JP3947887B2 - 石炭の発電設備用燃料への転換方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭・水ミクスチャー(以下、CWMという。)を亜臨界状態又は超臨界状態の水中で分解し、この分解により生じた分解生成物から可燃ガス及び石炭・油ミクスチャー(以下、COMという。)を生成する、石炭の発電設備用燃料への転換方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
微粉化した石炭に水を加えてスラリー状のCWMを調製し、これを重油代替燃料として使用するCWM化技術が開発され、実用化されている。しかしこのCWM化技術は燃料の流動化の目的で水を加えるため、良質の石炭を原料とした場合でも、発熱量の上限値が4500kcal/kg程度しかなく、通常の重油より発熱量が低下することはもちろん、原料の石炭と比較してもかなり発熱量が低下してしまう問題点がある。
【0003】
また発電装置として、石炭、重質油などの化石燃料の燃焼エネルギをボイラで蒸気に変えて、この蒸気エネルギで蒸気タービンを駆動して発電する火力発電装置が周知である。この発電装置では化石燃料に含まれる硫黄分等が不純物として多く発生する。このためこの不純物が有害物質となって環境汚染を生じないように火力発電装置では複雑な浄化装置を必要とする。また高い発電効率が得られない問題点がある。
この発電効率を向上するために、図4に示すように、ガス化反応炉1と脱硫装置2と複合発電設備3を備えた石炭ガス化複合発電装置5が知られている。この発電装置5では、2段流動床型のガス化反応炉1の上段炉に粉砕及び乾燥した石炭を供給し、この石炭を下段炉からの熱ガスと上段に入るガス化剤である空気によってガス化する。ここでの生成ガスは炉頂から粗成ガスとして取出された後、熱回収ボイラ1cに送られて熱が回収される。熱回収ボイラ1cを通過した粗成ガスはサイクロン1aに送られる。ガス化しなかった未反応のチャーの粗粒は逆L字状の溢流(図示せず)により、また粗成ガス中の細粒はサイクロン1aで捕集され、これらはガス化反応炉1の下段炉に回収されて再び空気と水蒸気によって燃焼されガス化される。灰分は炉底より取出されタンク1bに貯蔵される。サイクロン1aから取出された粗成ガスは脱硫装置2に送られ、ここで硫黄化合物を酸化鉄と化合させて硫化鉄の形態で硫黄が除去され、その際に発生するSO2ガスは単体硫黄に還元されて回収される。脱硫装置2から取出された粗成ガスは集塵器2aで除塵され、ダスト分離器2bでダストを除去されて可燃ガスとなる。
【0004】
複合発電設備3はガスタービン6a、蒸気タービン6b、廃熱回収ボイラ9、復水器7、第1発電機8a及び第2発電機8bを備える。ダスト分離器2bから取出された可燃ガスはガスタービン6aを駆動し、ガスタービン6aと回転軸が直結している第1発電機8aにより発電する。次にガスタービン6aからの排ガスは排熱回収ボイラ9でその熱エネルギを蒸気エネルギとして回収される。この蒸気エネルギは蒸気タービン6bを駆動し、蒸気タービン6bと回転軸が直結している第2発電機8bにより発電する。蒸気タービン6bから取出された蒸気は復水器7で冷却されて水を生じ、この水の一部は廃熱回収ボイラ9に給水される。復水器7から取出された水の残部は熱回収ボイラ1cに送られ、粗成ガスの熱で蒸気を発生する。この蒸気は蒸気タービン6bに送られて蒸気タービン6bを駆動する蒸気エネルギの一部として利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記石炭ガス化複合発電装置におけるガス化反応炉では石炭の分解が必ずしも十分でなく、かなり多量のチャー(char:以下、残渣という)が発生し、この残渣を無駄にしないために二段でガス化するか、或いは残渣の燃焼などを行っており、設備が大型化しかつ制御が複雑になる。また石炭のガス化が石炭の熱分解により行われるため、反応温度は1000℃程度から1200℃以上の温度が要求される。これによりこのガス化反応炉は高温に耐え得るための多くの厳しい条件で制約されるとともに熱エネルギロスも大きくなる。
【0006】
本発明の目的は、6000〜9000kcal/kg程度の発熱量を有し、重油代替燃料として取扱いが容易で粉塵公害を生じない発電設備用燃料を石炭から転換する方法及びその装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、従来より小型のガス化反応炉と組合せて、石炭を効率良く、簡単にガス化し得る石炭の発電設備用燃料への転換方法及びその装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、石炭に含まれる硫黄分を容易に無害な無機塩にして除去することにより環境汚染を生じさせない石炭の発電設備用燃料への転換方法及びその装置を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、発電装置の発電効率を高めることができる石炭の発電設備用燃料への転換方法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、微粉化した石炭と水を混合したCWMを水の亜臨界状態又は超臨界状態の温度及び圧力に維持して石炭を分解する分解反応工程と、この分解反応工程で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離工程と、この分離工程で分離された油分及び残渣を混合してCOMを生成する工程と、上記分離工程で分離された炭化水素系ガスと上記COMをガス化反応炉に供給してCO及びH2を主成分とする可燃ガスにガス化する工程とを含む石炭の発電設備用燃料への転換方法である。
請求項3に係る発明は、微粉化した石炭と水を混合したCWMを水の亜臨界状態又は超臨界状態の温度及び圧力に維持して石炭を分解する分解反応工程と、この分解反応工程で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離工程と、この分離工程で分離された油分及び残渣を混合してCOMを生成する工程と、上記分離工程で分離された炭化水素系ガスと上記COMをボイラに供給して燃焼する燃焼工程とを含む石炭の発電設備用燃料への転換方法である。
請求項5に係る発明は、微粉化した石炭と水を混合したCWMを水の亜臨界状態又は超臨界状態の温度及び圧力に維持して石炭を分解する分解反応工程と、この分解反応工程で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離工程と、この分離工程で分離された油分と炭化水素系ガスをガス化反応炉に供給してCO及びH2を主成分とする可燃ガスにガス化する工程と、上記分離工程で分離された残渣をボイラに供給して燃焼する燃焼工程とを含む石炭の発電設備用燃料への転換方法である。
請求項2、4又は6に係る発明は、それぞれ請求項1、3又は5に係る発明であって、CWMにアルカリ水溶液を加える転換方法である。
【0008】
請求項7に係る発明は、図1に示すように、微粉化した石炭と水を混合したCWMを貯えるタンク11と、このCWMを水の亜臨界状態又は超臨界状態に維持して石炭を分解する分解反応装置14と、分解反応装置14で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離装置16と、分離装置16で分離された油分及び残渣を混合してCOMを生成する混合機31と、分離装置16で分離された炭化水素系ガスとCOMをCO及びH2を主成分とする可燃ガスにガス化するガス化反応炉20とを備えた石炭の発電設備用燃料への転換装置である。
請求項8に係る発明は、図2に示すように、微粉化した石炭と水を混合したCWMを貯えるタンク11と、このCWMを水の亜臨界状態又は超臨界状態に維持して石炭を分解する分解反応装置14と、分解反応装置14で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離装置16と、分離装置16で分離された油分及び残渣を混合してCOMを生成する混合機31と、このCOMと分離装置16で分離された炭化水素系ガスとを燃焼するボイラ23とを備えた石炭の発電設備用燃料への転換装置である。
請求項9に係る発明は、図3に示すように、微粉化した石炭と水を混合したCWMを貯えるタンク11と、このCWMを水の亜臨界状態又は超臨界状態に維持して石炭を分解する分解反応装置14と、分解反応装置14で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離装置16と、分離装置16で分離された油分と炭化水素系ガスをCO及びH2を主成分とする可燃ガスにガス化するガス化反応炉20と、分離装置16で分離された残渣を燃焼するボイラ23とを備えた石炭の発電設備用燃料への転換装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、水の亜臨界状態とは200〜374℃の温度でかつ160〜215kg/cm2の圧力にある水の状態を意味する。また水の超臨界状態とは374〜900℃の温度でかつ215〜300kg/cm2の圧力にある水の状態を意味する。亜臨界状態における温度及び圧力の下限値未満では、反応が遅く、石炭の分解効率が良くない。また超臨界状態における温度及び圧力の上限値を超えると分解反応装置に負荷がかかり過ぎ、これも効率的でない。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の石炭の発電設備用燃料への転換装置では、タンク11に微粉化した石炭と水を混合したスラリー状のCWMが貯えられる。石炭としては、草炭、褐炭、亜歴青炭、歴青炭、無煙炭等が例示される。石炭が硫黄分を含む場合、この硫黄分を取除くためにタンク11にはアルカリ水溶液が貯えられる。このアルカリ水溶液としては、NaOH、KOH、Ca(OH)2等の水溶液が例示される。石炭は予め数mm以下の、好ましくはポンプの能力に応じて300μm以下の粒径に微粉砕される。CWMにおける水はCWM濃度が好ましくは5〜60重量%になるように添加される。CWM濃度が5重量%未満では石炭の分解効率に劣り、60重量%を越えるとCWMが流動性に欠け取扱いにくくなる。CWM濃度は10〜55重量%がより好ましい。
このタンク11に貯えられたCWMはポンプ12により圧送され、ヒータ13によりこの圧送されたCWMは150〜350℃程度に加熱される。ヒータ13で加熱されたCWMは分解反応装置14に供給され、そこで更に昇圧・昇温され、亜臨界状態又は超臨界状態になる。好ましくは374〜900℃の温度でかつ215〜500kg/cm2の圧力、より好ましくは374〜600℃の温度でかつ215〜450kg/cm2の圧力の超臨界状態が採用される。
【0010】
分解反応装置14において亜臨界状態又は超臨界状態のCWMに対して、▲1▼石炭の加水分解反応、▲2▼石炭の熱分解反応及び▲3▼水素添加反応が起ると考えられる。即ち、高温水中では、石炭中の水素結合等の非共有性の結合が解離し、石炭が膨張する。これにより石炭の分解液化反応がより有効に進行する。
▲1▼石炭の加水分解反応では、石炭のベンゼン環をつないでいるヘテロ元素部分にH2OのOH-及びH+等が付加され、石炭が低分子化される。▲2▼石炭の熱分解反応では、石炭が単純に熱分解し低分子化する。更に▲3▼水素添加反応では、例えば上記▲2▼の反応中に生成したラジカルにHが付加し、これにより熱分解種が安定化する。また熱分解しない安定な分子と活性な水素との反応も生じる。上記▲1▼〜▲3▼の反応は個別的に行われず、互いに併発して複合的に行われ、石炭の軽質化が進行する。このようにして石炭はこの亜臨界状態又は超臨界状態により油分と残渣に分解される。超臨界状態の水は、水素イオンと水酸基イオンへの解離が通常の水よりも大きくまた高温であるので石炭の加水分解反応を促進する。更に超臨界状態の水は誘電率が小さいために、石炭そのものに対してある程度溶解力を持ち、またガスとも均一に混合し得る。これらのことも軽質化の促進に寄与する。CWMの分解物は重質油、中・軽質油等からなる油分と無機塩を含む残渣である。
【0011】
石炭が硫黄分を含む場合でCWMがアルカリ水溶液を含むときには、この硫黄分は分解反応装置14で硫黄酸化物(SOx)を経て超臨界状態の水に容易に溶解するともに、次の式(1)及び(2)の反応で無害の無機塩になる。
即ち、タンク11のCWMが例えばNaOH水溶液を含む場合には、このアルカリ(NaOH)水溶液により硫黄酸化物(SO3)は無害な硫酸塩(Na2SO4)になる。
【0012】
分解反応装置14で分解された生成物は水の亜臨界状態又は超臨界状態の温度及び圧力を低くすることにより、油分及び炭化水素系ガスと残渣及び水に分離される。油分及び残渣は高温度の状態で分離した方が次の工程で加える熱エネルギが少なくて済むことから、分解生成物は主として減圧弁15でその圧力を減じた上で、分離装置16において水の亜臨界状態又は超臨界状態の高温を維持して分離されることが好ましい。この炭化水素系ガスは高温高圧の水素、メタン、エタン、ベンゼン等を主成分として含有する。その他に炭酸ガス(CO2)も分離装置16から分離されて大気中に放出される。また分離された水は分解反応装置14に供給され、リサイクルされる。
【0013】
分離装置16で分離された油分と残渣は混合機31に送られて混合されることによりCOMを生成する。このCOMはガス化反応炉20内にノズル(図示せず)などで噴射されることにより供給される。また分離装置16で分離された炭化水素系ガスもガス化反応炉20に供給される。ガス化反応炉20に供給されたCOM及び炭化水素系ガスはガス化剤としてガス化反応炉20に供給される空気と反応して高温高圧のCO及びH2を主成分とする可燃ガスになる。ガス化反応炉20の残渣である灰分はガス化反応炉20から取出され、処分される。ガス化反応炉20で生成した可燃ガスはガスタービン21に送られ、図示しない燃焼器で燃焼され、その燃焼エネルギによりガスタービン21を駆動する。ガスタービン21の回転エネルギにより第1発電機22が発電するようになる。これにより高い発電効率で発電が行われる。
【0014】
図2に示すように、本発明の第2の実施の形態の転換装置では、第1実施形態の場合と同様に、分解反応装置14で分解された生成物は分離装置16で油分及び炭化水素系ガスと残渣及び水に分離される。分離装置16で分離された油分と残渣は混合機31に送られて混合されることによりCOMを生成する。このCOMはボイラ23内にノズル(図示せず)などで噴射されることにより供給される。また分離装置16で分離された炭化水素系ガスもボイラ23に供給される。ボイラ23で上記COM及び炭化水素系ガスが燃焼され、その燃焼エネルギでボイラ23に別途に供給される水を加熱することにより蒸気エネルギを発生する。この蒸気エネルギは第1蒸気タービン24を駆動し、第1蒸気タービン24と回転軸が直結している第2発電機26により発電する。第1蒸気タービン24を通過した蒸気は復水器27で冷却されて再びボイラ23に給水される。
【0015】
図3に示すように、本発明の第3の実施の形態の転換装置では、第1実施形態の場合と同様に、分解反応装置14で分解された生成物は分離装置16で油分及び炭化水素系ガスと残渣及び水に分離される。分離装置16で分離された油分と炭化水素系ガスをガス化反応炉20に供給する。ガス化反応炉20に供給された油分及び炭化水素系ガスはガス化剤としてガス化反応炉20に供給される空気と反応して高温高圧のCO及びH2を主成分とする可燃ガスになる。ガス化反応炉20の残渣である灰分はガス化反応炉20から取出され、処分される。ガス化反応炉20で生成した可燃ガスはガスタービン21に送られ、図示しない燃焼器で燃焼され、その燃焼エネルギによりガスタービン21を駆動する。ガスタービン21の回転エネルギにより第1発電機22が発電するようになる。
分離装置16で分離された残渣はボイラ23に供給される。この残渣はボイラ23で燃焼され、その燃焼エネルギでボイラ23に別途に供給される水を加熱することにより蒸気エネルギを発生する。またガスタービン21の排ガスがボイラ23に供給され、この排ガスの熱エネルギでボイラ23に供給される上記水が更に加熱されて蒸気エネルギを発生する。これらの蒸気エネルギは第1蒸気タービン24を駆動し、第1蒸気タービン24と回転軸が直結している第2発電機26により発電する。第1蒸気タービン24を通過した蒸気は復水器27で冷却されて再びボイラ23に給水される。これにより第1発電機22とともに第2発電機26が運転され、有効に熱エネルギが発電に利用されるとともに、高効率で発電が行われる。
【0016】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明はCWMを亜臨界状態又は超臨界状態で分解、分離して可燃ガス及びCOMを生成させ、この可燃ガス及びCOMの燃焼エネルギを利用することにより、次の優れた効果を有する。
(1) 従来のガス化反応炉と比較して本発明の分離装置で分離された油分は反応性が良好であり、ガス化反応炉において単独又は残渣と混合されたCOMの形態で比較的低い温度でかつ高速でガス化でき、二段のガス化が不要となるため、反応炉を小型化できるとともに反応炉を構成する材料における制約が少ない。
(2) 分離装置で分離された油分と残渣を混合したCOMはガス化反応炉に供給されて可燃ガスを生成するため、従来のガス化装置で必要としたスチームの供給は低減される。
【0017】
(3) 亜臨界又は超臨界反応で生成して分離装置から分離された油分は8000kcal/kg程度の高い熱量を有しているため、石炭の分解ガスのみを使用する従来のガス化反応炉と比較して著しくガスタービン効率を向上させることができ、燃焼排気温度も高くできる。この結果、排熱ボイラや蒸気タービン効率も向上し、複合発電全体の効率を向上できる。
(4) また亜臨界又は超臨界反応で生成して分離装置から分離された炭化水素系ガスは3000〜8000kcal/Nm程度の高い熱量を有しており、ボイラで燃焼させて蒸気発生に利用できる。
(5) 原料とともにアルカリ水溶液を添加すれば、石炭に含まれる硫黄分を無機塩の形で除去することができる。このため従来の複合発電装置に使用されている大形の脱硫装置を必要とせず、また比較的硫黄分の多い低品位炭、重質油等を原料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の石炭の発電設備用燃料への転換装置と発電装置の構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の石炭の発電設備用燃料への転換装置と発電装置の構成図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の石炭の発電設備用燃料への転換装置と発電装置の構成図。
【図4】従来の石炭ガス化複合発電装置の構成図。
【符号の説明】
11 タンク
13 ヒータ
14 分解反応装置
15 減圧弁
16 分離装置
20 ガス化反応炉
23 ボイラ
31 混合機
Claims (9)
- 微粉化した石炭と水を混合した石炭・水ミクスチャーを水の亜臨界状態又は超臨界状態の温度及び圧力に維持して前記石炭を分解する分解反応工程と、
前記分解反応工程で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離工程と、
前記分離工程で分離された油分及び残渣を混合して石炭・油ミクスチャーを生成する工程と、
前記分離工程で分離された炭化水素系ガスと前記石炭・油ミクスチャーをガス化反応炉に供給してCO及びH2を主成分とする可燃ガスにガス化する工程と
を含む石炭の発電設備用燃料への転換方法。 - 石炭・水ミクスチャーにアルカリ水溶液を加える請求項1記載の転換方法。
- 微粉化した石炭と水を混合した石炭・水ミクスチャーを水の亜臨界状態又は超臨界状態の温度及び圧力に維持して前記石炭を分解する分解反応工程と、
前記分解反応工程で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離工程と、
前記分離工程で分離された油分及び残渣を混合して石炭・油ミクスチャーを生成する工程と、
前記分離工程で分離された炭化水素系ガスと前記石炭・油ミクスチャーをボイラに供給して燃焼する燃焼工程と
を含む石炭の発電設備用燃料への転換方法。 - 石炭・水ミクスチャーにアルカリ水溶液を加える請求項3記載の転換方法。
- 微粉化した石炭と水を混合した石炭・水ミクスチャーを水の亜臨界状態又は超臨界状態の温度及び圧力に維持して前記石炭を分解する分解反応工程と、
前記分解反応工程で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離工程と、
前記分離工程で分離された油分と炭化水素系ガスをガス化反応炉に供給してCO及びH2を主成分とする可燃ガスにガス化する工程と、
前記分離工程で分離された残渣をボイラに供給して燃焼する燃焼工程と
を含む石炭の発電設備用燃料への転換方法。 - 石炭・水ミクスチャーにアルカリ水溶液を加える請求項5記載の転換方法。
- 微粉化した石炭と水を混合した石炭・水ミクスチャーを貯えるタンク(11)と、
前記石炭・水ミクスチャーを水の亜臨界状態又は超臨界状態に維持して前記石炭を分解する分解反応装置(14)と、
前記分解反応装置(14)で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離装置(16)と、
前記分離装置(16)で分離された油分及び残渣を混合して石炭・油ミクスチャーを生成する混合機(31)と、
前記分離装置(16)で分離された炭化水素系ガスと前記石炭・油ミクスチャーをCO及びH2を主成分とする可燃ガスにガス化するガス化反応炉(20)と
を備えた石炭の発電設備用燃料への転換装置。 - 微粉化した石炭と水を混合した石炭・水ミクスチャーを貯えるタンク(11)と、
前記石炭・水ミクスチャーを水の亜臨界状態又は超臨界状態に維持して前記石炭を分解する分解反応装置(14)と、
前記分解反応装置(14)で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離装置(16)と、
前記分離装置(16)で分離された油分及び残渣を混合して石炭・油ミクスチャーを生成する混合機(31)と、
前記石炭・油ミクスチャーと前記分離装置(16)で分離された炭化水素系ガスとを燃焼するボイラ(23)と
を備えた石炭の発電設備用燃料への転換装置。 - 微粉化した石炭と水を混合した石炭・水ミクスチャーを貯えるタンク(11)と、
前記石炭・水ミクスチャーを水の亜臨界状態又は超臨界状態に維持して前記石炭を分解する分解反応装置(14)と、
前記分解反応装置(14)で得られた分解生成物を水の亜臨界状態又はそれ以下の温度及び圧力に維持して油分と、炭化水素系ガスと、残渣及び水に分離する分離装置(16)と、
前記分離装置(16)で分離された油分と炭化水素系ガスをCO及びH2を主成分とする可燃ガスにガス化するガス化反応炉(20)と、
前記分離工程で分離された残渣を燃焼するボイラ(23)と
を備えた石炭の発電設備用燃料への転換装置。
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