JP3939888B2 - 非線形歪み補償電力増幅器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車電話や携帯電話などの移動無線通信に有用な電力増幅器に関し、特に、基地局において線形変調信号あるいは複数の変調信号を共通に増幅するのに適した非線形歪み補償増幅器に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
線形変調波あるいは複数の変調波を電力増幅する電力増幅器では、不要電波 (スプリアス)の放射を抑制して電力効率を高めるために、出来る限り非線形歪みを小さくする必要がある。従来、増幅器の非線形歪みを補償する方式としては、負帰還方式、フィードフォワード方式、プリディストータ方式が知られている。
【0003】
負帰還方式は、信号が広帯域になると発振現象などが起こりやすく動作の不安定性が増すために、基地局の無線機に使用されることは少ない。
【0004】
フィードフォワード方式は、原理的には動作の不安定性が生じないので、現在、多くの基地局の無線機に使用されている。ところが、フィードフォワード方式は誤差成分を抽出し、副増幅器で別個に増幅したのち、主増幅器の出力信号から差し引く構成をとる必要があるため、回路が複雑になるとともに、副増幅器の使用により電力効率が低下するという問題がある。
【0005】
これに対してプリディストータ方式は、副増幅器が不要であることからフィードフォワード方式に代わるものとして注目され、研究開発が進められている。例えば、Y.ナガタ,' ディジタル移動通信用線形増幅技術 '(参考文献1参照)に記載されている方式では、ディジタル信号処理技術を用いたプリディストータ増幅器が紹介されている。この方式は入力変調信号と出力信号との誤差を検出しているため、復調器などが必要となり、回路が複雑になる欠点がある。またF.アントニオ他,' 電力増幅器用適応プリディストーションの新技術 '(参考文献2参照)に記載の方法は, 非線形歪みによる帯域外電力を検出することにより、復調器およびその他の誤差検出回路が不要になっている。しかし、この方式においては、高速フーリエ変換によって、帯域内対帯域外電力比を計算しているために、ディジタル信号処理量が大きくなる。また、複素ベースバンド信号に歪みを加えるために、高周波電力増幅部とベースバンド部にまたがって回路を構成する必要があるため、基地局無線機の実装において、モデムまでの長さに制限があったり、各機器を独立に設計できないなどの制約を受けることになる。さらに、記憶回路の内容更新を1個のアドレス毎に行ってるので、歪み補償動作が収束するまでの時間が長くなる欠点がある。
【0006】
参考文献1: Y.Nagata ,'Linear Amplification Technique for Digital
Mobile Communication ',Proceedings of IEEE Vehicular
Technology Conference , pp .159-164 ,1989 .
参考文献2: F. Antonio 他,'A Novel Adaptive Predistortion
Technique for Power Amplifiers ' ,Proceedings of IEEE
Vehicurlar Technology Conference ,pp.1505-1509,1999 .
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の非線形歪み補償電力増幅器は、いずれも電力効率および回路実現の容易さの点で不十分なものであった。また今後、増幅が必要となる無線信号に、例えば複数のキャリアの広帯域符合分割多重アクセス(CDMA) 方式の信号などがあり、複雑な構成の信号を一括して増幅する必要があることが予想される。このような信号の場合には、従来の技術におけるように帯域内対帯域外電力比を計算することは困難になる。
【0008】
本発明の目的は、電力効率と回路実現性を改善でき、歪み補償動作の収束時間を短縮し、さらに、増幅すべき無線信号の構成に柔軟に対処できる非線形歪み補償電力増幅器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プリディストータ方式の改良により上記課題の解決を図るものであり、電力増幅器の前段に設けた制御回路により入力信号の振幅と位相、あるいはそのいずれか一方を補正して最適な非線形歪み補償を行う。制御回路における入力信号の振幅、位相の補正特性は、電力増幅器の出力信号に含まれる帯域外信号成分電力の増加、減少を見て、少しずつ試行錯誤的に修正され、帯域外信号成分電力がそれ以上減少しなくなったところで修正を終了する。入力信号の振幅、位相の補正特性は、入力信号の電力レベルごとの補正値を設定したテーブルとして記憶され、たとえば一定周期で帯域外信号成分電力を検出して、その増加、減少に応じて補正値を算出して更新される。
【0010】
このような本発明による非線形歪み補償電力増幅器の構成は、入力信号を制御信号に基づいて補正する振幅・位相制御回路と、入力信号の電力を検出する第1の電力測定器と、検出された入力信号の電力の値により参照されて対応する制御信号の値を与えるテーブルを記憶する記憶回路と、前記振幅・位相制御回路に制御信号を供給する制御信号発生回路と、前記振幅・位相制御回路の出力に接続された電力増幅器と、電力増幅器の出力信号から有効帯域外の信号成分を取り出すフィルタと、取り出された有効帯域外の信号成分の電力を検出する第2の電力測定器とを備え、前記制御信号発生回路は、検出された有効帯域外の信号成分の電力の値に基づき、記憶しているテーブルの内容を、前記有効帯域外の信号成分の電力が小さくなるように更新するアルゴリズムを有する非線形歪み補償電力増幅器であって、前記アルゴリズムは、正と負の、高さが異なる直線や三角形などのパターンの複数の補正関数を、初期値に段階的に加算して行き、該加算の各段階ごとに有効帯域外の信号成分の電力を調べて、有効帯域外の信号成分の電力を小さくするもののみを残して行くものであることを特徴とする。
【0011】
図1は、本発明の原理的構成を具体例で示した図である。図において、10は入力端子、11は遅延回路、12は振幅・位相制御回路、13は電力増幅器、14は方向性結合器、15は出力端子、16は第1の電力測定器、17は制御信号発生回路、18は第2の電力測定器、19は帯域通過フィルタ、20は周波数変換回路、120は利得制御回路、121は位相制御回路、170は利得制御信号、171は位相制御信号、172は記憶回路、173は計算回路、200は局部信号発生器、201は乗算回路である。
【0012】
入力端子10に入力された無線信号は、遅延回路11によりΔt時間だけ遅延されたのち、振幅・位相制御回路12に入力され、ここで制御信号発生回路17が出力する利得制御信号170と位相制御信号171に応じて振幅と位相を制御されたのち、電力増幅器13で増幅され、出力端子15に出力される。出力信号の一部は方向性結合器14により取り出され、周波数変換回路20により周波数変換され、さらに帯域通過フィルタ19により観測したい周波数範囲内の不要信号成分のみが取り出され、第2の電力測定器18により電力測定される。
【0013】
一方、入力端子10への入力信号の一部は第1の電力測定器16に入力されて電力を測定され、その値により記憶回路172のアドレスが参照される。記憶回路172のテーブル内容は、計算回路173によって決定される。ここで、計算回路173は第2の電力測定器18の出力を極小にするように記憶回路172のテーブル内容を決定するアルゴリズムによって動作する。このアルゴリズムは、試行錯誤的なものであることができる。制御信号発生回路17はディジタル信号処理によって実現され、図示省略されているが回路への入力信号はアナログ/ディジタル変換され、出力信号はディジタル/アナログ変換される。
【0014】
周波数変換回路20と帯域通過フィルタ19の作用の例を、図2を用いて説明する。図2(a)は方向性結合器14から取り出される出力信号の電力スペクトルを表している。同図の実線は入力信号の電力スペクトルに対応し、破線部分は電力増幅器13の奇数次非線形歪みにより発生した帯域外スペクトル成分に対応する。周波数変換回路20の局部信号発生器200が発生する周波数f0'を信号の中心周波数f0 と同一にし(f0' =f0 )、帯域通過フィルタ19の通過帯域をΔf1 〜Δf2 の範囲にすることにより、第2の電力測定器18の出力には、図2(a)の破線で示した帯域外スペクトル成分の電力が得られる。この帯域外電力を最小にするように、制御信号発生回路17と振幅・位相制御回路12を介して入力信号を補正することにより、電力増幅器13の非線形歪みを補償できる。本発明の非線形歪み補償動作では、制御信号発生回路17中の計算回路173のアルゴリズムにより、帯域外電力を最小化する動作が可能にされるが、詳細については、実施例の説明において後述される。
【0015】
本発明において振幅・位相制御回路12および制御信号発生回路17により構成されるプリディストータの動作原理を、図2(b)を用いて説明する。同図において、横軸は入力レベルであり、左側の縦軸は出力レベル、右側の縦軸は出力位相である。非線形歪みは入力と出力レベルが直線関係になり、出力位相が入力レベルによって変化しなければ零になる。図中に実線で示される振幅特性曲線と位相特性曲線の電力増幅回路の特性は、プリディストータを入力に接続することにより、下向きの矢線のように収束され、全体の特性が改善される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図3は本発明の第1実施例の信号電力スペクトルを示す図、図4は制御信号発生回路の構成例、図5は制御回路の構成例を示す。全体的な構成は図1と同じである。
【0017】
この実施例においては、図3に示すように周波数が隣接する二つの無線信号が同時に増幅されるものとする。信号の帯域幅を2Ws ,帯域外電力の帯域幅を2W0 とする。周波数変換回路の局部発振周波数f0 'をf0 '=f0 に設定し、帯域通過フィルタの通過帯域は2( W0 −Ws ) に設定する。これにより、図3の破線で示した帯域外電力を測定できる。
【0018】
図4の構成例では、入力端子40に入力される第1の電力測定器の出力は対数増幅器41を通ったのち、第1のA/D変換器42でサンプリング周波数fs でサンプルおよびアナログ−ディジタル変換されて、Nビットの値に量子化される。ここで、対数増幅器41はA/D変換器42の量子化ビット数を少なくする目的で用いられている。量子化されたNビットのディジタル信号により、ランダム記憶回路(RAM)43のアドレスを決定する。記憶回路43のアドレス数Mビット(2M とおり)は、Nビットに等しいかそれ以下である(M≦N)。M<Nの場合には、Nビットに量子化された値に対応する最も近い二つのアドレスを参照し、記憶回路43の二つの出力をレベル補間回路440において補間することにより、制御信号を決定する。記憶回路43には、各アドレスに対応して、ディジタル信号処理による計算回路47で指定される利得および位相を制御する値のテーブルが記憶される。記憶回路43の値は第1および第2のD/A変換器441および442でディジタル−アナログ変換され、利得および位相に対するアナログ制御信号が利得制御信号出力端子443と位相制御信号出力端子444にそれぞれ出力される。
【0019】
制御回路の実施例を図5により説明する。図1の遅延回路11の出力信号が入力端子51に入力されると、利得制御回路52と位相制御回路53でそれぞれ利得と位相が制御される。ここで、利得制御信号入力端子524,位相制御信号入力端子533は、図4における利得と位相の各制御信号出力端子443と444にそれぞれ対応する。利得制御はピンダイオード521、522に印加される信号に応じて、この抵抗値が変化することにより、抵抗523の値との兼ね合いで減衰量が決定できる。また可変容量ダイオード532のバイアス電圧を、位相制御入力端子533からの位相制御信号で変化させることにより、サーキュレータ531の出力端子54に現れる位相を制御できる。利得制御および位相制御の方法は、図示の方法に限ることは無く他の任意の方法を用いてもよい。また、位相歪みが小さい場合には位相制御を省略することができる。
【0020】
次に本発明の実施例における計算回路の計算のアルゴリズムと記憶回路のテーブル内容更新処理について図6及び図7を用いて説明する。計算回路のアルゴリズムの基本的な考え方は、第2の電力測定器から出力される帯域外輻射電力を最小化するように、記憶回路のテーブル内容を試行錯誤的に決定するものである。
【0021】
記憶回路のアドレスの番号をk=1〜K(すなわちK=2M )とする。ここで、アドレス番号Kはあらかじめ設定した増幅器の最大出力に対応するアドレスとする。kの値が小さくなるにつれて、増幅器の出力、したがって、増幅器の入力レベルが小さくなるものとする。記憶回路のテーブル内容は,k=Kにおける利得が1、位相が0°となるように規格化されているものとし、この値は以後の計算を通して固定される。なお、以下の説明では利得の更新アルゴリズムについて述べるが、位相についても同様である。テーブル内容の更新は、以下のように複数のアドレスに対応してテーブルの値に、図6に例示されるような関数(補正関数という)で与えられる小さな補正値を同時に加算することによって行われる。図7は、本発明の実施例によるテーブル更新処理のフローを示す。テーブルの初期値は、すべてのアドレスについて、利得は1、位相は0°とする。
【0022】
第1段目の計算においては、記憶回路のアドレスk=K/2〜Kに対応する三角形の半分の直線a1 と、k=1〜Kに対応する三角形b1 およびk=1〜K/2に対応する直線c1 の各アドレスに対応する高さをRAM内容の初期値に加算する。ここで三角形の高さΔ1 は任意に選んだ小さな値である。Δ1 は正負の値をとるものとする。まず、Δ1 =|Δ1 |として直線a1 についてRAMの内容f(k)(k=K/2〜K−1)に加えてみる。このときの、第2の電力測定器の出力電力をPa+1 とする。次に、直線a1 についてΔ1 =−|Δ1 |として、初期値に加える。このときの第2の電力測定器の出力電力をPa-1 とする。もしPa+1 >Pa-1 であれば、この回におけるRAMの内容は初期値にΔ1 =−|Δ1 |に対応する直線a1 の値を加算したものと決定し、次の回の計算の初期値とする。次に、位相について、これと同様の操作を行う。次の回においても、上と同様の操作を行い、第2の電力測定器の出力電力が減少するように、RAMの内容f(k)(k=K/2〜K−1)にga (k)を加算することによって更新する。以下、同様に更新を続ける。RAMの内容が実質的に変化しないようになったら、直線a1 に係わる更新を打ち切る。
【0023】
次に三角形b1 について、これまでのRAMの内容f(k) (k=1〜K−1)を初期値として、直線a1 に行ったときと同様の更新を続ける。この更新が終了すると直線c1 について同様に更新する。直線c1 についての更新が完了すると、これまでに与えられた値を初期値として、同様の処理を初めから行う。これを与えられた回数だけ行うと第1段階の更新が終了する。
【0024】
第2段階の更新はアドレス領域を第1段階のアドレス領域を二分割して、その各々の領域について、第1段階と同様の更新を続ける。定められた段階数に到着するか、これ以上領域分割ができなくなったところで、更新の手続きが終了する。
【0025】
このように、記憶回路の複数のアドレスに対応するテーブル内容を同時に変化させることにより、テーブル内容の収束時間を速くすることができる。なお、重みの付け方は直線状に限らず、例えば2次曲線、ガウス曲線を用いることもできる。
【0026】
本発明における記憶回路と計算回路の第2の実施例を図8に示す。この実施例では、図4に示した第1の実施例の構成に時間調整回路745が追加されたものであり、その他の回路部分は第1の実施例と同じである。したがって、ここでの説明は、時間調整回路745に関連する部分のみに限って行う。
【0027】
時間調整回路745の目的は、図1に示した遅延回路11における時間遅延に対して、制御信号発生回路17から出力される制御信号のタイミングを適切に設定することにある。図8の時間調整回路745の動作を図9により説明する。制御信号回路のうちディジタル信号を処理する部分(図8のA/D変換器76の後からD/A変換器741,742までの間)は、クロック周期Ts で動作しているものとする。レベル補間回路740からは、クロック周期Ts 毎に制御信号が出力される。この信号をそのままD/A変換器741,742で出力すると、利得制御信号出力端子743(図1では170)、位相制御信号出力端子744(図1では171)の各制御信号と遅延回路11から出力される信号との間にタイミング誤差が生じる場合があり得る。今、最適なタイミングはクロック時刻からΔτだけずれているものとし、Δτ<TS と仮定する。もし、クロック周期が十分短いとすると、Δτだけずれた時刻における制御信号Vopt は一次内挿により、
opt =Vn-1 +(Vn −Vn-1 )×Δτ/TS
で与えられる。ところで、実際にはΔτの値は知ることはできない。そこで、これを試行錯誤的に決定する。例えば、Δτ=nΔT(ΔTは十分小さい時間)として、n=0,1,2,…と変化させて、nの各値について、これまでに説明した計算回路を実行させ、目標とする帯域外電力が最小となるnを求めることができる。
【0028】
ここで、もし、利得制御回路120における時間遅延が無視できない場合には、利得と位相の制御信号に時間差を与えるために、上記の操作を別個に行えばよい。
【0029】
本発明における制御信号発生回路の第3の実施例を図10に示す。この実施例は先に述べた時間調整を行うための他の方法を示したものである。その原理的な考えは、計算回路および記憶回路のクロック信号のタイミングを第1の電力測定器(図1の16)の出力信号の時刻に対して、相対的に変化させて、利得制御信号出力端子991と位相制御信号出力端子992の信号出力時間を制御するものである。
【0030】
第1の電力測定器(図10では図示省略)の出力信号は入力端子91よりサンプルホールド回路92に入力される。このサンプルホールド回路92は、クロック信号942で与えられる時刻の入力信号の値を取り込み、一次的に保持する。このサンプルホールド回路92の出力はA/D変換器93に入力され、A/D変換されたその出力信号は、記憶回路96のアドレスを与える。A/D変換器93のタイミングはクロック信号941により決められる。クロック信号942はクロック信号941を可変遅延回路94に入力することによって与えられる。可変遅延回路94は、制御信号943によってその時間遅延量を変化させる。制御信号943は、計算回路95より出力される。その発生アルゴリズムは第2の電力測定器(図1の18)の出力を極小にするように、例えば第2の実施例と同様に試行錯誤による方法をとることが可能であり、ここではその詳細な説明は省略する。本実施例の他の回路部分も先に述べた実施例のものと同様であるので、これ以上の説明は行わない。
【0031】
図11に、第3の実施例における可変遅延回路94の実施例を示す。図10の計算回路95から出力されるクロック信号941は、入力端子104より可変位相回路103に入力される。可変位相回路103は、計算回路95から制御入力端子105を経て入力される制御信号943により、位相を変化させるものである。ここでその回路の構成は如何様でもよく、例えば図5に示した位相制御回路53と同じにすることができる。
【0032】
可変位相回路103の出力は通常正弦波状になるので、これをリミッタ回路102に入力することによりパルス整形して、出力端子101に通常のディジタル回路におけるクロック信号942を得ている。ここで、位相を変化させることにより、時間遅延を変化させることができる理由は、対象とする信号が周期的な信号であるからである。本実施例は遅延時間を微小に変化させる場合に特に効果がある。
【0033】
【発明の効果】
本発明による帯域外電力スペクトルの改善効果を図12に示す。図12(a)は歪み補正前の出力信号スペクトルを示し、図12(b)は歪み補正後の出力信号スペクトルを示す。本発明は電力増幅器において電力効率と回路実現性に優れ、かつ、短い収束時間で自動的に非線形歪み補償を行うことができる効果がある。また、本発明は帯域外電力スペクトルを低減するように制御を行う原理からして、第1の電力測定器、利得制御回路および位相制御回路の誤差は、記憶回路の内容の変化となり自動的に吸収されるので、これらの回路の実現が容易になるという効果もある。これらにより、自動車、携帯電話システムの基地局無線機のコスト低減に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による非線形歪み補償電力増幅器の原理的構成図である。
【図2】本発明により非線形歪みを補償するプリディストータの原理説明図である。
【図3】本発明の第1の実施例における信号電力スペクトルの説明図である。
【図4】本発明における制御信号発生回路の第1の実施例の構成図である。
【図5】本発明における制御回路の実施例の構成図である。
【図6】本発明における計算回路の実施例のアルゴリズムの説明図である。
【図7】本発明における記憶回路の実施例のテーブル内容更新の処理フローである。
【図8】本発明における制御信号発生回路の第2の実施例の構成図である。
【図9】時間調整回路の動作原理の説明図である。
【図10】本発明における制御信号発生回路の第3の実施例の構成図である。
【図11】制御信号発生回路の第3の実施例における可変遅延回路の実施例構成図である。
【図12】本発明による非線形歪み補償の効果を示す出力信号スペクトルの説明図である。
【符号の説明】
10:入力端子
11:遅延回路
12:振幅・位相制御回路
13:電力増幅器
14:方向性結合器
15:出力端子
16:第1の電力測定器
17:制御信号発生回路
18:第2の電力測定器
19:帯域通過フィルタ
20:周波数変換回路
170:利得制御信号
171:位相制御信号
172:記憶回路
173:計算回路
200:局部信号発生器
201:乗算回路

Claims (8)

  1. 入力信号を制御信号に基づいて補正する振幅・位相制御回路と、入力信号の電力を検出する第1の電力測定器と、検出された入力信号の電力の値により参照されて対応する制御信号の値を与えるテーブルを記憶する記憶回路と、前記振幅・位相制御回路に制御信号を供給する制御信号発生回路と、前記振幅・位相制御回路の出力に接続された電力増幅器と、電力増幅器の出力信号から有効帯域外の信号成分を取り出すフィルタと、取り出された有効帯域外の信号成分の電力を検出する第2の電力測定器とを備え、前記制御信号発生回路は、検出された有効帯域外の信号成分の電力の値に基づき、記憶しているテーブルの内容を、前記有効帯域外の信号成分の電力が小さくなるように更新するアルゴリズムを有する非線形歪み補償電力増幅器であって、
    前記アルゴリズムは、正と負の、高さが異なる直線や三角形などのパターンの複数の補正関数を、初期値に段階的に加算して行き、該加算の各段階ごとに有効帯域外の信号成分の電力を調べて、有効帯域外の信号成分の電力を小さくするもののみを残して行くものであることを特徴とする非線形歪み補償電力増幅器。
  2. 請求項1において、前記記憶回路は、第1の電力測定器の出力から得られる信号を所定のサンプリング周波数でサンプルおよびアナログ-―ディジタル変換して得た値に基づき決定されるアドレスによりアクセスされ、該アドレスから読み出されたテーブルの値を制御信号として前記制御信号発生回路に与えるものであることを特徴とする非線形歪み補償電力増幅器。
  3. 請求項1または請求項2において、入力端子と制御回路の間に遅延回路を設けたことを特徴とする非線形歪み補償電力増幅器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、記憶回路のテーブルの内容を更新する際に、複数のアドレスにそれぞれ対応する内容を同時に更新することを特徴とする非線形歪み補償電力増幅器。
  5. 請求項4において、同時に更新する複数のアドレスの数を、時間とともに次第に減少させることを特徴とする非線形歪み補償電力増幅器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、前記記憶回路がアクセスされるタイミングと、該記憶回路から読み出された制御信号を制御信号発生回路に与えるタイミングとの間の時間を最適に設定する時間調整回路を設けたことを特徴とする非線形歪み補償電力増幅器。
  7. 請求項6において、時間調整回路が制御信号を制御信号発生回路に与えるタイミングは試行錯誤的に自動的に最適に設定することを特徴とする非線形歪み補償電力増幅器。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかにおいて、制御信号発生回路は入力された信号の振幅と位相をともに制御するものであり、振幅の制御操作と位相の制御操作とを別個に行い、振幅の制御信号と位相の制御信号との間に時間差を与えられるようにすることを特徴とする非線形歪み補償電力増幅器。
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