JP3943385B2 - 反射板形成用転写材料の製造方法及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

反射板形成用転写材料の製造方法及び液晶表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射板形成用転写材料の製造方法及び液晶表示装置の製造方法に関し、特に、OA機器、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端末等に好適に用いられる液晶表示装置の製造方法、並びに、これに用いる反射板形成用転写材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CRTに代わるフラットパネル型表示装置として、現在最も広く使用ないし期待されているのは液晶表示装置(LCD)である。中でも、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)方式のLCD(TFT−LCD)は、パーソナルコンピュータ、ワープロ、OA機器、携帯テレビジョン等への応用による市場の一層の拡大が期待されている。
特にマルチメディア社会の進展に伴って、可搬性のある情報ツールとしてのノート型パソコンや携帯型情報端末の分野では、より薄型・軽量で且つ、装置の使用可能時間を長くする目的で消費電力の少ない液晶表示装置が求められている。反射型液晶表示装置は、室内照明や太陽光などの外光を利用することから、バックライトやフロントライトによる電力の消費が無いか、または少なく、従来の透過型液晶表示装置に比較して消費電力を低くすることが可能であり、薄型・軽量化が可能である。
【0003】
このような反射型液晶表示装置には、従来よりTN(ツイステッドネマティック)方式、STN(スーパーツイステッドネマティック)方式、及び特開平5−173158号公報に示されているような相転移型ゲストホスト方式等が使用されている。
【0004】
これら反射型液晶表示装置において、より明るい表示を得るためには、あらゆる角度からの入射光に対して表示画面に垂直な方向へ散乱する光強度を増加させることが必要となってくる。このため、特開平6−75237号公報には、絶縁性のガラス基板上に凹凸の形状を制御して形成し、その上にAl、Ag等の金属膜を形成した反射板を形成することが記載されている。上記提案の反射板は、フォトリソグラフィー等により、ガラス基板表面に高分子材料を用いた柱状の凸部分を形成した後、加熱処理により柱状構造の上縁部分の角を熱的に変形させて、上縁部分が丸くなるような形状を作製し、更に高分子樹脂膜を積層することにより柱状構造の隙間を埋め込み、連続した波状の表面形状を形成し、この波状樹脂表面上にAl、Ag等の金属膜を成膜することにより連続した波状の表面を有する反射板を作製している。
【0005】
しかしながら、上記提案による反射板の作製においては、少なくとも3層の膜構造を形成する必要があり、3回の成膜工程及び加工工程が必要となることから、工程数が多くなるという欠点がある。さらに柱状部分の上縁部を丸く、角のない形状にするために少なくとも200℃以上の加熱工程が必要となる。このため、液晶表示装置のさらなる薄型・軽量化を目的として、基板に高分子樹脂基板を用いる場合、加熱時に基板の変形、収縮等が発生することから、プロセスを行うことができず、使用できる材料が高耐熱樹脂等に限られてしまうといった問題があった。
かかる課題を解決するため、特開平11−153804号公報では、光照射によって自己形成的に形成される凸形状を有し、熱処理などを必要としない反射電極を備えた反射型液晶表示装置が提案されている。
【0006】
この自己形成的に形成される凸形状の制御は、照射された光エネルギーに依存し、光照射時間又は光照射エネルギーを制御することにより、2μm程度までの範囲で凸部分の高さをコントロールすることができる。
【0007】
しかしながら、前記光の照射エネルギーは、例えば1.2J/cm〜1.5J/cm程度であり、照射時間は200秒前後必要である。このことから、上記方法においては、製造ラインのタクトタイムが3分以上と長くかかり、生産性が劣るという問題がある。
【0008】
一方、半透過型液晶表示装置(半透過型LCD)は、モバイル用途に最適なシステムとして普及し始めている。このセル構造は、複雑であり、1画素内に透過型LCD部分と反射型LCD部分を併設している。これら2つの部分は同じ液晶厚で設計すると各々のスイッチングが中途半端な調整しかできないので、透過型LCD部分の液晶厚を反射型LCD部分の液晶厚の2倍にするシステムが提案されている(特開平11−242226号公報、特開2000−187220号公報)。
【0009】
即ち、前記2重構造半透過型LCDは、基板ガラスを貼り合せて形成するセルギャップは基本的に透過型LCDのギャップd1に調整するが、反射型LCD部分はセルギャップを半分にするため、略1/2d1の厚さの絶縁膜をフォトリソグラフィーで形成する。この絶縁膜上を乱反射する反射板にするために、絶縁膜を2層構成の塗布膜にすることが特開2000−187220号公報などに開示されている。
【0010】
しかしながら、この方法では、多段階の工程を必要とし、その結果できあがったLCDのコストが高くなってしまうという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の課題を解決することを目的とする。即ち、本発明は、簡略な工程で、良好な反射特性を有する反射電極を有す反射型液晶表示装置の製造方法と、これに用いる反射板形成用転写材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 仮支持体上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層、少なくとも1層の中間層、感光性樹脂層をこの順に設けてなる反射板形成用転写材料を用いて、前記感光性樹脂層を塗布形成し乾燥させた後の巻き取り雰囲気を加湿状態とするか、又は巻き取り後の転写材料を加湿状態で保存することによる中間層のレチキュレーションにより前記感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面に凹凸部を形成することを特徴とする反射板形成用転写材料の製造方法である。
<2> 前記熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層から選ばれる少なくとも1層に透明微粒子を含有する前記<1>に記載の反射板形成用転写材料の製造方法である。
<3> 前記透明微粒子が、アルカリ可溶性である前記<2>に記載の反射板形成用転写材料の製造方法である。
<4> 加湿状態が温度30〜50℃で湿度60〜90%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の反射板形成用転写材料の製造方法である。
<5> 前記反射板形成用転写材料を用いて、前記感光性樹脂層を加熱硬化することにより前記感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面に凹凸部を形成することを特徴とする前記<2>から<3>のいずれかに記載の反射板形成用転写材料の製造方法である。
<6> 前記感光性樹脂層が着色剤を含まない前記<1>から<5>のいずれかに記載の反射板形成用転写材料の製造方法である。
<7> 光反射機能を有する第1の電極が第2の基板に対向する面に少なくとも一部形成されている第1の基板と、該第1の基板に対向配置されている第2の基板と、第1及び第2の基板の間に封入されている液晶層とを備える液晶表示装置の製造方法において、前記第1の基板と第1の電極との間に、前記<1>乃至<6>のいずれかに記載の製造方法により製造された反射板形成用転写材料を用い、転写を含む工程で表面に凹凸部を有する樹脂層を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
<反射板形成用転写材料>
本発明の反射板形成用転写材料は、仮支持体上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層、少なくとも1層の中間層、感光性樹脂層をこの順に設けてなり、少なくとも該感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面に凹凸部が形成されてなるものである。
【0014】
前記凹凸部は少なくとも前記感光性樹脂層の仮支持体側の界面、具体的には、凹凸部は感光性樹脂層に隣接する層、感光性樹脂層に隣接する仮支持体、中間層、又は熱可塑性樹脂層に設けられる。
この場合、前記熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層から選ばれる少なくとも1層に透明微粒子を含有することが凹凸を形成する上で好ましい。
図1は、前記反射板形成用転写材料の一実施形態を示す概略断面図であり、仮支持体1上に熱可塑性樹脂層2、中間層3、感光性樹脂層4をこの順に設けてなり、前記中間層3に透明微粒子5が含有されており、これにより、感光性樹脂層4の前記仮支持体側の界面に凹凸部6が形成されている。
なお、前記感光性樹脂層は着色剤を含まないことが、反射板の下地、液晶セル内の反射電極の用途に用いる上で好ましい。但し、迷光を除去する等の目的で感光性樹脂層が着色される場合もある。
【0015】
−凹凸部の形状とサイズ及び個数−
前記凹凸部の底面の形状には、特に制限はないが、正方形、長方形、円形、楕円形などが好適である。
凹凸部の底面の形状が正方形又は円形の場合には一辺(又は直径)が、好ましくは2〜100μm、より好ましくは5〜50μm程度である。
凹凸部の底面の形状が長方形又は楕円形の場合には短辺(又は短径)が、好ましくは2〜100μm、より好ましくは5〜50μm程度である。なお、短辺(短径)が5μmであり、かつ長辺(長径)が100μmである長方形又は楕円形は図形というよりは線に近いが、本発明ではこのような形状の凹凸部もすべて含まれる。
また、本発明では、凹凸部のサイズ、形状などをランダムに変化させて配置することで、回折による色付きや縞の発生を防止することが好ましい。
また、前記凹凸部の個数は、液晶表示装置の用途などに応じて異なるが、画素当たり1〜100個、より好ましくは1〜30個である。
前記凹凸部は不規則に配置され、連続した波形状を有することが良好な反射特性を得ることができる観点から望ましい。また、後述するように、反射板形成用転写材料を反射板に形成した場合において、所定のピッチ、PV値を有する。
【0016】
前記感光性樹脂層の表面に形成される凹凸部は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、簡便かつ効率よく凹凸部を形成する観点から、後述する反射板形成用転写材料の製造方法により、反射板形成用転写材料の製造と同時に前記感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面に凹凸部が形成される。
【0017】
前記反射板形成用転写材料は、仮支持体上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層、少なくとも1層の中間層、感光性樹脂層をこの順に設けてなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。以下、反射板形成用転写材料の各構成層及びこれらに含まれる構成成分について説明する。
【0018】
−仮支持体−
前記仮支持体としては、熱可塑性樹脂層に対して転写に支障とならない程度の剥離性を有するものが好ましく、化学的、熱的に安定で可撓性のものが好ましい。具体的には、テフロン(R)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄膜シート又はこれらの積層物が好適に挙げられる。
【0019】
前記仮支持体と熱可塑性樹脂との間に良好な剥離性を確保するために、グロー放電等の表面処理は施さず、またゼラチン等の下塗り層も設けないことが好ましい。
【0020】
前記仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、20〜150μmが好ましい。
【0021】
−熱可塑性樹脂層−
前記熱可塑性樹脂層は、仮支持体上の第一層目として設けられ、主として熱可塑性樹脂を含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、転写後のアルカリ現像を可能とし、或いは転写時の転写条件によっては熱可塑性樹脂が周囲にはみ出して被転写体である基板上を汚染してしまう場合に除去処理を可能とする観点から、アルカリ性水溶液に可溶な樹脂が好適である。更に、熱可塑性樹脂層は、被転写体である基板の導電膜上に転写する際、導電パターン膜上に存在する凹凸に起因して生じ得る転写不良を防止するクッション材としての機能をも発揮させる観点から、加熱密着時に前記凹凸に応じて変形し得る十分な可塑性を有するものが好ましい。
【0022】
また、前記反射板形成用転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の他、後述する中間層、感光性樹脂層を順次積層して構成される場合には、特に熱可塑性樹脂層と仮支持体との間の接着強度を他の層間における接着強度より小さくすることが望ましく、これにより転写後、仮支持体を容易かつ熱可塑性樹脂層の破壊を伴うことなく除去することができるので、仮支持体除去後の感光性樹脂層への露光を均一に行うことができる。
【0023】
上記の点から、前記熱可塑性樹脂としては、アルカリ可溶性であって、実質的な軟化点が80℃以下の樹脂が好ましい。
軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物等が挙げられ、一種単独よりなるものであっても、二種以上を併用したものであってもよい。
【0024】
更に、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)に記載の、軟化点が約80℃以下の有機高分子のうち、アルカリ水溶液に可溶なものも使用できる。
【0025】
また、軟化点80℃以上の有機高分子物質であっても、その有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することにより、実質的な軟化点を80℃以下に下げて使用することもできる。前記可塑剤としては、既述の光硬化性組成物に使用可能な可塑剤と同様のものが挙げられる。
【0026】
前記有機高分子物質を用いる場合、後述の仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を超えない範囲で、各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤等を加えることもできる。
【0027】
前記熱可塑性樹脂層には、前記感光性樹脂層の仮支持体側の界面に凹凸部を形成する目的で透明微粒子を含有させることができる。
前記透明微粒子としては、球状で、アルカリ可溶性であり、現像液で溶解するものが好ましい。
また、透明微粒子の平均粒径が0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。
【0028】
前記透明微粒子としては、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂製微粒子、シリカ等の無機化合物の微粒子などが挙げられる。
透明微粒子の添加量は、熱可塑性樹脂層組成物100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。
【0029】
前記熱可塑性樹脂層は、前記熱可塑性樹脂と必要に応じて他の成分を有機溶剤に溶解して塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を調製し、例えば、スピンコート法等の公知の塗布方法により仮支持体上に塗布等して形成することができる。
【0030】
前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキンプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0031】
これらの中でも、各成分の溶解性、及び膜形成性の点で、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエステル類、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコール類が特に好適である。
【0032】
更に、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。
【0033】
前記熱可塑性樹脂層の層厚としては、6〜100μmが好ましく、6〜50μmがより好ましい。前記層厚が、6μm未満であると、導電膜上の1μm以上の凹凸を完全に吸収することができないことがあり、一方、100μmを超えると、現像性、製造適性が低下することがある。
【0034】
−中間層−
前記中間層は、前記感光性樹脂層上に設けられ、前記反射板形成用転写材料が熱可塑性樹脂層を有する場合には該感光性樹脂層と該熱可塑性樹脂層との間に設けられる。前記感光性樹脂層と熱可塑性樹脂層との形成においては有機溶剤を用いるため、該中間層がその間に位置すると、両層が互いに混ざり合うのを防止することができる。
また、前記中間層は、その酸素遮断能が低下すると、感光性樹脂層の重合感度が低下して、露光時の光量をアップしたり、露光時間を長くする必要が生ずるばかりか、解像度も低下することになるため、酸素透過性の小さいことが好ましい。
【0035】
前記中間層は、水又はアルカリ水溶液に分散、溶解可能な樹脂成分を主に構成され、必要に応じて、界面活性剤等の他の成分を含んでいてもよい。
前記中間層を構成する樹脂成分としては、公知のものを使用することができ、例えば、特開昭46−2121号公報及び特公昭56−40824号公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも親水性高分子を使用するのが好ましく、該親水性高分子の中でも、少なくともポリビニルアルコールを使用するのが好ましく、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの併用が特に好ましい。
【0036】
前記ポリビニルアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、その鹸化率が80%以上であるのが好ましい。
前記ポリビニルピロリドンを使用する場合、その含有量としては、該中間層の固形分に対し、1〜75体積%であるのが好ましく、1〜60体積%であるのがより好ましく、10〜50体積%であるのが特に好ましい。
前記含有量が、1体積%未満であると、前記感光性樹脂層との十分な密着性が得られないことがあり、一方、75体積%を超えると、酸素遮断能が低下することがあり、好ましくない。
【0037】
また、前記中間層には、前記感光性樹脂層の仮支持体側の界面に凹凸部を形成する目的で透明微粒子を含有することが好ましい。
前記透明微粒子としては、球状で、アルカリ可溶性であり、現像液で溶解するものが好ましい。
また、透明微粒子の平均粒径が0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。
【0038】
前記透明微粒子としては、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂製微粒子、シリカ等の無機化合物の微粒子などが挙げられる。
透明微粒子の添加量は、中間層組成物100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。
【0039】
前記中間層は、前記樹脂成分等を水系溶媒に溶解、分散して塗布液(中間層用塗布液)を調製し、例えば、スピンコート法等の公知の塗布方法により前記熱可塑性樹脂層上に塗布等して形成することができる。前記水系溶媒としては、蒸留水等の水を主成分とし、所望により本発明の効果を損なわない範囲でアルコール等の水と親和性のある溶剤や塩等を添加した溶媒が挙げられる。
【0040】
前記中間層の層厚としては、約0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。前記層厚が、約0.1μm未満であると、酸素透過性が高すぎて感光性樹脂層の重合感度が低下することがあり、一方、約5μmを超えると、現像や中間層除去時に長時間を要することがある。
【0041】
−感光性樹脂層−
前記感光性樹脂層は、下記に詳しく説明する感光性樹脂組成物により好適に形成することができる。
【0042】
((感光性樹脂組成物))
本発明の感光性樹脂組成物は、重合性モノマーと(メタ)アクリル酸含有重合体と重合開始剤とを含み、ネガ型の光重合系やポジ型の光重合系のいずれも使用可能である。
この樹脂組成物は、少なくとも温度150℃以下で軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性の樹脂組成物であり、未照射部ではアルカリ溶液に対して易溶性を有し、着色剤を含むものである。また、必要に応じて、熱可塑性の結合剤、相溶性の可塑剤等のその他の成分を含んでなる。
【0043】
−重合性モノマー−
前記重合性モノマーは、エチレン性不飽和結合を少なくとも2個有する付加重合可能な化合物であり、後述の(メタ)アクリル酸含有重合体のアルカリ溶解性を損なわず、光照射時に重合し、(メタ)アクリル酸含有重合体と共にアルカリ水溶液に対する溶解性を減少させるものである。
【0044】
前記重合性モノマーとしては、末端エチレン性不飽和結合を1分子中に2個以上有する化合物の中から適宜選択でき、例えば、モノマー、プレポリマー、即ち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物、若しくはこれらの共重合体等の化学構造を持つものが含まれる。
【0045】
具体的には、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
【0046】
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(モノマー)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステルなどが挙げられる。
【0047】
前記アクリル酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンテルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
【0048】
前記メタクリル酸エステルとしては、例えば、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタンなどが挙げられる。
【0049】
前記イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
【0050】
前記クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
【0051】
前記イソクロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどが挙げられる。
【0052】
前記マレイン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレー卜などが挙げられる。
なお、更に、前述の各種エステルの混合物も挙げることができる。
【0053】
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド(モノマー)としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレシビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミドなどが挙げられる。
【0054】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載の、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(I)で表される水酸基含有ビニルモノマーを付加せしめた、1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物などが挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R)OH (I)
〔式中、R及びRは、H又はCH3を表す。〕
【0055】
また、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号等の各公報に記載の、ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。更に、日本接着協会誌(vo1.20、No.7、p.300〜308(1984年))に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0056】
前記重合性モノマーは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーの含有量としては、感光性樹脂組成物の全固形分の10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
【0057】
また、後述の(メタ)アクリル酸含有重合体の総量に対する前記重合性モノマーの総量の質量比が0.5〜0.9である。
前記質量比が、0.5未満であると、光重合による硬化が不十分で硬度が不足する。一方、0.9を超えると、好ましい形状が得られない。
【0058】
−(メタ)アクリル酸含有重合体−
前記(メタ)アクリル酸含有重合体は、主にバインダー成分として含有され、アルカリ溶液により現像可能なものである。
前記(メタ)アクリル酸含有重合体としては、一般に、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体などが挙げられる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げられる。
【0059】
上記のほか、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好適に挙げられる。特に、米国特許第4139391号明細書に記載の、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。更に、アルコール可溶性ナイロンも挙げることができる。
また、複数の(メタ)アクリル酸含有重合体を組合わせて使用してもよい。
【0060】
前記(メタ)アクリル酸含有重合体は、通常、50〜300mgKOH/1gの範囲の酸価と、1000〜300000の範囲の質量平均分子量を有するものの中から適宜選択して使用される。
前記酸価が、50mgKOH/1g未満であると、アルカリ現像性が大きく低下することがあり、一方、300mgKOH/1gを超えると、目標とする構造体が得られなくなることがある。
【0061】
前記(メタ)アクリル酸含有重合体の質量平均分子量としては、上記の通り、1000〜300000が好ましく、中でも特に10000〜250000が好ましい。
前記質量平均分子量が、1000未満であると、目標とする構造体が得られなくなることがあり、一方、300000を超えると、現像性が極端に低下することがある。なお、質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算平均分子量である。
【0062】
前記(メタ)アクリル酸含有重合体の含有量としては、感光性樹脂組成物の全固形分の20〜60質量%が好ましく、30〜55質量%がより好ましい。
(メタ)アクリル酸含有重合体の含有量が、20質量%未満であると、感光性樹脂組成物を支持体等上に塗布する際に膜形成が困難となることがあり、一方、60質量%を超えると、重合性モノマーの含有比が少なくなり、重合不良となることがある。
【0063】
−重合開始剤−
前記重合開始剤は、重合性モノマーの光重合を実質的に開始させることのできるものであり、前記重合性モノマーの重合反応を開始させる能力を持つ化合物は全て使用可能である。中でも特に、約300〜500nmの波長領域に、少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種を含有し、紫外線領域の光線に対して感光性を有することが好ましい。
【0064】
前記重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体、ケトン化合物、ケトオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、特開平2−48664号公報、特開平1−152449号公報、特開平2−153353号公報に記載の、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類、及びこれら2種以上の組合せなどが挙げられる。
【0065】
これらの中でも、光感度、保存性、基板への密着性等に優れる点で、トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物、ケトオキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組合わせ、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン〕を用いた系が好ましい。
【0066】
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(若林ら著、1969)に記載の化合物〔例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(2',4'−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン等〕;英国特許第1388492号明細書に記載の化合物〔例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−s−トリアジン等〕;特開昭53−133428号公報に記載の化合物〔例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン等〕;独国特許第3337024号明細書に記載の化合物〔例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−p−メトキシスチリルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等〕;J.Org.Chem.(F.C.Schaefer等、29、1527(1964))に記載の化合物〔例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロモメチル−s−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−s−トリアジン等〕;特開昭62−58241号公報に記載の化合物〔例えば、2−(4−フェニルアセチレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−アセチレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−p−トリルアセチレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−p−メトキシフェニルアセチレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−p−イソプロピルフェニルアセチレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−p−エチルフェニルアセチレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等〕;特開平5−281728号公報に記載の化合物〔例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等〕、等を挙げることができる。
【0067】
前記ケトオキシム化合物としては、例えば、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
【0068】
【化1】
Figure 0003943385
【0069】
前記一般式(II)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよく、不飽和結合を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ環基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。
及びRは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよく、不飽和結合を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。なお、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよく、この場合、該環が−O−、−NR−、−O−CO−、−NH−CO−、−S−及び−SO−より選択される少なくとも一種の2価の基を環の連結主鎖として含んでいてもよい炭素数2〜8のアルキレン基を表す。
及びRは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよい炭化水素基、置換カルボニル基を表す。
【0070】
前記一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
例えば、p−メトキシフェニル−2−N,N−ジメチルアミノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−ベンジルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−n−ブチルエーテル、p−モルフォリノフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メトキシフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−n−ドデシルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシエトキシエチルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−p−メトキシカルボニルベンジルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシカルボニルメチルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−エトキシカルボニルメチルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−4−ブトキシカルボニルブチルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−2−エトキシカルボニルエチルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシカルボエル−3−プロペニルエーテル、p−メチルチオフェニル−2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−ベンジルオキシカルボニルメチルエーテルなどが挙げられる。
【0071】
前記ヘキサアリールビイミダゾールとしては、例えば、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2'−ビス(o,o'ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−メチルフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾールなどが挙げられる。
これらのビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)及びJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に記載の方法により容易に合成することができる。
【0072】
前記ケトオキシムエーテルとしては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
【0073】
前記重合開始剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、また異種間で数個の化合物を併用することも可能である。
前記重合開始剤の含有量としては、感光性樹脂組成物の全固形分の0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
【0074】
また、前記感光性樹脂層には、表面に凹凸部を形成する目的で透明微粒子を含有することが好ましい。
前記透明微粒子としては、球状で、アルカリ可溶性であり、現像液で溶解するものが好ましい。
また、透明微粒子の平均粒径が0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。
【0075】
前記透明微粒子としては、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂製微粒子、シリカ等の無機化合物の微粒子などが挙げられる。
透明微粒子の添加量は、感光性樹脂層組成物100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。
【0076】
−染料、顔料等の着色剤−
本発明の反射板形成用転写材料を着色する場合には、感光性樹脂層に有機顔料、無機顔料、又は染料等の着色剤を含有させることができる。
黄色顔料として、例えば、C.I.ピグメントイエロー20,C.I.ピグメントイエロー24,C.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー86,C.I.ピグメントイエロー93,C.I.ピグメントイエロー109,C.I.ピグメントイエロー110,C.I.ピグメントイエロー117,C.I.ピグメントイエロー125,C.I.ピグメントイエロー137,C.I. ピグメントイエロー138,C.I.ピグメントイエロー139,C.I.ピグメントイエロー185,C.I.ピグメントイエロー147,C.I.ピグメントイエロー148,C.I.ピグメントイエロー153,C.I.ピグメントイエロー,C.I.ピグメントイエロー154,C.I.ピグメントイエロー166,C.I.ピグメントイエロー168,モノライト・イエローGT(C.I.ピグメントイエロー12),パーマネント・イエローGR(C.I.ピグメントイエロー17)などが挙げられる。
【0077】
オレンジ色顔料として、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,C.I.ピグメントオレンジ43,C.I.ピグメントオレンジ51,C.I.ピグメントオレンジ55,C.I.ピグメントオレンジ59,C.I.ピグメントオレンジ61などが挙げられる。
【0078】
赤色顔料として、例えば、C.I.ピグメントレッド9,C.I.ピグメントレッド97,C.I.ピグメントレッド122,C.I.ピグメントレッド123,C.I.ピグメントレッド149,C.I.ピグメントレッド168,C.I.ピグメントレッド177,C.I.ピグメントレッド180,C.I.ピグメントレッド192,C.I.ピグメントレッド209,C.I.ピグメントレッド215,C.I.ピグメントレド216,C.I.ピグメントレッド217,C.I.ピグメントレッド220,C.I.ピグメントレッド223,C.I.ピグメントレッド224,C.I.ピグメントレッド226,C.I.ピグメントレッド227,C.I.ピグメントレッド228,C.I.ピグメントレッド240,C.I.ピグメントレッド48:1,パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメントレッド146),パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメントレッド11),ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)などが挙げられる。
【0079】
バイオレット顔料として、例えば、C.I.ピグメントバイオレット19,C.I.ピグメントバイオレット23,C.I.ピグメントバイオレット29,C.I.ピグメントバイオレット30,C.I.ピグメントバイオレット37,C.I.ピグメントバイオレット40,C.I.ピグメントバイオレット50などが挙げられる。
【0080】
青色顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメント・ブルー15:1,C.I.ピグメント・ブルー15:4,C.I.ピグメントブルー15:6,C.I.ピグメントブルー22,C.I.ピグメントブルー60,C.I.ピグメントブルー64,ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)などが挙げられる。
【0081】
緑色顔料として、例えば、C.I.ピグメントグリーン7,C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
【0082】
ブラウン顔料として、例えば、C.I.ピグメントブラウン23,C.I.ピグメントブラウン25,C.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
【0083】
また、黒色顔料として、例えば、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1),C.I.ピグメントブラック7,ファット・ブラックHB(C.I.26150)などが挙げられる。
【0084】
その他、カーボンブラック、オーラミン(C.I.41000)などを挙げることができる。
なお、上記有機顔料、無機顔料、又は染料等の着色剤は1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0085】
上記のような着色剤を用いる場合、顔料又は染料の粒径は、5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。感光性樹脂層は薄膜な層であるため、顔料等の粒径が上記の範囲にない場合には、樹脂層中に均一に分散することができず、好ましくない。
【0086】
前記染料又は顔料等の着色剤の添加量としては、感光性樹脂組成物の全固形分の0.01〜30質量%が好ましい。
【0087】
−他の成分−
前記感光性樹脂組成物には、他の成分として、熱可塑性の結合剤、相溶性の可塑剤等の成分を含有してもよい。
【0088】
前記熱可塑性の結合剤としては、例えば、エチレン性不飽和化合物等の公知の結合剤が挙げられる。
【0089】
前記相溶性の可塑剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニルジフェニルフォスフェートなどが挙げられる。
前記結合剤及び可塑剤の添加量としては、本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
【0090】
前記感光性樹脂層は、前記各成分を必要に応じて有機溶剤に溶解して塗布液(感光性樹脂層塗布用塗布液)を調製し、公知の塗布方法により、凹凸部を形成した仮支持体、中間層などを含む層の上に塗布等して形成することができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、前記熱可塑性樹脂層用塗布液の調製に使用可能なものと同様のものを用いることができる。
【0091】
前記感光性樹脂層の層厚(凹凸部を有さない部分)としては、0.5〜10μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。
前記感光性樹脂層の層厚が、0.5μm未満であると、感光性樹脂層用塗布液の塗布時にピンホールが発生しやすく、製造適性が低下することがあり、一方、10μmを超えると、現像時に未露光部を除去するのに長時間を要することがある。
また、感光性樹脂層の加熱硬化時(ベーク時)の体積収縮率が50〜90%であることが好ましく、70〜90%であることがより好ましい。これにより最終的に得られる樹脂層に表面粗さ(凹凸部)が反射板として有効な表面形状を形成することができる。
【0092】
−カバーフィルム
前記感光性樹脂層上には、保管等の際の汚れや損傷から保護する目的で、カバーフィルムを設けることが好ましい。カバーフィルムは、感光性樹脂層から容易に剥離可能なものの中から選択でき、前記仮支持体と同一又は類似の材料からなるものであってもよい。
具体的には、シリコーン紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンシート等が好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムがより好ましい。
【0093】
前記カバーフィルムの厚みとしては、約5〜100μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0094】
<反射板形成用転写材料の製造方法>
本発明の反射板形成用転写材料の製造方法は、第1の態様として、仮支持体上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層、少なくとも1層の中間層、感光性樹脂層をこの順に設けてなる本発明の反射板形成用転写材料を用いて、前記感光性樹脂層を塗布形成し乾燥させた後の巻き取り雰囲気を加湿状態とするか、又は巻き取り後の転写材料を加湿状態で保存することにより、前記中間層がレチキュレーションを起こして波打ち、前記感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面に波型変形(凹凸部)を形成するものである。
前記加湿状態は温度30〜50℃で湿度60〜90%であることが好ましい。
【0095】
本発明の反射板形成用転写材料の製造方法は、第2の態様として、仮支持体上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層、少なくとも1層の中間層、感光性樹脂層をこの順に設けてなる本発明の反射板形成用転写材料を用いて、前記感光性樹脂層を加熱硬化することにより前記感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面に凹凸部を形成するものである。
この場合、前記反射板形成用転写材料としては、前記熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層から選ばれる少なくとも1層に透明微粒子を含有し、この透明微粒子が、球状で、アルカリ可溶性であり、前記感光性樹脂層の加熱硬化時の体積収縮率が50〜90%であるのが好ましく、70〜90%であるのがより好ましい。
【0096】
なお、本発明の第1,2の態様の反射板形成用転写材料の製造方法は、上記の点以外は、公知方法により製造することができる。
【0097】
具体的には、前記仮支持体上に、まず、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解し調製した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布、乾燥して熱可塑性樹脂層を設け、続いて該熱可塑性樹脂層上に、熱可塑性樹脂層を溶解しない溶媒を用いてなる塗布液(中間層用塗布液)を塗布、乾燥して中間層を設け、この中間層上に、前記感光性樹脂組成物を中間層を溶解しない溶剤に溶解し調製した塗布液を塗布、乾燥して感光性樹脂層を設けることにより形成することができる。又は、前記カバーフィルム上に感光性樹脂層を設け、一方、仮支持体上に熱可塑性樹脂層と中間層とを設け、それぞれを中間層と感光性樹脂層とが接するように貼り合わせることにより、或いは、前記カバーフィルム上に感光性樹脂層と中間層とを設け、一方、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設け、それぞれを上記同様、中間層と感光性樹脂層とが接するように貼り合わせることにより、本発明の反射板形成用転写材料を製造することができる。
【0098】
後述のように、転写材料を被転写体である基板上に密着させ、転写材料の仮支持体を剥離する過程では、仮支持体や基板等が帯電する結果、周囲のゴミ等を引き寄せ、剥離後の感光性樹脂層上にゴミ等が付着して、その後の露光過程で未露光部ができ、その部分がピンホールを形成する要因となることから、帯電を防止する目的で、仮支持体の少なくとも一方の表面に導電性層を設けたり、或いは導電性を付与した仮支持体を用いることにより、その表面電気抵抗を1013Ω以下に下げることが好ましい。
【0099】
仮支持体に導電性を付与するには、仮支持体中に導電性物質を含有させればよい。例えば、金属酸化物の微粒子や帯電防止剤を予め練り込んでおく方法が好適である。
前記金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン等の結晶性金属酸化物、及び/又は、その複合酸化物の微粒子が挙げられる。
【0100】
前記帯電防止剤としては、エレクトロストリッパーA(花王(株)製)、エレノンNo.19(第一工業製薬(株)製)等のアルキル燐酸塩系アニオン界面活性剤;アモーゲンK(第一工業製薬(株)製)等のベタイン系両性界面活性剤;ニッサンノニオンL(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤;エマルゲン106、120、147、420、220、905、910(花王(株)製)やニッサンノニオンE(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、等が好適である。その他、非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のものが挙げられる。
【0101】
仮支持体上に導電性層を設ける場合には、導電性層としては公知のものの中から、適宜選択して用いることができる。導電性層に用いる導電性物質として、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO等から選ばれる少なくとも1種の結晶性金属酸化物、及び/又は、その複合酸化物の微粒子等が挙げられる。これらを含有させて用いる方法が湿度環境に影響されない、安定した導電効果を有する点で好ましい。
【0102】
前記結晶性金属酸化物又はその複合酸化物の微粒子の体積抵抗値としては、10Ω・cm以下が好ましく、10Ω・cm以下がより好ましい。また、その粒子径としては、0.01〜0.7μmが好ましく、0.02〜0.5μmがより好ましい。
【0103】
上記結晶性金属酸化物及びその複合酸化物の微粒子の製造方法は、特開昭56−143430号公報に詳細に記載されている。即ち、第1に、金属酸化物微粒子を焼成により作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に、焼成により金属酸化物微粒子を製造する際に導電性を向上させるための異種原子を共存させる方法、第3に、焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等が記載されている。異種原子を含む具体例としては、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnOに対してSb、Nb、ハロゲン元素等を存在させることが挙げられる。
【0104】
異種原子の添加量としては、0.01〜30mol%が好ましく、0.1〜10mol%がより好ましい。導電性粒子の使用量としては、0.05〜20g/mが好ましく、0.1〜10g/mがより好ましい。
【0105】
転写材料に設ける導電性層には、バインダーとして、ゼラチン、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル;塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、炭素数1〜4のアルキルアクリレート、ビニルピロリドン等を含むホモポリマー又は共重合体;可溶性ポリエステル、ポリカーボネート、可溶性ポリアミド等を使用することができる。
【0106】
これらのバインダー中に導電性粒子を分散する場合、チタン系分散剤又はシラン系分散剤等の分散液を添加してもよい。また、必要に応じて、バインダー架橋剤等を添加することもできる。
【0107】
前記チタン系分散剤としては、例えば、米国特許第4,069,192号公報、同第4,080,353号公報等に記載の、チタネート系カップリング剤、プレンアクト(味の素(株)製)などが挙げられる。
前記シラン系分散剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、「シランカップリング剤」(信越化学工業(株)製)として市販されている。
前記バインダー架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤などが挙げられる。
【0108】
前記導電性層は、導電性微粒子をバインダー中に分散させて仮支持体上に塗設したり、又は仮支持体上に下引処理(例えば、下塗り層等)を施した上に導電性微粒子を付着させることにより設けることができる。
【0109】
前記導電性層は、仮支持体の感光性樹脂層を塗設した面とは反対の表面上に設けてもよく、この場合には、十分な耐傷性を確保する目的で、導電性層上に更に疎水性重合体層を設けることが好ましい。この疎水性重合体層は、疎水性重合体を有機溶剤に溶解した状態又は水性ラテックスの状態で塗布すればよく、その塗布量としては、乾燥質量で0.05〜1g/m程度が好ましい。
【0110】
前記疎水性重合体としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテート等のセルロースエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアクリレート等を含むビニル系ポリマー;有機溶剤可溶性ポリアミド、ポリエステル等のポリマーを挙げることができる。
【0111】
前記疎水性重合体層には、スベリ性を付与する目的で、例えば、特開昭55−79435号公報に記載の有機カルボン酸アミド等のスベリ剤を使用することができる。また、必要に応じて、マット剤等を使用することもできる。このような疎水性重合体層を設けても、導電性層の効果は実質的に影響を受けない。
【0112】
下塗り層を設ける場合、特開昭51−135526号公報、米国特許第3,143,421号公報、同第3,586,508号公報、同第2,698,235号公報、同第3,567,452号公報等に記載の塩化ビニリデン系共重合体、特開昭51−114120号公報、米国特許第3,615,556号公報等に記載のブタジエン等のジオレフイン系共重合体、特開昭51−58469号公報等に記載のグリシジルアクリレート又はグリシジルメタアクリレート含有共重合体、特開昭48−24923号公報等に記載のポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、特開昭50−39536号公報に記載の無水マレイン酸含有共重合体等を用いることができる。
【0113】
本発明においては、特開昭56−82504号公報、特開昭56−143443号公報、特開昭57−104931号公報、特開昭57−118242号公報、特開昭58−62647号公報、特開昭60−258541号公報等に記載の導電性層も必要に応じて用いることができる。
【0114】
仮支持体上に、導電性層を塗布する場合、ローラーコート、エアナイフコート、グラビアコート、バーコート、カーテンコート等の公知の方法により塗布することができる。十分な帯電防止効果を得るためには、導電性層又は導電性を付与した仮支持体の表面電気抵抗値を、1013Ω以下とすることが好ましく、1012Ω以下とすることがより好ましい。
【0115】
また、感光性樹脂層の仮支持体との強固な接着を防止するため、仮支持体面に公知の微粒子を含有する滑り剤組成物、シリコーン化合物を含有する離型剤組成物等を塗布することもできる。
【0116】
仮支持体の熱可塑性樹脂層を設けない側の表面に導電性層を設ける場合には、熱可塑性樹脂層と仮支持体との接着性を向上する目的で、仮支持体に、例えば、グロー放電処理、コロナ処理、紫外線照射処理等の表面処理、フェノール性物質、ポリ塩化ビニリデン樹脂、スチレンブタジエンゴム、ゼラチン等の下塗り処理又はこれらの処理を組み合わせた処理を施すことができる。
【0117】
仮支持体用のフィルムは押し出し形成により形成することが可能であるが、導電性物質又は導電性層を仮支持体と同一又は異質のプラスチック原料に含有させ、前記フィルムと同時に押し出し形成した場合には、接着性、耐傷性に優れた導電性層を容易に得ることができる。この場合、前記疎水性重合体層や下塗り層を設ける必要はなく、転写材料を構成する導電性付与仮支持体として最も好ましい実施形態である。
本発明の反射板形成用転写材料の主な用途としては、反射板の下地層、液晶セル内の反射電極形成用樹脂層など用途が好適である。
【0118】
<反射板>
次に、本発明の反射板は、前記反射板形成用転写材料を基板に転写し、露光を行い、現像、ベークして形成される表面に凹凸部を有する樹脂層上に光反射機能材料を形成してなる。
【0119】
まず、反射板形成用転写材料のカバーフィルムを取り除き、感光性樹脂層を加圧、加熱下で被転写体である基体上に貼り合わせる。貼り合わせには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等を使用することができ、より生産性を高めるためには、オートカットラミネーターも使用することができる。その後、仮支持体を剥がし、所定のマスク、熱可塑性樹脂層及び中間層を介して感光性樹脂層を露光し、次いで現像する。現像は、公知の方法により行うことができ、溶剤若しくは水性の現像液、特に、アルカリ水溶液等を用いて、露光後の基体を浸漬するか、スプレー等により噴霧し、更にブラシ等で擦ったり、或いは、超音波を照射しながら処理することで行われる。
【0120】
前記反射板形成用転写材料の感光性樹脂層と被転写体である基体とを貼り合わせた後、仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥がし取り、該熱可塑性樹脂層の上方から熱可塑性樹脂層及び中間層を通して感光性樹脂層をパターン状に露光(パターニング)する。
前記露光は、300〜500nmの波長光の照射により行え、光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、Hg−Xeランプ等が挙げられる。
【0121】
また、前記パターニングの方法としては、例えば、▲1▼フォトリソグラフィ法による方法、▲2▼熱可塑性樹脂層の上方に露光マスクを配置し、該マスク介してパターン状に露光する方法、▲3▼密着型のプロキシミティ露光装置等の露光手段を用いる方法等が挙げられる。
前記方法▲3▼によるパターニングでは、その露光量としては、感光性樹脂組成物が重合硬化を起こす最小露光量の3〜10倍が好ましく、プロキシミティ量としては、40〜150μmが好ましい。
【0122】
前記露光の後、現像処理して、熱可塑性樹脂層、アルカリ可溶な中間層、及び不要部(未硬化部分)の感光性樹脂層を除去する。
【0123】
前記現像は、公知の方法により行え、溶剤若しくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液等を用いて、例えば、(a)露光後の基板自体を現像浴中に浸漬する、(b)露光後の基板にスプレー等により噴霧する等して、更に必要に応じて、溶解性を高める目的で、回転ブラシや湿潤スポンジ等で擦ったり、超音波を照射しながら行うことができる。
【0124】
前記アルカリ水溶液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく、更に水混和性のある有機溶剤を少量添加したものも好適に使用することができる。前記アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類、燐酸三ナトリウム等が挙げられる。
【0125】
アルカリ水溶液中のアルカリ性物質の濃度としては、0.01〜30質量%が好ましく、更にpHとしては、8〜14が好ましい。
【0126】
前記水混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
この有機溶剤の添加量としては、0.1〜30質量%が好ましい。
【0127】
また、アルカリ水溶液には、公知の種々の界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の濃度としては、0.01〜10質量%が好ましい。
現像時の温度としては、通常、室温付近〜40℃が好ましい。更に、現像処理した後に、水洗処理する工程を入れることもできる。なお、現像処理した後、更に200〜260℃下でベークする。
【0128】
このようにして、表面に凹凸部を有する樹脂層が基板上に形成される。次に、この凹凸部に光反射機能材料層を形成する。
前記光反射機能材料としては、光反射性を有すれば特に制限されないが、反射電極を形成する観点から、Al,Ag等の金属材料が好適である。このような金属膜の形成は、スパッタ法などにより行うことができる。
前記反射板を一方の反射電極として用いることにより液晶表示装置を形成することができる。
【0129】
前記反射板20に形成される凹凸部は、図2に示したように、不規則に大小の凸部10が形成されたり、図3に示したように、山部11と谷部12とを交互に有する波状に形成されたり、図4に示したように、山部11と谷部12とが交互に蒲鉾状に形成されたものであっても構わない。
この場合、直交する2方向(図2〜4においてXY方向)の少なくともいずれか1つの凹凸部のピッチ(図5参照)が3〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。また、PV値(図5参照)が0.1〜2.0μmであることが好ましく、0.2〜0.8μmであることがより好ましい。なお、凹凸部の測定は表面粗さ計を用い、平均値で表される。
【0130】
<液晶表示装置及びその製造方法>
本発明の液晶表示装置は、光反射機能を有する第1の電極が第2の基板に対向する面に少なくとも一部形成されている第1の基板と、この第1の基板に対向配置されている第2の基板と、第1及び第2の基板の間に封入されている液晶層とを備え、前記第1の基板と第1の電極との間に、前記本発明の反射板形成用転写材料を用いて転写を含む工程で形成される表面に凹凸部を有する樹脂層を備えている。
前記第1及び第2の電極はそれぞれマトリクス状に形成されていても良い。また第1の電極は画素ごとにパターニングされ、第2の電極はベタ状に形成されても良い。
【0131】
前記樹脂層は、前記本発明反射板形成用転写材料を用いて、転写を含む工程により形成された凹凸部を表面に有しており、この凹凸部は連続的に波状の形状を有していることが、広い領域にわたって良好な反射特性を得ることができる上で好ましい。
前記凹凸部は、直径0.7〜30μm(円又は楕円)、高さ0.1〜1.5μmの凸部、又は凹凸部が多数形成される。この形状は、該液晶表示装置の用途により、適切な範囲が違う。完全にパーソナルユースの場合、直径5μm、高さ0.5μmの、凹凸部を、画素面積の7割程度に敷き詰めた構成が良い。また、凹凸は略円形や円形のほか、楕円でも良い。またこれらの径は、ランダムに変化させて配置し、モアレの発生を防止する。また、凹凸は、円錐や角錐状であることもある。
【0132】
前記スイッチング素子を有する基板として、TFTアクティブマトリックス基板を用いることが好ましい。前記TFTアクティブマトリックス基板としては、常用のものを制限なく使用することができる。例えば、アクティブマトリクス基板(アレイ基板)に、ゲート信号線と付加容量電極を形成し、この上にゲート絶縁膜を形成した後、半導体層及びチャネル保護層を形成し、更にTFTのソース及びドレインとなるn+Si層を形成し、次に金属層及びITO膜をスパッタリング法によって形成し、これらをパターニングすることにより、ドレイン信号線及びソース信号線を形成する等によって作製することができる。
【0133】
前記TFT(薄膜トランジスター)アクティブマトリックス層が、アモルファスシリコン又は低温ポリシリコン基材、コンティニュアスグレインシリコン基材で形成されているものが好ましい。
【0134】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、光反射機能を有する第1の電極が第2の基板に対向する面に少なくとも一部形成されている第1の基板と、この第1の基板に対向配置されている第2の基板と、第1及び第2の基板の間に封入されている液晶層とを備える液晶表示装置の製造方法において、
前記第1の基板と第1の電極との間に、前記本発明の反射板形成用転写材料を用い、転写を含む工程で表面に凹凸部を有する樹脂層を形成するものである。
更に、具体的には、まず、ガラスから成る絶縁性基板上に複数の配線が設けられ、表面処理等を行った後、絶縁膜、半導体膜等を形成しアレイ状にスイッチング素子が形成される。
【0135】
次に、該基板のスイッチング素子が形成されている側のほぼ全面を覆うように、本発明の反射板形成用転写材料が転写される。この転写はラミネーターによって行われ、必要に応じて、基板表面はシランカップリングなどの前処理が施される。
その後、所定の露光マスクを用い、露光した後、TMAH水溶液などの現像液で現像し、コンタクトホールやアライメントマーク部分の樹脂層を除去する。この段階で該樹脂層の表面は凹凸に形成されている。また、ここで行う露光は20mJ/cm程度で良く、露光時間としては、30秒より充分短く、製造ラインのタクトタイムは1分以下、30前後に設定が可能である。
これを更にポスト露光および又はポストベークにより硬化させた後、その上にAl及び又はAg等から成る反射層が形成される。この時、コンタクトホールを介してスイッチング素子と接続されている。更にこの反射層をパターンエッチングし、画素ごとに独立し、画素ごとにスイッチング素子に接続された反射電極が形成される。この上に配向膜を形成し、ラビング処理等を施す。
【0136】
他方の基板上には、反射電極に対向する部分にカラーフィルタが形成され、(必要に応じてブラックマトリクスを形成)、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極が形成されている。両基板は前記反射電極とカラーフィルタが一致するように対向して貼り合わされ、間に液晶が注入され、反射型液晶表示装置が製造される。
【0137】
前記液晶表示装置としては、上記構成のもの以外にも、カラーフィルタ・オン・アレイ(COA)構造及び半透過型構造のいずれか又は両方を有するものを好適に用いることができる。
【0138】
前記COA構造は、例えば、特開平10−206888号公報などに記載されているように、カラーフィルタが前記駆動側基板に直接形成されたカラーフィルタ一体型駆動基板と、対向電極(導電層)を備える対向基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるものであり、カラーフィルタを反射電極の上に形成し、高精細時に貼り合わせマージンを広くして歩留まりや開口率を向上させることができる。
【0139】
前記半透過型構造とは、正面からの光を反射して表示させる機能と、背面からの光を透過して表示させる機能を併せ持った反射型液晶表示装置の一種である。光を反射するために設けられている反射層を薄膜化する等の方法で背面からの光も透過できるように構成した「ハーフミラー型」、と、1画素内に、光を反射する領域と、光を透過する領域とを兼ね備えた「画素内分割型」とがある。
【0140】
前記ハーフミラー型は、例えば、特開2001−100197号公報などに記述されている。構造がシンプルだが、光学濃度が低い反射用のカラーフィルタにバックライトの透過光を透過させるため、表示される色が薄い。
【0141】
前記「画素内分割型」は、図6に示したように、例えば、特開2001−174797号公報などに記述されている。反射機能を有す画素内部分に対応するカラーフィルタを光学濃度が低い反射用のカラーフィルタに、透過機能を有す画素内部分に対応するカラーフィルタを光学濃度が高い透過用のカラーフィルタとすることで、反射型の場合、透過型の場合共に、良い色再現性を得ることができる。なお、図6中30は感光性樹脂層、31は基板である。
更に、前記「画素内分割型」では、反射機能を有す画素内部分に対応する液晶層が薄く、透過機能を有す画素内部分に対応する液晶層が厚くなるよう、TFT基板側の絶縁膜の厚さや、カラーフィルタ厚さ、オーバーコート厚さなどを設定し、反射の場合、透過の場合共に、良いコントラストを得ることができる。
【0142】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0143】
参考例1〕
−転写用樹脂フィルムの作成−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体に下記の処方H1の塗布液を塗布して乾燥膜厚14μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
<熱可塑性樹脂層処方H1:>
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/30/10/5、質量平均分子量=10万、Tg≒70℃)
7質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=65/35、
質量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
7質量部
・ビスフェノールAにオクタエチレングリコールモノメタクリレートを2当量脱水縮合した化合物(新中村化学(株)製BPE−500)
7質量部
メチルエチルケトン 50質量部
【0144】
次に、上記熱可塑性樹脂層上に、下記組成の中間層用塗布液P1を塗布した後、100℃で2分間乾燥して厚さ1.6μmの中間層を形成した。この際、中間層用塗布液にはビーズが含有させており、このビーズはしなやかなので乾燥中に扁平に潰れ、中間層の表面に凹凸部が形成された。
<中間層処方P1:>
Figure 0003943385
【0145】
次に、下記感光性樹脂層溶液C1を塗り付け乾燥させて乾燥膜厚3.3μmの感光性樹脂層を設け、保護フィルムでカバーし、転写用樹脂フィルムを作成した。
この転写用樹脂フィルムの表面には、SEM観察により、ピッチ10〜40μm、PV値0.1〜0.5μmの凹凸部が形成されていた。
<感光性樹脂層溶液C1>
・ポリマー溶液 240質量部
スチレン/マレイン酸共重合体ベンジルアミン変性物=68/32(モル比)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 200質量部
・シクロヘキサノン 730質量部
・光重合開始剤 IRG184(CAS947−19−3) 10質量部
(メチルエチルケトンを適宜添加)
【0146】
<基板の洗浄>
縦320mm×横400mmのTFT基板を、室温の超純水中で超音波洗浄1分後、エアーブローで水切り後、乾燥した。
【0147】
<樹脂層の形成>
前記転写用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離後、温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度3.0m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯で20mJ/cmのパターン露光した。この際の露光時間は3秒であった。
【0148】
次に、下記組成の現像液P1にて38℃で35秒シャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層を除去した。
<現像液P1の組成>
・超純水 97質量部
・トリエタノールアミン 3質量部
(アルカリ金属濃度 50ppb)
【0149】
引き続き、下記組成の現像液D1にて33℃で26秒シャワー現像し、感光性樹脂層を現像し、コンタクトホール部分(後述のAl層とTFTを接続するための穴)と、透過部分を除去したパターン画像を得た。
<現像液D1>
・モノエタノールアミン 0.2mole/L
・酢酸 0.1mole/L
・ジポリオキシエチレンアルキルアミン 1質量%
(アルカリ金属濃度 50ppb)
【0150】
次に、光反射機能を有する第1の電極(反射電極と言う)を形成するため、Al層をスパッタ法により形成した。この時、Al層の膜厚は0.5μmであり、成膜条件は基板温度100℃、Ar圧力0.5Pa、RFパワー3.4W/cmであった。つづいて、フォトリソグラフィー及びエッチングにより、所定の形状にAl層をパターンニングし光反射機能を有する第1の電極を形成した。この光反射機能を有する第1の電極は、上記C1層の表面に形成されている凹凸形状を反映することにより、凹凸部を有する反射電極が得られた。
【0151】
次に、基板全面にポリイミドからなる配向膜(図示せず)を塗布し、150℃、2時間で焼成を行った後、ラビング処理を行った。次いで、対向側基板として、ガラス基板上に該反射電極に対向する位置にカラーフィルタ及びITOから成る透明電極を形成した対向側基板を作成し、配向膜塗布、焼成、ラビングを行った。
これら二つの基板を所定のセル厚になるようスペーサーを介して対向させ(図示せず)、シール部により貼り合わせた。つづいて、基板間に液晶を注入・封止して、液晶表示装置を作製した。
【0152】
〔実施例
参考例1において、中間層処方P1から樹脂製ビーズを除いた以外同じ組成の転写用樹脂フィルムを45℃で湿度80%で10時間保存した。中間層のレチキュレーションにより感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面には、SEM観察によりピッチ10〜40μm、PV値0.1〜0.5μmの凹凸部が形成されていた。この転写用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離後、温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度3.0m/分でラミネートした。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯で20mJ/cmのパターン露光した。この際の露光時間は3秒であった。同様にして液晶表示装置を組み立てた。
【0153】
[比較例1]
TFT基板に形成する凹凸部を有する樹脂層を特開平11−153804号公報の記載に基づいて下記のように形成した以外は、参考例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
【0154】
基板全面に光重合性オリゴマー、光重合性モノマー、光重合開始材を主成分とする光硬化性樹脂を塗布した。光重合性オリゴマーとしてはエステルアクリレートであるペンタエリスリトールと、光重合性モノマーとしてはネオペンチルグリコールジアクリレートを用い、これに2質量%の光重合開始剤を加えた。これを膜厚3μmで基板全面に塗布した。
露光マスクの透過部分の光透過率を部分的に変化させた半透過型マスクを用い凸部を形成した。この時の照射エネルギーは1200mJ/cm〜1500mJ/cmであった。この際、露光時間は240秒を要した。
【0155】
参考例1と実施例1と比較例1とを対比すると、参考例1と実施例1では凹凸部を形成するための露光時間は3秒であるのに対して、比較例1では240秒もかかり、製造ラインのタクトタイムが3分以上と長くかかり、生産性が劣ることが明らかである。
【0156】
【発明の効果】
本発明によれば、前記問題を解決することができ、簡略な工程により、良好な反射特性を有する反射電極を有する、特に、OA機器、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端末等に用いられる液晶表示装置のうち室内照明や太陽光などの外光を利用する反射型液晶表示装置を効率よく安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一例に係る反射板形成用転写材料を示す概略断面図である。
【図2】図2は、凹凸部の一例を示す概略図である。
【図3】図3は、凹凸部の一例を示す概略図である。
【図4】図4は、凹凸部の一例を示す概略図である。
【図5】図5は、凹凸部のピッチ及びPV値を示す説明図である。
【図6】図6は、画素内分割型の半透過型LCDを示す概略断面図である。

Claims (7)

  1. 仮支持体上に少なくとも1層の熱可塑性樹脂層、少なくとも1層の中間層、感光性樹脂層をこの順に設けてなる反射板形成用転写材料を用いて、前記感光性樹脂層を塗布形成し乾燥させた後の巻き取り雰囲気を加湿状態とするか、又は巻き取り後の転写材料を加湿状態で保存することによる中間層のレチキュレーションにより前記感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面に凹凸部を形成することを特徴とする反射板形成用転写材料の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層から選ばれる少なくとも1層に透明微粒子を含有する請求項1に記載の反射板形成用転写材料の製造方法。
  3. 前記透明微粒子が、アルカリ可溶性である請求項2に記載の反射板形成用転写材料の製造方法。
  4. 加湿状態が温度30〜50℃で湿度60〜90%である請求項1から3のいずれかに記載の反射板形成用転写材料の製造方法。
  5. 前記反射板形成用転写材料を用いて、前記感光性樹脂層を加熱硬化することにより前記感光性樹脂層の前記仮支持体側の界面に凹凸部を形成することを特徴とする請求項2から3のいずれかに記載の反射板形成用転写材料の製造方法。
  6. 前記感光性樹脂層が着色剤を含まない請求項1から5のいずれかに記載の反射板形成用転写材料の製造方法。
  7. 光反射機能を有する第1の電極が第2の基板に対向する面に少なくとも一部形成されている第1の基板と、該第1の基板に対向配置されている第2の基板と、第1及び第2の基板の間に封入されている液晶層とを備える液晶表示装置の製造方法において、前記第1の基板と第1の電極との間に、請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法により製造された反射板形成用転写材料を用い、転写を含む工程で表面に凹凸部を有する樹脂層を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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