JP3949788B2 - 物品収納容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品を収納、保管、運搬、配送する際に使用する物品収納容器に関するものである。さらに詳しくは、当該物品収納容器の表面改質技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物品の流通時や製造時には、これらの物品を収納、保管、運搬、あるいは配送するために各種の物品収納容器が用いられる。このような物品収納容器は、一辺が数十センチ程度の直方体形状を有し、厚さが1cm〜2cm程度の合成樹脂製の薄板により形成されていることが多い。また、物品収納容器は、上部が開放されており蓋が容器本体とは別に存在する形態か、あるいは蓋が容器本体に直接作りつけられている形態となっている。これらの物品収納容器は使用後も回収されて長期間にわたって繰り返し使用されることから、流通段階で用いられているものは通い箱と総称されている。このような通い箱は、画一的な物品を効率よく運ぶのに便利であるため、チェーンストア展開をするコンビニエンスストアや外食産業の急速な普及にともなって流通段階で多数用いられている。
【0003】
ここで、通い箱は、製造が容易であること、取り扱い易いこと、軽量であることからそのほとんどが合成樹脂製である。また、近時、通い箱としての使い勝手を向上するべく、また、通い箱の製造コストを削減するべく構造面での様々な工夫が成されている。
【0004】
たとえば、図2に示す合成樹脂製の物品収納容器20は、いわゆるコンテナと称せられるものであり、耐用強度を損なわない程度に、薄板から構成されている底板部25の一部又は全部が網目になっている。また、耐用強度を損なわない程度に、側板部26には持ち手用の貫通孔23の他にも複数の貫通孔22が開けられている。このように網状部分21や貫通孔22を設ける理由は、コンテナの側方や底側から内部の収納物品を視認しやすし、かつ、風通しを良くするためであり、さらに軽量化を図るためでもある。このような軽量化を図るために、コンテナに貫通していない穴(図示せず。)を形成することにより、この部分を薄肉部分とすることもある。
【0005】
図3に示す合成樹脂製の物品収納容器30は、いわゆる番重またはテンバコと称せられるものであり、底板部35及び側板部34のいずれにも貫通孔は形成されていない。このような番重では、軽量化を図るために側板部34及び底板部35を薄板により構成することが多い。従って、比較的軽いものを運搬するのに適しているが、重い物品を運搬するには強度的な問題がある。そこで、番重タイプの通い箱では、側板部34や底板部35の外側表面に対して強度を補うための構造を付加することが多い。たとえば、図4に示す番長タイプの通い箱では、側板部34や底板部35に対して薄いリブを垂直に立て、これらの補強用鉛直リブ46及び補強用水平リブ47(底板部の補強用リブについては図示せず。)を直角に交差させることにより補強する。また、その他の補強構造としては、リブの代わりに一部に厚肉部分(図示せず。)を設けることもある。
【0006】
図5(a)に示す合成樹脂製の物品収納容器50は、いわゆる折り畳みコンテナと称せられるものであり、折り畳むことにより体積を小さくすることが可能である。すなわち、図5(b)に示すように、上枠部分に対して跳ね上げ側板58を軸(図示せず。)を介して連結し、かつ、跳ね上げ側板58の下端部分を底板部に対して着脱自在とするとともに、蝶番59によって中央部分で折り畳むことができる折り畳み側板55を設けてある。従って、跳ね上げ側板58をコンテナ内側で跳ね上がらせた後、折り畳み側板55を蝶番59の部分で内側に折り畳むことにより、この折り畳みコンテナ全体を押し潰した状態とすることが可能である。従って、この折り畳みコンテナは、通常のコンテナや番重等に比べて機械構造的にかなり複雑なものとなっている。また、他の折り畳み可能な通い箱としては、一部もしくは全部が軟性の合成樹脂からなる蛇腹構造を持ち、容易に伸縮させることができるコンテナ等もある。
【0007】
さらに、図示を省略するが、日本酒等の一升瓶を輸送するのに用いる物品収納容器(いわゆるサケコン)、ガラス瓶やペットボトル及び紙パック等の容器に入った液体、特に清涼飲料水やアルコール飲料等を運搬するのに用いる合成樹脂製の物品収納容器、あるいはある程度形状が一定の食品等を運搬するのに用いる合成樹脂製の物品収納容器では、個々の物品同士が接触しないように、内部に物品の位置を固定するための仕切りを設けることが多い。
【0008】
さらにまた、前記のコンテナや番重等では、積み重ねて運搬、保管する場合が多く、その積み上げたときの高さを低減するために構造的に工夫されているものがある。通常コンテナ等の通い箱は内部に物品を収納したまま複数個積み重ねて使用し、運搬等が行われる。物品を取り出した後の通い箱を複数個積み重ねた時に通い箱の運搬使用時とは異なる積み重ね方、具体的には通い箱の積み重ね方向や角度を使用時とは異ならせて積み重ね、それらの積み上げ高さを低減できるスタッキング構造を持つ通い箱がある。このようなスタッキング構造の通い箱は、使用時には内部の物品を傷つけないようにある程度の高さを保持する一方、内部に凹凸部が形成されているので、これらの凹凸を合わせることにより、使用後に積み重ねておく際にはそれらの高さを極力低減することができる。
【0009】
このような通い箱として使用される物品収納容器は、小売店や飲食店に物品が運搬、配送された後、物品が取り出されると、一時的に不要となる。不要となった通い箱は、通常店外に積み重ねたままの状態に置かれている。このような一時不要となって複数個積み重ねて保管される通い箱は、スタッキング構造をもつコンテナや、折り畳み可能なコンテナ以外、店内に保管場所を確保するのが困難な高さとなる。従って、店外に専用の保管場所を設置すればよいが、コスト的な問題や配送担当者の便宜もあり現実には行われていない。スタッキング構造をもつコンテナや、折り畳んだ折り畳み可能なコンテナも、積み重ね高さを低減できても同等の床面積を占有する以上、やはり店内に収納スペースを確保するのは無理なので、小売店の店頭や店外に積み上げられたままとされる。このような状態は、次の配送作業者が回収に来るまで続く。このような行為は、通い箱を清浄に保つためには行われるべきではないが、前記の事情により日常的に行われているのが現状である。その結果、通い箱は風雨に曝されることとなり、通い箱の表面に埃や排気ガスの粉塵等が付着する。さらに長時間放置されると、水垢や黴が付着する場合もある。その上これらの汚れは太陽光が照射されることによって、いわば焼き付けられる格好となり、乾燥後には通常の水洗いでは容易に落とせなくなる。
【0010】
一方、食品工場内のみで用いられている物品収納容器は、前述の排気ガス粉塵等の汚れは表面に付きにくい。しかし、このような物品収納容器は、製造段階の食品を格段の包装を施さずに直接収納して運搬・保管する場合が多く、食品表面の調味液や食用油等の液体が通い箱に付着すると、次回使用時までに当然洗浄しておかなくてはならない。ここで、合成樹脂製の物品に油性の液体が付着すると、通常の中性洗剤では落としにくいことは良く知られている。また、食品工場内で用いられる物品収納容器は、流通に使用される通い箱と比較して繰り返し使用される頻度が高い。従って、食品を直に収納して保管・運搬するという点において、このような食品収納容器は、常に衛生面に配慮することが求められている。食品収納容器では、汚れが残存しているとその部分に雑菌が発生しやすくなり食品に付着する恐れがあるからである。また、汚れが余りにも多く付着していると見た目が悪くなり、食品を扱う事業者の信用が低下する。このため、食品収納容器は、ある程度以上汚れた場合には廃棄され、新たな通い箱が購入補充されるが、このような交換には莫大な費用がかかる。
【0011】
そこで、物品収納容器については、ある程度以上汚れた場合には、物品収納容器の所有者や物流会社等が物品収納容器を一旦回収した後、これらに付着した汚れを洗剤とブラシとを用いて落とす。また、合成樹脂製の物品収納容器表面に付着した汚れを落とすための様々な洗剤や洗浄装置も開発されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
(物品収納容器に関する一般的な課題)
しかしながら、従来のように、合成樹脂製の物品収納容器において、表面に付着した汚れを洗剤とブラシで洗い落とす方法では、以下のような問題点が存在する。まず、洗剤を用いて物品収納容器に付着した汚れを洗浄する工程では、前述のように物品収納容器が軽量化や補強、省スペース化を図るために複雑な構造を備えているため、細部に残存した汚れを落としにくい。例えば、コンテナにおいて網状になっている部分や折り畳み式コンテナの蝶番部分、番重等の隅部、補強のためのリブが狭い間隔で並んだり交差している部分、サケコンの仕切り部、スタッキング構造の凸凹部等に残る汚れ全てを落とすことは非常に煩雑となる。また、それらの物品収納容器は繰り返し使用により風雨に曝され、太陽光によって焼き付けられる過程を繰り返すうちに、残存した汚れの上にさらに汚れが堆積するため、それらを洗い落とすのはかなり困難でなる。さらに、大量の物品収納容器をブラシ等を用いて手作業で細部まで洗浄するのはコスト面や作業効率からも非合理的である。このように、便宜性を追求するために工夫した構造の複雑さが、洗浄工程においてはかえって欠点となっている。かといって、このように複雑な構造になってしまった物品収納容器を、洗浄作業の容易な単純な構造に戻すことは、現在流通している物品収納容器(通い箱)との互換性、交換のためのコストからみて事実上不可能である。
【0013】
一方、残存した汚れ、あるいは細部の汚れをブラシ等による物理的な洗浄を行わない方法として現在多く用いられているのは漬け置き洗い法である。この方法では、高濃度のアルカリ性の洗剤原液を必要に応じて希釈した洗浄液を巨大な水槽中に大量に作成し、通い箱をその液の中に数時間以上漬け置く。この洗浄作業後には通い箱の汚れはほぼ除去されるが、当然、アルカリ性の廃液が大量に生じる。この廃液は水質汚染や環境破壊を引き起こす。このため、浄化槽等に直接流すことはできず、水による希釈や酸による中和処理を行わなければならないので、この工程に伴う材料コスト及び人的コストが必要となる。また、洗浄工程後には、通い箱表面に付着残存している水を切るために、リンス工程を行う必要がある。このリンス工程によって静電気が発生し、汚れが付着しやすくなるとも一般に考えられている。これにより洗浄の度に汚れが付着しやすくなっていくという悪循環が生じている恐れがある。当然のことながらリンス工程を行うと、リンス液のコスト等も増加する。
【0014】
(食品収納容器に関する課題)
物品収納容器のうち、密封容器や弁当箱等として個人が使用するものにも各種の問題がある。このような食品収納容器は、古来木製のものが多用されてきたが、近年の石油化学技術の発達により現在では合成樹脂製のものが多数を占めている。これらの食品収納容器は各家庭で繰り返し使用される。また、産業給食や仕出し用に用いる弁当箱等の食品収納容器でも、扱いが簡便で安価なことから、やはり合成樹脂製のものが多く使用されている。これらの食品収納容器は一度使用されると回収して洗浄され、繰り返し使用される。いずれの食品収納容器でも、内部には仕切りが形成されているものが多く、特に仕出し用弁当箱には仕切りが多い。このような食品収納容器では、合成樹脂が油になじんだり可溶する性質を持っていることから、食用油が接触すると、食用油は容器にこびりつき落としにくい。とりわけ、容器の隅部や仕切りの隅部等に付着した油はかなり洗い落としにくい。
【0015】
一方、食品収納容器としては使い捨てにされるものも多く出回るようになっている。このような使い捨ての食品収納容器に食品を収納した商品は、流通の発達により弁当や惣菜等一部調理済みを含む調理済みの食品を各地に配送することができるようになってからは量販店やコンビニエンスストア等で多く売られている。これらの使い捨て容器も、軽量且つ安価であることが求められることから、OPS(延性ポリスチレン)や発泡スチロール等の合成樹脂製が主流となっている。しかし、合成樹脂は油になじんだり可溶する性質を持っていることから、合成樹脂製の食品収納容器では、樹脂成分が溶けだして容器が強度低下して破損しやすいという問題や合成樹脂成分が食品に付着するという問題が生じている。特に使い捨てにできる食品収納容器に収納された調理済み食品を、食品が収納されたまま電子レンジ等で温め直すと、食品に含まれた食用油の温度上昇により、さらに食品収納容器の溶け出しが助長されてしまう。その結果、揚げ物等の調理済み食品を加熱すると、それには食用油が大量に含まれているため、食品収納容器が破壊される恐れがある。加熱時間が必要以上に長すぎたり出力が大きい場合の過加熱によっても、さらに食品収納容器の溶け出しが促進されるので、調理時間等を記したシールを貼る方法が考えられるが、このような作業はコスト高となる。容器に調理時間を当初から記しておくことも考えられるが、容器自体の汎用性がなくなる。
【0016】
そこで、食品収納容器と収納食品との接触面に大きさが数センチ四方程度のPP(ポリプロピレン)のシートを介挿することがある。PPは比較的耐油性が高く、高温の食品に含まれる食用油によっても冒されにくい。しかし、蓋が無色透明もしくは半透明であると、PPシートが食品との間に介挿されているのでは見栄えが悪くなる。PPシートは積層された束から一枚一枚剥いで食品の上に手作業で配置しており、機械による自動化がなされていないのが現状であるため、PPシートを介挿するにはコストがかかる。蓋部分が溶け出すのを防ぐために食品と蓋が接触しないように、蓋を高くしているものもあるが、このように蓋を高くすると、食品収納容器のコストが上昇する。また、使い捨ての食品収納容器に収納された調理済み食品を電子レンジ等の調理器具で温めると、内部に蒸気が発生し、蓋に曇りが発生する。使い捨ての食品収納容器の場合、蓋は内容物を確認できるように無色透明もしくは半透明である場合がほとんどであり、この曇りが蓋に発生すると内容物を確認できない等、見た目が悪くなる。
【0017】
さらにまた、回収容器であるか使い捨て容器であるかにかかわらず、調理した食品を食品収納容器に収納して蓋をした場合、容器内部で蒸気が露結する。このような露結により蓋の内面に水滴が付き、それが垂れ落ちて食品に付着すると、味付けが薄まったり水っぽくなり食味が変化・低下して商品価値が低下する。また、調理済み食品はpH値や塩分濃度が厳重に管理されており、それにより細菌等の繁殖を防止している。ところが、食品に水が付着するとpHが変化したり塩分濃度が低下して細菌が発生する確率が高くなる。さらに、食品収納容器に付着した水滴が細菌の温床となるおそれもあり、食中毒の原因となりかねない。そこで、発生した蒸気を取り除く手段としては、炊飯紙と呼ばれる布や紙、吸湿セロハン等を表面に配置して、蒸気を吸い取る方法がある。しかし、食品収納容器の食品表面に炊飯紙を置くことは見た目が悪い。特に使い捨て食品収納容器では、蓋が無色透明であることが多いため、炊飯紙や吸湿セロハンを置いたのでは内容物が確認しずらくなり、見た目も悪い。吸湿セロハンについては水分の吸収により表面が細かく波打ち、見栄えが低下する。
【0018】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、表面に汚れ等が付着するのを防止して、清浄に保つことができ、且つ、汚れが付着してもそれを容易に除去することができる物品収納容器を提供することにある。
【0019】
また、本発明の課題は、耐油性が高く、かつ、蓋の曇り防止及び水滴の付着や形成を防止することのできる食品収納用の容器を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る物品収納容器は、食品が内部に収納される容器本体、あるいは当該容器本体と蓋とを備え、前記容器本体は、基材が紫外線透過材料からなり、当該容器本体の表面には、紫外線照射により前記容器本体の表面の親水性を高める酸化チタン等の光触媒性材料を含む層が形成されていることを特徴とする。
【0021】
このように構成した物品収納容器において、光触媒性材料を含む層が形成されていない状態では、通常の樹脂表面の水の接触角が70度から90度であるのに対して、この樹脂表面に光触媒性材料である酸化チタンとシリコーン樹脂を組み合わせたコート剤を用いて光触媒性材料を含む層を形成した後、十分な紫外線を照射すると、樹脂表面の水の接触角はほぼ0度となる。このように親水性が飛躍的に向上した表面では油等の汚れよりも水の方が表面になじみやすいため、油滴が付着した場合でも、物品収納容器を水中に沈めるだけで油が離脱する。従って、洗剤をほとんど用いずに水洗いだけで、付着した油の汚れを容易に除去できる。それ故、高濃度のアルカリ性洗剤に漬け置いたり、ブラシ等を用いて洗浄しなくても、水洗い作業のみで、残存した汚れをほぼ全部除去できるので、洗剤のコストや人的コストを削減できる。さらに、高濃度のアルカリ性洗剤が不要なため、それにより洗浄作業者や食品摂取者の健康を害することがない。しかも、洗剤の廃液処理を行う必要もないので、水質汚染や環境破壊の危惧も生じない。
【0022】
また、通常では紫外線が届かない場所に光触媒性材料を含む層を形成しても、紫外線透過材料からなる基材を通して紫外線が届くので、かかる部分も超親水性にすることができる。
【0023】
本発明は、物品収納容器の基材を、たとえば、透明な合成樹脂材料で構成することができる。合成樹脂は太陽光に長期間曝されると、紫外線の影響により樹脂組織の劣化が起こるのに対して、本発明のように、光触媒性材料を含有する層を合成樹脂製の物品収納容器表面に形成しておくと、この光触媒性材料が紫外線を吸収するため、合成樹脂が直接太陽光に曝されることがなく、樹脂組織の劣化を抑えることができる。よって、紫外線が原因となる物品収納容器の劣化を防ぐことができ、物品収納容器自体の寿命が長くなる。このため、物品収納容器を新たなものに交換していくためのコストを削減できる。また、汚れ等の付着物そのものを分解するという従来の光触媒技術では、合成樹脂等有機物の基材を用いた場合、その基材自体を光触媒技術で損傷してしまう問題があるが、本発明に係る物品収納容器に適用した光触媒技術は、光触媒分解作用がほとんどない状態でも効果を発揮するので、合成樹脂製の物品収納容器に用いることに問題はない。
【0024】
このような物品収納容器は、以下の観点からも、食品収納用に適している。すなわち、本発明を適用した食品収納容器は、蓋や容器本体内に蒸気が付着しても蒸気による水は光触媒性材料により一様に広がるため、蒸気の水滴への成長がない。このため、食品への水滴付着による食味が低下せず、食品の塩分濃度の低下やpH値の変化による細菌等の繁殖が防止できる。
【0025】
本発明では、前記光触媒性材料を含む層を、さらに、蓋の内面側に形成してもよい。使い捨ての食品収納容器では、透明な蓋が使用されることが多いが、このような透明な蓋に蒸気が付着しても、そこに光触媒性材料を含む層を形成しておけば、露結した水は光触媒性材料により一様に広がるため、蓋が曇ることない。それ故、食品収納容器において、蓋を通して内容物を良好に確認でき、見た目によい。
【0026】
本発明において、前記光触媒性材料を含む層は、たとえば、少なくとも容器本体内の物品収納部の表面等といった収納物と接触する部位の表面に形成する。また、前記光触媒性材料を含む層を、容器本体の物品収納部以外の表面に形成してもよい。
【0027】
本発明において、容器底部及び容器側面部のうちの少なくとも一方は、網状部を備えていることが好ましい。また、容器底部及び容器側面部のうちの少なくとも一方は、貫通孔及び肉薄部分のうちの少なくとも一方からなる軽量化構造を備えていることが好ましい。さらに、容器底部及び容器側面部のうちの少なくとも一方は、リブ及び厚肉部分のうちの少なくとも一方からなる補強構造を備えていることが好ましい。さらにまた、物品収納容器は、蝶番や蛇腹等を用いて折り畳み可能な構造になっていることが好ましい。本発明において、容器本体内の物品収納部が仕切りによって複数に分割されていてもよい。このようなブラシが届きにくい凹凸部分や隅部分を有する物品収納容器において、かかる部分に光触媒性材料を含む層を形成しておけば、そこには汚れが付着しにくく、たとえ付着しても水洗いで容易に落とせるので、物品収納容器を清浄に保つことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明による物品収納容器(食品収納容器)の実施の形態について説明する。
【0029】
(物品収納容器の例)
本発明を適用した物品収納容器では、図1に示すように、物品収納容器の基材Rである合成樹脂の表面に酸化チタン等の光触媒性材料を含む層Tを形成したことを特徴とする。
【0030】
このように構成した物品収納容器において、光触媒性材料を含む層Tが形成されていない状態では、通常の樹脂表面(基材Rの表面)の水の接触角が70度から90度であるのに対して、樹脂表面に光触媒性材料である酸化チタンとシリコーン樹脂とを組み合わせたコート剤を用いて光触媒性材料を含む層Tを、たとえば0.1μm〜50μm程度形成した後、十分な紫外線を照射すると、樹脂表面(基材Rの表面)の水の接触角はほぼ0度となる。この現象を超親水化、性質を超親水性という。この理由は、樹脂表面が疎水性分子で覆われ水分を弾く性質をもっているのに対して、光触媒性材料は紫外線の照射により、この疎水性分子を分解し、表面に薄い水分子の層を安定的に形成するためと考えられる。
【0031】
このように、光触媒性材料を含む層Tを合成樹脂製の物品収納容器の表面にコートし、紫外線を照射したことにより表面の親水性が飛躍的に向上する結果、通常の合成樹脂表面等に付着した油は洗剤等を用いなければ容易に除去することはできないに対して、光触媒により超親水性となった表面では油汚れよりも水の方が表面になじみやすい。このため、例えば合成樹脂表面に光触媒性材料をコートした表面に油滴を付着させた場合でも、これを水中に沈めるだけで油が離脱する。本発明では、このような性質を有する超親水性光触媒を合成樹脂製の物品収納容器表面にコートしたので洗剤をほとんど用いずに水洗いだけで、付着した油等の汚れを容易に除去できる。また、自動車排気ガス等に由来する油分を含む粉塵や埃、水垢等の汚れが付着しても同様に容易に除去できる。
【0032】
ここで、物品収納容器は屋外に置かれている場合が往々にしてあるため、物品収納容器表面にコートした光触媒性材料を含む層Tへの紫外線照射は、好都合なことに太陽光により自動的に行われ、その際には、汚れが乾燥しても合成樹脂自体に焼き付けられることはない。また、表面が超親水性となった物品収納容器は、屋外に置かれているうちに降雨によって汚れが洗浄されることも一部期待される。ここで、紫外線照射により一旦超親水化されると、その効果は数十時間維持されるため、紫外線照射があまり期待できない夜間や荒天時でも、防汚性を保持できる。よって、合成樹脂製の物品収納容器を屋外に置くことに支障がなく、逆に、物品収納容器の汚れ防止及び除去にはかえって好都合且つ有効であると言える。
【0033】
また、長期間の使用により光触媒性材料をコートした合成樹脂製の物品収納容器表面に汚れが付着したのに光触媒性材料に十分な太陽光が照射が行われない場合でも、物品収納容器を回収した後に人工的に紫外線照射を行うことにより汚れを容易に除去できる状態になる。それ故、高濃度のアルカリ性洗剤に漬け置いたり、ブラシ等を用いて洗浄しなくても、水洗い作業のみで残存した汚れをほぼ全部除去できるので、洗剤のコストや人的コストを削減できる。さらに、高濃度のアルカリ性洗剤が不要なため、それにより洗浄作業者や食品摂取者の健康を害することがない。しかも、洗剤の廃液処理を行う必要もないので、水質汚染や環境破壊の危惧も生じない。
【0034】
また、基材Rとなる合成樹脂は太陽光に長期間曝されると、紫外線の影響により樹脂組織の劣化が起こるのに対して、本発明のように、光触媒性材料を含有する層Tを合成樹脂製の物品収納容器表面に形成しておくと、この光触媒性材料が紫外線を吸収するため、合成樹脂が直接太陽光に曝されることがなく、樹脂組織の劣化を抑えることができる。よって、紫外線が原因となる物品収納容器の劣化を防ぐことができ、物品収納容器自体の寿命が長くなる。このため、物品収納容器を新たなものに交換していくためのコストを削減できる。
【0035】
さらに、物品収納容器に光触媒性材料をコートした場合のコストについては、特に酸化チタン等は市場で安価に入手でき、かつ、シリコーン樹脂の価格も低廉であるため、製造に掛かるコストの上昇はほとんどない。
【0036】
なお、汚れ等の付着物そのものを分解するという従来の光触媒技術では、合成樹脂等有機物の基材を用いた場合、その基材自体を光触媒で損傷してしまう問題があるが、本発明に係る物品収納容器に適用した光触媒技術は、光触媒分解作用がほとんどない状態で効果を発揮するので、合成樹脂製の物品収納容器に用いることに問題はない。
【0037】
(コーティング形態1)
本発明において、合成樹脂製の物品収納容器において光触媒性材料を含む層Tを物品収納容器の表面全体にコートしておけば、物品収納容器が如何なる状態で使用されても、表面に汚れが付着するのを防止し清浄に保ち、且つ付着した汚れを容易に除去することができる。
【0038】
(コーティング形態2)
また、物品収納容器の表面のうち、例えば以下の部位にコートしておくことでも、防汚性や汚れの除去に多大な効果がある。
【0039】
まず、少なくとも収納物品と接する部位にのみ、たとえば、物品収納部の表面のみに光触媒性材料を含む層Tをコートするだけでも、紫外線照射により表面が超親水性となり汚れが付きにくく、汚れを容易に除去できるようになる。
【0040】
(コーティング形態3)
また、使用後屋外に放置される通い箱に関しては、積み重ねたときに外側で露出する部分(物品収納部以外の表面)の表面に光触媒性材料を含む層Tをコートしておけば、この部分については紫外線照射により表面を超親水性にしておくことができるので、埃や排気ガスの粉塵等が付着するのを防止できる。
【0041】
(コーティング形態4)
例えば、図2に示したコンテナ(物品収納容器20)では、耐用強度を損なわない程度に、薄板から構成されている底板部や側板部の一部又は全部が網目になっており、かつ、側板部には持ち手用の貫通孔23に加えて複数の貫通孔22も開けられている。このように網状部分21や貫通孔22を設ける理由は、コンテナの側方や底部からも内部の収納物品を視認しやすし、かつ、風通しを良くするためであり、軽量化を図るためでもある。このような軽量化を図るためには、コンテナに貫通していない穴(図示せず)を形成することにより、この部分を薄肉部分とすることもある。このような構造のコンテナにおいて、網状部分21の網部表面Aや、軽量化の目的等で設けられた側板部の側部孔22内の表面Bに光触媒性材料を含む層Tをコートしておけば、汚れを洗い落とにくい構造であっても、水洗いだけで汚れを容易に洗い落とすことができる。
【0042】
(コーティング形態5)
また、図3の番重や図4のテンバコ等の物品収納容器30では、容器内の角張った隅部Cや、補強構造となっているリブ46及び47が交差している隅部Dの表面に光触媒性材料を含む層Tをコートしておく。このような汚れを洗い落とにくい部分に光触媒性材料を含む層Tをコートしておけば、水洗いだけで汚れを容易に洗い落とすことができる。
【0043】
(コーティング形態6)
さらに、図5(a)、(b)に示す折り畳み式コンテナ(物品収納容器50)は多くの部品を組み立ててなる構造であり、蝶番59等の接合部分Eや接触部分Fに汚れが付着しやすい。そこで、蝶番59等の接合部分Eや接触部分F等、汚れが付着しやすい部分に光触媒性材料を含む層Tをコートしておく。図示を省略するが、蛇腹の折り畳み式コンテナでも同様に、汚れが付着しやすい部分に光触媒性材料を含む層Tをコートしておく。このような部分に対して、光触媒性材料を含む層Tをコートしておけば、十分な紫外線を一度、照射するだけで、埃や排気ガスの粉塵等が付着するのを防止でき、かつ、たとえ粉塵等が付着してしまった場合でも、水に接触させるだけで粉塵等を容易に除去できる。
【0044】
(基材について)
図5に示した折り畳み式コンテナや、図1及び図2に示した貫通孔や網状部分のあるコンテナ等、複雑な構造を有する物品収納容器では、人為的に紫外線照射しても十分に照射されない部分が生じる恐れがある。そのような問題点は、物品収納容器の基材Rを紫外線透過性材料、たとえば、透明な合成樹脂材料とすることで解決できる。すなわち、通常では紫外線が届かない場所に光触媒性材料を含む層Tを形成しても、紫外線透過材料からなる基材Rを通して紫外線が届くので、かかる部分も超親水性にすることができる。
【0045】
〔回収利用される食品収納容器の例〕
図6には、蓋がないタイプの食品収納容器60の例を示してあり、この食品収納容器60は回収利用される。この食品収納容器60は、たとえば産業給食や仕出し弁当として利用され、合成樹脂製のものが多い。この食品収納容器60では、容器本体61の内部に複数の仕切り62があり、それぞれの仕切り内63に収納した食品同士及びそれらの味が混ざらない。このような食品収納容器60においては、光触媒性材料を含む層Tは食品収納容器60の少なくとも食品と接触する側の部位全体、すなわち、容器本体61の内部全体にコートしておくことで効果が期待できる。
【0046】
図7には、回収利用される食品収納容器70のうち蓋があるタイプの例を示す。図6に示したものと同様に、食品収納容器70の容器本体71の内部には仕切り72により仕切られたいくつかの仕切り内73がある。この食品収納容器70には蓋74が付属しており、埃等が外部より混入しないようになっている。この食品収納容器70はその容器本体71及び蓋74ともに、高級感を出すために木製の漆器に似せて作られているものが多く不透明であり、内部が見えない。このような食品収納容器70においては、光触媒性材料を含む層Tは容器本体71の内側及び蓋74の内面等、少なくとも食品と接触する側の部位にコートしておくことで効果が期待できる。
【0047】
このような食品収納容器60、70において、通常の合成樹脂表面に付着した食用油等の油性の汚れは、洗剤等を用いなければ容易に水洗いにより除去することはできないので、回収利用される食品収納容器60、70は、従来、自動洗浄機の洗浄プロセスにおいて容器内表面に付いた油汚れを除去するために温水や洗剤を用いているが、それでも、隅部等に付着した油汚れについては、自動洗浄機では完全に落とすのが困難である。このため、従来は、人手に頼ってブラシ等で落とすしかなかったが、本発明を適用した食品収納容器では、光触媒作用で超親水性になった表面は油よりも水の方が表面になじみやすいため、基材Rの表面に油滴が付着した場合でも、これを水中に沈めるだけで油が離脱する。それ故、光触媒性材料を含む層Tをコートした食品収納容器に対して紫外線照射する工程を行っておけば、表面が超親水性であるので、仕切りによる細かな部分や隅部等の汚れも、水洗いだけで容易に除去できる。それ故、洗剤のコストや人的コストが削減できる。さらに高濃度の洗剤が不要なため、それにより洗浄作業者や食品摂取者の健康を害することもない。しかも、洗剤の廃液処理を行う必要もなく、水質汚染や環境破壊の危惧も生じない。さらにまた、温水も不必要となり、温水を製造するボイラや配管等の設備が必要なくなりそれらのランニングコストも不要となる。また、紫外線照射により超親水化した表面はその効果が数十時間持続されるので、消費者に食品を提供してから回収利用されるまでの間、食品収納容器に汚れが付着するのを防止する効果も期待できる。
【0048】
なお、食品関連分野で用いられる器具は除菌のために紫外線照射を行っている場合が多い。この除菌のための紫外線照射工程を食品収納容器表面の光触媒性材料層の超親水化工程ともする事ができ、紫外線照射装置がすでに備えてある場合には、新たな紫外線照射装置や工程を設ける必要がない。よって合成樹脂製食品収納容器をこれまで通り紫外線照射工程を行う方法は、食品収納容器の超親水化という観点からも、好都合で且つ有効であると言える。また、紫外線照射装置が備わっていなくても、紫外線照射装置自身は広く一般的に用いられているため、さほど高価な装置でないので、全体からみればコスト増とはならない。
【0049】
また、本発明を適用した食品収納容器において、回収容器であるか、あるいは後述するように使い捨てであるかにかかわらず、蓋70や容器本体61、71内に蒸気が付着しても蒸気による水は光触媒性材料により一様に広がるため、蒸気の水滴への成長がない。このため、食品への水滴付着による食味が低下せず、食品の塩分濃度の低下やpH値の変化による細菌等の繁殖が防止できる。
【0050】
収納する物品が食品である以上、光触媒の人体への適合性の点が問題となるが、この光触媒技術はコンタクトレンズやカテーテル類等にも用いることができるため、何ら問題はない。また、特に光触媒性材料である酸化チタンは現在、食品用包装材等に用いられており、万一体内に混入しても危険性は少なく安全である。その上、酸化チタンには抗菌作用があることが認められており、光触媒性材料を含む層表面への細菌や黴の付着防止も期待できる。
【0051】
なお、以上の光触媒層と公知の有機酸の組み合わせにより構成される嫌菌環境を形成する物質を併用するようにすることができる。この嫌菌環境を形成する物質は各種細菌が存在しがたい環境を形成することにより、少なくとも細菌が繁殖しない環境を形成するものであり、それ自体が必ずしも殺菌作用を有するものではない。併用の態様としては、例えば光触媒層に混練する等の態様がある。
【0052】
〔使い捨て食品収納容器の例〕
図8及び図9には、使い捨てにされる食品収納容器80、90を示してあり、いずれも容器本体85、95と透明もしくは半透明の蓋86、96からなっている。なお、図8に示す食品収納容器80では、その容器本体85に仕切りがなく、図9の食品収納容器90では内部が仕切り97により複数に仕切られている。このような合成樹脂製の食品収納容器80、90において、光触媒性材料を含む層は容器本体85、95の内面及び蓋86、96の内面等、少なくとも食品と接触する側の部位にコートしておくことで効果が期待できる。
【0053】
使い捨てにされる食品収納容器80、90では、従来、食用油によって樹脂成分が溶け出す等の問題点があったが、本発明を適用した食品収納容器80、90では、光触媒作用で表面が超親水性になると、食品中に含まれる水分等の水を選択的に寄せ付けるので、その結果として、油分を遠ざけることになる。すなわち、食品収納容器80、90の表面(光触媒性材料を含む層T)と食用油層の間に水層が形成される。そのため、油分の多い食品を収納しても樹脂成分が溶け出すのを回避でき、容器の強度低下、破壊、及び樹脂成分の食品への付着を防ぐことができる。それ故、光触媒性材料を含む層を食品収納容器80、90の少なくとも食品と接触する部分に予め形成しておくことで、PPシート等を介挿する手間を削減できる。
【0054】
また、使い捨てにされる食品収納容器80、90は、蓋86、96が透明であることが多く、その場合には紫外線が十分に透過するので、自然光によってさらに紫外線照射が成される。半透明な場合でも、紫外線照射により一旦超親水化されると、その効果は数十時間維持されるため、食品収納容器80、90が購入者に渡った以降でも、内容物の賞味期限内は十分に超親水性を保持できる。
【0055】
また、蓋86、96や容器本体85、95内に蒸気が付着しても蒸気による水は光触媒性材料により一様に広がるため、蒸気の水滴への成長がない。このため、食品への水滴付着による食味が低下せず、食品の塩分濃度の低下やpH値の変化による細菌等の繁殖が防止できる。また、蓋86、96に蒸気が付着しても、露結した水は光触媒性材料により一様に広がるため、蓋86、96が曇ることない。それ故、食品収納容器80、90において、透明もしくは半透明の蓋86、96から内容物を常時良好に確認でき、見た目がよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る物品収納容器では、光触媒性技術を用いることで、合成樹脂製物品収納容器の表面の汚れ付着防止を行うことができる。また、付着した汚れは紫外線照射と水洗いのみで容易に除去できる。さらに、人体への影響もほとんどないため、光触媒性材料を含む層は、食品の運搬・配送用の物品収納容器に用いるのに適している。このように、食品収納容器に本発明に係る光触媒性技術を用いることで、食品収納容器に生じる特有の問題点を一挙に解決できる。すなわち、合成樹脂製の食品収納容器において、容器表面の親水性が向上した結果、容器表面の耐油性が向上する。また、蓋の曇りを防止できるとともに、容器内での水滴の付着や形成を防止できるので、水分付着に起因する食品の食味の変化や水滴での細菌の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した物品収納容器の表面に形成した光触媒性材料を含む層の作用を説明するための図である。
【図2】いわゆるコンテナと称せられる合成樹脂製の物品収納容器を示す斜視図である。
【図3】いわゆる番重またはテンバコと称せられる合成樹脂製の物品収納容器を示す斜視図である。
【図4】図3に示すタイプの物品収納容器をリブで補強したときの斜視図である。
【図5】(a)は、いわゆる折り畳みコンテナと称せられる合成樹脂製の物品収納容器を示す斜視図であり、(b)はそれを折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図6】回収利用される蓋なし食品収納容器を示す斜視図である。
【図7】回収利用される蓋あり食品収納容器を示す斜視図である。
【図8】使い捨てにされる食品収納容器のうち、内部に仕切りがないものを示す斜視図である。
【図9】使い捨てにされる食品収納容器のうち、内部に仕切りがあるものを示す斜視図である。
【符号の説明】
20、30、50、60、70、80、90 物品収納容器
21 網状部分
22 側部貫通孔
23 持ち手用貫通孔
34 側板部
35 底板部
46 側板部補強用鉛直リブ
47 側板部補強用水平リブ
55 折り畳み側板
58 跳ね上げ側板
59 蝶番
61、71、85、95 食品収納容器本体
62、72、97 仕切り
63、73 仕切り内
74、86、96 蓋
A 網状底部の表面
B 側部貫通孔の内表面
C 容器内隅部表面
D 補強用リブの交差部付近表面
E 蝶番の接合部分
F 折り畳み側板同士の接触部分
R 合成樹脂からなる基材
T 光触媒性材料を含む層
Claims (12)
- 食品が内部に収納される容器本体、あるいは当該容器本体と蓋とを備えた物品収納容器において、
前記容器本体は、基材が紫外線透過材料からなり、
当該容器本体の表面には、紫外線照射により前記容器本体の表面の親水性を高める光触媒性材料を含む層が形成されていることを特徴とする物品収納容器。 - 請求項1において、前記光触媒性材料は酸化チタンであることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1または2において、前記容器本体の基材が合成樹脂材料からなることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記光触媒性材料を含む層は、少なくとも前記容器本体において収納物と接触する部位の表面に形成されていることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記光触媒性材料を含む層は、少なくとも前記容器本体内の物品収納部の表面に形成されていることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記光触媒性材料を含む層は、前記容器本体の少なくとも物品収納部以外の表面に形成されていることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記容器本体の容器底部及び容器側面部のうちの少なくとも一方は、網状部を備えていることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記容器本体の容器底部及び容器側面部のうちの少なくとも一方は、貫通孔及び肉薄部分のうちの少なくとも一方を利用した軽量化構造を備えていることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記容器本体の容器底部及び容器側面のうちの少なくとも一方は、リブ及び厚肉部分のうちの少なくとも一方を利用した補強構造を備えていることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記容器本体は、折り畳み構造を有することを特徴とする物品収納容器。
- 請求項10において、前記折り畳み構造は、蝶番及び蛇腹のうちのいずれかを用いて構成されていることを特徴とする物品収納容器。
- 請求項1ないし11のいずれかにおいて、前記容器本体の物品収納部内が仕切りによって複数に分割されていることを特徴とする食品収納容器。
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