JP3942258B2 - 焦点検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカメラの自動焦点検出装置に適用可能な電荷蓄積型光電変換素子等の光電変換装置を用いた焦点検出装置または測距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時のカメラに使われる焦点検出装置は、如何なる被写体に対しても自動焦点を行えるものが求められ、現在までにもいくつかの提案がされている。例えば、焦点検出装置の一例では、焦点検出光学系によって形成された被写体像を電荷蓄積型のセンサを用いて受光し、そのセンサ出力を演算処理して撮影光学系の予定焦点面に対する被写体像面のデフォーカス量に応じ、また被写体までの距離を求めこの距離に応じてフォーカシングレンズを駆動することにより撮影光学系の合焦を行う自動焦点調節(以下AFと称す)機能を有している。
【0003】
しかし、この種のAFカメラでは、特に逆光状態の被写体に対してAFし難くく、被写体の背景にピントが合ってしまうという問題がある。このような問題点を解決するために例えば特開平5−264887号公報に開示された焦点検出装置においては、電荷蓄積型イメージセンサのセンサ出力を演算処理して被写体が逆光状態か否か判定し、逆光状態の時はその電荷蓄積型イメージセンサの積分時間を長く設定して再度積分を行い、その時のセンサ出力に基づいて再度焦点検出をやり直す方法を採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでに提案されている蓄積制御による改良、例えば特開平5−264887号公報で採用の電荷蓄積時間を長く設定することで低輝度を重視する蓄積制御ではまだ以下のような欠点を有している。すなわち、被写体が逆光状態の場合には、都合2回の積分と2回の演算処理を行なわなければならないので、焦点検出に要する時間がそれだけ長くかかる。例えば夜景を背景にした撮影等の場合で主被写体とその背景に所定以上の輝度差があるが両者共に低輝度であるときには、電荷蓄積型イメージセンサの積分時間はかなり長くなるので、使用時のタイムラグが非常に大きくなり、カメラ等としての使い勝手が非常に悪くなる。よって、タイムラグが使用上悪影響を与えない程度に改善する必要性が生ずる。しかし、このような焦点検出装置の実現についての具体的な提案はまだされていない。
【0005】
そこで本発明の目的は、被写体が逆光状態であっても、正確な焦点検出を行なうと共に、タイムラグを増大させることのない自動焦点検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の現状に鑑みて成されたものであり、上記問題を解決し目的を達成するために次のような手段を講じている。すなわち本発明の焦点検出装置は、
[1] 所定のピッチを有する複数の光電変換素子から構成され、焦点検出する被写体からの入射光量に応じた電荷を発生する電荷蓄積型の光電変換素子アレイと、この光電変換素子アレイの蓄積動作を制御する蓄積制御手段と、その光電変換素子アレイの出力である蓄積電荷信号をサンプリングする第1サンプリング手段と、この第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号とは少なくとも蓄積時間の一部が共通であり、前記第1サンプリング手段によるサンプリングに相当する電荷蓄積時間よりも大きい電荷蓄積時間にて前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングする第2サンプリング手段と、第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号に基づいて、焦点検出する被写体が逆光状態か否かを判定する判定手段と、前記第1サンプリング手段または前記第2サンプリング手段の出力に基づいて焦点検出演算を行う焦点検出演算手段と、を有し、前記判定手段により逆光状態と判定された場合は、前記焦点検出演算手段は第2サンプリング手段の出力に基づいて焦点検出演算を行う。
【0007】
[2] 所定のピッチを有する複数の光電変換素子から構成され、焦点検出する被写体からの入射光量に応じた電荷を発生する電荷蓄積型の光電変換素子アレイと、前記光電変換素子アレイの蓄積動作を制御する蓄積制御手段と、前記光電変換素子アレイの出力である前記蓄積電荷信号をサンプリングする第1サンプリング手段と、前記第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号とは少なくとも蓄積時間の一部が共通であり、前記第1サンプリング手段によるサンプリングに相当する電荷蓄積時間よりも大きい電荷蓄積時間にて前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングする第2サンプリング手段と、前記第1サンプリング手段の出力および前記第2サンプリング手段の出力に基づいてそれぞれ焦点検出演算を行い第1の焦点検出結果と第2の焦点検出結果を発生する焦点検出演算手段と、前記光電変換素子アレイを複数に分割した各領域に対応して電荷蓄積量をモニタし前記各領域に対応するモニタ出力に基づいて逆光状態か否かを判定する判定手段と、を有し、前記判定手段により逆光状態と判定された場合は、前記第2の焦点検出結果を優先する。
【0008】
[3] 前記判定手段が逆光状態と判定した場合には、第2サンプリング手段は、前記モニタ手段の前記各領域のうちで電荷蓄積量が最も小さい領域のモニタ出力に対応して前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の焦点検出装置について複数の実施形態例を挙げて具体的に説明する。
(第1実施形態例)
図1には、本発明の第1実施形態例としての焦点検出装置の概略構成を示す。この焦点検出装置は図示の如く次のような各手段で構成されている。すなわち、所定のピッチを有する複数の光電変換素子から構成され入射光量に応じた電荷を発生する電荷蓄積型の光電変換素子アレイ1と、この光電変換素子アレイ1の蓄積動作を制御する蓄積制御手段2と、上記光電変換素子アレイ1の出力である蓄積電荷信号をサンプリングする第1サンプリング手段3と、この第1サンプリング手段3によりサンプリングされた蓄積電荷信号とは少なくとも蓄積時間の一部が共通である光電変換素子アレイ1の蓄積電荷信号をサンプリングする第2サンプリング手段4と、上記第1サンプリング手段3の出力および第2サンプリング手段4の出力に基づいてそれぞれ焦点検出演算を行い、第1の演算結果と第2の演算結果を発生する演算手段5と、上記第1の演算結果と第2の演算結果とに基づいて最終的な焦点検出出力を発生する判別手段6とを備えている焦点検出装置である。
【0010】
この様な構成で成る本発明の焦点検出装置では、光電変換素子アレイ1は蓄積制御手段2からの蓄積開始信号により蓄積動作を開始すると、第1サンプリング手段3は所定の第1の時刻において、光電変換素子アレイ1の電荷蓄積信号をサンプリングする。この時、光電変換素子アレイ1の蓄積動作はまだ継続されている。そして演算手段5は第1サンプリング手段3の出力に基づいて焦点検出演算を行ない第1の演算結果を出力する。第2サンプリング手段4は所定の第2の時刻において、光電変換素子アレイ1の電荷蓄積信号をサンプリングする。そして演算手段5は第2サンプリング出力に基づいて焦点検出演算を行い、第2の演算結果を出力する。ここで判別手段6は第1の演算結果と第2の演算結果に基づいて最終的な焦点検出出力を発生する。この出力結果を基にして被写体に対する合焦を後述の手法に従って実行する。
【0011】
図2には、本発明の一実例として焦点検出装置が搭載されたカメラを断面図で示している。カメラ20のボディB内では、撮影レンズLを通過してきた図示しない被写体からの光束は、メインミラーMMにより反射又は透過される。メインミラーMMで反射した光束はファインダFLに導かれ、このメインミラーMMを透過した光束はサブミラーSMで反射されて焦点検出装置FDに導かれる。
【0012】
この焦点検出装置FDは、撮影レンズLを通過した光束を絞り込む視野マスクS、赤外光をカットする赤外カットフィルタSF、光束を集めるためのコンデンサレンズC、光束を全反射する全反射ミラーZM、光束を制限するセパレータ絞りK、光束を再結像させるセパレータレンズHおよび、光電変換素子アレイとその処理回路から成るAFセンサASから構成されている。
【0013】
さらに図3には、焦点検出装置FD内の光電変換素子列P上に被写体からの光束を導く焦点検出光学系の構成を拡大して詳細に示している。図示によると、前述したカメラの主要な光軸の前段に配された撮影レンズLの後方には、全反射ミラーZM(不図示)を介して光の一部が供給される焦点検出装置が設けられ、この焦点検出装置の前段には赤外カットフィルタSF(不図示)が設けられている。また視野範囲を制限する視野マスクSが前部に配されたコンデンサレンズCと、撮影レンズLの光軸に対し略対称に配置された開口部K1,K2を有するセパレータ絞りKと、これらK1,K2に対応してその後方に配されたセパレータレンズH1,H2とが図示の如く設けられている。
【0014】
撮影レンズLの領域L1を介して入射した被写体からの光束は視野マスクS、コンデンサレンズC、セパレータ絞りKの開口部K1及びセパレータレンズH1を通り光電変換素子アレイP上に再結像される。
このアレイP上に配置されている光電変換素子アレイは、セパレータレンズH1,H2に対応して第1、第2の光電変換素子アレイPDAL,PDARを有している。撮影レンズが合焦、即ち結像面G上に被写体像Iが形成される場合、その被写体像IはコンデンサレンズC及びセパレータレンズH1,H2によって光軸Oに対して垂直な2次結像面P(光電変換素子アレイ)上に再結像されて第1像I1、第2像I2となる。
【0015】
撮影レンズが「前ピン」即ち結像面Gの前方に被写体像Fが形成される場合、その被写体像Fはお互いにより光軸Oに近づいた形で光軸Oに対して垂直に再結像されて第1像F1、第2像F2となる。
撮影レンズが「後ピン」即ち結像面Gの後方に被写体像Rが形成される場合、その被写体像Rはお互いにより光軸Oから離れた形で、光軸Oに対して垂直に再結像されて第1像R1,第2像R2となる。これら第1像と第2像の間隔を検出することにより、撮影レンズの合焦状態を前ピン、後ピンを含めて検出することができる。具体的には第1像と第2像の光強度分布を光電変換素子アレイにより求めて両像の間隔の測定を行う。
【0016】
図4に示すブロック図は、図2に例示したカメラの電気制御を行うための各部の構成である。
カメラの制御装置であるコントローラCLは、例えば内部にCPU(中央処理装置)、ROM,RAM,EEPROM,ADコンバータADC等を有し、このコントローラCL内部のROMに格納されたカメラ動作に関するシーケンスプログラムに従ってカメラの一連の動作を行っている。
【0017】
コントローラCL内部のEEPROMには、AF制御、測光等に関する補正データを当該カメラボディ毎に記憶することができる。
コントローラCLに接続するレンズ駆動部LDは、このコントローラCLにより制御され、撮影レンズLのフォーカシングレンズをモータMLを介して駆動する。このフォーカシングレンズの駆動により、エンコーダELにはフォーカシングレンズ移動量に応じたパルス信号が発生し、これをコントローラCLが読み取って適宜にレンズ駆動を制御する。
【0018】
また、コントローラCLに接続する測光部SOは、撮影領域に対応したシリコンフォトダイオード(SPD)を有しており、被写体の輝度に応じた出力を発生する。コントローラCLは測光出力をADコンバータADCによりAD変換して、得られた測光値をRAM中に格納する。
ファーストレリーズスイッチ(1RSW)、セカンドレリーズスイッチ(2RSW)はレリーズ釦に連動したスイッチであり、レリーズ釦の第1段階の押し下げにより最初に1RSWがオンし、引き続いて第2段階の押し下げで2RSWがオンする。
コントローラCLは1RSWのオンで測光およびAFを行い、2RSWのオンで露出動作とフィルム巻き上げを行う。
【0019】
次に詳しくこのAFセンサASの内部構成について説明する。
AFセンサASは、光電変換素子列であるフォトダイオードアレイPDAL、PDAR、処理回路SAおよびセンサ制御回路SCCとから構成されている。このセンサ制御回路SCCは、コントローラCLからの制御信号RES、END、END1、CLK、MONおよびSELに応じてAFセンサAS内部全体の動作を制御する。
【0020】
またAFセンサASは、処理回路SAよりモニタ出力MDATAと蓄積信号出力SDATAをコントローラCL内部のADコンバータADCに対し出力する。
【0021】
さらに図5には、AFセンサASのフォトダイオードアレイPDAL、PDAR、および処理回路SAの回路図を示している。
フォトダイオードアレイPDALおよびPDARは、フォトダイオードPD1〜PD2nから構成され、各フォトダイオードに入射する光量に応じた電荷を発生する。
画素増幅回路Eでは、前記フォトダイオードアレイPD1〜PD2nで発生する電荷をそれぞれ蓄積し、それぞれの電荷量に対応する電圧信号に変換して蓄積信号Vsを発生する。
またVREF回路61は、画素増幅回路Eに基準電圧VREFを供給する。
【0022】
図6に示す回路図は、上記画素増幅回路Eの一画素分に対応する詳細な構成を示している。
フォトダイオードPD1のアノードはGNDに接続され、カソードは初段アンプ部51に入力される。この初段アンプ部51は、反転増幅器A1、積分コンデンサC1およびスイッチSW1から所謂「積分回路」を構成している。蓄積動作時はセンサ制御回路SCCからの信号φRESによりスイッチSW1をオンとして積分コンデンサC1を初期化した後、スイッチSW1をオフして蓄積動作を開始し、蓄積量に応じた電圧が初段アンプ部51の出力V1に発生する。
【0023】
この初段アンプ部51の出力V1は、2段目アンプ部52の入力に接続されており、この2段目アンプ部52はコンデンサC2、C3、C4、反転増幅器A2、バッファA3、スイッチSW2、SW3、SW4およびSW5から構成され、サンプルホールド機能を有すると共に、増幅率が−C2/C3である反転増幅回路となっている。2段目アンプ部52は初段アンプ部51の出力V1を増幅し、出力Vs1を発生する。
また反転増幅器A2の出力は、スイッチSW6、ホールドコンデンサC5およびバッファA4から構成される第1サンプル部53に接続されている。
これらのスイッチSW1〜SW6は各々センサ制御回路SCCからの信号φRES、φRES1、φRES1バー、φENDおよびφEND1によりそれぞれオン・オフ制御される。
【0024】
ここで図7に、画素増幅回路Eの蓄積動作時のタイムチャートを示して動作のタイミングについて説明する。
最初にコントローラCLからの信号RESのレベルを高→低(即ち、H→L)に変えることにより、センサ制御回路SCCはφRES、φRES1をH(High)に、φRES1バーをL(Low) に設定して、SW1、SW2、SW4をオンし、SW5をオフにする。また信号ENDのレベルを低→高(即ち、L→H)に変えることによりφENDをHとしてSW3をオンし、信号END1のL→HによりφEND1をHとしてSW6をオンする。このようにして各部の初期化を行うと共に、コンデンサC3にSW4との接続点の初期値がVREFとなるように電位を記憶させる。
【0025】
そして同様に、信号RESのL→Hにより、φRESをH→LとしてSW1をオフすると、積分コンデンサC1に蓄積動作を開始し、初段アンプ部51の出力V1の電位は上昇する。センサ制御回路SCCは内部において、φRES1とφRES1バーをφRESに対して遅延させてそれぞれL→H、H→Lとし、このタイミングでSW2、SW4をオフ、SW5をオンする。このようにして初段アンプ部51の蓄積開始初期に出力V1に発生するスイッチングノイズとフィールドスルーの影響を除去する。
【0026】
また、2段目アンプ52の出力VS1および第1サンプル部の出力VS1BはVREF電位から変化を開始し、初段アンプ51の出力変化分ΔV1を前記増幅率−C2/C3で増幅して出力VS1を発生する。
VS1 = VREF − (C2/C3)・ΔV1 ・・・(1)
そして信号END1のH→LによるφEND1のH→LによりスイッチSW6をオフすると、ホールドコンデンサC5にその時点での蓄積量に対応する電圧レベルがホールドされる。このとき第1サンプル部出力VS1Bは一定となるが、蓄積動作はなお継続されて出力VS1の電位は下降し続ける。
【0027】
さらにサンプリングし直す場合には、信号ENDをL→Hとして所定時間Hとした後にLとして、その時点の蓄積レベルを再度サンプリングすることができる。
【0028】
次に、信号ENDのH→LによるφENDのH→LによりスイッチSW3をオフするとホールドコンデンサC4にその時点での蓄積量に対応する電圧レベルをホールドして蓄積レベルを保持する。このとき、画素増幅回路Eとしての蓄積動作は終了し、出力VS1の電位は一定となる。ホールドコンデンサC4にホールドされた蓄積レベルは、センサ制御回路SCCからの初期化信号φRES=L、φEND=Hが入力されない限り保持される。
このように同一の蓄積動作中の異なる蓄積タイミングでの蓄積量をホールドすることが可能である。
【0029】
ここで再び図5を参照すると、画素増幅回路Eの各出力Vs1〜Vs2nにはPMOSトランジスタP1〜P2nのゲートが各々接続されている。これらのPMOSトランジスタP1〜P2nのドレインは全てGNDに接続され、一方、それぞれのPMOSトランジスタのソースはその一部はスイッチSWP1〜SW2nを介した後、また一部は直接に定電流負荷ILに接続されており、さらにバッファB1に入力される。
【0030】
スイッチSWP1〜SW2nは後述するように、画素増幅回路Eの出力をモニタする範囲を切り換えるためのスイッチである。そして、バッファB1の出力はMDATAとなる。ここで、PMOSトランジスタP1〜P2n、定電流負荷IL、バッファB1は画素増幅回路E1〜E2nの各蓄積レベルのMAX値を検出し出力するピーク検出部60を構成している。このピーク検出部60は画素増幅回路Eの各出力Vs1〜Vs2のうちのピーク検出を行う。即ち、最も入射光量の大きいフォトダイオードに対応する画素増幅回路Eの出力Vsに応じたモニタ信号VM をMDATA端子に出力する。
【0031】
コントローラCLからの制御信号MONに応じたセンサ制御回路SCC出力φMONによりモニタ範囲を切り換えることができる。また、スイッチSWP1〜SWP2nをオンすることにより全画素増幅回路Eの内からピーク検出を行い、一方、スイッチSWP1〜SWP2nをオフすることにより中央部の画素増幅回路Eの内からピーク検出を行なうことが可能となる。図8のa,bに対応した範囲を切り換えることができる。
【0032】
また画素増幅回路のE1〜Enの各出力Vs1〜Vs2nおよびVs1B〜Vs2nBは更にそれぞれスイッチSWs1〜SWs2n、スイッチSWs1B〜SWs2nBを介した後、共通に接続されてバッファB2に入力される。コントローラCLからの制御信号SELの応じたセンサ制御回路SCC出力φSELにより、いずれか一方が選択される。
上記スイッチSWs1〜SWs2n、又はスイッチSWs1B〜SWs2nBは、センサ制御回路SCCからの信号φCLKをシフトレジスタSRに入力することにより、これに同期してシフトレジスタSRによって順次にオンされ、各画素増幅回路Eの各出力をセンサ信号に順次出力させる。
【0033】
なお、採用する読み出し方式は、このように各画素増幅回路Eにそれぞれホールドされている蓄積レベルが読み出し動作によって破壊されることのない所謂「非破壊読み出し方式」である。よって、全画素のセンサ信号を読み出した後、再度シフトレジスタSRに信号φCLKを入力することによって、同一蓄積のセンサデータを繰り返し読み出すことが可能となる。
【0034】
図9には、AFセンサASの蓄積動作と蓄積信号読み出し動作を表わすタイミングチャートを例示する。まず、信号RESをH→L、ENDをL→H、END1をL→Hとすることにより画素増幅回路E内の各部の初期化を行う。そして所定時間後に信号RESをL→Hとすることにより画素増幅回路Eの蓄積動作を開始する。
【0035】
蓄積動作中は、各フォトダイオード毎の入射光量に応じた傾きで、各画素増幅回路Eの出力Vs1〜Vsnのレベルが下降していく。MDATA出力にはこれらのVs1〜Vs2nのうちで最もレベルの低い出力(MAX)に追従した出力がモニタ信号として出力される。
コントローラCLはこのMDATA出力を所定のタイミングで、内蔵しているADコンバータADCでAD変換して、そのレベルをチェックする。そして信号END1をH→Lとすることにより各画素ブロックの蓄積レベルを前述の画素増幅回路E内のホールドコンデンサC5に保持する。このとき蓄積動作は継続して行われる。
【0036】
次に、各画素の蓄積信号であるセンサデータの読み出しを行う。コントローラCLは制御信号SELをHとして、第1サンプル部53出力Vs1B〜Vs2nBを選択する。そしてAFセンサASのCLK端子に読み出しクロックを入力すると、シフトレジスタSRが動作し信号S1〜S2nが出力される。また、シフトレジスタSRの出力S1〜S2nによりセンサ制御回路SCC出力φSELにより選択されているスイッチSWs1B〜SWs2nBが順次にオンされる。それにより、各画素の蓄積信号出力Vs1B〜Vs2nBが端子SDATAに順次出力される。
【0037】
コントローラCLはSDATA出力を信号CLKに同期してAD変換を行い、AD変換の結果を内部のRAMへ格納を行う。この様にして全ての画素についてのセンサデータの読み出しが完了したところでその読み出し動作を終了する。
【0038】
次に、信号ENDをH→Lとすることにより各画素ブロックの蓄積レベルを前述の画素増幅回路E内ホールドコンデンサC4に保持する。このとき同時に蓄積動作を終了する。
【0039】
コントローラCLは信号SELをLとしてスイッチSWs1〜SWs2nを選択し、スイッチSWs1〜SWs2nが順次にオンされる。これにより各画素の蓄積信号出力Vs1〜Vs2nが端子SDATAに順次出力される。
またコントローラCLは同様に、SDATA出力を信号CLKに同期してAD変換し、センサデータを読み出す。
【0040】
次に本発明を適用したカメラの動作について、図10に示すカメラシーケンスに基づいて説明する。なおこれは、図4に示したコントローラCLが行う動作制御プログラムのメインルーチンである。
まず、コントローラCLが稼動を開始すると、このメインルーチンが実行され、最初にEEPROMに予め記憶されている各種補正データや蓄積制御データを読み込んでRAM内に展開する(S100)。
【0041】
ステップS101においては、1RSW(ファーストレリーズスイッチ)がオンされているか否かを判断し(S101)、もしオンでなければステップS109に分岐する。一方、オンであれば、露出量を決定するために測光部SOを動作させて被写体輝度を測定する測光動作を行い(S102)、被写体に対する焦点状態を検出し、それに基づいて撮影レンズを合焦位置へ駆動して被写体にピントを合わせる「AF」を行う(S103)。
【0042】
このAF動作の結果、合焦したか否かを判別する(S104)。もし合焦していなければステップS108に進む。一方、合焦している場合は、更に2RSW(セカンドレリーズスイッチ)がオンされているか否かを判別する(S105)。もし2RSWがオンされていなければ上記ステップS101に戻る。一方、オンされている場合は、「露出」を行うためにまず上記ステップS102で求めた測光値に基づいて決定された絞り値に図示しない撮影レンズの絞りを絞り込み、次に、図示しないシャッタを制御して所定時間だけシャッタを開いて露出動作を行う(S106)。
【0043】
このシャッタ動作が終了したら絞りを開放状態に戻した後、撮影したフィルムを巻き上げて次のコマの位置に給送し(S107)、一連の撮影動作を終了して続くステップS108に進む。
ステップS108では、不図示の表示装置LCD、LEDへの所定の表示動作を制御する(S108)。
【0044】
ステップS109では、シャッタに係わる1RSWや2RSW以外の他のスイッチ、例えばモードSW等のどれかが操作されていることを想定してそのスイッチの状態を判定し、オンされていなければ上記ステップS108に進む。一方、オンされているスイッチがある場合はそのオンされたスイッチに応じた処理(詳細は本発明の主旨には関係しないので省略)を実行(S110)した後ステップS108に進んで所定表示の後、ステップS101に戻り同様な処理ステップを繰り返す。
【0045】
次に図11には、前述したメインルーチン中のステップS103でコールされるサブルーチン「AF」の処理手順をこのフローチャートに従って説明する。
ステップS200では、後述するサブルーチン「蓄積制御」をコールすることにより、後述する如く、AFセンサASの蓄積動作を開始し、AFセンサASのモニタ出力をチェックし所定のレベルに達したら処理を終了する(S200)。
第1サンプリングを行ない、電荷蓄積信号をホールドする(S201)。
AFセンサASにおいてホールドされた信号をセンサデータとして読み出す(S202)。詳しくは、コントローラCLから読み出しクロックCLKをAFセンサASに出力すると、AFセンサAS内部ではそれに同期してシフトレジスタSRが動作し、センサデータがAFセンサASのSDATA端子より出力される。またコントローラCLは読み出しクロックCLKに同期して、このセンサデータを順次にAD変換してRAMに格納する。
【0046】
続いて、このRAMに格納されたセンサデータに基づいて「焦点検出演算」を行う(S203)。
【0047】
以下に、この「焦点検出演算」について数式に従って詳しく説明する。
センサデータをそれぞれa( i) ,b( i) ,(i=1〜n)とすると、焦点検出演算として最初に相関量F( s) を求めるために、次式(3)に従い相関計算を行う。
F( s) = Σ|a( i) −b( i+s) | ・・・(3)
(但し、i=l〜m)
なお、sは一対の光電変換素子アレイからのセンサデータの光電変換素子のピッチを単位とした相対的なシフト量である。またsのとる範囲はsmax 〜smin である。iのとる範囲はl〜mであり、1≦i<m≦nの条件を満足するように決められている。更にlとmの値によって焦点検出領域の大きさが設定される。
【0048】
前式(3)による各ブロックの演算結果は図13(a)のグラフに示す如く、被写体像データの相関が最も高いシフト量s=xにおいて相関量F( s) が最小になる。そして図13(b)に示す如く、前式(2)、前式(3)による3点補間の手法を用いて連続的な相関量に対する最小値F( s)min = F( x0) を与えるシフト量x0を次のような式で求める。すなわち、x0 =
x+(F( x−1) −F( x+1) )/{2・(F( x−1) +F( x) )}
(但し、F( x−1) ≧F( x+1) の時) ・・・(4)
x0 =
x+(F( x+1) −F( x−1) )/{2・(F( x+1) +F( x) )}
(但し、F( x−1) <F( x+1) の時) ・・・(5)
また上式で求めたシフト量x0より被写体像面の予定焦点面に対するデフォーカス量DFを式(6)で求めることができる。
DF = b/{a−(x0−xs)}+ c ・・・(6)
(但し、a, b, c:焦点検出光学系で決まる定数、xs:合焦時2像の間隔)続いて、図11ステップS204において第1焦点検出演算の結果が検出可能であるか否か判定し(S204)、もし検出可能であれば、次のステップS205に進む。一方、検出不能の場合はステップS206に進む。
【0049】
なお、上記ステップS204における検出可能か否かの判定は以下の方法による。すなわち、被写体データの相関度が低い場合は、最小相関値F( x) の値が大きくなる。したがって、F( x) が所定値以上の場合は信頼性が低いと判定する。また最小相関値F( x) と2番目に小さい相関値F( x+1) 又はF( x−1) との和を被写体データのコントラスト相当の値で規格化した値SKを次式のように計算する。
SK =(F( x) +F( x+1) )/(F( x−1) − F( x) )・・・(7)
(又は、SK =(F( x) +F( x−1) )/(F( x+1) −F( x) )
もし上記SKが所定値以上の場合は、「信頼性が低い」と判定する。このようにして信頼性が低い場合にはステップS204では「検出不能」と判定される。
その他にも信頼性の判定方法としては種々の方法があり、ブロック内センサデータのMAX値とMIN値の差であるコントラストが所定値より小さいか否か検出し、もしそのコントラストが小さい場合は検出不能とする。
【0050】
次に図11サブルーチン「AF」中のステップS205では、逆光状態か否か判定する(S205)。ここで逆光状態の検出方法について説明する。即ち、AFセンサASのセンサデータを用いて逆光検出を行なう。逆光状態では図14(b)のようなセンサデータが得られる。図14(a)に示すように並べられているセンサデータ列を3個のブロックa,b,cに3分割したブロック毎のセンサデータの総和を求め、中央ブロックbの総和と周辺ブロックa、cの総和の差が所定値以上ある場合に中央部の主被写体が逆光状態にあると判断する。
【0051】
逆光状態の場合はステップS206にて第2サンプル時間に達するまで待機する。この第2サンプル時間は次のように決定する。逆光状態で主被写体が正常に検出できなくなるのは、主被写体と背景の輝度差が4倍以上の場合である。一方、実際の撮影シーンとして有り得る逆光状態は上記輝度差が16倍程度である。したがって第2サンプル時間は第1サンプル時間に4〜16を乗じた時間とする。
【0052】
また別な方法としては、中央ブロックbのセンサデータの平均値Sbを求め、平均値Sbが適例レベルStとなるような蓄積時間T2を算出し、第2サンプル時間とするような、次式に従う方法がある。
T2 = T1・(St/Sb) ・・・(8)
(但し、T1は第1サンプル時間)
一方、ステップS205で逆光状態ではない場合はステップS217に進む。
【0053】
ステップS206で第2サンプル時間の経過を判定し(S206)、その所定時間に達すると、次ステップS207に移行して、コントローラCLはAFセンサASに対してEND信号を出力して、第2サンプルを行うと共にAFセンサASの蓄積動作を終了させる(S207)。
【0054】
次にステップS208で第2サンプルによる第2センサデータを読み出す(S208)。このとき、第2センサデータは図14(c)に示すように中央ブロックbについて適正なセンサデータが得られる。
続いて、得られた第2センサデータに基づいて第2焦点検出演算を行なう(S209)。なおこの第2焦点検出演算は、第1焦点検出演算と全く同じ方法で行われる。
【0055】
更に続いて、第2焦点検出演算の結果が検出可能か否か判定する(S210)。もし検出可能の場合はステップS211に移行して、第2焦点検出演算による検出デフォーカス量が許容範囲内にあるかを判別し(S211)、一方、範囲内にあれば合焦状態にあるのでステップS212に進んで合焦表示を行い、リターンする。ステップS211の合焦表示では合焦を示す不図示のファインダ内LEDを点灯させたり、不図示のPCVを発音させて合焦となったことを報知する。
【0056】
前記ステップS205で逆光状態ではない場合は、ステップS217に移行して、第1焦点検出演算による検出デフォーカス量が合焦範囲内か否か判別し(S217)、もし非合焦状態であれば前記ステップS203で求められた検出デフォーカス量に基づきレンズ駆動量を計算し、レンズ駆動を行なう(S218)。
一方、前記ステップS211で非合焦状態であれば、前記ステップS210で求められた検出デフォーカス量に基づきレンズ駆動量を計算し、レンズ駆動を行なう(S213)。その後は再び最初のステップS200に戻り、所定の蓄積動作を行った後、同様な処理ステップを行う。つまり焦点検出動作そしてレンズ駆動を行い、合焦するまで同様なこのループを繰り返す。
【0057】
一方、前記ステップS210において検出不能であった場合には、ステップS214に進んで、第1の焦点検出演算の結果が検出可能であったかを判定する(S214)。もし第1焦点検出演算が検出可能の場合は第1検出結果を採用し(S215)、上記ステップS217に進み、第1焦点検出演算による検出デフォーカス量が合焦範囲内か否か判別し(S217)、もし非合焦状態であれば前記ステップS203で求められた検出デフォーカス量に基づきレンズ駆動量を計算し、レンズ駆動を行なう(S218)。
一方、前記ステップS214で第1検出結果が検出不能の場合は、第2検出結果も検出不能であるので、ファインダ内LEDを点滅させる等の検出可能を示す表示を行い(S216)、その後はメインルーチンにリターンする。
【0058】
次に、前述のサブルーチン「蓄積制御」について、図12に例示のフローチャートに従い説明する。
まず、AFセンサASの蓄積を開始して蓄積中フラグをセットすると共に、コントローラCL内部の不図示のカウンタを動作させ蓄積時間の計測を開始する(S300)。
【0059】
ステップS301では、前述のカウンタ出力に基づく蓄積時間tを蓄積リミット時間TImtと比較し(S301)、もし蓄積時間tが蓄積リミット時間TImtよりも大きい場合は、メインルーチンにリターンする(S304)。
【0060】
一方、蓄積時間tが蓄積リミット時間TImt以下の場合は、モニタ出力MDATAのレベルをAD変換する(S302)。
【0061】
続いて、AD変換値Mを所定の判定値Mth と比較する(S303)。
そしてモニタレベルMが判定値Mth よりも小さい場合は、充分な蓄積量となったので蓄積制御を正常終了してメインルーチンにリターンする(S304)。一方、モニタレベルMが判定値Mth 以上の場合は上記ステップS301に戻って蓄積時間リミットか否かチェックする。
【0062】
(作用効果1)
このように、図1〜図12に例示した本発明の第1実施形態例においては、第1サンプリングされたセンサデータにより焦点演出演算を行なうと共に、被写体に対する焦点検出が逆光状態か否かを判定し、逆光の場合は継続して行われている蓄積動作において主被写体に対して適正な蓄積量となる第2サンプリング時間に第2サンプリングすることで、適正なセンサデータが得られる。そのため、逆光状態でも正確な焦点検出が可能であると共に、従来の手法に比べて使用上のタイムラグを減少させるという効果も得ることができる。
【0063】
(第2実施形態例)
次に、本発明の第2実施形態例に係わる焦点検出装置について説明する。但し、本例の焦点検出装置の構成は、前述した第1実施形態例の構成と同一であり、本発明の第2実施形態例は第1実施形態例に対して、図15に示すサブルーチン「AF」の処理ステップが異なる以外は実質的に同一である。
よって、図15に示すサブルーチン「AF」のフローチャートおよび、図16に示すタイムチャートに基づいて説明する。なお図16中のタイムチャートは逆光時の蓄積動作を示している。
制御信号MONをLとしてAFセンサASのモニタ範囲を全フォトダイオードに対応させる(S400)。これは図8のaに対応している。
【0064】
ステップS401では、サブルーチン「蓄積制御」をコールすることにより、AFセンサASの蓄積動作を開始し、AFセンサASのモニタ出力MDATAをチェックする。そして全画素増幅回路のピークレベルが適正な蓄積量となる時間でリターンする。なおこのコールされるサブルーチン「蓄積制御」は第1実施形態例と同様な図12に示すフローチャートに従って実行される。
【0065】
第1サンプリングを行ない(END1 H→L)、電荷蓄積信号をホールドする(S402)。このときも蓄積動作は継続されている。
AFセンサASにおいてホールドされた信号をセンサデータとして読み出す。コントローラCLから読み出しクロックCLKをAFセンサASに出力すると、AFセンサAS内部ではそれに同期してシフトレジスタSRが動作し、センサデータがAFセンサASのSDATA端子より出力される。コントローラCLは読出しクロックCLKに同期して、このセンサデータを順次AD変換してRAMに格納する(S403)。
【0066】
続いて、このRAMに格納されたセンサデータに基づいて第1焦点検出演算を行う(S404)。
そして、第1焦点検出演算の結果が検出不能であるか否か判定し(S405)、もし検出可能であれば、ステップS406に進み、逆光状態か否かを判定する(S406)。もし逆光状態ではない場合はステップS427に進む。なお、この逆光状態の検出方法は前述の第1実施形態例と同様に行う。
【0067】
一方、上記S405で検出不能の場合はステップS407に分岐する。
逆光状態の場合はステップS407にてモニタ範囲の切換えを行なう。即ち、制御信号MONをHにしてAFセンサAS内のピーク検出範囲を中央ブロックに対応する部分のみに設定する(図8のbに対応)。この切換えにより逆光状態の中央部主被写体に対応した蓄積量のピーク値をモニタ出力MDATAに出力する(S407)。
【0068】
モニタされたレベルを表わすMDATA出力をAD変換する(S408)。
ステップS409では、AD変換されたモニタレベル値Mを所定の判定値Mth と比較する(S409)。もしモニタレベルMが判定値Mth 以上なら、さらに、蓄積時間リミットTlmtに達したか否かを判定する(S410)。もし蓄積時間リミットTlmtに達した場合は、AFセンサASに対してEND信号を出力して、第2サンプルを行うと共に蓄積動作を終了させる(S411)。
一方、モニタレベルMが判定値Mth よりも小さい場合は、充分な蓄積量となったので、上記同様にステップS411に進み、AFセンサASに対してEND信号を出力して、第2サンプルを行うと共に蓄積動作を終了させる。
【0069】
次に第2サンプルによる第2センサデータを読み出す(S412)。この第2センサデータに基づいて第2焦点検出演算を行なう(S413)。なお、第2焦点検出演算は第1焦点検出演算と同様な方法で行われる。
【0070】
ステップS414では、第2焦点検出演算の結果が検出可能か否か判定する(S414)。もし検出不能である場合は後述のステップS423に分岐する。一方、検出可能の場合は、第1焦点検出演算の結果が検出可能か否かを判定し(S415)、もしこの第1焦点検出結果が検出不能であったならば、後述するステップS426に分岐する。一方、検出可能であったならば、第1及び第2焦点検出結果のうちのより近距離側、即ち「後ピン側」の結果を選択する(S416)。
【0071】
ステップS417では、選択したデフォーカス量が許容範囲内にあるかを判別し、合焦したか否か判別する(S417)。もし合焦状態であれば所定の合焦表示を行い(S418)、メインルーチンにリターンする。
一方、まだ非合焦の場合はステップS419に移行し、検出デフォーカス量に基づきレンズ駆動する(S419)。そして、制御信号MONをLにしてモニタ範囲を全域に設定する(S420)。
【0072】
今回採用した焦点検出結果が第1結果であるか判定し(S421)、もし第1の場合は前記ステップS401に戻って同様な一連の処理ステップを繰り返す。一方、第2結果の場合は制御信号MONをHに設定し、モニタ範囲を中央ブロックのみにする(S422)(図8のbに対応)。そして前記ステップS401に戻る。
【0073】
このように、ステップS420〜422では、今回採用したモニタ範囲を次回焦点検出においても採用するので、逆光状態の時はモニタ範囲を中央部に設定され第1サンプルにより適正なセンサデータが得られる。
【0074】
ステップS423では、第1の焦点検出演算の結果が検出可能であったか判定し(S423)、もし第1焦点検出演算が検出可能の場合は第1検出結果を採用し(S424)、前記ステップS417に進む。
一方、第1の焦点検出演算の結果が検出不能だった場合は、第2検出結果も検出不能であるので、検出不能を示す表示を行い(S425)、メインルーチンにリターンする。
【0075】
ステップS426では、検出不能であった第1焦点検出結果の代わりに第2結果を採用し(S426)、前記S413で求められた検出デフォーカス量に基づきステップS417で合焦判定、ステップS419でレンズ駆動を行なう。 その後は前記ステップS401に戻り蓄積動作を行う。以下同様に焦点検出動作、レンズ駆動を行い、合焦するまで繰り返す。
【0076】
ステップS427以降では、前述同様にS417の判定に続き、S418またはS419に分岐する。即ち、第1焦点検出演算による検出デフォーカス量が合焦範囲内か否かを判別し(S417)、もし合焦した場合は合焦表示を行ない(S418)、リターンする。一方、非合焦の場合は上記S403で求めた検出デフォーカス量に基づくレンズ駆動を行ない(S419)、これ以降は前記S420〜S422へ同様に進んでモニタ中央部の適正なセンサデータを得る。
【0077】
(作用効果2)
このような本発明の第2実施形態例としての焦点検出装置では、従来技術に比べて焦点検出のタイムラグが改善される。すなわち、図17を参照すると、焦点検出のタイムラグは、示すように本実施例(a)は従来例(b)に比較して時間Ttだけ焦点検出に要する時間が短縮されることがわかる。特に、比較的明るい夜景を背景とした撮影シーンのように適正蓄積時間が長くなるシーンにおいては、タイムラグの短縮の効果がより有効に発揮される。
【0078】
以上述べたように第2実施例においては、逆光被写体に対しても正確に焦点検出可能で、かつ焦点検出に要するタイムラグを減少させることができる。また、第1サンプルの焦点検出結果と第2サンプルの焦点検出結果を比較し、より近距離の方を選択するので背景にピントが合ってしまい。主被写体がピンぼけになるといった不具合が解消される。
また逆光でないと判別した場合は、第2サンプル、第2センサデータ読み出し、第2焦点検出演算を行わないので、余計なタイムラグの発生を防止できる。
このように、本第2実施形態例のような焦点検出装置は、夜景や逆光が多い被写体を撮影するためのカメラ等に最適であろう。
【0079】
(第3実施形態例)
また同様に、本発明の第3実施形態例に係わる焦点検出装置について説明するが、本例の焦点検出装置の構成上の特徴は、モニタ範囲を図18に示すように3個のブロックに設定可能であることとにあり、これ以外は前述した第1及び第2実施形態例の構成と同一である。また、図5中のピーク検出回路60を図19に示す回路のように変更していることにある。すなわち、
図19のピーク検出回路60は、画素増幅回路Eのピーク出力をモニタする範囲を各ブロック対応した範囲に設定することができる。コントローラCLからの制御信号MON0、MON1はセンサ制御回路SCCを介してデコード回路62に入力される。このデコード回路62はMON0、MON1に応じて各ブロックに対応するSWM1、SWM2、SWM3を選択してオンする。そして選択されたブロック内の画素増幅回路ピーク出力に応じたモニタ信号をMDATAに出力する。
【0080】
次に本例の焦点検出装置の手法上の特徴であることについて、図20のタイムチャートおよび図21に示すサブルーチン「AF」のフローチャートに基づいて説明する。また図22に示した対応表、即ちピーク検出回路が有する多数の画素増幅回路を複数ブロックに対応して信号レベルを設定するときの対応表も合わせて参照する。
【0081】
ステップS500では、AFセンサASの蓄積動作を開始する(S500)。
AFセンサASのモニタ範囲をブロック1に対応させ(MON0:L、MON1:H)、AFセンサASのモニタ出力MDATAをチェックしそのレベルM1をメモリする(S501)。
【0082】
AFセンサASのモニタ範囲をブロック2に対応させ(MON0:H、MON1:L)、同様にモニタ出力MDATAをチェックし、そのモニタレベルM2をメモリする(S502)。
さらに同様にしてモニタ範囲をブロック3に対応させ(MON0:L、MON1:L)、モニタ出力MDATAをチェックした後、そのモニタレベルM3をメモリする(S503)。
【0083】
そしてステップ504では、それぞれメモリしたモニタ値M1、M2、M3を比較して最小値Mmin と最大値Mmax を判別する(S504)。また、最大値Mmax と最小値Mmin の差Mdを求め、所定の逆光判定値Mgと比較する(S505)。ここでもしMdがMg以下の場合は、逆光ではないと判断し後述するステップS529へ分岐する。一方、MdがMgより大きい場合は逆光であると判断して次ステップS506に進む。
【0084】
そしてステップ506では、モニタ値が最小値Mmin を示すブロックを選択し、モニタ範囲を設定する(参照:図20のブロック1、MON0:L、MON1:H)。選択したブロックの画素増幅回路のピークレベルであるMDATA出力が適正な蓄積量レベルとなるまで待機する(S507)。
蓄積レベルになる時間に達すると、第1サンプリングを行ない(END1 H→L)、電荷蓄積信号をホールドする(S508)。なおこの時、蓄積動作は継続されている。
【0085】
次にステップS509では、モニタレベルMmax のブロックを選択し、モニタ範囲の切換えを行ない(参照:図20のブロック3、MON0:L、MON1:L)、AFセンサAS内のピーク検出範囲を選択ブロックに対応する部分のみに設定する(S509)。これにより選択ブロックに対応した蓄積量のピーク値をモニタ出力MDATAに出力する。
【0086】
ステップS510では、MDATA出力を参照して、第2サンプルまでの時間と第1センサデータ読み出し、第1焦点検出演算に要する時間を比較する(S510)。もし第2サンプルまでの時間の方が小さい場合は、後述するステップS523に移行する。これは比較的高輝度時で、適正な蓄積時間が非常に短時間の場合にはサンプル時間を優先させるためである。
一方、第2サンプルまでの時間の方が大きく充分長い場合は、第1センサデータを読み出し(S511)、第1焦点検出演算を実行する(S512)。
【0087】
その後、ステップS513で第2サンプル時間となるまで待機し(S513)、AFセンサASに対してEND信号H→Lとして第2サンプルを行う(S514)。第2センサデータを読み出し(S515)、第2焦点検出演算を行い(S516)、ステップS517に移行する。
【0088】
ステップS517からは、第1、第2焦点検出演算の結果より正しい結果を選択する。すなわち、このステップS517において、第1焦点演算による上記信頼性値SK1を第1信頼性判定値SKaと比較する(S517)。もしSK1<SKaであれば、第1検出結果は信頼性有りと判定し、さらに同様にして第2焦点検出演算による上記信頼性値SK2を第2信頼性判定値SKbと比較する(S518)。一方、上記ステップS517でSK1≧SKaの場合は、第1検出は信頼性がなく検出不能と判定してステップS535に分岐する。
【0089】
なお、上記信頼性判定値SKa,SKbはSKa<SKbの関係にあり第1検出結果(逆光時の順光被写体)の方が第2検出結果(逆光被写体)より厳しい判定値としている。これは逆光被写体を優先して検出するためである。
【0090】
上記ステップS518で、信頼性値SK2<SKb(第2信頼性判定値)であれば第2検出結果も信頼性有りと判定して、次に第1、第2検出結果より近距離側、即ち「後ピン」側の結果を採用し(S519)、その後ステップS520に移行する。
また、ステップS518でSK1≧SKbの場合は、第2検出結果は検出不能と判定し、ステップS534で第1検出結果を採用した後(S534)、ステップS520に進む。
【0091】
ステップS520では、採用した検出デフォーカス量が許容範囲内にあるかを判別し、合焦か否か判別する(S520)。もし合焦状態にあればステップS521に進んで合焦表示を行い(S521)、リターンする。非合焦の場合はステップS522に移行し、検出デフォーカス量に基づきレンズ駆動する(S522)。そして再び先頭ステップS500に戻り、一連の処理ステップを繰り返す。
【0092】
ステップS523では、第2サンプル時間となるまで待機する(S523)。その後、END信号をH→Lとして、第2サンプルを行うと共に蓄積動作を終了させ(S524)、第2センサデータを読み出し(S525)、第2焦点検出演算を実行する(S526)。
さらに第1センサデータを読み出し(S527)、第1焦点検出演算を行い(S528)、前記ステップS517に移行する。
【0093】
ステップS529においては、逆光ではない場合の処理として、モニタ範囲をMmin のブロックに設定し(S529)、適正な蓄積レベルとなるまで待機する(S530)。そして適正な蓄積レベルとなると、第2サンプルを行い(S531)、第2センサデータを読み出し(S532)、第2焦点検出演算を行う(S533)。したがってここでは第1サンプル、センサデータ読み出し、演算は行わない。
【0094】
ステップS535では、第2焦点検出演算による信頼性値SK2を第2信頼性判定値SKbと比較する(S535)。もしSK2<SKbである場合は、第2検出結果は信頼性があるので、この第2検出結果を採用し(S536)、ステップS520に移行する。一方、SK2≧SKbの場合は、第1、第2検出結果の両方ともに検出不能であるので、ステップS539に移行して検出不能を示す表示を行い(S539)、メインルーチンにリターンする。
【0095】
ステップS537においては、信頼性値SK2と信頼性判定値SKcとを比較し(S537)、もしSK2<SKcであれば第2検出結果を採用し(S538)、ステップS520へ移行する。一方、SK2≧SKcであればステップS539へ移行し、同様に検出不能を示す所定の表示を行った後(S539)、メインルーチンにリターンする。
なお、上記の信頼性判定値はSKc>SKaという関係になっており、前述の逆光判定時の順光被写体(SKa)は、通常の順光被写体(SKc)よりも厳しい判定値としている。これは逆光状態での順光被写体、つまり主被写体の背景を選択し難くくするためである。
【0096】
(作用効果3)
このように、図19〜図21に示した本第3実施形態例によれば、逆光被写体に対しても正確に焦点検出可能であると共に焦点検出に要するタイムラグを減少させることができる。また、第1、第2サンプルの焦点検出結果を比較し、より近距離の方を選択するので背景にピントが合ってしまい、主被写体がピンぼけになるといった不具合が解消される。
【0097】
さらに、蓄積動作中に光電変換素子アレイのモニタ範囲を切り換えて検出することにより、そのモニタレベルから逆光状態か否か判別することが可能である。そのためセンサデータを読み出して演算する必要がなくなり処理を簡略化することができる。
また、逆光に対応した焦点検出と、逆光ではない順光に対応した焦点検出とで信頼性判定値を変更し、逆光被写体を重要視した焦点検出を行うことができる。
【0098】
(変形例)
なお、第1〜第3実施形態例に示した構成要素の配置形態は基本的には同等であるが、第1サンプル部を1個と限定せず複数個設けて、それぞれ異なるサンプル時刻においてサンプリングさせ、それぞれの時刻における蓄積信号をメモリさせるように変形実施することも可能である。
また、第1〜第3実施形態例で例示のカメラのAF方式として「TTL位相差方式」を採用したが、その他にも例えば「外光パッシブ方式」のカメラに応用してもよく、その場合にも同様な効果が得られる。
【0099】
(その他の変形例)
本発明は前述した各実施形態例の他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。例えば、例示した焦点検出装置に係わる各部位の形状・寸法ならびに材質等、あるいは設定される所定値等は、必要に応じて種々の変形実施が可能であると共に、他との適宜な組合せも可能である。
さらに、本発明における焦点検出装置と組み合せる光学機器は、例示したカメラに限らず、測距を必要とする任意な機器でもよく、従って、採用する手法はその機器に基づいて変形してもよく、本発明の要旨は実施対象を置き換えることで他の機器への広い応用も可能である。
【0100】
以上、実施形態例にそって本発明を説明してきたが、本明細書中には以下の発明が含まれている。
【0101】
[1] 所定のピッチを有する複数の光電変換素子から構成され、焦点検出する被写体からの入射光量に応じた電荷を発生する電荷蓄積型の光電変換素子アレイと、
前記光電変換素子アレイの蓄積動作を制御する蓄積制御手段と、
前記光電変換素子アレイの出力である前記蓄積電荷信号をサンプリングする第1サンプリング手段と、
前記第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号とは少なくとも蓄積時間の一部が共通であり、前記第1サンプリング手段によるサンプリングに相当する電荷蓄積時間よりも大きい電荷蓄積時間にて前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングする第2サンプリング手段と、
前記第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号に基づいて、焦点検出する被写体が逆光状態か否かを判定する判定手段と、
前記第1サンプリング手段または前記第2サンプリング手段の出力に基づいて焦点検出演算を行う焦点検出演算手段と、
を有し、
前記判定手段により逆光状態と判定された場合は、前記焦点検出演算手段は第2サンプリング手段の出力に基づいて焦点検出演算を行うことを特徴とする焦点検出装置。
【0102】
[2] 所定のピッチを有する複数の光電変換素子から構成され、焦点検出する被写体からの入射光量に応じた電荷を発生する電荷蓄積型の光電変換素子アレイと、
前記光電変換素子アレイの蓄積動作を制御する蓄積制御手段と、
前記光電変換素子アレイの出力である前記蓄積電荷信号をサンプリングする第1サンプリング手段と、
前記第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号とは少なくとも蓄積時間の一部が共通であり、前記第1サンプリング手段によるサンプリングに相当する電荷蓄積時間よりも大きい電荷蓄積時間にて前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングする第2サンプリング手段と、
前記第1サンプリング手段の出力および前記第2サンプリング手段の出力に基づいてそれぞれ焦点検出演算を行い第1の焦点検出結果と第2の焦点検出結果を発生する焦点検出演算手段と、
前記光電変換素子アレイを複数に分割した各領域に対応して電荷蓄積量をモニタし前記各領域に対応するモニタ出力に基づいて逆光状態か否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記判定手段により逆光状態と判定された場合は、前記第2の焦点検出結果を優先することを特徴とする焦点検出装置。
【0103】
[3] 前記判定手段が逆光状態と判定した場合には、第2サンプリング手段は、前記モニタ手段の前記各領域のうちで電荷蓄積量が最も小さい領域のモニタ出力に対応して前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングすることを特徴とする[2]に記載の焦点検出装置。
【0104】
また、次のような発明も含まれる。
(1) 非破壊読み出し可能な蓄積型光電センサアレイであって、この光電センサアレイの個々のセンサユニットは、
光電変換を行う受光素子と、
この受光素子の光電変換出力を保持する第1及び第2記憶手段と、
上記第1及び第2記憶手段の入力を制御する第1及び第2スイッチ手段と、
上記第1及び第2記憶手段の出力を共通の端子から出力する出力手段と、
を具備することを特徴とする光電センサアレイ。
【0105】
(2) 上記第1及び第2スイッチ手段は、蓄積動作開始時点にて閉じられ、所定の第1タイミングにて上記第1スイッチ手段のみが開かれ、上記第1記憶手段の記憶内容が上記第1タイミングで保持され、この記憶内容を上記出力手段によって出力可能にしたことを特徴とする(1)記載の光電センサアレイ。
【0106】
(3) 光電変換出力を保持する第1及び第2記憶手段と、この第1及び第2記憶手段の入力を制御する第1及び第2スイッチ手段とを備える光電センサアレイを用いた焦点検出装置において、
蓄積動作開始に同期して上記第1及び第2スイッチ手段を閉じ、
所定の第1タイミングにて上記第1スイッチ手段のみを開き、この第1タイミングでの光電変換出力を上記第1記憶手段に記憶させ、この記憶結果を上記出力手段から出力させ、光電変換状態をモニタし、
上記モニタ結果に基づいて決定される第2タイミングにて上記第2スイッチ手段を開いて第2タイミングでの光電変換出力を上記第2記憶手段に記憶させ、この記憶結果を上記出力手段から出力させることにより、適宜な蓄積レベルの光電変換信号を求め、
この光電変換信号に基づいて焦点調節用信号を演算するように構成したことを特徴とする焦点検出装置。
【0107】
【発明の効果】
以上、複数の実施形態例および変形例に基づく説明の如く、本発明の焦点検出装置によれば次のような効果が得られる。つまり、前述した焦点検出装置によれば、逆光状態の被写体に対して適切な被写体像信号を得ることができると共に焦点検出によるタイムラグを短縮することができるという効果があり、よって、
(a) 焦点検出を迅速に行う必要のある被写体が逆光時に在る場合の撮影に極めて有用となる。
【0108】
(b) 逆光時の調整動作の繰返しによる遅延とピント合わせに伴なうレンズ駆動ノイズが少なるので使用感が向上する。
(c) また、逆光時での被写体に対するピントがより正確となる。
【0109】
このように、本発明の焦点検出装置によれば、被写体が逆光状態であっても、正確な焦点検出を行なうと共にタイムラグを増大させることのない自動焦点検出装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる第1実施形態例としての焦点検出装置の構成を示すブロック図。
【図2】 同じく第1実施形態例の焦点検出装置を備えたカメラの断面図。
【図3】 同じく第1実施形態例の焦点検出装置の光学的要素の構造を示す断面図。
【図4】 図2のカメラの電気的制御に関する部位を示すブロック構成図。
【図5】 同じく焦点検出装置のAFセンサの構成を示す回路図。
【図6】 同じく焦点検出装置の画素増幅回路Eの一画素分に対応する詳細構成を示す回路図。
【図7】 同じく画素増幅回路の蓄積動作時のタイムチャート。
【図8】 第1実施形態例としての焦点検出装置の撮影領域内の焦点検出領域を示す説明図。
【図9】 AFセンサの蓄積動作と蓄積信号読み出し動作を示すタイミングチャート。
【図10】 本発明に係わるカメラシーケンスを表わすフローチャート。
【図11】 第1実施形態例におけるサブルーチン「AF」を示すフローチャート。
【図12】 図11の「AF」中でコールされるサブルーチン「蓄積制御」を示すフローチャート。
【図13】 撮影領域中の各ブロックの演算結果の関係を示し、
(a)は、シフト量と被写体像データの相関量の関係を表わすグラフ、
(b)は、3点補間法を用いた場合のシフト量と相関量の関係を示すグラフ。
【図14】 分割されたAFセンサとセンサデータ列を示し、
(a)は、3分割されたAFセンサ列を示す説明図、
(b)は、逆光状態でのセンサデータを示すグラフ、
(c)は、中央ブロックのみのセンサデータの変化を示すグラフ。
【図15】 第2実施形態例におけるサブルーチン「AF」を示すフローチャート。
【図16】 第2実施形態例における逆光時の蓄積動作のタイムチャート。
【図17】 電荷蓄積型イメージセンサの積分等の処理時間について実施例と従来例を比較して示し、
(a)は、本実施例のタイムチャート、
(b)は、従来例のタイムチャート。
【図18】 第3実施形態例の焦点検出装置の撮影領域内のモニタ範囲を示す説明図。
【図19】 図5中に例示したピーク検出回路の他の一例を表わす回路図。
【図20】 第3実施形態例における逆光時の蓄積動作を示すタイムチャート。
【図21】 第3実施形態例におけるサブルーチン「AF」を示すフローチャート。
【図22】 図21のピーク検出回路が有す多数の画素増幅回路を複数ブロックに対応して信号レベルを設定するときの対応表。
【符号の説明】
1…光電変換素子アレイ、
2…蓄積制御手段、
3…第1サンプリング手段、
4…第2サンプリング手段、
5…演算手段、
6…判別手段、
20…カメラ本体、
51…初段アンプ部、
52…2段目アンプ部、
53…第1サンプル部、
54…第2サンプル部、
60…ピーク検出部、
61…VREF回路、
62…デコード回路。
S200〜S218…第1実施形態例のサブルーチンAFの処理ステップ。
S300〜S304…サブルーチン蓄積制御の処理ステップ。
S400〜S427…第2実施形態例のサブルーチンAFの処理ステップ。
S500〜S539…第3実施形態例のサブルーチンAFの処理ステップ。
Claims (3)
- 所定のピッチを有する複数の光電変換素子から構成され、焦点検出する被写体からの入射光量に応じた電荷を発生する電荷蓄積型の光電変換素子アレイと、
前記光電変換素子アレイの蓄積動作を制御する蓄積制御手段と、
前記光電変換素子アレイの出力である前記蓄積電荷信号をサンプリングする第1サンプリング手段と、
前記第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号とは少なくとも蓄積時間の一部が共通であり、前記第1サンプリング手段によるサンプリングに相当する電荷蓄積時間よりも大きい電荷蓄積時間にて前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングする第2サンプリング手段と、
前記第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号に基づいて、焦点検出する被写体が逆光状態か否かを判定する判定手段と、
前記第1サンプリング手段または前記第2サンプリング手段の出力に基づいて焦点検出演算を行う焦点検出演算手段と、
を有し、
前記判定手段により逆光状態と判定された場合は、前記焦点検出演算手段は第2サンプリング手段の出力に基づいて焦点検出演算を行うことを特徴とする焦点検出装置。 - 所定のピッチを有する複数の光電変換素子から構成され、焦点検出する被写体からの入射光量に応じた電荷を発生する電荷蓄積型の光電変換素子アレイと、
前記光電変換素子アレイの蓄積動作を制御する蓄積制御手段と、
前記光電変換素子アレイの出力である前記蓄積電荷信号をサンプリングする第1サンプリング手段と、
前記第1サンプリング手段によりサンプリングされた蓄積電荷信号とは少なくとも蓄積時間の一部が共通であり、前記第1サンプリング手段によるサンプリングに相当する電荷蓄積時間よりも大きい電荷蓄積時間にて前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングする第2サンプリング手段と、
前記第1サンプリング手段の出力および前記第2サンプリング手段の出力に基づいてそれぞれ焦点検出演算を行い第1の焦点検出結果と第2の焦点検出結果を発生する焦点検出演算手段と、
前記光電変換素子アレイを複数に分割した各領域に対応して電荷蓄積量をモニタし前記各領域に対応するモニタ出力に基づいて逆光状態か否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記判定手段により逆光状態と判定された場合は、前記第2の焦点検出結果を優先することを特徴とする焦点検出装置。 - 前記判定手段が逆光状態と判定した場合には、第2サンプリング手段は、前記モニタ手段の前記各領域のうちで電荷蓄積量が最も小さい領域のモニタ出力に対応して前記光電変換素子アレイの蓄積電荷信号をサンプリングすることを特徴とする請求項2に記載の焦点検出装置。
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