JP3944711B2 - ディザマトリクス生成方法及びプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多値階調信号を入力して2値化信号に変換するディザマトリクスをスクリーン線に基づいて作成するディザマトリクス作成方法で、スクリーン線を作成するドットの核と、階調により変化するドットの核の形状と、スクリーン角を決めるドットの核の配置を決めるディザマトリクスのドットの核の配置順をブルーノイズマスクとして生成するディザマトリクス生成方法並びプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタを始めとする電子写真方式の2値化画像記録方式において、電子原稿のような多階調記録を表現しようとする場合、ディザ法のような階調処理により、原稿の濃度情報を印画ドットの粗密に置き換える処理を必用とする。
【0003】
図1、図2を用いて、従来の技術を説明する。図1の太線で囲まれた部分にハーフトーンセル1を示す。小さなマス2は、プリンタで印刷できる最小のドット1個のマスを示す。この小さなマス2が複数個集まって1個のセルを構成している。2値プリンタの場合、理論上の表現できる階調数は、1つのハーフトーンセル1を構成しているプリンタで印刷できる最小のドット2の個数で決まる。例えば、図1のハーフトーンセル1を構成するドット2の個数は、32個で、理論上表現できる階調数は、
32+1(ドットを1個も書かない)=33階調
を表現できることになる。
【0004】
しかし、滑らかな階調を表現するには、最低でも64階調以上(理想では256階調)の表現が要求される。64階調以上を表現する手段として、ハーフトーンセルを構成するドット数を64ドット以上にする方法と、図2に示す様に複数個のハーフトーンセルを使用してトータルドット数を64ドット以上にする方法がある。(以後本方式をスーパートーンセルと呼ぶ。)この方法は、特開平10−75375号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の中間階調を表現する手法のスーパートーンセル方式では、スクリーン線数を上げても、閾値マトリクスを256個以上使用すればスクリーン線数に関係なく256階調が表現できることになる。しかし、スクリーンの核となるドットの配置順が一定パターンで配置されると、階調によって異模様が発生する。例えば、図1及び図2に示す閾値マトリクスの低階調の表現を図3マトリクス(a)、マトリクス(b)に示す。
【0006】
図3は、0(白)から255(黒)の入力の内、一定階調の低階調時の印字例を示す。入力値=5、10、15、20の時の、閾値マトリクスが、図1の場合の印字結果を図3マトリクス(a)に、閾値マトリクスが、図2の場合の印字結果を図3マトリクス(b)に示す。図3マトリクス(a)の印字結果は階調数として33階調しか表現できないため、入力値=5の時では印刷できず、入力値=15と入力値=20は同じ印字結果となっている。しかし、ハーフトーンセルのドットの増え方が全て同じであるため各ハーフトーンセルドットのドット面積は一定となり、均一な中間調として見える。それに対し、図3マトリクス(b)の結果は、129階調表現できるため、入力値が5づつの変化では階調変化を表現できるが、ハーフトーンセルのドットの増え方が周期性を持って各ハーフトーンセルドットのドット面積に違いが発生する。入力=5では、ドットが発生しないハーフトーンセルと1ドット発生しているハーフトーンセルが存在する。また、入力=10では、1ドット発生しているハーフトーンセルと2ドット発生しているハーフトーンセルがある。そのため、入力=5では、スクリーン角が0°となり、入力値=10では45°として見える。このように、ハーフトーンセルのドット面積の違い(ドット発生個数の違い)に周期性がある場合は特異模様として見える。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明においては、多値階調信号を入力して2値化信号に変換するディザマトリクスをスクリーン線に基づいて作成するディザマトリクス作成方法において、スクリーン線を作成するドットの核と、階調により変化するドットの核の形状と、スクリーン角を決めるドットの核の配置を決めるディザマトリクス設定部と、前記ディザマトリクスのドットの核の配置順をブルーノイズマスクとして生成するドット核配列生成部とを備え、該ドット核配列生成部は、各縦に配列されるドット核数と各横に配列されるドット核数の差が±1個以内になる様に配列することを特徴とする。
また、多値階調信号を入力して2値化信号に変換するディザマトリクスをスクリーン線に基づいて作成するディザマトリクス作成方法において、スクリーン線を作成するドットの核と、階調により変化するドットの核の形状と、スクリーン角を決めるドットの核の配置を決めるディザマトリクス設定部と、前記ディザマトリクスのドットの核の配置順をブルーノイズマスクとして生成するドット核配列生成部とを備え、該ドット核配列生成部が、全ドット核の所定位置基準に最も遠いドット核から順番に配列し、かつ各縦に配列されるドット核数と各横に配列されるドット核数の差が±1個以内になる様に配列することを特徴とする。
さらに、前記ディザマトリクス生成方法を用いて作成されたディザマトリクスを記憶する記憶部と、前記ディザマトリクスにより多値信号を2値または多値信号に変換する変換部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を、図4から図10を用いて説明する。ここでは、スクリーン角45°でのスクリーンを例にして説明する。
【0009】
図4は本発明の一実施例によるディザマトリクス生成方法である。プリンタで印刷できる最小のドット4が複数個集まり、ハーフトーンセル3が構成され、ハーフトーンセル3が複数個集まって本発明のディザマトリクスが作成される。
【0010】
本発明のディザマトリクスは、ハーフトーンセル3をスクリーン角45°で詰められる様に並んでいる。ハーフトーンセル3は、プリンタで表現できるドット4が32個集まって構成されている。ハーフトーンセル3内のドット配列順は、中心から広がる様に配列されている。この配列順は、一般的にスクリーン形状と呼ばれ、丸く広がる形や、ダイヤの形に広げたり、格子状に広げる方法等がある。この配列順は、プリンタ性能、印刷したい画像等により色々変更しても良い。
【0011】
階調を表現するための手法としては、プリンタで印刷できる最小のドット4を64×64ドットで表現することとし、この中に128個のハーフトーンセル3を配列させる。ハーフトーンセル3の配列は、スクリーン角45°になる様に配列されている。この64×64ドットのブロックは、図4に示す様に、印刷時、上下左右に連続的に配列される形となる。例として64×64ドットを使用しているが、使用ドット数の限定は無い。また、ハーフトーンセルを例として32個で構成しているが、それ以外の数でも良い。
【0012】
128個のハーフトーンセル3に印刷する順番を決めるのであるが、請求項2にある様、任意のハーフトーンセル3を決めそこを1セル目とし、1セル目から一番遠い位置のハーフトーンセル3を2セル目とする。次に1、2セルの両方から一番遠いハーフトーンセル3を3セル目とし、次に1、2、3セルから一番遠いハーフトーンセル3を4セル目として順番を付ける。
【0013】
ハーフトーンセル3の配置順を決める時の条件として、請求項3にある様、各縦列のハーフトーンセル3配置決定個数と各横列のハーフトーンセル3配置決定個数との差が±1個以内になる様配列する必要がある。
【0014】
図5にハーフトーンセル3配置例を示す。縦列をa〜pとし 横列をA〜Pとする。縦列a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、o、pの16列縦列A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、Pの16列それぞれのセル決定数をカウントする。例えば、図6に示す様にセル(a・A)を1セル目とする。そのときa行とA列は1とカウントする。次に、図7に示す様に2セル目は1セル目から一番遠いセル(i.I)となる。そのときi行とI列は1カウントとなる。次に、図8に示す様に3セル目は、1、2セル目から一番遠いセルは、セル(a.I)であるが、a行、I列はすでに1カウントになっており、他に0カウントの行、列があるためその位置への配置は禁止となる。そこで、図9に示す様にa、i行、A、I列以外で、1、2セル目から一番遠いセル(b.H)が3セル目となる。このようにして、全てのセルに1から128までの順番を決める。
【0015】
全てのセルの順番を決める方式は、ブルーノイズ法を使用しており、詳細は特許第2622429号公報に記載されている方法で行う。
【0016】
ハーフトーンセル3内も図10に示す様にドットの配置順が決められている。ドットの配列順は、中心から広がる様に配列されている。この配列順は、一般的にスクリーン形状と呼ばれ、丸く広がる形や、ダイヤの形に広がる方法等がある。この配列順は、プリンタの性能、印刷したい画像等により変更しても良い。
【0017】
64×64ドット内でのディザマトリクス順は、ブルーノイズ法を使用して決定したハーフトーンセル3の順番1のセル内の1番目が1となり、ハーフトーンセル3の順番2のセル内の1番目が2という順に順番を付ける。ハーフトーンセル3の順番128のセル内の1番目が128となり、次にハーフトーンセル3の順番1のセル内の2番目が129となる。最後が、ハーフトーンセル3の順番128のセル内の32番目が4096となる。これは、下記式でも表せられる。
【0018】
各セル内の印刷ドット順は、
(ハーフトーンセル3の順番(1〜128)×(セル内のドット順(1〜32))+1
となる。
【0019】
また、ディザマトリクス順を255までの数字で表したい場合は、(255÷マトリクス数字最大値(4096))×ドット順(1〜4096)で求めた数値を四捨五入して整数化することで対応できる。
【0020】
このようなドット配置順(ディザマトリクス)で階調を表現すると、スクリーン線数を持った高階調スクリーン処理で、階調部での周期的模様を防ぐことが可能となり、またこのようにして作られたディザマトリクスをプリンタ内に組み込むことにより高画質プリンタが可能となる。
【0021】
尚、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、目的を達成するための種々の変形を含むものである。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、高いスクリーン線数を保ちながら高階調表現数を実現するに当たり、スクリーン線を作成するドットの核と、階調により変化するドットの核の形状と、スクリーン角を決めるドットの核の配置を決めるディザマトリクスのドットの核の配置順をブルーノイズマスクとして生成するディザマトリクス生成方法を使用することにより、ドットの配置の周期性をなくし、見た目上模様が発生しない様にすることで、階調部での模様の発生の問題を解決し、高画質での印刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術によるディザマトリクス図。
【図2】従来の技術によるディザマトリクス図。
【図3】図1、図2のディザマトリクスにおける印刷結果を示す図。
【図4】本発明によるマトリクス図。
【図5】本発明によるマトリクス行列図。
【図6】本発明による1セル目例図。
【図7】本発明による2セル目例図。
【図8】本発明による3セル目予測例図。
【図9】本発明による3セル目例図。
【図10】本発明によるセル例図。
【符号の説明】
3はハーフトーンセル、4はドットである。
Claims (3)
- 多値階調信号を入力して2値化信号に変換するディザマトリクスをスクリーン線に基づいて作成するディザマトリクス作成方法において、スクリーン線を作成するドットの核と、階調により変化するドットの核の形状と、スクリーン角を決めるドットの核の配置を決めるディザマトリクス設定部と、前記ディザマトリクスのドットの核の配置順をブルーノイズマスクとして生成するドット核配列生成部とを備え、該ドット核配列生成部は、各縦に配列されるドット核数と各横に配列されるドット核数の差が±1個以内になる様に配列することを特徴とする、ディザマトリクス生成方法。
- 多値階調信号を入力して2値化信号に変換するディザマトリクスをスクリーン線に基づいて作成するディザマトリクス作成方法において、スクリーン線を作成するドットの核と、階調により変化するドットの核の形状と、スクリーン角を決めるドットの核の配置を決めるディザマトリクス設定部と、前記ディザマトリクスのドットの核の配置順をブルーノイズマスクとして生成するドット核配列生成部とを備え、該ドット核配列生成部が、全ドット核の所定位置基準に最も遠いドット核から順番に配列し、かつ各縦に配列されるドット核数と各横に配列されるドット核数の差が±1個以内になる様に配列することを特徴とする、ディザマトリクス生成方法。
- 請求項1または2に記載のディザマトリクス生成方法を用いて作成されたディザマトリクスを記憶する記憶部と、前記ディザマトリクスにより多値信号を2値または多値信号に変換する変換部と、を備えたことを特徴とするプリンタ。
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