JP3942177B2 - 細胞賦活剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の化合物を有効成分とする細胞賦活剤に関する。また、本発明はその細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤、口腔用組成物、浴用剤などに関する。
【0002】
【従来の技術】
老化皮膚では皮膚細胞の働きが衰えることにより、シワ、タルミ等が生ずる。最近では皮膚細胞自体を賦活化し、皮膚の機能そのものを活性化して、皮膚症状を改善させる研究が多くなされており、衰えた細胞を活性化させるために細胞賦活物質の開発、およびそれら細胞賦活物質の皮膚外用剤への配合が注目されてきた。従来、細胞賦活作用を付与するものとしては、グリコール酸をはじめとするα−ヒドロキシ酸類、ホルモン類、ビタミン類、感光素、アラントインなど単一成分のものや、プラセンタエキス、乳酸菌エキス、またシコンエキス、アロエエキス、ニンジンエキス等の動植物エキスなどの抽出成分が利用されてきた。
【0003】
また、本発明者らも各種植物の溶媒等による抽出物の蒸留残渣に強い細胞賦活活性があることを見いだし特許を出願(特許文献1を参照)している。またラブダン骨格を有する細胞分化誘導物質としてラブダナムフラノイドジテルペノイド(特許文献2を参照)が報告されている。しかし、従来の細胞賦活作用を有する物質や抽出物は、その効果が満足でないものが多く、大量に配合しなければならなかったり、また保存安定性が十分でなかったり、刺激性があるなど安全性の面で問題点がみられるものも多かった。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−114671号公報
【特許文献2】
国際公開第97/45099号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来よりも満足することができる程度の細胞賦活作用を有する化合物であって、保存安定性に優れ、しかも刺激性がみられない細胞賦活剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく研究を重ねた結果、ハンニチバナ科に属する Cistus ladaniferus L.、Cistus creticus L.、Cistus monoperiensis L.、Cistus salvifoliusなどの茎、枝、葉などの熱水抽出物あるいはエタノール、ヘキサンなどの抽出物に強い細胞賦活作用を見いだし、それがラブダノール酸に基づく活性である事を見いだし、さらにその抽出物またはラブダノール酸を分子蒸留して得られるラブド-7-エン-15-オイックアシッド(labd-7-en-15-oic acid)、ラブド-8(17)-エン-15-オイックアシッド(labd-8(17)-en-15-oic acid)、ラブド-8-エン-15-オイックアシッド(labd-8-en-15-oic acid)に強い細胞賦活作用を示すことを見いだした。さらにそれらの塩あるいはメチルおよびエチルエステル体、さらにはそれらの還元体にも同様の活性のあることを見いだし、検討を加え遂に本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明の細胞賦活作用を示す化合物は下記一般式(1)
【化2】
Figure 0003942177
(1)
で表される化合物である。ただし、上記式中、Rは−CHOH、−COORまたは−COOXを示し、Xは塩を形成しうる基を示し、Rは水素あるいは炭素数が1ないし3の低級アルキル基を示し、RからRはそれぞれ水素またはメチル基を示し、・・A・・は =C(CH)−、−C(CH)=、−C(=CH)−、−CH(CH)−あるいは−C(OH)(CH)−を示す。ここで、Xとしてはナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩を形成することができる基が、Rとしては水素、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
ただし、ラブダナム又はシスタス(Cistus ladaniferus L.、Cistus cretics L.)(はんにちばな科)の植物から、水、低級アルコール及びポリオール系有機溶媒の中から選ばれる1種若しくは2種以上の溶媒を用いて抽出して得られる抽出物の蒸留残渣を有効成分として含有する細胞賦活剤を除く。
【0008】
上記化合物は既に知られているものであり、その製法も知られている。例えばラブダノール酸は Cistus ladaniferusより抽出されるラブダナムガムの成分(J. Chem. Soc., 1956, 4259-4262)であり、ラブド-8(17)-エン-15-オイックアシッド(エペルイン酸)とラブド-8-エン-15-オイックアシッドはラブダノール酸を化学的に処理をすることにより得られる(J. Chem. Soc., 1956, 4262-4271)。さらにエペルイン酸はマメ科のワラバツリー(Eperua falcata)の樹脂より(J. Chem. Soc., 1955, 658-662)、またラブド-7-エン-15-オイックアシッド(カチビン酸)は同じくマメ科のカチボツリー(Prioria copaifera G.)の樹脂中の成分である(J. Am. Chem. Soc., Vol.79, 1201-1205, 1957)ことが報告されている。
しかし、これらの物質が細胞賦活作用を有することは全く知られていなかった。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で規定する化合物を得るために用いられる植物は、該化合物を含む植物であるならば何ら限定されるものではないが、とくに Cistus ladaniferus L.、Cistus creticus L.、Cistus monoperiensis L.、Cistus salvifolius(ハンニチバナ科)の植物体を使用することが有利である。これらを単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用する。用いる植物体の部位は特に制限されるものではなく、葉、枝、幹、樹皮などを用いる。また、それらは採取直後でもよいし、乾燥させた後に用いてもよい。
【0010】
当該植物からの抽出法は、水、低級アルコールおよび石油エーテル並びに炭化水素の中から選ばれる1種若しくは2種以上の溶媒を用いて行うことが望ましい。ここで低級アルコールとは、炭素数が1ないし4のアルコールが用いられ、とくにメタノール、エタノール等が好ましい。
石油エーテルとしては、本出願前公知のものを用いることができるが、市販されたものを用いることもできる。
炭化水素溶媒としては、常温で液状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素が挙げられるが、とくに常温で液状の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、その中でもとくにヘキサン、トルエンなどの炭化水素が好ましい。
【0011】
抽出操作は、上記植物や用いる溶媒により異なるが、通常、上記溶媒に裁断した植物を室温乃至50℃の温度で浸漬または穏やかに撹拌して抽出する事により行う。さらに本出願前周知のソックスレー抽出器などの装置を用いても良い。抽出に要する時間は、通常3時間乃至48時間程度である。また本発明では、上記植物の葉、枝或いは幹等を破砕した後、水蒸気蒸留または熱水中で煮沸する方法を採用してもよい。この場合水蒸気蒸留あるいは熱水抽出で水の上に浮いてくるガム分をすくい取り、これを上記抽出に用いられる溶媒で不溶物と分離することにより得られる。さらには、上記植物から上記方法のどれかを用いて得られた市販品のものを利用してもよい。この様にして得られた粗抽出物には25〜35%のラブダノール酸が含まれる。ただし、ラブダナム又はシスタス(Cistus ladaniferus L.、Cistus cretics L.)(はんにちばな科)の植物から、水、低級アルコール及びポリオール系有機溶媒の中から選ばれる1種若しくは2種以上の溶媒を用いて抽出して得られる抽出物の蒸留残渣を有効成分として含有する細胞賦活剤を除く。
【0012】
上記粗抽出物、あるいは市販の抽出物から含有される酸あるいは酸混合物を得る代表的な方法について説明するが、本発明はこの例に何ら限定されるものではない。
上記粗抽出物、あるいは市販の抽出物を、13.3 〜66.5Pa の減圧下で分子蒸留を行い160℃から230℃までの、より望ましくは18℃から220℃までの留分を集めると、この留分にはラブド-7-エン-15-オイックアシッド、ラブド-8(17)-エン-15-オイックアシッド、ラブド-8-エン-15-オイックアシッドの混合物が含まれる。
細胞賦活剤としてはこの酸の混合物のまま用いても良いし、また必要に応じて塩として、あるいはメチルまたはエチルのエステル体として用いることもできる。
【0013】
次にこの酸の混合物から3種の酸を分離する。
具体的には、この酸の混合物をエタノールに溶解し、触媒量の硫酸の共存下反応させてエチルエステル体とし、硝酸銀処理したシリカゲルで作成したシリカゲルクロマトグラフィー処理する。カラムをヘキサンで洗い、次いで1%酢酸エチル-ヘキサンで溶出する。はじめにラブド-8-エン-15-オイックアシッドエチルエステルが溶出し、次いでラブド-7-エン-15-オイックアシッドエチルエステル、ラブド-8(17)-エン-15-オイックアシッドエチルエステルの順で溶出される。溶媒を留去し、それぞれのエチルエステル体の純品を得た。得られたエチルエステル体を加水分解して遊離の酸を、さらに遊離の酸をジアゾメタンと反応させてメチルエステル体とした。
【0014】
かくして得られた酸、メチルエステル、エチルエステル、あるいはそれらの二種以上の混合物は細胞賦活剤として有用である。
さらに、これらを、例えば皮膚外用剤、浴用剤、口腔用組成物などに配合することにより、細胞賦活能を有する皮膚外用剤、浴用剤、口腔用組成物などを得ることができる。また、本発明の化合物(1)を含有させて抗老化剤、抗しわ剤などを得ることもできる。
【0015】
上記細胞賦活剤の配合量は、皮膚外用剤では0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、浴用剤では0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、口腔用組成物では0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、また、化粧水、乳液、クリーム等に配合する場合は、通常0.05〜10重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。
細胞賦活剤などの配合の仕方は、とくに限定されない。例えば、香料に用いられる通常の有機溶媒であるエチレングリコール、プロピレングリコールや低級アルコールの単独または混合液、その他の界面活性剤との混合液で希釈した後に配合するか、常用の香料素材と混合した後に配合してもよい。あるいは、他の物質を共存させることなく、そのまま配合してもよい。
【0016】
また、本発明の細胞賦活剤などには、上記必須成分以外に、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、美白剤、細胞賦活剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、界面活性剤、増粘剤、無機充填剤、着色剤、pH調整剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤、各種皮膚栄養剤等を目的または必要に応じて適宜配合することが出来る
【0017】
これらの配合成分について、それらの一部を以下に例示する。美白剤としてはアルブチン、コウジ酸、エラグ酸、アスコルビン酸等とそれらの各種誘導体、プラセンタエキス等、各種植物や動物由来の抽出物などが例示できる。細胞賦活剤としてはグリコール酸などのα−ヒドロキシ酸、ホルモン類、ビタミン類、各種動物、植物の抽出液などが挙げられる。保湿剤としてはソルビトール、キシリトール、グリセリン、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、ヒアルロン酸、コラーゲンなど、酸化防止剤としてはビタミンE、ブチルオキシトルエン、ブチルオキシアニソールなど、油性成分としては流動パラフィン、パラフィン、オリーブ油、やし油などの植物性油脂、牛脂、豚脂、ミンク油、スクワランなどの動物性油脂、メチルポリシロキサン、シリコーンオイル、トリイソパルミチン酸グリセリンなどの合成油脂などが例示できる。
【0018】
界面活性剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミンなどの陰イオン性の界面活性剤、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン性界面活性剤、グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖エステルなどの非イオン性界面活性剤が例示され、増粘剤としてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなどが、無機充填剤としてはタルク、セリサイト、マイカ、カオリン、亜鉛華、雲母、酸化チタン、酸化マグネシウムなど、pH調整剤としてはクエン酸、クエン酸ナトリウムなどの有機酸およびその塩類、防腐剤としては尿素、メチルパラベン、エチルパラベンなどのパラベン類、安息香酸ナトリウム、エチルアルコールなどが例示できる。また種々の紫外線吸収物質を添加することにより、日焼け防止効果を向上させることもできる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
【0020】
【実施例1】
市販のラブダナムアブソリュート(ジボーダン社製)を分子蒸留にかけた。ラブダナムアブソリュート(10g)を減圧下(13.3Pa)で分子蒸留を行い180℃から220℃までの留分(4.3g)を集めた。この留分にはラブド-8-エン-15-オイックアシッド(化合物1)、ラブド-7-エン-15-オイックアシッド(化合物4)、ラブド-8(17)-エン-15-オイックアシッド(化合物7)の混合物が含まれていた(この混合物を以下酸混合物という)。
酸混合物(1g)をジエチルエーテル(2ml)に溶解し、ジアゾメタンを滴下しメチルエステル体(0.96g)を得た(このメチルエステル体を以下メチルエステル混合物という)。
同様にこの酸混合物(10g)をエタノール(100ml)に溶解し、硫酸触媒存在下にてエステル化を行いエチルエステル体(9.5g)を得た(このエチルエステル体を以下エチルエステル混合物という)。
【0021】
【実施例2】
次にこれら3種の酸を分離するために上記エチルエステル混合物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。エチルエステル混合物(10g)をヘキサン(100ml)に溶解し、硝酸銀処理したシリカゲルで作成したカラムに注ぎ込み、ついで溶媒を注ぎ込み、溶出した。注ぎ込む溶媒は、最初はヘキサンとし、ついでヘキサンに酢酸エチルを1容量%加えた混合溶媒とした。はじめにラブド-8-エン-15-オイックアシッドエチルエステルが溶出し、次いでカチビン酸エチルエステル、エペルイン酸エチルエステルの順で溶出された。それぞれの成分のみを含む溶出液を集めて溶媒を留去し、それぞれのエチルエステル体の純品(溶出順に0.83g、0.16gおよび0.63g)を得た。得られたエチルエステル体を常法により加水分解して遊離の酸を得た。
さらに遊離の酸にジアゾメタンを滴下し、溶媒を留去してメチルエステル体とした。
【0022】
【化3】
Figure 0003942177
化合物(1):R=H(ラブド-8-エン-15-オイックアシッド)
化合物(2):R=CH
化合物(3):R=C
【化4】
Figure 0003942177
化合物(4):R=H(ラブド-7-エン-15-オイックアシッド)
化合物(5):R=CH
化合物(6):R=C
【化5】
Figure 0003942177
化合物(7):R=H(ラブド-8(17)-エン-15-オイックアシッド)
化合物(8):R=CH
化合物(9):R=C
【0023】
【実施例3】
実施例1で得られたエチルエステル混合物(4.3g)をエタノール(10ml)に溶解し、5%パラジウムカーボン触媒(0.2g)を加えて水素添加反応を行い、化合物11(4.1g)を得た。さらに加水分解して化合物10を得た。
【化6】
Figure 0003942177
化合物(10):R=H(ラブダン−15−オイックアシッド)
化合物(11):R=C
【0024】
【実施例4】
実施例1で得られたエチルエステル混合物(3.2g)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、リチウムアルミニウムハイドライド(0.21g)をテトラヒドロフラン(10ml)に加えた溶液中に常温で滴下してラブド-8-エン-15-オイックアシッド(化合物1)、ラブド-7-エン-15-オイックアシッド(化合物4)、ラブド-8(17)-エン-15-オイックアシッド(化合物7)混合物の末端がCH OHのアルコール体混合物(2.32g)を得た。このアルコール体混合物をそのまま細胞賦活剤として用いても良い。
【0025】
【試験例1】
細胞賦活活性試験
10%FBSを含むDMEMにヒト由来正常皮膚線維芽細胞(NB1RGB: 理化学研究所製) を、2万細胞/mlとなるように接種した後、この細胞接種液を25平方cmボトルに各5ml入れ、37℃、5%二酸化炭素存在下にて24時間培養後、各ボトルに本発明化合物の添加濃度が最終的にそれぞれ表のようになるようにエタノールに溶解して、そのエタノール溶液を0.2%の濃度で添加しさらに3日間培養した。ここで古い培地を捨て新しい培地5mlを加え、またサンプルを添加した。培地交換後さらに3日間培養し、トリプシン(DIFCO製)により、細胞を剥離し、コールターカウンター(Sysmex製)で各ボトルの細胞数を計測した。同時に、エタノールのみを添加して培養したものを対照区として、同様の操作で培養、細胞計測を行った。
試料液を添加したボトルの培養後の細胞数を、培養後の対照区の細胞数を100とした時の相対値で求め、その結果を表1に示した。なお、比較例として細胞賦活活性が知られているグリコール酸についても併せて示した。
【0026】
【表1】
線維芽細胞の細胞増殖率
Figure 0003942177
表1に示すとおり本発明化合物は繊維芽細胞に対して強い細胞増殖賦活活性示した。
【0027】
【実施例5】
本発明の細胞賦活剤を用いて、以下の処方により化粧水、乳液、クリーム、パック、バスソルト、クリームファンデーションを調製した。
(1)化粧水
【表2】
Figure 0003942177
【0028】
(2)乳液
【表3】
Figure 0003942177
【0029】
(3)クリーム
【表4】
Figure 0003942177
【0030】
(4)パック
【表5】
Figure 0003942177
【0031】
(5)浴用剤(顆粒タイプ)
【表6】
Figure 0003942177
【0032】
(6)クリームファンデーション
【表7】
Figure 0003942177
【0033】
【発明の効果】
本発明により、特定植物の抽出物の精製物が優れた細胞賦活活性を有していることが明らかとなった。この精製物は皮膚細胞自体を賦活化し、皮膚の機能そのものを活性化して、皮膚症状を改善させることができ、さらには細胞賦活作用を有する皮膚外用剤、口腔用組成物、入浴剤として利用できる。これらの細胞賦活剤はクリーム、ローション、乳液、パック等の基礎化粧料、ファンデーション等のメイクアップ化粧料、浴用剤、皮膚外用剤、口腔用組成物などへ配合する事ができ、極めて実用的である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物の1種または2種以上を有効成分とすることを特徴とする細胞賦活剤。
    Figure 0003942177
    (1)
    ただし、上記式(1)中、Rは−CHOH、−COORまたは−COOXを示し、Xは塩を形成しうる基を示し、Rは水素あるいは炭素数が1ないし3の低級アルキル基を示し、RからRはそれぞれ水素またはメチル基を示し、・・A・・は =C(CH)−、−C(CH)=、−C(=CH)−、−CH(CH)−あるいは−C(OH)(CH)−を示す。
    ただし、ラブダナム又はシスタス(Cistus ladaniferus L.、Cistus cretics L.)(はんにちばな科)の植物から、水、低級アルコール及びポリオール系有機溶媒の中から選ばれる1種若しくは2種以上の溶媒を用いて抽出して得られる抽出物の蒸留残渣を有効成分として含有する細胞賦活剤を除く。
  2. 一般式(1)に示す化合物がCistus ladaniferus L.、Cistus creticus L.、Cistus monoperiensis L.、Cistus salvifolius(ハンニチバナ科)の植物体からの抽出物から調製された化合物である請求項1記載の細胞賦活剤。ただし、ラブダナム又はシスタス(Cistus ladaniferus L.、Cistus cretics L.)(はんにちばな科)の植物から、水、低級アルコール及びポリオール系有機溶媒の中から選ばれる1種若しくは2種以上の溶媒を用いて抽出して得られる抽出物の蒸留残渣を有効成分として含有する細胞賦活剤を除く。
  3. 請求項1記載の細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤。ただし、請求項1記載の細胞賦活剤から、Rが−CHOH、RからRがそれぞれメチル基である化合物を除く。
  4. 請求項1記載の細胞賦活剤を含有する口腔用組成物。
  5. 請求項1記載の細胞賦活を含有する浴用剤。ただし、請求項1記載の細胞賦活剤から、Rが−CHOH、RからRがそれぞれメチル基である化合物を除く。
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