JP3676041B2 - コンバインド・サイクル発電方法及びその発電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭を部分分解処理して留出分と残分に分離し、燃料として貯蔵して、他の貯蔵燃料と共に、留出分を発電のガスタービン用に、又は残分をボイラ・スチームタービンシステムの蒸気を発生するボイラに使用することによる、コンバインド・サイクル発電の、特に排気再燃コンバインド・サイクル発電の負荷変動に対処する発電方法及び発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼によるエネルギーをタービン等の原動機を通じて電気エネルギーに変換する方法には、スチームタービンによる発電方法、ガスタービンによる発電方法及びこれらを組み合わせたコンバインド・サイクル発電方法がある。
スチームタービンは、燃料に重油、原油又は石炭等を使用し、ボイラで発生した高温、高圧のスチームによりタービンを駆動して発電するが、熱効率が38〜39%/HHV基準(HHV:高位発熱量、以下特に断らない限り発電の熱効率はHHV基準で示す)と比較的低い。
又、ガスタービンは、燃料に液化天然ガス(LNG)、軽油等を使用して、燃料を圧縮空気で、さらには、圧縮空気を燃焼熱で加熱して燃焼させ、発生した高温、高圧のガスによりタービンを駆動して発電する。発電効率は15〜20%であるが、ガスタービンの排ガスは、例えば、450〜650℃と高温であるのでこの熱を利用することができる。
【0003】
これらを組み合わせたコンバインド・サイクル発電では、燃料にLNGを使用し、圧縮空気で燃料を燃焼させ、その高温高圧ガスでガスタービンを回転させて発電させ、さらにその排ガスを排熱回収ボイラに供給してスチームを発生させ、スチームタービンにより発電する方法が実施されており、熱効率が46〜47%と高いことが特徴である。従って発電装置の老朽化により設備を新設する際には、燃料使用量の増加によらないで今後の電力需要増に対処するため、熱効率の高いコンバインド・サイクル発電への転換が進められている。
しかしながら、前記LNGによるコンバインド・サイクル発電では、燃料のLNGは貯蔵にコストがかかり、供給に問題を生じるおそれがある。
【0004】
欧米では、LNGや軽油以外に、原油や残渣油をガスタービンの燃料に使用している実績があるが、それらに含まれる不純物のためトラブルが多く発生し、軽油やLNGを使用する場合に比べ保守費用がかさむという問題点が指摘されている。金属製ガスタービンに使用する燃料の不純物含有量として、ナトリウム分とカリウム分を0.5ppm以下、バナジウム分を0.5ppm以下にすることが望ましい。特にナトリウム、カリウムの塩分とバナジウム分は相互に影響して金属製ガスタービンのブレード金属の溶融点を低下させたり、灰分のブレードへの付着の原因となる。
なお、金属製ガスタービンとはタービンノズル、ロータ、ブレード、熱交換器、高温ガス流路等の高温に接触する部分が金属材料で構成されているものであり、セラミック製ガスタービンとは上記高温に接触する部分の一部又は全部がセラミック材料で構成されているものである。
【0005】
火力発電は、石油やLNGの他に、天然に多量に埋蔵されている石炭を燃料として使用することができる。しかしながら、石炭をコンバインド・サイクル発電に利用するには、石炭を一度ガスに変換する必要があり、ガスへの変換効率が問題である。このため、ガス化炉に噴流床方式を使用し、送電端効率約43〜47%の石炭ガス化複合発電(IGCC)が検討されている。この方法では、石炭を全量ガス化するものであり、そのために原料となる石炭の乾燥、微粉砕等に過大の設備を必要としたり、特別な形式のガス化炉を必要としたり、操作条件が過酷であったり、洗浄脱塵等のガス生成に設備が大きくなったり、溶融灰の処理が必要であったり、蒸気タービンに使用する燃料までガス化する等の問題点があった。
石炭を部分分解処理して、留出分並びに残分に分離し、該留出分をガスタービンに供給して燃焼させ、燃焼により発生した駆動用燃焼ガスによりガスタービンを駆動して発電し、残分をボイラ・スチームタービンシステムのボイラに供給して燃焼させ、発生したスチームによりスチームタービンを駆動して発電する発電装置では、それぞれの燃料(留出分又は残分)をガスタービン又はボイラに供給する構成であるが、電力需要の変動に伴う発電負荷の変動に対して柔軟に対応することが困難であった。
すなわち従来は、発電負荷の変動があると、ガスタービン燃料としての留出分の生成量と、ボイラ用燃料としての残分の生成量との比率を所望の値に変動させて、発電負荷の変動に応じるという運転操作が必要であった。特に、発電負荷が昼夜で大きく異なるような場合には、部分分解処理条件を変動させて、留出分の生成量と、ボイラ用燃料としての残分の生成量との比率を、発電負荷の大きな変動に合わせて変更することは、部分分解処理装置を、一日の平均値よりも大きな製造能力のものにする必要があったり、操作面でも熱損失が大きくなる等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、化石燃料として豊富に存在し、石油等に比べて価格の安い石炭を利用して、上記のような部分分解処理装置の製造能力や熱損失の面からの影響を受けることを少なくして発電用燃料を製造し、得られた燃料を有効に使用して高効率の発電を行うことであり、燃料のエネルギーを有効に利用することであり、更には、環境への悪影響が少なく、設備費の安い方法を提供すると同時に、発電負荷の変動に対処できると共に、部分分解処理装置の操業の変動が少なくなるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、石炭を利用した発電について鋭意検討した結果、部分分解処理を行ない、得られた留出分及び/又は残分を貯蔵するとともに、ガスタービン用燃料及び/又はボイラ用燃料を貯蔵し、これらの燃料を必要に応じて使用することにより発電負荷の変動に対処できると共に、部分分解処理装置の操業の変動が少なくなることを見いだし本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、石炭を部分分解処理して留出分並びに残分に分離し、該留出分をガスタービンに供給して燃焼させ、燃焼により発生した駆動用燃焼ガスによりガスタービンを駆動して発電し、残分をボイラ・スチームタービンシステムのボイラに供給して燃焼させ、発生したスチームによりスチームタービンを駆動して発電するコンバインド・サイクル発電装置において、
該留出分を貯蔵し、ガスタービンに供給する留出分貯槽、残分を貯蔵しボイラに供給する残分貯槽のいずれか又は両者を設けたコンバインド・サイクル発電装置、留出分から油分を分離して油分を留出分貯槽に貯蔵するコンバインド・サイクル発電装置、並びに、前記ガスタービンに供給するガスタービン補助燃料貯槽、前記ボイラに供給するボイラ補助燃料貯槽のいずれか又は両者を設けたコンバインド・サイクル発電装置に関するものである。
又本発明は、上記のいずれかのコンバインド・サイクル発電装置を用いたコンバインド・サイクル発電方法であって、前記ガスタービンの燃料として使用する留出分が、ボイラの燃料として使用する残分に対して過剰となった場合に、留出分貯槽内の燃料を残分貯槽に供給して、ガスタービンに使用する燃料とボイラに使用する燃料の比率を調整することを特徴とするコンバインド・サイクル発電方法に関するものであり、更に、ガスタービン補助燃料貯槽、ボイラ補助燃料貯槽のいずれか又は両者を設けたコンバインド・サイクル発電装置を用いたコンバインド・サイクル発電方法であって、石炭を部分処理して、留出分並びに残分に分離する条件を、ガスタービンにおける平均的な燃料消費量に相当する量の前記留出分が得られる略一定値に維持し、前記ガスタービンの燃料が不足した場合には、前記ガスタービン補助燃料貯槽内のガスタービン補助燃料をガスタービンの燃料供給系あるいはガスタービンに供給してその不足分を補い、前記ボイラの燃料が不足し、且つ前記ガスタービンの燃料が過剰の場合には、前記留出分貯槽内の燃料を前記残分貯槽に供給してその不足分を補い、前記ボイラの燃料が不足し、且つ前記ガスタービンの燃料が過剰でない場合には、前記ボイラ補助燃料貯槽内のボイラ補助燃料を前記ボイラの燃料供給系あるいはボイラ・スチームタービンシステムのボイラに供給してその不足分を補うことを特徴とするコンバインド・サイクル発電方法に関するものであり、特に、排気再燃コンバインド・サイクル発電方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で原料として用いられる石炭としては、褐炭、黒褐炭、低度瀝青炭、高度瀝青炭、半瀝青炭、半無煙炭、無煙炭等が挙げられる。好ましくは揮発分含有量が20重量%以上のものである。
【0010】
本発明で用いられる部分分解処理としては、原料である石炭をガスタービン用燃料に使用できる成分を含む留出分とボイラ用燃料に使用できる残分に少なくとも分離できる方法であれば、いかなる方法も使用できる。
部分分解処理としては、例えば、乾留、水性ガス化、燃焼ガス化、マイクロ波照射、水素化、液化等が挙げられる。
【0011】
本発明において、留出とは固体の石炭から、部分分解処理により生じた成分を気体又は液体で分離することをいう。従って、留出分はガス分又はガス及び液体分であり、液体分は一度気化して凝縮して液化したものも、液体状態で発生したものも含まれる。
本発明において、残分とは固体の石炭から、上記留出分が発生した後の残りのものをいい、常温で固体である。
【0012】
留出分は、ガス成分又はガス及び液の混合成分である。留出分は、一度気体又は気体と液体の混合物となるので、固体分の混入は少ないが、必要によりサイクロン、フィルター、ストレーナー等により除去することができる。
留出分はそのままガスタービンの燃料として使用することもできるが、留出分を冷却して非凝縮性のガス成分と凝縮した液成分に分離したものを使用することができる。
留出分にはガス成分の他に、通常、炭化水素、アンモニア等の窒素化合物、硫化水素等の硫化物、タール等が含まれる場合がある。
ガス成分は、後述する液成分、油分又はその他の洗浄油により洗浄して精製してもよいし、又は脱塵後、脱硫装置により硫化水素を除去することができる。
脱塵方法として、サイクロン、フィルターを使用すれば、留出物又はガスを高温、高圧の状態でガスタービン燃焼室に供給することができる。
【0013】
液成分は水分と油分であり、必要により水分を分離して油分のみをガスタービン燃料として利用することができる。本発明ではガスタービンに金属製ガスタービンもセラミックガスタービンも使用できるが、水分には塩分、バナジウム分等の無機物が濃縮されるので、金属製ガスタービンを使用する場合には油分のみを利用することが好ましい。分離された水分は、後述するアルコール等を含むのでボイラの燃料に混入することができる。又、液成分、水分もしくは油分はストレーナー、フィルター等により固形分を除去して使用することができる。
油分は、主として、ナフサ、タール等であり、部分分解処理により生成したもの及び石炭の揮発分がそのまま留出したものである。油分は、さらに蒸留等により精製分離して使用してもよい。
特に、留出分貯槽に貯蔵する場合には、油分のみを貯蔵することが好ましい。
【0014】
蒸留残渣にはナトリウム、カリウム、カルシウム等の塩分、鉛、バナジウム分等の無機物が濃縮されるので、蒸留精製すればさらに好ましい金属製ガスタービン用燃料が得られる。又、残渣はボイラの燃料に混入することができる。
金属製ガスタービンでは、ガスタービン用燃料中の不純物は、例えば、ナトリウムとカリウム分含有量0.5重量ppm以下及びバナジウム分含有量0.5重量ppm以下であり、カルシウム分も硬い析出物を生じるので0.5重量ppm以下が好ましく、鉛分は腐食を生じ更に腐食防止のためのマグネシウム添加物の効果を低下させるために0.5重量ppm以下であることが好ましい。
【0015】
部分分解処理では、残分は炭種、処理条件によっては粉末のままで得られたり、軟化溶融又は焼結して塊となるが、ボイラの形式により使い分けることができる。
残分には灰分が濃縮され、灰分には上記塩分、バナジウム分等のタービンブレード腐食成分が濃縮される。
【0016】
以下、本発明で用いられる種々の部分分解処理方法について説明する。
初めに、乾留について説明する。乾留には、最終加熱温度が800℃以下の低温乾留と、それ以上で通常1000℃付近で行われる高温乾留とがあり、本発明では両方法が使用できる。低温乾留では油分や燃料に使用されるチャーが多く得られ、高温乾留ではコークス炉ガスや高炉又は鋳物用に使用されるコークスが多く得られる。又、本発明で行う乾留は、500℃以下の熱分解炭化過程のみでシンタリング過程を含まないでもよい。この場合には、残分は、炭種によっては粉末のままで得られたり、軟化溶融して塊となるが、ボイラの形式により使い分けることができる。
本発明において乾留とは、上記低温乾留、高温乾留、熱分解炭化又はこれらの組み合わされたものをいう。
【0017】
本発明で用いられる部分燃焼ガス化処理を説明すると、無触媒であっても、炭酸カリのようなアルカリ金属化合物等の触媒の存在下に行われてもよい。部分燃焼ガス化処理方法としては、例えば、固定床炉、流動床炉、気流床炉、溶融層炉、移動床炉、固定床−気流床組み合わせ炉、流動床−気流床組み合わせ炉、気流床−溶融層組み合わせ炉等を用いた方法が挙げられる。石炭に対して添加する酸素(空気を使用する場合には空気中の酸素)、水蒸気の重量比率は、石炭1に対して酸素約1.5以下、水蒸気3以下であり、好ましくは、酸素0.1〜1.2であり、水蒸気0.1〜2.0であり、処理温度は、炉の温度で300〜1600℃であり、圧力は、常圧〜100気圧である。従って、留出分を常圧から100気圧程度の加圧で得ることができる。添加する水蒸気の重量比率が3に近いほど一酸化炭素から水素へのシフト反応が進行するために、留出分中の水素の比率が増すし、酸素、水蒸気が少ないほど乾留に近くなり、ガス成分が減少し、液成分が増加する。
【0018】
本発明で用いられる部分水性ガス化処理を説明すると、固定床炉、流動床炉、気流床炉、溶融層炉、移動床炉、固定床−気流床組み合わせ炉、流動床−気流床組み合わせ炉、気流床−溶融層組み合わせ炉等を用いた方法が挙げられる。石炭を部分水性ガス化処理する条件はこれらの方式により異なるが、石炭に対して添加する水蒸気の重量比率は、石炭1に対して3以下であり、好ましくは、0.1〜2であり、処理温度は、炉の温度で300〜1600℃であり、圧力は、常圧〜100気圧である。添加する水蒸気の重量比率が2に近いほど一酸化炭素から水素へのシフト反応が進行するために、留出分中の水素の比率が増すし、0.1に近づくほど乾留に近くなり、ガス化分が減少する。
【0019】
本発明で用いられる部分水素化処理を説明すると、部分水素化は無触媒でも、金属触媒の存在下に行うこともできる。無触媒では、得られる油を循環溶媒に使用して、処理温度、圧力は熱分解ないし乾留の場合とほぼ同じであるが、必要な熱供給量は、水素化が発熱反応であるために、わずかな量ですむ。
又、Co−Mo/アルミナ又はNi−Mo/アルミナあるいは鉄系又は亜鉛系のような使い捨て触媒の存在下に、得られる油を循環溶媒に使用して、400〜500℃、20〜200気圧で部分水素化処理を行うことができる。
得られた留出物は、メタン等の低級炭化水素ガスに富み、熱量が高い。
【0020】
本発明で用いられる部分液化処理を説明すると、得られる油を循環溶媒に使用して、石炭をそのまま、又は微粉化して循環溶媒に分散させる。無触媒又は部分水素化処理触媒と同様の触媒を使用して、IG法、EDS法、ダウ(Dow)法、塩化亜鉛触媒法、ベルグバウ−フォルシュンク(Bergbau−Forschung)法、ザールベルグベルケ(Saarbergwerke)法、SRC法、SRC−II法、三井−SRC法、C−SRC法、H−Coal法、溶媒抽出法、超臨界ガス抽出法、STC法、ソルボリシス法、CS/R法、IGT−SRT法、NEDOL法等により液化が行われる。部分液化処理条件は、300〜500℃、20〜200気圧で行うことができる。
低圧ではチャーや重質油が多いが、本発明ではこれらはボイラに使用できるので、完全液化を行わなくてもよい。
【0021】
本発明で用いられるマイクロ波照射処理は、石炭を、好ましくは炭化水素の存在下に、部分分解し、留出分を水冷等により冷却して、凝縮しないガス成分と、凝縮する液化成分と、デカンテーションにより分離される液体成分と固体成分とに転換する操作である。
マイクロ波照射処理方法は、反応器の外部からマイクロ波を照射する方法であっても、反応器の内部で照射する方法であってもよい。又、処理方法は回分法、半回分法、連続法のいずれの操作方法によっても可能である。
炭化水素は、炭素数1〜20の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、飽和脂環族、不飽和脂環族、芳香族炭化水素である。特に好ましくは炭化水素ガスであり、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、メチルアセチレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンである。炭化水素ガスは液体の炭化水素を加熱して生じたものでも、不活性ガスに同伴して生じたものでもよい。
炭化水素の存在下では、炭化水素はマイクロ波によりプラズマ状態になり、これにより石炭との反応が促進されて、石炭から効率よくガス成分、液成分、及び残分を生ずる。
マイクロ波照射処理は常温でも、加熱下でも行うことができる。加熱は、単に反応器を外部から加熱してもよいが、好ましくは、所定温度に加熱された炭化水素ガスを送入して加熱し、同伴して揮発分を留出させる。加熱温度は50℃以上、好ましくは100〜1000℃である。
【0022】
ガスタービン補助燃料貯槽に貯蔵される燃料は、可燃性の気体、可燃性の軽質液体(常圧沸点が約482℃(900゜F)以下の液体)であり、具体的には、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、ブタン類、ブテン類、ヘキサン類、ヘプタン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、LNG、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、天然ガス、炭層メタン、ランドフィルガス、高炉ガス、コークス炉ガス、転炉ガス、水素等を含む化学プラントからの副生ガス、石炭又は重質油等のガス化ガス、石炭乾留ガス、石炭水性ガス化ガス、石炭部分燃焼ガス、重質油熱分解軽質油又はガス、重質油酸化分解軽質油又はガス、超重質油熱分解軽質油又はガス、超重質油酸化分解軽質油又はガス、発酵ガス、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0023】
ボイラ補助燃料貯槽に貯蔵される燃料は、特に制限はなく、燃焼可能な燃料であれば全て使用できる。従って、上記ガスタービン補助燃料の他に、可燃性の固体、可燃性の液体であり、具体的には、石炭、チャー、コークス、重油、残渣油、ピッチ、ビチューメン、石油コークス、カ−ボン、タールサンド、タールサンドから得られるサンドオイル、オイルシェール、オイルシェールから得られるシェールオイル、オリノコタール、オリノコタールの水懸濁物であるオリマルジョン、アスファルト、アスファルトの水懸濁物であるアスマルジョン、石炭−油混合物(COM)、石炭−水混合物(CWM)、石炭−メタノールスラリー、木、草、油脂、搾油滓等の天然物由来マス、廃プラスチック、可燃ゴミ、可燃スラッジ及びこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくは、ボイラ補助燃料貯槽に貯蔵される燃料は部分分解処理に使用される石炭である。
【0024】
又、製造された留出分と残分を本コンバインド・サイクル発電に使用する他に、その一部を外部の他の燃料、合成原料等に使用することも本発明の基本的考えに含まれるものである。
【0025】
以下、本発明を図により説明する。図では主要部のみ示し、ポンプ、熱交換器、サイクロン、ストレーナー、フィルター、貯槽、固体搬送手段、加熱用ガス発生設備等の装置及び付属装置や排煙脱硝、脱硫、脱炭酸等の付帯設備は省略した。
図1は、部分分解処理装置と各種燃料貯槽を有する本発明のプロセスフロー図である。
図2は、得られた留出分をガス成分と液成分に分離する場合のプロセスフロー図である。
図3は、油分を更に蒸留する場合のプロセスフロー図である。
【0026】
図1において、石炭貯槽1内の石炭を部分分解処理装置2(ここでは乾留装置を例にして説明する)に供給して、加熱用ガス15を加えて部分分解処理した後、留出分3と残分4に分離し、留出分3をそのままガスタービンに供給するか、又は液成分あるいは油分に分離して留出分貯槽42に貯蔵し、残分4を残分貯槽43に貯蔵する。液成分あるいは油分に分離して留出分貯槽42に貯蔵する場合でも、ガス分はそのままガスタービンに供給することが好ましい。
留出分3は、ガスタービン(ガスタービンの本体21、空気圧縮機22、燃焼室23からなる)の燃焼室23に供給され、圧縮空気(酸素富化空気でもよい)25と混合され、燃焼させて、高温高圧の駆動用燃焼ガス27を発生させ、それによりガスタービンを駆動し、ガスタービンの軸に取り付けられたガスタービン用発電機24により発電する。ガスタービンから排出されたガスタービン排ガス28は、ボイラ31に供給される。
一方、残分4は残分貯槽43より配管48を経てボイラ31に供給されて、空気35を供給して燃焼され、スチーム32を発生する。スチーム32はスチームタービン33に供給され、スチームタービンの軸に取り付けられたスチームタービン用発電機34により発電する。スチームタービン33には復水器37が設けられ、負圧によりスチームの熱を使い切り、スチームタービン排気を復水させて、メイクアップ水と共にボイラ給水38としてボイラ31へリサイクルする。
留出分貯槽42には配管46が設けられており、必要時に留出分貯槽42内の燃料は残分貯槽43に供給される。配管44は留出分貯槽42とガスタービン補助燃料貯槽52の間に設けられる。もちろん、留出分貯槽42内の燃料は、さらにガスタービン補助燃料貯槽52、ボイラ補助燃料貯槽53に貯蔵されてもよい。
【0027】
残分貯槽43には、配管47、48が設けられており、配管48により残分貯槽43内の燃料はボイラ31に供給される。配管47は残分貯槽43とボイラ補助燃料貯槽53の間に設けられる。
もちろん、ガスタービン補助燃料貯槽52からガスタービンの燃焼室23に配管が設けられていてもよいし、ボイラ補助燃料貯槽53からボイラ31に配管が設けられていてもよい。
留出分貯槽42及び残分貯槽43の容量は、一日の平均的な電力需要量をまかなうための留出分及び残分の量と、平均を超える時間帯の電力需要量をまかなうための燃料の差を少なくとも貯蔵できるように設定され、例えば、半日から一日分の燃料が貯留可能な容量に設定される。従って、平均を下回る電力需要時間帯には、過剰の留出分及び残分を貯蔵し、平均を超える電力需要時間帯には、過剰の留出分及び残分を使用する。
【0028】
ガスタービン補助燃料貯槽52及びボイラ補助燃料貯槽53は、例えば夏場のように、日間の需要量の変動が大きい場合に必要とされ、それらの容量は、一日の平均的な電力需要量をまかなうための留出分及び残分の量と、平均を超える日の電力需要量をまかなうための燃料の差を貯蔵できるように設定される。従って、平均を超える電力需要日が続くと予想される場合には、これらの補助燃料を加えて発電を行うことができる。このため、最大電力需要量に相当する部分処理装置2を建設する必要がないので、経済的に好ましい。
【0029】
発電装置は、ガスタービン本体21,空気圧縮機22及び燃焼室23、ガスタービン用発電機24、並びに、ボイラ31、スチームタービン33、復水器37、スチームタービン用発電機34を備えている。
ガスタービンから排出された高温のガスタービン排ガス28は、ボイラ31に供給されるが、ガスタービン排ガス28に酸素を10〜15容量%残し、この酸素により、残分4をボイラ31で燃焼させる方法(すなわち排気再燃方法)は、新たに空気35(通常大気温度)を送り込む必要がなく且つ高温であるために、コンバインド・サイクル発電の熱効率を高めることができるし、排ガス処理も経済的になるので好ましい。
もちろん、残分4をボイラ31で燃焼させるためにガスタービン排ガス28に空気35を加えることもできる。
又、ガスタービン排ガス28は、他の排熱回収ボイラ(図示せず)に供給してスチーム発生等により熱回収してもよいし、排熱ボイラ排出ガスをボイラ31に供給して、排気ガス中の残余の熱と、10〜15容量%の残存酸素により、残分4をボイラ31で燃焼させる方法(すなわち排気再燃方法)により処理することもできる。
【0030】
なお、ボイラには、蒸気サイクルの熱効率向上のためにボイラの排煙の熱によりボイラ給水を加熱する熱交換器としてのエコノマイザーを設けてもよい。
又、蒸気タービンとしては、いわゆる再熱サイクルを形成すべく、高圧、中圧、低圧といった具合に複数段の蒸気タービンを備えた構成とするとともに、又はいわゆる再生サイクルを形成すべく、複数の抽気給水加熱器を設けて、熱効率を高度に確保した構成とするのが当然好ましい。
【0031】
次に、以上のように構成された発電装置による発電方法の一例として、石炭の部分分解処理条件及び各貯槽の運用について説明する。
本発明では、石炭の部分分解処理条件は、ガスタービン21の燃料消費量を基準に大まかに設定すればよく、常に変動するガスタービン用発電機24やスチームタービン用発電機34の発電量に合わせて、留出分と残分とがそれぞれ正確に対応するように微妙な操作や制御を行う必要はない。
配管46により、留出分貯槽42内の燃料が任意の時期に任意の量だけ残分貯槽43に供給可能となっているため、例えば、残分に対して若干多めの留出分が得られるように、石炭の部分分解処理量を設定しておき、留出分貯槽42内のガスタービン用燃料が過剰となった場合にはこれを残分貯槽43に送ってボイラ用燃料として使用するといった運転が可能であり、少なくとも留出分と残分の生成量の比率を実際の発電量の比率に正確に対応させる必要がないため、運転操作が容易になる。
【0032】
なお、この留出分貯槽42から残分貯槽43への燃料の供給は、例えばガスタービン用燃料が過剰となり(例えば留出分貯槽42内の燃料が一定レベルを越えたとき)、且つボイラ用燃料が過剰でない場合(例えば残分貯槽43内の燃料が許容最高レベルより少ないとき)、あるいはボイラ用燃料が不足している場合(例えば残分貯槽43内の燃料が許容最低レベル以下にあるとき)に、それを作業者が判断して作業者の操作により行ってもよいし、レベルセンサ等の検出信号によりガスタービン用燃料過剰等の上記条件の成立を検知した制御装置が自動的に行う構成でもよい。
【0033】
又本例では、ガスタービン補助燃料貯槽52やボイラ補助燃料貯槽53が設けられ、タービン補助燃料やボイラ補助燃料が任意の時期に任意の量だけ補給可能となっているので、部分分解処理条件や石炭の処理量を、例えばガスタービン発電機24における平均的な出力に相当する略一定量の留出分が得られる略一定値に維持するという極めて簡単な運転方法が採用できる。
すなわち、生成量が略一定量に設定された留出分に対して、実際のガスタービンの燃料の必要量が発電負荷の変動等により増加した場合でも、その超過分のタービン補助燃料をガスタービン補助燃料貯槽52から留出分貯槽42に供給すれば、設備の運転を安定的に続行することができる。又、この場合残分の生成量も結果的に略一定量となり、発電負荷の変動等により常に変動する実際のボイラ用燃料の必要量に対して不足する懸念があるが、この場合には、留出分貯槽42内の過剰なガスタービン用燃料を配管46を介して残分貯槽43に供給するか、あるいはボイラ補助燃料貯槽53から残分貯槽43にボイラ補助燃料を供給することで、その不足分を容易に補って運転を安定的に続行できる。
【0034】
なお、ガスタービン補助燃料貯槽52から留出分貯槽42へのタービン補助燃料の供給は、ガスタービン用燃料が不足した場合(例えば留出分貯槽42内の燃料が所定の最低レベル以下となったとき)に、それを作業者が判断して作業者の操作により行ってもよいし、レベルセンサ等の検出信号によりガスタービン用燃料の不足を検知した制御装置が自動的に行う構成でもよい。
又、ボイラ補助燃料貯槽53から残分貯槽43へのボイラ補助燃料の供給も、ボイラ用燃料が不足した場合(例えば残分貯槽43内の燃料が所定の最低レベル以下となったとき)に、それを作業者が判断して作業者の操作により行ってもよいし、レベルセンサ等の検出信号によりボイラ用燃料の不足を検知した制御装置が自動的に行う構成でもよい。
【0035】
図2に示すように、留出分3は熱交換器16により冷却されて、ガス成分と液成分に分離し、ガス洗浄塔5により洗浄されて、ガス成分6と液成分7に分離することができる。ガス洗浄塔5の洗浄液には液成分7を使用して、ガス洗浄塔5の頂部に供給して気液接触させることができる。ガス成分6はガス成分圧縮機26により燃焼室23へ供給される。
あるいは、ガス洗浄塔5の液成分7を冷却してガス洗浄塔5の頂部に供給してもよい。
液成分7はそのままガスタービン用燃料にしてもよいが、分液槽8により水層10を分離して油分9のみをガスタービン用燃料にしてもよい。水層10はボイラ31の燃料として加えることができる。
【0036】
図3に示すように、油分9はさらに精製手段(例えば蒸留)により精製してもよい。油分9は蒸留塔11に供給され精製留分12と残渣13に分離される。精製留分12はガスタービン用燃料として燃焼室23に供給され、残渣13はボイラ31の燃料として加えることができる。
このように精製処理することにより、金属製ガスタービンを使用した場合にも塩分、バナジウム分による腐食が防止され、金属製ガスタービンの寿命を長くすることができる。
【0037】
なお、本発明は上記の態様に限られず、各種の態様があり得る。例えば、ガスタービン補助燃料貯槽52あるいはボイラ補助燃料貯槽53のうちの少なくとも一つを設けた構成でもよい。この場合でも、留出分あるいは残分のいずれかの不足分をガスタービン補助燃料あるいはボイラ補助燃料により補うことができるので、部分分解処理条件の調整操作(人的操作又は自動制御)が容易化できる。
又、ガスタービン補助燃料貯槽52あるいはボイラ補助燃料貯槽53を設けないで、部分分解処理量の調整操作により、必要量に応じた留出分或いは残分の生成量を維持する態様もあり得る。この場合でも、配管46の機能により、留出分と残分の生成量の比率を正確に調整する必要がないという利点がある。
さらに、ガスタービン補助燃料貯槽52あるいはボイラ補助燃料貯槽53から補助燃料を供給する箇所は、留出分貯槽42あるいは残分貯槽43に限らず、燃料の供給系であればいずれの場所でもよく、配管、ガスタービン燃焼室23あるいはボイラ31に直接供給する構成でもよい。
なお、発電量は昼間、夜間で時々刻々変化するが時間帯の平均で表すと過不足の量が判りやすい。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
(実施例1)
図2に示す装置を使用して、下記の乾燥した石炭を約1000℃で高温乾留し、留出分とコークス(残分)を得る。留出分をガス成分と油分と水層に分離して、油分を留出分貯槽に貯蔵し、残分は残分貯槽に貯蔵する。ガス成分はガスタービンに供給し、水層は有機物を含むのでボイラに供給して燃焼させる。
一日の平均発電量:700,000kw・hr
原料炭(乾燥後)
水分:2重量%
揮発分:30重量%
固定炭素:51重量%
灰分:17重量%
発熱量:5,780kcal/kg
乾留用供給量:231.4t/hr
コークス
生成量:148.6t/hr
揮発分:2重量%
固定炭素:67重量%
灰分:31重量%
発熱量:6,300kcal/kg
ガス成分
生成量:39,740Nm3/hr
発熱量:5,050kcal/Nm3
油分
生成量:22.0t/hr
発熱量:9,100kcal/kg
ガス成分と油分は、ガスタービン用燃料とし、残分と留出分中の分離した水層はボイラ用燃料とする。
一日の平均発電量になるように乾留装置を稼働させて上記油分及び残分を使用して発電し、夜間に発電量が低下して油分及びコークスが過剰になった時に油分を留出分貯槽に、コークスを残分貯槽に貯蔵し、昼間に発電量が増加した時に油分をガスタービン用燃料に、コークスをボイラ用燃料に使用する。
夜間発電量:最大発電量の50%(500,000kw・hr)
コークス供給量:119.8t/hr
ガス成分供給量:39,740Nm3/hr
油分供給量:なし
昼間発電量:最大発電量(1,000,000kw・hr)
コークス供給量:218.4t/hr
ガス成分供給量:39,740Nm3/hr
油分供給量:36.7t/hr
【0040】
(比較例1)
実施例1で石炭を乾留処理することなく、全量をボイラに供給して、スチームタービンにより発電を行った。
この結果、一日の平均発電量は607,000kw・hrとなり発電効率は著しく低い。
【0041】
(実施例2)
図1に示す装置を使用して、実施例1と同様にして石炭の乾留により得られる留出分をガスタービンに供給して燃焼させ、ガスタービン排ガスはスチームタービン用ボイラに供給する。ガスタービン排ガスは、580℃であり、酸素を13容量%含んでいる。このガスにより残分のコークスを燃焼させた。この結果、コンバインド・サイクル発電の熱効率は46%に達っする。
【0042】
(実施例3)
図3に示す装置を使用して、実施例1の原料を使用して、石炭を乾留の代わりに部分燃焼ガス化処理して、留出分と、残分を得た。留出分は脱塵、脱硫後、液成分により冷却洗浄し、分液槽により水層を分離して、ガス成分と油分を得る。油分は減圧蒸留して精製留分と残渣ピッチに分離する。
ガス成分と精製留分は、金属製ガスタービン用燃料とし、残分と分離した水層と残渣ピッチはボイラ用燃料として、空気を供給して燃焼させる。液成分中のナトリウム及びカリウム分、バナジウム分はそれぞれ0.5重量ppmであり、タービンブレード等の腐食は見られない。
【0043】
(実施例4)
図2に示す装置を使用して、実施例1と同様に油分と残分を得る。
夏期に最大発電量の時間が増加して、部分分解処理装置による燃料の製造及び夜間に貯蔵された油分と残分だけでは電力需要を満たすことができないので、ガスタービン補助燃料貯槽に貯蔵されたLNGとボイラ補助燃料に貯蔵した石炭を使用して発電量を増加する。
夜間発電量×発電時間:最大発電量の50%(500,000kw・hr)×6hr
油分過剰量:132t(1日当たり)
最大発電量×発電時間:100%(1,000,000kw・hr)×18hr
油分不足量:132.6t(1日当たり)
コークス不足量:1083.6t(1日当たり)
LNG追加使用量:128.4t(1日当たり)
石炭追加使用量:1181t(1日当たり)
【0044】
【発明の効果】
石炭を原料にして、部分分解処理することにより必要な全ての基準を満たすガスタービン用燃料、及びボイラ用燃料が得られる。これらの燃料をコンバインド・サイクル発電に使用することにより、全量をボイラで焚いてスチームタービンで発電する場合の熱効率約38〜39%に比べて、熱効率約46%で発電することができ、この熱効率は石炭ガス化発電と同程度の効率であってしかも設備費が安く、金属製ガスタービンを使用しても腐食が起こらず、原料の豊富さ、経済性、既存設備の利用、熱効率が高いため排ガス量が少なく地球環境保護の点で極めて有利であると同時に、昼夜又は季節ごとの発電負荷の変動に対処できると共に、部分分解処理装置の一日間の操業の変動を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【符号の説明】
【図1】本発明のプロセスフロー図である。
【図2】本発明で、留出分をガス成分と液成分に分離する場合のプロセスフロー図である。
【図3】本発明で、油分を更に蒸留する場合のプロセスフロー図である。
【符号の簡単な説明】
1 石炭貯槽
2 部分分解処理装置
3 留出分
4 残分
5 ガス洗浄塔
6 ガス成分
7 液成分
8 分液槽
9 油分
10 水層
11 蒸留塔
12 精製留分
13 残渣
15 加熱用ガス
16 熱交換器
21 ガスタービン本体
22 空気圧縮機
23 燃焼室
24 ガスタービン用発電機
25 空気
26 ガス成分圧縮機
27 駆動用燃焼ガス
28 ガスタービン排ガス
31 ボイラ
32 スチーム
33 スチームタービン
34 スチームタービン用発電機
35 空気
36 スチームタービン排気
37 復水器
38 ボイラ給水
42 留出分貯槽
43 残分貯槽
44 配管
45 配管
46 配管
47 配管
48 配管
52 ガスタービン補助燃料貯槽
53 ボイラ補助燃料貯槽

Claims (7)

  1. 石炭を部分分解処理して留出分並びに残分に分離し、該留出分をガスタービンに供給して燃焼させ、燃焼により発生した駆動用燃焼ガスによりガスタービンを駆動して発電し、残分をボイラ・スチームタービンシステムのボイラに供給して燃焼させ、発生したスチームによりスチームタービンを駆動して発電するコンバインド・サイクル発電装置において、該残分を貯蔵しボイラに供給する残分貯槽設けたコンバインド・サイクル発電装置。
  2. 前記留出分を貯蔵しガスタービンに供給する留出分貯槽をさらに設けた請求項1に記載のコンバインド・サイクル発電装置。
  3. 前記留出分から油分を分離し、油分を留出分貯槽に貯蔵する請求項1に記載のコンバインド・サイクル発電装置。
  4. 更に、前記ガスタービンに供給するガスタービン補助燃料貯槽、前記ボイラに供給するボイラ補助燃料貯槽のいずれか又は両者を設けた請求項1〜のいずれかに記載のコンバインド・サイクル発電装置。
  5. 請求項2又は3に記載のコンバインド・サイクル発電装置を用いたコンバインド・サイクル発電方法であって、前記ガスタービンの燃料として使用する留出分が、ボイラ・スチームタービンシステムのボイラの燃料として使用する残分に対して過剰となった場合に、留出分貯槽内の燃料を残分貯槽に供給して、ガスタービンに使用する燃料と前記ボイラに使用する燃料の比率を調整することを特徴とするコンバインド・サイクル発電方法。
  6. 請求項に記載のコンバインド・サイクル発電装置を用いたコンバインド・サイクル発電方法であって、石炭を部分分解処理して、留出分並びに残分に分離する条件を、ガスタービンにおける平均的な燃料消費量に相当する量の前記留出分が得られる略一定値に維持し、前記ガスタービンの燃料が不足した場合には、前記ガスタービン補助燃料貯槽内のガスタービン補助燃料をガスタービンの燃料供給系あるいはガスタービンに供給してその不足分を補い、前記ボイラの燃料が不足し、且つ前記ガスタービンの燃料が過剰の場合には、前記留出分貯槽内の燃料を前記残分貯槽に供給してその不足分を補い、前記ボイラの燃料が不足し、且つ前記ガスタービンの燃料が過剰でない場合には、前記ボイラ補助燃料貯槽内のボイラ補助燃料を前記ボイラの燃料供給系あるいはボイラ・スチームタービンシステムのボイラに供給してその不足分を補うことを特徴とするコンバインド・サイクル発電方法。
  7. ガスタービン排ガスをボイラ・スチームタービンシステムのボイラに供給して、残分又は残分とボイラ補助燃料を燃焼させることを特徴とする請求項又はに記載のコンバインド・サイクル発電方法。
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