JP3935335B2 - 画像データ処理装置およびカラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入出力インターフェースにバッファメモリ装置がある画像データ処理装置およびカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データ処理には例えば、原稿スキャナが読取ったRGB画像データに読取り歪を補償又は修正する読取補正(CCDライン間補正,主走査レジスト調整,シェーディング補正,ドット補正,縦スジ補正,γ変換等),読取った画像が文字,線などの濃淡が2値的なもの(以下単に文字と称す)のエッジ(文字エッジ)又は中(線幅内:文字なか)か、写真などの網点画像(以下単に写真と称す)か、更に、有彩か、無彩か、を判定する像域分離,読取補正をしたRGB画像データのYMCK画像データへの変換を主とする中間処理(フィルタ処理,地肌除去,色変換すなわちYMCK画像データへの変換,下色除去,主走査変倍,主走査シフト,主走査ミラーリング,副走査間引き,マスク処理および単色文字出力の場合の2値化)、ならびに、中間処理したYMCK画像データをプリンタの出力特性に合うように補正する出力補正(プリンタγ変換および階調処理)などがあり、また階調処理には、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等があるなど、多種多様な処理がある。
【0003】
そしてデータの処理形態も、フィルタ処理における積和演算,像域分離におけるパターンマッチング,LUT(Look Up Table:変換テーブル)を用いるデータ変換(例えばγ変換)或は補正演算(例えばシェーディング補正)等々、様々である。
【0004】
先行の画像データ処理と後行の画像データ処理の処理速度が異なる場合には、これらの間でバッファメモリに画像データを一時格納する必要がある。フィルタ処理やパターンマッチングでは、数ラインに及ぶ画素マトリクスの画像データ群を同時に参照する必要があるため、数ライン分のラインバッファメモリが必要である。従って、画像データ処理では、バッフアメモリ装置が用いられる。
【0005】
特開平8−305329号公報は、データの流れに沿って入力データセレクタ6,入力データラッチ10,1つのメモリ部1,出力データラッチ11および出力データセレクタ9をこの順に接続し、さらに書込アドレスセレクタ7,読出しアドレスセレクタ8および各セレクタを制御するCPU12を備えて、CPU12によるセレクタの設定によりメモリ部1を、TV受信映像信号のラインメモリと非線形演算のためのルックアップテーブルに選択使用する信号処理装置を開示している。ルックアップテーブルのデータはCPU12が発生してメモリ部1に書込む。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
画像処理には、上述のように多くの形態があるのに加えて、メモリへの蓄積や編集などもある。画像読取り,蓄積記憶およびプリントアウトの何れにおいても、白黒読取り,白黒記録にかかわる白黒画像データの処理すなわちモノクロ画像モードの処理と、RGB画像データやYMCK画像データなどの処理即ちカラー画像モードの処理がある。カラー処理機であっても、モノクロ画像モードの使用要求も多く、モノクロ画像モードが選択可であるのが一般的である。
【0007】
モノクロ画像モードでは単色画像データを処理する。これに対して、カラー画像モードでは、読取り処理においては、R(レッド),G(グリーン)およびB(ブルー)それぞれの画像データすなわち3色分の画像データを処理し、記録(プリント)モードにおいては、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)およびK(ブラック)それぞれの画像データ即ち4色分の画像データを処理する。したがって、モノクロ画像モードの画像データ転送システムをカラー画像モードにも使用すると、単純には、カラー画像モードでは、1ラインの画像データ転送がモノクロ画像モードの転送時間の3倍或は4倍になってしまう。1ライン分の画像データ処理時間は、3倍以上或は4倍以上になる。
【0008】
これを短くするために、2以上の画像データを同時に並行して入出力しえて、複数の画像データに同時に並行して、補正,変換などのデータ処理ができる画像処理器をカラー処理機に採用するのが好ましい。これによれば、カラー画像モードでは、2色(2連)以上の画像データ列を同時に並行して処理できるので、処理速度を数倍に向上しうる。しかし、この場合、カラー画像モードでのデータ転送が同時に2色(2連)以上になるので、従来のモノクロ専用の、1系統のデータ転送ラインのみを有する画像処理システムには、そのままでは適用できない。また、モノクロ画像モードで従来のモノクロ専用機と同様に白黒画像データの転送およびデータ処理をすると、画像処理器が同時に2連以上の画像データの処理能力があるにもかかわらず、一連づつの処理となり、モノクロ画像モードでは画像処理器の能力を十分に活かせない。
【0009】
前記特開平8−305329号公報の信号処理装置のデータ処理は、ラインメモリの使用態様でのCPU12による出力データセレクタ9の切り替え制御によるラインデータへの0の挿入と、ルックアップテーブルの使用態様でのルックアップテーブルによるデータ変換であり、上述のごとき各種の複雑な画像データ処理に適用は難しい。
【0010】
本発明は、カラー画像モードもモノクロ画像モードも共通の画像処理部の構成で、高速で処理が可能となる入出力インターフェースを有する画像データ処理装置および方法を提供することを第1の目的とし、画像処理速度が速い複合機能があるカラー画像形成装置を提供することを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)画像データの入力もしくは出力を選択的に行なう画像ポートと、
画像データに所定の画像処理を行なう画像処理器と、
前記画像ポートから画像データを受け取り前記画像処理器へ入力する処理と、前記画像処理器から出力された画像データを受け取り前記画像ポートへ出力する処理を選択的に行なうバッファメモリ装置と、を備える画像データ処理装置において、
前記画像ポートへ入力もしくは画像ポートから出力する画像データは、画像データを時系列にシリアルに並べた1連の画像データ列を2以上の所定数a 列並行して入出力するa 連の画像データ列であり、
前記画像処理器は、
データ処理を行なう2以上の所定数bのプロセッサエレメントと、
前記バッファメモリ装置との入出力インターフェイスとして機能し、前記プロセッサエレメントの各々に対応して b のデータを蓄えることができる a 以上の複数のレジスタと、
前記バッファメモリ装置からのデータを b 毎に前記レジスタへ入出力する処理と、前記各プロセッサエレメントに対応する前記レジスタの各データに対して同一の処理を同時に並行して処理させる制御を行なう処理制御手段とから構成され、
前記バッファメモリ装置は、
前記画像ポートへ入出力する前記画像データを少なくとも b 以上蓄えるバッファメモリと、
前記バッファメモリに対して前記画像データの入出力管理を行なうメモコンとから構成され、
前記メモコンは、前記画像ポートを入力として選択したとき、
前記バッファメモリに蓄積された前記画像データを1連の画像データ列で並行するa列に振り分ける分離機能と
前記分離機能により分離したa列で1連の画像データ列を前記画像処理器の所定の前記各レジスタに a 列の並行入力をする並行入力機能を行い、
前記画像ポートを出力として選択したとき、
前記画像処理器の所定の a 列の各レジスタから各1連の画像データを並行出力する並行出力機能と
前記並行出力機能により出力された a 列で 1 連の画像データ列を順次摘出して a 連の画像データ列に合成して前記バッファメモリに前記画像データとして蓄える合成機能を行なうものであって、
前記 a 連の画像データ列として、カラー画像データにおける第1色の画像データ列から第 a 色の画像データ列を並行入力もしくは並行出力することで、カラー画像データを入出力するのに必要な画像ポート数を削減することを特徴とした画像データ処理装置。
【0012】
これによれば、メモコンの分離機能を用いて例えばモノクロ画像モードでは一連(例えば1ライン)の白黒画像データをa連(例えば奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連)に分離して各連の各画像データを同時に並行して画像処理器に与えて同時に並行してデータ処理でき、白黒画像データの高速処理が可能となる。更に、メモコンの合成機能を用いて、処理したa連の画像データを1ラインに合成して出力できるので(図6のAf)、モノクロ画像処理システムのデータ転送ラインでも、そのまま処理後データを転送できる。このような処理は、カラー画像モードにおいて、1色1ラインの画像データに対しても同様に行って、1ライン分の1色の処理速度を高くできる。
【0013】
また、カラー画像モードでは、1ラインのRGB画像データ又はYMCK画像データの、複数色(例えば2色)の画像データのそれぞれを、同時に並行して画像処理器に与えて同時に並行してデータ処理し、処理後のa連の画像データを、メモコンの合成機能を用いて、一連に合成して出力できるので(図6のCf〜Ff)、カラー画像データの処理速度が速く、しかもモノクロ画像処理システムのデータ転送ライン(1系統)と同様なデータ転送ラインでも、そのまま処理後データを転送できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(2)前記画像データ処理装置において、前記a 連の画像データ列としてカラー画像データにおける第1色の画像データ列から第 a 色の画像データ列を並行入力もしくは並行出力することに代えて、前記 a 連の画像データ列として隣接するa 毎の画素を並行入力もしくは並行出力することで、前記画像ポートから前記バッファメモリ装置への入出力を高速に処理することを特徴とした上記(1)に記載の画像データ処理装置。
【0015】
(3)前記メモリバッファ装置は複数のバッファメモリと複数のメモコンの組み合わせを1セットとする複数セットから構成され、前記画像ポートから画像データを受け取り前記画像処理器へ入力する処理と、前記画像処理器から出力された画像データを受け取り前記画像ポートへ出力する処理を各セット単位で選択的に行なうことを特徴とした上記(1)又は(2)に記載の画像データ処理装置。
【0016】
(4)前記画像処理器は、更に読み書き可能なプログラムメモリを有し、
前記画像データ処理装置は、更に前記プログラムメモリにデータ処理プログラムを書込む手段を備え、
前記画像処理器は前記プログラムメモリに書込まれたデータ処理プログラムに従って画像処理を行なうこと特徴とした上記(3)に記載の画像データ処理装置。
【0017】
(5)上記(4)に記載の前記画像データ処理装置と、
カラー画像読取手段と、画像形成手段を有するカラー画像形成装置において、
前記画像データ処理装置は、前記画像処理器を前記データ処理プログラムに従ってRGB画像データを読取補正する第1の画像処理器、
RGB画像データをYMCK画像データに変換する第2の画像処理器、
YMCK画像データを出力補正する第3の画像処理器として処理するように前記データ処理プログラムを書込む手段により前記プログラムメモリに書き込み、
前記カラー画像読取手段で読取ったRGB画像データを、前記第1の画像処理器で前記カラー画像読取手段の画像読取用の読取補正を行い、
該読取補正を行なったRGB画像データを前記第2の画像処理器でYMCK画像データに変換し、
該変換したYMCK画像データを前記第3の画像処理器で前記画像形成手段の画像形成用の出力補正を行い、
該出力補正したYMCK画像データを、前記画像形成手段で画像形成することを特徴としたカラー画像形成装置。
【0018】
(6)前記a 連の画像データ列は、RGB画像データにおけるいずれか2色の画像データ列であることを特徴とした上記(1)に記載の画像データ処理装置。
【0019】
(7)前記a 連の画像データ列は、CMYK画像データにおけるいずれか2色の画像データ列であることを特徴とした上記(1)に記載の画像データ処理装置。
【0020】
(8)前記 a連の画像データ列は、1ラインの奇数番目の画素と偶数番目の画素のデータ列であること特徴とした上記(2)に記載の画像データ処理装置。
【0021】
(9)前記 a連の画像データ列は、隣接する2ラインの画像データ列であること特徴とした上記(2)に記載の画像データ処理装置。
【0022】
(10)前記 a連の画像データ列は白黒読取りの白黒画像データの列である上記(8)又は(9)に記載の画像データ処理装置。
【0023】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0024】
【実施例】
−第1実施例−
図1に本発明の一実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機の外観を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置ADFと、操作ボードOPBと、カラースキャナSCRと、カラープリンタPTR、の各ユニットで構成されている。機内のカラー画像データ処理装置ACP(図3)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)、および、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されており、交換器PBXにファクシミリボードのファクシミリコントロールユニットFCU(図3)が接続されている。プリンタPTRのプリント済の用紙は、排紙トレイ8上に排出される。
【0025】
図2に、カラープリンタPTRの機構を示す。この実施例のカラープリンタPTRは、レーザプリンタである。このレーザプリンタPTRは、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットが、転写紙の移動方向(図中の右下から左上方向)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。
【0026】
これらマゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(K)のトナー像形成ユニットは、それぞれ、感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kを有する感光体ユニット10M,10C,10Yおよび10Kと現像ユニット20M,20C,20Yおよび20Kとを備えている。また、各トナー像形成部の配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kの回転軸が水平x軸に平行になるように、且つ、転写紙移動方向(y,z平面上でy軸に対して45°をなす左上がり線)に所定ピッチの配列となるように、設定されている。各感光体ユニットの感光体ドラムとしては、表面に有機感光体(OPC)層を有する直径が30mmの感光体ドラムを用いた。
【0027】
また、レーザプリンタPTRは、上記トナ−像形成ユニットのほか、レーザ走査による光書込ユニット2、給紙カセット3,4、レジストローラ対5、転写紙を担持して各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送ベルト60を有する転写ベルトユニット6、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。また、レーザプリンタPTRは、図示していない手差しトレイ、トナ−補給容器、廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども備えている。
【0028】
光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kの表面にレーザ光を、x方向に振り走査しながら照射する。また図2上の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット3,4から給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドで案内されながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対5に送られる。このレジストローラ対5により所定のタイミングで転写搬送ベルト60に送出された転写紙は転写搬送ベルト60で担持され、各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送される。
【0029】
各トナー像形成部の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに形成されたトナー像が、転写搬送ベルト60で担持され搬送される転写紙に転写され、各色トナー像の重ね合わせ即ちカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット7に送られる。定着ユニット7を通過する時トナー像が転写紙に定着する。トナー像が定着した転写紙は、排紙トレイ8上に排出される。すなわち転写は、転写紙上にじかにトナー像を転写する直接転写方式である。
【0030】
イエローYのトナ−像形成ユニットの概要を次に説明する。他のトナ−像形成ユニットも、イエローYのものと同様な構成である。イエローYのトナー像形成ユニットは、前述のように感光体ユニット10Y及び現像ユニット20Yを備えている。感光体ユニット10Yは、感光体ドラム11Yのほか、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ,感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なブレード,感光体ドラム表面に光を照射する除電ランプ,感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ、等を備えている。
【0031】
感光体ユニット10Yにおいて、交流電圧が印加された帯電ローラにより一様帯電された感光体ドラム11Yの表面に、光書込ユニット2で、プリントデータに基づいて変調されポリゴンミラーで偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体ドラム11Yの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム1IY上の静電潜像は、現像ユニット20Yで現像されてイエローYのトナー像となる。転写搬送ベルト60上の転写紙が通過する転写位置では、感光体ドラム1IY上のトナー像が転写紙に転写される。トナ−像が転写された後の感光体ドラム11Yの表面は、ブラシローラで所定量の潤滑剤が塗布された後、ブレードでクリーニングされ、除電ランプから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0032】
現像ユニット20Yは、磁性キャリア及びマイナス帯電のトナ−を含む二成分現像剤を収納している。そして、現像ケース1Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像ローラや、搬送スクリュウ、ドクタブレード、トナ−濃度センサ,粉体ポンプ等を備えている。現像ケース内に収容された現像剤は、搬送スクリュウで損枠攪拌搬送されることにより摩擦帯電する。そして、現像剤の一部が現像ローラの表面に担持される。ドクタブレードが現像ローラの表面の現像剤の層厚を均一に規制し、現像ローラの表面の現像剤中のトナーが感光体ドラムに移り、これにより静電潜像に対応するトナー像が感光体ドラム11Y上に現われる。現像ケース内の現像剤のトナー濃度はトナ−濃度センサで検知される。濃度不足の時には、粉体ポンプが駆動されてトナーが補給される。
【0033】
次に、転写ベルトユニット6の概要を説明する。転写ベルトユニット6の転写搬送ベルト60は、体積抵抗率が109〜1011Ωcmである高抵抗の無端状単層ベルトであり、その材質はPVDF(ポリふっ化ビニリデン)である。この転写搬送ベルト60は、各トナ−像形成部の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに接触対向する各転写位置を通過するように、4つの接地された張架ローラに掛け回されている。これらの張架ローラのうち、2点鎖線矢印で示す転写紙移動方向上流側の入口ローラには、電源から所定電圧が印加された静電吸着ローラが対向するように配置されている。これらの2つのローラの間を通過した転写紙は、転写搬送ベルト60上に静電吸着される。また、転写紙移動方向下流側の出口ローラは、転写搬送ベルトを摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されている。また、転写搬送ベルト60の外周面には、電源から所定のクリーニング用電圧が印加されたバイアスローラが接触するように配置されている。このバイアスローラにより転写搬送ベルト60上に付着したトナ−等の異物が除去される。
【0034】
また、感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに接触対向する接触対向部を形成している転写搬送ベルト60の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材を設けている。これらの転写バイアス印加部材は、マイラ製の固定ブラシであり、各転写バイアス電源から転写バイアスが印加される。この転写バイアス印加部材で印加された転写バイアスにより、転写搬送ベルト60に転写電荷が付与され、各転写位置において転写搬送ベルト60と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。
【0035】
図3に、図1に示す複写機の電気系システムの主要部を示す。原稿を光学的に読み取るカラー原稿スキャナSCRは、読み取りユニット21にて、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子に集光する。受光素子(本実施例ではCCD)は、読み取りユニット21のセンサー・ボード・ユニット(以下単にSBUと称す)にあり、CCDに於いて電気信号に変換されたRGB画像信号は、SBU上でディジタル信号すなわち読取った各8ビット多値のR,G,B画像デ−タに変換された後、SBUから、第1画像処理ユニットIPU1(以下、単にIPU1と表現する)に与えられる。
【0036】
IPU1は、入力RGB画像デ−タのそれぞれ(R,G,B画像データ)に、読取補正(CCDライン間補正,主走査レジスト調整,シェーディング補正,ドット補正,縦スジ補正およびスキャナγ変換)を加えると共に、RGB画像データが表す画像が、文字,線などの濃淡が2値的なもの(以下単に文字と称す)のエッジ(文字エッジ)又は中(線幅内:文字なか)か、写真などの網点画像(以下単に写真と称す)か、更に、有彩か、無彩か、を判定する像域分離を行う。また、RGB画像データが、紙幣や証券などの、複製禁止物を表すものであるかの判定(以下単に紙幣認識と称す)を行う。
【0037】
そしてIPU1は、読取補正をした各8ビット多値のRGB画像データに、像域分離結果すなわち判定結果を表す像域データFdを加えて、それらを圧縮/伸張及びカラーデータインターフェース制御部CDIC(以下単にCDICと称す)に出力する。紙幣認識の結果が複製禁止物であるとIPU1は、システムコントローラ106にこれを報知する。システムコントローラ106はこの報知に応答して、カラー原稿スキャナSCRによる原稿画像読取りに付帯する画像処理条件(たとえば複写指示の場合には、フルカラー読取りか否か)を参照して、忠実な複製となる複写条件が設定されていると複製画を大きく色違いにする、画像毀損用のスキャナγ変換をIPU1に設定する。
【0038】
CDICは、RGB画像データおよびYMCK画像データとそれらに付帯する像域データFdに関し、IPU1,パラレルバスPbおよび中間処理用の第2画像処理ユニットIPU2(以下、単にIPU2と表現する)の間のデータ転送、ならびに、図1に示すデジタル複写機全体制御を司るシステムコントローラ106と、主に読取ユニット21の動作とカラープリンタPTRの画像形成プロセス制御を司るプロセスコントローラ101間の、画像データ転送およびその他の制御に関する通信を行う。システムコントローラ106とプロセスコントローラ101は、パラレルバスPb,CDIC及びシリアルバスSbを介して相互に通信を行う。CDICは、その内部に於いてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータインターフェースのためのデータフォーマット変換を行う。
【0039】
カラー原稿スキャナSCRのIPU1からの、像域データFd付きのRGB画像データ(以下単にRGB画像データと称すこともある)は、CDICを経由してIPU2又はパラレルバスPbに転送又は送出される。パラレルバスPbに送出したRGB画像データは、画像メモリアクセス制御部IMAC(以下単にIMACと称す)によって画像メモリMEMに書込まれる。画像メモリMEMからパラレルバスPbに読み出したRGB画像データは、ファクシミリ送信のときにはFCUに、そうでないときにはIPU2に出力される。
【0040】
IPU2はRGB画像データを各8ビット多値のYMCK画像データに変換し更にその前後に数種の画像処理を加える。YMCK画像データは、CDICを経由してパラレルバスPbに送出されIMACによって画像メモリMEMに格納される,或は、IPU2から直接に、Y,M,CおよびKの画像データごとにそれぞれ、第3画像処理ユニットIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3k(以下、単にIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kと表現する)に出力される。
【0041】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kはそれぞれ、Y,M,CおよびK画像データに各色プリンタγ変換を施してから、階調処理によりプリント出力用の2値のY,M,CおよびK画像データに変換しカラープリンタPTRの作像ユニット105に出力する。
【0042】
上述のようにCDICには、RGB画像デ−タ又はYMCK画像データをメモリMEMに蓄積して再利用するジョブと、RGB画像デ−タをメモリMEMに蓄積しないでIPU2でYMCK画像データに変換してIPU3y,3m,3c,3kに出力しプリントアウトするジョブとがある。メモリMEMに蓄積する例としては、1枚の原稿を複数枚複写する場合、読取りユニット21を1回だけ動作させ、IPU1のRGB画像デ−タ又はそれをIPU2で変換したYMCK画像データをメモリMEMに蓄積し、蓄積データを複数回読み出す使い方がある。メモリMEMを使わない例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合、IPU1のRGB画像デ−タをそのままIPU2に出力しそのYMCK画像データをIPU3でプリンタ出力用に処理すれば良いので、メモリMEMへの書込みを行う必要はない。
【0043】
まず、メモリMEMを使わない場合、IPU1からCDICへ転送された画像データは、CDICからIPU2に送られる。IPU2は、RGB画像データに中間処理(フィルタ処理,地肌除去,色変換すなわちYMCK画像データへの変換,下色除去,主走査変倍,主走査シフト,主走査ミラーリング,副走査間引き,マスク処理および単色文字出力の場合の2値化)を施す。
【0044】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kはそれぞれ、Y,M,CおよびK画像データに、出力補正(プリンタγ変換および階調処理)を施す。階調処理により2値化されたY,M,CおよびK画像データが、レ−ザプリンタPTRの作像ユニット105に於いてY,M,CおよびK作像ユニットのレーザ変調器に与えられ、各色画像形成用の2値静電潜像が、感光体ドラム11Y,11M,11Cおよび11Kに形成される。階調処理には、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等が有り、階調情報の面積近似を主な処理とする。
【0045】
メモリMEMに蓄積し、それからの読み出し時に付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を行う場合は、IPU1からCDICへ転送されたデータは、CDICでバス転送用の1次圧縮をしてからパラレルバスPbを経由してIMACに送られる。ここではシステムコントローラ106の制御に基づき画像データと画像メモリMEMのアクセス制御,外部パソコンPC(以下単にPCと称す)のプリント用データの展開(文字コ−ド/キャラクタビット変換),メモリー有効活用のための画像データの2次圧縮を行う。
【0046】
IMACで2次圧縮したデータは画像メモリMEMへ蓄積し、蓄積データを必要に応じて読み出す。読み出したデータはIMACで2次伸張(2次圧縮の伸張)をして1次圧縮データに戻しIMACからパラレルバスPb経由でCDICへ戻される。CDICでは、1次伸張(1次圧縮の伸張)をして画像データに戻してIPU2に送り、RGB画像データの場合はそこでYMCK画像データに変換して、上述と同様に圧縮して画像メモリMEMに書込む。又は、IPU2のYMCK画像データを直ちにIPU3y〜3kに送り、作像ユニット105で画像を形成する。
【0047】
上述の画像データの流れに於いて、IMACの、画像メモリMEMおよびパラレルバスPbに対する画像データの読み書き制御、ならびに、CDICの、IPU1およびIPU2とパラレルバスPbとの間のバス制御により、デジタル複写機の複合機能を実現する。複写機能の1つであるFAX送信機能は、カラー原稿スキャナSCRの読取りユニット21が発生するRGB画像データをIPU1にて読取補正し、必要に応じて更にIPU2でYMCK画像データに変換して、CDIC及びパラレルバスPbを経由してFCUへ転送する。FCUにて公衆回線通信網PN(以下単にPNと称す)へのデータ変換を行い、PNへFAXデータとして送信する。FAX受信は、PNからの回線データをFCUにて画像データに変換し、パラレルバスPb及びCDICを経由してIPU2へ転送する。受信データがRGB画像データであるとIPU2でYMCK画像データに変換するが、受信データがYMCK画像データであると特別な中間処理は行わず、IPU3y〜3kに送り、作像ユニット105で画像を形成する。
【0048】
複数ジョブ、例えばコピー機能,FAX送受信機能およびプリンタ出力機能、が並行に動作する状況に於いて、カラー原稿スキャナSCR,カラープリンタPTR,パラレルバスPbおよびIPU2の使用権のジョブへの割り振りを、システムコントロ−ラ106およびプロセスコントロラ101にて制御する。
【0049】
プロセスコントローラ101は画像データの流れを制御し、システムコントローラ106はシステム全体を制御し各リソースの起動を管理する。このデジタル複合機能カラー複写機の機能選択は、操作ボ−ドOPBにて選択入力し、コピー機能,FAX機能等の処理内容を設定する。パソコンPCのプリントコマンドに応答するプリンタ出力機能の処理内容は、パソコンPCのプリントコマンドが設定する。
【0050】
カラー原稿スキャナSCRが出力する読取補正をしたRGB画像データを、一旦メモリMEMに蓄積しておけば、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3k、ならびに必要に応じてIPU2で施す処理を変える事によって種々の再生画像を確認することができる。例えばγ変換特性を変えてみたり、再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりする事で、再生画像の雰囲気を変更できる。この時処理を変更する度に画像をカラー原稿スキャナSCRで読み込み直す必要はなく、MEMから格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。
【0051】
図4の(a)に、カラー原稿スキャナSCRの画像データ処理系の概要を示す。CCD22が発生したR,G,B画像信号はA/Dコンバータ23で8ビット多値のR,G,B画像データに変換されて、インターフェース(以下ではI/Fと称す)24を通して、IPU1に与えられる。
【0052】
IPU1の主要部は、入出力I/F31,バッファメモリ32およびSIMD型プロセッサ33を結合したカラー画像処理ユニットである。
【0053】
図5に、IPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)の各部の構成を示す。入出力I/F31には、画像データの入,出力をする画像ポート0〜4、および、制御データ,制御信号あるいは同期信号のやり取りをするモード設定器(モード指定デコーダ),SCI(Computer System Interface),割込みコントローラ,JTAG,ホストI/Fおよびクロックジェネレータ、ならびにタイマがある。画像ポート0および1は画像データの入力専用,画像ポート2は画像データの入出力用、ならびに、画像ポート3および4は出力専用である。
【0054】
画像ポートは、2バイトのデータを同時に並行して入力および又は出力できるもの、即ち二連の画像データを同時に入出力できるもの、であり、RGBおよびYMCKカラー画像データ(多値階調)は8ビット、モノクロ(白黒画像)読取りおよび又はモノクロ(白黒)プリントが指定(モノクロ画像モード指定)された場合の読取りデータ,プリント出力データ(多値階調)すなわち白黒画像データも8ビットである。したがってモノクロ画像モードのときには、2つの画像データ即ち2画素の画像データを同時に並行して入力/出力できる。カラー処理モードの時には、1画素のRGB各画像データの2つ(2色)を同時に並行して入力/出力できる。
【0055】
バッファメモリ32の一個のRAM 8K(8Kバイト)は、A3版短辺に平行な1ラインの600dpiの多値の画像データ(8ビット:R,G,B,Y,M,C,K画像データの1種)を格納しうる容量であり、ラインバッフアとして画像データの入力および又は出力に用いられる、あるいは、LUTとして用いられる。この種のRAM 8Kが16個ある。2個のRAM 2Kは、画像データ転送元又は転送先との間のシリアルデータ転送の速度差吸収のために、画像データを循環シフトする循環シフトレジスタとして使用するものである。
【0056】
これらのRAMはメモリスイッチSW1〜SW3の何れかに接続されている。画像ポート0〜4,メモリスイッチSW1〜SW3およびSIMD型プロセッサ33の3者の間にはメモリコントローラ「メモコン」が介挿されている。メモコンは、SIMD型プロセッサ33が与える入出力モード指定に応じて、メモリスイッチSW1〜SW3の内部のスイッチのオン/オフを定め、すなわち、画像ポート/メモコン/RAM使用モードの場合はメモリスイッチ&使用するRAM/SIMD型プロセッサの接続、を設定し、指定モードの、画像データのパラレル,シリアル変換および転送を行う。
【0057】
SIMD型プロセッサ33は、外部(メモコン)とのデータ入出力に関し、同時に並行して2バイトのデータを入出力できる入出力ポートを持ち、2バイト同時に入出力できるのはもとより、各バイトのそれぞれを個別に入出力できる。2バイト入出力および1バイトづつの入出力を任意に設定できる。
【0058】
図6に、メモコンが行うことができる画像データのパラレル,シリアル変換、ならびに、IPU1,IPU2およびIPU3y〜IPU3kが実施し得るデータ入出力モードの数例A〜Gを示す。
【0059】
AのAf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、読取りユニット21が与える1ラインの画像データ(モノクロ画像モードの白黒画像データ又はカラー画像モードでのRGB画像データのうちの1色の画像データ)をメモコンAに与えて、メモコンAで1ライン上の各画像データを並び順で交互に振り分けて奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で両画像データを同時に並行して入力して各画像データに同時に並行してデータ処理を施してメモコンBに出力し、メモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列から交互に画像データを摘出して1ラインに合成して、CDICに送出する、「1ライン入力の分離処理モード」のものである。
【0060】
なお、必要に応じてメモコンA及びメモコンBの入力側,出力側にラインバッフアメモリ(RAM 8k)もしくはLUT(RAM 8k)を介挿することもある。また、メモコンA,BおよびCは、同一のものを指す場合もあるし、別体の場合もある。これらは、以下に説明する他のモードにおいても同様である。
【0061】
AのAr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3y〜3kにおいて、CDIC又はIPU2が与える1ラインの画像データをメモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで1ラインに合成して、IPU3y〜3k又は作像ユニット105に送出する、「1ライン入力の分離処理モード」のものである。
【0062】
BのBf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、読取りユニット21が与える1ライン上の奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連(モノクロ画像モードの白黒画像データ又はカラー画像モードでのRGB画像データのうちの1色の画像データ)をメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列を1ラインに合成して、CDICに送出する、「奇数偶数画素分離入力モード」のものである。
【0063】
BのBr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3y〜3kにおいて、CDIC又はIPU2が与える1ラインの画像データをメモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで2連のまま同時に並行して、IPU3y〜3k又は作像ユニット105に送出する、「奇数偶数画素分離出力モード」のものである。
【0064】
CのCf方向(実線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、読取りユニット21が与える1ラインのRGB画像データの2つRおよびG画像データを、メモコンAを介して同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後のR画像データとG画像データを一連に合成してCDICに送出する、「複数色並行処理モード」のものである。
【0065】
CのCr方向(破線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、CDICが与える、R画像データとG画像データを交互に配列した一連の画像データをメモコンBでR画像データ列とG画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33でR画像データとG画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで2連のまま同時に並行して、CDICに送出する、「複数色分離出力モード」のものである。
【0066】
DのDf方向(実線矢印)およびDr方向(破線矢印)の画像データの流れは、それぞれCのCf方向およびCr方向の画像データの流れと同様である。ただし、カラー読取りのRGB画像データは3連(3色)であるので、Dにおいては、もう一連のデータXが加えられる。このデータXはダミーデータの場合と、後述の像域データFdの場合がある。
【0067】
EのEf方向およびFのFf方向(いずれも実線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、YMCK画像データの2連Y,M/C,KをメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の2連Y,M/C,Kの画像データを一連に合成してCDICに送出する、「複数色並行処理モード」のものである。
【0068】
EのEr方向およびFのFr方向(破線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、CDICが与える、2色の画像データY,M/C,Kを交互に配列した一連の画像データを、メモコンBで2色すなわち2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で2色を同時に並行して処理して、メモコンAで2連のまま同時に並行して、IPU3y,IPU3m/IPU3c,IPU3kに出力する「複数色分離出力モード」のものである。
【0069】
GのGf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、モノクロ画像モードにおいて読取りユニット21が与える2ラインの白黒画像データをメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の2ラインの画像データをラインメモリ(RAM 8k)に順次に格納して、格納を終えると、1ラインごとにCDICに送出する、「白黒複数ライン処理モード」のものである。
【0070】
GのGr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3kにおいて、CDIC又はIPU2がシリアルに与える2ラインの画像データをメモコンBでラインメモリ(RAM 8k)に蓄積して、2ライン分を同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、そこで同時に並行して処理して同時に並行して出力し、メモコンAで2連(2ライン)のまま同時に並行して、IPU3k又は作像ユニット105に送出する、「白黒複数ライン出力モード」のものである。
【0071】
なお、メモコンおよびSIMD型プロセッサ33共に、一連のみの入出力および処理は当然可能である。また、各メモコンには単体で、図6のB〜Gに示すメモコンAおよびSIMD型プロセッサ33を省略した形での、メモコンB(図6のB〜Fの場合)およびメモコンC(図6のGの場合)の、2連入力/一連出力のパラレル/シリアル変換(以下では単にシリアル変換という)の機能、ならびに、一連入力/2連出力のシリアル/パラレル変換(以下では単にパラレル変換という)の機能がある。
【0072】
この機能を用いてRGB画像データと共に像域データFdを転送する場合には、RおよびG画像データは、メモコンで2連入力/一連出力のシリアル変換(Cf出力)で一連にしてCDICに送出するが、B画像データは、像域データFdと共に2連入力/一連出力のシリアル変換(Df出力、ただしX=Fd)で一連にしてCDICに送出する。また、IPU2からIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kに、YMCK画像データのそれぞれと像域データFdとを送出するときには、IPU2の4個のメモコンのそれぞれで、Y,M,CおよびK画像データのそれぞれと像域データFdとを、2連入力/一連出力のシリアル変換(Cf出力)で一連にして、それぞれをIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kに転送する。IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの各メモコンは、一連入力/2連出力のパラレル変換によって、Y,M,CおよびK画像データのそれぞれと像域データFdとの2連に分離する。
【0073】
この実施例では、バッフアメモリ装置32の画像ポートが2バイト(16ビット)パラレル入力および又は出力が可能なものであるので、同時に二連の画像データを並行して入,出力できる。したがって、画像ポートとSIMD型プロセッサ33との間でメモコンを介して同時に二連の画像データを並行して入出力できる。この場合には、図6のケースA〜Gの何れでも、画像ポートからメモコンAに画像データを入力して、すなわちケースAの場合には一連の画像データを、ケースB〜Gの場合には二連の画像データを入力して、メモコンAで二連に画像データを振り分けて同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、SIMD型プロセッサは同時に並行して処理をして、処理済データを二連で同時に出力し、メモコンA(別個のメモコンでもよい)がそのまま二連を、画像ポートを通して出力できる。この場合は、図6上では、SIMD型プロセッサ33に図6上最左端(画像ポート側)から実線矢印で示す方向(右向き)の流れで画像データを与えて、SIMD型プロセッサ33で折り返すように、処理済画像データを破線矢印で示す左向き方向(左端:画像ポート)に出力する形態のデータフローを採用するのが好ましい。
【0074】
画像ポートが1バイト(8ビット)の場合、あるいは2バイト以上であっても、データ入,出力の相手先が一連の画像データ入出力仕様の場合には、図6のA〜Gの何れでも、画像ポートからメモコンB(ケースGではメモコンC)に一連の画像データを入力して、メモコンBで二連に振り分けて同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、SIMD型プロセッサは同時に並行して処理をして、処理済データを二連で同時に出力し、メモコンB(別のメモコンでもよい)が一連に合成して画像ポートを通して出力する。この場合は、図6上では、SIMD型プロセッサ33に図6上最右端(画像ポート側)から点線矢印Ar〜Grで示す方向(左向き)の流れで画像データを与えて、SIMD型プロセッサ33で折り返すように、処理済画像データを実線矢印Af〜Gfで示す右向き方向(右端:画像ポート)に出力する形態のデータフローを採用する。
【0075】
即ち、本実施例のバッフアメモリ装置32は、図6上のA〜Gの、図6上最左端から最右端に流れるデータフロー,その逆に最右端から最左端に流れるデータフロー,最左端からSIMD型プロセッサ33で折り返して最左端に戻るデータフロー、および、最右端からSIMD型プロセッサ33で折り返して最右端に戻るデータフロー、の何れも任意に設定または選択できる。なお、これらのデータフローの何れでも、メモコンA,B,Cは同一のものであってもよいし、別個のものであっても良い。又、ラインバッフアメモリ(RAM 8k)は必要に応じてメモコンの入力側および又は出力側に介挿する。
【0076】
図7の(a)に、図5に示すSIMD型プロセッサ33の内部構成の概略を示し、図7の(b)には、(a)に示す1つのプロセッサエレメントPEの一部分の構成を拡大して示す。このSIMD型プロセッサ33は、内部にプロセッサエレメントPE区分のローカルメモリRAM群を持ち、使用するメモリ領域,データパスの経路をグローバルプロセッサ38にあるデータバスコントロールに於いて制御する。入力されたデータおよび出力のためのデータはローカルメモリRAM群をバッファーメモリとして割り当て、それぞれに格納し、外部I/F39にて外部に出力する。ローカルメモリRAMを含みそれぞれが8ビット以上の多値画像データに対して並行して同じ画像処理を行う320個のプロセッサエレメントPE群に、グローバルプロセッサ38が同時に同一の演算命令を与える。プロセッサエレメントPEの演算結果は再度ローカールメモリRAMに格納する。そして外部I/F39を通してメモコンに出力する。
【0077】
プロセッサエレメントPEの処理手順,処理のためのパラメータ等はプログラムRAM36及びデータRAM37との間でやり取りを行う。プログラムRAM36,データRAM37には、システムコントローラ106によって、ハードディスクHDDのプログラムおよびデータが、IMAC/パラレルバスPb/CDIC/シリアルバスSb経由で、ダウンロードされる。このデータ転送は、外部I/F39にあるDMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)が、システムコントローラ106が与えるロードコマンドに応答して実行する。このデータの流れは、該DMACの要求に応じてプロセスコントローラ101が設定する。
【0078】
画像処理の内容を変えたり、システムで要求される処理形態(画像処理の組合せ)が変更になる場合、HDDからプログラムRAM36及びデータRAM37に転送するデータセットの、システムコントローラ106による選択を、操作ボードOPB又はパソコンPCからの指示により変更して対応する。また、HDDの、プログラムRAM36及びデータRAM37に転送するデータセットを、書換えて対応する場合もある。
【0079】
再度図4の(a)を参照すると、IPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)の画像処理機能は、SIMD型プロセッサ33の内部のプログラムメモリであるRAM36に書込まれた読取処理プログラムにより定まる。該読取処理プログラムは、入力RGB画像データに、CCDライン間補正,主走査レジスト調整,シェーディング補正,ドット補正,縦スジ補正およびスキャナγ変換をこの順に順次に加え、しかも縦スジ補正まで施したRGB画像データに基いて像域分離して像域データFdを生成して画像上の同一位置対応で読取処理を終えた出力RGB画像データに付加してCDICに出力すると共に、外付けの紙幣認識ユニット34に、縦スジ補正まで施したRGB画像データを与えるものである。
【0080】
図4の(b)に、CDICの機能構成の概要を示す。画像データ入出力制御121は、IPU1が図6のCf,Dfに示す態様(但しX=Fd)でシリアル変換したRGB画像データをうけて、IPU2に出力する。IPU2は、そのメモコンでパラレル/シリアル変換をして、RGB画像データのそれぞれと像域データFdに分離し、RGB画像データを中間処理を施してYMCK各記録色の画像データに変換した8ビット構成の多値YMCK画像データを発生して、画像形成(プリントアウト)が指定されているときには、図6のDfの、B画像データをYMCK画像データのそれぞれに置き換え、かつ、X=Fdとした形にパラレル/シリアル変換をして、IPU3y〜IPU3kに出力する。パラレルバスPbに出力する指定の場合には、図6のEf,Ffに示すパラレル/シリアル変換をしてCDICの画像データ入出力制御122に送りだす。
【0081】
画像データ入出力制御122が受けたデータは、パラレルバスPbでの転送効率を高めるためにデータ圧縮部123に於いて、画像データの1次圧縮を行う。圧縮した画像デ−タは、データ変換部124でパラレルデータに変換してパラレルデータI/F125を介してパラレルバスPbへ送出される。パラレルデータバスPbからパラレルデータI/F125を介して入力される画像データは、データ変換部124でシリアル変換される。このデータは、バス転送のために1次圧縮されており、データ伸張部126で伸張される。伸張された画像データは、図6のEf,FfのメモコンB出力側に示すシリアルデータであり、画像データ出力制御127によってIPU2へ転送される。IPU2では、パラレル変換によりY,M,C,K画像データに分ける。
【0082】
CDICは、パラレルバスPbで転送するパラレルデータとシリアルバスSbで転送するシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラ106は、パラレルバスPbにデータを転送し、プロセスコントローラ101は、シリアルバスSbにデータを転送する。2つのコントローラ106,101の通信のために、デ−タ変換部124およびシリアルデ−タI/F129で、パラレル/シリアルデータ変換を行う。シリアルデータI/F128は、IPU2用であり、IPU2ともシリアルデ−タ転送する。
【0083】
図8の(a)に、IPU2の概要を示す。IPU2は、入出力I/F41,バッファメモリ42およびSIMD型プロセッサ43を結合したカラー画像処理ユニットである。これは、図5に示すIPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)と同様の構成であるが、SIMD型プロセッサ43のプログラムRAMおよびデータRAMに格納されるデータが、IPU2では、RGB画像データに中間処理(フィルタ処理,地肌除去,色変換すなわちYMCK画像データへの変換,下色除去,主走査変倍,主走査シフト,主走査ミラーリング,副走査間引き,マスク処理および単色文字出力の場合の2値化)を行うものである。
【0084】
図8の(b)に、IMACの機能構成の概略を示す。パラレルデータI/F141に於いて、パラレルバスPbに対する画像データの入,出力を管理し、MEMへの画像データの格納/読み出しと、主に外部のパソコンPCから入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。PCから入力されたコードデータは、ラインバッファ142に格納する。すなわち、ローカル領域でのデータの格納を行い、ラインバッファ142に格納したコードデータは、システムコントローラI/F144を介して入力されたシステムコントローラ106からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御143に於いて画像データに展開する。
【0085】
展開した画像データもしくはパラレルデータI/F141を介してパラレルバスPbから入力される画像データは、MEMに格納される。この場合、データ変換部45に於いて格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部46においてメモリ使用効率を上げるためにデータの2次圧縮を行い、メモリアクセス制御部147にてMEMのアドレスを管理しながらMEMに2次圧縮したデータを格納する。MEMに格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部147にて読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データをデータ伸張部48にて伸張する。伸張された画像データは、パレルバスPbで転送用に1次圧縮されたものであり、これをパラレルバスPbへ転送する場合、パラレルデータI/F141を介してデータ転送を行う。
【0086】
図3に示す、FAX送受信を行うファクシミリコントロールユニットFCUは、画像データを通信形式に変換して外部回線PNに送信し、又、外部回線PNからのデータを画像データに戻して外部I/F部及びパラレルバスPbを介して作像ユニット105において記録出力する。FCUは、FAX画像処理,画像メモリ,メモリ制御部,ファクシミリ制御部,画像圧縮伸張,モデム及び網制御装置からなる。画像データの出力バッファ機能に関してはIMAC及びMEMでその機能の一部をおぎなう。
【0087】
この様に構成されたFAX送受信部FCUでは、画像情報の伝送を開始するとき、FCU内においてファクシミリ制御部がメモリ制御部に指令し、FCU内の画像メモリから蓄積している画像情報を順次読み出させる。読み出された画像情報は、FCU内のFAX画像処理によって元の信号に復元されるとともに、密度変換処理及び変倍処理がなされ、ファクシミリ制御部に加えられる。ファクシミリ制御部に加えられた画像信号は、画像圧縮伸張部によって符号圧縮され、モデムによって変調された後、網制御装置を介して宛先へと送出される。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリから削除される。
【0088】
受信時には、受信画像は一旦FCU内の画像メモリに蓄積され、その時に受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力される。
【0089】
図9に、IPU3y〜3kの概要を示す。IPU3y〜3kは同一の構成で、ほぼ同様な内容の出力補正(プリンタγ変換および階調処理)を行う。そこでここではIPU3yを説明する。IPU3yは、入出力I/F51y,バッファメモリ52yおよびSIMD型プロセッサ53yを結合したカラー画像処理ユニットである。これは、図5に示すIPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)と同様の構成であるが、SIMD型プロセッサ53yのプログラムRAMおよびデータRAMに格納されるデータが、IPU3yでは、Y画像データにY用のプリンタγ変換を加えさらに、階調処理によってプリント出力用の2値データに変換するものである。階調処理では、濃度階調処理,ディザ処理および誤差拡散2値化があり、画像処理モード指定または像域データFdに応じてそれらの1つを実施するが、本実施例のIPU3yは、誤差拡散2値化ユニット35(図5に2点鎖線で示す)をSIMDプロセッサ53yに接続したものである。図9においてはこの誤差拡散2値化ユニット35の図示は省略している。
【0090】
IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの説明はそれぞれ、上記IPU3yの説明のY(y)を、M(m),C(c)およびK(k)とおき変えたものとなる。なお、IPU3y〜3kは、像域データFdを含むシリアルデータ(Y/Fd/Y/Fd/Y/Fd・・・,M/Fd/M/Fd/M/Fd・・・,C/Fd/C/Fd/C/Fd・・・,M/Fd/M/Fd/M/Fd・・・)を受けるときには、パラレル変換をして、YMCK画像データと像域データFdとを分離する。例えばIPU3yは、Y画像データと像域データFdが交互に配置された一連のシリアルデータ(Y/Fd/Y/Fd/Y/Fd・・・)を、Y画像データのみの一連と、像域データFdのみの一連に、パラレル変換する。
【0091】
1ライン上の奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連で、同時に並行して2画素(奇数番画素と偶数番画素)の画像データを受けるときには、同時に取り込んでIPU3y〜3kの内部で2画素の画像データを同時に並行して処理する。IPU3y〜3kで生成した、作像ユニット105に出力するための、奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連は、メモコンで奇数番画素および偶数番画素のデータをシリアルに一連に並ぶ1ラインのプリント出力用の画像データ列に合成してから、作像ユニット105に出力する。なお、作像ユニット105において、奇数番画素と偶数番画素とを別個のレーザ光又は別個の走査線で露光する場合には、奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連のままで作像ユニット105に出力する。
【0092】
以上の例において、画像データ制御手段であるCDICと画像メモリ制御手段であるIMACは、パラレルバスPbで接続されている。各独立した、カラー原稿スキャナSCR,第2のカラー画像処理ユニットIPU2およびカラープリンタPTRは直接パラレルバスPbに接続せずにCDICあるいはIPU2に接続するため、事実上、パラレルバスPbの使用管理は、CDICとIMACによってのみ行われる。よってパラレルバスPbの調停や転送の制御が容易であり、かつ効率的である。
【0093】
図10に、画像メモリMEMに画像を蓄積する処理ならびにMEMから画像を読出す処理のフローを示す。(a)はカラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データ又はIPU2が変換したYMCK画像データをMEMに書き込むまでの画像データの処理あるいは転送過程Ip1〜Ip14を示し、(b)はMEMから画像データを読み出して、カラープリンタPTRの作像ユニット105に出力するまで、又は、RGB画像データを読出してIPU2でYMCK画像データに変換して再度MEMに書込むまで、の画像データの処理あるいは転送過程Op1〜Op13を示す。CDICの制御により、このようなバス及びユニット間のデータフローが制御される。
【0094】
なお、カラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データをMEMに書込むときには、CDICは、ステップIp4からIP6に進むルート(A)を選択する。カラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データをIPU2でYMCK画像データに変換してそのままプリントアウトするときにはルート(B)を選択する。IPU2のYMCK画像データを一旦MEMに書込む時には、ステップIp4からIP5に進むルート(C)を選択する。
【0095】
メモリMEMから読出すときには、読出しデータがYMCK画像データであるときにはCDICは、ステップOp8からOP10に進むルート(D)を選択し、RGB画像データを読出してYMCKデータに変換してから再度MEMに書込む時には、ステップOp8からIP10に進むルート(E)を選択し、RGB画像データを読出してYMCKデータに変換してプリントアウトするときには、ステップOp8からOP9に進むルート(F)を選択する。
【0096】
上述のIPU1におけるRGB画像データの読取補正,IPU2におけるYMCK画像データへの変換を含む中間処理、および、IPU3y〜IPU3kにおけるプリンタ出力用の出力補正、のいずれにも、1ライン上に分布する各画素宛ての各画像データに、大要では同一の処理を行う画像処理が多い。細かくは、像域データFdの違いに対応して処理内容を切換える処理もあるが、その場合でも像域データFdが同じであれば同じ内容の画像処理を行う。
【0097】
したがって、カラー画像処理ユニットIPU1〜IPU3にはSIMD型プロセッサ33,43,53y,53m,53c,53kを用いて、多数のプロセッサエレメントPEによって、多数の、多値階調のカラー画像データのそれぞれに同時に並行して同じ画像処理を施すことにより、前記読取補正,中間処理および出力補正の総てでカラー画像処理速度を高くしている。
【0098】
なお、本実施例でSIMD型プロセッサ33,43,53Y,53m,53c,53kは、それぞれが8ビット以上の多値画像データを処理する総計320個のプロセッサエレメントPEを備え、同時に320個(320画素分)の画像データを処理できる。例えばディザ処理で用いられるマトリクスは、例えば4×4,6×6,8×8,16×16のサイズが考えられ、これらの何れにも適応しえて、しかも、ディザ処理速度を速くするために同時に複数個のマトリクスの処理を並行して行おうとすれば、4,8は16の約数のため6と16の最小公倍数である96(=6×16)の整数倍の数のプロセッサエレメントPEが必要である。そこで本実施例では、オフセット分32個を加えて、96×3+32=320個のプロセッサエレメントPEを設けている。これらオフセットのものは、96×3個の画素群の画像データを処理する場合に、該画素群の両外側の近傍画素の画像データを参照するときに、該近傍画素の画像データ保持用又は供給用もしくは中間的な演算処理用に使用される。
【0099】
注目画素を中央に2次元方向にそれぞれ複数の画素があるマトリクスの区分で、注目画素の画像データにエッジ強調又は平滑化の処理を施すフィルタ処理(MTF補正)のとき、また、マトリクスの画像データ分布をエッジパターンマトリクスと比較して注目画素が画像エッジであるかを判定するエッジ検出など、マトリクス区分の画像データ処理をする場合には、実質上演算データを算出出力する96×3個のプロセッサエレメントPE(実効エレメント)の両側に夫々16個プロセッサエレメントをオフセット分として割当てて、それらにも96×3個の画素群の両外側の近傍画素の画像データを与えて、積和演算或はパターン比較をして、結果を実効エレメントに供給する必要がある。したがって、画像処理の内容によっては、96×3個以上のプロセッサエレメントが同時並行の画像データ処理に用いられる。
【0100】
ハードディスクHDD(図3)には、SIMD型プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53kそれぞれのプログラムRAMおよびデータRAM(36,37:図7の(a))にロードする、画像処理プログラムおよびデータがある。
【0101】
システムコントローラ106が、電源オンに応じて発生するリセット信号ならびに操作ボードOPBまたはホストPCからのリセット指示に応答してシステムの初期設定をするとき、ハードディスクHDDにある、各プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53k宛てのプログラムおよびデータを、上述のIMAC,パラレルバスPb,CDIC,シリアルバスSbおよびプロセスコントローラ101を用いるデータ転送を利用して、各プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53kのプログラムRAMおよびデータRAMにロードする。
【0102】
図11に、操作ボードOPBまたはホストPCからの画像処理の指示に応答するシステムコントローラ106の、システム設定の概要を示す。システムコントローラ106は、操作ボードOPB,パソコンPC,FCU,カラー原稿スキャナSCRおよびカラープリンタPTRとの間で、コマンド,応答および状態情報のやり取りをして、操作ボードOPB,パソコンPCあるいはFCUから画像処理コマンド(命令,指示)を受けると(ステップSc1)、コマンドを解析する(ステップSc2)。すなわち命令データをデコードする。なお、以下において、括弧内には、ステップという語を省略して、ステップNo.又は符号のみを記す。
【0103】
そしてシステムコントローラ106は、コマンド解析結果にしたがって、図3に示すシステム構成各要素の動作モードを決定してそれらに動作モードを指定し(Sc3)、動作モード対応の画像処理用データを転送する(Sc4)。システム構成各要素は、受けた動作モードおよび処理用データを自身に設定して、その実行が可能であると、レディをシステムコントローラ106に報知する。指定動作モードの実行に関わりがある全ての要素がレディであるとシステムコントローラ106は、システム構成各要素に画像処理の開始を指示する(Sc5,Sc6)。
【0104】
図12には、システムコントローラ106が初期設定を指示したときの、それに応答したIPU1のSIMD型プロセッサ33の、自己の初期設定の内容を示す。システムコントローラ106は初期設定コマンドでHDDの転送元アドレスおよびダウンロード指示をSIMD型プロセッサ33に与える。SIMD型プロセッサ33の外部I/F39のDMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)が、これに応答して、指定があったアドレスのプログラムデータをプログラムRAM36に、参照データをデータRAM37に書込む(Sd1)。
【0105】
このデータ転送が完了すると、DMACのレディ報知に応答してSIMD型プロセッサ33がプログラムRAM36の初期設定プログラムにしたがって、バッフアメモリ32の設定(Sd2),シェーディング補正LUT生成(Sd3),ドット補正LUTの生成(Sd4)、R,G&B各γ変換のLUTの生成(Sd5),IDUγ変換のLUTの生成(Sd6)および像域分離で用いる各種LUTの生成(Sd7)を行い、これらを完了するとレディを報知する。
【0106】
バッフアメモリ32の設定(Sd2)では、初期設定プログラムの中でのメモリ割当てにしたがって、図5に示す16個のRAM 8Kならびに2個のRAM 2Kの用途割り当てを行う。用途種の主なものは、入力画像データを一時保持する入力ラインバッフア,出力用の画像データを一時保持する出力ラインバッフア,処理途中の画像データを一時保持する中間ラインバッフア,LUTおよびデータ遅延又は同期用の遅延メモリ、である。このような設定は、SIMD型プロセッサ33が、その内部のメモコン設定レジスタに書込んだ、図5に示す16個のメモコンそれぞれ宛てのメモコン設定情報を、該当のメモコンに出力することにより、実現する。
【0107】
なお、これらのメモコン設定情報の初期情報は、SIMD型プロセッサ33が初期設定プログラムにしたがって、データRAM37から読出してメモコン設定レジスタに書込んだものであるが、その後画像処理が始まると、その進行にしたがって、メモコン設定情報は書き換えられる。例えば、入力ラインバッファに指定されたRAM 8K(のデータ読み書きを制御するメモコン)に対しては、入力画像データを受け入れるタイミングでは「書込」が指定されるが、受け入れ(書込)が完了して、それの画像データを所定個ごとに読出して画像処理を施すタイミングでは、「読出し」が指定される。
【0108】
図13の(a)に、メモコン設定レジスタ上のメモコン設定情報の区分を示し、(b)には設定情報の主要項目を示す。図5に示す16個のRAM 8Kの1つNo.1を、画像データ入力用のラインバッフアに指定してそれに入力画像データを書込むときには、(c)に示すように、No.1の読み書きを制御するメモコン1に与えられる設定情報は、「ラインバッフア」かつ「書込」を指定するものとなる。開始アドレスから終了アドレスまでが、書込指定領域である。このNo.1に入力画像データを書込んだ後に、読出しをするときには、設定情報が図13の(d)に示すように、読出しを指定するものとなる。図13の(e)に示す設定情報は、16個のRAM 8Kの中のNo.15の1領域をラインバッフアとして画像データの入出力に使用するとともに、他の1領域をLUTとして使用するものである。この設定情報を用いて図5に示すRAMのそれぞれをラインバッフア又はLUTとして使用できると共に、1つのRAMを同時に、ラインバッフアとLUTに設定できる。ただし、ラインバッフアとLUTに対するアクセスは時分割となる。つまり異なったタイミングでアクセスする。
【0109】
図14に、1つのRAM 8Kの使用態様の数種を示す。(a)は、1つのRAM 8K(バイト)を、A3サイズの短辺長を1ラインとする画像データの1ライン分のラインバッファメモリ(入力バッファ,中間バッファ又は出力バッファ)として使用する場合の、1つのRAM 8K上のデータ読書き領域を示す。(b)は、A4サイズの短辺長を1ラインとする画像データの2ライン分のラインバッファメモリとして使用する態様を、(c)はA3サイズ用1ライン分のラインバッファメモリおよび1つのLUTに用いる態様を、(d)は1つのLUTとして使用する態様を、(e)は7つのLUTとして使用する態様を示す。(e)の態様は、例えば単色成分用のLUTを7種準備しておいて、像域分離結果に応じてリアルタイムで、或は操作ボードOPB又はパソコンPCからの特性指定に応じて、1つを選択使用する場合に好適である。
【0110】
(f)は、一部のRAM 8Kを、HDDから読み出したLUTあるいはSIMD型プロセッサ33で生成したLUTの一時格納用のメモリとして使用する態様である。例えばRGB画像データの各γ変換用の3個のLUT10,LUT11,LUT12をSIMD型プロセッサ33で生成して格納しておき、RGB画像データのγ変換を行うときには、R画像データ用のLUT10を、別の2つのRAM 8Kに書込んで、これらを用いて奇数番画素のR画像データの一連と偶数番画素のR画像データの一連の、各画像データを同時に並行してγ変換する。G画像データおよびB画像データについても同様である。
【0111】
再度図13の(b)を参照する。アクセスモードの「(1/2)奇数同期読出/(1/2)偶数同期読出」は、パラレル/シリアル変換あるいは2連を一連に合成を指定するものであり、例えばR画像データとB画像データを一連に集成するメモコンの場合、R画像データの出力を行う第1のRAM 8K(又は1つのRAMの1領域)とB画像データの出力を行う第2のRAM 8K(又は上記1つのRAMの他領域)のそれぞれに、(1/2)奇数同期読出と(1/2)偶数同期読出が指定される。該メモコンは、データ読み出し同期信号(パルス)の奇数番では第1のRAM 8Kから、偶数番では第2のRAM 8Kから、画像データを読み出す。
【0112】
図12に示すドット補正LUTの生成(Sd4)、R,G&B各γ変換のLUTの生成(Sd5),IDUγ変換のLUTの生成(Sd6)および像域分離で用いる各種LUTの生成(Sd7)は、図11に示す「システム制御」SCLにおいて、操作ボードOPB又はパソコンPCから、LUTの変更又は調整が指示されたときにも、それに応じたシステムコントローラ106の指示に応じてSIMD型プロセッサ33が起動し、指示に含まれる特性指定データに対応するLUTに、バッファメモリ装置32のRAM 8Kの対応LUTを書き換える。
【0113】
ここで、IPU1で行われるR,G&B各γ変換のLUTの生成(Sd5)、ならびに、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3で行われるY,M,C&K各γ変換のLUTの生成、の内容を説明する。
【0114】
ハードディスク装置HDDの、IPU1宛ての読取補正プログラムには、γ変換の位置に、スキャナγ変換のプログラムの格納アドレス(例えば第1グループのS1R,S1G&S1B:図15)が挿入されており、HDDから読取補正プログラムをIPU1のプロセッサ33のプログラムRAM36に転送するときに、該格納アドレスのR,GおよびBスキャナγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて、転送する。プログラムRAM36に転送した後でも、プログラムRAM36のプログラムは、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作(書換え指示入力)によってシステムコントローラ106に書換え命令を与えて、図15に示す他のグループのもの(例えばS3R,S3G,S3Bのもの)に書換えることができる。
【0115】
同様に、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの夫々宛てのY,M,CおよびK出力補正プログラムにも、γ変換の位置に、Y,M,CおよびKプリンタγ変換のプログラムの格納アドレス(例えば第1グループのP1Y,P1M,P1CおよびP1K:図15)が挿入されており、HDDからY,M,CおよびK出力補正プログラムを、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのプロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各プログラムRAMに転送するときに、該格納アドレスのプリンタγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて、転送する。各プログラムRAMに転送した後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図15に示す他のグループのもの(例えばP3Y,P3M,P3C,P3Kのもの)に書換えることができる。ここで、補間演算プログラムによるγ変換のためのLUTの生成を説明する。
【0116】
図17を参照されたい。本実施例では、読取ユニット21が出力するRGB画像データのIPU1でのγ変換ならびにIPU2が出力するYMCK画像データのIPU3y〜IPU3kでのγ変換で、入力画像データx(横軸値:R,G,B/Y,M,C,K画像データ)を、図17に2点鎖線で示す略S字カーブの変換特性(特性曲線は色々である)となるように、出力画像データy(縦軸値;イエローyではない)に変換(階調特性の変換)をするが、8ビット構成の入力画像データxが表し得る数値範囲0〜255をそれより少ない複数m=8区間に分割して、変換特性曲線の各区間を、図17上に実線で示す直線で近似した。これらの直線を表わす数式を用いる、直線近似の補間演算により、0〜255を表す各階調データをγ変換する。これらの補間演算式の適用区間を次に示す。
【0117】
区間No.i 境界値 演算式(パラメータai,bi)
1 x1 y1=a1・x+b1
2 x2 y2=a2・x+b2
3 x3 y3=a3・x+b3
4 x4 y4=a4・x+b4
5 x5 y5=a5・x+b5
6 x6 y6=a6・x+b6
7 x7 y7=a7・x+b7
8 (x8:不要) y8=a8・x+b8
なお、隣接する区間の境界において両区間の演算式は繋がっている。例えばy1=a1・x+b1とy2=a2・x+b2に、x=x1を与えたときの、y1の値=y2の値、すなわち、
y1=a1・x1+b1=a2・x1+b2=y2
である。
【0118】
境界値はxi(x1〜x8)、補間演算パラメータは傾きai(a1〜a8)およびy切片(オフセット)bi(b1〜b8)である。
【0119】
図15に示すリスト上の各変換プログラムは、これらの演算式に従って、入力階調データxに対応するγ変換した出力階調データyを算出するものである。なお、図15に示すリスト上の多数の変換プログラムは、直線式(を規定するパラメータ)あるいは区間(を規定する境界値)が異なるものである。すなわちγ変換特性(階調変換特性)が異なるものである。
【0120】
図16に、IPU1,IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのSIMD型プロセッサ33,53y,53m,53c,53kの、プログラムRAM(36)の変換プログラムに基いたグローバルプロセッサ(38)による、n+1個(n=255)の、0〜255の各値を表す階調データの同時並行のγ変換の内容を示す。なお、本実施例では、階調データは、8ビット構成の多値階調データである。
【0121】
グローバルプロセッサ(38)はまず、全プロセッサエレメントPE0〜PEnを初期化してから、n+1個の0〜255の各値を表す階調データD0〜Dnのそれぞれを、320個ある中のn+1個のプロセッサエレメントPE0〜PEnの各入力レジスタにセットする(ステップγp1)。なお、以下においてカッコ内には、ステップという語を省略して、ステップNo.記号のみを記す。
【0122】
次に、グローバルプロセッサ(38)は、全プロセッサエレメントPE0〜PEnに最後区間i=m=8の補間演算パラメータam(a8),bm(b8)を与え、各プロセッサエレメントはそれらを自己のパラメータ設定用レジスタに書込む(γp2)。
【0123】
次に、グローバルプロセッサ(38)は、演算対象区間iを第1区間(i=1)に定めて(γp3)、区間iの境界値xiをプロセッサエレメントPE0〜PEnに与えて、比較を指示する。PE0〜PEnはそれぞれ、セットされている階調データDj(D0〜Dnのそれぞれ)が第i区間である(xi<Dj:NO,すなわちxi≧Djである)かをチェックして、第i区間であると自身のフラグに「1」を立てる(γp4)。次に、第i区間の計算式を規定するパラメータA=ai,B=biをプロセッサエレメントPE0〜PEnに与える。ここで、自身のフラグに始めて「1」を立てた(フラグを「0」から「1」に切換えた)プロセッサエレメントは、自身のパラメータ設定用レジスタに、パラメータA=ai,B=biを書込む(γp5)。
【0124】
第1区間を演算対象区間とした上記処理を同様に、演算対象区間iを順次に第2(i=2),第3(i=3),・・・と更新して、第m−1=7区間(i=7)まで繰返し実行する(γp6/γp7/γp4/γp5/γp6)。ただし、すでにフラグに「1」を立てており、「0」から「1」への切換わりのないプロセッサエレメントは、自身のパラメータ設定用レジスタに新たにパラメータA=ai,B=biを更新書込みすることはしない。
【0125】
第m−1=7区間まで実行すると、プロセッサエレメントPE0〜PEnのいずれもが、自身にセットされている階調データが属する区間に宛てられているパラメータA=ai,B=biを、自身のパラメータ設定用レジスタに保持していることになる。
【0126】
ここでグローバルプロセッサは、Y=A・x+B、xはセットしている階調データ、なる演算指示をプロセッサエレメントPE0〜PEnにあたえる。プロセッサエレメントPE0〜PEnは、パラメータ設定用レジスタに保持しているA=ai,B=biを用いて、Y=A・x+Bを算出し、算出したYを表すデータすなわちγ変換した階調データすなわちγ変換データを、自身の出力レジスタに格納する(γp8)。グローバルプロセッサ(38)は、プロセッサエレメントPE0〜PEnの出力レジスタのデータ(AD0〜ADn:算出したY)をプロセッサエレメントのRAMの出力データ領域に書込み、メモコン設定レジスタ(図13の(a))でγ変換用LUTの読み書きを指定したメモコン(図5)にそこのデータの読み出しを指示する。該メモコンは、設定情報でLUTに指定されたRAM 8Kの指定領域に、0〜255の各値の階調データ宛てに、そのγ変換データ(γ変換テーブル)を書込む(γp9)。
【0127】
この第1実施例の上述の補間演算では、プロセッサエレメントPE群に対する1グループの階調データ群D0〜Dnのセット;プロセッサエレメント群に対するi区間の境界値の同時供給とそれに続く該区間iの補間演算パラメータの同時供給、の区間i=1〜mについての実行、すなわちm回の繰返し;および、一回の演算式の指定と算出指示;によって、階調データ群D0〜Dnの変換が完了する。
【0128】
プロセッサエレメント群は算出演算は1回のみであり、変換速度が速い。320個のプロセッサエレメント(PE)の中の256個を用いて0〜255の各値を表す総計256個の階調データを同時にγ変換する場合の、画像処理器(33)のデータ処理ステップ数は少ない。従来の、階調データのγ変換を256回繰り返して行う場合と対比して、大幅なステップ数の低減となり、γ変換用LUTの生成速度が速い。
【0129】
上述のγ変換は、IPU1のSIMD型プロセッサ33のプログラムRAM(36)に書込んだ読取補正プログラムの中のスキャナγ変換プログラム、又は、IPU3y〜3kのSIMD型プロセッサのプログラムRAMに書込んだ出力補正プログラムの中のプリンタγ変換プログラムを、ハードディスクHDDにある他の、γ変換特性が異なるものに書換えることにより、変更できる。
【0130】
上述の、図16のステップγp9でRAM 8Kに書込んだγ変換テーブルは、γ変換を行うときに、図18に示すように、1つの変換テーブルγLUT−Rを2つのRAM 8Kに書込んで、一方を奇数画素の画像データのγ変換に、他方を偶数画素の画像データのγ変換に割り当てる。図18には、R画像データのγ変換時のデータの流れを示す。G画像データおよびB画像データのγ変換も同様である。図18においては、奇数番画素のR画像データの一連と、それと同一ライン上の偶数番画素のR画像データの一連との、画像上は隣り合う各画素のR画像データが同時に並行して1つの画像ポートを介してメモコンに与えられる。メモコンは、奇数番画素のR画像データに第1のγLUT−Rの書込始端アドレスを加えたLUTアクセスアドレスを第1のγLUT−Rを格納している第1のRAM 8kに読み出しアドレスとして、また、偶数番画素のR画像データに第2のγLUT−Rの書込始端アドレスを加えたLUTアクセスアドレスを第2のγLUT−Rを格納している第2のRAM 8kに読み出しアドレスとして同時に並行して与えて、それらのアドレスの第1のγ変換データ(第1のγLUT−Rのデータ)および第2のγ変換データ(第2のγLUT−Rのデータ)を読み出して、読み出しデータを同時に並行してSIMD型プロセッサ33に出力する。なお、画像ポートから入力画像データを直接にメモコンに与えるのに変えて、入力画像データを一旦RAM 8kに格納してからメモコンに与えることもできる。また、γ変換データをLUTから読出して直接にSIMD型プロセッサ33に出力するのに変えて、一旦RAM 8kに蓄えてから出力することもできる。
【0131】
上述のように、γ変換テーブルの生成(図16)において、境界値を最小値から順番に大きいものに変更して、階調データと比較したが、境界値を最大値から順番に小さいものに変更して階調データと比較する態様も有り得る。例えば、図16のステツプγp2ではA=a1,B=b1をパラメータ設定用レジスタに書込み、ステップγp3ではiを8に設定し、ステップγp4ではx(i−1)をエレメントPE0〜PEnにあたえて第i区間にある(Dj≧x(i−1))かをチェックする。そしてステップγp6ではiが1かをチェックして、1であるとステップγp8に進み、1になっていないと、ステップγp7でiを1デクレメントする。
【0132】
図19に、IPU1のSIMD型プロセッサ33の内部のプログラムRAM36に書込まれた読取処理プログラムに基づいてグローバルプロセッサ33が、プロセッサエレメントPEならびにバッファメモリ32を用いて行う像域分離の概要を示す。ここに示す像域分離は、RGB画像データに基づいて、それらのデータが宛てられる画像領域が文字領域(文字や線画の領域)か絵柄領域(写真や絵の領域&文字領域でない領域)かを判定し、文字エッジ領域,文字なか領域あるいは絵柄領域を表すC/P信号および有彩領域/無彩領域を表すB/C信号を発生する。ここで「文字なか」とは、文字エッジの内側すなわち文字線幅内を意味する。この実施例では、C/P信号およびB/C信号を併せて3ビットの信号の組み合わせが像域データFdである;
C/P信号:2ビット信号であり、3を意味する2ビット「11」が
文字エッジ領域を示し、1を意味する2ビット「01」が
文字なか領域を示し、0を意味する2ビット「00」が
絵柄領域を示す;
B/C信号:1ビット信号であり、H(「1」)が無彩領域を示し、
L(「0」)が有彩領域を示す。
【0133】
像域分離は、大別すると、MTF補正321,エッジ分離322,白背景分離323,網点分離324,色相分割325a,色判定325bおよび総合判定326からなる。なお、ここでは、スキャナSCRの読取ユニット21による画像読取り密度は、600dpi程度である。
【0134】
MTF補正321は、主に文字のエッジの抽出ために、読取ユニット21が発生するG画像データを補正する。ここで、読取ユニット21で読み取ったデータは、レンズなどの性能でボケていることがあるので、エッジ強調フィルタをかける。この実施例では、MTF補正321の画素マトリクスを、主走査方向xの画素数7×副走査方向yの画素数5として、画素マトリクス上の各画素宛てに各重み付け係数a1〜a7,b1〜b7,c1〜c7,d1〜d7,e1〜e7を宛てた係数グループ(係数マトリクス)が、データRAM37にある。係数マトリクスの第3行c1〜c7の中央の画素即ち注目画素の係数がc4である。係数マトリクスの各係数に、それに宛てられる画素の画像データが表す値を乗算した積(総計7×5=35個)の総和(積和値)が、注目画素(c4が宛てられた画素)の、MTF補正321で処理した画像データ値として、エッジ分離322,白背景分離323および網点分離323に与える。ここで注目画素とは、現在処理対象の画素であり、それが順次にx方向にそしてy方向に位置が異なるものに更新される。
【0135】
−エッジ分離322−
文字領域は、高レベル濃度の画素と低レベル濃度の画素(以下、黒画素、白画素と呼ぶ)が多く、かつ、エッジ部分では、これらの黒画素及び白画素が連続している。エッジ分離322は、このような黒画素及び白画素それぞれの連続性に基づいて文字エッジを検出する。先ず、3値化で、2種の閾値TH1およびTH2を用いて、MTF補正した画像データを3値化する。閾値TH1およびTH2は、例えば、画像データが0から255までの256階調(0=白)を表す場合、例えばTH1=20、TH2=80に設定している。3値化では、入力データ<TH1であると、該データが宛てられる画素を白画素と、TH1≦入力データ<TH2であると中間調画素と、TH2≦入力データであると黒画素と、表す2ビット構成の3値化データに入力データを変換する。そして、3値化データを2値化して、画像成分の有無を表す画情報ビット(「1」:画像成分あり,「0」:画像成分なし)を得て、この2値データに基づいて黒画素が連続する箇所および白画素が連続する箇所を、それぞれパターンマッチングにより検出する。
【0136】
ここで黒画素連続検出に用いる参照パターンの代表例が、図21の(a)に示す3×3画素マトリクスBPa〜BPdであり、何れも、少なくとも注目画素(中心画素)を含む縦(y),横(x)および斜め方向に並んだ3画素の画情報ビットが「1」であるものであり、この条件を満たす他の全てのパターン(BPa〜BPdの空白升目のいずれかも「1」)も、黒画素連続検出に用いる参照パターンである。以下においては、これらの参照パターン群を、黒画素連続検出用参照パターン群という。
【0137】
白画素連続検出に用いる参照パターンの代表例が、図21の(a)に示す3×3画素マトリクスWPa〜WPdであり、何れも、少なくとも注目画素を含む縦(y),横(x)および斜め方向に並んだ3画素の画情報ビットが「0」であるものであり、この条件を満たす他の全てのパターン(WPa〜WPdの空白升目のいずれかも「0」)も、白画素連続検出に用いる参照パターンである。以下においては、これらの参照パターン群を、白画素連続検出用参照パターン群という。
【0138】
なお、図21の(a)に示す参照パターンにおいて、黒丸はそれがある画素の画情報ビットが「1」(画像成分あり)であることを意味し、白丸はそれがある画素の画情報ビットが「0」(画像成分なし)であることを意味する。3×3画素マトリクスの中心の画素が注目画素である。
【0139】
黒画素連続/白画素連続のためにパターンマッチング判定では、黒画素連続と白画素連続とは背反するので、まず、黒画素連続検出で、注目画素を中央とする3×3画素マトリクスの画情報ビット群(図21の(b)のa〜i)が、黒画素連続検出用参照パターン群のいずれかに合致するかを、参照パターンを切換えてチェックし、合致する参照パターンがあると、該注目画素に、「黒画素連続」の画素であることを示す情報(11:黒連続画素)を与える。黒画素連続検出用参照パターン群のいずれの参照パターンにも合致しないと、今度は白画素連続検出用参照パターン群のいずれかに合致するかを、参照パターンを切換えてチェックし、合致する参照パターンがあると、該注目画素に、「白画素連続」の画素であることを示す情報(01:白連続画素)を与える。白画素連続検出用参照パターン群のいずれの参照パターンにも合致しないと、黒画素連続,白画素連続のいずれでもないことを示す情報(00:不一致)を与える。
【0140】
これらのパターンマッチングを行うために、データRAM37には上述の黒画素連続検出用参照パターン群および白画素連続検出用参照パターン群の参照データセット群がある。1つの参照データセットは、1つの参照パターン画情報ビット群(9ビット)をシリアルに配列して2バイトデータとしたものである。たとえば図21の(c)に示す形態の2バイトデータであって、ここでは、画情報ビット群a〜iが、参照パターン(例えばBPa)のものである。
【0141】
なお、対象マトリクスが図21の(c)に示すように5×5サイズの場合には、その対象データセットは、図21の(e)に示すように、4バイトデータとなる。
【0142】
図20に、SIMD型プロセッサ33が行う、1ライン上の各画素を中央とする画素マトリクスが参照マトリクスに合致するかの判定すなわちパターンマッチングPMP、の内容を示す。
【0143】
なお、例えば図21の(a)の3×3マトリクスパターンに対するパターンマッチングのときには、SIMD型プロセッサ33はメモリ装置32に、3ライン以上の2値化データ格納用の入力ラインバッファを設定し、かつ3ラインの中の真中のラインの各画素宛てに、それを中心とする3×3画素マトリクスの画情報ビット群が、参照パターン(参照データセット)と合致するか否を表す判定データ(「11」:黒連続画素,「01」:白連続画素,「00」:該当せず)を書込むための、判定結果格納用のラインバッファを設定する。
【0144】
そして、図20を参照すると、SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、その内部のA個(例えば320個)のプロセッサエレメントの各RAM(図7の(b)に示す)に、b個の参照パターン(参照マトリクス)群の参照データセット群(例えば上述の黒画素連続検出用参照パターン群および白画素連続検出用参照パターン群のもの;b個の参照データセット)を書込む(pm1)。
【0145】
次にSIMD型プロセッサ33は、A個の対象データセットの転送をメモリ装置32のメモコンに指示し(pm2)、これに応答して該メモコンが、入力ラインバッファの、中央ライン(注目ライン)上の一連のA個の注目画素のそれぞれを中央とする各画素マトリクスの画情報ビット群を、マトリクス単位で図21の(c)に示す態様でcバイトの対象データセットに変換して、SIMD型プロセッサ33に転送する。SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、先頭の対象データセットから順に、A個の各プロセッサエレメントの各RAMに書込む(pm3)。
【0146】
例えば、バッファメモリ32のメモコンが、ラインバッフアメモリに割り当てた3個のRAM 8Kに、前記3値化データを2値化した画情報ビットを書込み、それらから、図21の(b)に示すように、注目画素eの周辺に2次元x,yのそれぞれに1画素が分布する、画素a〜iでなる3×3画素マトリクスに宛てられた画情報ビット群を読み出して、図21の(c)に示すように、1列2バイトの対象データセットに変換してSIMD型プロセッサ33に与え、これを注目画素を1画素づつ同一ライン上でシフトして、A回行う。SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が各対象データセットを各プロセッサエレメントのRAMに書込む(pm3)。
【0147】
そしてグローバルプロセッサ38の命令に従って、各プロセッサエレメントが比較演算SIMDopを並行して同時に行う。この比較演算SIMDopにおいてプロセッサエレメントは、まずその出力レジスタに「00」(該当なし:不一致)を書込む(pm4)。次に、その内部のRAMに格納している第i種(第i番)の参照データセットが対象データセットに合致するかを、対応バイトごとにチェックして(pm5,pm6)、合致したときは「11」(黒画素連続検出用参照パターン群のとき)又は「01」(白画素連続検出用参照パターン群のとき)を出力レジスタに更新書込みするが(pm7)、不一致のときには何も書込まない。このような一致/不一致の判定を、参照データセット(参照パターン)を切換えて(pm8,pm9)繰返し実行する。RAM37にある参照データセット群のすべてを対象データセットと上述のように照合し終わると、比較演算SIMDopを終了する。
【0148】
終了したときには、各プロセッサエレメントの出力レジスタのデータは、該プロセッサエレメントのRAMに格納している対象データセットで表される画素マトリクス画像が、参照データセットで表される参照パターン(黒画素連続検出用または白画素連続検出用の参照パターン)に合致するか否を表すものになっている。
【0149】
SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、A個のプロセッサエレメントの各出力レジスタのデータを、メモコンを介して判定結果格納用のラインバッファに転送する(pm10)。そして1ライン上の全画素に関して上述のパターンマッチングが完了したかをチェックして(pm11)、完了していないと、同一ライン上の次の注目画素群をパターン比較対照画素に設定して、上述のステップpm3以下のパターンマッチングを同様に実行する。
【0150】
以上に説明したパターンマッチングでは、1画素マトリクスC×D=E(上記例では3×3=9画素)の全画情報ビット群(2バイトデータ)につき、一個のプロセッサエレメントPEが参照パターン群の参照データセット群のいずれかの参照データセットと同じかの判定をして判定結果を得る。この判定がバイトデータの比較によるものであるので、判定速度が速い。さらには、これをA個のプロセッサエレメントが並行して同時に行うので、A個の画素マトリクスのパターンマッチングが同時に完了し、パターンマッチング判定が高速である。
【0151】
図22には、メモコンのエッジ/非エッジ領域判定のデータ処理FEDを示す。図23の(a)には、このエッジ/非エッジ領域判定のときの、メモコンの内部フィードバックループを示す。次に図23の(a)を参照すると、上述の黒画素,白画素連続検出の次にSIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、データRAMのエッジ/非エッジ領域判定用LUTを読出してメモコンを介してRAM 8Kに転送する。このRAM 8Kをここで、エッジ/非エッジ判定用のRAM 8K(LUT)と表現する。メモコンは、SIMD型プロセッサ33が与えるLUTアドレスLad(変換対象入力データ)を入力レジスタ75に受けてマルチプレクサ76および出力レジスタ72ならびにメモリSWを介して、RAM 8K(LUT)のアドレスラインに与え、SIMD型プロセッサ33が与えるLUTの記憶データ(変換出力データ)を入出力レジスタ74に受けて入出力レジスタ73およびメモリSWを介して、RAM 8K(LUT)のデータラインに与える。すなわちRAM 8K(LUT)に書込む。
【0152】
グローバルプロセッサ38は、このRAM 8K(LUT)およびメモコンを用いて上述の黒画素連続検出および白画素連続検出の検出結果について、注目画素の近傍に黒連続画素又は白連続画素があるか否かを調べることにより、該注目画素が、エッジ領域と非エッジ領域のいずれにあるかを判定する。
【0153】
より具体的に述べれば、本実施例にあっては、5×5画素マトリクスのブロックで、その内部に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在するときに、そのブロックをエッジ領域と判定してマトリクスの中心画素である注目画素に「エッジ領域」との情報を与え、そうでないときに、そのブロックを非エッジ領域と判定し該注目画素に「非エッジ領域」との情報を与える。
【0154】
図22を参照する。メモコンは、SIMD型プロセッサ33の指示に従い、図23の(a)に示すように、バッファメモリ32にLUT(RAM 8K(LUT))と5ライン分以上のラインメモリ(RAM 8K(LINE))を定めて(fe1)、5ライン分以上の、上述の黒画素連続/白画素連続検出の検出結果を蓄積して、5ラインの真中の第3ラインを注目ラインとして、そのライン上の各画素を順次に注目画素とする(fe2)。
【0155】
メモコンは、注目画素を中心とする5×5画素マトリクスの上述の検出結果を、読み出しアドレスPadをマルチプレクサ77,出力レジスタ72およびメモリSWを介してラインメモリRAM 8K(LINE)のアドレスラインに与えることにより、入出力レジスタ71を介して5画素の列単位で順次に取込んで、5×5画素マトリクス上に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在するときに、注目画素をエッジ領域と判定してエッジ/非エッジ情報edsを発生する(fe3〜fe6)。
【0156】
注目画素のこのエッジ/非エッジ情報eds,主走査x方向で1画素分先行する画素すなわち先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edp(メモコンの入出力レジスタ74のデータ)、及び、注目画素の画像処理データである、前記黒画素連続/白画素連続検出の検出結果Tpd、の3者をマルチプレクサ75,76および出力レジスタ72を介してRAM 8K(LUT)にLUTのアクセスアドレスとして与えて(fe7)、それら3者の組み合わせに対応する確定エッジ/非エッジ情報Edsをエッジ判定用RAM 8K(LUT)から読み出して(fe8)、メモコン内部の出力レジスタ74に書込んでSIMD型プロセッサ33に出力する(fe9,fe10)。そして1ライン上の全画素に関して上述のエッジ/非エッジの判定が完了したかをチェックして(fe11)、完了していないと、同一ライン上の次の画素に注目画素を移して、上述のステップfe3以下のパターン比較を同様に実行する。
【0157】
先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edpがフィードバック情報である。RAM 8K(LUT)のエッジ/非エッジ判定の大要は、注目画素のエッジ/非エッジ情報edsがエッジ(注目画素を中心とする5×5画素マトリクス上に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在)を示すときには、確定エッジ/非エッジ情報Edsをエッジとし、edsが非エッジであると、先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edpがエッジで、しかも注目画素の前記黒画素連続/白画素連続検出の検出結果Tpdが「黒画素連続」又は「白画素連続」であると確定エッジ/非エッジ情報Edsをエッジとし、Tpdが何れでもないと確定エッジ/非エッジ情報Edsを非エッジとするものである。先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edsが非エッジである場合には、Tpdが「黒画素連続」のときのみ確定エッジ/非エッジ情報Edsをエッジとし、他のときは非エッジとする。
【0158】
この先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edpのフィードバックと、注目画素の前記黒画素連続/白画素連続検出の検出結果Tpdが「黒画素連続」又は「白画素連続」であるかの参照を、エッジ/非エッジ判定用LUTに加えたことにより、エッジ/非エッジ間の切替わりが短いピッチで頻繁に起こる振動が抑制され、エッジ/非エッジの検出の信頼性が高い。
【0159】
なお、メモコン内部のマルチプレクサ75,76を使用するフィードバックLUT処理は、図23の(a)に示し上述したように、数個のRAM 8K(LINE)からメモコンにデータを取り込んでそれに基づいてLUTアクセスデータ(入力データ)を生成してLUTにアクセスするばかりでなく、SIMD型プロセッサ33から一組以上のデータをメモコンに与えてLUTアクセスデータを生成することもできる。
【0160】
図23の(b)に、この態様を、上述のエッジ/非エッジ判定に適用した形での、メモコン内部のデータフィードバックループを示す。この態様では、図23の(b)には図示しない5個のRAM 8K(LINE)から、他のメモコンがSIMD型プロセッサ33に、5×5画素マトリクスの黒画素連続/白画素連続検出の検出結果を与え、プロセッサ33が5×5画素マトリクス上に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在するときに、注目画素をエッジ領域と判定して、注目画素のこのエッジ/非エッジ情報eds、及び、注目画素の前記黒画素連続/白画素連続検出の検出結果Tpd、を図23の(b)に示すメモコンに与え、このメモコンがこれらをマルチプレクサ76を介して、出力レジスタ72に、先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edpと共に書込んで、RAM 8K(LUT)に出力する。このフィードバックLUT処理を利用することにより、SIMD型プロセッサ33の状態遷移処理能力が向上する。
【0161】
−孤立点除去(図19)−
さらに、文字エッジは連続して存在するので、孤立点除去にて孤立しているエッジを非エッジ領域に補正する。そして、エッジ領域と判定した画素に対して”1”(エッジ領域)なるedge情報を与え、非エッジ領域と判定した画素に対応して”0”(非エッジ領域)なるedge情報を与える。
【0162】
−白背景分離323(図19)−
白背景分離323では、RGB白抽出,白判定,白パターンマッチング,黒判定,黒パターンマッチングおよび白補正等を行う。パターンマッチングでは、前述の、パターンマトリクスのデータをメモコンで1列に配列して、複数のプロセッサエレメントPEで同時に参照パターンのシリアルデータと比較して、一気に1マトリクスのマッチング(パターンが一致しているかの判定)を行う。
【0163】
RGB白地検出では、R,G,B画像データで白地領域を検出することにより、白背景分離の動作をアクティブにする。すなわち白背景分離の処理を起動する。具体的には、3×3画素マトリックスのR,G,B画像データのすべてが閾値thwssより小さければ、注目画素(3×3画素マトリックスの中心画素)が白領域と判定して白パターンマッチングをアクティブにする。これは、ある程度の広がりの白画素領域があるかを検出するものである。
【0164】
次に、黄色地を白背景としないために、仮想白画素を定める。ここでは注目画素を中心とする5×5画素マトリックスのどこかに、閾値thwc以下のB画像データが存在すれば、注目画素を仮想白画素とする。特に、B画像データのみで見ているのは、後述の白判定が、G画像データのみに基づいて判定を行っているので、G画像データでは検出できないYをB画像データにて検出する。
【0165】
次に、谷白画素検出で、上記RGB白地検出で検出できない小さな白領域の谷白画素を、図24の(b)に示すG画像データの5×5画素マトリクス分布RDPaおよびRDPbに基づいて検出する。具体的には、5×5画素マトリクス分布RDPaの、黒丸を付した画素群の中の最低濃度minyを摘出する。そして、5×5画素マトリクス分布RDPaの、白丸を付した画素群の中の最高濃度maxyを摘出する。次に、もう1つの5×5画素マトリクス分布RDPbの、黒丸を付した画素群の中の最低濃度mintを摘出する。そして、5×5画素マトリクス分布RDPbの、白丸を付した画素群の中の最高濃度maxtを摘出する。次に、(miny−maxy)と(mint−maxt)のうち、正値であって大きいほうの値を谷検出値OUTとし、このOUTの値がある閾値以上であると、注目画素(RDPaまたはRDPbの中心画素)を谷白画素と検出する。このように画像の谷状態を検出して、RGB白地検出では、検出しにくいところを補う。
【0166】
−白判定−
白判定にもちいる状態変数MS,SS[I]を生成し更新する。ここで、状態変数MSは処理対象ライン(注目ライン)の画素宛てのもの、状態変数SS[I]は処理対象ラインの1ライン前(処理済ライン)の画素宛てのものであり、いずれも白地の白の程度を表す4bitの白地情報である。状態変数MSおよびSS[I]が表す値の最高値は15に定めており、これが最も白い程度を意味し、最低値は0である。すなわち状態変数MSおよびSS[I]は、白の程度を示すデータであり、それが表す値が大きいほど、強い白を意味する。処理開始時に、状態変数MSおよびSS[I]は共に0に初期化する。
【0167】
そして、1ライン前かつ注目画素の主走査位置より前の白地情報SSを、注目画素の白地情報MSをそれから主走査方向xの1画素の位置ずれにつき1の低減率で下げた値に更新し、注目画素の白地情報を1ライン前の主走査方向xで主走査の後方に、前記低減率で伝搬させる(白伝搬処理)。但しこれは、1ライン前の白地情報のほうが小さい値である場合である。例えば1ライン前の画素が、RGB白地検出で白地(白領域)と検出したものであるときにはそれの白地情報は15であって最高値であるので書換えは行わない。
上述の、1ライン前の白地情報SSの白伝搬処理においては、1ライン前の白地情報SSをRAM 8Kに保持して、図23の(b)に示すように、メモコン内にフィードバックループを形成して、該RAM 8K(図23の(b)上のRAM 8K(LUT)に置き変わったもの)から読み出したデータ(Edp)と、SIMD型プロセッサ33が算出しメモコンに与える白伝搬処理値データの一方を、プロセッサ33の選択指定に応じてマルチプレクサ76,77で選択して、前記RAM 8Kの、読み出したデータ(Edp)のアドレスに再度書き込む。
【0168】
注目画素を更新してそれが白地でないものになると、注目画素が、仮想白画素かつ白地情報MSが閾値thw1(13)以上、である時に、注目画素宛ての白地情報MSを+1する。すなわち、1だけ白程度が強い値に更新する。白地情報MSの最高値maxは15に定めており、15を超える時には15にとどめる。この経路を進んできたときにも、前述の、白伝搬処理を行う。
【0169】
注目画素が仮想白画素かつ白地情報MSがthw1(13)未満、thw2(1)以上、かつ、谷白画素である時に、状態変数MSをそのままの値に保持する。この経路を進んできたときにも、前述の、白伝搬処理を行う。
【0170】
上記条件のいずれにも一致しないときは、注目画素の白地情報MSをー1する。すなわち白程度が1だけ弱い白地情報に更新する。白地情報MSの最低値MINは0であり、0未満になる時には0にとどめる。この経路を進んできたときにも、前述の、白伝搬処理を行う。
【0171】
−網点分離324(図19)−
G画像データを用いて、所定の大きさの二次元局所領域内の画素濃度情報から、網点ドットの一部を形成する画素(網点ピーク画素と呼ぶ)を検出する。局所領域に関して、次の二つの条件が同時に成立するときに、領域の中心画素を網点ピーク画素として検出する:
条件1:中心画素の濃度レベルが局所領域内で最大(山ピーク)または最小(谷ピーク)である;
条件2:中心画素に対し点対称関係にある全ての画素のペアについて、画素ペアの濃度レベルの平均と中心画素の濃度レベルとの差の絶対値が、閾値Th以上である。
【0172】
山と谷の網点ピーク画素を、所定の大きさの二次元の小領域毎に計数し、山と谷の網点ピーク画素の合計を小領域の計数値Pとする。この計数値Pが閾値Pthより大きいときに、小領域の全画素(あるいは画素単位の処理の場合、小領域の中心画素のみ)を網点領域と判定する。
【0173】
この小領域の網点領域か否かの判定においても、前記エッジ/非エッジ判定のときと同様に、図23の(a)あるいは図23の(b)に示すメモコン内フィードバックループを用いて、先行画素の確定網点/非網点のフィードバックと、注目画素が網点山ピーク,網点谷ピークか否の検出結果を網点/非網点判定用LUTに加えて、網点/非網点間の切替わりが単ピッチで頻繁に起こる振動を抑制し、網点/非網点検出の信頼性を高くしている。
【0174】
−7値化325a(図19)−
入力データR,G,Bを、c,m,yおよび色判定用w(白)の信号に変換する。色相分割の例としては、それぞれの色の境界を求め、1画素内のR,G,Bそれぞれの画像データの最大値と最小値の差をRGB差と定義して、色相空間を7領域に区画し、入力データがどの領域かを判定する。出力信号は、c,m,yに各1ビットの3ビットデータと、さらに、色判定用色画素検出のwの1ビットである。ここで色相毎に閾値をかえているのは、色相領域毎に、有彩範囲が異なる時に色相領域に応じた閾値を決定する。この色相分割は、一例であって、どんな式を使用してもよい。色相分割325aの出力c,m,y,wは、バッフアメモリ32に5ライン蓄え、色画素判定に用いる。
【0175】
そして、色画素用w画素が存在する時は、その画素のc=m=y=0に補正する。この補正により、注目画素を中心とする5×5画素マトリクスの白レベルが大きくなる。次に注目画素が、色相分割で得たc,m,yの全てが1(c=m=y=1)または全てが0(c=m=y=0)以外の画素(色画素)であるかを、該5×5画素マトリクスが、色画素パターン群のいずれに合致するか、パターンマッチングを行う。そして5×5画素マトリクス色細線用パターン群を用いるパターンマッチングで、注目画素が白に囲まれた色線画素かを検出する。次に、5×5画素マトリクスの白領域パターン群をパターンマッチングにより注目画素が白領域画素かを検出する。上記で抽出したパターンマッチング結果にもとづいて、白領域に囲まれた色画素を色画素候補として、それ以外で白領域が存在する時は、色画素としない。白領域がない色画素パターンマッチングで一致したものは、色画素候補とする。
【0176】
−色判定325b(図19)−
次に、5×5画素マトリクス内の各画素のc,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウント1する。c,m,yそれぞれについてのカウント値の最大値と最小値との差が、thcnt以上でかつ最小値がthmin未満ならば、色画素候補1とする。thcnt,thminは、複写(処理)前に設定する閾値である。y,m,cにプレーン展開して、N×Nのマトリクスにおいてのそれぞれのプレーン毎に数を数えて、最少値をブラックと仮定している。このことにより、黒画素の読み取りが漏れても補正が可能となる。そして最大値と最小値の差で有彩画素を判定している。このことにより、黒画素が読取りから外れた画素を補正して、有彩画素を抽出する。注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内に一定画素の有彩画素があると注目画素を有彩画素とする。注目画素が色画素候補1でかつ色画素候補2であれば、色画素1とする。
【0177】
次に、4×4画素のマトリックスにおいて、1画素以上の色画素1があれば、該4×4画素マトリックス全体を色画素1ブロックとブロック化をする。ブロック化以降の処理は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単位出力する。孤立点除去にて、注目ブロックの隣り合うブロックに色画素1ブロックがなければ孤立点として、除去する。次に膨張処理にて、色画素1ブロックが存在する場合は、5×5ブロックに膨張する。膨張するのは、色画素の周辺を、黒文字処理をしないようにするためである。ここで、色画素1ブロックの時にL(有彩)、それ以外の時はH(無彩)の、B/C情報を発生する。
【0178】
以下、5×5画素マトリクス内の各画素の、c,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウント,カウント値の最大値と最小値との差に従った色画素2,色画素3かの検出と、ブロック化,孤立ブロックの除去等を行う。更に、注目画素が黒画素候補1,2かをパターンマッチングにより判定し、注目画素が、黒画素候補1でかつ黒画素候補2であれば、黒画素とする。4×4画素のマトリックスにおいて、1画素以上の黒画素があれば、該4×4画素マトリックスの全体を黒画素ブロックとする。このブロック化以降の処理は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単位で出力する。3×3ブロックのマトリックス内において、注目ブロックが黒画素ブロックで、その周辺画素が非黒画素ならば、注目ブロックを非黒画素ブロックにする。
【0179】
−統合色画素判定−
注目ブロックが、色画素判定で色画素2と判定されかつ無彩判定で黒画素と判定されていなければ、注目ブロックは色ブロックと判定する。また、色画素判定が色画素との判定の時も色ブロックと判定する。統合色画素判定で、色と判定したブロックに対して小さな文字を連続と見なすために、注目ブロックを中心とする9×9ブロックのマトリックス内に1ブロックでも色ブロックであれば、注目ブロックを色ブロックとする。ここで、大きく膨張させるのは、文字同士のすき間を埋めるためである。
【0180】
−連続カウント−
次に、色画素ブロックの連続性を見て、カラー原稿か白黒原稿かを判定する。上記膨張の出力データ(色画素ブロック)の中の色画素の連続数をカウントすることにより、カラー原稿かどうか判定する。注目画素が色画素ブロックにある時に注目画素の左上,上,右上および左の画素の色画素連続数を参照して、注目画素の色画素連続数を算出する。ここで、注目画素を、例えば図24の(b)の画素分布パターンMPpのc3画素とすると、左上,上,右上および左の画素はそれぞれ、b2,b3,b4およびc2の画素である。注目画素が色画素ブロックにないときには、該注目画素には0なる色画素連続数を与える。
【0181】
この処理において、図24の(a)に示すRAM 8K(LUT)に、左上,上,右上および左の画素b2,b3,b4およびc2の色画素連続数に対応する注目画素(c3)の色画素連続数の関係を規定したLUTをSIMD型プロセッサ33のデータRAM37から読み出して、書き込む。図24の(a)に示すように、メモコン内にフィードバックループを形成して、RAM 8K(LUT)から読み出したデータc2(左の画素c2の色画素連続数)と、先行ラインの各画素の色画素連続数を格納したラインメモリRAM 8K(LINE)から読み出した左上,上および右上画素b2,b3およびb4の色画素連続数(同じくb2,b3およびb4と表記)とを、マルチプレクサ75,76および出力レジスタ72で併合してLUTアクセスアドレスとしてメモリSWを介してRAM 8K(LUT)のアドレスラインに与えて、LUTからデータc3を読み出し、これを注目画素c3宛ての色画素連続数とする。
【0182】
このLUTによる色画素連続数決定のロジック概要をここで説明すると、注目画素が色画素ブロックにない場合はそれに0を与えるが、色画素ブロックにある場合は、先ず注目画素の上画素の色画素連続数が0であると、参照値Aに右上画素(b4)の色画素連続数に1を加えた値を与え、上画素(b3)の色画素連続数が0であると参照値Aに右上画素(b4)の色画素連続数を与える。次に、参照値Bに左上画素(b2)の色画素連続数に1を加えた値を与え、参照値Cには上画素(b3)の色画素連続数に1を加えた値を与え、また参照値Dには左画素(c2)の色画素連続数に1を加えた値を与える。そして、参照値A,B,CおよびDのうちの最高値を、注目画素(c3)の色画素連続数とする。上画素の色画素連続数が0でないとそれを注目画素に与える。
【0183】
注目画素(c3)に色画素連続数を上述のように与えると、この色画素連続数が設定値thacs以上であるかをチエックして、thacs以上であると、カラー原稿であると決定して、そこで連続カウントの処理を終える。色画素連続数が設定値thacs未満であると、注目画素を走査方向x,yの次の画素に更新して、上述の処理を繰返す。原稿全面について上述の処理をした結果、最後まで色画素連続数が設定値thacs未満であったときには、原稿は白黒画像であると決定する。
【0184】
上述の色画素連続数は、ほぼたての色付き線分と横の色付き線分の和となる。右上の色画素連続数が、他と異なるのは二重カウントを防ぐためである。同一原稿上のどれかの色画素群のなかの色画素連続数が1つでも設定値thacs以上になるとそこで、カラー原稿である、とカラーか白黒かの判定を確定する。
【0185】
−総合判定326(図19)−
総合判定326は、文字判定,膨張処理および文字なか判定からなる。
【0186】
−文字判定−
文字判定では、エッジ分離322の結果がエッジありで、網点分離324の結果が網点なしで白背景分離323の結果が白領域ありのときは、文字エッジと判定する。そうでないときには非文字エッジ(絵柄又は文字なか)と判定する。
【0187】
−膨張処理−
膨張処理では、文字判定の結果を8×8ブロックのOR処理をして、その後に3×3ブロックのAND処理をして4ブロックの膨張処理を行う。すなわち、注目ブロックを中心とする8×8ブロックのいずれかのブロックが文字エッジであると、注目ブロックも文字エッジブロックであると仮定し、該注目ブロックを中心とする3×3ブロックのすべてが文字エッジであると注目ブロックを文字エッジと確定し、そして、注目ブロックとそれに隣接する3ブロック、計4ブロックを文字エッジと見なす。OR処理してからAND処理するのは、特に黒文字の場合、黒文字の領域の周辺に小領域の非黒文字領域が存在すると、処理の差により違和感が感じられることがある。例えば黒が薄く見える。これを防ぐために、OR処理で非黒文字領域を大きくしている。AND処理は、望むべき膨張量にするために行っている。
【0188】
−文字なか判定−
文字なか判定は、エッジ分離322,白背景分離323,網点分離324,色判定325bおよび文字判定の結果を用いて、文字のなか領域(文字線幅内)か否を表す文字なか信号を生成する。文字なか信号を生成するために用いる処理と信号を、次に示す。
【0189】
文字なか用文字信号:文字判定の、文字エッジ/非文字エッジをあらわす出力信号を5×5ブロックのOR処理をする。この出力を文字なか用文字信号と言う;
白ブロック黒文字信号A:文字なか用文字信号がアクティブ(文字エッジ)で、白背景分離323の白ブロック補正の出力が白ブロック補正データありで、色判定325bの結果がノンアクティブ(無彩:黒画素ブロック)の時に、白ブロック黒文字信号Aをアクティブとする。すなわち、「白ブロック黒文字」を示すものとする。この場合(白地に囲まれた黒文字)は、文字である確率が非常に高い;
高濃度黒領域信号B:白背景分離323の黒ブロック化の3×3ブロックのORがアクティブ(黒)で、色判定325の結果がノンアクティブ(無彩)で、網点分離の結果がノンアクティブ(非網点)で、さらに、文字なか用文字信号がノンアクティブ(非文字エッジ)の時に、高濃度黒領域信号Bをアクティブにする。すなわち、「高濃度黒領域」を示すものとする。黒文字のなかは、濃度が濃いので、他の条件と組み合わせて文字なか判定をする;
黒文字信号C:文字なか用文字信号がアクティブ(文字エッジ)で、色判定325の結果がノンアクティブ(無彩)の時に、黒文字信号Cはアクティブ(黒文字)になる。このアクティブの黒文字部分は、文字のエッジである可能性が高く、その周辺に文字なかがある可能性が高い。
【0190】
ここで、文字なか候補の判定について説明する。白ブロック黒文字信号A,高濃度黒領域信号Bおよび黒文字信号Cを用いて、文字なか候補信号Qを表現すると、次式のようになる:
Q24=(A21&A22&A23&A24)
#((Q13#Q23#Q14#Q15)&(B24#C24))
記号の2桁の数字の上桁の数字の2は現在のラインy2を示し、1は1ライン前y1を示す。下桁の数字は、ライン上の画素位置xを示す。上式が表す処理を簡単に説明すると、白ブロック黒文字信号Aが連続して存在するとすなわちA21〜A24が全てアクティブであると、注目画素を文字なか候補であると仮定し、次に、文字なか候補確定の処理を開始する。すなわち、高濃度黒領域信号B24か黒文字信号C24の周辺に文字なか候補ありと判定した画素(Q13,Q23,Q14またはQ15)があると、注目画素も、文字なか候補と、判定を確定する。つまり、白ブロック文字信号A(アクティブ)が連続して存在するとこの条件をトリガーにして、文字なか候補の判定を開始する。
【0191】
白地に囲まれた黒文字(白ブロック黒文字信号Aがアクティブ)の場合は、そこが文字である確率が非常に高く、白ブロック黒文字信号A(アクティブ)が連続して存在するのは、ほとんどすべて文字であるからである。黒文字信号A(アクティブ)は、文字のエッジである可能性が高く、「文字なか」がその周辺にある可能性が高いので、上述のように、文字なか候補(Q24:アクティブ)としている。この結果を文字なか候補とする。
次に、文字なか候補(信号Q:アクティブ)から文字なか信号をつくる。文字なか信号は、文字エッジ信号でなく、文字なか候補であれば、文字なか信号あり(文字なか信号:アクティブ)と判定する。ここで最終的に出力するC/P信号は、以下の表のようになる:
C/P信号 文字エッジ信号 文字なか信号 領域判定内容
0 なし なし 絵柄領域
1 なし あり 文字なか領域
2 − − −
3 あり × 文字エッジ領域
C/P=2を出力するケースは存在しない。
【0192】
この2ビットのC/P信号に、1ビットのB/C信号を加えた3ビットの信号が像域データFdである。
【0193】
像域データFdは、IPU2におけるフィルタ処理および下色除去で参照され、また、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kにおけるγ変換および階調処理に参照される。
【0194】
IPU2におけるフィルタ処理は、RGBデータをMTF補正するフィルタ処理であり、N×Nの画素マトリックスに対応する係数マトリクスを用いて、各係数に各画像データを乗じて重み付け平均値を得る。C/P信号が3を表すもの(文字エッジ領域)である時には、鮮鋭化処理用の係数マトリクスを用い、0又は1を表すもの(文字なか領域又は絵柄領域)である時には平滑化処理用の係数マトリクスを用いて、重み付け平均値を導出する。
【0195】
下色除去は、画像データの色再現を向上させるためのものであり、色変換によって生成したY,M,Cデータの共通部分をUCR(加色除去)処理してBkデータを生成し、Y,M,C,Kデータを生成する。ここで、C/P信号が3(文字エッジ領域)以外の時(文字なか領域又は絵柄領域のとき)は、スケルトンブラック処理を行う。C/P信号が3(文字エッジ領域)の時は、フルブラック処理を行う。さらにC/P信号が3(文字エッジ領域)かつB/C信号がH(無彩領域)の時は、C,M,Yのデータをイレースする。これは、黒文字の時、黒成分のみで表現するためである。
【0196】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのγ変換は、カラープリンタPTRの作像ユニット105の周波数特性やC/P信号に応じて、γ変換特性(いわゆるγカーブ)を変更し処理する。C/P信号が0(絵柄領域)又は1(文字なか領域)の時は画像を忠実に再現するγカーブを用い、C/P信号が3(文字エッジ領域)の時はγカーブを立たせてコントラストを強調する。
【0197】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの階調処理は、カラープリンタPTRの作像ユニット105の階調特性やC/P信号に応じて、ディザ処理,誤差拡散処理等の量子化を行う。IPU3kによるK画像データの階調処理では、C/P信号が0(絵柄領域)の時は階調重視の処理を行い、それ以外の時は解像力重視の処理を行う。Bk以外の作像の時は、C/P信号が0(絵柄領域)又は1(文字なか領域)の時は階調重視の処理を行い、それ以外の時は解像力重視の処理を行う。
【0198】
−第2実施例−
第2実施例のハードウエアは、上述の第1実施例と同じであるが、第2実施例は、LUT生成用γ変換の補間演算でのデータ処理の内容が少し異なる。
【0199】
図25に、第2実施例のIPU1およびIPU3y〜3kが実行する、LUT生成用γ変換(IPU1におけるスキャナγ変換用LUTの生成&IPU3y〜3kにおけるプリンタγ変換用LUTの生成)の内容を示す。
【0200】
第2実施例のSIMD型プロセッサ(33)のグローバルプロセッサ(38)はまず、全プロセッサエレメントPE0〜PEnを初期化してから、n+1個(n=255)の、それぞれが0〜255の各値を表す階調データD0〜Dnのそれぞれを、n+1個のプロセッサエレメントPE0〜PEnの各入力レジスタにセットする(ステップaγp1)。
【0201】
次に、グローバルプロセッサ(38)は、演算対象区間iを第1区間(i=1)に定めて(aγp2)、区間iの補間演算パラメータai,biを全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与えて、yi=ai・x+biの算出を指示する(aγp3)。全プロセッサエレメントPE0〜PEnは、それぞれに与えられている階調データDj(D0〜Dnのそれぞれ)をxとして、yiを算出し、それぞれ算出値A0〜Anを得る(aγp3)。
【0202】
次に、グローバルプロセッサ(38)は、第i区間の境界値xiを全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与えて、比較を指示する。PE0〜PEnはそれぞれ、セットされている階調データDjが第i区間である(xi<Dj:NO,すなわちxi≧Djである)かをチェックして、第i区間であると自身のフラグに「1」を立てる(aγp4)。
【0203】
次に、自身のフラグに始めて「1」を立てた(フラグを「0」から「1」に切換えた)プロセッサエレメントは、算出値Aj(A0〜Anのいずれか)を出力レジスタADjに書込む(aγp5)。自身のフラグを「0」から「1」に切換えなかったプロセッサエレメントは、この書込をしない。
【0204】
第1区間を演算対象区間とした上記処理を同様に、演算対象区間iを順次に第2(i=2),第3(i=3),・・・と更新して、第m−1=7区間(i=7)まで繰返し実行する(aγp6/aγp7/aγp3/aγp4/aγp5/aγp6)。ただし、すでにフラグに「1」を立てており、「0」から「1」への切換わりのないプロセッサエレメントは、出力レジスタAjへの算出値の書込はしない。そして最後の第m=8区間では、フラグに「1」を立てていないプロセッサエレメントのみが、算出値Ajを出力レジスタADjに書込む。
【0205】
第m−1=7区間まで実行すると、プロセッサエレメントPE0〜PEnのいずれもが、自身にセットされている階調データが属する区間に宛てられているパラメータA=ai,B=biに基づいた算出値を出力レジスタに保持していることになる。
【0206】
次にグローバルプロセッサ(38)は、プロセッサエレメントPE0〜PEnの出力レジスタのデータ(AD0〜ADn)をプロセッサエレメントのRAMの出力データ領域に書込み、メモコン設定レジスタ(図13の(a))でγ変換用LUTの読み書きを指定したメモコン(図5)にそこのデータの読み出しを指示する。該メモコンは、設定情報でLUTに指定されたRAM 8KのLUT形成用の指定領域に、0〜255の各値の階調データ宛てに、そのγ変換データを書込む(aγp8)。
【0207】
この第2実施例の補間演算によれば、各プロセッサエレメントが同一時点には同一の区間の補間演算をしてγ変換データを算出する。しかしこのとき各プロセッサエレメントに与えられる各階調データは同一とは限らず、すべてが該補間演算が宛てられる区間iに入っているものとは限らない。区間iに入っていない階調データが与えられたプロセッサエレメントの演算出力はエラーであり、区間iに入っている階調データが与えられたプロセッサエレメントの演算出力が正しい値である。
【0208】
各区間i、i=1〜m、の補間演算を1つづつ、すべてのプロセッサエレメントで同時に同じ演算を並行して実行し、全区間の補間演算を遂行すると、その間に、どのプロセッサエレメントも1回、正しい変換値を算出する。この正しい変換値を有効とする。すなわち変換データとして出力する。
【0209】
1つの階調データに対して、それを与えられたプロセッサエレメントは、見かけ上はm回(例えば、m=8)補間演算を繰り返す。すなわち、各区間の補間演算yi、i=1〜m、のそれぞれを実行する。したがって演算回数は多くなるが、1回の演算が簡単で時間が短いので、大きなn値の複数nの階調データ全体としての変換時間は短い。
【0210】
−第3実施例−
第3実施例のハードウエアは、上述の第1実施例と同じであるが、第3実施例は、γ変換用LUTの生成に用いる補間演算プログラムの構成が少し異なる。第3実施例のIPU1およびIPU3y〜3kが実行する、γ変換(IPU1におけるスキャナγ変換用LUTの生成&IPU3y〜3kにおけるプリンタγ変換用LUTの生成)を説明する。
【0211】
IPU1宛ての読取補正プログラムには、γ変換用LUTの生成の位置に、スキャナγ変換のプログラムの格納アドレスS00(図26)が挿入されており、HDDから読取補正プログラムをIPU1のSIMD型プロセッサ33のプログラムRAM36に転送するときに、該格納アドレスS00のスキャナγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて転送する。これに加えて、1セットのR,G,B γ変換用の「境界値,パラメータ」群、例えばアドレスS1R,S1GおよびS1B(図26)のデータを、SIMD型プロセッサ33のデータRAM37のγ変換用データ格納領域に転送して書込む。一組例えばアドレスS1Rの、R γ変換用の、「境界値,パラメータ」群は、図17に示す区間の境界値xiおよび補間演算式yiのパラメータai,biであり、i=1〜8、の8区間分である。
【0212】
図27に、一組のパラメータ群の、データRAM37上の情報区分を模式的に示す。
【0213】
前記1セットすなわち3組(R用,G用およびB用:アドレスS1R,S1GおよびS1B)をデータRAM37に書込んだ後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図26に示す他のグループのもの(例えばS3R,S3G,S3Bのもの)に書換えることができる。
【0214】
同様に、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの夫々宛てのY,M,CおよびK出力補正プログラムにも、γ変換の位置に、γ変換のプログラムの格納アドレス(P00:図26)が挿入されており、HDDからY,M,CおよびK出力補正プログラムを、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのプロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各プログラムRAM(36)に転送するときに、該格納アドレスP00のプリンタγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて、転送する。これに加えて、1セットのY,M,C,およびKそれぞれのγ変換用の「境界値,パラメータ」群、例えばアドレスP1Y,P1M,P1CおよびP1K(図26)のデータ、のそれぞれを、SIMD型プロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各データRAMのγ変換用データ格納領域に転送して書込む。データRAMに書込んだ後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図26に示す他のグループのもの(例えばP3Y,P3M,P3CおよびP3Kのもの)に書換えることができる。
【0215】
第3実施例のγ変換処理フローは、図16に示す第1実施例のものと同様である。ただし、境界値xiおよびパラメータai,biは、SIMDプロセッサ(33)内のデータRAM(37)から読出してプロセッサエレメントPEに与える。
【0216】
−第4実施例−
第4実施例のハードウエアは、上述の第1実施例と同じであるが、第4実施例は、γ変換テーブルの補間演算による生成は行わず、原変換テーブルをHDDに格納しているものである。IPU1宛ての読取補正プログラムには、γ変換用LUTの生成の位置に、スキャナγ変換のプログラムの格納アドレスS00(図28)が挿入されており、HDDから読取補正プログラムをIPU1のSIMD型プロセッサ33のプログラムRAM36に転送するときに、該格納アドレスS00のスキャナγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて転送する。これに加えて、1セットのR,G,B γ変換テーブル、例えばアドレスS1R,S1GおよびS1B(図28)の変換テーブルを、SIMD型プロセッサ33のデータRAM37のγ変換テーブル格納領域に転送して書込む。
【0217】
RGB画像データのγ変換のときには、SIMD型プロセッサ33が、データRAM37からγ変換テーブルを読み出して、例えば図18に示すように、1つの変換テーブルを2つのRAM 8kに書込んで、1ライン上の奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データを同時に並行してγ変換する。
【0218】
前記1セットすなわち3組(R用,G用およびB用:アドレスS1R,S1GおよびS1B)のγ変換テーブルをデータRAM37に書込んだ後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図28に示す他のグループのもの(例えばS3R,S3G,S3Bのもの)に書換えることができる。
【0219】
同様に、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの夫々宛てのY,M,CおよびK出力補正プログラムにも、γ変換の位置に、γ変換のプログラムの格納アドレス(P00:図28)が挿入されており、HDDからY,M,CおよびK出力補正プログラムを、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのプロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各プログラムRAM(36)に転送するときに、該格納アドレスP00のプリンタγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて、転送する。これに加えて、1セットのY,M,C,およびKそれぞれのγ変換テーブル、例えばアドレスP1Y,P1M,P1CおよびP1K(図28)のデータ、のそれぞれを、SIMD型プロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各データRAMのγ変換テーブル格納領域に転送して書込む。データRAMに書込んだ後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図28に示す他のグループのもの(例えばP3Y,P3M,P3CおよびP3Kのもの)に書換えることができる。
【0220】
−第5実施例−
第5実施例のハードウエアは前述の第1実施例と略同様であるが、第5実施例のIPU1のSIMD型プロセッサ33が、その内部のプログラムメモリ36の読取り補正プログラムの中の像域分離プログラム、更にその中のパターン比較プログラム、に基づいて行うパターン比較すなわちパターンマッチングの内容が異なる。
【0221】
図29に、この第5実施例のパターン比較PMPaの内容を示す。なお、この処理は第1実施例の図20に示す処理に置き換わるものである。図29に示すパターン比較PMPaの内容を次に説明する。
【0222】
例えば図21の(a)に代表例を示す黒画素連続,白画素連続の検出用の参照パターン群を用いるパターン比較のときには、SIMD型プロセッサ33はメモリ装置32に、3ライン以上の3値化データ格納用の入力ラインバッファを設定し、かつ3ラインの中の真中のラインの各画素宛てに、それを中心とする3×3画素マトリクスの画像データ群が、参照パターン(参照データセット)と合致するか否を表す判定データ(「11」:黒連続画素,「01」:白連続画素,「00」:該当せず)を書込むための、判定結果格納用のラインバッファを設定する。
【0223】
そして、図29を参照すると、SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、その内部のA個(例えば320個)のプロセッサエレメントの各RAMに、b個の参照パターン(参照マトリクス)群の参照データセット群(前述の黒画素連続検出用参照パターン群および白画素連続検出用参照パターン群のもの;b個の参照データセット)を書込む(pm1)。
【0224】
次にSIMD型プロセッサ33は、A個の対象データセットの転送をメモリ装置32のメモコンに指示し(pm2)、これに応答して該メモコンが、入力ラインバッファの、中央ライン(注目ライン)上の一連のA個の注目画素のそれぞれを中央とする各画素マトリクスの画情報ビット群を、マトリクス単位で図17の(c)に示す態様でaバイトの対象データセットに変換して、SIMD型プロセッサ33にシリアル転送する。SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、先頭の対象データセットから順に、A個の各プロセッサエレメントの各RAMに書込む(pm3)。
【0225】
例えば、バッファメモリ32のメモコンが、ラインバッフアメモリに割り当てた3個のRAM 8Kに、画情報ビット(2値化データ)を書込み、それらから、図21の(b)に示すように、注目画素eの周辺に2次元x,yのそれぞれに1画素が分布する、画素a〜iでなる3×3画素マトリクスに宛てられた画情報ビット群を読み出して、図21の(c)に示すように、1列a(a=2)バイトの対象データセットに変換してSIMD型プロセッサ33に与え、これを注目画素を1画素づつ同一ライン上でシフトして、A回行う。SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が各対象データセットを各プロセッサエレメントのRAMに書込む(pm3)。
【0226】
次に、プロセッサエレメントのRAMの記憶容量の限界近くの所定上限値まで対象データセットを格納したか、もしくは、1ライン上の全画素に関して上述の対象データセットの生成とSIMD型プロセッサ33への送出が完了したかをグローバルプロセッサ38がチェックして(pm13,11)、いずれも否であると、同一ライン上の次の注目画素群をパターン比較対照画素に設定して、上述のステップpm3の対象データセットの生成とSIMD型プロセッサ33への送出を行う。SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が各対象データセットを各プロセッサエレメントのRAMに書込む(pm13−pm11−pm12−pm3)。
【0227】
プロセッサエレメントのRAMに所定上限値まで対象データセットを格納したとき又は1ライン上の全画素を注目画素とする対象データセットのSIMD型プロセッサ33への書込が終わったとき、グローバルプロセッサ38は、パターンマッチング対象データセットに、プロセッサエレメントのRAM上の第1のものを指定して(pm14)、各プロセッサエレメントに比較演算SIMDopを指示する。この比較演算SIMDopの内容は、図20に示すものと同じである。
【0228】
この第5実施例では、この比較演算SIMDopを、プロセッサエレメントのRAMに書込んでいる対象データセットの数分繰り返し実行する(pm14−SIMDop−pm10−pm15−pm16−SIMDop)。この複数回の比較演算SIMDopを繰返すと、1ライン分の全画素宛てのパターンマッチングが終了したかをチェックして、終了していないと、同一ライン上の次の注目画素群をパターン比較対照画素に設定して、上述のステップpm3の対象データセットの生成とSIMD型プロセッサ33への送出を行う。
【0229】
この第5実施例のパターン比較では、1ライン上の多くの画素を注目画素とするパターンマッチングを一気に実行するように各プロセッサエレメントがパターン比較を多数回繰り返すので、パターンマッチング判定を更に高速にし得る。
【0230】
なお、上記第1〜5実施例のいずれも、YMCK画像データの処理を、4組のSIMD型プロセッサ53y,53m,53c,53kで、色別に同時に並行処理するようにしたが、YMCK画像データのプリンタγ変換あるいは出力処理の全体を、1つのSIMD型プロセッサで色毎に順次に行うこともできる。これは、1組の感光体ユニットで順次に各色像を形成するいわゆるワンドラム方式のカラープリンタに適合する。しかし、実施例に示した4組の感光体ユニットをタンデム配列したカラープリンタでは、上述のようにYMCK画像データのそれぞれあて、合計4組のSIMD型プロセッサ53Y,53m,53c,53kを用いるのが、YMCK画像データの出力処理の全体が極めて高速になり、高速プリントアウトに好ましい。
【0231】
【発明の効果】
バッファメモリ装置(32)のメモコンの分離機能を用いて例えばモノクロ画像モードでは1ラインの白黒画像データを奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して各連の各画像データを同時に並行して画像処理器に与えて同時に並行してデータ処理でき、白黒画像データの高速処理が可能となる。更に、メモコンの合成機能を用いて、処理した複数連の画像データを1ラインに合成して出力(図6のAf)できるので、モノクロ画像処理システムのデータ転送ラインでも、そのまま処理後のRGB画像データ又はYMデータを転送できる。
【0232】
また、カラー画像モードでは、1ラインCK画像データの、複数色(例えば2色)の画像データのそれぞれを、同時に並行して画像処理器に与えて同時に並行してデータ処理し、処理後の複数連の画像データを、メモコンの合成機能を用いて、一連に合成して出力(図6のCf〜Ff)できるので、カラー画像データの処理速度が速く、しかもモノクロ画像処理システムのデータ転送ライン(たとえば1系統)と同様なデータ転送ラインでも、そのまま処理後データを転送できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の、複合機能があるデジタルフルカラー複写機の外観を示す正面図である。
【図2】 図1に示すカラープリンタPTRの作像機構の概要を示す拡大縦断面図である。
【図3】 図1に示す複写機の電気系システムの概要を示すブロック図である。
【図4】 (a)および(b)はそれぞれ、図3に示すカラー原稿スキャナSCRおよびカラーデータインターフェース制御部CDICの画像処理系およびデータ転送系の概要を示すブロック図である。
【図5】 図4の(a)に示す第1画像処理ユニットIPU1の、入出力インターフェイス31およびバッファメモリ32の構成を示すブロック図である。
【図6】 画像データ転送の際の、パラレル,シリアルのデータ配列の変換態様の数種を示すブロック図である。
【図7】 (a)は図4の(a)および図5に示すSIMD型プロセッサ33の構成の概要を示すブロック図、(b)は1個のプロセッサエレメントPEの一部分の構成を示すブロック図である。
【図8】 (a)および(b)はそれぞれ、図3に示す第2画像処理ユニットIPU2および画像メモリアクセス制御部IMACの画像処理系およびデータ転送系の概要を示すブロック図である。
【図9】 図3に示す第3画像処理ユニットIPU3Y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの画像処理系の概要を示すブロック図である。
【図10】 図3に示す画像処理システムにおける、画像データの流れの数例を示すフローチャートである。
【図11】 図3に示すシステムコントローラ106の、操作ボードOPBおよびパソコンPCからの画像処理コマンドに応答するシステム制御の概要を示すフローチャートである。
【図12】 図3に示すシステムコントローラ106の初期設定指令に応答してIPU1が実施する初期設定の内容を示すフローチャートである。
【図13】 (a)は、図5に示すSIMD型プロセッサ33の内部レジスタに書込む設定情報の区分を示す図表である。(b)は設定情報の項目を示す図表である。(c),(d)および(e)は、設定情報を例示する図表である。
【図14】 設定情報によって、図5に示すRAM 8Kに設定されるデータ読み書き領域を模式的に示すブロック図である。
【図15】 図3に示すハードディスク装置HDDに格納されている、γ変換用データの区分を示す図表である。
【図16】 図7に示すグローバルプロセッサ38が、プログラムRAM36に格納された読取補正プログラムの中のγ変換プログラムに基いて実行する補間演算処理の過程を示すフローチャートである。
【図17】 γ変換特性カーブを2点鎖線で示し、その近似直線を実線で示すグラフである。
【図18】 補間演算処理によって生成された変換テーブルを用いるR画像データのγ変換のときの画像データの流れを示すブロック図である。
【図19】 図4に示すSIMD型プロセッサ33が行う像域分離でのデータ処理の概要を示す機能ブロック図である。
【図20】 図4に示すSIMD型プロセッサ33が行うパターン比較の内容を示すフローチャートである。
【図21】 (a)は、図19に示すエッジ分離322で、注目画素が白,黒連続画素かを判定するために用いる参照パターンの代表例を示すブロック図である。(b)および(d)は注目画素とその周辺画素のマトリクスを示すブロック図である。(c)および(e)はそれぞれ、(b)および(d)に示す画素マトリクスのデータ群を整数バイトの対象データセットにした場合のデータ分布を示すブロック図である。
【図22】 図5に示すメモコンのデータフィードバックによる確定エッジ/非エッジ情報の生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図23】 (a)は、図5に示すメモコンのデータフィードバック機能の1態様を示すブロック図、(b)は、図5に示すメモコンのデータフィードバック機能のもう1つの態様を示すブロック図である。
【図24】 (a)は、図5に示すメモコンのデータフィードバック機能のもう1つの態様を示すブロック図である。(b)は、注目画素とその周辺画素のマトリクスを示すブロック図である。
【図25】 第2実施例においてSIMD型プロセッサのグローバルプロセッサ38が、プログラムRAM36に格納された読取補正プログラムの中のγ変換プログラムに基いて実行する補間演算処理の過程を示すフローチャートである。
【図26】 第3実施例の、ハードディスク装置HDDに格納されている、γ変換用データの区分を示す図表である。
【図27】 第3実施例の、HDDから読出してデータRAM37に書込んだ一組のパラメータ群のRAM37上の分布を模式的に示す図表である。
【図28】 第4実施例の、ハードディスク装置HDDに格納されている、γ変換用データの区分を示す図表である。
【図29】 第5実施例の、SIMD型プロセッサ33によるパターン比較の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
ADF:自動原稿供給装置
SCR:カラー原稿スキャナ
OPB:操作ボード PTR:カラープリンタ
PC:パソコン PBX:交換器
PN:通信回線 2:光書込みユニット
3,4:給紙カセット 5:レジストローラ対
6:転写ベルトユニット
7:定着ユニット 8:排紙トレイ
10M,10C,10Y,10K:感光体ユニット
11M,11C,11Y,11K:感光体ドラム
20M,20C,20Y,20K:現像器
60:転写搬送ベルト IPU1:第1画像処理ユニット
IPU2:第2画像処理ユニット
IPU3y,3m,3c,3k:第3画像処理ユニット
CDIC:カラーデータインターフェース制御部
IMAC:画像メモリアクセス制御部
HDD:ハードディスク装置
MEM:画像メモリ LAN:ローカルエリアネットワーク
FONT:フォントROM
IDU:紙幣認識ユニット
SCI:システム制御インターフェイス
JTAG:ジョブエンコーダ/デコーダ
メモコン:メモリコントローラ
R:R画像データ G:G画像データ
B:B画像データ Fd:像域データ
Y:Y画像データ M:M画像データ
C:C画像データ K:K画像データ
Claims (10)
- 画像データの入力もしくは出力を選択的に行なう画像ポートと、
画像データに所定の画像処理を行なう画像処理器と、
前記画像ポートから画像データを受け取り前記画像処理器へ入力する処理と、前記画像処理器から出力された画像データを受け取り前記画像ポートへ出力する処理を選択的に行なうバッファメモリ装置と、を備える画像データ処理装置において、
前記画像ポートへ入力もしくは画像ポートから出力する画像データは、画像データを時系列にシリアルに並べた1連の画像データ列を2以上の所定数a 列並行して入出力するa 連の画像データ列であり、
前記画像処理器は、
データ処理を行なう2以上の所定数bのプロセッサエレメントと、
前記バッファメモリ装置との入出力インターフェイスとして機能し、前記プロセッサエレメントの各々に対応して b のデータを蓄えることができる a 以上の複数のレジスタと、
前記バッファメモリ装置からのデータを b 毎に前記レジスタへ入出力する処理と、前記各プロセッサエレメントに対応する前記レジスタの各データに対して同一の処理を同時に並行して処理させる制御を行なう処理制御手段とから構成され、
前記バッファメモリ装置は、
前記画像ポートへ入出力する前記画像データを少なくとも b 以上蓄えるバッファメモリと、
前記バッファメモリに対して前記画像データの入出力管理を行なうメモコンとから構成され、
前記メモコンは、前記画像ポートを入力として選択したとき、
前記バッファメモリに蓄積された前記画像データを1連の画像データ列で並行するa列に振り分ける分離機能と
前記分離機能により分離したa列で1連の画像データ列を前記画像処理器の所定の前記各レジスタに a 列の並行入力をする並行入力機能を行い、
前記画像ポートを出力として選択したとき、
前記画像処理器の所定の a 列の各レジスタから各1連の画像データを並行出力する並行出力機能と
前記並行出力機能により出力された a 列で 1 連の画像データ列を順次摘出して a 連の画像データ列に合成して前記バッファメモリに前記画像データとして蓄える合成機能を行なうものであって、
前記 a 連の画像データ列として、カラー画像データにおける第1色の画像データ列から第 a 色の画像データ列を並行入力もしくは並行出力することで、カラー画像データを入出力するのに必要な画像ポート数を削減することを特徴とした画像データ処理装置。 - 前記画像データ処理装置において、前記a 連の画像データ列としてカラー画像データにおける第1色の画像データ列から第 a 色の画像データ列を並行入力もしくは並行出力することに代えて、前記 a 連の画像データ列として隣接するa 毎の画素を並行入力もしくは並行出力することで、前記画像ポートから前記バッファメモリ装置への入出力を高速に処理することを特徴とした請求項1に記載の画像データ処理装置。
- 前記メモリバッファ装置は複数のバッファメモリと複数のメモコンの組み合わせを1セットとする複数セットから構成され、前記画像ポートから画像データを受け取り前記画像処理器へ入力する処理と、前記画像処理器から出力された画像データを受け取り前記画像ポートへ出力する処理を各セット単位で選択的に行なうことを特徴とした請求項1又は請求項2に記載の画像データ処理装置。
- 前記画像処理器は、更に読み書き可能なプログラムメモリを有し、
前記画像データ処理装置は、更に前記プログラムメモリにデータ処理プログラムを書込む手段を備え、
前記画像処理器は前記プログラムメモリに書込まれたデータ処理プログラムに従って画像処理を行なうこと特徴とした請求項3に記載の画像データ処理装置。 - 請求項4に記載の前記画像データ処理装置と、
カラー画像読取手段と、画像形成手段を有するカラー画像形成装置において、
前記画像データ処理装置は、前記画像処理器を前記データ処理プログラムに従ってRGB画像データを読取補正する第1の画像処理器、
RGB画像データをYMCK画像データに変換する第2の画像処理器、
YMCK画像データを出力補正する第3の画像処理器として処理するように前記データ処理プログラムを書込む手段により前記プログラムメモリに書き込み、
前記カラー画像読取手段で読取ったRGB画像データを、前記第1の画像処理器で前記カラー画像読取手段の画像読取用の読取補正を行い、
該読取補正を行なったRGB画像データを前記第2の画像処理器でYMCK画像データに変換し、
該変換したYMCK画像データを前記第3の画像処理器で前記画像形成手段の画像形成用の出力補正を行い、
該出力補正したYMCK画像データを、前記画像形成手段で画像形成することを特徴としたカラー画像形成装置。 - 前記a 連の画像データ列は、RGB画像データにおけるいずれか2色の画像データ列であることを特徴とした請求項1に記載の画像データ処理装置。
- 前記a 連の画像データ列は、CMYK画像データにおけるいずれか2色の画像データ列であることを特徴とした請求項1に記載の画像データ処理装置。
- 前記 a連の画像データ列は、1ラインの奇数番目の画素と偶数番目の画素のデータ列であること特徴とした請求項2に記載の画像データ処理装置。
- 前記 a連の画像データ列は、隣接する2ラインの画像データ列であること特徴とした請求項2に記載の画像データ処理装置。
- 前記 a連の画像データ列は白黒読取りの白黒画像データの列である請求項8又は請求項9に記載の画像データ処理装置。
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