JP3949854B2 - 糖化蛋白質の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中の糖化蛋白質の測定方法、およびその測定方法に用いられる測定用試薬キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
糖化蛋白質は、蛋白質が非酵素的にグリコシル化された蛋白質であり、糖、すなわちアルドース(アルデヒド基を潜在的に有する単糖およびその誘導体)側のアルデヒド基と、蛋白質側のアミノ基が非酵素的に共有結合した結果、生成したものである。また、これらの糖化蛋白質は、反応中間体として生じたシッフ塩基がアマドリ転移を受て形成されることから、いわゆるアマドリ化合物とも呼ばれる。
【0003】
糖化蛋白質は、生体内の血液などの体液や毛髪などの生体試料中に含有されている。血液中に存在する糖化蛋白質の濃度は、血清中に溶解しているグルコースなどの糖類の濃度に強く依存している。糖尿病状態では糖化蛋白質の生成が亢進しており、赤血球に含まれる糖化ヘモグロビンや血清中の糖化アルブミンの濃度は、過去の一定期間の平均血糖値を反映していることから、それらの糖化蛋白質を測定することは、糖尿病の症状の診断や症状管理に重要となっている。
【0004】
従来、糖化蛋白質を定量する方法として、例えば、高速液体クロマトグラフィーを用いる方法(Chromatogr. sci.,10,659 (1979))、硼酸を結合させた固体を詰めたカラムを用いる方法(Clin.Chem.,28,2088-2094(1982))、電気泳動を用いる方法(Clin.Chem.,26,1598-1602(1980))、抗原抗体反応を利用する方法(JJCLA,18,620(1993))、還元能をテトラゾリウム塩を用いて比色定量する方法(Clin.Chim.Acta,127,87-95(1982))、チオバルビツール酸を用いて酸化後比色定量する方法(Clin.Chim.Acta,112,197-204(1981))等が知られる。現在、上記方法よりも、操作が簡単で、安価に、短時間で精度よく糖化蛋白質を測定する方法として、酵素的方法が提案されている(特公平05−33997号公報、特開平11−127895号公報、WO97−13872号公報)。
【0005】
これらの酵素的方法は、糖化蛋白質をプロテアーゼで分解し、遊離した糖化アミノ酸にフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを作用させ、生成する過酸化水素を測定する方法である。この酵素的測定方法に用いられるオキシダーゼとして、コリネバクテリウム属菌の生産するオキシダーゼ(特公平5−33997号公報、特公平6−65300号公報)、アスペルギルス属菌の生産するオキシダーゼ(特開平3−155780号公報)、ギベレラ属菌の生産するオキシダーゼ(特開平7−289253号公報)、フサリウム属菌の生産するオキシダーゼ(特開平7−289253号公報、特開平8−154672号公報)、ペニシリウム属菌の生産するオキシダーゼ(特開平8−336386号公報)さらには、ケトアミンオキシダーゼ(特開平5−192193号公報)などが開示されており、これらの酵素は、糖化アミノ酸に良く作用する。しかし、上記酵素は、ペプチドのアミノ基が糖化された糖化ペプチドに対しては作用しない。
【0006】
現在、糖尿病診断の指標として用いられている糖化蛋白質としては、蛋白質中の内部リジン残基のε−アミノ基が糖化されたもの(例えば糖化アルブミン)や蛋白質のアミノ末端のアミノ酸のα−アミノ基が糖化されたもの(例えば糖化ヘモグロビン(HbA1c))など、種々の糖化蛋白質が挙げられる。しかし、現在、対象とする糖化蛋白質によっては、既存のプロテアーゼを用いても、糖化蛋白質を分解して、定量的に糖化アミノ酸を遊離することはできず、さらに、現在用いられている上記したフルクトシルアミノ酸オキシダーゼは、遊離の糖化アミノ酸に対し高い反応性を有しているものの、糖化ペプチドにはほとんど作用しないため、上記酵素的方法は、必ずしも精度の良い方法とは言えない。
【0007】
例えば、糖化ヘモグロビン(HbA1c)は、ヘモグロビンβ−サブユニットのアミノ末端のアミノ酸のα−アミノ基が糖化されたものであるが、この糖化蛋白質に各種のプロテアーゼを作用させても、α−糖化アミノ酸(アミノ酸のα−アミノ基が糖化されたもの)を遊離させることはできない。そのため、前述のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを用いても、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定することができない。
【0008】
現在、この糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定する方法として、この糖化ヘモグロビンを、そのまま直接、エレクトロスプレー−イオン化質量分析で測定する方法(臨床検査,42,340-343,(1997))や、糖化ヘモグロビンに、エンドプロテイナーゼGlu−Cを作用させ、遊離したβ−サブユニット由来のα−糖化ヘキサペプチド(ヘキサペプチドのアミノ末端のアミノ酸のα−アミノ基が糖化されたもの)を逆相高速液体クロマトグラフィーで分取し、マススペクトロメトリー分析に供して、その含有率を求めることにより、測定する方法( Clin.Chem.,43, 1994-1951(1997))等が提案されている。しかし、これらの方法は、何れも高感度の高価な測定装置を必要とし、操作も複雑で、費用もかかり、長時間を必要とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の糖化蛋白質の測定方法が有する欠点を克服し、既存の酵素的方法とは異なる原理に基づく、簡単な操作で、安価に、短時間でしかも精度よく糖化蛋白質を測定する新規な方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、ある種のプロテアーゼ処理により、糖化蛋白質から一定数のアミノ酸残基を有するα−糖化ペプチド(ペプチドのアミノ末端のアミノ酸のα−アミノ基が糖化された糖化ペプチド)、特にα−糖化ジペプチド(ジペプチドのアミノ末端のアミノ酸のα−アミノ基が糖化された糖化ジペプチド)が、効率よく遊離すること、又、微生物の生産するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを改変した酵素が、上記の遊離α−糖化ペプチド、特に、α−糖化ジペプチドに特異的に作用し、過酸化水素を生成することを見いだした。さらに、糖化蛋白質より遊離したα−糖化ペプチドをHPLCや上記オキシダーゼを用いることにより測定できること、その結果、糖化蛋白質を、簡単な操作で、短時間に、精度よく測定できることを見出だし、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、試料をプロテアーゼで処理し、糖化蛋白質から糖化ペプチド、好ましくはα−糖化ペプチド、特に好ましくはα−糖化ジペプチドを遊離させ、これらの遊離した糖化ペプチドにオキシダーゼを作用させ、生成する過酸化水素を測定すること、又は、遊離した糖化ペプチドをHPLCにより測定することにより、試料中の糖化蛋白質を測定する方法、および酵素的方法に用いる測定用試薬キットである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。本発明における糖化蛋白質は、前述したように、蛋白質がグルコースなどのアルドースと非酵素的に結合し、生成したものであれば如何なるものでも良い。例えば、生体由来の糖化蛋白質としては、糖化アルブミン、糖化ヘモグロビン(HbA1c)などがあり、本発明は、例えば、糖化ヘモグロビン(HbA1c)などの測定に好適に用いられる。さらに、糖化蛋白質は、食品一般、例えば、ジュース、キャンデー、調味料、粉末食品などにも含まれている。本発明の糖化蛋白質を含有する試料としては、上記糖化蛋白質を含有する試料であれば如何なるものでもよく、例えば、生体内では、血液、唾液などの体液や毛髪など、そして上記食品などが挙げられる。これらの試料は、そのままあるいは濾過、透析処理などの後に測定に供してもよく、また、例えば、測定すべき糖化蛋白質を、適宜、濃縮、抽出、さらには水、緩衝液などで希釈しても良い。
【0013】
本発明においては、先ず、プロテアーゼを用い、糖化蛋白質より糖化ペプチドを遊離させる。尚、本発明で言う、プロテアーゼとは、通常のプロテアーゼ活性、及びペプチダーゼ活性を有する酵素を言う。用いるプロテアーゼは、上記糖化蛋白質に作用し、糖化ペプチドを遊離する能力を有する酵素であれば、如何なる酵素でも用いることができ、目的の糖化蛋白質の種類に応じ、好適なものを適宜選択することができる。例えば、プロテイナーゼK、プロナーゼE、サーモリシン、ズブチリシン、カルボキシペプチダーゼB、カテプシン、カルボキシペプチダーゼ、エンドプロテイナーゼGlu−C、パパイン、アミノペプチダーゼなどのプロテアーゼやペプチダーゼが挙げられる。本発明では、後述する本発明に用いられるオキシダーゼが作用しやすい糖化ペプチドを効率よく遊離する能力を有するプロテアーゼが望ましい。特にα−糖化ジペプチドを効率よく遊離するプロテアーゼとして、アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼ、例えば、「モルシン」、「AOプロテアーゼ」、「ペプチダーゼ」(以上(株)盛進、販売)、サッカロミセス属由来のカルボキシペプチダーゼY、バチルス属菌由来のプロテアーゼ、例えば、プロチンP(大和化成(株)、販売)などのプロテアーゼを含むものが、特に好適に用いられる。上記プロテアーゼは、単独で用いても、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
試料の処理条件は、用いるプロテアーゼが、測定対象となる糖化蛋白質に作用し、糖化ペプチドを短時間に効率よく遊離する条件であれば、如何なる条件でもよい。用いられるプロテアーゼの量は、試料中に含まれる糖化蛋白質の含量や処理条件などにより適宜選択されるが、例えば、一例として、アスペルギルス属菌由来のプロテアーゼ(例えば、モルシン、(株)盛進、販売)を0.5〜50mg/mL、好ましくは1〜20mg/mL加える。さらに必要により適宜他のプロテアーゼを加えてもよい。プロテアーゼで処理するときのpHは、無調整でもよいが、使用するプロテアーゼの作用に好適なpHとなるように、例えば、適当なpH調整剤、例えば塩酸、酢酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどにより、pH2〜9、好ましくはpH3〜8に調整してもよい。処理温度は、例えば、20〜50℃で行なってもよいし、用いる酵素によっては、より高温域の45〜70℃で行なっても良い。このときの処理時間は、糖化蛋白質を分解するのに充分な時間であればよく、1〜180分間、好ましくは2〜60分間で行なうことができる。得られる処理液は、そのまま、あるいは必要により適宜、加熱、遠心分離、濃縮、希釈などをしてもよい。
【0015】
試料をプロテアーゼで処理して得られる、本発明の遊離した糖化ペプチドは、糖化蛋白質を上記プロテアーゼで処理して得られる糖化ペプチドであって、後述する本発明に用いられるオキシダーゼが作用しやすい糖化ペプチドであれば、如何なるものも含まれるが、好ましくは、α−糖化ペプチドであり、例えば、ペプチドのアミノ酸数が2〜6の短鎖のα−糖化ペプチドなどが挙げられる。特に好ましくは、α−糖化ジペプチド、例えば、フルクトシルバリルヒスチジン(以下、フルクトシルVal−His,又はFru−Val−Hisと略す)などが挙げられる。また、生体中や食品中には、糖化蛋白質がそれぞれ生体中や食品の製造過程で、既に分解されて遊離の糖化ペプチドとなったものや、蛋白質などが分解されて、遊離したペプチドに糖が結合してできた糖化ペプチド等も含まれており、これらも本発明の遊離した糖化ペプチドに含まれる。
【0016】
次に、上記した糖化ペプチドを測定する。糖化ペプチドを測定することが可能であれば、如何なる方法でも本発明に用いることができる。簡単な操作で、安価に、短時間でしかも精度よく糖化ペプチドを測定するための好ましい方法として、例えば、オキシダーゼを作用させる方法やHPLCを用いる方法などを挙げることができる。
【0017】
本発明のオキシダーゼを作用させる方法について説明する。上記糖化ペプチドにオキシダーゼを作用させ、その作用による生成物または消費物を測定することにより、酵素的方法で糖化ペプチドを測定する。本発明に用いられるオキシダーゼとしては、糖化ペプチド、好ましくはα−糖化ペプチド、特に好ましくはα−糖化ジペプチドなどの短鎖のα−糖化ペプチドに特異的に作用して、過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素(以下、本発明のオキシダーゼと言う)であれば如何なる酵素でも用いることができる。例えば、糖化ペプチドオキシダーゼなどの新規なオキシダーゼが挙げられる。
【0018】
一般には、上記本発明のオキシダーゼを生産する微生物を自然界より探索して得ることができるし、さらに動物や植物起源の本発明の酵素を探索して得ることもできる。さらに、探索して得られたこれらの酵素を遺伝子組換え技術を用いて得たものでも好適に用いることもできる。一方、既知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなどを改変することにより、本発明のオキシダーゼを得ることもできる。例えば、既知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなどとしては、先に述べたコリネバクテリウム属菌の生産するオキシダーゼ(特公平5−33997号公報、特公平6−65300号公報)、アスペルギルス属菌の生産するオキシダーゼ(特開平3−155780号公報)、ギベレラ属菌の生産するオキシダーゼ(特開平7−289253号公報)、フサリウム属菌の生産するオキシダーゼ(特開平7−289253号公報、特開平8−154672号公報)、ペニシリウム属菌の生産するオキシダーゼ(特開平8−336386号公報)さらには、ケトアミンオキシダーゼ(特開平5−192193号公報)などを挙げることができる。
【0019】
既知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなどを改変することにより、本発明のオキシダーゼを得るためには、上記既知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなどの生産能を有する微生物に、紫外線、X線、放射線などを照射したり、もしくは、エチルメタンサルフォネート、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、亜硝酸などの変異誘発剤を接触させることにより、変異処理をする。得られた変異処理微生物から、本発明のオキシダーゼを生産する微生物を選抜する。
【0020】
しかし、一般的には、上記既知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼなどの遺伝子(以下、野生型遺伝子と言う)に変異を導入することにより、本発明のオキシダーゼを得ることができる。変異を導入するために用いられる野生型遺伝子は、例えば、上記フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ及び類似のオキシダーゼ等の野生型遺伝子で、変異を導入することにより、本発明のオキシダーゼを得ることができる野生型遺伝子であれば、如何なる遺伝子でも用いることができる。
【0021】
上記野生型遺伝子は、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、又は類似のオキシダーゼなどを生産する能力を有する生物、好ましくは微生物由来の天然の遺伝子をクローニングすることにより得られる。クローニングの方法としては、先ず上記オキシダーゼを生産する生物から、通常用いられている、例えば、Current Protocols in Molecular Biology (WILEY Interscience,1989)記載の方法等により、染色体DNA又はmRNAを抽出する。さらにmRNAを鋳型としてcDNAを合成することができる。このようにして得られた染色体DNA又はcDNAのライブラリーを作製する。次いで、上記オキシダーゼなどのアミノ酸配列に基づき、適当なプローブDNAを合成して、これを用いてDNA又はcDNAのライブラリーからスクリーニングする方法、あるいは、該ペプチドのアミノ酸配列に基づき、適当なプライマーDNAを作製して、5’RACE法や3’RACE法などの適当なポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)により、目的の遺伝子断片を含むDNAを増幅させ、これらを連結させて全長の野生型遺伝子を含むDNAを取得する方法等が挙げられる。さらに、一例として、一般に入手可能な遺伝子源として、コリネバクテリウム属菌由来の本発明の野生型遺伝子をコードするプラスミドDNAを保持する大腸菌DH5α(pFA5)(FERM BP−6182)から、常法に従って単離する方法を挙げることもできる。
【0022】
野性型遺伝子に変異を導入する方法としては、野生型遺伝子と変異剤、例えば、ニトロソグアニジン等のアルキル化剤、アクリジン色素、ヒドロキシルアミン、亜硝酸、亜硫酸、5−ブロモウラシル、ベンゾピレンなどを接触させる方法を挙げることができる。この他、紫外線照射法、トランスポゾン、カセット式変異法、キメラ遺伝子作製法、PCR法、DNAシャフリング法などを用いた変異導入方法を広く用いることができる。また、変異を導入するための野生型遺伝子は、適当なベクターDNAに挿入されたもの、即ち組換え体DNAであってもよく、その場合、変異処理後の組換え体DNAをエタノール沈殿などで精製する。得られた変異型遺伝子は、組換え体DNAを用いた宿主細胞の形質転換あるいは形質導入などによって発現させることができる。変異型遺伝子を保持する多数の菌株より、本発明のオキシダーゼを生産する菌株を選抜する。
【0023】
目的の微生物や菌株を選抜する方法としては、基質としてα−糖化ペプチド、好ましくは、α−糖化ジペプチド、α−糖化トリペプチド、α−糖化テトラペプチドなどの短鎖のα−ペプチドが挙げられる。一例として、α−糖化ジペプチドとして、フルクトシルVal−Hisなどを使用する方法などが挙げられる。この基質を含む反応液に、検定するための微生物または菌株の菌体より、破砕処理や溶菌処理により得られた又はそれらの遠心上清より得られた酵素抽出液を添加して反応させ、生成する過酸化水素を、後述する通常用いられている過酸化水素発色基質により発色させて、本発明のオキシダーゼを生産する微生物または菌株を選抜する。酵素抽出液は、そのまま用いても良いが、場合によっては濃縮又は希釈して用いることもできる。また酵素反応により減少する酸素量を酸素電極により測定することもできる。選抜には、試験官内で酵素反応を行なっても良いが、96穴マイクロプレートウエル内で反応させる方法、酵素抽出液を吸着させた膜に反応試薬を塗布又は浸透させることで反応させる方法や酵素抽出液を吸着させた膜に反応試薬を塗布した膜を重ね合わせて反応させる方法などを適宜採用することもできるし、複数の菌株を混ぜて、数段階の選抜を行なうことで、効率良く、簡便に行なうこともできる。
【0024】
このようにして、既知のコリネバクテリウム属菌の生産するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(特公平5−33997号公報、特公平6−65300号公報)を改変して得られた本発明のオキシダーゼを生産する菌株として、具体的に、大腸菌(E.coli)DH5α(pFP1)を挙げることができる。大腸菌(E.coli)DH5α(pFP1)は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−17576として寄託されている。
【0025】
本発明のオキシダーゼは、該酵素を含む動物、植物などの組織や該酵素を生産する微生物より、通常用いられている抽出方法などをもちいて得られる。例えば、本発明のオキシダーゼを生産する微生物を用いて、本発明のオキシダーゼを製造するには、以下のようにして行なうことができる。上記微生物を培養するには、通常の固体培養法で培養してもよいが、可能なかぎり液体培養法を採用して培養するのが好ましい。培養に用いる培地は、炭素源、窒素源、無機物、その他の栄養素を適宜含有するものであればよく、また合成培地、天然培地の何れでもよく、目的の酵素を効率よく製造することのできる培地であれば、如何なる培地でもよい。炭素源としては、同化可能な炭素化合物であればよく、例えばグルコース、デンプン加水分解物、グリセリン、フラクトース、糖蜜などが挙げられる。窒素源としては、利用可能な窒素化合物であればよく、例えば酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスチープリカー、大豆粉、マルツエキス、アミノ酸、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられる。無機物としては、例えば、食塩、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸第1鉄、リン酸第1カリウム、リン酸第2カリウム、炭酸ナトリウム、塩化カルシウムなどの種々の塩が挙げられる。その他、必要に応じてビタミン類、消泡剤などを添加してもよい。また本発明のオキシダーゼが作用する基質やそれに類似の物質、例えば、糖化ペプチド類、フルクトシルアミノ酸、糖化蛋白部分分解物、糖化ヘモグロビン、糖化アルブミン、糖と共加温する処理などにより人工的に糖化した糖化ペプチド、糖化蛋白質なども添加することにより目的の酵素の製造量を向上せしめることができる。これらの栄養源や添加する物質はそれぞれ単独で用いてもよいが、組み合わせて用いてもよい。培養条件は、培養する微生物により異なる。例えば、培地の初発pHは、pH5〜10に調整し、培養温度は、20〜40℃、培養時間は、10〜50時間、好ましくは15〜25時間、通気撹拌深部培養、振盪培養、静地培養などにより実施する。
【0026】
培養終了後、該培養物から、本発明のオキシダーゼを採取するには、通常の酵素の採取手段を用いることができる。上記酵素が菌体内に存在する場合には、培養物から、例えば濾過、遠心分離などの操作により菌体を分離し、この菌体から酵素を採取するのが好ましい。例えば、超音波破砕機、フレンチプレス、ダイノミルなどの、通常の破壊手段を用いて菌体を破壊する方法、リゾチームなどの細胞壁溶解酵素を用いて菌体細胞壁を溶解する方法、トリトンX−100などの界面活性剤を用いて菌体から酵素を抽出する方法などを単独又は組み合わせて採用することができる。次いで、濾過又は遠心分離などにより不溶物を取りのぞき、酵素抽出液を得る。得られた抽出液から本発明のオキシダーゼを、必要に応じて単離、精製するには、必要により、ストレプトマイシン硫酸塩、プロタミン硫酸塩、硫酸マンガンなどにより核酸を除去したのち、これに硫酸アンモニウム、アルコール、アセトンなどを添加して分画し、沈殿物を採取し、粗酵素を得る。さらに精製酵素標品を得るには、例えば、セファデックス、ウルトラゲルもしくはバイオゲルなどを用いるゲル濾過法、イオン交換体、ヒドロキシアパタイトなどを用いる吸着溶出法、アフィニティクロマト法、分子ふるい膜もしくは中空糸膜などを用いる分画法などを適宜選択し、またこれらを組み合わせて実施することにより、目的の精製度の酵素標品を得ることができる。上記酵素が菌体外に存在する場合には、常法により、前述の菌体分離操作の後、培養液を回収・濃縮し、上記各種精製方法に供すればよい。
【0027】
本発明のオキシダーゼの力価は、例えば、下記の方法で測定することができるが、他の方法でも測定可能であり、この測定方法に限るものではない。
(1)試薬の調製
試薬1(R1):1.0kUのパーオキシダーゼ(TYPEIII,東洋紡社製)、100mgの4−アミノアンチピリン(東京化成社製)を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、1Lに定容する。
試薬2(R2):500mgのTOOS(N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、同仁化学社製)をイオン交換水に溶解し、100mLに定容する。
試薬3(R3):フルクトシルVal−His(MW416、製造方法は後述)1.25gをイオン交換水に溶解し、10mLに定容する。
(2)測定
2.7mLのR1に、100μLのR2を加え、さらに、100μLの本発明のオキシダーゼを含む酵素液を加えて混和し、37℃で、5分間予備加温する。その後、100μLのR3を加えてよく混ぜたのち、分光光度計(U−2000A、日立社製)を用い、37℃、5分間の555nmにおける吸光度の変化を測定する。なお、対照液は、100μLのR3の代わりに、100μLのイオン交換水を加える以外は前記と同様に操作する。あらかじめ調製した過酸化水素の標準溶液を用いて、その生成する色素量(吸光度)との関係より得られたグラフから、吸光度の変化に相当する過酸化水素量を求め、この数値を酵素液中の活性単位とする。1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uとする。
【0028】
このようにして得られた本発明のオキシダーゼは、糖化ペプチドに特異的に作用し、過酸化水素を生成する性質を有することから、生体中や食品等に含まれる糖化ペプチドを酵素的に測定することができるばかりでなく、生体中の糖化蛋白質をプロテアーゼで処理して得られる、遊離した糖化ペプチドを酵素的に測定することができ、本発明の糖化蛋白質の測定用試薬に好適に用いられる。
【0029】
プロテアーゼ処理により遊離した糖化ペプチドに上記本発明のオキシダーゼを作用させる。用いる本発明のオキシダーゼは処理液中に含まれる糖化ペプチドの量にもよるが、例えば、終濃度が、0.1〜50U/mL、好ましくは1〜10U/mLとなるように添加すればよい。作用させるときのpHは、例えば、pH3〜11、特に好ましくはpH5〜9であり、本発明のオキシダーゼの至適pHを考慮し、本発明の測定に適したpHとなるように、緩衝剤を用いて調整するのが好ましいが、作用可能なpHであればこれに限定されない。pHの調製方法は特に限定されないが、緩衝剤としては、例えば、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、硼酸塩、クエン酸塩、ジメチルグルタミン酸塩、トリシン、HEPESなどが挙げられる。また、必要により適宜、プロテアーゼ処理後の処理液のpHを、緩衝剤を用いて上記pHに調整してもよい。作用時間は、例えば、1〜120分、好ましくは1〜30分であり、基質となる糖化ペプチドの量にもよるが、本発明のオキシダーゼが、それらのペプチドに作用するのに充分な時間であればよい。作用温度は、例えば、20〜45℃であり、通常の酵素反応に用いられる温度を適宜選択することができる。
【0030】
本発明では、遊離した糖化ペプチドに本発明のオキシダーゼを作用させ、その作用による生成物または消費物を測定することにより、糖化ペプチドを測定する。本発明のオキシダーゼの作用により、糖化ペプチドから生成する物質としては、例えば、ペプチド、過酸化水素および糖オソンなどが挙げられる。一方、消費される物質としては、酸素分子などが挙げられる。これらの生成物や消費物をそれぞれの測定方法を用いて測定する。例えば、酸素分子は酸素電極を用いる電気的方法、ペプチドは逆相HPLCを用いる分離、測定方法などが挙げられるが、好ましくは、短時間で簡単に測定できる方法として、過酸化水素を測定する方法が挙げられる。
【0031】
本発明のオキシダーゼの作用により生成した過酸化水素は、如何なる方法により測定してもよいが、例えば、酸素電極を用いる電気的方法、好ましくは、パーオキシダーゼおよび適当な発色基質を用いる酵素的方法などが挙げられる。例えば、本発明では、酵素的方法を用いて、短時間に、簡単な操作で測定を行なうことが好ましい。本発明の酵素的方法により過酸化水素を測定するための試薬としては、例えば、緩衝剤(pH4〜10が好ましい)5〜500mM、好ましくは50〜100mM、発色基質として4−アミノアンチピリン0.01〜50mM、好ましくは0.1〜20mM、パーオキシダーゼ0.1〜50U/mL、好ましくは1〜20U/mLなどの組成を含む試薬を挙げることができる。本発明に用いられる緩衝剤としては、例えば、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、硼酸塩、クエン酸塩、ジメチルグルタミン酸塩、トリシン、HEPESなどが挙げられる。発色基質としては、4−アミノアンチピリンの他に、例えば、ADOS(N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン)、ALOS(N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3、7−ビス(ジメチルアミノ)−フェノシアジン(DA−67)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4、4’−ビス(ジメチルアミノ)−ジフェニルアミン(DA−64)などが挙げられる。さらに必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加物、例えば、溶解補助剤、安定化剤などとして、界面活性剤(トリトンX−100、ブリッジ35、ツイーン80、コール酸塩など)、還元剤(ジチオスレイトール、メルカプトエタノール、L−システインなど)、牛血清アルブミン、糖類(グリセリン、乳糖、シュークロースなど)などを適宜添加してもよい。
【0032】
この過酸化水素の測定を行なうとき、一般に、オキシダーゼの作用により過酸化水素を生成する工程を同時に行なうことが好ましいため、本発明では、前述の過酸化水素を測定するための試薬に、本発明のオキシダーゼを例えば、0.1〜50U/mL、好ましくは1〜10U/mL添加することが好ましい。これらの測定用試薬は、乾燥物又は溶解した状態で用いてもよいし、薄膜上の担体、例えば、シート含浸性の紙などに含浸させて用いてもよい。また本発明の測定用試薬に用いられる酵素類は、常法により固定化させて反復使用することもできる。測定温度は、例えば、20〜45℃であり、通常の酵素反応に用いられる温度を適宜選択することができる。測定に要する時間は、種々の測定条件により適宜選択できるが、例えば、0.1〜60分、特に、本発明では1〜10分が好ましい。
上記測定試薬の発色の程度(吸光度変化量)を分光光度計により測定し、標準の吸光度と比較して、試料中に含まれる糖化ペプチドや糖化蛋白質を測定することができる。測定には、通常の自動分析装置を用いることもできる。
【0033】
本発明の試料中の糖化蛋白質を測定するための測定用試薬キットは、糖化蛋白質より糖化ペプチドを遊離するために用いるプロテアーゼ、本発明のオキシダーゼ及び過酸化水素を測定するための試薬などの成分を含む。それぞれの成分の具体的な組成は、前記した組成を用いることができる。上記成分は、それぞれ別々に保存して、使用してもよいし、本発明のオキシダーゼと過酸化水素を測定するための試薬は合わせて保存、使用してもよい。また、本発明では上記試薬キットを用いて糖化蛋白質を測定するとき、例えば、糖化ペプチドを遊離させる工程と遊離したその糖化ペプチドを測定する工程とを別々に2段階で測定することもできるし、それらの成分を合わせて、上記工程を連続的に1段階で測定することもできる。
【0034】
次に、遊離した糖化ペプチドをHPLCを用いて測定する方法について述べる。遊離した糖化ペプチドを含むプロテアーゼ処理液をそのまま、もしくは必要により、処理液を遠心濾過や膜濾過した濾過液を、適宜、濃縮・希釈した後、HPLC測定に用いる。本発明に用いるHPLCは、上記糖化ペプチドを測定することが可能なHPLCであれば、如何なるHPLCでも用いることができる。例えば、用いる逆相HPLCカラムとして、CAPCEL−PAK C−18(資生堂社製)、TSKgel ODS80Ts(東ソー社製)、Shodex RSpak RP18−415(昭和電工社製)、イオン交換HPLCカラムとして、TSKgel SP−2SW、TSKgel CM−2SW(東ソー社製)等が挙げられる。これらのカラムにプロテアーゼ処理液を吸着させた後、溶離液を用いて、目的とする糖化ペプチドを溶出する。溶離液としては、本発明の測定に適した溶離液であれば、如何なる溶離液でも良いが、例えば、逆相カラムではトリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルと水との混合液、リン酸緩衝液とアセトニトリルとの混合液、アンモニア水溶液とアセトニトリルとの混合液等、イオン交換カラムでは、例えば、リン酸緩衝液とNaCl溶液との混合液、酢酸緩衝液とアセトニトリルとの混合液等が用いられる。これらの溶離液を用いて、ステップワイズに溶離しても良いし、グラジエントに溶離しても良い。好ましい溶離液として、例えば、0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)/水−0.1%TFA/30%アセトニトリルのグラジエント溶離液などを挙げることができる。本発明では、用いるカラム、溶離液、溶離条件(溶離方法、溶離液の流速、温度等)等を適宜、組合せ、目的のα−糖化ペプチドの溶出ピークが、できる限り他の成分のピークと良好に分離する条件に設定することが好ましい。
【0035】
溶離液により溶出された糖化ペプチドを検出する方法としては、糖化ペプチドを検出することのできる検出方法であれば如何なる方法でも用いることができるが、例えば、波長210nm、215nm等における吸光度を検出する方法、各検出ピークを分取した後、マススペクトロメトリー分析に供して目的分子量のピークを決定する方法、薄層クロマトグラフィーに供する方法、あるいは、経時的に分取した溶出画分をニンヒドリン法や糖発色法で比色定量する方法等が用いられる。一例として、例えば、吸光度を検出する方法を用いる場合、モニターにより検出された糖化ペプチドの溶出ピーク面積を算出して、標準物質の溶出ピーク面積と比較して、その糖化ペプチドの量及び糖化蛋白質を測定することができる。
【0036】
【実施例】
以下、参考例および実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、それらの例により、何ら限定されるものではない。
【0037】
参考例 (糖化ジペプチドの製造)
本発明において使用するα−糖化ジペプチドは、以下に示す方法で製造した。市販のジペプチド(バリルヒスチジン(Val−His)、スイス、BACHEM社製)7.0g(27.6mmol)を14mLの水に溶解し、酢酸5.8mLを加え、約50℃で溶解、清澄化させた。次いで、エタノール120mLを添加し混合後、グルコース14g(77.8mmol)を添加し、よく混合した。その後、密閉容器内で80℃、6時間、ときどき撹拌を行ないつつ加温処理を行なった。反応液は経時的に褐変した。反応溶液を経時的に分取し、適宜希釈後、逆相高速液体クロマトグラフィー分析、薄層クロマトグラフィー分析、あるいはマススペクトロメトリー分析に供することにより、目的の糖化ジペプチドの生成を検定した。通常、6〜10時間の加温処理により、良好な収率で糖化ジペプチドを得ることができる。次いで、反応溶液を回収し、ロータリーエバポレーターを用いて、15〜30倍に濃縮した。濃縮物を、99.5%エタノールで平衡化したシリカゲルカラム(容量2000mL)に吸着させ、カラムの2倍量の99.5%エタノールで洗浄し、未反応のグルコースなどの夾雑成分を除去した後、3倍量の95%エタノール、3倍量の90%エタノール、3倍量の85%エタノール、3倍量の80%エタノールで順次溶出を行なった。各溶出画分を薄層クロマトグラフィー分析、逆相高速液体クロマトグラフィー分析などで分析し、目的のフルクトシルVal−Hisを含む95〜90%エタノール溶出画分を回収した。ロータリーエバポレーターを用いて回収物を濃縮乾固させ、約3gの部分精製物を得た。マススペクトロメトリー分析の結果、この精製物の分子量はMW416であり、フルクトシルVal−Hisの分子量と一致し、また、核磁気共鳴スペクトル分析により、その構造を確認した。この部分精製物を、常法により、イオン交換樹脂を用いて吸脱着し、精製度を高め、以後の実験に用いた。更にトリペプチド、テトラペプチド、ヘキサペプチドを用いて、上記と同様の方法で、それぞれ糖化トリペプチド、糖化テトラペプチド、糖化ヘキサペプチドの部分精製物を得た。
【0038】
実施例1 (糖化ヘキサペプチドより糖化ジペプチドの遊離)
糖化ヘモグロビン(HbA1c)を、エンドプロテイナーゼGlu−Cで処理することにより、糖化ヘモグロビン(HbA1c)より、そのβサブユニット由来のα−糖化ヘキサペプチド(フルクトシルVal−His−Leu−Thr−Pro−Glu)が遊離する(Clin.Chem.,43,1994-1951(1997))。そこで、このα−糖化ヘキサペプチドと同一物質である、ペプチド研究所社製のフルクトシルVal−His−Leu−Thr−Pro−Gluを用いて、以下の実験を行なった。
【0039】
上記α−糖化ヘキサペプチド(ペプチド研究所社製)を水に溶解し、5mM溶液とした。この溶液0.1mLに、下記のプロテアーゼ溶液(20mg/mL)0.01mLおよび緩衝液(0.1M)0.09mLを添加、混合してプロテアーゼ処理を行なった。
(a)カルボキシペプチダーゼY(オリエンタル酵母社製)、リン酸緩衝液(pH6.5)。
(b)AOプロテアーゼ((株)盛進、販売)、クエン酸−リン酸2ナトリウム緩衝液(pH6.0)。
(c)ペプチダーゼ((株)盛進、販売)、クエン酸−リン酸2ナトリウム緩衝液(pH6.0)。
(d)モルシン((株)盛進、販売)、クエン酸−リン酸2ナトリウム緩衝液(pH3.0)。
【0040】
上記混合物を37℃、60分間反応処理した。その後、処理液をそれぞれ、適宜濃縮・希釈し、HPLCにて測定した。HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー)として、CAPCEL−PAK C−18(資生堂社製)を用いた。溶離液として、0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)/水−0.1%TFA/30%アセトニトリルを用い、グラジエントで溶離した。標準物質として、α−糖化ジペプチド(フルクトシルVal−His)を用いた。更に溶出した糖化ペプチドを薄層クロマトグラフィー(シリカプレート、メルク社製を用い、展開溶媒はn−ブタノール:酢酸:水=2:1:1、スポット検出はニンヒドリン及びエタノール−硫酸)で確認した。その結果、(a),(b),(c),(d)の何れにおいても、プロテアーゼ処理液中にα−糖化ジペプチド(フルクトシルVal−His)が遊離していることが解った。さらに、各処理液を、アミノ酸分析(日立アミノ酸分析計 L−8800)およびマススペクトロメトリー分析(日立質量分析計 Model M−80B)に供した。遊離したアミノ酸残基の同定とその分子量の測定結果から、何れのプロテアーゼ処理液においてもα−糖化ヘキサペプチド(フルクトシルVal−His−Leu−Thr−Pro−Glu)が、カルボキシ末端から順に、及び/または内部切断的に、切断され、より短鎖のα−糖化ペプチドに分解されていることを確認した。(a)の場合、カルボキシル末端から、Glu、Pro、Thr及びLeu残基の遊離が確認される一方、His残基の遊離が確認されないことより、フルクトシルVal−Hisまで短鎖化されたことが確認された。さらに、処理液のマススペクトロメトリー分析では、処理後に確認された糖化ペプチドの大部分がフルクトシルVal−Hisであり、わずかに、フルクトシルVal−His−Leu及びフルクトシルVal−His−Leu−Thrに相当する分子量のシグナルが認められたにすぎなかった。(b)及び(c)では、フルクトシルVal−Hisと少量のフルクトシルVal−His−Leuのシグナルを認めた。また、(d)では、フルクトシルVal−Hisのシグナルのみを認めた。
【0041】
実施例2 (糖化蛋白質より糖化ジペプチドの遊離)
糖化ヘモグロビン(HbA1c)コントロール(国際試薬社製)に蒸留水を加え、8g/dL(HbA1c含有率約10%)の溶液を調製した。この溶液0.05mLにアスペルギルス属由来プロテアーゼ(モルシン、20mg/mL)0.01mL、及び緩衝液(0.1M、クエン酸−リン酸2ナトリウム緩衝液、pH3.0)0.04mLを添加、混合した。混合液を37℃、180分間プロテアーゼ処理をした後、処理液をマイクロコン3(分画分子量 3000、グレースジャパン社製)で遠心濾過し、濾過液を希釈した後、実施例1に記載のHPLCにて測定した。フルクトシルVal−Hisの遊離を確認し、その溶出ピーク面積から、糖化ジペプチドを測定することができた。この測定値より、糖化蛋白質を測定することができた。
【0042】
実施例3 (改変された本発明オキシダーゼの取得)
(1)鋳型DNAの調製
コリネバクテリウム属菌由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子をコードするプラスミドを保持する大腸菌DH5α(pFA5)(FERM BP−6182)をLB−amp培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイースト・エキストラクト、0.5%塩化ナトリウム、50μg/mLアンピシリン、pH7.0)100mLに接種して、30℃で24時間振盪培養し、培養物を得た。この培養物より、Molecular Cloning (2nd. Edition,1989) に記載の方法に従い、pFA5プラスミドDNA1.5mgを得た。
(2)変異の導入
pFA5プラスミドDNA30μgを100μLのヒドロキシルアミン溶液(0.8M塩酸ヒドロキシルアミン/0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0/1mMEDTA)に溶解し、65℃で2時間変異処理した後、常法によりエタノール沈殿を行い、沈殿物を回収した。この沈殿物をTE緩衝液(10mMトリス−塩酸緩衝液、pH7.5/1M EDTA)に溶解し、D.M.Morrisonの方法(Method in Enzymology,68,326-331,1979)により、大腸菌DH5α株を形質転換し、LB−amp寒天培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイースト・エキストラクト、0.5%塩化ナトリウム、50μg/mLアンピシリン、1.5%(w/v)アガロース、pH7.0)に接種し、30℃で24時間培養した。
(3)生産菌の選抜
18時間培養後出現してきたコロニー、約50000株を30mg/mLのLysozyme溶液に浸したHybond−Cに転写し、一方、50mMフルクトシルVal−His、0.5mg/mLパーオキシダーゼ、1.0mg/mL4−アミノアンチピリン、50mg/mL TOOS、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に浸したHybond−Cを用意し、両者を菌体面が内側になるように重ね合わせ、37℃で30分〜1時間程度反応させた。ここで発色の認められた3株を選抜し、LB−amp培地10mLに接種して、30℃で24時間振盪培養した後、培養液を超音波処理にて破砕し、遠心分離後、その上清について、前記した方法で、糖化ペプチドオキシダーゼ活性を測定したところ、1株に活性を認めた。この株を大腸菌DH5α(pFP1)とした。
(4)酵素の製造
選抜された本発明の糖化ペプチドオキシダーゼ生産能を有する大腸菌DH5α(pFP1)をLB−amp培地10Lに植菌し、ジャーファーメンターを用いて、通気量1L/min、撹拌速度600rpmの条件で、30℃、20時間撹拌培養した。得られた培養液20LをMW50,000の限外濃縮膜(旭化成社製)で5Lまで濃縮し、1Mリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)を加えた。その後、ダイノミルにより菌体を破砕した。破砕液を10,000rpmで15分間遠心分離し、得られた上澄み液を粗酵素液とし、以下の方法で精製した。
【0043】
粗酵素液に、0.15Mとなるように塩化カリウムを加え、0.15M塩化カリウムを含有する50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で平衡化した、DEAE−セファセルカラム 2Lに吸着させた。2Lの同じ緩衝液で洗浄した後、塩化カリウム濃度0.15M〜0.50Mの直線勾配のリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で溶出させた。得られた溶出液について、前記本発明のオキシダーゼの力価の測定方法に基づき活性を測定した後、活性画分を集め、得られた酵素液をMW6,000の限外濃縮膜(旭化成社製)で濃縮し、16%硫酸アンモニウムを含有する50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で透析した。次に、16%硫酸アンモニウムを含有する50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で平衡化したブチルトヨパールカラムに、吸着させ、同じ緩衝液で洗浄した後、硫酸アンモニウム濃度16%〜0%の直線勾配の50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で溶出させ、活性画分を回収した。続いて、この酵素液をMW6,000の限外濃縮膜(旭化成社製)で濃縮し、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で透析し、目的の酵素液を得た。
【0044】
実施例4 (オキシダーゼを用いるα−糖化ジペプチドの測定)
糖化ジペプチドの測定に用いる、以下の試薬を調製した。
試薬A(発色試薬)
4−アミノアンチピリン(東京化成社製) 0.2mM
TOOS 0.2mM
パーオキシダーゼ(東洋紡社製) 14.3U/mL
リン酸カリウム緩衝液(pH8.0) 0.1 M
試薬B(オキシダーゼ試薬)
本発明のオキシダーゼ 4U/mL
リン酸カリウム緩衝液(pH8.0) 0.02M
参考例に記載の方法で得られたα−糖化ジペプチド、フルクトシルVal−Hisを用いて、1.0mmol/L溶液を調製した。この溶液を希釈して、種々の濃度(25、50、75、及び100μmol/L)の糖化ジペプチド含有試料を調製した。この含有試料、各0.3mLに、試薬A2.1mLを添加し、37℃で5分間、保温した。それぞれの保温液に試薬B0.6mLを添加し、37℃で10分間反応させた。555nmにおける吸光度を測定し、反応10分後の吸光度の増加量(ΔOD)を求めた。各種濃度のα−糖化ジペプチドの測定結果の一例を図1に示す。図1から、ΔODとα−糖化ジペプチドの濃度との間には直線的な相関のあることが示された。試料中のα−糖化ジペプチドを短時間でかつ精度よく測定できることがわかった。一方、試薬B(オキシダーゼ試薬)の本発明のオキシダーゼの代わりに、既知のコリネバクテリウム属菌の生産するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(特公平5−33997号公報、特公平6−65300号公報)4U/mLを用いて上記と同様に測定を行なったが、何れの試料についても吸光度の増加量(ΔOD)を測定することはできなかった。これらのことから、既知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを改変することにより、新たに、糖化ペプチドに作用する活性を有する本発明のオキシダーゼの得られることが解った。
【0045】
実施例5 (オキシダーゼを用いる糖化蛋白質の測定)
本発明のオキシダーゼを用いる糖化蛋白質の測定に用いる、以下の試薬を調製した。
試薬A(発色試薬)
実施例4に記載の通り。
試薬B(オキシダーゼ試薬)
実施例4に記載の通り。
試薬C(プロテアーゼ試薬)
モルシン((株)盛進 販売) 20mg/mL
塩化カリウム−塩酸緩衝液(pH3.0) 100mM
ヒト溶血液より常法(遠心分離、濃縮透析、及びイオン交換高速液体クロマトグラフィー法等の組合せ)により分取した、非糖化ヘモグロビン、及び糖化ヘモグロビン(HbA1c)画分を適当な比率で混合し、全ヘモグロビンに対するHbA1c含有率(HbA1c値)が0〜50%の数種の試料を調製した。この試料100μLに、試薬C(プロテアーゼ試薬)100μLを添加し、37℃、1時間プロテアーゼ処理した後、この処理液を煮沸し、プロテアーゼ反応を停止させた。次いで、この処理液に0.5M NaOHを添加して、pH7とした後、遠心分離(12000rpm、5分間)し、上清を分取した。この上清0.3mLに、試薬A(発色試薬)2.1mL、及び試薬B(オキシダーゼ試薬)0.6mLを添加、混合し、37℃、30分間反応させた。反応開始前、及び反応終了後の555nmにおける吸光度を測定し、該吸光度の増加量(ΔOD)の値を求めた。HbA1c値の異なる数種の試料について、測定した結果の一例をを図2に示す。この結果から、ΔODと初発試料中のHbA1c量との間には、直線的な相関が認められた。これにより、試料中の糖化ヘモグロビンを簡便に、迅速かつ精度良く測定できることがわかった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の測定方法は、糖化蛋白質、例えば糖化ヘモグロビンなどを、短時間で、簡単な操作で、精度よく測定することができ、糖尿病の症状の診断や症状管理に有効に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 α−糖化ジペプチド(フルクトシルバリルヒスチジン)の測定結果を示す図。
【図2】 糖化ヘモグロビン(HbA1c)の測定結果を示す図。
Claims (8)
- 試料をプロテアーゼで処理して、遊離したα−糖化ペプチドに、α−糖化ペプチドオキシダーゼ生産能を有する大腸菌(FERM BP−7297)が産生する、α−糖化ペプチドに作用して、過酸化水素を生成する作用を有するオキシダーゼを作用させ、その作用による生成物または消費物を測定することを特徴とする、試料中のN末端のα−アミノ基が糖化された糖化蛋白質の測定方法。
- プロテアーゼが、アスペルギルス属、サッカロミセス属又はバチルス属の微生物の生産するプロテアーゼから選ばれる1種以上のプロテアーゼである請求項1記載の糖化蛋白質の測定方法。
- α−糖化ペプチドがα−糖化ジペプチドである請求項1または2記載の糖化蛋白質の測定方法。
- α−糖化ジペプチドがフルクトシルバリルヒスチジンである、請求項3記載の糖化蛋白質の測定方法。
- 測定する生成物が過酸化水素である請求項1〜4いずれか1項記載の糖化蛋白質の測定方法。
- 以下の成分を含むことを特徴とする、試料中のN末端のα−アミノ基が糖化された糖化蛋白質の測定用試薬キット。
(1)プロテアーゼ。
(2)α−糖化ペプチドオキシダーゼ生産能を有する大腸菌(FERM BP−7297)が産生する、α−糖化ペプチドに作用して、過酸化水素を生成する作用を有するオキシダーゼ。
(3)過酸化水素を測定するための試薬。 - α−糖化ペプチドがα−糖化ジペプチドである、請求項6記載の試料中の糖化蛋白質の測定用試薬キット。
- α−糖化ジペプチドがフルクトシルバリルヒスチジンである請求項7記載の試料中の糖化蛋白質の測定用試薬キット。
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