JP3945585B2 - 円網抄紙機の円筒シリンダ、脂取り紙の製造方法 - Google Patents
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特に、脂取り紙の製品化に当たっては約10センチメートル四方の正方形に裁断し、更にそれらを十枚程度重ねて一束とした冊子状に製本し、更にビニル袋に入れられて密封し完成品(商品)となる。
請求項3に記載の発明では、天然繊維を主成分とする原料を、円網抄紙機の円筒シリンダにて湿紙を形成し、同湿紙を乾燥処理して脂取り紙用原紙とし、さらに同脂取り紙用原紙をスーパーキャレンダー又は箔打ちにより紙密度を0.7〜1.2g/cm 3 と高密度化する工程を備えた脂取り紙の製造方法であって、前記円網抄紙機が備える円筒シリンダとして、その周方向の全周に亘って前記円筒シリンダの軸方向に沿って配置された整流板を有しており、該整流板はその先端が円筒シリンダの内側を向き、かつ整流板の基端に対して整流板の先端が円筒シリンダの回転方向反対側を向いて傾斜し、整流板の板厚は基端から先端に向かうほど順次薄くなっている円筒シリンダを使用することを特徴とする脂取り紙の製造方法を要旨とする。
請求項5に記載の発明では、請求項3又は4に記載の脂取り紙の製造方法にて使用される円筒シリンダは、5〜40メッシュからなる第1の金網と、第1の金網の下側に配置される60〜100メッシュからなる第2の金網とからなる抄網を備えていることを特徴とする脂取り紙の製造方法を要旨とする。
脂取り紙の原料として用いるのは、天然繊維、すなわちマニラ麻、亜麻、黄麻、雁皮、楮、三椏からなる靱皮繊維や木材パルプ等の植物繊維、または羊毛、シルク、カシミア等の動物繊維を主成分(50重量%以上)とすることが好ましい。50重量%を下回ると脂取り紙として使用時の脂の取れ方の点で好ましくない。
原料及び抄紙機の構成について
「原料」
マニラ麻パルプ(ビーターにてSR30°に叩解) 100重量部
マイクロタルク 20重量部
ファイレックスRC−104(明成化学工業株式会社) 0.5重量部
ファイレックスM(明成化学工業株式会社) 0.5重量部
「抄紙機の構成」
上記実施形態にて説明した抄紙機1を使用し、第1シリンダ3及び第2シリンダ4については以下の抄網を張った(各実施例及び各比較例共通)。
*第1シリンダ 下網として16メッシュで線径0.5mmの金網
上網として90メッシュで線径0.132mmの金網
*第2シリンダ 下網として16メッシュで線径0.5mmの金網
上網として90メッシュで線径0.132mmの金網
最上網として16メッシュで線径0.2mmの金網
実施例1
実施例1では、上記抄紙機のうち第2シリンダ4を休止させ(第2クーチロール9を上位置としてウェットフェルト2と第2シリンダ4とを非接触とさせた。)、第1シリンダ3のみで一層の紙を抄紙した。紙の坪量は20g/m2とした。また、第1シリンダ3には整流板24を備えたシリンダモールドを使用した。
一方、比較例1として、第1シリンダに図11、図12に示す従来の平行ロッドを備えたシリンダモールドを使用し一層の紙を抄紙した。それ以外は実施例1における条件と同じである。また、抄紙後に実施例1と同様の方法で原紙及び加工紙をそれぞれ得た。
実施例2では、上記抄紙機のうち第1シリンダ3を休止させ(第1クーチロール8を上位置としてウェットフェルト2と第1シリンダ2とを非接触とさせた。)、第2シリンダ4のみで一層の紙を抄紙した。紙の坪量は20g/m2とした。また、第2シリンダ4には整流板24を備えたシリンダモールドを使用した。第2シリンダ4にて形成した一層の湿紙を実施例1と同様の方法で加工し、原紙と加工紙とをそれぞれ得た。
一方、比較例2として、第2シリンダ4に図11、12に示す従来の平行ロッドを備えたシリンダモールドを使用し一層の紙を抄紙した。それ以外は実施例2における条件と同じである。また、抄紙後に実施例2と同様に原紙及び加工紙をそれぞれ得た。
実施例3では、上記抄紙機の第1シリンダ3及び第2シリンダ4を双方駆動させ二層の紙を抄紙した。紙の坪量は各シリンダで10gとし、合計20g/m2とした。また、第1シリンダ3及び第2シリンダ4の双方に整流板24を備えたシリンダモールドを使用した。第1シリンダ3及び第2シリンダ4にて形成した二層の湿紙を実施例1及び実施例2と同様の方法で加工し、原紙と加工紙とをそれぞれ得た。
一方、比較例3として、第1シリンダ及び第2シリンダに図11、12に示す従来の平行ロッドを備えたシリンダモールドを使用し二層の紙を抄紙した。それ以外は実施例3における条件と同じである。また、抄紙後に実施例3と同様に原紙及び加工紙をそれぞれ得た。
実施例1〜3及び比較例1〜3によって得られた原紙及び加工紙(合計6パターン)について、それぞれ以下の方法にて放湿試験及び吸湿試験を行いその試験後に生じるカールについての評価を行った。
上記方法にて作成した各実施例及び比較例の原紙及び加工紙を100ミリメートル四方の正方形に裁断したサンプル紙片を多数作成し、これらのサンプル紙片を平板上に載置して摂氏23度、湿度50%の環境としたデシケータ中にて4時間放置させて標準状態とした(JIS8111に準拠)。
図10(a)に示すようにカール(巻き)の方向と直交する側の辺のうち一方の辺の接地部分の長さ(a)と他方の辺の設置部分の長さ(b)の平均を小数点以下四捨五入として測定した。
図10(b)、図10(c)に示すように、カールが開始される接地部分とカール部先端とを結ぶ線が接地面に対してなす角度(β)を一の位を四捨五入して測定した。なお、図10のように一枚のサンプル紙片上にカールが2箇所以上形成された場合(図10(b)と図10(c))には、複数の角度(β)のうちより角度が高い方のカールの角度を対象とした。したがって、図10の左側のサンプル紙片では図10(b)に示す角度(β)をカールの角度とした。また、図10(b)及び図10(c)の右側に示されるようにカールの角度が360度或いはこれを超えるものは互いのカール同士が干渉しあい正確なカール角度が不明となるため360度以上とした。
上記測定項目1及び2についての測定結果を以下の表1−1〜1−6に示す。
(1).第1シリンダ3及び第2シリンダ4の外周部分に整流板24を設けた。このため、紙料液がシリンダの外周に張られた抄網を通り抜ける際に整流板24に沿って流れるため、流入時における流れが整流化されて乱れにくくなり、抄網上に形成される湿紙の繊維配向性が一定なものとなる。
(2).形成された湿紙のうち、抄網側に蓄積された側の繊維の配向性とその反対側の繊維の配向性との差が少なくなり、湿度変化により紙に生ずるカールがより軽減される。
(3).整流板24を傾斜して設けている。このため、シリンダが回転しながら吸引を行う際に整流板24の板面が流入抵抗となることがない。
(4).上記実施形態では、第2シリンダ4に抄網として20メッシュの金網33の下側に90メッシュの金網32を重ねて配置している。このため、ムラのない均一な紙を抄造することができる。
(5).脂取り紙を二層構造(P1,P2)として抄造した構成としているため、抄造する際の坪量、原料等を層毎に変更することにより異なる風合いの化粧用脂取り紙を作ることができる。
(6).抄造された脂取り紙には最上網33のメッシュ模様が形成されている。このため、視覚的にもよい風合いを得ることができる。
○上記実施形態においては、第1シリンダ3及び第2シリンダ4を備えた抄紙機1のうち、第2シリンダ4のみを三層の金網31〜33としたが、第2シリンダ4の金網を二層31,32とし第1シリンダ3の金網を三層31〜33としてもよい。また、第1シリンダ3及び第2シリンダ4の金網とも三層31〜33としてもよい。
(a)第1の抄網として5〜40メッシュの金網を用いるとともに、第1の抄網の下に第2の抄網として60〜100メッシュの金網を重ねて張った抄網構造を備えた抄紙機を用いて抄紙する紙の抄造方法。
Claims (5)
- 円網抄紙機の円筒シリンダであって、該円筒シリンダはその周方向の全周に亘って前記円筒シリンダの軸方向に沿って配置された整流板を有しており、該整流板はその先端が円筒シリンダの内側を向き、かつ整流板の基端に対して整流板の先端が円筒シリンダの回転方向反対側を向いて傾斜し、整流板の板厚は基端から先端に向かうほど順次薄くなっている円網抄紙機の円筒シリンダ。
- 前記円筒シリンダに用いられている抄網は、5〜40メッシュからなる第1の金網と、第1の金網の下側に配置される60〜100メッシュからなる第2の金網からなる抄網である請求項1に記載の円網抄紙機の円筒シリンダ。
- 天然繊維を主成分とする原料を、円網抄紙機の円筒シリンダにて湿紙を形成し、同湿紙を乾燥処理して脂取り紙用原紙とし、さらに同脂取り紙用原紙をスーパーキャレンダー又は箔打ちにより紙密度を0.7〜1.2g/cm 3 と高密度化する工程を備えた脂取り紙の製造方法であって、
前記円網抄紙機が備える円筒シリンダとして、その周方向の全周に亘って前記円筒シリンダの軸方向に沿って配置された整流板を有しており、該整流板はその先端が円筒シリンダの内側を向き、かつ整流板の基端に対して整流板の先端が円筒シリンダの回転方向反対側を向いて傾斜し、整流板の板厚は基端から先端に向かうほど順次薄くなっている円筒シリンダを使用することを特徴とする脂取り紙の製造方法。 - 天然繊維を主成分とする原料を、円筒シリンダを二基備えた円網抄紙機の各円筒シリンダにて形成した湿紙を重ね合わせて二層構造の湿紙とし、同二層構成の湿紙を乾燥処理して脂取り紙用原紙とし、さらに同脂取り紙用原紙をスーパーキャレンダー又は箔打ちにより紙密度を0.7〜1.2g/cm 3 と高密度化する工程を備えた脂取り紙の製造方法であって、
前記円網抄紙機が備える各円筒シリンダとして、その周方向の全周に亘って前記円筒シリンダの軸方向に沿って配置された整流板を有しており、該整流板はその先端が円筒シリンダの内側を向き、かつ整流板の基端に対して整流板の先端が円筒シリンダの回転方向反対側を向いて傾斜し、整流板の板厚は基端から先端に向かうほど順次薄くなっている円筒シリンダを使用することを特徴とする脂取り紙の製造方法。 - 請求項3又は4に記載の脂取り紙の製造方法にて使用される円筒シリンダは、5〜40メッシュからなる第1の金網と、第1の金網の下側に配置される60〜100メッシュからなる第2の金網とからなる抄網を備えていることを特徴とする脂取り紙の製造方法。
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