JP3945212B2 - 厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚鋼板の焼入れ・焼鈍し・焼戻し等の熱処理プロセスにおいて、高能率で急速加熱に好適なソレノイド型誘導加熱装置を用いた厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厚鋼板の焼入れ・焼鈍し・焼戻し等の熱処理プロセスを圧延ラインと直結して行う等の場合、厚鋼板を所定の温度に急速に加熱することが必要となる。
【0003】
従来、熱間薄板圧延では、ソレノイド型誘導加熱装置を用いて圧延ライン上で薄鋼板を急速加熱する方法が知られており、その温度制御のために、特開平10−27678号公報に記載のように、ソレノイド型誘導加熱装置の入出口温度を計測しフィードフォワード制御及びフィードバック制御を実施するという技術や、特開平10−202311号公報に記載のように、ソレノイド型誘導加熱装置の入出口温度と仕上圧延機の出口温度を計測しフィードフォワード制御及びフィードバック制御を実施するという技術が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ソレノイド型誘導加熱装置は急速加熱に好適であるが、鋼板の表層部近傍が加熱されるので、厚鋼板の焼入れ・焼鈍し・焼戻し等の熱処理プロセスに適用する場合、下記の問題を解決することが必要である。
▲1▼厚鋼板内の温度分布が均一になるように加熱すること。すなわち、板厚中心と表面の温度差を最小化すること。温度分布が不均一な場合、最終製品の品質に悪影響を及ぼす。
▲2▼加熱過程で所定の上限温度を超えないこと。加熱中に相変態点を超えると鋼中添加元素の析出が起こり品質に悪影響を与える。さらに、磁気変態点を超えると電磁誘導の浸透深さが変化してしまい制御が難しくなる。
【0005】
つまり、厚鋼板の板厚方向の温度均一化と表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目標温度になるように制御することが必要となる。
【0006】
これに対し、前述の特開平10−27678号公報や特開平10−202311号公報に記載の技術は、対象が薄鋼板であるとともに熱間仕上圧延前の加熱であるので、板厚方向の温度均一性確保や表面温度の上限管理が技術的課題ではなく、最終製品の品質に直接影響を及ぼす厚鋼板の熱処理に対しては直ちに適用することはできない。
【0007】
したがって、本発明の目的は、厚鋼板の板厚方向の温度均一化と表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目標熱処理温度になるように精度良く加熱することができる厚鋼板の熱処理装置および熱処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、0.3m以上の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置と、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口と各ソレノイド型誘導加熱装置の間で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点と最終ソレノイド型誘導加熱装置の出口で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点にそれぞれ設けられた温度計測手段とを有することを特徴とする厚鋼板の熱処理装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口に設けられた温度計測手段が厚鋼板の板厚方向平均温度を計測する温度計測手段であることを特徴とする請求項1に記載の厚鋼板の熱処理装置である。
【0010】
請求項3に係る発明は、0.3m以上の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、予め各ソレノイド型誘導加熱装置を通過する前の厚鋼板の目標温度をそれぞれ設定しておき、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口と各ソレノイド型誘導加熱装置の間で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点において、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過する前の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度の前記目標温度からの偏差を求め、当該温度偏差を前方補償することを特徴とする厚鋼板の熱処理方法である。
【0011】
請求項4に係る発明は、0.3m以上の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、予め各ソレノイド型誘導加熱装置を通過した後の厚鋼板の目標温度をそれぞれ設定しておき、各ソレノイド型誘導加熱装置の間で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点と最終ソレノイド型誘導加熱装置の出口で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点において、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過した後の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度の前記目標温度からの偏差を求め、当該温度偏差を後方補償することを特徴とする厚鋼板の熱処理方法である。
【0012】
請求項5に係る発明は、0.3m以上の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口と各ソレノイド型誘導加熱装置の間で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点と最終ソレノイド型誘導加熱装置の出口で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点において、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過前と通過後の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度から各ソレノイド型誘導加熱装置の実績加熱効率を算定し、算定された実績加熱効率に基づいて各ソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率を補正することを特徴とする厚鋼板の熱処理方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の厚鋼板の熱処理設備の一実施形態を示す説明図である。第1番目のソレノイド型誘導加熱装置H1、第2番目のソレノイド型誘導加熱装置H2 、………、第n番目のソレノイド型誘導加熱装置Hnとn個のソレノイド型誘導加熱装置が直列に所定の間隔Lをとって配置されており、搬送ローラ2に載った厚鋼板1が各ソレノイド型誘導加熱装置を順次通過して加熱されるようになっている。そして、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置H1の入口には第1番目の温度計R1、第2番目のソレノイド型誘導加熱装置H2の入口には第2番目の温度計R2、………、第n番目のソレノイド型誘導加熱装置Hnの入口には第n番目の温度計Rn がそれぞれ設置されているとともに、第n番目のソレノイド型誘導加熱装置Hnの出口には第n+1番目の温度計Rn+1が設置されている。
【0014】
間隔をとって配置された各ソレノイド型誘導加熱装置を厚鋼板が通過していくと、図2に示すように、各ソレノイド型誘導加熱装置で厚鋼板の表層部近傍が加熱されるが、ソレノイド型誘導加熱装置とソレノイド型誘導加熱装置との間では、表層部近傍の熱が熱伝導により板厚内部温度を上昇させるとともに表面温度を下げ、板厚方向の均熱化が図られる。したがって、ソレノイド型誘導加熱装置間の間隔を、熱処理能率、加熱能力、通過速度等を考慮して、板厚方向均熱化に必要な時間が得られるように定めておけば、厚鋼板の板厚方向の温度均一化と表面温度の上限制約を満足しながら、目標熱処理温度になるように加熱することが可能である。
【0015】
そして、実操業では熱処理前の厚鋼板間での温度変動や厚鋼板内での長手方向の温度変動等が存在するので、精度良い管理を行うためには、厚鋼板の温度を実測して、その結果に基づいてソレノイド型誘導加熱装置を制御していくことが必要となる。その際の厚鋼板の温度測定は、板厚方向での均熱化によって表面温度がほぼ平均温度となる地点で行えばよい。
【0016】
なお、熱処理開始前の厚鋼板は板厚方向に温度分布をもっている可能性があるので、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口に配置された温度計は、例えば、特開2000−121455号公報に記載のような超音波を用いて鋼材内部の温度分布を測定する装置のように、厚鋼板の板厚方向の平均温度を計測できる温度計であることが望ましい。
【0017】
以下に、本発明の厚鋼板の熱処理方法の第1の実施形態を説明する。
【0018】
まず、厚鋼板の寸法、初期温度、目標熱処理温度、表面温度の上限制約等に基づいて、厚鋼板の昇温スケジュール、すなわち、ソレノイド型誘導加熱装置Hi(i=1〜n)での入口目標温度Tmi(i=1〜n)と出口目標温度Tni(i=1〜n)及び通過速度Vを初期設定する。その際、第i番目のソレノイド型誘導加熱装置Hiの出口目標温度Tniが第i+1番目のソレノイド型誘導加熱装置Hi+1の入口目標温度Tmi+1に対応するが、第i番目のソレノイド型誘導加熱装置Hiと第i+1番目のソレノイド型誘導加熱装置Hi+1との間での空冷による温度降下ΔTaiが無視できない場合には、それを見込んで出口目標温度Tniと入口目標温度Tmi+1を設定する。そして、ソレノイド型誘導加熱装置Hiの入口目標温度Tmiと出口目標温度とTniの差がソレノイド型誘導加熱装置Hiでの目標昇温量となるので、ソレノイド型誘導加熱装置Hiでの必要な加熱電力Phiおよび投入電力Peiが下記の式により定まる。
【0019】
加熱電力Phi=C・(Tni−Tmi)h・w・V
投入電力Pei=Phi/νi
ここで、C:厚鋼板の比熱
h:厚鋼板の板厚
w:厚鋼板の板幅
νi:第i番目のソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率
次に、上記のような初期設定に基づいて厚鋼板の熱処理を開始した後、図3に示すように、第i番目のソレノイド型誘導加熱装置Hiの入口に設定された温度計Riで測定した入口実測温度Triを入口目標温度Tmiと比較し、偏差がある場合には、その温度偏差を加熱電力ΔPhiに変換し、それを加熱効率νiで除して投入電力ΔPeiを算出し、ソレノイド型誘導加熱装置Hiへの投入電力PeiをΔPeiだけ修正する。
【0020】
これによって、目標熱処理温度および表面温度の上限制約を考慮して定めた昇温スケジュールにしたがって厚鋼板が加熱されるようになる。
【0021】
このように、厚鋼板の温度を実測し、厚鋼板の実測温度の目標温度からの偏差を求め、その温度偏差を前方補償するという制御を行うことにより、厚鋼板間での熱処理開始前温度の変動や厚鋼板内での長手方向の温度変動があっても、板厚方向の温度均一化と表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目標熱処理温度になるように精度良く加熱することができる。
【0022】
以下に、本発明の厚鋼板の熱処理方法の第2の実施形態を説明する。
【0023】
まず、厚鋼板の昇温スケジュール、すなわち、ソレノイド型誘導加熱装置Hi(i=1〜n)の入口目標温度Tmi(i=1〜n)と出口目標温度Tni(i=1〜n)および通過速度Vの初期設定については、前述の第1の実施形態と同様である。
【0024】
次に、上記のような初期設定に基づいて厚鋼板の熱処理を開始した後、図4に示すように、第i+1番目のソレノイド型誘導加熱装置Hi+1の入口に設定された温度計Ri+1で測定した入口実測温度Tri+1を入口目標温度Tmi+1と比較し、偏差がある場合には、その温度偏差をPID調節器を介して加熱電力ΔPhiに変換し、それを加熱効率νiで除して投入電力ΔPeiを算出し、ソレノイド型誘導加熱装置Hiへの投入電力PeiをΔPeiだけ修正する。
【0025】
これによって、目標熱処理温度および表面温度の上限制約を考慮して定めた昇温スケジュールにしたがって厚鋼板が加熱されるようになる。
【0026】
このように、厚鋼板の温度を実測し、厚鋼板の実測温度の目標温度からの偏差を求め、その温度偏差を後方補償するという制御を行うことにより、厚鋼板間での熱処理開始前温度の変動や厚鋼板内での長手方向の温度変動があっても、板厚方向の温度均一化と表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目標熱処理温度になるように精度良く加熱することができる。
【0027】
なお、上記の第1の実施形態および第2の実施形態においては、以下の点を考慮して実施することが望ましい。
▲1▼加熱中は、厚鋼板は全長にわたり一定速度で通過させる。温度測定の結果、あるソレノイド型誘導加熱装置で速度変更の必要があったとしても、速度を変化させると他のソレノイド型誘導加熱装置で温度変動を発生させることになる。
▲2▼厚鋼板の初期温度の変動は、できるだけ第1番目のソレノイド型誘導加熱装置で除去する。第2番目のソレノイド型誘導加熱装置以後での加熱電力増加は表面温度上限を超える危険性がある。
▲3▼第1の実施形態および第2の実施形態を併用することも効果的である。すなわち、第i番目のソレノイド型誘導加熱装置の投入電力に過不足が生じた場合、それによる温度偏差は第i+1番目のソレノイド型誘導加熱装置で補償すると同時に、第i番目のソレノイド型誘導加熱装置の誤差を速やかに修正する。厚鋼板の温度変動はフィードフォワード制御で補償し、ソレノイド型誘導加熱装置の加熱誤差はフィードバック制御で修正する。
【0028】
以下に、本発明の厚鋼板の熱処理方法の第3の実施形態を説明する。
【0029】
複数台直列配置されたソレノイド型誘導加熱装置で誘導加熱する場合、各ソレノイド型誘導加熱装置での加熱温度域は下流に行くほど高くなるため、それぞれのソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率は一様ではない。これは厚鋼板の温度により透磁率が変わるためである。したがって、ソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率を精度良く推定することが重要である。
【0030】
図5に示すように、第i番目のソレノイド型誘導加熱装置Hiの入口に設定された温度計Riで測定した実測温度Triと第i+1番目のソレノイド型誘導加熱装置Hi+1の入口に設定された温度計Ri+1で測定した実測温度Tri+1とから昇温量を求め、それにソレノイド型誘導加熱装置Hiを通過後の空冷温度降下分ΔTaiを加えてソレノイド型誘導加熱装置Hiの正味昇温量実績を算定し、それを加熱電力に変換して加熱電力実績Phi Oを算出する。そして、加熱電力実績Phi Oを投入電力実績Pei Oで除すことによりソレノイド型誘導加熱装置Hiの実績加熱効率νi Oを算出する。すなわち、
加熱電力実績Phi O=C・(Tri+1−Tri+ΔTai)h・w・V
実績加熱効率νi O=加熱電力実績Phi O/投入電力実績Pei O
ここで、C:厚鋼板の比熱
h:厚鋼板の板厚
w:厚鋼板の板幅
V:通過速度
そして、実績加熱効率νi Oを、次の厚鋼板の加熱に際して用いるソレノイド型誘導加熱装置Hiの加熱効率νiに反映する。実績加熱効率νi Oの反映方法は、例えば下記のように指数平滑等の方法を用いても良い。
【0031】
νi=(1−χ)・νi-1 O+χ・νi O (0<χ≦1)
以上のように、厚鋼板の温度を実測し、ソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率の推定精度を高めることにより、板厚方向の温度均一化と表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目標熱処理温度になるように精度良く加熱することができる。
【0032】
なお、これまでに述べた実施形態においては、厚鋼板の平均温度を測定できるように、板厚方向での均熱化によって表面温度が平均温度となる各ソレノイド型誘導加熱装置の入口に温度計を設置して温度測定を行なっているが、それに加えて、各ソレノイド型誘導加熱装置の出口に温度計を設置して各ソレノイド型誘導加熱装置を通過直後の厚鋼板の表面温度を測定することで、上限温度管理を直接行うことができる。
【0033】
また、前述の特開2000−121455号公報記載の鋼材内部温度測定装置を各ソレノイド型誘導加熱装置の出口に設置して、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過直後の厚鋼板の表面温度および内部温度を測定することによって、一層精度の良い温度管理を行うことも可能である。
【0034】
【実施例】
図6は、本発明の厚鋼板の熱処理装置の圧延ライン上に配置した例である。加熱炉3、圧延機4、冷却装置5、ホットレベラ6、誘導加熱装置7、クーリングベッド8の順に配置されている。誘導加熱装置7は、板厚8〜50mm、最大板幅4600mmの厚鋼板を140T/Hの加熱能率で、板厚方向の温度均一化と表面温度の上限制約を満足しながら加熱できるように、0.3m以上の間隔で直列に配置された4台のソレノイド型誘導加熱装置からなっており、各ソレノイド型誘導加熱装置の入口と第4番目のソレノイド型誘導加熱装置の出口には温度計が設置されている。
【0035】
そして、前述の本発明の熱処理方法の第1の実施形態によって、板厚25mm、板幅4500mmで加熱前温度が長手方向で変動している普通鋼の厚鋼板を、初期温度200℃から目標熱処理温度650℃まで、加熱上限温度を700℃として加熱した場合を、本発明の実施例として示す。なお、本発明の熱処理方法を適用しなかった場合を比較例として示す。
【0036】
図7は、それによる厚鋼板の中心温度及び表面温度の推移で、(a)は本発明の実施例のものであり、(b)は比較例のものである。
【0037】
本発明の実施例では、図7(a)に示すように、厚鋼板の先端が第1番目のソレノイド型誘導加熱装置で加熱を開始してから1秒後に測定した入口実測温度が入口目標温度200℃に比べて30℃高くなったが、フィードフォワード制御によってこの温度変動を第1番目のソレノイド型誘導加熱装置への投入電力で補償することにより、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の出口以降では、厚鋼板長手方向の温度変動がほとんど無くなっている。
【0038】
これに対して、比較例では、図7(b)に示すように、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の出口以降も加熱前の厚鋼板長手方向の温度変動がそのまま持続している。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、所定の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を加熱するともに、予め各ソレノイド型誘導加熱装置を通過する前の厚鋼板の目標温度をそれぞれ設定しておき、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過する前に測定した厚鋼板の実測温度と前記目標温度との偏差を求め、温度偏差を前方補償あるいは後方補償することにより、厚鋼板の板厚方向の温度均一化と表面温度の上限管理を行いながら、平均温度が目標熱処理温度になるように精度良く加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚鋼板の熱処理設備の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の厚鋼板の熱処理設備を用いた場合の厚鋼板の温度推移を示す図である。
【図3】本発明の厚鋼板の熱処理方法の第1の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の厚鋼板の熱処理方法の第2の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の厚鋼板の熱処理方法の第3の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の厚鋼板の熱処理装置の配置例を示す図である。
【図7】本発明の厚鋼板の熱処理方法の実施例を説明する図である。
(a)実施例の温度推移を示す図である。
(b)比較例の温度推移を示す図である。
【符号の説明】
1 厚鋼板
2 搬送ロール
3 加熱炉
4 圧延機
5 冷却装置
6 ホットレベラ
7 誘導加熱装置
8 クーリングベッド
i(i=1〜n) ソレノイド型誘導加熱装置
i(i=1〜n+1) 温度計

Claims (5)

  1. 0.3m以上の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置と、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口と各ソレノイド型誘導加熱装置の間で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点と最終ソレノイド型誘導加熱装置の出口で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点にそれぞれ設けられた温度計測手段とを有することを特徴とする厚鋼板の熱処理装置。
  2. 第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口に設けられた温度計測手段が厚鋼板の板厚方向平均温度を計測する温度計測手段であることを特徴とする請求項1に記載の厚鋼板の熱処理装置。
  3. 0.3m以上の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、予め各ソレノイド型誘導加熱装置を通過する前の厚鋼板の目標温度をそれぞれ設定しておき、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口と各ソレノイド型誘導加熱装置の間で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点において、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過する前の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度の前記目標温度からの偏差を求め、当該温度偏差を前方補償することを特徴とする厚鋼板の熱処理方法。
  4. 0.3m以上の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、予め各ソレノイド型誘導加熱装置を通過した後の厚鋼板の目標温度をそれぞれ設定しておき、各ソレノイド型誘導加熱装置の間で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点と最終ソレノイド型誘導加熱装置の出口で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点において、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過した後の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度の前記目標温度からの偏差を求め、当該温度偏差を後方補償することを特徴とする厚鋼板の熱処理方法。
  5. 0.3m以上の間隔をとって直列に配置された複数個のソレノイド型誘導加熱装置を通過させて厚鋼板を加熱するとともに、第1番目のソレノイド型誘導加熱装置の入口と各ソレノイド型誘導加熱装置の間で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点と最終ソレノイド型誘導加熱装置の出口で厚鋼板表面温度が板厚方向平均温度となる地点において、各ソレノイド型誘導加熱装置を通過前と通過後の厚鋼板の温度を実測し、当該実測温度から各ソレノイド型誘導加熱装置の実績加熱効率を算定し、算定された実績加熱効率に基づいて各ソレノイド型誘導加熱装置の加熱効率を補正することを特徴とする厚鋼板の熱処理方法。
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