JP3948345B2 - 通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信側の装置と受信側の装置とがStop−and−Wait Automatic Repeat Request方式でシリアル通信を行う通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車のエンジン等を制御する車両用電子制御装置として、マイコン(マイクロコンピュータ)を2つ備えると共に、その2つのマイコンがSPI(シリアル/パラレルインターフェース)を用いてシリアル通信を行うことにより互いの制御データを共有するようにしたものがある。
【0003】
そして、この種の電子制御装置において、送信側の装置と受信側の装置との双方となり得る両マイコンは、通信時に発生した受信誤りを訂正するために、「受信側は、ある1つの伝送単位分のデータを誤りなく正しく受信する毎に、送信側へ、そのことを知らせる伝達確認信号としてのACK(positive acknowledgement)を送り、逆に、データを正しく受信することができなかった場合(即ち、受信誤りを検出した場合)には、受信したデータを捨てると共に、送信側へ、再送信要求信号としてのNAK(negative acknowledgement)を送り、また、そのNAKを受け取った送信側は、送信バッファに蓄積してある前回のデータを、ACKを受け取るまで再送信する」といったStop−and−Wait Automatic Repeat Request方式(以下、SWARQ方式という)でシリアル通信を行っている。
【0004】
ここで、2つのマイコンがSWARQ方式でシリアル通信を行う電子制御装置の具体的構成例を、図8に示す。
図8に示すように、この例の電子制御装置100には、マイコン101とマイコン102とが設けられている。そして、各マイコン101,102は、送信データレジスタ11t及び受信データレジスタ11rを有したSPI13と、そのSPI13とパラレルのデータバスを介して接続された送信バッファ15t及び受信バッファ15rとを備えている。尚、この例において、送信バッファ15tと受信バッファ15rは、マイコン101,102のRAMにおける一部の記憶領域である。
【0005】
そして更に、マイコン101のSPI13と、マイコン102のSPI13は、シリアル通信線17によってシリアル通信可能に接続されている。尚、シリアル通信線17は、全二重の通信線であり、マイコン101からマイコン102への送信用の通信線と、マイコン102からマイコン101への送信用の通信線とからなっている。また、この例では、マイコン101からマイコン102へ、通信用のクロック(即ち、通信時に両マイコン101,102が同期をとるためのクロック)が、クロック線19を介して供給されるようになっている。
【0006】
このような電子制御装置100において、両マイコン101,102は、一定時間毎に双方向のシリアル通信を行う。
そして、各マイコン101,102において、データを送信する際には、送信処理により、送信すべき制御データが、RAMから送信バッファ15tに転送されると共に、そのデータに誤り検出用の検査符号が付加され、そのような検査符号が付加されたデータが、1つの伝送単位分の送信データとして、送信バッファ15tからSPI13の送信データレジスタ11tに転送される。すると、その送信データレジスタ11tに転送されたデータは、SPI13により、シリアル通信線17へ1ビットずつ出力され、これにより、受信側である相手のマイコン(詳しくは、相手のマイコンのSPI13)へとシリアル送信されることとなる。
【0007】
また、各マイコン101,102において、データを受信する際には、まず、送信側からシリアル通信線17を介して送られて来るシリアルデータがSPI13の受信データレジスタ11rに格納される。そして、受信データレジスタ11rに1つの伝送単位分のデータが格納されると、受信処理により、受信データレジスタ11r内のデータが受信バッファ15rに転送されると共に、その受信バッファ15rに転送された受信データの正当性が該受信データに付加されている検査符号に基づいて検証され、正常ならば(即ち、受信エラーがなければ)、その受信データが、受信バッファ15rから、RAMの記憶領域のうちで該受信データに該当する制御データの格納領域に転送される。これにより、RAM内の制御データが受信データで更新されることとなる。
【0008】
次に、データ再送信時の通信動作を、図9を用いて説明する。尚、図9における「通信開始要求」のタイミングは、通信を開始する一定時間毎のタイミングである。
図9に示すように、この電子制御装置100において、両マイコン101,102間の通信は2回で1通信となっており、1回目の通信で制御データを通信し、2回目の通信で受信結果(ACK又はNAK)を通信するようになっている。
【0009】
そして、制御データを送信する場合は、まず、前回の通信における相手からの受信結果を確認し、ACKが返って来ていたならば、前述したように、RAMから送信バッファ15tに制御データを転送して、その新たな制御データを送信するが、NAKが返って来ていた場合には、送信バッファ15tの更新をせずに、前回と同じ制御データを送信する。つまり、RAMから送信バッファ15tへの制御データの転送を行わずに、前回送信したのと同じ送信バッファ15t内の制御データを再度送信する。
【0010】
このため、図9の例において、左から3番目の「通信開始要求」の際の通信では、前回の通信における相手からの受信結果がNAKであるため、左から1番目の「通信開始要求」の際の通信で送信した制御データ(N)と同じ制御データ(N)を再送信することとなる。また、左から5番目の「通信開始要求」の際の通信では、前回の通信における相手からの受信結果がACKであるため、次の更新された制御データ(N+1)を送信することとなる。尚、図において、NAK(N)は、N回目の通信で送られた制御データ(N)に対応するNAKであり、ACK(N)は、N回目の通信で送られた制御データ(N)に対応するACKである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術によれば、通信の誤り訂正は可能であるが、受信結果(ACK又はNAK)を通信で送るため、制御データの伝送効率が悪い上に、受信エラーがあった次の通信で直ぐに再送信データ(即ち、前回と同じデータ)が欲しくても、受信結果を通知するための通信を挟むため、データ再送信の応答性が悪いという問題がある。
【0012】
尚、図10に示すように、制御データの通信時に前回の通信の受信結果も通信する、といった方法も考えられる。そして、この図10の方法では、各通信タイミング毎に制御データを送ることとなるため、制御データの伝送効率は向上する。
【0013】
しかし、「N−1」回目の通信で送られた制御データ(N−1)の受信に失敗した場合、次の通信では、N回目の更新された制御データ(N)が一旦送信されることとなり、データ再送信は、その次の「N+1」回目の通信(図10にて左から3番目の「通信開始要求」の際の通信)で、再度「N−1」回目の通信で送った制御データ(N−1)を送信することにより実現されることとなる。
【0014】
このため、送信側では、送信バッファ15tとして、前回と前々回との2回分の送信データを蓄積可能なものが必要となり、メモリ消費量が増加するという新たな問題が生じてしまう。しかも、受信エラーがあった次の通信で直ぐに再送信データが欲しいと思っても、やはり、受信結果を通知するための通信を挟む必要があり、データ再送信の応答性が悪いという問題は解決されない。
【0015】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、データ再送信の応答性に優れた通信システムを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明は、データを送信する側の装置である送信側装置と、データを受信する側の装置である受信側装置とが、SWARQ方式(Stop−and−Wait Automatic Repeat Request方式)でシリアル通信を行う通信システムにおいて、データの通信が、一定時間毎の通信タイミングが到来する毎に行われると共に、受信側装置にて送信側装置からのデータを正常に受信することができなかった場合に該受信側装置から送信側装置へと通知される再送信要求が、前記データの通信に用いられる通信線とは別に設けられた専用線によって通知されるようになっており、更に、受信側装置は、その再送信要求を次の通信タイミングの前に通知する。
【0017】
発明の通信システムによれば、受信側装置から送信側装置への再送信要求の通知が、通信ではなく、通信線とは別の専用線を介して行われるため、受信エラー(受信誤り)があった次の通信タイミングで、直ぐにデータを再送信することが可能となる。つまり、受信側装置が、送信側装置からのデータを正常に受信することができなかった場合には、次の通信タイミングまでに、上記専用線によって送信側装置へ再送信要求を通知することで、送信側装置は、受信エラーがあった次の通信タイミングで、その受信エラーの発生を知ることができ、その回の通信タイミングで、前回送信したのと同じデータを再度送信することができるからである。
そこで、請求項1の通信システムにおいて、受信側装置は、送信側装置からのデータを正常に受信することができなかった場合に、前記専用線の電圧レベルを、ハイレベルとローレベルとのうち、データを正常に受信することができなかったことを示す一方のレベルに設定することで、再送信要求を通知するようになっており、送信側装置は、通信タイミングが到来してから、今回の通信タイミングで送信すべき送信データを選択する前に、前記専用線の電圧レベルをチェックし、その電圧レベルに基づき、前回と同じデータを再送信すべきか否かを判断する。
更に、受信側装置は、通信タイミングが到来すると、送信側装置が前記専用線の電圧レベルをチェックし終えた後のタイミングで、前記専用線の電圧レベルを、前記一方のレベルに一旦設定しておき、その後、送信側装置からのデータを正常に受信することができたならば、前記専用線の電圧レベルを、前記一方のレベルとは異なる方のレベルに設定し直すように構成されている。
このような本発明の通信システムによれば、各通信タイミング毎にデータの伝送を行うことができると共に、データ再送信の応答性を向上させることができる。また、送信バッファは、1回分の送信データを蓄積可能なもので良く、メモリ消費量を増加させることもない。
【0018】
次に、請求項に記載の通信システムでは、請求項の通信システムにおいて、送信側装置は、今回送信するデータが、再送信要求に応じて再送信する前回と同じデータ(以下、再送信データという)と、該再送信データではない新たなデータ(即ち、更新されたデータ)との何れであるかを示す識別情報を、送信データの一部として受信側装置へ送信するように構成されている。
【0019】
そして、このような請求項の通信システムによれば、受信側装置は、送信側装置から受信したデータに含まれている前記識別情報を参照することにより、「前回の通信時に送信側装置からのデータを正常に受信することができて送信側装置へ再送信要求を通知していないにも拘わらず、今回受信したデータが再送信データである」という異常〈1〉や、「前回の通信時に送信側装置からのデータを正常に受信することができず送信側装置へ再送信要求を通知したにも拘わらず、今回受信したデータが再送信データではない」という異常〈2〉を検出することができ、延いては、その各異常〈1〉,〈2〉に対応した適切なフェイルセーフ処理を実施することができるようになる。
【0020】
ここで、受信側装置が上記の異常〈1〉を検出する通信システムとしては、請求項や請求項に記載のものが考えられる。
まず、請求項に記載の通信システムでは、請求項の通信システムにおいて、受信側装置は、送信側装置からのデータを正常に受信することができた場合に、その受信したデータに含まれている前記識別情報を参照して、前回の通信時に送信側装置からのデータを正常に受信することができて送信側装置へ再送信要求を通知していないにも拘わらず、今回受信したデータが再送信データであるという矛盾(即ち、上記異常〈1〉)が生じているか否かを判定し、その矛盾が生じていると判定した場合には、今回受信したデータを無効とするように構成されている。
【0021】
そして、このような請求項の通信システムによれば、再送信要求の専用線にノイズがのる等の理由により、送信側装置が誤って前回と同じデータ(再送信データ)を送信したとしても、受信側装置は、そのような誤再送を検知して、その誤再送による再送信データを読み飛ばすこととなる。このため、例えば、1度しか実行してはいけない処理を要求するデータが、誤再送によって何度も送られてきたとしても、それを読み飛ばすことができ、システムの誤動作を防止することができる。
【0022】
次に、請求項に記載の通信システムでは、請求項の通信システムにおいて、受信側装置は、前記矛盾(上記異常〈1〉)が生じていると判定した連続回数を計数すると共に、その計数した回数が予め定められた判定値に達したならば、前記専用線が再送信要求を行う方の状態で故障していると判断して、所定のフェイルセーフ処理を実行するように構成されている。
【0023】
そして、このような請求項の通信システムによれば、専用線が再送信要求を行う方の状態で故障していることを検知して、その故障に対する適切なフェイルセーフ処理を行うことができるようになる。
特に、専用線が再送信要求を行う方の状態で故障すると、送信側装置が同じデータの誤再送を何度も繰り返すこととなり、また、受信側装置では、更新されたデータを受け取ることができず、受信データを用いる処理が古い同じデータを用いたままで継続されることとなるが、請求項の通信システムによれば、そのような異常を受信側装置で検知して、処理に使用するデータを所定のデフォルト値に設定する等のフェイルセーフ処理を実行することができ、システムの信頼性を一層向上させることができる。
【0024】
一方、受信側装置が上記の異常〈2〉を検出する通信システムとしては、請求項に記載のものが考えられる。
即ち、請求項に記載の通信システムでは、請求項2〜4の通信システムにおいて、受信側装置は、送信側装置からのデータを正常に受信することができた場合に、その受信したデータに含まれている前記識別情報を参照して、前回の通信時に送信側装置からのデータを正常に受信することができず送信側装置へ再送信要求を通知したにも拘わらず、今回受信したデータが再送信データではないという矛盾(即ち、上記異常〈2〉)が生じているか否かを判定すると共に、その矛盾が生じていると判定した場合に、所定のフェイルセーフ処理を実行するように構成されている。
【0025】
このような請求項の通信システムによれば、受信側装置にて、送信側装置がデータを再送信してくれないという異常を検知して、その異常に対する適切なフェイルセーフ処理を行うことができるようになる。
特に、受信側装置が再送信要求を通知する動作を行っても、送信側装置がデータの再送信を行わなければ、送信側装置から連続性が重要なデータが順次送信される場合に、受信側装置は、そのデータの一部を受信することができず支障が生じるが、請求項の通信システムによれば、そのような異常を受信側装置で検知して、連続性が重要なデータの全部や、そのうちの欠落したデータを、システムに支障がない所定のデフォルト値に設定する等のフェイルセーフ処理を実行することができ、システムの信頼性を向上させることができる。
【0026】
次に、請求項に記載の通信システムでは、請求項1〜の通信システムにおいて、送信側装置は、前回と同じデータを送信した連続回数(以下、再送信回数という)を計数し、その再送信回数が予め定められた規定値に達したならば、受信側装置からの再送信要求に拘わらず、前回と同じデータを送信するのを止めて、新たなデータを送信するように構成されている。
【0027】
このような請求項の通信システムによれば、データ再送信の連続回数(再送信回数)が規定値に制限されることとなるため、前記専用線が再送信要求を行う方の状態で故障した場合でも、新たなデータが送信される正常な通信状態へと復帰することができるようになる
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態の電子制御装置について、図面を用いて説明する。
まず、以下に述べる各実施形態に共通の内容について、図1を用い説明する。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の電子制御装置10は、例えば自動車のエンジンを制御するものであり、図8に例示した電子制御装置100と同様に、制御データを通信によって共有しつつエンジンを制御するための処理を行う2つのマイコン1,2を備えている。
【0030】
ここで、図1において、図8と同様の構成要素については、同じ符号を付しているため、詳細な説明は省略するが、本実施形態の電子制御装置10においても、各マイコン1,2は、送信データレジスタ11t及び受信データレジスタ11rを有したSPI13と、RAMの一部の記憶領域からなる送信バッファ15t及び受信バッファ15rとを備えており、更に、両マイコン1,2のSPI13は、全二重のシリアル通信線17によってシリアル通信可能に接続されている。
【0031】
そして、両マイコン1,2は、一定時間毎にSWARQ方式でのシリアル通信を双方向に行うが、特に、本実施形態の電子制御装置10において、両マイコン1,2間には、シリアル通信線17及びクロック線19とは別に、マイコン1からマイコン2へ受信結果(ACK又はNAK)を通知するための再送信要求線L1と、マイコン2からマイコン1へ受信結果(ACK又はNAK)を通知するための再送信要求線L2とが配設されている。
【0032】
尚、再送信要求線L1は、マイコン1の出力ポートとマイコン2の入力ポートとを接続しており、マイコン1から見た場合には、自分自身の再送信要求線であり、マイコン2から見た場合には、通信相手の再送信要求線である。同様に、再送信要求線L2は、マイコン2の出力ポートとマイコン1の入力ポートとを接続しており、マイコン2から見た場合には、自分自身の再送信要求線であり、マイコン1から見た場合には、通信相手の再送信要求線である。
【0033】
[第1実施形態]
第1実施形態の電子制御装置10において、通信システムを成す2つのマイコン1,2の各々は、一定時間毎の通信タイミングが到来する毎に、図2(a)に示す送信処理を実行する。
【0034】
そして、図2(a)に示すように、マイコン1,2が送信処理の実行を開始すると、まずステップ(以下、単に「S」と記す)110にて、通信相手の再送信要求線(マイコン1ならばL2であり、マイコン2ならばL1である)の電圧レベルが、データの再送信要求としてのNAKに相当する要求有りのレベル(本実施形態ではローレベル)であるか否かを判定する。
【0035】
ここで、通信相手の再送信要求線の電圧レベルが、要求有りのレベルではないと判定した場合、即ち、通信相手の再送信要求線の電圧レベルがACKに相当する要求無しのレベル(本実施形態ではハイレベル)であった場合には(S110:NO)、S120に進んで、送信すべき制御データをRAMから送信バッファ15tに転送すると共に、その制御データに誤り検出用の検査符号を付加して、1伝送単位分(1フレーム分)の送信データを作成する。これにより、送信バッファ15tが更新される。つまり、送信バッファ15t内に、新たな制御データからなる1伝送単位分の送信データが格納される。
【0036】
そして、続くS130にて、送信バッファ15t内の送信データを自己のSPI13の送信データレジスタ11tに転送する。すると、その送信データレジスタ11tに転送された送信データは、SPI13によりシリアル通信線17へ1ビットずつ出力され、これにより、通信相手のマイコンへとシリアル送信されることとなる。
【0037】
そして更に、続くS140にて、自分自身の再送信要求線(マイコン1ならばL1であり、マイコン2ならばL2である)の電圧レベルを、要求有りのレベル(ローレベル)に設定し、その後、当該送信処理を終了する。
また、上記S110にて、通信相手の再送信要求線の電圧レベルが、要求有りのレベルであると判定した場合には、そのままS130に移行する。よって、この場合には、S120での送信バッファ15tの更新が行われず、前回送信したデータと全く同じデータが通信相手に再送信されることとなる。
【0038】
一方、上記送信処理によってデータが送信されると、それを受信する側のマイコンでは、シリアル通信線17を介して送られて来るシリアルデータがSPI13の受信データレジスタ11rに格納される。
そして、マイコン1,2の各々は、SPI13の受信データレジスタ11rに1伝送単位分のデータが格納されると、受信完了割り込み処理である図2(b)の受信処理を実行する。
【0039】
図2(b)に示すように、マイコン1,2が受信処理の実行を開始すると、まずS210にて、受信データレジスタ11r内のデータを受信バッファ15rに転送する。
次に、S220にて、その受信バッファ15rに転送した受信データの正当性(即ち、データを正しく受信できたか否か)を、その受信データに付加されている検査符号をチェックすることで判定し、正常ならば(即ち、受信エラーがなければ)、S230に進んで、受信バッファ15r内の受信データを、その受信データに該当する制御データのRAMにおける格納領域に転送する。これにより、RAM内の制御データが受信データで更新されることとなる。
【0040】
そして更に、続くS240にて、自分自身の再送信要求線(マイコン1ならばL1であり、マイコン2ならばL2である)の電圧レベルを、要求無しのレベル(ハイレベル)に設定し、その後、当該受信処理を終了する。
また、上記S220にて、受信エラーが発生していると判定した場合(即ち、通信相手からのデータを正常に受信することができなかった場合)には、S230及びS240の処理を行うことなく、そのまま当該受信処理を終了する。よって、この場合には、RAM内の制御データが受信データで更新されず(換言すれば、受信したデータは捨てられ)、しかも、自分自身の再送信要求線は、図2(a)の送信処理におけるS140で要求有りのレベル(ローレベル)に設定されたままになる。
【0041】
次に、以上のような2つのマイコン1,2からなる通信システムの作用について、図3を用い説明する。尚、図3における「通信開始要求」のタイミングは、両マイコン1,2が通信を開始する一定時間毎のタイミングである。また、ここでは、便宜上、データを送信する側のマイコン(送信側装置に相当)がマイコン1であり、データを受信する側のマイコン(受信側装置に相当)がマイコン2であるものとして説明する。
【0042】
まず、時刻t1の「通信開始要求」のタイミングで、マイコン2からマイコン1への再送信要求線L2が要求無しのレベル(ハイレベル)であったとすると、送信側としてのマイコン1は、そのタイミングで実行する図2(a)の送信処理にて、S110:NO→S120〜S140の処理を行い、新たな制御データをマイコン2に送信することとなる。尚、ここでは、この時にマイコン1から送信される制御データを、制御データ(N−1)とする。
【0043】
また、マイコン2も図2(a)の送信処理を実行し、その送信処理のS140により、マイコン1への再送信要求線L2を、一旦、要求有りのレベル(ローレベル)にセットすることとなる。
その後、マイコン2において、SPI13の受信データレジスタ11rにマイコン1からのデータが全て格納されると、図3の時刻taに示すように、受信完了割り込みが発生して、マイコン2は図2(b)の受信処理を実行することとなる。
【0044】
そして、マイコン2が、受信処理のS220にて受信エラーが発生していると判定したとすると(S220:YES)、その回の受信処理では、S230及びS240の処理がスキップされるため、受信データが捨てられると共に、マイコン1への再送信要求線L2が要求有りのレベル(ローレベル)に設定されたままとなる。
【0045】
このため、次の時刻t2の「通信開始要求」のタイミングで、マイコン1が送信処理の実行を開始すると、その時点ではマイコン2からの再送信要求線L2が要求有りのレベル(ローレベル)であるため、マイコン1は、その回の送信処理にて、S120の処理を行うことなくS130及びS140の処理を行うこととなり、その結果、前回送信した制御データ(N−1)と同じ制御データ(N−1)をマイコン2に再送信することとなる。
【0046】
尚、この時、マイコン2も送信処理を実行して、その送信処理のS140により、マイコン1への再送信要求線L2を、一旦、要求有りのレベルにセットするが、この場合には、再送信要求線L2が始めから要求有りのレベルになっているため、その再送信要求線L2の電圧レベルは変化しない。
【0047】
その後、マイコン2において、SPI13の受信データレジスタ11rにマイコン1からのデータ(この場合には、再送信データ)が全て格納されると、図3の時刻tbに示すように、再び受信完了割り込みが発生して、マイコン2は図2(b)の受信処理を実行することとなる。
【0048】
そして、マイコン2が、受信処理のS220にて受信エラーが発生していないと判定したとすると(S220:NO)、その回の受信処理では、S230及びS240の処理が行われて、RAM内の制御データが受信データで更新されると共に、マイコン1への再送信要求線L2が要求無しのレベル(ハイレベル)に設定されることとなる。
【0049】
すると、次の時刻t3の「通信開始要求」のタイミングで、マイコン1が送信処理の実行を開始した際には、マイコン1は、その回の送信処理にて、S110:NO→S120〜S140の処理を行うこととなり、その結果、新たな制御データ(N)をマイコン2に送信することとなる。
【0050】
そして、その制御データ(N)からなる送信データをマイコン2が正常に受信できたならば、マイコン2における時刻tcの受信処理(特にS240)でマイコン1への再送信要求線L2が要求無しのレベル(ハイレベル)に設定されることとなり、その結果、次の時刻t4の「通信開始要求」のタイミングで、マイコン1が送信処理の実行を開始した際には、マイコン1は、その回の送信処理にて、新たな制御データ(N+1)をマイコン2に送信することとなる。
【0051】
このように、本実施形態においては、受信側が、通信開始直後に送信側への再送信要求線のレベルを要求有りのレベルに一旦セットすると共に、送信側からのデータを正常に受信することができたならば、その送信側への再送信要求線のレベルを要求無しのレベルに戻すようにしており、これにより、受信側は、送信側からのデータを正常に受信することができたか否かの受信結果(ACK又はNAK)を、次の通信タイミングまでに送信側へ通知するようにしている。
【0052】
そして、送信側では、通信タイミングが到来した時に、受信側からの再送信要求線のレベルが要求無しのレベルであれば、受信側からACKが返ってきたと判断して、新たな制御データを送信するが、通信タイミングが到来した時に、受信側からの再送信要求線のレベルが要求有りのレベルであれば、受信側からNAKが返ってきた(即ち、受信エラーが発生した)と判断して、前回と同じデータを再送信するようにしている。
【0053】
以上のような本第1実施形態のマイコン1,2からなる通信システムによれば、受信側から送信側への再送信要求(広い意味ではACK又はNAKであり、狭い意味ではNAK)の通知が、シリアル通信線17とは別の専用線である再送信要求線L1,L2を介して行われるため、受信エラー(受信誤り)があった次の通信タイミングで、直ぐに前回と同じデータを再送信することができる。そして、各通信タイミング毎に制御データの伝送を行うことができると共に、データ再送信の応答性を向上させることができる。また、送信バッファ15tは、1回分の送信データを蓄積可能なもので良く、メモリ(上記の例ではRAM)の消費量を増加させることもない。
【0054】
[第2実施形態]
ところで、上記第1実施形態の電子制御装置10におけるマイコン1,2の通信システムでは、再送信要求線L1,L2にノイズがのる等の理由により、受信側が正常受信したにも拘わらず送信側が前回と同じデータを再送信してしまう可能性がある。
【0055】
そして、このような誤再送が発生すると、例えば、受信側のマイコンに何かの処理を実行して欲しいというイベント要求のデータが複数回送られて、本当は1度だけ実行すべき処理が受信側で何度も実行されてしまう、といった不具合が生じてしまう。
【0056】
そこで次に、このような不具合を防止可能な第2実施形態の電子制御装置10について説明する。
第2実施形態の電子制御装置10では、第1実施形態と比較すると、2つのマイコン1,2の各々が、図2(a)の送信処理に代えて、図4(a)の送信処理を実行すると共に、図2(b)の受信処理に代えて、図4()の受信処理を実行する点のみ異なっている。
【0057】
ここで、図4(a)の送信処理は、図2(a)の送信処理に対して、S110の前にS105の処理が追加されていると共に、S120とS130との間にS125の処理が追加されている点が異なっている。
そして、本第2実施形態において、各マイコン1,2が図4(a)の送信処理の実行を開始すると、まずS105にて、更新情報フラグをオフに初期化する。
【0058】
尚、更新情報フラグは、今回送信する制御データが、受信側からのNAKに応じて再送信する前回と同じデータ(再送信データ)と、再送信データではない新たな制御データ(更新されたデータ)との何れであるかを示す識別情報に相当するものである。そして、更新情報フラグがオフということは、そのフラグが0にセットされているということであると共に、今回送信するデータが再送信データであることを意味している。また逆に、更新情報フラグがオンということは、そのフラグが1にセットされているということであると共に、今回送信するデータが更新された新たな制御データであることを意味している。
【0059】
そして更に、図4(a)の送信処理では、S120で送信バッファ15tを更新すると、追加された次のS125で更新情報フラグをオンし、その後、S130に進む。
よって、S120で送信バッファ15tを更新した場合には、更新情報フラグがオン(=1)となり、送信バッファ15tが更新されずに前回と同じデータを送信する場合には、更新情報フラグがオフ(=0)となる。
【0060】
そして、本第2実施形態では、このようにオン又はオフに設定される更新情報フラグも、送信データの一部として、送信データレジスタ11tに転送され、通信相手のマイコンへと送信される。
一方、図4(b)の受信処理は、図2(b)の受信処理に対して、S225とS250の処理が追加されている点が異なっている。
【0061】
そして、図4(b)の受信処理では、S220にて受信エラーが発生していないと判定した場合に、S225に進んで、通信相手のマイコンから受信した前述の更新情報フラグ(即ち、受信したデータに含まれている更新情報フラグ)がオンであるか否かを判定して、オンであれば、S230に進む。
【0062】
また、上記S225にて、受信した更新情報フラグがオンではない(オフである)と判定した場合には、S250に移行して、前回の通信で受信エラーが発生しているか否かを判定し、前回の通信で受信エラーが発生していると判定した場合にも、S230に進む。
【0063】
これに対し、上記S250にて、前回の通信で受信エラーが発生していないと判定した場合には、前回の通信時に通信相手からのデータを正常に受信することができてNAKを返していないにも拘わらず、今回受信したデータが再送信データであるという矛盾(以下、異常〈1〉という)が生じていると判断し、S230の処理を行うことなくS240に移行する。よって、この場合には、今回受信したデータで制御データが更新されず、その今回の受信データは無効となる。
【0064】
このような第2実施形態のマイコン1,2からなる通信システムによれば、再送信要求線L1,L2にノイズがのる等の理由により、送信側が誤って前回と同じデータ(再送信データ)を送信したとしても、受信側は、そのような誤再送を検知して、その場合には、誤再送による再送信データを読み飛ばすこととなる(S225:NO且つS250:NO→S240)。このため、例えば、1度しか実行してはいけない処理を要求するデータが、誤再送によって何度も送られてきたとしても、それを読み飛ばすことができ、システムの誤動作を防止することができる。
【0065】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の電子制御装置10について説明する。
第3実施形態の電子制御装置10では、第2実施形態と比較すると、2つのマイコン1,2の各々が、図4(b)の受信処理に代えて、図5の受信処理を実行する点のみ異なっている。
【0066】
そして、図5の受信処理は、図4(b)の受信処理に対して、S235,S255,S260,及びS265の処理が追加されている点が異なっている。
ここで、図5の受信処理では、S230の処理を行った後、S235に進んで、誤再送の回数を計数するためのカウンタCNTaを0にクリアし、その後、S240に進む。また、S250にて前回の通信で受信エラーが発生していないと判定した場合には、S255に進んで、カウンタCNTaを1インクリメント(+1)し、その後、S240に進む。
【0067】
そして更に、図5の受信処理では、S240で自分自身の再送信要求線の電圧レベルを要求無しのレベルに設定した後、或いは、S220で受信エラーが発生していると判定した場合に、S260に進んで、カウンタCNTaの値が所定値Na(判定値に相当)以上であるか否かを判定する。
【0068】
そして、カウンタCNTaの値が所定値Na以上でなければ(S260:NO)、そのまま当該受信処理を終了するが、所定値Na以上であれば(S260:YES)、S265に進んで、所定のフェイルセーフ処理を行った後、当該受信処理を終了する。尚、S265で行うフェイルセーフ処理としては、例えば、制御データに対して適切なデフォルト値をセットするとか、制御データの値を前回値(即ち、受信データで最後に更新された値の1つ前の値)に戻す等の処理が考えられる。
【0069】
つまり、本第3実施形態では、受信側のマイコンにて、上記異常〈1〉が生じていると判定した連続回数をカウンタCNTaにより計数すると共に(S235,S255)、そのカウンタCNTaの値が予め定められた所定値Naに達したならば(S260:YES)、通信相手の再送信要求線が要求有りのレベルに固着してしまった故障が生じていると判断して、フェイルセーフ処理を実行するようにしている(S265)。
【0070】
そして、このような第3実施形態のマイコン1,2からなる通信システムによれば、再送信要求線が再送信要求を行う方の状態で故障していることを検知して、その故障に対する適切なフェイルセーフ処理を行うことができる。
特に、再送信要求線が要求有りのレベルのままになる故障が生じると、送信側のマイコンは同じデータの誤再送を何度も繰り返すこととなり、受信側のマイコンでは、更新されたデータを受け取ることができず、受信データを用いるエンジン制御用の処理が古い同じデータを用いたままで継続されることとなる。このため、例えば、通信される制御データの中には、電子スロットルの開度指令値があり、もし、一方のマイコンから他方のマイコンへ、電子スロットルの全開を指示する開度指令値のデータが何度も誤再送されたならば、エンジントルクが過大となってしまう。ところが、本第3実施形態によれば、そのような故障を受信側のマイコンで検知して、処理に使用する制御データを所定のデフォルト値に設定する等のフェイルセーフ処理を実施することができ、上記の如き過大なエンジントルクの発生等を防止できるため、制御システムの信頼性を一層向上させることができる。
【0071】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の電子制御装置10について説明する。
第4実施形態の電子制御装置10では、第3実施形態と比較すると、2つのマイコン1,2の各々が、図5の受信処理に代えて、図6の受信処理を実行する点のみ異なっている。
【0072】
そして、図6の受信処理は、図5の受信処理に対して、S227,S237,S270,S275,S280,及びS285の処理が追加されている点が異なっている。
ここで、図6の受信処理では、S225にて通信相手のマイコンから受信した更新情報フラグがオンであると判定した場合に、S227に進んで、前回の通信で受信エラーが発生しているか否かを判定する。そして、前回の通信で受信エラーが発生していないと判定した場合には(S227:NO)、前述したS230とS235の各処理を行った後、S237に進んで、非再送信フラグFbをオフに初期化し、その後、S240に進む。尚、非再送信フラグFbは、前回の通信時に通信相手からのデータを正常に受信することができずNAKを返したにも拘わらず、今回受信したデータが再送信データではない(データが再送信されなかった)という矛盾(以下、異常〈2〉という)が生じているか否かを示すフラグである。そして、非再送信フラグFbがオフということは、そのフラグが0にセットされているということであると共に、異常〈2〉が生じていないことを意味している。また逆に、非再送信フラグFbがオンということは、そのフラグが1にセットされているということであると共に、異常〈2〉が生じたことを意味している。
【0073】
一方、上記S227にて、前回の通信で受信エラーが発生していると判定した場合には(S227:YES)、上記異常〈2〉が生じていると判断して、S270に移行し、非再送信フラグFbをオンする。そして、続くS275にて、S230と同様に、受信バッファ15r内の受信データを、その受信データに該当する制御データのRAMにおける格納領域に転送し、その後、S240に移行する。
【0074】
そして更に、図6の受信処理では、S260にてカウンタCNTaの値が所定値Na以上でないと判定した場合、或いは、S265でのフェイルセーフ処理を行った後に、S280へ進んで、非再送信フラグFbがオンであるか否かを判定する。そして、非再送信フラグFbがオンでなければ(S280:NO)、そのまま当該受信処理を終了するが、非再送信フラグFbがオンであれば(SS280:YES)、S285に進んで、所定のフェイルセーフ処理を行った後、当該受信処理を終了する。尚、S285でのフェイルセーフ処理は、通信相手から再送信されなかった制御データ(詳しくは、その制御データのRAM内の値)をシステムに支障がない所定のデフォルト値に設定する、といった処理である。
【0075】
つまり、本第4実施形態では、受信側のマイコンが、通信相手からの更新情報フラグに基づいて、上記の異常〈2〉が生じているか否かを判定し(S225及びS227)、異常〈2〉が生じていると判定した場合には(S225:YES且つS227:YES)、所定のフェイルセーフ処理を実行するようにしている(S270,S280:YES,S285)。
【0076】
そして、このような第4実施形態のマイコン1,2からなる通信システムによれば、受信側のマイコンにて、送信側のマイコンがデータを再送信してくれないという異常〈2〉を検知して、その異常に対する適切なフェイルセーフ処理を行うことができる。
【0077】
特に、受信側がNAKを返しても送信側がデータの再送信を行わなければ、送信側から連続性が重要な制御データが順次送信される場合に、受信側は、その制御データの一部を受信することができず支障が生じるが、本第4実施形態によれば、そのような異常を受信側で検知して、欠落した制御データを所定のデフォルト値に設定する等のフェイルセーフ処理を実行することができ、システムの信頼性を向上させることができる。尚、図6のS285では、送信側から再送信されなかった制御データが、連続性が重要なデータである場合に、その連続性が重要なデータの全部を所定のデフォルト値に設定するようにしても良い。
【0078】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態の電子制御装置10について説明する。
第5実施形態の電子制御装置10では、第1実施形態と比較すると、2つのマイコン1,2の各々が、図2(a)の送信処理に代えて、図7の送信処理を実行する点のみ異なっている。
【0079】
そして、図7の送信処理は、図2(a)の送信処理に対して、S115,S150,及びS155の処理が追加されている点が異なっている。
ここで、図7の送信処理では、S110にて、通信相手の再送信要求線の電圧レベルが要求有りのレベルでないと判定した場合に、S115に進んで、前回と同じデータを送信した連続回数(再送信回数)を計数するためのカウンタCNTcを0にクリアし、その後、S120に進む。
【0080】
また、上記S110にて、通信相手の再送信要求線の電圧レベルが要求有りのレベルであると判定した場合には、S150に移行して、カウンタCNTcの値が所定値Nc(規定値に相当)以上であるか否かを判定する。
そして、カウンタCNTcの値が所定値Nc以上でなければ(S150:NO)、S155に進んで、カウンタCNTcを1インクリメント(+1)した後、S130に移行するが、カウンタCNTcの値が所定値Nc以上であれば(S150:YES)、S120に移行し、このS120で送信バッファ15tを更新してから、S130に進む。
【0081】
つまり、本第5実施形態では、送信側のマイコンが、再送信回数をカウンタCNTcによって計数し(S115,S155)、その再送信回数が所定値Ncに達したならば、受信側からのNAKに拘わらず、送信バッファ15tを更新して新たな制御データを送信するようにしている(S150:YES→S120)。
【0082】
このような第5実施形態のマイコン1,2からなる通信システムによれば、データの再送信回数が所定値Ncに制限されることとなるため、通信相手の再送信要求線が要求有りのレベルに固着してしまった故障が生じた場合に、データの再送信が継続する状態から、更新された制御データが送信される正常な通信状態へと復帰することができる。
【0083】
尚、図7におけるS115,S150,及びS155の処理は、前述した第2実施形態及び第3実施形態で実行される図4(a)の送信処理に追加しても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0084】
例えば、 上記各実施形態の電子制御装置10は、自動車のエンジンを制御するものであったが、本発明は、他の制御対象を制御する電子制御装置に対しても同様に適用することができる。
また、上記各実施形態は、電子制御装置に搭載される2つのマイコン間の通信に本発明を適用したものであったが、本発明は、そのようなマイコン間の通信システムに限らず、他の装置間の通信システムに対しても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電子制御装置の構成図である。
【図2】 第1実施形態の電子制御装置における2つの各マイコンで実行される送信処理と受信処理とを表すフローチャートである。
【図3】 第1実施形態の作用を表す説明図である。
【図4】 第2実施形態の電子制御装置における2つの各マイコンで実行される送信処理と受信処理とを表すフローチャートである。
【図5】 第3実施形態の電子制御装置における2つの各マイコンで実行される受信処理を表すフローチャートである。
【図6】 第4実施形態の電子制御装置における2つの各マイコンで実行される受信処理を表すフローチャートである。
【図7】 第5実施形態の電子制御装置における2つの各マイコンで実行される送信処理を表すフローチャートである。
【図8】 搭載された2つのマイコンがSWARQ方式でシリアル通信を行う従来の電子制御装置の構成図である。
【図9】 図8の両マイコン間で実施される通信の手順を表す説明図である。
【図10】 他の通信手順を表す説明図である。
【符号の説明】
1,2…マイコン(マイクロコンピュータ)、10…電子制御装置、11r…受信データレジスタ、11t…送信データレジスタ、13…SPI(シリアル/パラレルインターフェース)、15r…受信バッファ、15t…送信バッファ、17…シリアル通信線、19…クロック線、L1,L2…再送信要求線

Claims (6)

  1. データを送信する側の装置(以下、送信側装置という)と、前記データを受信する側の装置(以下、受信側装置という)とが、Stop−and−Wait Automatic Repeat Request方式でシリアル通信を行う通信システムにおいて、
    前記データの通信が、一定時間毎の通信タイミングが到来する毎に行われると共に、
    前記受信側装置にて前記送信側装置からのデータを正常に受信することができなかった場合に該受信側装置から前記送信側装置へと通知される再送信要求が、前記データの通信に用いられる通信線とは別に設けられた専用線によって通知されるようになっており、
    記受信側装置は、前記再送信要求を次の通信タイミングの前に通知し、
    しかも、前記受信側装置は、前記送信側装置からのデータを正常に受信することができなかった場合に、前記専用線の電圧レベルを、ハイレベルとローレベルとのうち、前記データを正常に受信することができなかったことを示す一方のレベルに設定することで、前記再送信要求を通知するようになっており、
    前記送信側装置は、通信タイミングが到来してから、今回の通信タイミングで送信すべき送信データを選択する前に、前記専用線の電圧レベルをチェックし、その電圧レベルに基づき、前回と同じデータを再送信すべきか否かを判断するようになっており、
    更に、前記受信側装置は、通信タイミングが到来すると、前記送信側装置が前記専用線の電圧レベルをチェックし終えた後のタイミングで、前記専用線の電圧レベルを、前記一方のレベルに一旦設定しておき、その後、前記送信側装置からのデータを正常に受信することができたならば、前記専用線の電圧レベルを、前記一方のレベルとは異なる方のレベルに設定し直すように構成されていること、
    を特徴とする通信システム。
  2. 請求項1に記載の通信システムにおいて、
    前記送信側装置は、
    今回送信するデータが、前記再送信要求に応じて再送信する前回と同じデータ(以下、再送信データという)と、該再送信データではない新たなデータとの何れであるかを示す識別情報を、前記データの一部として前記受信側装置へ送信するように構成されていること、
    を特徴とする通信システム。
  3. 請求項2に記載の通信システムにおいて、
    前記受信側装置は、
    前記送信側装置からのデータを正常に受信することができた場合に、その受信したデータに含まれている前記識別情報を参照して、前回の通信時に前記送信側装置からのデータを正常に受信することができて前記送信側装置へ再送信要求を通知していないにも拘わらず、今回受信したデータが前記再送信データであるという矛盾が生じているか否かを判定し、その矛盾が生じていると判定した場合には、今回受信したデータを無効とするように構成されていること、
    を特徴とする通信システム。
  4. 請求項に記載の通信システムにおいて、
    前記受信側装置は、
    前記矛盾が生じていると判定した連続回数を計数すると共に、その計数した回数が予め定められた判定値に達したならば、前記専用線が前記再送信要求を行う方の状態で故障していると判断して、所定のフェイルセーフ処理を実行するように構成されていること、
    を特徴とする通信システム。
  5. 請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の通信システムにおいて、
    前記受信側装置は、
    前記送信側装置からのデータを正常に受信することができた場合に、その受信したデータに含まれている前記識別情報を参照して、前回の通信時に前記送信側装置からのデータを正常に受信することができず前記送信側装置へ再送信要求を通知したにも拘わらず、今 回受信したデータが前記再送信データではないという矛盾が生じているか否かを判定すると共に、その矛盾が生じていると判定した場合に、所定のフェイルセーフ処理を実行するように構成されていること、
    を特徴とする通信システム。
  6. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の通信システムにおいて、
    前記送信側装置は、
    前回と同じデータを送信した連続回数(以下、再送信回数という)を計数し、その再送信回数が予め定められた規定値に達したならば、前記受信側装置からの再送信要求に拘わらず、前回と同じデータを送信するのを止めて、新たなデータを送信するように構成されていること、
    を特徴とする通信システム
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