JP3949589B2 - ヒートポンプ式給湯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば深夜電力を利用して貯湯するヒートポンプ式給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば深夜電力を利用して冷凍サイクル回路の圧縮機を駆動し、冷凍サイクル作用にともなう凝縮熱を水に放出して加熱し、水を湯に変えるヒートポンプ式給湯器が多用されている。
【0003】
本出願人は、先に[特許公報1]において、従来のHCFC冷媒であるR22冷媒を用いたヒートポンプ式給湯器から、環境に影響の少ないHFC冷媒の一種であるR410A冷媒またはR407C冷媒に最適な構成のヒートポンプ式給湯器を開示している。
【0004】
【特許公報1】
特開2002−89958
このヒートポンプ式給湯器は、冷凍サイクル回路および水回路から構成される。上記冷凍サイクル回路は、圧縮機、四方弁、水熱交換器、減圧装置および空気熱交換器が順次、冷媒配管を介して連通され、冷媒を導通させて周知の冷凍サイクル作用をなす。
【0005】
上記水回路は、ポンプ、水熱交換器および貯湯槽が順次、水配管を介して連通され、水を導通させて水熱交換器で冷媒と熱交換し、湯に変えてから貯湯するようになっている。
【0006】
上記冷凍サイクル回路の水熱交換器と、水回路の水熱交換器とは、一体化するよう組立てられる。すなわち、比較的細径の冷媒用パイプと、これよりも太径の水用パイプとが、同一の直径で、かつそれぞれ所定のピッチを存してコイル状に巻回される。
【0007】
互いのコイル空間に互いのパイプを嵌め合わせ、ロー付けなど適宜な手段で固着される。完成した水熱交換器の断面は、冷媒用パイプと水用パイプが交互に重ね合わされ、一列直状をなす。互いのパイプが全長に亘って密接しているので、全長に亘って冷媒と水の熱交換作用を得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなヒートポンプ式給湯器において、高圧の上昇を抑制する高圧制御として、冷媒の凝縮温度を検知する凝縮温度センサを冷凍サイクル回路中に取付け、上記センサの検知信号にもとづいて制御しなければならない。
【0009】
具体的には、上記凝縮温度センサを水熱交換器の冷媒用パイプに密着固定し、パイプ内を流通する冷媒の凝縮温度を検知して、その検知信号を制御回路に送る。理想として、冷媒の温度が平均化する導入部と導出部のちょうど中間部において、冷媒の温度を検知するのが望ましい。
【0010】
しかしながら、上記水熱交換器は冷媒用パイプと水用パイプとを全長に亘って密着してなり、全長に亘って熱交換作用が行われるので、冷媒温度のみを抽出しての検知が不可能である。
【0011】
すなわち、冷媒によって水が温められるようになっているので、冷媒の凝縮温度が低温の水の温度の影響を受けて、実際の凝縮圧力に対応した温度よりも低い凝縮温度が検知されてしまう。そのため、低い冷媒凝縮温度に対応した圧縮機の高圧制御となり、正確な凝縮圧力に対応した正確な高圧制御ができない状態となっている。
【0012】
冷媒用パイプのちょうど中間部のみを上下の水用パイプから離間するよう径方向に突出もしくは凹陥形成した構造の水熱交換器を製作して、その離間した冷媒用パイプの中間部に凝縮温度センサを取付ければ最適であるが、そのような水熱交換器を得るには工数が嵩んでコストに悪影響を及ぼす。
【0013】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、冷凍サイクル回路の水熱交換器と水回路の水熱交換器を一体化するという基本的な構成を変えず、コスト上昇を抑制しながら、水の熱影響を受けずに冷媒の正しい凝縮温度を検知でき、検知精度の向上と、それにともなう正確な高圧制御を行い得るヒートポンプ式給湯器を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を満足するため本発明は、圧縮機、四方弁、水熱交換器、減圧装置および空気熱交換器を順次、冷媒配管を介して連通する冷凍サイクル回路と、ポンプ、水熱交換器および貯湯槽を順次、水配管を介して連通する水回路とを具備し、冷凍サイクル回路の水熱交換器から放出される凝縮熱を水回路の水熱交換器で吸収して貯湯槽内に湯を貯めるヒートポンプ式給湯器において、
上記冷凍サイクル回路および水回路の水熱交換器は、冷媒用パイプと水用パイプとを交互に重ね合わせたうえでコイル状に巻装した複数のコイル体と、これらコイル体の冷媒パイプ一端相互と、水パイプ一端相互を互いに連通する冷媒接続管および水接続管からなり、少なくとも1組の冷媒接続管と水接続管を互いに離間し、この冷媒接続管に冷媒の温度を検知する凝縮温度センサを取付け、この凝縮温度センサの検知温度が所定温度を超えたときに冷凍サイクル回路の高圧制御をなす制御手段を備えた。
【0015】
このような課題を解決する手段を採用することにより、冷凍サイクル回路の水熱交換器と水回路の水熱交換器を一体化するという基本的な構成を変えず、中間部において純然たる冷媒の凝縮温度を検知できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、ヒートポンプ式給湯器の回路構成を示していて、これは冷凍サイクル回路1と、水回路10とから構成される。
上記冷凍サイクル回路1は、圧縮機3と、四方弁4と、水熱交換器5と、減圧装置である膨張弁6および空気熱交換器7が順次、冷媒配管8を介して連通されてなり、冷媒を導通させて周知の冷凍サイクル作用をなす。
【0017】
上記水回路10は、ポンプ12、水熱交換器13および貯湯槽14が順次、水配管15を介して連通されてなり、水を導通させて後述するように湯に変え、かつ貯湯できる。
【0018】
上記冷凍サイクル回路1の水熱交換器5と、水回路10の水熱交換器13とは後述するように一体化されて水熱交換装置Kを構成していて、各水熱交換器5,13に導かれる冷媒と水とが互いに熱交換するようになっている。
【0019】
冷凍サイクル回路1の圧縮機3の冷媒吐出部近傍で冷媒配管8に密着して、圧縮機3から吐出された冷媒の温度を検知する吐出温度センサ20が取付けられる。圧縮機3の冷媒吸込み部近傍で冷媒配管8に密着して、圧縮機に吸込まれる冷媒の温度を検知する吸込み温度センサ21が取付けられる。
【0020】
上記冷凍サイクル回路1の水熱交換器5に密着して、冷媒の凝縮温度を検知する凝縮温度センサ22が取付けられる。なお、この凝縮温度センサ22を取付ける水熱交換器5構造は、水回路10の水熱交換器13構造とともに後述する。
【0021】
上記膨張弁6と空気熱交換器7とを接続する冷媒配管8に密着して、冷媒の蒸発温度を検知する蒸発温度センサ23が取付けられる。上記水回路ポンプ12の吸込み部近傍の水配管15に密着して、水の温度を検知する水温センサ24が取付けられる。
【0022】
また、上記水回路10における水熱交換器13の導出部近傍の水配管15に密着して、この水熱交換器で加熱された湯の温度を検知する湯温センサ25が取付けられる。
【0023】
以上説明した各センサ20〜25は、全て制御装置(制御手段)30と電気的に接続されていて、各センサから検知信号をそれぞれ制御装置30へ送る。上記制御装置30は、圧縮機3、四方弁4、膨張弁6およびポンプ12などの各電動部品に対する制御信号を送り、必要な制御を行える。
【0024】
このようにして構成されるヒートポンプ式給湯器であり、冷凍サイクル回路1に用いられる冷媒は、R410A冷媒またはR407C冷媒が選択される。たとえば深夜時間帯に入って深夜電力が供給されると、水温センサ24が水温を検知して、その検知信号を制御装置30へ送る。
【0025】
上記水温センサ24の検知温度は、貯湯槽14内に貯溜される湯の温度でもあるので、検知温度が所定温度以下であれば、制御装置30はヒートポンプ貯湯運転を開始するよう制御する。
【0026】
水回路10のポンプ12が駆動され、図中実線矢印に示すように水を貯湯槽14内から吸い出して水熱交換器13に導く。その一方で、冷凍サイクル回路1の圧縮機3が駆動され、冷媒を図中破線矢印に示すように水熱交換器5に導いて凝縮させる。
【0027】
冷凍サイクル回路1の水熱交換器5から放出する冷媒凝縮熱を、水回路10の水熱交換器13を通過する水が吸収して温度上昇し、湯に換る。水回路10の水熱交換器13から導出される湯は貯湯槽14の上部に溜まり、時間の経過とともに湯量が増大し、下部の水の量が減少する。
【0028】
冷凍サイクル回路1の水熱交換器5で凝縮した冷媒は膨張弁6に導かれて減圧され、空気熱交換器7に導かれて蒸発し、圧縮機3に吸込まれる。そして、圧縮され、再び上述のように冷凍サイクル回路1を循環する。
【0029】
以上述べたような運転を継続すると、順次、貯湯槽14内の湯が増大し、ついには槽内全てが湯で満たされる。この状態で、水温センサ24の検知水温が所定値以上となり、検知信号を受けた制御装置30は確認し次第、貯湯運転の停止を指示する。
【0030】
つぎに、上記水熱交換装置Kと、この水熱交換装置Kを構成する凝縮温度センサ22を取付けた冷媒回路1の水熱交換器5と、水回路10の水熱交換器13および、ここでの冷媒と水の流れを、図2〜図5にもとづいて説明する。
図2は上記水熱交換装置Kの概略の斜視図、図3は水熱交換器5,13の一部断面図、図4は水熱交換器5,13の一部を省略するとともに冷媒と水の流れを説明する図、図5は水熱交換器5,13の概略構成を示すとともに冷媒と水の流れを説明する図である。
【0031】
図2に示すように、上記水熱交換装置Kは、先に説明した圧縮機3、四方弁4、空気熱交換器7および制御装置30等を収容する室外ユニットF上に載設されている。
【0032】
上記水熱交換装置Kは、矩形箱状をなす筐体(上面は省略)26内に、左右一対のコイル組体40が並列状に配置収容されてなる。各コイル組体40は、それぞれ長円状をなす内側コイル体50と、この内側コイル体の外側に所定間隔を存して配置される外側コイル体60との二重コイル体から構成される。
【0033】
そして、内側コイル体50と外側コイル体60のそれぞれは、冷凍サイクル回路1の水熱交換器5と、水回路10の水熱交換器13を組み合わせている。換言すれば、冷凍サイクル回路1の水熱交換器5および水回路1の水熱交換器13はコイル状になって組み合わされる。
【0034】
図3に示すように、各コイル組体40を構成する内側コイル体50と外側コイル体60のそれぞれは、冷凍サイクル回路1の水熱交換器13を構成する冷媒用パイプ5Pと、水回路1の水熱交換器13である水用パイプ13Pを上下方向に交互に積み重ねている。
【0035】
すなわち、上記水熱交換器5,13は、比較的細径の冷媒用パイプ5Pと、これよりも太径の水用パイプ13Pとが、同一のピッチ直径で、それぞれ所定間隔を存してコイル状に巻回されてなる。
【0036】
そして、互いのコイル空間に互いのパイプを嵌め合わせ、かつロー付けなど適宜な手段で固着することにより、上述した内側コイル体50もしくは外側コイル体60が構成される。
【0037】
完成した内側コイル体50と外側コイル体60の断面は、冷媒用パイプ5Pと水用パイプ13Pが交互に重ね合わされ、一列直状をなす。互いのパイプ5P,13Pがコイル全長に亘って密接しているので、この全長に亘って冷媒と水の熱交換作用を得られる。
【0038】
図4に示すように、各コイル組体40において内側コイル体50と外側コイル体60は、破線で示す冷媒接続管PAと、実線で示す水接続管PBとで連通される。すなわち、上記冷媒接続管PAと水接続管PBは、内側コイル体50の最下部と外側コイル体60の最上部とを連通するように接続される。
【0039】
内外側コイル体50,60のそれぞれは冷媒用5Pパイプと水用パイプ13Pとが全長に亘って密着した状態となっているけれど、これらコイル体50,60相互を連通する冷媒接続管PAおよび水接続管PBは互いに所定の間隔を存して離間している。
【0040】
この実施の形態では、2組のコイル組体40を備えたことを前提として説明しているが、ヒートポンプ式給湯器の仕様によっては、それ以上の数のコイル組体40を備えることもあり得る。
【0041】
いずれにしても、コイル組体40は以上説明した構成に限定される。そして、上記凝縮温度センサ22は、コイル組体40の数に係らず、1つのコイル組体40の冷媒接続管PAのみに取付けられている。
【0042】
特に、上記冷媒接続管PAはコイル組体40の上部から、さらに上方に離間していて、この離間部分に上記凝縮温度センサ22が取付けられる。このことにより、凝縮温度センサ22は水接続管PBの熱影響を受けることがないばかりか、コイル組体40自体の熱影響を受けることもない。
【0043】
上記コイル組体40における冷媒の導入部70は、内側コイル体50の最上部に設定されている。内側コイル体50の導入部70から冷媒は順次下部側に流動し、内側コイル体50の最下部が内側導出部71となる。
【0044】
一方、外側コイル体60の最上部に冷媒の外側導入部72が形成されていて、ここと内側コイル体50の内側導出部71とが上記冷媒接続管PAを介して連通する。外側コイル体60では冷媒は順次下部側に流動し、最下部に形成される導出部73を連通するよう冷媒流路が構成される。
【0045】
また、コイル組体40における水の導入部75は、外側コイル体60の最下部に設定されている。外側コイル体60では水は順次上部側に流動し、最上部が外側導出部76となる。
【0046】
一方、内側コイル体50の最下部に水の内側導入部77が形成されていて、ここと外側コイル体60の外側導出部76とが上記水接続管PBを介して連通する。内側コイル体50において水は順次上部側に流動し、最上部に形成される導出部78を連通するよう水流路が構成される。
【0047】
このことから、各コイル組体40における冷媒流路の冷媒流れ方向と、水流路の水流れ方向とは互いに逆方向となり、冷媒と水のいわゆるカウンターフローが得られる。
【0048】
図5に示すように、互いに並列に配置されるコイル組体40において、各コイル組体の冷媒導入部70と冷媒導出部73のそれぞれは互いに合流して、上記室外ユニットFにおける冷凍サイクル回路1のガス側配管と液側配管をなす冷媒配管8にパックドバルブ(図示しない)を介して接続される。
【0049】
また、各コイル組体40の水導入部75と水導出部78のそれぞれは互いに合流して、上記水回路10の水配管15にパックドバルブ(図示しない)を介して接続される。
【0050】
特に、上記水回路10におけるポンプ12は、各コイル組体40とともに室外ユニットF上に配置されていて、水流路の水導入部75近傍位置で、これらの合流部に対して配管接続される。
【0051】
このように、2組のコイル組体40を並列に配置することにより、配管全体の圧力損失を減少させることができ、熱交換効率の向上を図れる。
圧縮機3で圧縮された高温の冷媒ガスが水熱交換器5の上端導入部70から導入される。その一方で、水が水熱交換器13の下端導入部75から導入され、冷媒とはカウンターフローをなして加熱される。
【0052】
水が水熱交換器13の導出部78に到達する間、水熱交換器5に導入された高温の冷媒ガスにより加熱されて高温化する。冷媒は水と熱交換して低温化し水熱交換器5の下端導出部73から導出される直前で、水熱交換器13に導入される低温の水と熱交換してさらに低温化し、過冷却状態となる。
【0053】
再び図1に示すように、上記圧縮機3は制御装置30からの制御信号にもとづいて回転数が調整される回転数可変のものが用いられている。そのうえで、制御装置30は圧縮機3の能力を調整して、貯湯槽14の貯湯温度を一定に保持するように制御する。
【0054】
具体的には、上記制御装置30は水回路10の水熱交換器13導出側に設けられる湯温センサ25からの検知温度信号を受け、記憶する標準温度と比較して圧縮機3の回転数に変えた演算をなす。そして、得られた回転数制御信号を圧縮機3へ送り、この圧縮機の回転数を調整して湯温センサ25の検知温度が設定貯湯温度になるように制御する。
【0055】
水回路10の水熱交換器13から導出される湯の検知温度が設定値よりも低い場合は、圧縮機3の回転数を上げて加熱能力を増大させ、湯温の上昇を図る。逆に、水回路10の水熱交換器13から導出される湯の温度が設定値よりも高い場合は、圧縮機3の回転数を下げて加熱能力を低下させ、湯温の低下を図る。
【0056】
なお、R410A冷媒、R407C冷媒を採用した冷凍サイクルでは、従来のCO2冷媒を採用した冷凍サイクルと比較して圧力が低い。しかしながら、一般の家庭用エアコンの圧縮機の使用範囲の上限圧力レベルにある。そのため、以下に述べるような高圧制御を行えばよい。
【0057】
すなわち、高圧の上昇を凝縮温度センサ22が検出し、その信号を制御装置30へ送る。制御装置30では、高圧の上限値に対応する凝縮温度の設定値と比較する。その値が上限値を超えたことを確認すると、制御装置30は圧縮機3の回転数低下させ、高圧のさらなる上昇を抑制する。
【0058】
また、圧縮機3から吐出される冷媒ガスの高圧化を可能な限り抑制し、かつ高温出湯を行うために吐出冷媒を高温に保持する制御を行えれば有利である。すなわち、圧縮機3の冷媒吐出温度を高く保持することにより、加熱されてきた水が水熱交換器13から導出される直前で高温の冷媒ガスによりさらに加熱されることになり、高温化した湯が得られる。
【0059】
このようにして、R410A冷媒またはR407C冷媒を用いた冷凍サイクル作用をなし、制御を行うことによって、R410A冷媒では効率(COP)がCO2冷媒を用いた場合よりも良くなり、R407C冷媒では同等となる。
【0060】
また圧力的にもR410A冷媒では高圧で4.75MPa、R407C冷媒では3.70MPaと低くなって、現行の家庭用エアコンの圧力レベルで85℃の高温貯湯が可能になる。
【0061】
以上、要するに貯湯槽14には所定温度に上昇した高温の湯が貯溜されることになり、給湯栓を開放すれば常時、高温の湯を給出できる。深夜電力を使用して湯を得るので、給湯のランニングコストが低くてすむ。
【0062】
上記コイル組体40として、内側コイル体50と外側コイル体60との二重構造としたことにより、限られたスペースに大容量の水熱交換器5,13を形成でき、高い給湯能力を得られる。
【0063】
高温冷媒を内側コイル体50から外側コイル体60に導き、水を外側コイル体60から内側コイル体50に導く、カウンターフローを構成したので、高温冷媒と高温の湯が外側コイル体60で囲まれた内側コイル体50に存在することとなり、外気に逃げる熱ロスを最小に抑制することができ、高性能の給湯器を提供できる。
【0064】
そして、現行のエアコンの室外ユニットFを構成する冷凍サイクル部品である圧縮機や、熱交換器もしくは弁類などをそのまま用いることができ、低コストを保持して、低価格の給湯器を提供できる。
【0065】
上記圧縮機3から吐出される冷媒ガスが高温を保持することにより、吐出冷媒を必要以上に高圧化する必要がなくなり、無理のない高温加熱が可能となる。そして、圧縮機3に対する高圧制御を行うことにより、所定の圧力範囲内で冷凍サイクル運転をなす。
【0066】
なお、上記冷凍サイクル回路1の圧縮機3は、必ずしも回転数可変形のものが使用されるとは限らない。制御が不要であって、しかも制御装置の簡素化を図れるように、回転数が一定の圧縮機が用いられる場合もある。
【0067】
図6は、回転数が一定の圧縮機3Hを備えたヒートポンプ式給湯器の回路構成を示している。先に、図1で説明した部品と同一のものについては同一番号を付して新たな説明は省略する。
【0068】
以上の前提と給湯器における制御手段である制御装置30Hは、以下のような制御が可能である。
すなわち、水回路10に配置されるポンプ12Hの回転数を可変形となし、制御装置30Hから回転数の制御信号を送れるようにする。そして、水回路10の水熱交換器13導出側に設けた湯温センサ25で湯の温度を検知し、その検知信号を制御装置30Hへ送る。
【0069】
上記制御装置30Hでは、湯温センサ25からの検知信号にもとづいて必要な演算をなし、ポンプ12Hに適応する回転数制御信号を送る。すなわち、湯温センサ25の検知温度が所定温度よりも低い場合は、ポンプ12Hの回転数を下げる制御信号を送る。このことにより、水回路10の流量が減少し、最終的に水回路10の水熱交換器13導出側の湯の温度が上昇する。
【0070】
湯温センサ25の検知温度が所定温度よりも高い場合は、制御装置30Hはポンプ12Hの回転数を上げる制御信号を送る。上記水回路10の流量が増加し、最終的に水回路10の水熱交換器13導出側の湯の温度が下がる。結局、回転数が一定の圧縮機3Hを用いても、適応する制御をなすことにより、貯湯槽14における貯湯温度を所定温度に保持できる。
【0071】
つぎに、上記回転数が一定の圧縮機3Hを用いた場合の低圧上昇防止制御として、空気熱交換器7に対向して配置される送風機9の回転数を可変とし、また、外気温度を検出する外気温センサ26を設置し、制御装置30Hは外気温センサ26の温度を検出し、送風機9の回転数を制御する。
【0072】
すなわち、外気温度が設定値よりも高い場合、低圧(蒸発圧力)が高くなり入力が増大するため、送風機9の回転数を低下させ、低圧の上昇を抑え、入力の増加を防止する。
【0073】
また、上記回転数が一定の圧縮機3Hを用いた場合の高圧上昇防止制御として、空気熱交換器7に対向して配置される送風機9の回転数を可変とし、また、凝縮温度を検出する凝縮温度センサ22を取付け、制御装置30Hは凝縮温度センサ22の温度を検出し送風機9の回転数を制御する。
【0074】
すなわち、凝縮温度が設定値よりも高い場合、凝縮圧力が高くなり、入力が増大するため、送風機9の回転数を低下させ、蒸発圧力の上昇を抑えることにより、凝縮圧力の上昇を防止する。この場合においても、冷媒の凝縮温度を精度よく検知できるとともに、高圧制御を正確に行える。
【0075】
上述の水回路10のポンプ12Hの回転数の制御および空気熱交換器7に対向して配置される送風機9の回転数の制御は、回転数可変の圧縮機を用いた冷凍サイクルの場合も適用可能であることは勿論である。
【0076】
なお、上記実施の形態では各コイル組体40を内側コイル体50と外側コイル体60との二重構成としたが、これに限定されるものではなく、コイル体の一方を下部側に配置し、他方を下部側コイル体の上部側に配置し、これら上、下部側コイル体を上記冷媒接続管PAと水接続管PBとで連通してもよい。
【0077】
また、本発明は要旨を超えない範囲内で種々実施可能なことは勿論であり、これらは全て本発明に組み込まれるものである。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、冷凍サイクル回路の水熱交換器と水回路の水熱交換器を一体化するという基本的な構成を変えず、コスト抑制を図りながら、中間部において水の熱影響を受けない状態での冷媒の凝縮温度を検知でき、検知精度の向上と高圧制御精度の向上を図れるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す、ヒートポンプ式給湯器の回路構成図。
【図2】 同実施の形態を示す、室外ユニット上に載設される水熱交換装置の概略の斜視図。
【図3】 同実施の形態の、水熱交換器の一部断面図。
【図4】 同実施の形態の、コイル組体の一部を省略して冷媒と水の導通状態を説明する図。
【図5】 同実施の形態の、水熱交換装置の冷媒と水の回路を概略的に示す図。
【図6】 本発明の他の実施の形態を示す、ヒートポンプ式給湯器の回路構成図。
【符号の説明】
3…圧縮機、5…(冷凍サイクル回路の)水熱交換器、8…冷媒配管、1…冷凍サイクル回路、13…(水回路の)水熱交換器、14…貯湯槽、5P…冷媒用パイプ、13P…水用パイプ、50…内側コイル体、60…外側コイル体、PA…冷媒接続管、PB…水接続管、22…凝縮温度センサ、30…制御装置(制御手段)。
Claims (3)
- 圧縮機、四方弁、水熱交換器、減圧装置および空気熱交換器を順次、冷媒配管を介して連通する冷凍サイクル回路と、ポンプ、水熱交換器および貯湯槽を順次、水配管を介して連通する水回路とを具備し、上記冷凍サイクル回路の水熱交換器から放出される凝縮熱を、上記水回路の水熱交換器で吸収して貯湯槽内に湯を貯めるヒートポンプ式給湯器において、
上記冷凍サイクル回路と水回路に用いられる水熱交換器は、冷媒が導通する冷媒用パイプと水が導通する水用パイプとを交互に重ね合わせたうえでコイル状に巻装した複数のコイル体と、これらコイル体の冷媒用パイプ一端相互と、水パイプ用一端相互を互いに連通する冷媒接続管および水接続管からなり、
少なくとも1組の冷媒接続管と水接続管は互いに離間しているとともに、離間した冷媒接続管に冷媒の温度を検知する凝縮温度センサが取付けられ、
この凝縮温度センサの検知温度が所定温度を超えたときに、冷凍サイクル回路の高圧制御をなす制御手段を備えたことを特徴とするヒートポンプ式給湯器。 - 上記コイル体の一方は内側コイル体であり、上記コイル体の他方は上記内側コイル体の外側に所定間隔を存して構成される外側コイル体であり、これら内側コイル体と外側コイル体を上記冷媒接続管と水接続管とで連通したことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式給湯器。
- 上記冷媒接続管と水接続管は、内側コイル体の最下部と外側コイル体の最上部とを連通するよう接続され、
冷媒を、内側コイル体の最上部から導入し内側コイル体の最下部から冷媒接続管を介して外側コイル体の最上部に導き、さらに外側コイル体の最下部から導出するよう冷媒流路を構成し、
水を、外側コイル体の最下部から導入し外側コイル体の最上部から水接続管を介して内側コイル体の最下部に導き、さらに内側コイル体の最上部から導出するよう水流路を構成したことを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ式給湯器。
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