JP3938989B2 - 測距装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は測距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
対象物の輝度分布より2つの像信号を求め、視差に基づくそれらの位置の差に従って対象物までの距離を求める、いわゆるパッシブ方式の測距装置がある。上記2つの像信号は異なる光路を通った光線に基づくもので、三角測距の原理により、対象物までの距離に従って像位置が変化する。
【0003】
このような方式は、背景の状態によって像信号が変化しやすく、測距の精度を上げるには、対象物の像を背景から分離して測距することが必要である。また、逆光シーンなどでは、像がアンバランスになったりして、精度劣化を引き起こす。
【0004】
したがって、上記した方式を、オートフォーカスカメラのように、様々なシーンにおける被写体に対して安定した測距を行わねばならない装置に応用する場合には、種々の工夫が必要である。例えば特開昭62−133410号公報は、画面に応じて使用する像信号を切り替えることを開示している。
【0005】
また、像信号はセンサアレイの出力電流を積分して得られるが、逆光時のように輝度差が大きいシーンでは、この積分レベルを所定のダイナミックレンジ内に収める技術も重要となる。例えば特開平5−264887号公報は、逆光時に積分時間を長くすることを開示している。また、特開平5−264892号公報は、フレアにより2つのセンサアレイに入射する光線が不均一になることによる精度の劣化を克服する方法を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開昭62−133410号公報や特開平5−264892号公報は逆光時の問題に対する対策については何も開示していない。また、特開平5−264887号公報は逆光時の対策について開示しているが、積分時間が長くなってタイムラグが生じてしまうという問題がある。
【0007】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、逆光時であってもタイムラグなしに正確な距離検出が行なえ、これに加えて、フレアの問題を克服して測距精度をさらに向上させた測距装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、AFカメラに応用した場合に、ピント合せが出来ないシーンであっても合焦率を向上させることができる測距装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、被写体の輝度分布を第1の像信号として出力する第1のセンサアレイと、被写体の輝度分布を第2の像信号として出力する第2のセンサアレイと、上記第1、第2の像信号に基づいて逆光状態か否かを判定する判定手段と、逆光状態と判定された際に、第1及び第2のセンサアレイの積分領域を非逆光状態のときよりも大きくなるように切換える領域切換え手段と、切換えられた領域から出力される第1、第2の像信号から、主要被写体輝度とその背景部輝度との差が大きい領域を抽出し、この領域の輝度差を少なくとも一方のセンサアレイに対応するエッジ信号として出力するエッジ信号出力手段と、上記エッジ信号で指定された領域からの像信号に基づいて、被写体の距離を演算する演算手段とを具備する。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、上記演算手段は、上記2つの像信号のうち、一方の像信号からフレア信号を除去して補正信号を作成し、この補正信号と、上記2つの像信号のうち、他方の像信号とに基づいて被写体の距離を演算する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態について説明する。まず、図1(a)、(b)、(c)を用いて、外光パッシブ方式の測距装置について説明する。1a、1bは対象物3aの輝度分布をセンサアレイ2a、2bに導く受光レンズであり、これらのセンサアレイ2a、2bは、対象物3aの明暗の変化を電流信号に変換する。A/D変換手段6は、センサアレイ2a、2bの各出力信号を受けてディジタル値に変換することにより、像信号をディジタル演算制御回路(以下、CPUと呼ぶ)10に入力する。7はピント合せ手段である。また、5は後述するモニタ・積分制御回路である。
【0013】
ここで、受光レンズ間距離を基線長Bとし、焦点距離をfとすると、対象物3aによる像は、図1(b)の14a、14bで示すように、2つのセンサアレイ2a、2b上に、xの相対位置差をもって形成される。ここで対象物3aまでのの距離をLとする時、これらの関係は
x=(B・f)/L・・・・・・・(1)
となる。つまり、距離Lが大きい程、相対位置差xは小さく、距離Lが小さい程、相対位置差xは大きくなる。カメラなどに応用する場合、上記CPU10としては、ワンチップマイコン等を利用すればよく、これが上記像14a、14bの相対位置差xを求めて、(1)式より距離Lを求め、ピント合せ手段7で撮影レンズを制御すれば、AFカメラが設計できる。
【0014】
CPU10は、上記の機能の他に、対象物が逆光状況下にあるか否かを判定する逆光判定手段8や、得られた像信号のエッジ部を検出するエッジ検出手段9等を具備している。
【0015】
逆光という状況下においては、対象物3aの背景から、強いノイズ光がセンサアレイ2a、2bに混入するので、対象物3aの像が正しい形状とならず、測距が不正確になりがちである。そこで、本実施形態では、逆光状況下であるか否かを判定し、逆光であるときには、得られた像信号の中からエッジ部を抽出して抽出された領域に対応する像信号に基づいて測距を行なうことによって正確な測距を行なうようにしている。これに加えて、上記混入したノイズ光に基づく信号成分を除去して測距精度をさらに向上させる。
【0016】
また、図1(c)に示すように、カメラの画面13内の複数ポイント15を測距して、測距対象物としての人物12が画面中央に存在しなくとも、人物12に正しくピントが合うように工夫するマルチAFと呼ばれる技術がある。この技術を用いて例えば図1(a)の対象物3aを測距するときには、センサアレイ2aの光軸上のセンサを基準にし、このセンサ位置から少し左側にずらした位置のセンサを基準にして測距を行うことで、対象物3aまでの距離を求めることができる。基準となるセンサ位置を変える以外には基本的には1点AFと同様の考え方で測距ができる。この基準となるセンサ位置の切り換えはセンサ切換手段4によって行う。上記した、像信号の中からエッジ部を抜き出して測距を行う場合もこれと同じ原理を利用することができる。
【0017】
図2は、逆光条件下における人物12と、受光レンズ1a及びセンサ2aとの関係を示す。
理想的には、人物12の顔の陰影に基づく光線のみがセンサアレイ2aに入射することを想定している。しかし、太陽の位置によっては、人物の一部から反射した強い光16がセンサアレイ2aに到達し、2つのセンサアレイ2a、2bのうち片方のセンサアレイにのみ強い光が入射して、2つの像信号がアンバランスになったり、太陽の光17が受光レンズ1aとセンサアレイ2aを保持する保持部11の壁面に直接入射したりして、本来の像信号の上にこれらのノイズ光が混入することによりコントラストが低下し、想定とは異なる像信号が得られることがある。
【0018】
図2に示すようなシーンにおいて、順光時と逆光時に得られる像信号の差異を図3(a)、(b)に示す。入射する光が強い程、センサアレイ2aの出力が小さく、入射する光が弱い程、センサアレイ2aの出力が大きい回路構成を想定しており、順光時には図3(a)に示すように、人物12の顔で△I1の幅で得られるコントラストも、逆光時には図3(b)に示すように、△I2の幅に縮小してしまう。順光、逆光による背景の変化は像信号の両端部の変化(エリアの変化)として現われている。コントラストの変化は、前述のように本来の像信号の上にノイズ光が重なったり、背景との輝度差が大きくなりすぎる事に起因する。
【0019】
図4は、上記した像信号を得るためのセンサアレイの処理回路の構成を示す図である。以下に、この処理回路の動作を説明する。
20a、20bはセンサアレイを構成するセンサのうち2つを取り出したもので、各々フォトダイオードからなり、その出力は積分アンプ21a、21bに接続されている。積分コンデンサ23a、23bにはスイッチ22a、22b、24a、24bが接続されている。このうち、スイッチ22a、22bは積分制御回路28によって制御されるものであり、この制御により積分開始と終了が決められる。また、スイッチ24a、24bは積分リセット回路25によって制御されて再度積分を開始するのに先立つリセット動作が行われる。CPU10は上記した制御をシーケンシャルに行なわせる。
【0020】
また、積分出力VINTa、VINTbは、積分コンデンサ23a、23bの容量と、入射光の強さ及び積分時間から決定されるが、このとき積分制御回路28が適当な積分時間を設定しないと、回路のダイナミックレンジ内にVINTa、bを収めることが出来ない。そこで、積分出力VINTa、VINTbを出力回路26を介してモニタし、積分制御を行うモニタ・積分制御回路5が必要となる。ここでは、センサアレイを構成するセンサの中でどのセンサの出力をモニタするかが選択できるようになっているが、この選択を行うのがセンサ切換手段4である。したがって、CPU10により状況に応じて制御を行えば、センサアレイを構成するセンサの中でどのセンサに重点においた積分制御を行なうかが切り換えられる。
【0021】
例えば、図3に示す像信号は、順光状態と逆光状態で、積分モニタ用のセンサを切り換えて得られたものである。図3(a)は順光時なので、人物12の顔の陰影でコントラストが得られ正常に測距できるので、背景の影響をなるべく受けないように狭いエリアで積分制御を行う。しかし、逆光シーンでは、顔のコントラストは低いので、図3(b)のように背景との輝度差を強調してコントラストを得るようにする。すなわち、この場合は積分制御エリアを顔の幅より広くして、背景を加味した積分制御を行う。
【0022】
図5(a)は、逆光シーンで積分制御エリア(モニタ範囲)を狭くしたままの時の像信号例を示している。横軸はセンサアレイの各センサの並びの順番(センサNo.)、縦軸にはセンサデータをA/D変換手段6によってディジタル値にした結果をとっている。この例では、モニタ範囲で最も明るい部分の積分結果を用いて積分を停止するため、明るい背景はダイナミックレンジの範囲を越えてしまってデータが出力されない。ここで積分制御エリア(モニタ範囲)を広くすると、図5(b)のように背景からの光を受光するセンサデータの出力を加味して積分制御を行うため、最も明るい部分を有する背景部分に従って像信号が形成される。従って、顔の中央部のデータはダイナミックレンジが劣化するが、背景と人物との輝度差でコントラストの高い像信号が得られる。
【0023】
このように本実施形態では、顔の部分だけによる像信号の方が背景の影響を受けにくいが、コントラストが低すぎて信頼性の低い結果しか得られないという欠点をなくすために、積分制御エリアを広くして十分大きなコントラストの像信号を得、この像信号から逆光状況下における被写体を正しく測距するものである。
【0024】
図6は上記した本実施形態の方法をカメラに応用した時の作用を示すフローチャートである。
ステップS1は、まず画面内中央部を積分制御エリアとした積分制御を行うステップである。次に、この積分制御エリアのセンサデータを読み出し(ステップS2)、積分制御エリアの周辺部と中央部を比較して逆光状態か否かを判定する(ステップS3)。逆光ではない時にはステップS11に分岐し、公知のマルチAF動作を行い、センサ切り換えを繰り返して画面内の複数ポイントを測距し、その中から主要被写体距離Lp を判定し、ステップS10にてこのピント合せを行う。
【0025】
一方、ステップS3にて逆光状態であると判定されると、ステップS4に移行して、積分領域を非逆光状態のときよりも大きくなるように切換える。すなわち、積分判定用のセンサ数を増加させて判定エリアを拡大する。次にステップS5にて再度積分制御を行ない、得られた像データを読み出してA/D変換後CPU10に入力し(ステップS6)、先に説明したように、ステップS7において主要被写体輝度とその背景部輝度とのコントラストの高い部分の検出を行う(図5(b)参照)。この検出をエッジ部の検出と呼ぶが、像データの変化の大きい部分を図7に示すフローに基づいて図1(a)のセンサアレイ2a、2bにより求めてエッジ信号として出力し、このエッジ信号が表す相対位置差xより距離Lを求める。
【0026】
図7において、ステップS40からS43では、センサアレイ2aを構成するセンサの順番を示す番号nや、エッジ部に位置するセンサの順番を示す番号n1、及び隣接するセンサデータ差を示す変数△SSとその最大値を示す変数△Sを初期化する。次にステップS44にてn番目のセンサのデータとn+1番目のセンサのデータの差△SSをとり、次にステップS45にて、その最大値△Sと比較する。ステップS44の判定結果がyesの場合はステップS46に分岐して、その時のセンサ番号n1を記憶し、ステップS47にて△SSを最大値として記憶する。
【0027】
次に、ステップS48にて比較するセンサ番号をインクリメントし、ステップS49の判断がyes、すなわち、nが所定の数noになるまでステップS44のステップを繰り返し、指定されたセンサの領域に渡って最も大きな変化を示すセンサの位置n1を求める。このようなフローによって、像信号のエッジ部の位置がセンサの並びの順番を示す数として求められる。
【0028】
ところで、エッジ部の像データは背景のノイズ光の影響で2つのセンサアレイの出力がアンバランスになりやすい。そこで、図6のフローでは、エッジ検出(ステップS7)の後、フレア補正のステップS8を追加して、このノイズ光の影響を除去している。フレア補正とは、図8に示すように、AF用の1対のセンサアレイ2a,2bの一方、例えば2bのセンサアレイにノイズ光が重畳した場合にこのノイズ光の大きさを求め、これを演算により除去して正しい像データを求める技術である。
【0029】
すなわち、図8に示すように、均一にノイズ光が乗っている場合は、各センサアレイから同じ数(n2 個)のセンサを選び、これらのセンサデータの総和の差からノイズ光を求めることができる。総和の差をn2 で割り算して平均化したもの(△h)を、センサアレイ2aの各センサデータに加算してやれば、2つのセンサアレイ2a,2bに入射した像の形状を揃えることができる。△hをセンサアレイ2bのセンサデータから減算してもよいが、この場合、データがマイナスになって、演算上の不都合を生じることがあるので、ここではノイズ光の乗っていない方にノイズ光相当のものを加えて像形状を揃えている。演算上の不都合がないならノイズが乗った方から減算してもよい。
【0030】
像形状が揃わないままノイズ光を無視して像ズレ量の相対位置差を求めると、図8中、△xの位置の検出誤差を生じて誤測距となる。そこで、本実施形態では、CPU10が図9に示すようなフローの演算を行うことによって、2つの像信号の形状を揃えてから距離の算出を行うようにしている。
【0031】
まず、ステップS60、S61は各センサアレイのうち、同じ像が得られる部分のn2 個のセンサデータの総和をΣa、Σbとして求めるステップである。ここでは、図8にn2 として示した部分のセンサデータを求めればよい。つまり、エッジの前後n2 /2ずつのセンサデータを利用すればよい。また、全センサ域にわたって総和をとるようにしてもよい。ステップS62はどちらの総和が大きいかを判定するステップで、この結果によって、ステップS63、S67で差分△Σを求め、続いて平均値△hを求めて、補正量△hとする(ステップS64、S68)。これをステップS65、S69にて、フレアの乗っていない方のセンサアレイの各センサデータに加算する。
【0032】
前述のように全センサ域にわたって総和をとるようにした場合は全センサ数でこれを除算して△hを求める。そして、S65、S69と同様に、フレアの乗っていない方のセンサデータに、この△hを加算する。
【0033】
このようなプロセスにより、CPU10内のメモリ内には、補正されたセンサデータが形成され、CPU10はセンサアレイ出力の生データではなく、この補正データを用いて図1の像位置差xを求め、(1)式より主要被写体距離Lp を求め、ピント合せを行う(図6のステップS9、S10)。このように本実施形態においては、2つのセンサアレイに入射する像信号がノイズ光によりローコントラストやアンバランスになった場合でも正確なピント合せができる。従って、逆光シーンにおいても、きれいな写真が撮れる。
【0034】
以下に、本発明の第2実施形態を説明する。測距用のセンサアレイは、数十個から百数十個の受光素子(センサ)を並置してなる素子であり、この多数のセンサの出力データに関して上記エッジ検出、フレア補正を行うと、演算に時間がかかり、レリーズタイムラグが長くなってしまうという問題を生じる。また、図6のステップS5の再積分を行なう時間もタイムラグとなる。そこで、図10に示すフローのように最初の積分で測距を行い、距離による判定も採用し、最初の測距が低輝度時または遠距離時はエッジ検出やフレア補正を行わないようにして、多くのシーンでは上記レリーズタイムラグが長くならないようにすることができる。
【0035】
例えば、図11(a)に示すような逆光シーンでも、被写体距離が遠距離の場合、2つの受光レンズの視差によるセンサアレイ上の被写体像位置差も小さくなるので、人物12の輪郭部からの強い光16が受光レンズ1aを介して2つのセンサに入射する際のアンバランスも小さくなり、被写体像も小さくなってセンサアレイ2a上に入射するため、特に積分判定範囲の切り換えを行わなくとも、図11(b)に示すように背景を加味してコントラストの高い像信号を得ることができる。
【0036】
これらの理由によって、図10のフローでは、最初の積分で測距を行い(ステップS20)、次のステップS21で逆光であると判定された場合には、次に最初の測距結果が近距離かどうかを判定し(ステップS22)、近距離の時のみ、積分判定範囲の切り換えによる再積分(S23、S24)、エッジ検出(ステップS25)、フレア補正(S26)を行うようにして、タイムラグを少なくしている。
【0037】
つまり、この実施形態では、図2のシーンのように逆光かつ被写体距離が近い時は、2つのセンサアレイ2a、2bの視差の影響によって、ノイズ光16の入射形態が異なるために起こる2つのセンサアレイ2a、2bのセンサデータ間のアンバランス、又はノイズ光が信号に重なる事によって引き起こされるローコントラストの問題を克服するものである。
【0038】
すなわち、逆光かつ被写体距離が近いと判定されたときにはステップS23以下のフローを実行して、確実に被写体距離を測定するが、それ以外の時はステップS29にて測距の基準となるエリアを切り換えながらマルチAFを行なうようにする。これによって、図1(c)に示すように、画面内中央に被写体12が存在しないシーンにおいても高速で正しいピント合せを行なうことができる。
【0039】
尚、逆光の判定方法として、ここではAF用のセンサアレイの積分結果をモニタして判定する例を述べたが、図12(a)、(b)に示すように、写真画面内中央のスポット測光結果(SPOT)と画面全体の平均的な測光結果(AVE)を用いて、AFではなく露出制御時に公知の方法を用いても逆光を判定できることは言うまでもない。
【0040】
なお、上記した具体的実施形態には、以下の構成(1)〜(5)を有する発明が含まれている。
(1)
撮像領域内に複数の輝度分布測定ポイントを有していて、該輝度分布測定ポイントの1つ又は複数の輝度分布を2つのセンサアレイによって2つの像信号として出力する測距装置において、
所定の輝度分布測定ポイントからの像信号に基づいて逆光状態か否かを判定する判定手段と、
逆光状態と判定された時に、上記所定の輝度分布測定ポイントの2つの像信号から、主要被写体輝度とその背景部輝度との差が大きい領域を抽出し、この領域の輝度差を少なくとも一方のセンサアレイに対応するエッジ信号として出力するエッジ信号出力手段と、
非逆光状態と判定された際には上記複数の輝度分布測定ポイントからの出力に基づいて被写体の距離を演算し、逆光状態と判定された際には上記エッジ信号で指定された領域からの像信号に基づいて被写体の距離を演算する演算手段と、
を具備したことを特徴とする測距装置。
(2)
撮像領域内に複数の輝度分布測定ポイントを有していて、該輝度分布測定ポイントの1つ又は複数の輝度分布を2つのセンサアレイによって2つの像信号として出力する測距装置において、
所定の輝度分布測定ポイントからの像信号に基づいて逆光状態か否かを判定する判定手段と、
逆光状態と判定された際に、上記所定の輝度分布測定ポイントにおける上記2つのセンサアレイの積分領域を非逆光状態のときよりも大きくなるように切換える領域切換え手段と、
切換えられたセンサアレイの積分領域の2つの像信号から、主要被写体輝度とその背景部輝度との差が大きい領域を抽出し、この領域の輝度差を夫々のセンサアレイに対応する第1、第2のエッジ信号として出力するエッジ信号出力手投と、
非逆光状態と判定された際には、上記複数の輝度分布測定ポイントからの出力に基づいて被写体の距離を演算し、逆光状態と判定された際には上記第1、第2のエッジ信号で指定された領域からの像信号に基づいて被写体の距離を演算する演算手段と、
を具備したことを特徴とする測距装置。
(3)
被写体の輝度分布を2つのセンサアレイによって2つの像信号として出力する測距装置において、
上記2つの像信号に基づいて逆光状態か否かを判定する判定手段と、
被写体の距離を演算する演算手段と、
逆光状態で、かつ上記2つの像信号に基づいて演算された第1の被写体距離が所定値よりも近いか否かを判定する判定手段と、
逆光状態で、かつ被写体距離が所定値よりも近いと判定された場合に、上記2つの像信号から主要被写体輝度とその背景部輝度との差が大きい領域を抽出し、この領域の輝度差を夫々のセンサアレイに対応する第1、第2のエッジ信号として出力するエッジ信号出力手段と、
上記第1、第2のエッジ信号で指定された2つの領域からの2つの像信号に基づいて、上記演算手段に第2の被写体距離を演算させる演算制御手段と、
を具備したことを特徴とする測距装置。
(4)
上記演算手段は、上記2つの像信号のうち、一方の像信号からフレア信号を除去して補正信号を作成し、この補正信号と、上記2つの像信号のうちの他方の像信号とに基づいて被写体の距離を演算することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の測距装置。
(5)
上記補正信号の作成は、上記2つの像信号の特定部分のエッジ信号を重畳させてからフレアに関するノイズ信号を一方のエッジ信号から除去することにより行うことを特徴とする(4)に記載の測距装置。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、逆光時であっても正確な距離検出が行なえ、これに加えて、フレアの問題を克服して測距精度をさらに向上させることができる。
また、AFカメラに応用した場合には、ピント合せが出来ないシーンであっても合焦率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外光パッシブ方式の測距装置について説明するための図である。
【図2】逆光条件下における人物と、受光レンズ及びセンサとの関係を示す図である。
【図3】図2のようなシーンにおいて、順光時と逆光時に得られる像信号の差異を示す図である。
【図4】像信号を得るためのセンサアレイの処理回路の構成を示す図である。
【図5】(a)は、逆光シーンで積分制御エリアを狭くしたままのときの像信号例を示しており、(b)は積分制御エリアを広くしたときの像信号例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態の方法をカメラに応用した時の作用を示すフローチャートである。
【図7】エッジ検出のフローを示す図である。
【図8】フレア補正について説明するための図である。
【図9】フレア補正のフローを示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態の方法を示すフローチャートである。
【図11】逆光シーンの例を示す図である。
【図12】逆光判定の他の方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1a、1b…受光レンズ、
2a、2b…センサアレイ、
3a、3b…対象物、
4…センサ切換手段、
5…モニタ・積分制御回路、
6…A/D変換手段、
7…ピント合せ手段、
8…逆光判定手段、
9…エッジ検出手段、
10…CPU、
11…保持部、
12…人物、
13…画面。

Claims (2)

  1. 被写体の輝度分布を第1の像信号として出力する第1のセンサアレイと、
    被写体の輝度分布を第2の像信号として出力する第2のセンサアレイと、
    上記第1、第2の像信号に基づいて逆光状態か否かを判定する判定手段と、
    逆光状態と判定された際に、第1及び第2のセンサアレイの積分領域を非逆光状態のときよりも大きくなるように切換える領域切換え手段と、
    切換えられた領域から出力される第1、第2の像信号から、主要被写体輝度とその背景部輝度との差が大きい領域を抽出し、この領域の輝度差を少なくとも一方のセンサアレイに対応するエッジ信号として出力するエッジ信号出力手段と、
    上記エッジ信号で指定された領域からの像信号に基づいて、被写体の距離を演算する演算手段と、
    を具備したことを特徴とする測距装置。
  2. 上記演算手段は、上記2つの像信号のうち、一方の像信号からフレア信号を除去して補正信号を作成し、この補正信号と、上記2つの像信号のうちの他方の像信号とに基づいて被写体の距離を演算することを特徴とする請求項1記載の測距装置。
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