内には、前述した水素製造用触媒が充填されている。改質器6内の改質ガスは、配管7および水冷トラップ8を経由して配管9から排出される。この配管9の途中には、ガスクロマトグラフィー10が連結されている。ガスクロマトグラフィー10は、管9を流通する改質ガスをサンプリングしてそのガス組成を検出する。
本発明者らは、高性能なCu系触媒を得るにあたり、銅化合物およびアルミニウム化合物を特定のCu/Alモル比で混合し、非酸化性雰囲気中、特定の温度で焼成して触媒前駆体としてのCuAlO2、またはCuAlO2とAl23の混合相からなる複合酸化物を生成し、この複合酸化物を用いて還元処理すると、安定性に優れ、かつ低温活性の高い改質触媒が得られることを見出した。CuAlO2相は、非酸化性雰囲気で焼成したときに生成する相である。CuAlO2の複合酸化物を還元すると、実質的に全てのCu成分が金属Cu粒子(径;5〜500nm)として析出すると同時に、基材がα−Al23に変換されて触媒であるCu微粒子担持複合材料が得られる。得られた複合材料は、基材であるα−Al23表面に微細なCu粒子が一部埋め込まれるような形で分散して存在し、Cu粒子と基材との密着性(結合性)が高いCu微粒子/基材一体型の構造となる。このような複合材料(触媒)は、金属Cu粒子による低温での高い触媒活性を示し、かつ耐酸化性に加えて、優れた耐シンタリング性(焼結による粒子の成長や合体の耐性)を有する。実際に酸化処理を施すと、Cu粒子の表面性状が変化してCuOが形成されるが、粒子の基材からの剥離や隣接粒子同士の合体や成長は殆ど認められない。すなわち、従来のCu系触媒のように使用直前での還元処理の必要がなく、合成後、大気中でも搬送、運搬が可能な極めて取り扱い易い触媒を得ることができる。
また、本発明者らは前記複合材料をさらに酸化処理することによって、改質性能がより低温側で高い活性を示す水素製造用触媒を見出した。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4および比較例1〜2)
Al23粉末に対してCuO粉末をCu/Alのモル比で0.8〜4.4の割合で混合し、プレス成形した後、2L/分のAr気流中、1150℃で2時間焼結を行った。
得られた焼結体の組成をX線回折装置にて同定した。その結果を下記表1に示す。
次いで、各焼結体を粗く粉砕し、200μmメッシュ篩いを用いて篩に掛け、篩に残った粉砕片を水素中700℃で5分間還元処理を行って6種の触媒を製造した。このときの還元減量を下記表1に示す。
得られた各触媒の表面に析出した金属Cu粒子の平均粒径を前述した方法により測定した。各触媒の比表面積を水素ガスによる化学吸着法にて測定した。その結果を下記表1に示す。
(比較例3)
Al23粉末に対してCuO粉末をCu/Alのモル比で2.0の割合で混合し、プレス成形した後、大気中(酸化雰囲気中)、1150℃で2時間焼結を行った。
得られた焼結体の組成をX線回折装置にて同定した。その結果を下記表1に示す。
次いで、焼結体を粗く粉砕し、200μmメッシュ篩いを用いて篩に掛け、篩に残った粉砕片を水素中700℃で5分間還元処理を行って触媒を製造した。このときの還元減量を下記表1に示す。
得られた触媒の表面に析出した金属Cu粒子の平均粒径を前述した方法により測定した。触媒の比表面積を水素ガスによる化学吸着法にて測定した。その結果を下記表1に示す。
また、Al23粉末とCuO粉末を混合するときのCu/Alモル比が2.0と同じである実施例2および比較例3で得られた焼結体について、前述した粉砕片を用いて100mL/分の水素気流中、TGによる熱重量変化を測定した。その結果を図2に示す。
Figure 2008207070
前記表1から明らかなように実施例1〜4の触媒製造の前駆体である焼結体は、CuAlO2、またはCuAlO2とAl23の混合相からなる複合酸化物であり、かつ製造された各触媒は比表面積がたかだか1m2/g程度であることがわかる。
これに対し、焼結体を生成する際のCu/Alモル比が本発明の下限(1.0)未満である比較例1では、CuAlO2よりAl23量が多い複合酸化物になる。焼結体を生成する際のCu/Alモル比が本発明の上限(4.0)を超える比較例2では、CuAlO2と共にCuOも存在する複合酸化物になる。
また、焼結体を生成する際の雰囲気が酸化性雰囲気である比較例3ではスピネル型複合酸化物(CuAl24)を主成分とするものになる。
さらに、図2から明らかなように実施例2で用いるCuAlO2を含む複合酸化物は還元が600℃付近の1段階のみになっている。その結果、析出した金属Cu粒子は径および分散状態が均一になった。このような還元時の熱重量変化は実施例2以外の実施例1,3,4で用いる複合酸化物でも同様である。これに対し、比較例3で用いるスピネル型複合酸化物(CuAl24)を含む複合酸化物は還元が350℃付近と600℃付近の2段階で大きく進んでいる。このため、析出した金属Cu粒子が肥大化し、その分散状態も不均一になった。
次に、実施例1〜4および比較例1〜3の触媒および前述した図1の試験装置を用いてメタノール改質反応試験を行った。
図1に示す全ての反応器および配管はステンレス製である。最初に、実施例2で得られた触媒、この触媒をさらに酸化処理した触媒、比較例3で得られた触媒および市販のCu−Zn系触媒(比較例4)を改質器6内に約2g(約1.8cc)充填した。
なお、実施例2で得られた触媒の酸化処理は250℃の酸素−窒素混合(酸素流量:窒素流量=1:4)による擬似大気中で15分間加熱することにより行った。酸化処理した後の触媒の表面をXPSにより分析した結果、CuOとともにCuの存在が認められた。また、酸化処理後の触媒の比表面積を水素ガスによる化学吸着法にて測定した結果、酸化処理前に比べて比表面積が3〜5倍ほどに大きくなっているのが確認された。
比較例4のCu−Zn系触媒は、改質器6内に充填した後、100%水素ガスを導入しながら、250℃で30分間還元を行い、一度も大気中に曝すことはしなかった。
次いで、気化後にモル比1:2となるようにメタノールと水を混合し、シリンジポンプ1により一定量にて送液した。送液の速度は、気化した時の流量で、メタノール50mL/分、水蒸気100mL/分となるようにした。気化器3の温度は140℃とし、出口ガス濃度を定量するために標準ガスとして50mL/分の窒素ガスを供給管4から供給した。改質器6の温度をヒータ(図示せず)にて250および300℃にそれぞれ設定し、各温度にて出口ガス組成が安定するまで約1時間保持した後にガスクロマトグラフィー10で配管9を流通するに改質ガスをサンプリングし、その改質ガス組成の分析を行った。
改質ガス組成の分析から各触媒による250℃および300℃でのメタノール転化率およびCO生成率を求めた。その結果を下記表2に示す。
Figure 2008207070
前記表2から明らかなように実施例2の触媒(還元処理後)は、複合酸化物の生成時のCu/Alモル比が2.0と同じである比較例3の触媒に比べてメタノールの改質反応時において低温側で高い触媒活性を示すことがわかる。また、実施例2の触媒さらに酸化処理することにより、還元処理のみに比べてメタノールの改質反応時において低温側で一層高い触媒活性を示すことがわかる。
なお、比較例4のCu−Zn系触媒はメタノールの改質反応時において低温側で極めて高い触媒活性を示すものの、改質反応前に還元処理が必要であるばかりか、大気中に曝さないようにする等、改質反応操作および取り扱い上の煩雑さがある。
また、実施例1,3,4で得られた触媒、これらの触媒をさらに前述した実施例2と同様な条件でそれぞれ酸化処理した触媒、比較例1,2で得られた触媒を図1の試験装置の改質器6内に約2g(約1.8cc)充填した以外、前述したのと同様な条件でメタノールの水蒸気改質反応を行い、さらにガスクロマトグラフィー10で改質ガス組成の分析行って、250℃および300℃でのメタノール転化率およびCO生成率を求めた。その結果を下記表3に示す。
Figure 2008207070
前記表3から明らかなように実施例1,3,4の触媒(還元処理後)は、焼結体を生成する際のCu/Alモル比が本発明の範囲(1〜4)を外れる比較例1,2の触媒(還元処理後)に比べてメタノールの改質反応時において低温側で高い触媒活性を示すことがわかる。これは、焼結体を生成する際のCu/Alモル比が1未満の比較例1の触媒は活性が低く、焼結体を生成する際のCu/Alモル比が4を超える比較例2の触媒は隣接する金属Cu粒子の凝集等により実効比表面積が小さくなったためと考えられる。
また、実施例2の触媒をさらに酸化処理することにより、還元処理のみに比べてメタノールの改質反応時において低温側で一層高い触媒活性を示すことがわかる。
メタノール改質試験装置を示す模式図。 本発明の実施例2および比較例3の複合酸化物の還元時の熱重量分析の結果を示す図。
符号の説明
1…シリンジポンプ、3…気化器、6…改質器、10…ガスクロマトグラフィー。

Claims (5)

  1. Cu化合物およびアルミニウム化合物をCu/Alのモル比が1〜4になるように混合した後、この混合物を非酸化性雰囲気中、900〜1300℃の温度で焼成してCuAlO2、またはCuAlO2とAl23の混合相からなる複合酸化物を生成する工程と、
    前記複合酸化物を還元性雰囲気中で加熱して還元処理することによりα型Al23の基材の少なくとも表面部に5〜500nmの平均粒径を有する金属Cu粒子を析出させる工程と
    を含むことを特徴とする水素製造用触媒の製造方法。
  2. 前記複合酸化物の生成は、Al23粉末とCuO粉末とをCu/Alのモル比が1〜4になるように混合した後、この混合物を非酸化性雰囲気中、900〜1300℃の温度で焼成する方法によりなされることを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒の製造方法。
  3. 前記複合酸化物の還元処理は、還元性雰囲気中、600℃〜1000℃の温度でなされることを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒の製造方法。
  4. 前記金属Cu粒子を有する基材をさらに酸化性雰囲気中で加熱して酸化処理することを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒の製造方法。
  5. 前記酸化処理は酸素含有雰囲気中、150〜350℃の温度でなされることを特徴とする請求項4記載の水素製造用触媒の製造方法。
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