JP3944318B2 - 引戸の緩衝用エアシリンダ - Google Patents
引戸の緩衝用エアシリンダ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3944318B2 JP3944318B2 JP18589298A JP18589298A JP3944318B2 JP 3944318 B2 JP3944318 B2 JP 3944318B2 JP 18589298 A JP18589298 A JP 18589298A JP 18589298 A JP18589298 A JP 18589298A JP 3944318 B2 JP3944318 B2 JP 3944318B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air
- cylinder
- door
- sliding door
- piston rod
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Closing And Opening Devices For Wings, And Checks For Wings (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、戸の閉戸時の衝撃を緩和してバウンドすることなく、スムーズに戸を閉じることができる戸の緩衝装置及び緩衝用エアシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からウエイト、バネ、傾斜レール等を使用した自動閉鎖戸には、開戸した状態から減速して閉戸するようにするための緩衝装置を取り付けたものがある。かかる緩衝装置は、戸の上部に設置される緩衝用エアシリンダと戸枠に取り付ける磁石等の磁着部材とを組み合わせて構成されたものである。
【0003】
即ち、前記エアシリンダは、シリンダケース(ケーシング)内からピストンロッド(当接体)が、戸の開閉方向に出退するようにしたもので、シリンダケースの端壁には、シリンダケース内の空気を排出するための透孔が穿設されている。ピストンロッドが出退しない側の端壁の透孔は、排出される空気の流量(戸の移動速度)を調整すべく、弁棒によりその大きさが可変に構成されている。また、ピストンロッドの先端部には、戸枠に取り付けられた磁着部材に磁着する鉄片が取り付けられている。
【0004】
そして、閉戸時には、シリンダケース内に退入したピストンロッドの鉄片が戸枠側の磁石と磁着しているが、戸を開戸方向に移動させると、ピストンロッドは戸と共に移動するシリンダケース内から引き出される。ピストンロッドは所定長さまで引き出されると、それ以上は引き出されないため、ピストンロッドの鉄片が戸枠の磁石から外れて開戸される。
【0005】
閉戸するときは、戸が戸枠の方へ移動して、シリンダケース内から引き出された開位置のピストンロッドの鉄片が戸枠の磁石に当接して磁着する。戸がさらに戸枠の方へ移動すると、戸枠の磁石がピストンロッドをシリンダケース内に押し戻す。シリンダケース内の圧縮側の空気は、端壁に穿設した透孔から徐々に排出されるため、これによって抵抗力が付与されて戸は移動速度が減速され、戸枠に当接する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く閉戸する際の戸の衝撃を緩和するようにするために、シリンダケース内の圧縮側の空気が、前記透孔から徐々に排出される構成である。従って、透孔が大きいと、閉戸時に、空気は透孔から速く排出されるため、戸に対する抵抗が小さくなり、戸も速く移動して戸枠に勢い良く衝突して衝突音が発生してしまう。逆に、透孔が小さいと、シリンダケース内の排出される空気は僅かであるため、シリンダケース内で空気が圧縮されて空気バネのようになる。この結果、圧縮された空気により、ピストンロッドが押し戻され、戸がバウンドする。かかる戸のバウンド現象は、戸を速く閉じる程顕著になる傾向にある。
【0007】
そこで、本発明は、例えば、迅速に戸を閉じる場合であっても、戸がバウンドするのを防止して、衝撃を受けることなく戸を減速させて閉止できるようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明の戸の緩衝装置は、ウエイト、バネ、傾斜レール等を使用した自動閉鎖戸に使用され、開戸した状態から減速して閉戸するようにするため使用される引戸の緩衝用エアシリンダであって、引戸および戸枠の一方側に取り付けられるシリンダケースと、引戸が開くときにシリンダケースの先端側から引き出されると共に、引戸が閉じるときに前記引戸および戸枠の他方側に当接することによりシリンダケース内に退入するピストンロッドとを備え、緩衝用エアシリンダ自体に磁着部材が設けられ、引戸または戸枠側に別途設けられた磁着部材と組み合わせて緩衝装置を構成するものであり、閉戸時には、緩衝用エアシリンダ側の磁着部材が他方の磁着部材と磁着しているが、引戸を開戸方向に移動させると、ピストンロッドはシリンダケース内から引き出され、ピストンロッドが所定長さまで引き出されると、緩衝用エアシリンダ側の磁着部材が他方の磁着部材から外れて開戸され、開戸した状態では、ピストンロッドはシリンダケース内から突出した状態を維持し、閉戸する際には、引戸が戸枠の方へ移動して、緩衝用エアシリンダ側の磁着部材が戸枠側の磁着部材と当接し磁着し、その後、ピストンロッドがシリンダケース内に押し戻される緩衝用エアシリンダにおいて、引戸が閉まる速度を減速させるようにピストンロッドが退入するときのシリンダ室内の空気排出量を少量に規制する排出量規制手段と、当該排出量規制手段とは別に前記シリンダ室内の空気圧が所定圧を超えたときに該シリンダ室内の空気を外部に逃がすリリーフ弁とを備えている引戸の緩衝用エアシリンダである。
【0009】
かかる戸の緩衝用エアシリンダによれば、戸が閉まる速度が速い場合には、瞬間的にシリンダ室内の空気が圧縮され、その空気圧が大きくなるが、設定された圧力を超えるとリリーフ弁が作動してシリンダ室内の圧縮空気が外部に逃がされる。従って、戸に与える衝撃が緩和されることとなり、戸がシリンダ室内の空気に押し戻されてバウンドすることが防止される。
【0010】
その後、シリンダ室内の空気圧が所定圧以下になってリリーフ弁が復帰し、シリンダ室内の空気は、規制手段により規制されながら少量ずつ排出されるため、戸の速度は減速された状態でほとんど衝撃なく戸枠に閉止する。
【0011】
上記緩衝用エアシリンダにおいて、規制手段を、シリンダ室に連通する小孔と、該小孔からの空気排出量を調整するニードル弁とを備えたものとすれば、シリンダ室からの空気排出量の微調整を容易に行なえるとともに、このニードル弁の周囲に前記小孔からの空気の排出路を形成することができる。そして、この排出路に消音材を設けることで、小孔とニードル弁との間隙を空気が通過する際に生ずる排気音が消音される。
【0012】
また、上記消音材を、シリンダケースの基端側に固定された保持体により保持するとともに、この保持体にニードル弁を螺着させれば、構成部材数を少なくしつつも、ニードル弁と消音材とをシリンダケースに取り付けることが可能となる。さらに、保持体に、ニードル弁の周囲に形成された排出路と外部とを連通する連通孔を形成することで、保持体により確実に消音材を保持しつつも、消音材を通過してくる排出空気を円滑に外部へ排出できる。
【0013】
なお、リリーフ弁を、シリンダ室と上記排出路との間に設けて、シリンダ室内の空気を上記排出路に逃がすように構成すれば、この排出路内に設けた消音材により、リリーフ弁を通過する際に生ずる排気音と、ニードル弁を通過する際に生ずる排気音の両方を消音することができて、構成の簡素化、部品点数の少数化が図られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1〜図6は本発明の緩衝用エアシリンダ(戸の緩衝装置)の第一の実施の形態を示し、該エアシリンダは、自動閉鎖戸に使用されるものである。エアシリンダは、シリンダケース1(ケーシング)の一端部(基端部)にロッドヘッド10が設けられ、他端部(先端部)にはロッド受20が設けられ、そのロッド受20からピストンロッド2(当接体)が突出または退入する構成である。なお、ロッドヘッド10及びロッド受20は、円筒状シリンダケース1の各端部内に嵌合されている。また、ピストンロッド2の基端部には、筒状シリンダケース1内を軸方向に摺動するピストン3が設けられ、このピストン3とロッドヘッド10との間に、ピストンロッド3が退入するときに体積が減少して空気が排出されるシリンダ室が形成されている。
【0015】
前記ロッドヘッド10には、その軸中心に、軸方向基端側に開口する大径穴11が形成され、ロッドヘッド10のシリンダケース1に嵌入する内端部には、その大径穴11とシリンダケース1内の上記シリンダ室とを連通する小孔12が形成されている。而して、上記収納孔11により、シリンダ室内から小孔12を通過した空気を外部に排出するための排出路19が構成されている。
【0016】
ロッドヘッド10の内端部の前面には、前記小孔12の周囲に環状溝13が形成されており、この環状溝13は上記シリンダ室に開口されている。また、ロッドヘッド10には、図3及び図4に示す如く溝13に連通する連通孔14が形成されている。この連通孔14は、直径方向の対称位置にそれぞれ形成されている。さらに、ロッドヘッド10には、各連通孔14に連通する圧力調整孔15が、図3に示す如くロッドヘッド10の両側方向にそれぞれ穿設されている。このロッドヘッド10の側壁に開口するように設けられた圧力調整孔15は、ロッドヘッド10の側面から連通孔14に向けて直線状に構成されており、圧力調整孔15の奥部は上記排出路19に開口されている。また、該孔15の開口部付近の内周面には雌ねじが形成されている。
【0017】
各圧力調整孔15の奥端部には略球面状の弁受部15aが形成され、上記連通孔14は、この弁受部15aに連通されている。また、各圧力調整孔15の奥部には、各弁受部15aに当接することにより連通孔14と排出路19とを遮断し、各弁受部15aから離れることにより連通孔14と排出路19とを連通するためのボール17が収納されている。
圧力調整孔15に形成された雌ネジには、圧力調整ネジ16がそれぞれ螺合されている。
圧力調整孔15内で前記ボール17と圧力調整ネジ16との間には、ボール17を弁受部15aに押圧させる圧縮バネ18が介在されている。したがって、圧力調整ネジ16を進退させることによりバネ18によるボール17の押圧力を調整し得る。
【0018】
従って、シリンダ室内(シリンダケース1内)の空気圧が急激にバネ18により設定された所定圧力以上となったときに、バネ18による付勢力に抗してボール17がシリンダ室内の空気圧により浮上され、弁受部15aから離間するため、連通孔14が排出路19と連通するようになっている。尚、前記連通孔14、圧力調整孔15、圧力調整ネジ16、ボール17及び圧縮バネ18により、シリンダ室内の空気圧が所定圧を超えたときにシリンダ室内の空気を外部に逃がすリリーフ弁55(第1排出手段55)が構成されている。
【0019】
前記大径穴11の基端側(後端側)は、図1に示す如く先端側(前端側)よりも大径に形成され、この大径穴11基端部には、保持体27が螺合されている。この保持体27には、前記排出路19(大径穴)と外部とを連通するための逃がし孔29(連通孔)が複数形成されている。
【0020】
前記大径穴11(排出路19)には、消音材(消音スポンジ)24が収納されており、小孔12を排出空気が通過する際に生ずる排気音を、排出路19内で消音している。この消音材24は、ほぼ円筒状とされ、その中心孔部に後述するニードル弁30が挿通される。
【0021】
前記ロッドヘッド10には、ニードル弁30が挿通されている。ニードル弁30は、全体として直線棒状であって、前記小孔12に挿入される円錐状の弁部32と、前記大径穴11の消音材24に挿通されるストレート部33と、前記保持体27の中心に形成された雌ネジ部34に螺合される雄ネジ部35と、非円形に形成された回転操作部36とからなる。
【0022】
従って、操作部36を回転させることにより、雄ネジ部35は保持体27の雌ネジ部34に対して螺進するため、弁部32を小孔12に挿入して当接させたり、両者の間隔を変更したりし、シリンダケース1内から排出される空気の流量(速度)を調節できる。更に、ニードル弁30の雄ネジ部35には、保持体27の端面に当接するロックナット38を螺合して、ニードル弁30を所定の位置で固定できる。尚、前記小孔12及びニードル弁30により、戸60が閉まる速度を減速させるようにピストンロッド2が退入するときのシリンダ室内の空気排出量を少量に規制する排出量規制手段56(第2排出手段)が構成されている。
【0023】
また、この排出量規制手段56によって、ピストンロッド2が引き出された開位置から、シリンダケース1内に退入させられた閉位置に移動するときに抵抗力を付与する抵抗付与手段が構成されることとなる。さらに、上記リリーフ弁55によって、ピストンロッド2に閉方向(退入方向)の所定圧を超える力が作用するときに抵抗付与手段56により付与される抵抗力を低減させる抵抗低減手段が構成される。
【0024】
シリンダケース1の他端部を塞ぐ前記ロッド受20は、ピストンロッド2が突出又は退入することができるように筒状を呈し、ロッド受20の内周面とピストンロッド2との間には、間隙が形成されている。ピストンロッド2の後端側には、シリンダケース1の内周に当接するピストン3が取り付けられている。
ここで、ピストン3とロッドヘッド10との間の空間をシリンダ後室といい、ピストン3とロッド受20との間の空間をシリンダ前室といい、ピストンロッドが退入するときに空気が排出されるシリンダ室は、本実施形態ではシリンダ後室となる。
【0025】
上記ピストン3は、円環状のバルブシート6と、該シート6の軸方向両側部に設けられた円筒状の保油フェルト7とを備えている。各保油フェルト7の内周面とピストンロッド2の外周面との間には空隙が形成されており、空気がフェルト7の前後に流通可能となっている。一方、バルブシート6の外周は、ピストンロッド2が引き出されるときにはシリンダ前室からシリンダ後室への空気の流入を許すが、ピストンロッド2が退入されるときにはシリンダ後室内の空気圧により膨出されてシリンダケース1内面に密着して空気の流通を防ぐ弁として構成されている。
【0026】
シリンダケース1の外側に突出するピストンロッド2の先端部には、金属製の吸着盤としての磁着部材4が取り付けられている。なお、この磁着部材4は、戸枠61側に取り付ける磁着部材53に磁石を用いる場合には、鉄並びに鉄分を含む合金を用いることができ、また、磁着部材53に磁着する方向の磁性を有する磁石を用いてもよい。
【0027】
自動閉鎖戸のエアシリンダは以上のように構成され、このエアシリンダが戸(引戸)51の上部に設置される。このエアシリンダと戸枠61に取り付けた磁石などの磁着部材とが組み合わされて自動閉鎖戸の緩衝装置として使用する。
【0028】
戸60の閉戸した状態においては、エアシリンダのピストンロッド2がシリンダケース1内に退入し、そのピストンロッド2に取り付けられた磁着部材4と戸枠61に取り付けられた磁着部材53とが磁着している。開戸すると、ピストンロッド2の磁着部材4と戸枠61の磁着部材53とが磁着していることから、ピストンロッド2が図6に示すようにシリンダケース1内から引き出される。
【0029】
このとき、前室内の空気が、ロッド受20とピストンロッド2との間から排出されるとともに、バルブシート6の外周を流通して後室内に流入されながら、ピストン3がシリンダケース1内を移動する。ピストン3がロッド受20に当接する(このときのピストンロッドの位置を「開位置」という)と、ピストンロッド2はそれ以上引き出されないため、戸60がさらに移動すると、ピストンロッド2に取り付けられた磁着部材4が戸枠61の磁着部材53から外れて開戸する。開戸した状態では、ピストンロッド2はシリンダケース1内から突出した状態を維持する。
【0030】
閉戸する際には、戸60が戸枠61の方へ移動して、シリンダケース1内から引き出されたピストンロッド2の磁着部材4が戸枠61の磁着部材53と当接し磁着する。その後、ピストンロッド2がシリンダケース1内に押し戻される。
【0031】
戸60の移動速度が速いほど、ピストンロッド2が戸枠61に当接した際のピストンロッド2に作用する閉方向の押圧力が大きくなり、後室内の空気は急激に圧縮されるのであるが、後室内のニードル弁30の棒状部32と小孔12との隙間から排出される空気量は僅かであることから、大部分の空気は、環状溝13から連通孔14内に流入する。
【0032】
そして、連通孔14内に流入した空気は、ボール17を圧縮バネ18の弾性力に抗して押圧するため、圧縮バネ18が圧縮されてボール17が受部15aと離間する方へ移動する。この結果、連通孔14と大径穴11とが連通し、後室内の空気は環状溝13から連通孔14を通過して大径穴11内に流入し、更に、消音材24を通過した空気は、保持体27の逃げ孔29を介して、エアシリンダの外部へ瞬時に逃げることとなり、ピストンロッド2が戸枠61側の磁着部材に勢い良く当接することがあっても、その衝撃が緩和され、バウンドすることはない。
【0033】
その後、戸が閉まる速度が遅くなると、後室内の僅かな空気は、ニードル弁30の棒状部32と小孔12との隙間を介して大径穴11内に流入し、消音材24を通過して同様に外部に放出されることとなる。
何れの空気も消音材24を透過するため、空気の排出の際の独特な排気音が発生することがない。
【0034】
更に、戸はピストンロッド2の抵抗力により減速し、後室内の空気圧が小さくなる。この結果、圧力調整孔15内の圧縮バネ18がボール17を押圧して移動させ、連通孔14と大径穴11とは遮断される。しかし、後室内の空気はニードル弁30の棒状部32と小孔12との隙間から大径穴11内に排出される。この隙間から排出された空気量は、前記リリーフ弁55(第一排出手段)から排出される空気量よりも少なく、少しずつ排出されるため、戸60は移動速度が減速された状態で戸枠61に緩衝して当接する。
【0035】
また、圧力調整ネジ16の締め加減によって、圧縮バネ18がボール17を押圧する押圧力を調節することができる。すなわち、圧力調整ネジ16を緩く締めて、圧縮バネ18が圧縮されやすい状態(圧縮バネ18の弾性力を弱くした状態)にすると、ボール18が移動しやすくなり、後室内の空気は、低圧であっても連通孔14から大径穴11内に速く排出される。
【0036】
逆に、圧力調整ネジ16を圧力調整孔15の奥まで締めると、圧縮バネ18の弾性力が大きくなるため、ボール17が移動しにくくなり、後室内の空気は、高圧であっても連通孔14から大径穴11内に遅く排出される。
【0037】
このように圧力調整ネジ16によって、後室内の空気が連通孔14から大径穴11内に排出される速度を調整することにより、第一排出手段55が作動する空気圧と戸の移動速度を変えることができる。
【0038】
図7は、本発明の第二実施の形態を示し、上記第1の実施の形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略するとともに、異なる構成、作用効果について説明する。
本第2実施形態において、ロッドヘッド10に形成された大径穴11に、前記圧力調整孔15が連通している。尚、圧力調整孔15及び圧力調整ネジ16等の第1排出手段55は単体となっている。
【0039】
前記ニードル弁30は、大径穴11の内面に形成された雌ネジに螺合される筒状部41と、テーパー状の小孔12に挿入される棒状部42とから構成されている。筒状部41の先端側(前端側)は小径筒部、基端側(後端側)は大径筒部とされており、筒状部41の小径部の外周面と大径穴11の内周面との間には、小孔12に連通する隙間が形成されている。また、筒状部41の小径部には、前記隙間と筒状部41内とを連通する多数の小窓43が形成されている。従って、小孔12から排出された空気は、前記隙間を介して筒状部41内に流入され、筒状部の基端部から外部に排気される。而して、前記隙間と筒状部の内部空間とによって、小孔12を通過した空気を外部に排出する排出路19が構成されている。
【0040】
筒状部41の大径部内には消音材24が収納され、また、筒状部41の後端部は開口されているため、消音材24が脱落しないようにロールピン45が挿通されている。
【0041】
本実施の形態の緩衝用エアシリンダでは、前記環状溝13から連通孔14内に流入した空気は、前記ボール17を移動させ圧力調整孔15を通過した後に、小窓43を介してニードル弁30内に入リ、更に、消音材24を通過して外部に放出される。このため、戸60のバウンドは防止される。
【0042】
また、小孔12とニードル弁30との間隙を通過した空気は、大径穴11内を経た後に、小窓43を介してニードル弁30内に入リ、消音材24を通過して外部に放出され、戸60を減速させることができる。
【0043】
図8〜図12は本発明の第3の実施の形態を示し、上記第1実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略するとともに、異なる構成、作用効果について説明する。
【0044】
本第3実施形態では、保持体27は、ロッドヘッド10に形成された挿入溝22に側方から挿し込むことによりロッドヘッド10に取り付けられている。該保持体27の幅方向中央部には軸方向基端側に突出するリブ23が設けられ、該リブ23の基端面は外部に露出されるとともにロッドヘッド10の基端面と面一に構成されており、納まりを良くして外観商品性を向上している。
【0045】
また、ピストンロッド2の外周には、軸方向に延びる凸条25が形成されており、ロッド受け20の内周には、ロッド2が回転することを阻止するために、凸条25が係合する凹部26が形成されている。また、リリーフ弁からなる抵抗低減手段55(第1排出手段)は、本実施形態では一つ設けられている。
【0046】
上記第3実施形態によれば、例えばスポンジ性の消音材24を排出路19内に収納して保持体27を取り付けるときに、消音材24が排出路19から飛び出さないように指などで押さえておきながら保持体27を側方から若干挿し込めば、かかる挿入途中の保持体27により消音材24を保持することができて、保持体27の取り付け過程で消音材24が飛び出すことを防止することができる。
【0047】
図13〜図15は、本発明の第4の実施の形態を示し、リリーフ弁からなる抵抗低減手段55がシリンダケースの直径方向に対向する位置に一対設けられている点を除けば、上記第3実施形態と同様の構成であるので、同符号を付して詳細説明を省略する。
【0048】
本発明は上記のそれぞれの実施の形態に限定されるものではなく、エアシリンダが戸枠61の固定側に取り付けられ、ピストンロッド2側の磁着部材4に磁着する磁着部材53を戸60の移動側に取り付けることも可能である。
【0049】
また、例えば、4枚引戸の場合には、互いに開閉することにより、当接したり離間したりする左右勝手違いの引戸に、エアシリンダをそれぞれ対向するように取り付け、各ピストンロッド2の磁性を有する磁着部材4同士を磁着するようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、戸および戸枠の一方側に取り付けられるシリンダケースと、戸が開くときにシリンダケースの先端側から引き出されると共に、戸が閉じるときに前記戸および戸枠の他方側に当接することによりシリンダケース内に退入するピストンロッドと、戸が閉まる速度を減速させるようにピストンロッドが退入するときのシリンダ室内の空気排出量を少量に規制する排出量規制手段と、前記シリンダ室内の空気圧が所定圧を超えたときに該シリンダ室内の空気を外部に逃がすリリーフ弁とを備えているものであるから、戸を勢いよく閉めることにより瞬間的にシリンダ室内の空気が圧縮された場合でも、シリンダ室内の空気圧が所定圧を超えるとリリーフ弁が作動して瞬間的にシリンダ室内の空気圧を低減させることができ、これによりピストンロッドが戸又は戸枠側に当接した際に戸に与える衝撃を緩和することができ、戸がシリンダ室内の空気に押し戻されてバウンドすることを防止することができる。
【0051】
さらに、上記リリーフ弁から逃がされた空気の外部への通路内に消音材を設けておけば、瞬間的にシリンダ室内の空気がリリーフ弁により逃がされる際に生ずる排気音を消音することができる。
【0052】
また、規制手段を、前記シリンダ室に連通する小孔と、該小孔からの空気排出量を調整するニードル弁とを備えて構成し、該ニードル弁の周囲に前記小孔を通過した空気を外部に排出する排出路を形成するとともに、該排出路に消音材を設けたものでは、規制手段による空気排出量を微調整することができるとともに、ニードル弁の周囲に排出路を形成することで構成の簡素化を図ることができ、さらに、その排出路に消音材を設けて、小孔からの排気音を消音することができる。
【0053】
さらに、上記リリーフ弁を、前記シリンダ室と前記排出路との間に設ければ、リリーフ弁からの排気音を、排出路に設けた消音材により消音することができ、構成部品数の少数化を図りつつも、リリーフ弁からの排気音と、小孔からの排気音の両方を消音することができる。
【0054】
また、上記消音材を、シリンダケースの基端側に取り付けられた保持体により保持し、該保持体にニードル弁を螺着するとともに、保持体に、ニードル弁の周囲に形成された排出路と外部とを連通する連通孔を形成すれば、構造の簡素化を図ることができるとともに、消音材を排出路内に収納した後に保持体をシリンダケースに取り付け、その後保持体にニードル弁を螺着することにより構成でき、製造の容易化をも図ることができる。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施の形態の要部を示す断面正面図である。
【図2】 同全体を示す断面平面図である。
【図3】 同図2のA−A線断面図である。
【図4】 同図5のB−B線断面図である。
【図5】 同図1のC−C線断面図である。
【図6】 同ピストンロッドが突出した状態の一部断面正面図である。
【図7】 本発明の第二実施の形態の要部を示す断面正面図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態に係る戸の緩衝用エアシリンダを示し、(a)はシリンダケースを断面して示す全体平面図、(b)は全体正面断面図である。
【図9】 図8のD−D線断面図である。
【図10】 図8のE−E線断面図である。
【図11】 同実施の形態に係るエアシリンダの拡大右側面図である。
【図12】 同実施の形態に係るエアシリンダの拡大左側面図である。
【図13】 本発明の第4の実施の形態に係る戸の緩衝用エアシリンダを示し、(a)はシリンダケースを断面して示す全体平面図、(b)は全体正面断面図である。
【図14】 図13のF−F線断面図である。
【図15】 図13のG−G線断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダケース(ケーシング)
2 ピストンロッド(当接体)
19 小孔を通過した空気を外部に排出する排出路(リリーフ弁から逃がされた空気の外部への通路)
24 消音材
27 保持体
29 保持体に形成された連通孔
30 ニードル弁
55 第1手段(リリーフ弁により構成される抵抗低減手段)
56 第2手段(シリンダ室内の空気排出量を規制する規制手段により構成される抵抗付与手段)
60 戸
61 戸枠
Claims (5)
- ウエイト、バネ、傾斜レール等を使用した自動閉鎖戸に使用され、開戸した状態から減速して閉戸するようにするため使用される引戸の緩衝用エアシリンダであって、引戸および戸枠の一方側に取り付けられるシリンダケースと、引戸が開くときにシリンダケースの先端側から引き出されると共に、引戸が閉じるときに前記引戸および戸枠の他方側に当接することによりシリンダケース内に退入するピストンロッドとを備え、緩衝用エアシリンダ自体に磁着部材が設けられ、引戸または戸枠側に別途設けられた磁着部材と組み合わせて緩衝装置を構成するものであり、閉戸時には、緩衝用エアシリンダ側の磁着部材が他方の磁着部材と磁着しているが、引戸を開戸方向に移動させると、ピストンロッドはシリンダケース内から引き出され、ピストンロッドが所定長さまで引き出されると、緩衝用エアシリンダ側の磁着部材が他方の磁着部材から外れて開戸され、開戸した状態では、ピストンロッドはシリンダケース内から突出した状態を維持し、閉戸する際には、引戸が戸枠の方へ移動して、緩衝用エアシリンダ側の磁着部材が戸枠側の磁着部材と当接し磁着し、その後、ピストンロッドがシリンダケース内に押し戻される緩衝用エアシリンダにおいて、引戸が閉まる速度を減速させるようにピストンロッドが退入するときのシリンダ室内の空気排出量を少量に規制する排出量規制手段と、当該排出量規制手段とは別に前記シリンダ室内の空気圧が所定圧を超えたときに該シリンダ室内の空気を外部に逃がすリリーフ弁とを備えている引戸の緩衝用エアシリンダ。
- 前記リリーフ弁から逃がされた空気の外部への通路内に消音材が設けられている請求項1に記載の引戸の緩衝用エアシリンダ。
- 排出量規制手段は、前記シリンダ室に連通する小孔と、該小孔からの空気排出量を調整するニードル弁とを備え、該ニードル弁の周囲に前記小孔を通過した空気を外部に排出する排出路が形成されているとともに、該排出路に消音材が設けられている請求項1または2に記載の引戸の緩衝用エアシリンダ。
- リリーフ弁が、前記シリンダ室と前記排出路との間に設けられている請求項3に記載の引戸の緩衝用エアシリンダ。
- 消音材は、シリンダケースの基端側に取り付けられた保持体により保持され、該保持体にニードル弁が螺着されているとともに、前記保持体に、ニードル弁の周囲に形成された排出路と外部とを連通する連通孔が形成されている請求項3又は4に記載の引戸の緩衝用エアシリンダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18589298A JP3944318B2 (ja) | 1997-11-14 | 1998-07-01 | 引戸の緩衝用エアシリンダ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-331251 | 1997-11-14 | ||
JP33125197 | 1997-11-14 | ||
JP18589298A JP3944318B2 (ja) | 1997-11-14 | 1998-07-01 | 引戸の緩衝用エアシリンダ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11200702A JPH11200702A (ja) | 1999-07-27 |
JP3944318B2 true JP3944318B2 (ja) | 2007-07-11 |
Family
ID=26503394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18589298A Expired - Fee Related JP3944318B2 (ja) | 1997-11-14 | 1998-07-01 | 引戸の緩衝用エアシリンダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3944318B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100655307B1 (ko) | 2004-12-29 | 2006-12-08 | 두산인프라코어 주식회사 | 스플래쉬가드의 도어 진동방지 장치 |
JP2010270454A (ja) * | 2009-05-19 | 2010-12-02 | Jakuetsu Kankyo Jigyo:Kk | 引戸装置 |
-
1998
- 1998-07-01 JP JP18589298A patent/JP3944318B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11200702A (ja) | 1999-07-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2557064Y2 (ja) | 収納箱等のダンパ−装置の構造 | |
KR860000353B1 (ko) | 공기압 완충기 | |
JP5284801B2 (ja) | 汎用衝撃防止装置 | |
WO2007116575A1 (ja) | 速度応答型ダンパ及び衝撃吸収ダンパ装置 | |
JP5428090B2 (ja) | 緩衝閉鎖装置 | |
JP3944318B2 (ja) | 引戸の緩衝用エアシリンダ | |
US5437079A (en) | Door hinge | |
JPS5865306A (ja) | 端位置緩衝装置を備えた空圧シリンダ | |
JP2008156906A (ja) | 折り戸開閉装置 | |
JP2001263516A (ja) | リリーフバルブ | |
KR200294107Y1 (ko) | 도어 충격 완충장치 | |
JP4580595B2 (ja) | 緩衝器 | |
KR100572005B1 (ko) | 유압댐퍼 | |
JP2007303184A (ja) | 折り戸開閉装置 | |
JP2909005B2 (ja) | 自動閉鎖引き戸用エアダンパの消音ブラケット | |
JP2002005212A (ja) | エアーダンパ | |
JP2001336649A (ja) | カウンターウェイト機構を有する逆止弁の緩衝装置 | |
JP2002349129A (ja) | 引き戸のエアダンパ | |
JPS5840583Y2 (ja) | 作動緩衝型ソレノイド | |
CA2454019A1 (en) | Bumper device | |
CN217519175U (zh) | 一种新型的减震降噪装置 | |
JP3167786B2 (ja) | ショックアブソーバ | |
KR100501672B1 (ko) | 글로브박스 도어용 에어댐퍼 | |
JP2004162755A (ja) | エアダンパ− | |
JP2006219936A (ja) | 建具用緩衝装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050627 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061225 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070315 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070409 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413 Year of fee payment: 4 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |