JP3949612B2 - 放熱シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱性電子部品の放熱冷却構造等に使用される放熱シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板上に実装された発熱性電子部品等の放熱冷却構造の一部に用いられる放熱シートは、下記に示す放熱シートや熱伝導性材料などが提案されている。機器の筐体構造上、放熱シートから揮発する有機揮発ガスが電子部品の機能に与える影響を無視できるような発熱性電子部品の放熱冷却構造体には一般的にシリコーンポリマーに熱伝導性充填材が配合された放熱シートが多く使われる。その代表例として下記特許文献1〜3等が挙げられるがこれらの放熱シートは発熱電子部品からの発熱により放熱シートに含まれる低分子シロキサン分が揮発し機器の筐体構造上、密閉構造を取らざるを得ない機器構造の放熱シートとして使用するには適さない。これら密閉構造電子機器内部の発熱性電子部品の放熱材料としては熱伝導性エポキシ系接着材などが多く使われている。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−166755号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平2-196453号公報
【0005】
【特許文献3】
特開平6−155517号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし発熱性電子部品の発熱量は部品の高性能化や小型化により益々増大し、特に密閉構造電子機器内部の発熱性電子部品の冷却対策はきわめて困難になってきている、これら発熱性電子部品の放熱材としては熱伝導性エポキシ系接着材などが多く使われるが、高粘度のペースト状で施工が非常にやりにくく且つ硬化に時間が掛るなど組み立て工程に多くの課題がある、又これら従来の材料は発熱性電子部品からの熱に耐える充分な耐熱性を有しないという問題がある。
【0007】
本発明は、前記従来の密閉構造電子機器内部の発熱性電子部品用放熱材料として使用でき、かつ、揮発性物質の発生が少ない放熱シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の放熱シートは、熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シートであって、
前記ポリオレフィンエラストマーがポリイソブチレンの両末端にアリル基を導入したポリマーであり、
前記放熱シートの製造工程またはそれ以前の工程において、蒸留または減圧吸引により、内部に含有する残留溶剤及び未反応残留原料分を含む揮発成分が除去されていることにより、
前記シートから発生する有機揮発ガス発生量が、単位表面積あたり1000μg/cm2以下、
腐食性揮発ガス発生量が単位表面積あたり10μg/cm2以下、
前記シートの熱伝導率が0.5〜20W/m・Kの範囲であることを特徴とする。
【0009】
次に本発明の放熱シートの製造方法は、前記の熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シートの製造方法であって、
前記ポリオレフィンエラストマーがポリイソブチレンの両末端にアリル基を導入したポリマーであり、
前記ポリオレフィンエラストマーに熱伝導性フィラーを添加して混合し、
前記放熱シートの製造工程またはそれ以前の工程において、蒸留または減圧吸引により、内部に含有する残留溶剤及び未反応残留原料分を含む揮発成分を除去し、
前記成型シートから発生する有機揮発ガス発生量が、単位表面積あたり1000μg/cm2以下、
腐食性揮発ガス発生量が単位表面積あたり10μg/cm2以下、
前記シートの熱伝導率が0.5〜20W/m・Kの範囲とすることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記のポリオレフィンエラストマーは揮発性ガスの原因となるポリオレフィンエラストマー製造時に用いる溶剤や目的のポリマーにするためのモノマーまたはオリゴマーその他の低分子添加剤などが極力残留していない放熱シートとするものである。
【0011】
ポリオレフィンエラストマーには多様な種類が市販されているが、本発明においては、ポリイソブチレンの両末端にアリル基を導入したエラストマーを使用することが好ましい。このポリオレフィンエラストマーベースポリマーは、鐘淵化学工業株式会社製、商品名“EP200A”として販売されている。
【0012】
本発明の前記放熱シートは、さらに10〜1000MHzの範囲の周波数における電圧の減衰量4dB以上が好ましく、さらに好ましくは10dB以上の電磁波吸収特性を有することが好ましい。発熱性電子部品には有害な電磁波を発生するものがあり、これを有効に防止するためである。前記放熱シートの電磁波吸収特性は、フェライト粉末、ニッケル粉末、カルボニル鉄粉末、アルミニウム粉末、鉄粉、銀粉及びアモルファス合金粉から選ばれる少なくとも一つの磁性金属粉の配合によって発揮される。前記磁性金属粉は、前記ポリオレフィンエラストマー100重量部に対して、100〜2000重量部配合されていることが好ましい。
【0013】
本明細書において、「ポリオレフィンエラストマー100重量部」としたのは、他の配合物の量を特定するための単なる基準重量のことである。
【0014】
放熱シートは弾性体であることが好ましく、柔軟性があり、その硬度がタイプA(ASTM D2240に準拠)で5〜95、あるいはアスカC(日本ゴム協会規格SRIS0101に準拠)で95以下であることが好ましい。
【0015】
添加する熱伝導性充填剤(フィラー)は、金属酸化物,窒化物,炭化物から選ばれるがポリオレフィンエラストマー成分同様に純度の高いフィラーが好ましい。とくに金属酸化物を選択することが好ましい。
【0016】
前記熱伝導性フィラーは、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カリウム、窒化アルミニウム、窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素及び炭化硼素から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。前記熱伝導性フィラーの添加量はポリオレフィンエラストマー成分100重量部に対してフィラーが50〜3000重量部の範囲が好ましい。さらに好ましくは、400〜2200重量部の範囲である。
【0017】
電磁波シールド効果を付与するには金属粉,フェライト粉末などがありシールドしたい電磁波の周波数に応じて選択される。添加するフィラーの種類は一種類のみに限定する必要はなく二種類以上の混合物でもよい。
【0018】
人体の手に付着している汗や脂肪分はアウトガスの発生源となるので放熱シートは直接手で触れるのは避ける必要がある。そこで手で扱うためには掴みしろをつくることが好ましい。
【0019】
さらに放熱シートの粘着を利用して目的の位置に仮固定し離型フィルムを剥がす方法がさらに好ましい。
【0020】
ポリオレフィンエラストマーは無溶剤で液状であるものが好ましい。液状のポリオレフィンエラストマーは石油系溶媒中で製造される場合が多いため最終製品には必ず残留溶剤が存在する。
【0021】
さらに溶剤以外にも低分子の未反応物である残留原料も残留溶剤同様にアウトガス発生源となる。
【0022】
よって蒸留あるいは減圧吸引で残留溶剤,残留原料を除去することは好ましい。
【0023】
有機ガス測定方法は測定試料を加熱して発生したガスをガスクロマトグラフィー−マススペクトル(GC−MS)で定量及び定性するのが好ましく、腐食性ガスは超純水による抽出液をイオンクロマトグラフで定量及び定性するのが好ましい。
【0024】
本発明で使用するポリオレフィンエラストマーは硬化させる必要がある。硬化させるため末端などに官能基を導入したものを使用することが好ましい。官能基としてはビニル基,水酸基などがあり架橋剤はそれら官能基と反応する官能基を有するものを使用する。
【0025】
配合物(コンパウンド)の粘度を下げるため可塑剤を添加してもよい。可塑剤は主材となるポリオレフィンエラストマー同様にポリオレフィンエラストマーが好ましい。さらにポリオレフィンエラストマーと反応して主材と化学的に結合するものが好ましいが非反応性の可塑剤でもよい。可塑剤自体も製造時に用いる溶剤が目的のポリマーにするための材料が極力残留していないことが好ましい。
【0026】
添加フィラーは金属酸化物が好ましい。代表例として酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛などがありどれを用いてもよい。さらに混合して添加してもよい。
【0027】
添加するフィラーには表面処理をしてもよい。表面処理にはシランカップリング剤,チタンカップリング剤,アルミニウムカップリング剤がある。ただし未反応のカップリング剤がアウトガスの発生原因となるため溶剤などでカップリング剤を流し落とすことが好ましい。
【0028】
難燃剤は公知の技術を用いてもよい。好ましくは水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウムに代表される金属水酸化物が最も好ましい。一般に難燃は不燃性ガスを発生して酸素を遮断することによる効果で付与されるがこのような難燃剤はアウトガスや腐食性ガスの発生原因となるので使用は控える必要がある。
【0029】
抗酸化剤も公知の物質を用いてもよい。ヒンダードフェノール類が最も好ましい。ヒンダードフェノール類は添加するフィラーの影響で分解されやすくアウトガスや腐食性ガスの発生原因となる。そのため添加量は抗酸化の効果がでる最小量にする必要がある。
【0030】
静電気対策としてゴムに導電性を付与してもよい。添加フィラーは導電性のある物質が使用されるがカーボン,グラファイトが好ましい。
【0031】
離型紙はフッ素化合物で処理されているものが好ましい。一般にシリコーン化合物が多いがシリコーン化合物に含まれる低分子シロキサンがアウトガスの発生原因となるので使用してはいけない。フロロシリコーン化合物塗布品も同様である。
【0032】
シート成形は無溶剤で加工することが好ましい。溶剤がアウトガスの発生原因となるためである。
【0033】
カレンダー成形,プレス成型,押し出し成形などがあり、どれを用いてもよい。
【0034】
塵埃付着防止のため成形はクリーンルームでおこなうことが好ましい。
むろん製品のカット,梱包も同様である。
【0035】
蒸留には減圧加熱が一般的である。減圧加熱の方法は被蒸留物を薄膜にしながら蒸留するのが好ましく、装置も市販されている。
【0036】
本発明の前記放熱シートは、離型性ベースフィルムと離型性カバーフィルムとの間に挟まれ、前記ベースフィルムはカバーフィルムよりも離型性が高く、前記カバーフィルムは前記放熱シートを1ユニット毎に剥がせるように切れ目を入れてあり、かつ、前記1ユニットの放熱シートよりも前記カバーフィルムの方の面積が大きいことが好ましい。これにより、作業者は放熱シートに直接指で触れること無く電子部品等に簡単に貼り付ける事ができる。
【0037】
図1Aは本発明の一実施形態の放熱シートの平面図である。放熱シート1は離型性ベースフィルム2の上に1ユニット毎に剥がせるように貼り付けられている。
【0038】
図1Bは図1Aの断面図である。放熱シート1は離型性ベースフィルム2の上に1ユニット毎に剥がせるように貼り付けられ、その上に切れ目4を入れた離型性カバーフィルム3が被されている。ベースフィルム2はカバーフィルム3よりも離型性が高い。また、1ユニットの放熱シート1よりもカバーフィルム3の方の面積が大きい。
【0039】
図2は1ユニットの放熱シート1の断面図を示す。カバーフィルム3を剥がすと放熱シート1はベースフィルム2から剥がれてカバーフィルム3側に付着するので、作業者は面積の大きいカバーフィルム3の端を持って、目的の電子部品の場所に放熱シートを貼り付けることができる。
【0040】
本発明によれば、ポリオレフィンエラストマーにベースのコンパウンドの硬化物は、単位表面積あたりの有機ガス発生量を10〜1000μg/cm2以下、かつ単位表面積あたりの腐食性ガスを10μg/cm2以下にすることができる。さらに熱伝導率を0.5〜20W/m・Kにすることができる。前記において、単位表面積あたりの有機ガス発生量のさらに好ましい範囲は、1μg以上1000μg/cm2以下である。
【0041】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。下記の実施例および比較例で用いたポリオレフィンエラストマーベースポリマーは、下記式(1)で示されるように、ポリイソブチレンの両末端にアリル基を導入したエラストマーである。
【0042】
【化1】
Figure 0003949612
【0043】
なお前記ポリオレフィンエラストマーベースポリマー(鐘淵化学工業株式会社製、商品名“EP200A”)は、不純物の除去管理がなされている製品であり、前記減圧吸引処理をしなくても本発明の製品を作ることができるが(実施例1〜3)、さらに有機ガスおよび腐食性ガスの発生量の削減を追求したのが実施例4〜5である。
【0044】
【実施例1】
ポリオレフィンエラストマーベースポリマー100重量部(“EP200A”,鐘淵化学工業社製商品名)に対して酸化アルミニウム300重量部(“AL30”,昭和電工社製商品名、平均粒子径2μm),水酸化アルミニウム100重量部(“H32I”,昭和電工社製商品名),架橋剤4重量部(“CR−100”,鐘淵化学工業社製商品名),鉄黒(平均粒子径2μm)2重量部,硬化剤25μl,遅延剤25μl,抗酸化剤(“スミライザーBP−101”,住友化学工業社製商品名)を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0045】
これをフッ素処理(表面離型処理)したフィルムに挟んで100℃、30分の条件でプレス成型し、厚み0.5mmのシートを得た。硬度はタイプAで測定した結果、10であった。
【0046】
【実施例2】
ポリオレフィンエラストマーベースポリマー100重量部(“EP200A”,鐘淵化学工業社製商品名)に対して酸化マグネシウム300重量部(“パイロキスマ”5301,協和化学工業社製商品名、平均粒子径2μm),架橋剤4重量部(“CR−100”,鐘淵化学工業社製商品名),鉄黒2重量部,硬化剤25μl,遅延剤25μl,抗酸化剤(“スミライザーBP−101”,住友化学工業社製商品名)を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0047】
これをフッ素処理(表面離型処理)したフィルムに挟んで100℃、30分の条件でプレス成型し、厚み0.5mmのシートを得た。硬度はタイプAで測定した結果、15であった。
【0048】
【実施例3】
ポリオレフィンエラストマーベースポリマー100重量部(“EP200A”,鐘淵化学工業社製商品名)に対して酸化アルミニウム250重量部(“AL30”,昭和電工社製商品名),粒径3μmのマンガン−亜鉛フェライト250重量部(戸田工業社製),架橋剤4重量部(“CR−100”,鐘淵化学工業社製商品名),鉄黒2重量部,硬化剤25μl,遅延剤25μl,抗酸化剤(“スミライザーBP−101”,住友化学工業社製商品名)を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0049】
これをフッ素処理(表面離型処理)したフィルムに挟んで100℃、30分の条件でプレス成型し、厚み0.5mmのシートを得た。硬度はタイプAで測定した結果、40であった。
【0050】
【比較例1】
ポリウレタン樹脂(“U−217A/B”,日本合成化工社製商品名)50重量部ずつ計100重量部に対して酸化アルミニウム300重量部(“AL30”,昭和電工社製商品名),水酸化アルミニウム100重量部(“H32I”,昭和電工社製商品名),鉄黒2重量部,抗酸化剤(“スミライザーBP−101”,住友化学工業社製商品名)を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0051】
これをフッ素処理(表面離型処理)をしたフィルムに挟んで70℃、10分の条件でプレス成型し、厚み0.5mmのシートを得た。硬度はタイプAで測定した結果、20であった。
【0052】
【比較例2】
ポリウレタン樹脂(“U−217A/B” ,日本合成化工社製商品名)50重量部ずつ計100重量部に対して酸化マグネシウム300重量部(“パイロキスマ5301K”協和化学工業社製商品名),水酸化アルミニウム100重量部(“H32I”,昭和電工社製商品名),鉄黒2重量部,抗酸化剤(“スミライザーBP−101”,住友化学工業社製商品名)を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0053】
これをフッ素処理(表面離型処理)したフィルムに挟んで70℃、10分の条件でプレス成型し、厚み0.5mmのシートを得た。硬度はタイプAで測定した結果、25であった。
【0054】
【比較例3】
シリコーンゲル(東レ・ダウコーニング社製商品名、“SE1885”)100重量部に対して酸化アルミニウム300重量部(“AL30”,昭和電工社製商品名),水酸化アルミニウム100重量部(H32I,昭和電工株式会社製),鉄黒2重量部を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0055】
これをフッ素処理(表面離型処理)したフィルムに挟んで100℃、10分の条件でプレス成型し、厚み0.5mmのシートを得た。硬度はタイプAで測定した結果、5以下であった。
【0056】
以上の実施例1〜3および比較例1〜3で得られたシートの有機ガスと腐食性ガスの単位表面積の発生量と熱的性能さらに電磁波特性を表1に示す。なお電磁波特性は誘電率で判断することにした。さらに腐食性ガスは無機物と有機物があり無機物は陰イオンとして有機物はそのものの定量とした。
【0057】
【表1】
Figure 0003949612
【0058】
上記表1より、ポリオレフィンエラストマーを使用した放熱シートの有機ガスと腐食性ガスは少ないことが確認できた。
【0059】
さらに以下のような実験もおこなった。
【0060】
【実施例4】
0.4mmHgの減圧下、80℃、24時間吸引したポリオレフィンエラストマーベースポリマー(“EP200A”,鐘淵化学工業社製商品名)を用意し、そのエラストマー100重量部に対して酸化アルミニウム300重量部(“AL30”、昭和電工社製商品名),水酸化アルミニウム100重量部(“H32I”,昭和電工社製商品名)架橋剤4重量部(“CR−100”,鐘淵化学工業社製商品名),鉄黒2重量部,硬化剤25μl,遅延剤25μl,抗酸化剤(“スミライザーBP−101”,住友化学工業製)を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0061】
これをフッ素処理をしたフィルムに挟んで100℃、30分の条件でプレス成型し、厚み0.5mmのシートを得た。硬度はタイプAで測定した結果、10であった。
【0062】
【実施例5】
ポリオレフィンエラストマーベースポリマー(“EP200A”,鐘淵化学工業社製商品名)100重量部に対して水洗した酸化アルミニウム300重量部(“AL30”昭和電工社製商品名),水酸化アルミニウム100重量部(“H32I”,昭和電工社製商品名),架橋剤4重量部(“CR−100”,鐘淵化学工業社製商品名),鉄黒2重量部,硬化剤25μl,遅延剤25μl,抗酸化剤(“スミライザーBP−101”,住友化学工業社製商品名)を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0063】
前記において、水洗した酸化アルミニウムは70℃の温水で5時間撹拌し、振動乾燥装置で110℃、2時間乾燥してから添加した。硬度はタイプAで測定した結果、10であった。
【0064】
以上の実施例4〜5で得られたシートの有機ガスと腐食性ガスの単位表面積の発生量と熱的性能さらに電磁波特性を表2に示す。なお電磁波特性は誘電率で判断することにした。さらに腐食性ガスは無機物と有機物があり、無機物は陰イオンとして、有機物はそのものを定量した。
【0065】
【表2】
Figure 0003949612
【0066】
実施例4はフィラーの水洗有り、実施例1はフィラーの水洗なしであり、上記結果からもわかるとおり、添加するフィラーを水洗することによって、腐食性ガスの発生量が低下し、ポリオレフィンエラストマーを減圧加熱することによって有機ガスの発生量が低下した。
【0067】
【実施例6】
実施例1で作成したシートを任意の大きさにトムソン型でシートのみ打ち抜いた。次に余分なバリを取り外し引き続いてバリの間に刃を入れてシートのもう一方の片側についているフィルムを切った。その後にすでにシートに貼り付いているフィルムより離型の軽いフィルム(厚み50μm)をシートを粘着面に離型台紙として被せてフィルムに貼り移して目的の取り出し口のあるシートを得た。取り出し口であるフィルムをつかみ離型台紙から取り出しこれを目的物に貼り付けさらにキャリアーフィルムであるフィルムを剥がすことによってエラストマー硬化物に接触することなく貼り付けることができた。
【0068】
カット方法は、取り出し口がありエラストマー硬化物に接触することなく貼り付けることができればよいため、上記方法以外方法であっても良い。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明は、揮発性物質の発生が少なく、密閉された場所でも使用できる放熱シート及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本発明の一実施形態における放熱シートの平面図、BはAの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における1ユニットの放熱シートの断面図である。
【符号の説明】
1 放熱シート
2 離型性ベースフィルム
3 カバーフィルム
4 切れ目

Claims (13)

  1. 熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シートであって、
    前記ポリオレフィンエラストマーがポリイソブチレンの両末端にアリル基を導入したポリマーであり、
    前記放熱シートの製造工程またはそれ以前の工程において、蒸留または減圧吸引により、内部に含有する残留溶剤及び未反応残留原料分を含む揮発成分が除去されていることにより、
    前記シートから発生する有機揮発ガス発生量が、単位表面積あたり1000μg/cm2以下、
    腐食性揮発ガス発生量が単位表面積あたり10μg/cm2以下、
    前記シートの熱伝導率が0.5〜20W/m・Kの範囲であることを特徴とする放熱シート。
  2. 前記放熱シートが、さらに10〜1000MHzの範囲の周波数における電圧の減衰量が4dB以上の電磁波吸収特性を有する請求項1に記載の放熱シート。
  3. 前記放熱シートの電磁波吸収特性が、フェライト粉末、ニッケル粉末、カルボニル鉄粉末、アルミニウム粉末、鉄粉、銀粉及びアモルファス合金粉から選ばれる少なくとも一つの磁性金属粉の配合によって発揮されている請求項に記載の放熱シート。
  4. 前記磁性金属粉が、前記ポリオレフィンエラストマー100重量部に対して、100〜2000重量部配合されている請求項に記載の放熱シート。
  5. 前記放熱シートは柔軟性があり、ASTM D2240におけるタイプAが5〜95の範囲の硬度である請求項1に記載の放熱シート。
  6. 前記ポリオレフィンエラストマーに、金属酸化物,金属窒化物及び金属炭化物から選ばれる少なくとも一つの熱伝導性フィラーが配合されている請求項1に記載の放熱シート。
  7. 前記熱伝導性フィラーが、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カリウム、窒化アルミニウム、窒化硼素、窒化珪素、炭化珪素及び炭化硼素から選ばれる少なくとも一つである請求項に記載の放熱シート。
  8. 前記ポリオレフィンエラストマー100重量部に対して、熱伝導性フィラーが50〜3000重量部の範囲配合されている請求項1に記載の放熱シート。
  9. 前記ポリオレフィンエラストマー100重量部に対して、熱伝導性フィラーが400〜2200重量部の範囲配合されている請求項に記載の放熱シート。
  10. 前記放熱シートは、離型性ベースフィルムと離型性カバーフィルムとの間に挟まれ、前記ベースフィルムはカバーフィルムよりも離型性が高い請求項1に記載の放熱シート。
  11. 前記カバーフィルムは前記放熱シートを1ユニット毎に剥がせるように切れ目を入れてあり、かつ、前記1ユニットの放熱シートよりも前記カバーフィルムの方の面積が大きい請求項10に記載の放熱シート。
  12. 前記シートから発生する有機揮発ガス発生量が、単位表面積あたり1μg/cm2以上1000μg/cm2以下である請求項10に記載の放熱シート。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シートの製造方法であって、
    前記ポリオレフィンエラストマーがポリイソブチレンの両末端にアリル基を導入したポリマーであり、
    前記ポリオレフィンエラストマーに熱伝導性フィラーを添加して混合し、
    前記放熱シートの製造工程またはそれ以前の工程において、蒸留または減圧吸引により、内部に含有する残留溶剤及び未反応残留原料分を含む揮発成分を除去し、
    前記成型シートから発生する有機揮発ガス発生量が、単位表面積あたり1000μg/cm2以下、
    腐食性揮発ガス発生量が単位表面積あたり10μg/cm2以下、
    前記シートの熱伝導率が0.5〜20W/m・Kの範囲とすることを特徴とする放熱シートの製造方法。
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