JP3942838B2 - トンネル用防水シートとその敷設方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘進機によって掘削されるトンネル内壁面側に敷設展張され、地山側からの浸水を防ぐトンネル用防水シートとその敷設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に都市トンネルは、ほとんどが地下水位面下に構築され、その覆工はセグメントを用いているものが多く、その継手部の漏水防止のため裏込注入、シール工、二次覆工コンクリート等多くの対策が取られている。
また、一次覆工と二次覆工との間に防水シートを面状に施工したり、一次覆工の外に防水シートを面状に施工して二次覆工を省略するような施工方法も提案され漏水の極めて少ないトンネル建設も可能となってきた。
【0003】
このトンネルの施工は、図8に示すように、トンネル掘進機30のテール部に、防水シート31を巻立てる巻立て機構部32と、セグメント33を組み立てる組立部(図示せず)とが設けられ、トンネルの掘削とともに、防水シート31を敷設し、セグメント33を順次組み立ててトンネルの内壁を構築するものである。
【0004】
上記防水シート31は、材質として、ゴムアスファルト系、合成ゴム系、プラスチック系等、その種類は多岐にわたるが、わが国において現在トンネルに使用されている主な防水シート材料は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA),エチレン共重合体ビチューメン(ECB),ポリ塩化ビニル(PVC)及びポリエチレン(PE)のプラスチック系防水材の4種類である。
【0005】
これらの防水シート31は、長尺な帯状に成形されており、図8(a)〜(e)に示すように、ロール状に保持されている防水シート31をトンネル内壁面に沿わせて展張し、既に敷設されている防水シートの端縁部分と重ね合わせ、その重合した端縁部分を周方向に溶着機34を用いて互いに接合し、また、防水シートの長手方向(周方向)両端となる幅方向(トンネルの奥行き方向)を接合してトンネル内壁を覆うようになっており、すなわち、図9に示すように、環状に防水シート31を順次形成して、各環状防水シート31を連結させるような手法とされている。
【0006】
この防水シート31同士の接合方法は、主に、接着剤による方法と熱溶着による方法とがある。トンネル内での防水シート接合においては、略閉ざされた空間での作業となることから、その作業時の環境に影響され制約を受けやすい接着剤による方法ではなく、周辺作業環境の影響を受けにくい熱接合が主流とされ採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の防水シートの熱による接合方法では、既設の防水シートの端縁部分と、新設の防水シートの端縁部分とを重合した状態とし、これら対向する端縁部分の互いの面間に熱ごてを配置し、この熱ごてにて対向面を加熱させながら新設の防水シートの表面側から押圧し、互いを接合するものであるが、以下のような不具合・欠点がある。
【0008】
1.接合部分の防水シートを加熱して、押圧を加えて互いを接合するため、微少ではあるが、加熱部分及び加熱後の押圧部分に伸びが発生し、長い距離を熱溶着すると、伸びが累積され接合部分以外である非加熱部分との間にしわが発生していく。
このしわは、溶着装置や溶着機の作業性、施工性及び溶着品質へ悪影饗を及ぼす。また、伸びが発生してしまうと環状に形成される防水シートが均一な径にならなくなり、それを考慮して防水シートの長さ(周方向の長さ)を予め調整する必要がある。
【0009】
2.溶着機による熱溶着で、防水シートをトンネルの形状に合わせて筒状に連続して接合していく際、溶着機の構造上、すなわち、熱ごてと、加熱後に押圧する押圧部分とに所定長さの間隔があり、新設する防水シートの溶着開始部分である始点部分を押さえることが出来ず、この始点部分では溶着機による施工ができない。
そのため、始点部分は、手動式溶着機による溶着を行い、さらにその上に防水シートを重ねて手動式溶着によりパチ当てを行ったりするため、非常に煩雑であり、施工に熟練を要する。
【0010】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、トンネルの内壁面を覆う防水シートを展張する際に行われる接合作業を、簡便に行うことを可能とするとともに、しわを発生させずに確実な接合を可能とすることができるトンネル用防水シートとその敷設方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載のトンネル用防水シート1は、トンネル内における地山側に敷設され、該トンネル内の周方向に長尺な帯状に形成される熱可塑性を有した合成樹脂よりなるシート材本体2の前記周方向に沿う縁部を重合し接合させて前記トンネル内壁を覆うトンネル用防水シートにおいて、
前記シート材本体2の縁部における接合開始端部1bに、前記周方向と同方向に所定長さ延長し、前記重合幅長と略同幅長となる略短冊帯状の非熱可塑性材質の支持片4が仮固定されることを特徴とする。
【0012】
このトンネル用防水シートによれば、敷設時における溶着装置にて接合する際に、その接合開始端部1bに支持片4を仮固定させることとするので、溶着装置による接合開始位置を、防水シート1の端縁とすることが可能となり、すなわち、支持片4による延長部分を仮に形成することで、防水シート1に対する未加熱部分がなくなることとなり、これにより、その接合の始点部分が溶着装置を用いて接合でき、手作業にて後加工を施すなどの煩雑な作業が不要となる。
【0013】
請求項2記載のトンネル用防水シートは、トンネル内における地山側に敷設され、該トンネル内の周方向に長尺な帯状に形成される熱可塑性を有した合成樹脂よりなるシート材本体2の前記周方向に沿う縁部を重合し接合させて前記トンネル内壁を覆うトンネル用防水シートにおいて、
前記シート材本体2の少なくとも縁部における対向する互いの各接合面と反対の面に布地を具備する粘着テープ5が貼設されるとともに、
前記シート材本体2の縁部における接合開始端部1bに、前記周方向と同方向に所定長さ延長し、前記重合幅長と略同幅長となる略短冊帯状の非熱可塑性材質の支持片4が仮固定されることを特徴とする。
【0014】
このトンネル用防水シートによれば、単に基布層3を設ける防水シートに比べ、コストがかからず容易に、基布層3を備えた防水シートと同様の効果を得ることができる。すなわち、防水シート1に粘着テープ5を貼るという簡易な構成で、この粘着テープ5が防水シート1の加熱軟化時における伸びの発生を抑制することとなる。また、このトンネル用防水シート1によれば、上述した粘着テープ5を備えたことによる、他の防水シート1との接合時に、従来のような伸びが発生することがなく、この伸びの累積によるしわの発生がなく、互いの防水シート1の接合状態が縁部に沿って確実なものとなるとともに、支持片4によって防水シートに対する未加熱部分がなくなり、その接合の始点部分が溶着装置を用いて接合でき、手作業にて後加工を施すなどの煩雑な作業が不要となるものであり、溶着品質が向上し、信頼性の高い防水性能を得ることができる。
【0015】
請求項3記載のトンネル用防水シートの敷設方法は、トンネル内における地山側に敷設され、該トンネル内の周方向に長尺な帯状に形成される熱可塑性を有した合成樹脂よりなるシート材本体2の前記周方向に沿う縁部を重合し接合させて前記トンネル内壁を覆うトンネル用防水シートの敷設方法において、
前記トンネル内壁面に、該トンネル内の周方向に沿って環状に形成されて既に敷設されているトンネル用防水シート1に沿わせて、新たなトンネル用防水シート1を、両トンネル用防水シートの縁部1を重合させて前記トンネル内壁面に周方向へ環状に敷設させ、
前記新設トンネル用防水シート1のシート材本体2の縁部における接合開始端部1bに、前記周方向と同方向に所定長さ延長し、前記重合幅長と略同幅長となる略短冊帯状の非熱可塑性材質の支持片4を仮固定し、
前記両トンネル用防水シート1の重合した各縁部における対向する両面を、前記接合開始端部より前記周方向に連続して加熱し、
前記新設トンネル用防水シートの表面よりローラにて押圧して、前記既設トンネル用防水シートと接合させ、
前記接合開始端部の接合直後に、前記支持片4を取り除くことを特徴とする。
【0016】
このトンネル用防水シートの敷設方法によれば、展張し、溶着装置にて防水シート1を接合する際に、その接合開始端部1bに支持片4を仮固定させることとしたので、溶着装置による接合開始位置を、防水シート1の端縁とすることが可能となり、すなわち、支持片4による延長部分を仮に形成することで、防水シート1に対する未加熱部分がなくなることとなり、これにより、その接合の始点部分が溶着装置を用いて接合でき、手作業にて後加工を施すなどの煩雑な作業が不要となる。そして、このことから、作業性が向上し、防水シートの敷設作業が迅速に行え、工期の短縮化を図ることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるトンネル用防水シート1の実施の形態を示す概略斜視図である。
【0022】
この実施の形態の防水シート1は、シート材本体2と、基布層3とで略構成されている。
【0023】
シート材本体2は、可撓性を有するとともに、熱可塑性を有する合成樹脂よりなるシート材で、所定幅長の略帯状に形成される。
このシート材本体2は、例えば、低密度ポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂、エチレン共重合体ビチューメンなど、好ましくは加熱時に有毒なガスなどが発生しない樹脂素材よりなり、幅長が1〜2m、厚さが略1〜5mm好ましくは略2mmに形成され、長さが被覆対象のトンネルの周方向の長さとされる帯形状に形成されるシート材である。
【0024】
基布層3は、シート材本体2の長手方向に沿う両縁部分に、中間層として積層形成される。
この基布層3は、伸縮性を有さず、かつ熱可塑性を有さない素材、すなわちシート材本体2の材質とは異なり熱による変形が起こりにくい素材、例えば織布や不織布よりなり、シート材本体2の縁部分に連続して帯状となるように形成される。また、この基布層3の形成される幅長は、他の防水シートと接合される際の重ね代となる幅長に略形成される。
【0025】
そして、このように構成される防水シート1は、長手方向両端で接合して環状に形成され、この環状防水シートの幅方向を互いに接合させることで筒状に形成し(図9参照)、トンネル内壁を覆うものとなっている。
【0026】
次に、上記構成のトンネル用防水シート1のトンネル内壁への敷設を行う装置について説明する。
この防水シート1の敷設は、図2に示すように、トンネルを掘削するトンネル掘進機10に備えられる防水シート敷設装置12により行われる。
【0027】
防水シート敷設装置12は、トンネル掘進機10を構成する筒状本体11内の後方に配置される。この防水シート敷設装置12は、巻立部14と溶着部20とで略構成されている。
【0028】
巻立部14は、巻立リング15と、保持部18とを備えている。
巻立リング15は掘削機10の筒状本体11内径よりやや短尺な外径の環状に構成されるもので、筒状本体11の内周面に沿って回転自在に配置され、電動モータなどの駆動装置(図示せず)にて回転する。また巻立リング15には掘削機本体の軸方向と同方向で掘削機本体の後方に延出するクリップ部16が設けられる。このクリップ部16は、防水シート1の幅長と略同等の長さに構成され、この防水シート1の端縁1aを保持する。
【0029】
そして、防水シート1を保持した状態で巻立リング15が回転することで、この防水シート1を環状に形成させる。なお、巻立リング15の内周縁に近接して、トンネル掘進機10本体側から延出するシート支持杆17が複数、略等間隔となって周方向に配設される。このシート支持杆17は巻立リング15によって環状に形成される防水シート1を、その環状状態に支持するようになっている。
【0030】
保持部18は、巻立リング15の内周縁側に近接し、この巻立リング15と別体構成で掘削機本体10の軸方向と同方向を軸線方向として配置され、上記した防水シート1を巻回状態で、かつ回転自在に保持するようになっている。
【0031】
また、溶着部20は、巻立リング15の後方に配置される。この溶着部20は、図3,4に示すように、周方向溶着機21と軸方向溶着機23とで構成される。
周方向溶着機21は、巻立リング15に対して防水シート1の幅長と略同等の距離離れた位置とされ、上記シート支持杆17に設けられるガイド22に沿って周方向に移動するようになっている。また軸方向溶着機23は、保持部18に近接し、この保持部18の軸線方向と平行なガイド24に沿って移動自在とされている。
【0032】
各溶着機21,23は、それぞれガイド22,24に沿って自走する構造とされるとともに、図3に示すように、加熱ごて25と押えローラ26とで略具備している。
そして、互いに接合させる防水シート1の端縁部分における対向面間に加熱ごてを挿入させ、これら対向する両面を加熱させ軟化させながら縁部分に沿って移動するとともに、加熱軟化した両防水シート1の表面側から押えローラ26にて加圧させることで両防水シート1を接合させるようになっている(図6参照)。
【0033】
次に、上記構成の防水シート1及び装置12を用いたトンネル内壁への敷設の手順について説明する。
なお、トンネル内において、防水シート1の敷設開始位置となるトンネルの端部に位置する防水シートは既に環状に敷設されており、この既設の防水シートに続けて新たに防水シート1を敷設する場合の手順についての説明を行う。
【0034】
まず、保持部18に、巻回状態となっている防水シート1がセットされる。
次に、防水シート1の先端1aを引き出し、その先端縁1aを巻立リング15のクリップ部16に挟持させる。
【0035】
次に、巻立リング15の回転を開始する。
防水シート1は、巻立リング15の回転に伴い、図2に示すように、保持部18に保持されている巻回状態から徐々に繰り出される。そして、防水シート1はシート支持杆17の外周に位置するようになって内壁面の周方向に展張される。この展張状態では、既に敷設され環状に形成されている既設防水シート1のトンネル奥方側縁部の表面に、新たに展張された防水シート1の手前側縁部が重ね合わされ、すなわち、これら既設防水シートと新設防水シートとが所定幅長の重ね代にて互いに重ね合わされた状態となる。
【0036】
そして、巻立リング15が図5(a)に示すように、略一回転すると、回転は停止する。
なお、このとき防水シート1に余剰部分があれば切断処理を行う。また、防水シート1の周方向の展張状態においては、その長手方向両端が重ね代を有した状態とされる。
【0037】
次に、環状に展張された防水シート1の長手方向の端縁部分の一方である接合開始端部1bにおける既設の防水シート1と重合する縁部に、図1及び図6(a)に示すように、支持片4が貼り付けられる。
【0038】
この支持片4は、両防水シート1の重合する幅長と略同等の幅長に形成されるとともに、前述した周方向溶着機21を構成する加熱ごて25と押えローラ26との間隔長さよりやや長い長さの略短冊帯状に形成され、加熱ごてによる加熱にて変形などを起こさない非熱可塑性材質、例えばアルミ合金や軟質塩化ビニル樹脂などの素材よりなり、容易に剥離可能な粘着テープや接着剤にて防水シート1の端部に、この端部に対して長手方向である周方向に延出するように仮固定される。
【0039】
次に、周方向溶着機21による既設の防水シート1との接合を行う。
周方向溶着機21は、加熱ごて25と押えローラ26との間隔位置を考慮し、防水シート1の接合開始端部1bが加熱ごて25の位置となり、押えローラ26が支持片4を押さえる位置となって、すなわち、図6(b)に示すように、防水シート1の端部1bを支持片4を介して押えローラ26にて押さえた状態で加熱ごて25による接合が開始される。
【0040】
周方向溶着機21は、ガイド22に沿って、図5(b)及び図6(c)に示すように、周方向へと移動を開始し、これにより、既設の防水シート1に対し、新たに展張された防水シート1の縁部を、加熱・軟化させながら押えローラ26によって押圧して互いを接合する。
【0041】
なお、この周方向溶着機21による接合作業が開始され、接合開始端部分1bの接合を終え支持片4上を押えローラが通過した時点で、図6(d)に示すように、支持片4は取り除かれる。
【0042】
そして周方向溶着機21がガイド22に沿って周方向に移動し、他方の端部に達することで、既設の防水シート1と新設の防水シート1とは接合が完了する。
【0043】
次に、軸方向溶着機23により、防水シート1の両端部の接合が行われる。
これにより新設の防水シート1が環状に接合形成され、かつ既設の防水シート1と接合されて連続した略筒状に形成される。
【0044】
そして、上記巻立リング15による展張、各溶着機21,23による接合の各作業が繰り返され、環状の防水シート1が連続して接合形成され、トンネル内壁面に筒状に形成される防水シートが敷設される(図9参照)。
【0045】
従って、上記のような構成のトンネル用防水シート1とその敷設方法によれば、防水シート1の縁部に基布層3が積層形成された構造としたので、他の防水シート1との接合時に、加熱し軟化させた状態で押えローラ26にて押圧しても、従来のような伸びが発生せず、防水シート1の縁部を周方向に連続して加熱し接合させる場合でも、伸びの累積によるしわの発生がなく、互いの防水シート1の接合状態が縁部に沿って確実なものとなる。また、しわが発生することなく両防水シート1の接合が行えるので、溶着品質が向上し、信頼性の高い防水性能を得ることができる。
【0046】
また、上記のような防水シート1の敷設方法によれば、展張し、溶着機21にて防水シート1を接合する際に、その接合開始端部1bに支持片4を仮固定させることとしたので、溶着機21による接合開始位置を、防水シート1の端縁とすることが可能となり、すなわち、支持片4による延長部分を仮に形成することで、防水シート1に対する未加熱部分がなくなることとなり、これにより、その接合の始点部分が溶着機21を用いて接合でき、手作業にて後加工を施すなどの煩雑な作業が不要となる。そして、このことから、作業性が向上し、防水シート1の敷設作業が迅速に行え、工期の短縮化を図ることが可能となる。
【0047】
なお、上述した実施の形態では、防水シート1を構成するシート材本体2の長手方向に沿う両縁に、基布層3を積層形成する例について述べたが、図7に示すように、シート材本体2の長手方向に沿う両縁に、粘着テープ5を貼設する構成として防水シート1としてもよい。
【0048】
この粘着テープ5は、布地を具備するもので、上述した基布層3を構成するような伸縮性を有さない織布などを備え、粘着剤が一方の面に層状に形成された帯状のものである。
【0049】
そして、この粘着テープ5は、シート材本体2の両縁における他の防水シート1との接合面となる面とは反対の面に貼着され、すなわち、防水シート1として、両縁に位置する粘着テープ5が表面と裏面とで互い違いとなるように構成される。
【0050】
この粘着テープ5を貼着する構成の防水シート1では、上述したような製作時に基布層3を形成する防水シートに比べ、コストがかからず容易に、基布層3を備えた防水シート1と同様の効果を得ることができる。
すなわち、防水シート1に粘着テープ5を貼着した構成とすることで、この粘着テープ5が防水シート1の加熱軟化時における伸びの発生を抑制するのである。
【0051】
そして、この粘着テープ5を備えた防水シート1の敷設方法も、上記同様の手順にて行われるものである。
【0052】
また、上述した実施の形態では、防水シート1の形状が所定幅長で、トンネルの周方向の長さと略同等の長さとされる帯状に形成され、環状に形成されるものをトンネルの奥行き方向に連続して接合し、略筒状に形成させ敷設する例について述べたが、防水シート1を長尺な帯状に形成し、この防水シート1をらせん状に連続させて、トンネル内に敷設を行うものとしてもよい。
この場合、この防水シート1は、縁部に基布層3を有する構成として予め長尺に製作しておき、これにより、トンネル内壁に対する防水シートの敷設を連続して行うことができ、基布層3によって防水シート1の伸びが発生することなく、溶着機21を連続して用いてトンネル内壁面への敷設施工を行うことが可能となる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるトンネル用防水シートとその敷設方法によれば、防水シートの少なくとも縁部における対向する互いの各接合面と反対の面に、布地を具備する粘着テープを貼設した構造としたことにより、他の防水シートとの接合時に、加熱し軟化させた状態で溶着装置の押えローラにて押圧しても、従来のような伸びが発生せず、防水シートの縁部を周方向に連続して加熱し接合させる場合でも、伸びの累積によるしわの発生がなく、互いの防水シートの接合状態が縁部に沿って確実なものとなる。また、粘着テープを縁部に貼着する構成のこの防水シートでは、製作時に基布層を形成する防水シートに比べ、コストがかからず容易に、基布層を備えた防水シートと同様の効果を得ることができる。
【0054】
また、支持片によって防水シートに対する未加熱部分がなくなり、その接合の始点部分が溶着装置を用いて接合でき、手作業にて後加工を施すなどの煩雑な作業が不要となる。これにより、しわが発生することなく両防水シートの接合が行えるので、溶着品質が向上し、信頼性の高い防水性能を得ることができる。
【0055】
さらに、上記のような構成の防水シートの敷設方法によれば、展張し、溶着装置にて防水シートを接合する際に、その接合開始端部に支持片を仮固定させることとしたので、溶着装置による接合開始位置を、防水シートの端縁とすることが可能となり、すなわち、支持片による延長部分を仮に形成することで、防水シートに対する未加熱部分がなくなることとなり、これにより、その接合の始点部分が溶着装置を用いて接合でき、手作業にて後加工を施すなどの煩雑な作業が不要となる。そして、このことから、作業性が向上し、防水シートの敷設作業が迅速に行え、工期の短縮化を図ることが可能となる。
また、機械による熱溶着で、始点部の溶着を可能にすることで、熟練した作業員による溶着作業を要することがなくなり、人為的なミスを防ぐことができ、良質な溶着品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトンネル用防水シートの実施の形態を示す概略斜視図である。
【図2】同トンネル用防水シートを敷設する防水シート敷設装置を備えたトンネル掘進機の概略斜視図である。
【図3】(a)同防水シート敷設装置の周方向溶着機の一部拡大平面図である。
(b)同正面図である。
【図4】同防水シート敷設装置の軸方向溶着機の一部拡大正面図である。
【図5】(a)同防水シートの展張方向を示す概略図である。
(b)同防水シートの溶着方向を示す概略図である。
【図6】(a)〜(d)同防水シートの周方向の溶着開始部分における動作を示す説明図である。
【図7】他の実施の形態のトンネル用防水シートの概略斜視図である。
【図8】(a)〜(e)トンネル掘進機によるトンネル施工の概略を示す説明図である。
【図9】トンネル用防水シートの敷設状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…トンネル用防止シート
2…シート材本体
3…基布層
4…支持片
5…粘着テープ

Claims (3)

  1. トンネル内における地山側に敷設され、該トンネル内の周方向に長尺な帯状に形成される熱可塑性を有した合成樹脂よりなるシート材本体の前記周方向に沿う縁部を重合し接合させて前記トンネル内壁を覆うトンネル用防水シートにおいて、
    前記シート材本体の縁部における接合開始端部に、前記周方向と同方向に所定長さ延長し、前記重合幅長と略同幅長となる略短冊帯状の非熱可塑性材質の支持片が仮固定されることを特徴とするトンネル用防水シート。
  2. トンネル内における地山側に敷設され、該トンネル内の周方向に長尺な帯状に形成される熱可塑性を有した合成樹脂よりなるシート材本体の前記周方向に沿う縁部を重合し接合させて前記トンネル内壁を覆うトンネル用防水シートにおいて、
    前記シート材本体の少なくとも縁部における対向する互いの各接合面と反対の面に布地を具備する粘着テープが貼設されるとともに、
    前記シート材本体の縁部における接合開始端部に、前記周方向と同方向に所定長さ延長し、前記重合幅長と略同幅長となる略短冊帯状の非熱可塑性材質の支持片が仮固定されることを特徴とするトンネル用防水シート。
  3. トンネル内における地山側に敷設され、該トンネル内の周方向に長尺な帯状に形成される熱可塑性を有した合成樹脂よりなるシート材本体の前記周方向に沿う縁部を重合し接合させて前記トンネル内壁を覆うトンネル用防水シートの敷設方法において、
    前記トンネル内壁面に、該トンネル内の周方向に沿って環状に形成されて既に敷設されているトンネル用防水シートに沿わせて、新たなトンネル用防水シートを、両トンネル用防水シートの縁部を重合させて前記トンネル内壁面に周方向へ環状に敷設させ、
    前記新設トンネル用防水シートのシート材本体の縁部における接合開始端部に、前記周方向と同方向に所定長さ延長し、前記重合幅長と略同幅長となる略短冊帯状の非熱可塑性材質の支持片を仮固定し、
    前記両トンネル用防水シートの重合した各縁部における対向する両面を、前記接合開始端部より前記周方向に連続して加熱し、
    前記新設トンネル用防水シートの表面よりローラにて押圧して、前記既設トンネル用防水シートと接合させ、
    前記接合開始端部の接合直後に、前記支持片を取り除くことを特徴とするトンネル用防水シートの敷設方法。
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