JP3948108B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、機台に設けられた読取部に原稿を静止状に載置して該静止原稿を読み取る画像読取装置における、該読取部に載置する原稿を押さえるための原稿押さえカバーであって、機台に開閉可能に取り付けられた原稿押さえカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、読取部に本などの原稿を静止状に載置して該静止原稿を読み取る画像読取装置、所謂フラットベッドタイプの画像読取装置においては、該読取部に載置した原稿を読取面に押圧する原稿押さえカバーが、その一辺を支点として開閉するように設けられている。
このような原稿押さえカバーには、一般的に、原稿押さえカバーの自重に抗して作用する弾性部材等により構成された開閉手段を設けて、オペレータが開閉作業を行う際に、原稿押さえカバーの操作荷重を軽くして作業が行い易くなるように構成している。
前記の開閉手段としては、例えば、読取部の機台に取り付けた機台側支持部材と、原稿押さえカバーに固設したカバー側支持部材とを枢結し、該機台側支持部材とカバー側支持部材との間に付勢杆を介装して、該付勢杆の死点越えにより、押さえカバーが閉じている場合には閉じる方向へ付勢し、該押さえカバーが開いている場合は開く方向へ付勢する機構が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年の原稿押さえカバーには、画像読取装置へ自動的に連続して原稿給送するための自動給紙装置(ADF装置)や、原稿供給トレイ及び原稿排出トレイ等の重量物が搭載されているため、該原稿押さえカバーの重量がかなり大きくなっている。
この重量物である原稿押さえカバーを開方向へ付勢するために大きな付勢力を有した付勢杆を用いると、原稿押さえカバーが急激に全開位置まで開いてしまうという問題がある。このように、重量化した原稿押さえカバーが手軽に安定して開閉できるように前記開閉手段における付勢杆の設定を行うことは、困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、原稿押さえカバーの開閉機構における以上のような課題を解決すべく、以下のような手段を用いるものである。
機台と、原稿押さえカバーと、原稿押さえカバーを機台に取り付けて上下開閉可能に構成するヒンジ機構と、を備える画像読取装置であって、
前記ヒンジ機構には、
機台に取り付けられた支持部材と、
原稿押さえカバーに固設されるカム体と、
該カム体を支持部材に回動自在に支持するヒンジピンと、
支持部材に形成された長孔の範囲内で移動自在とされる可動ピンと、
可動ピンとヒンジピンとの間に介装されて該可動ピンがカム体を押圧するように付勢させる弾性部材と、
を備える共に、
カム体を可動ピンが押圧するカム面には、原稿押さえカバーを閉じた状態から開いた状態にする際に可動ピンが移動する方向に沿って連続して形成される第一カム面および第二カム面があって、
前記第一カム面の形状を、原稿押さえカバーの自重により原稿押さえカバーがヒンジピン回りで原稿押さえカバーの閉鎖方向に受ける下方回動モーメントよりも、弾性部材の付勢力により原稿押さえカバーがヒンジピン回りで原稿押さえカバーの開放方向に受ける上方回動モーメントの方が小さくなるようにすると共に、原稿押さえカバーの開放される方向に沿って、上方回動モーメントと下方回動モーメントとの差が徐々に小さくなる形状とし、
前記第二カム面の形状を、前記上方回動モーメントと前記下方回動モーメントとが等しくなる形状とした、ものである。
【0005】
また、前記弾性部材を、引っ張りばねにより構成する。
【0006】
また、前記第一カム面の形状は、前記原稿押さえカバーおよび前記カム体が閉じた状態において、側面視で略垂直方向に延設され、上端部が下端部より僅かに前記可動ピン側寄りになっており、可動ピンが第一カム面を押圧した状態でカム体を閉じた状態から開いていくと、可動ピンの押圧部分が僅かに前記ヒンジピン側に移動するような形状となっており、
前記第二カム面の形状は、原稿押さえカバーおよびカム体が閉じた状態で、全体的に側面視略水平方向に延設されており、可動ピン側寄りの部分が、ヒンジピン側に行くに従って下方に湾曲するような形状となっており、可動ピンが第二カム面に押圧した状態では、カム体が開くに従って、可動ピンの押圧部分がヒンジピン側に移動するような形状に設定されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面より説明する。図1は自動給紙装置を搭載する本発明の原稿押さえカバーを備えた画像記録装置の斜視図、図2は原稿押さえカバーが具備するヒンジ機構を示す平面図、図3は同じく機台に取り付けられた状態のヒンジ機構であって原稿押さえカバーを閉じた状態を示す側面図、図4は同じく静止原稿載置面上に厚手の原稿を載置した状態を示す側面図、図5は原稿押さえカバーを角度Aだけ開いた状態にあるヒンジ機構を示す側面図、図6は原稿押さえカバーを角度Bだけ開いた状態にあるヒンジ機構を示す側面図、図7は原稿押さえカバーを角度Cだけ開いた状態にあるヒンジ機構を示す側面図、図8は原稿押さえカバーの開度と上方回動モーメント及び下方回動モーメントとの関係を示す図である。
【0008】
まず、本発明の原稿押さえカバーの適用例として、静止原稿の画像読取部を上部に配置する画像記録装置について、図1により説明する。画像記録装置の機台としては、画像読取部を内蔵する読取ケース1と画像記録装置を内蔵する記録ケース2とを上下に配設している。該読取ケース1の上面には、本等の原稿を静止状に載置する透明状の静止原稿載置面4が配設されている。
【0009】
読取ケース1の上方には原稿押さえカバー3が配置され、該原稿押さえカバー3の一辺がヒンジ機構6・6を介して読取ケース1に取り付けられている。
そして、該原稿押さえカバー3は、ヒンジ機構6・6を介して取り付けられたその一辺を中心として開閉可能に構成されており、該原稿押さえカバー3にて、静止原稿載置面4上に載置された原稿を上方より押さえるものとしている。
また、原稿押さえカバー3の一側面には、原稿を静止原稿載置面4へ自動的に連続して原稿給送するための自動給紙装置(ADF装置)5が一体的に付設され、該原稿押さえカバー3の上面には図示しない原稿供給トレイ及び原稿排出トレイ等が搭載されている。
【0010】
次に、原稿押さえカバー3を機台へ取り付けるとともに、開閉可能に構成しているヒンジ機構6について説明する。図2、図3において、ヒンジ機構6は、機台(本実施例では、読取ケース1)に取り付けられる支持部材である摺動支持部材11と、原稿押さえカバー3に固設されるとともに、該摺動支持部材11に回動自在に支持されるカム体12と、該カム体12を押圧する可動ピン14と、該可動ピン14と摺動支持部材11との間に介装されるとともに、可動ピン14をカム体12方向へ付勢する弾性部材である引っ張りばね15等とにより構成されている。
【0011】
機台の読取ケース1における静止原稿載置面4の側方には、カバー支持部16が形成されており、本実施例の場合は、該カバー支持部16は、ヒンジ機構6が取り付けられている2箇所に形成されている。
該カバー支持部16には、側面視略L字上に形成した摺動支持部材11の垂直部11aを、該カバー支持部16の上方から上下摺動自在に嵌入しており、該垂直部11aには、規制ピン17を固設している。
また、カバー支持部16の一側面には長孔16aが上下方向に形成されており、該長孔16aに規制ピン17を貫通させて、摺動支持部材11がカバー支持部16内を上下摺動した際には、該規制ピン17が長孔16aの下端及び上端に係止して、摺動支持部材11の上下摺動範囲が長孔16aの範囲内となるように規制している。
【0012】
摺動支持部材11の水平部11bにおける静止原稿載置面4側とは反対側の端部には、ヒンジピン13が取り付けられ、該ヒンジピン13によりカム体12が回動自在に枢支されている。
該水平部11bにおけるヒンジピン13よりも静止原稿載置面4側には可動ピン14が配設され、該可動ピン14は水平部11bの両側面に形成された長孔11c・11cを貫通して、該長孔11cの範囲内を水平方向に移動自在に構成されている。
【0013】
また、可動ピン14と、カム体12に取り付けられたヒンジピン13との間には引っ張りばね15が介装されて、該可動ピン14がヒンジピン13の方向へ付勢されている。
そして、該可動ピン14は、引っ張りばね15の付勢力により前記カム体12のカム面12a・12a’を押圧するものとなっている。
引っ張りばね15は、水平方向に延設されているので、可動ピン14の押圧により、カム体12は、図3で見て右向き水平方向に付勢され、即ち、カム体12が上方回動して原稿押さえカバー3が開く向きに付勢されている。
なお、前記可動ピン14は、カム面12a・12a’に当接する外周部が回転可能に構成されたローラ部材としてもよい。
【0014】
カム面12a’の形状は、図3の如く原稿押さえカバー3が(即ちカム体12が)閉じた状態において、側面視で略垂直方向に延設され、上端部が下端部より僅かに静止原稿載置面4側寄りになっており、可動ピン14が押圧した状態でカム体12を閉じた状態から開いていくと、可動ピン14の押圧部分が僅かに反静止原稿載置面4側に移動するような形状となっている。
一方、カム面12aの形状は、図3の如く原稿押さえカバー3(カム体12)が閉じた状態で、全体的に側面視略水平方向に延設されており、静止原稿載置面4寄りの部分が、反静止原稿載置面4側に行くに従って下方に湾曲するような形状となっており、可動ピン14がカム面12aに押圧した状態では、カム体12が開くに従って、可動ピン14の押圧部分が反静止原稿載置面4側に移動するような形状に設定されている。
【0015】
このように構成したヒンジ機構6により原稿押さえカバー3が機台に開閉可能に取り付けられており、図3においては、静止原稿載置面4に原稿が載置されていないか、又は、極めて薄手の原稿が載置されている場合に、該原稿押さえカバー3を閉じた状態を示している。
【0016】
これに対して、図4には、本等の厚手の原稿8が静止原稿載置面4上に載置された状態を示しており、この場合には、原稿8の厚みに応じて摺動支持部材11がカバー支持部16内にて上方へ摺動する。
これにより原稿押さえカバー3に固設されたカム体12の位置が高くなって、原稿押さえカバー3を水平にすることができるので、原稿8を静止原稿載置面4へ均一、且つ、確実に押さえつけることができる。
【0017】
次に、原稿押さえカバー3の開度に伴う可動ピン14のカム体12への付勢の様態について、図3(図4)、及び、図5乃至図8により説明する。
引っ張りばね15は、図3に示す原稿押さえカバー3が閉じた状態、即ち、開度0の状態において、その一端を連結している可動ピン14がカム面12a’を押圧して、図3(図4)で見て長孔14の左端に位置しており、寸法L1の長さに伸長されている。
引っ張りばね15は長く伸長する程大きな付勢力を得ることができるが、該引っ張りばね15によりカム体12へ付与される上下方向への回動力は、引っ張りばね15の付勢力の大きさと、可動ピン14のカム面12a・12a’への当接角度により決定される該付勢力の垂直方向成分の大きさとなる。
この付勢力の垂直方向成分を上方回動モーメント32として図8に示しており、原稿押さえカバー3が開度0の状態にある場合の上方回動モーメント32の値は、モーメント32aである。
尚、図8において、上方回動モーメント32の値は、上方への回動力を正の方向としている。
【0018】
そして、図3(図4)の状態から、図5の、原稿押さえカバー3が僅かに開いた状態(開度A)までは、カム面12a’が、その形状により略垂直上方に移動するため、該カム面12a’に押圧する可動ピン14は、図3に示す状態から図5に示す状態までは僅かに反静止原稿載置面4側へ移動するのみである。開度Aの状態における引っ張りばね15は、寸法L1よりも僅かに短い寸法L2の長さに伸長されており、また、可動ピン14のカム面12a’への当接角度は開度0の場合とほぼ同じであって、この場合にカム体12へ付与される上方回動モーメント32は、前記モーメント32aより僅かに小さな値を示すモーメント32bとなる。
【0019】
一方、カム体12を一体的に取り付けた原稿押さえカバー3は、該原稿押さえカバー3自身の重量により、該カム体12へ下方回動方向(即ち、閉じる方向)のモーメントを付与している。この下方回動方向のモーメントを下方回動モーメント31として図8に示しており、原稿押さえカバー3が開度0の閉じた状態にある場合には、該原稿押さえカバー3の重心の水平方向の位置が回動支点であるヒンジピン13から最も遠く離れた位置にあるので、該モーメント31の値は最大のモーメント31aとなり、開度Aの状態では、原稿押さえカバー3の重心の水平方向の位置がヒンジピン13側へ寄るので前記モーメント31aよりも小さな値を示しているモーメント31bとなる。
即ち、下方回動モーメント31の大きさは、原稿押さえカバー3の重量と、該原稿押さえカバー3の重心のヒンジピン13からの水平方向の位置とによって決定されるが、原稿押さえカバー3の重量は一定であるので、該原稿押さえカバー3が閉じる方向に回動して、重心がヒンジピン13から水平方向において離れた位置にいく程、下方回動モーメント31の値は大きくなり、該原稿押さえカバー3が開く方向に回動して、該重心が水平方向においてヒンジピン13側へ近づく程、下方回動モーメント31の値は小さくなる。
【0020】
そして、図3(図4)の原稿押さえカバー3が閉じた状態から図5の開度Aの状態となるまでは、図8に示すように、上方回動モーメント32が下方回動モーメント31よりも若干小さくなるようにカム面12a’の形状を構成している。
これにより、カム体12には、下方回動モーメント31の値から上方回動モーメント32の値を差し引いた分だけの、僅かな大きさの下方回動方向への力がかかることになる。
即ち、下方回動モーメント31を上方回動モーメント32により相殺して、原稿押さえカバー3を開けるための操作荷重を軽減するとともに、若干の下方回動モーメント31を残すことで、手を離せば自動的に原稿押さえカバー3が緩やかに閉じ、その後閉じた状態を安定して保持するように構成しているのである。
【0021】
また、図5図示の開度Aの時には、下方回動モーメント31の大きさはモーメント31bとなり、上方回動モーメント32の大きさはモーメント32bとなるが、該モーメント31bとモーメント32bとが同じ値となるようにカム面12a(12a’)の形状を構成している。
これにより、開度Aの状態においては、原稿押さえカバー3を持つ手を離しても、カム体12において上方回動方向の力と下方回動方向の力とが釣合って、該原稿押さえカバー3が静止することとなる。
【0022】
開度Aの状態から、更に原稿押さえカバー3を開いて、可動ピン14がカム面12aを押圧するようになると、前記のカム面12aの形状により、開度を大きくするに連れて、可動ピン14が長孔11c内を反静止原稿載置面4側に移動する。このため、引っ張りばね15の伸長量も短くなる。
更に、開度が大きくなるに連れて、原稿押さえカバー3の重心は、水平方向においてヒンジピン13側に移動する。
【0023】
図6には、原稿押さえカバー3が、角度Aよりも大きい角度Bだけ開いた状態にあるヒンジ機構を示しており、引っ張りばね15は前記の寸法L2より短い寸法L3の長さに伸長された状態となっている。
この時、原稿押さえカバー3の重心は、前記の如く、水平方向において、かなりヒンジピン13側に移動しているため、カム体12にかかる下方回動モーメント31の値は前記モーメント31bよりもかなり小さいモーメント31cを示しており、下方回動方向の力が弱まっている。
【0024】
この場合に、引っ張りばね15の付勢力とカム面12aの形状とにより決定される上方回動モーメント32の大きさが、前記の原稿押さえカバー3が開度Aの状態である場合の如く大きな力のままであると、下方回動モーメント31の値は小さくなっているので、該原稿押さえカバー3は開く方に付勢された状態となって、カバーを持つ手を離せば原稿押さえカバー3が強く開いてしまい、また、原稿押さえカバー3を閉じるのに操作荷重を要することになってしまう。
【0025】
しかし、本実施例のヒンジ機構6では、前記の如く、図6のように、引っ張りばね15の伸長量が寸法L2よりも短い寸法L3となって、カム体12にかかる水平方向のヒンジピン13側への付勢力が小さくなるとともに、カム面12aが、引っ張りばね15の付勢力の大きさに対する上方成分の大きさが開度Aの場合よりも小さくなる角度で可動ピン14に当接しているため、上方回動モーメント32の値は弱まって、開度Bの状態においてはモーメント32cの値を示している。
そして、この開度Bの状態においても、下方回動モーメント31のモーメント31cと上方回動モーメント32のモーメント32cとが同じ値となるようにカム面12aの形状を構成しているので、上方回動方向の力と下方回動方向の力とが釣合い、原稿押さえカバー3の操作荷重が軽くなって、手を離してもその位置で静止できるようになっている。
【0026】
さらに、図7には、原稿押さえカバー3が、角度Bよりも大きい角度Cだけ開いて該原稿押さえカバー3が全開している状態にあるヒンジ機構を示しており、引っ張りばね15は前記の寸法L3よりさらに短い寸法L4の長さに伸長された状態となっている。
この時、原稿押さえカバー3の重心は、開度Bの状態よりも、水平方向において、さらにヒンジピン13側へ移動しているので、カム体12にかかる下方回動モーメント31の値はモーメント31cよりも小さなモーメント31dとなっている。
また、ヒンジ機構6においては、前記の如く、引っ張りばね15の伸長量が、寸法L3よりも短い寸法L4となって、カム体12にかかる水平方向のヒンジピン13側への付勢力が小さくなるとともに、カム面12aが、引っ張りばね15の付勢力の大きさに対する上方成分の大きさが開度Bの場合よりもさらに小さくなる角度で可動ピン14に当接しているため、上方回動モーメント32の値は弱まって、開度Cの状態においてはモーメント32dの値を示している。
【0027】
そして、この開度Cの状態においても、下方回動モーメント31のモーメント31dと上方回動モーメント32のモーメント32dとが同じ値となるようにカム面12aの形状を構成しているので、上方回動方向の力と下方回動方向の力とが釣合い、原稿押さえカバー3の操作荷重が軽くなって、手を離してもその位置で静止できることとなっている。
【0028】
前述の如く、開度A、開度B、及び、開度Cにおいては下方回動モーメント31と上方回動モーメント32とが同じ値となるように構成して、下方回動方向の力と上方排動方向の力とが釣り合うように構成しているが、図8に示すように、開度Aから開度Cの範囲内では、常に下方回動モーメント31と上方回動モーメント32とが同じ値となるように、前記カム面12aの形状を構成しているのである。
【0029】
このように、原稿押さえカバー3の開度が僅かな開度Aよりも小さい場合には、カム体12にかかる下方回動方向の力が上方回動方向の力よりも若干大きくなるようにカム面12a’を形成して、該原稿押さえカバー3が自動的に緩やかに閉じるように構成するとともに、原稿押さえカバー3の開度が前記開度Aから全開状態である角度Cまでの範囲では、ヒンジ機構6のカム体12にかかる上方回動方向の力と下方回動方向の力とが釣り合うようにカム面12aを形成して、原稿押さえカバー3が静止するように構成している。
【0030】
これにより、オペレータが原稿押さえカバー3の開閉作業を行う際には、原稿押さえカバー3の操作力を低減して、重さを感じることなく手軽に、例えば、片手でもスムーズに開閉することができるとともに、原稿押さえカバー3を適宜角度にて開いた状態で静止させることができるので、原稿読取作業等の作業性を向上させることができる。
さらに、該原稿押さえカバー3を閉じた場合には、閉じた状態を安定して保持することができる。
【0031】
また、本原稿押さえカバー3では、前記実施例のヒンジ機構6におけるカム面12a・12a’の形状以外にも該カム面12a・12a’を形成することができ、該カム面12a・12a’の形状を変更するだけで、全ての開度で該原稿押さえカバー3にかかる上方回動方向の力を変化させることができる。
即ち、カム面12a・12a’の形状を変更することにより引っ張りばね15の伸長度合いを変化させ、任意の開度において、原稿押さえカバー3の重量による下方回動方向の力に抗する上方回動方向の力である、引っ張りばね15の付勢力の大きさを設定することができるのである。
【0032】
これにより、原稿押さえカバー3の重量がどのような大きさであっても、その重量に応じた形状にカム面12a・12a’を形成することで、任意の開度で原稿押さえカバー3を静止させることができ、オペレータの開閉作業を手軽でスムーズなものとすることができる。
さらに、カム面12a・12a’を様々な形状に変更することで、原稿押さえカバー3を少しの角度だけ開くと、あとは任意の位置まで自動的に開くように構成したり、逆に、原稿押さえカバー3をある角度まで閉じると、全閉位置まで自動的に閉じるように構成したり、開く動作、閉じる動作、及び、静止動作を任意の開度で行うことができるように構成したりすることができる。
このように、カム面12a・12a’の形状を変更するだけの簡単な構成の変更で、任意の開度における原稿押さえカバー3の動作状態を自由に設定することができるので、原稿押さえカバー3の重量やオペレータの作業形態等に幅広く対応して、開閉作業を手軽でスムーズなものとすることができるのである。
【0033】
また、原稿押さえカバー3の重量による下方回動方向の力に抗する手段を引っ張りばねにより構成することで、ヒンジ機構6を簡易な構成とすることができ、コストダウンを図ることができるとともに、故障の発生度合いを減少させることができる。
【0034】
また、ヒンジ機構6は上下摺動自在に機台へ取り付けられているので、本等の厚手の原稿が静止原稿載置面4上に載置された場合でも、該原稿を静止原稿載置面4へ均一、且つ、確実に押さえつけることができ、原稿内容の読み取りを正確に行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、次のような効果を奏する。例えば、原稿押さえカバーを適宜角度にて開いた状態で静止させて、オペレータが原稿押さえカバーの開閉作業を行う際に該原稿押さえカバーの重さを感じることなく手軽に、片手でもスムーズに開閉できるように構成して原稿読取作業等の作業性を向上させたり、原稿押さえカバーを閉じた場合には、該原稿押さえカバーに下方回動方向の力を付与して、閉じた状態を安定して保持したりすることができた。
また、原稿押さえカバーの重量がどのような大きさであっても、その重量に応じた形状にカム体を形成することで、任意の開度で原稿押さえカバーを静止させることができ、オペレータの開閉作業を手軽でスムーズなものとすることができた。
さらに、カム体を様々な形状に変化させるといった簡単な構成の変更で、任意の開度における原稿押さえカバーの動作状態を自由に設定することができ、原稿押さえカバーの重量やオペレータの作業形態等に幅広く対応して、開閉作業を手軽でスムーズなものとすることができることとなった。
【0036】
更に、請求項2の如く、前記弾性部材を引っ張りばねにより構成したので、ヒンジ機構を簡易な構成とすることができ、コストダウンを図ることができるとともに、故障の発生度合いを減少させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動給紙装置を搭載する本発明の原稿押さえカバーを備えた画像記録装置の斜視図である。
【図2】原稿押さえカバーが具備するヒンジ機構を示す平面図である。
【図3】同じく機台に取り付けられた状態のヒンジ機構であって原稿押さえカバーを閉じた状態を示す側面図である。
【図4】同じく静止原稿載置面上に厚手の原稿を載置した状態を示す側面図である。
【図5】原稿押さえカバーを角度Aだけ開いた状態にあるヒンジ機構を示す側面図である。
【図6】原稿押さえカバーを角度Bだけ開いた状態にあるヒンジ機構を示す側面図である。
【図7】原稿押さえカバーを角度Cだけ開いた状態にあるヒンジ機構を示す側面図である。
【図8】原稿押さえカバーの開度と上方回動モーメント及び下方回動モーメントとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 (機台を構成する)読取ケース
3 原稿押さえカバー
4 静止原稿載置面
6 ヒンジ機構
11 摺動支持部材(支持部材)
12 カム体
12a カム面
13 ヒンジピン
14 可動ピン
15 引っ張りばね(弾性部材)
16 カバー支持部
Claims (3)
- 機台と、原稿押さえカバーと、原稿押さえカバーを機台に取り付けて上下開閉可能に構成するヒンジ機構と、を備える画像読取装置であって、
前記ヒンジ機構には、
機台に取り付けられた支持部材と、
原稿押さえカバーに固設されるカム体と、
該カム体を支持部材に回動自在に支持するヒンジピンと、
支持部材に形成された長孔の範囲内で移動自在とされる可動ピンと、
可動ピンとヒンジピンとの間に介装されて該可動ピンがカム体を押圧するように付勢させる弾性部材と、
を備える共に、
カム体を可動ピンが押圧するカム面には、原稿押さえカバーを閉じた状態から開いた状態にする際に可動ピンが移動する方向に沿って連続して形成される第一カム面および第二カム面があって、
前記第一カム面の形状を、原稿押さえカバーの自重により原稿押さえカバーがヒンジピン回りで原稿押さえカバーの閉鎖方向に受ける下方回動モーメントよりも、弾性部材の付勢力により原稿押さえカバーがヒンジピン回りで原稿押さえカバーの開放方向に受ける上方回動モーメントの方が小さくなるようにすると共に、原稿押さえカバーの開放される方向に沿って、上方回動モーメントと下方回動モーメントとの差が徐々に小さくなる形状とし、
前記第二カム面の形状を、前記上方回動モーメントと前記下方回動モーメントとが等しくなる形状とした、
ことを特徴とする画像読取装置。 - 前記弾性部材が、引っ張りばねにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記第一カム面の形状は、前記原稿押さえカバーおよび前記カム体が閉じた状態において、側面視で略垂直方向に延設され、上端部が下端部より僅かに前記可動ピン側寄りになっており、可動ピンが第一カム面を押圧した状態でカム体を閉じた状態から開いていくと、可動ピンの押圧部分が僅かに前記ヒンジピン側に移動するような形状となっており、
前記第二カム面の形状は、原稿押さえカバーおよびカム体が閉じた状態で、全体的に側面視略水平方向に延設されており、可動ピン側寄りの部分が、ヒンジピン側に行くに従って下方に湾曲するような形状となっており、可動ピンが第二カム面に押圧した状態では、カム体が開くに従って、可動ピンの押圧部分がヒンジピン側に移動するような形状に設定されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09728098A JP3948108B2 (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP09728098A JP3948108B2 (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 画像読取装置 |
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JPH11294000A JPH11294000A (ja) | 1999-10-26 |
JP3948108B2 true JP3948108B2 (ja) | 2007-07-25 |
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Family Applications (1)
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JP2007186884A (ja) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Shimonishi Giken Kogyo Kk | ヒンジ |
-
1998
- 1998-04-09 JP JP09728098A patent/JP3948108B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH11294000A (ja) | 1999-10-26 |
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