JP3933905B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置等を含む印刷装置に関する。さらに詳しくは、印刷装置における排紙装置の剥離部材の先端(尖端)や、多色印刷装置等において複数の版胴毎に配設されている剥離部材の先端(尖端)を収納する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂フィルムと、和紙繊維とか合成繊維、あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持体とを貼り合わせたラミネート構造の孔版マスタ(以下、単に「マスタ」という)を、サーマルヘッドの発熱素子に接触させて加熱穿孔・製版し、この製版されたマスタ(以下、「製版済みのマスタ」というときがある)を、樹脂あるいは金属網体製のメッシュスクリーンを複層巻着した構成の回転自在な版胴に巻装し、版胴内部に設けられたインキ供給部材よりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段で版胴上の製版済みのマスタに用紙を連続的に押し付けて、版胴の開孔部分、マスタの穿孔部分よりインキを滲み出させ印刷を行う感熱デジタル式の孔版印刷装置が知られている。
【0003】
このような孔版印刷装置では、上記マスタにおける上記多孔質支持体の繊維間を通過したインキが上記熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部分より滲出し用紙に転移して印刷が行われるために、用紙がインキの粘着力で版胴に貼り付き易くなり、版胴上の製版済みのマスタに貼り付いて排出されない「巻き上がり」と呼ばれる不具合が発生し易いものとなっていた。
そこで、版胴の外周面に近接自在な排紙爪もしくは分離爪とも呼ばれる剥離爪(剥離部材)を設けて、版胴上の製版済みのマスタとこれから浮上した用紙の先端部との間に上記剥離爪を挿入する態様で、用紙を強制的に剥離する用紙強制剥離方式が主に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、版胴上の製版済みのマスタからの用紙の浮きは用紙自体の腰の強さに頼っているため、その用紙の浮き量はごく僅かであり、それ故にその用紙の浮きにより生じた隙間に差し込まれる剥離爪の先端部も薄く尖った形状にせざるを得なかった。
このような形状の剥離爪により用紙の剥離動作を行うときに、何もトラブルが無ければ問題は無いが、例えば高温環境などでインキの粘度が下がった場合には、版胴の開孔部分から滲出して用紙に転移するインキ量が多くなってしまうことにより、また版胴上の製版済みのマスタの特に先端部にベタ製版画像が有る印刷の場合には、その部位の増加したインキの粘着力によって用紙の先端部が版胴上の製版済みのマスタに貼り付き易くなってしまい、それぞれ巻き上がりが発生し易いものとなっていた。
【0005】
このような巻き上がりが発生した場合は、オペレータやユーザ(以下、「ユーザ」という)により版胴が印刷装置本体(以下、「装置本体」という)から引き出されて、手などを差し込んで除去することになり、その時に尖った剥離爪の先端が不安感を与えるので、それを避けながら作業することになってしまい面倒であった。
また、プレスローラ等の清掃などの時にも同様に、剥離爪の先端を避けながらの作業になってしまうことにより、その作業がやり難かった。
【0006】
一方、エアーなどを用いて用紙の浮きを助成するタイプの用紙強制剥離方式では、用紙の浮きを大きくできることで差し込まれる剥離爪先端部の尖り量を少なくはできるが、圧縮されて吐出されるエアー(空気)によりマスタの熱可塑性樹脂フィルム部分が破れたりする不具合が発生し易くなるので、エアー圧を余り強くできず、また剥離爪先端部の尖り量もそれ程小さくすることができなかった。
【0007】
したがって、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、巻き上がり等のトラブル処理とか印刷装置内部の清掃時等において、剥離爪の先端部に注意を払わなくても済む印刷装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述した課題を解決して前記目的を達成するために、請求項毎の発明においては以下の構成を採っていることを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタに用紙を相対的に押し付ける押圧手段と、先端が上記版胴の外周面に近接し該版胴から用紙を剥ぎ取る剥離位置とこの剥離位置から離間した非剥離位置とを選択的に占める剥離部材とを具備する印刷装置において、上記剥離部材が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記先端を突出し、上記剥離部材が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、上記先端を収納するように上記剥離部材を移動可能に案内し、上記剥離位置と上記非剥離位置との間での上記剥離部材の変位動作に連動して変位可能な案内収納部材と、上記剥離部材が上記非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、上記案内収納部材の内部に上記先端を収納させる向きに上記剥離部材を付勢する付勢手段と、上記剥離部材が上記印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記案内収納部材から上記先端を突出させる向きに上記剥離部材に空気を供給し、上記先端を上記付勢手段の付勢力に抗して上記案内収納部材から上記剥離位置に突出させる給気手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタに用紙を相対的に押し付ける押圧手段と、先端が上記版胴の外周面に近接し該版胴から用紙を剥ぎ取る剥離位置とこの剥離位置から離間した非剥離位置とを選択的に占める剥離部材とを具備する印刷装置において、上記剥離部材が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記先端を突出し、上記剥離部材が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、上記先端を収納するように上記剥離部材を移動可能に案内する、装置本体側に固定された案内収納部材と上記剥離部材が上記非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、上記案内収納部材の内部に上記先端を収納させる向きに上記剥離部材を付勢する付勢手段と、上記剥離部材が上記印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記案内収納部材から上記先端を突出させる向きに上記剥離部材に空気を供給し、上記先端を上記付勢手段の付勢力に抗して上記案内収納部材から上記剥離位置に突出させる給気手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の印刷装置において、上記剥離部材が上記印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記給気手段からの空気の一部を上記先端の近傍から上記版胴に向けて吐出する吐出口を、上記剥離部材に設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項1,5および6における「版胴上のマスタに用紙を相対的に押し付ける押圧手段」の構成・方式としては、製版済みのマスタを介して版胴の外周面に接離自在な押圧手段としてのプレスローラを押し付けるプレスローラ方式と、製版済みのマスタを介して版胴の外周面に押圧手段としての圧胴を押し付けて印刷を行う圧胴接離方式と、製版済みのマスタを介して圧胴に対して版胴を押し付けて印刷を行う版胴接離方式と、それらの併用方式とがある。
版胴接離方式には、版胴全体を圧胴に向けて押し付けるドラム全体接離方式と、版胴内の中押しローラを圧胴に向けて押し出し、版胴(印刷ドラムの版胴)のみを押し付ける版胴押し出し方式とがある。
版胴押し出し方式としては、例えば、特開平1−204781号や、特開平3−197078号あるいは特開平3−254984号公報等に開示されているような金属製スクリーンを内側から外側に向けて膨出させる、いわゆる中押しローラ方式(インキ供給ローラを兼ねるものも含む)のものが挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。各実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等を引用して構成や動作例等を説明する場合には、引用した構成要素等の符号に括弧を付して区別することとする。
【0017】
(実施形態1)
まず、図1を参照して、実施形態1に係る印刷装置の一例としての孔版印刷装置の全体構成について説明する。
孔版印刷装置は、図1および図2に示すように、概略、図1の右側上方に配置されロール状に巻かれたマスタ8を製版する製版装置14と、図1における左寄りの略中央部に配置され製版されたマスタ8(以下、「製版済みのマスタ8」というときがある)を外周面に巻装する版胴1と、この版胴1上の製版済みのマスタ(図示せず)に用紙29を押し付ける押圧手段としてのプレスローラ15と、製版装置14の下方に配置され、給紙台としての給紙トレイ28上に積載された用紙29を版胴1とプレスローラ15との間に向けて給紙する給紙装置30と、先端が版胴1の外周面に近接し版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29を剥ぎ取る図2等に示す剥離位置とこの剥離位置から離間した図1等に示す非剥離位置とを選択的に占める剥離部材としてのエアーナイフ31を有し、版胴1およびプレスローラ15を介して給紙装置30に対向する位置に配置され印刷済みの用紙29を図示しない排紙台としての排紙トレイに排出する排紙装置45とを具備する。
【0018】
孔版印刷装置は、上記した装置や構成要素の他に、それぞれ公知であり図示しない、版胴1および製版装置14の上部に配置され原稿受台上から移送される原稿の画像を読み取る原稿読取装置と、排紙装置45と該原稿読取装置との間であって版胴1の左近傍に配置され版胴1の外周面から剥ぎ取られた使用済みのマスタ8を図示しない排版ボックスに排出する排版装置等とを具備している。上記原稿読取装置および上記排版装置は、例えば特許第2756224号公報(特開平7−52515号公報)の図1に記載されているものと同様の構成を具備している。
【0019】
製版装置14は、マスタ8をマスタ搬送方向X1に繰り出し可能に支持するマスタ支持手段としてのマスタ支持部材8cと、画像情報に応じて繰り出されたマスタ8を加熱製版するサーマルヘッド10と、サーマルヘッド10にマスタ8を押圧しながらマスタ搬送方向X1下流側にマスタ8を回転しながら搬送するプラテンローラ9と、製版済みのマスタ8または未製版のマスタ8を所定の長さに切断するカッタ11と、プラテンローラ9により搬送されてきたマスタ8を適度の張力を付与しながら版胴1の拡開したクランパ7に向けて搬送する搬送ローラ対12,12(以下、「搬送ローラ対12」と略記する)等とを具備する。
【0020】
マスタ8は、連続シート状をなし、合成樹脂製のロール芯8bに巻き付けられてマスタロール8aが形成される。ロール芯8bはマスタロール8aの両端面から突出していてマスタ8の幅よりも長く形成されている。マスタロール8aは、両端側のロール芯8bがマスタ支持部材8cにより反時計回り方向に回転自在に支持されていて、マスタ支持部材8cに対して着脱自在となっている。両端側のマスタ支持部材8cは、製版装置14におけるマスタ搬送方向X1に沿ってその左右両側に配設されている図示しない製版側板対にスライド可能に取り付けられている。上記製版側板対は、装置本体に固設されている。したがって、マスタ8は、マスタ支持部材8cによって、マスタロール8aからマスタ搬送方向X1に繰り出し可能に支持されている。
【0021】
マスタ8は、例えば厚さが1〜5μmの熱可塑性樹脂フィルムと、合成繊維等からなる多孔質支持体とを貼り合わせたラミネート構造をなす。なお、マスタは、これに限らず、例えば和紙繊維、あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせたものや、いわゆる実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタも用いられる。
【0022】
サーマルヘッド10は、プラテンローラ9のプラテンローラ軸と平行に延在して設けられていて、図示しないカムおよびバネ部材等を備えた接離機構により、マスタ8を介してプラテンローラ9に接離自在となっている。サーマルヘッド10は、上記バネ部材によりプラテンローラ9に接触する向きに付勢されている。サーマルヘッド10の主走査方向には、プラテンローラ9にマスタ8を介して当接する部位に多数の発熱素子(図示せず)が配設されている。サーマルヘッド10は、共に図示しないA/D変換器および製版制御装置で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づき上記発熱素子を選択的に加熱することにより、マスタ8を選択的に加熱溶融穿孔・製版する製版手段としての周知の機能を有する。
【0023】
プラテンローラ9は、金属製の芯金を介してプラテンローラ軸と一体的に形成されている。プラテンローラ9は、プラテンローラ軸の両端部が上記製版側板対に回転可能に支持されていることにより、時計回り方向に回転自在となっている。プラテンローラ9は、タイミングベルトやギヤ等の回転伝達部材(図示せず)を介して、プラテンローラ駆動手段としての図示しないステッピングモータに連結され、これにより時計回り方向に回転駆動される。
上記構成のとおり、プラテンローラ9が上記ステッピングモータにより時計回り方向に回転駆動されることにより、マスタ8はマスタロール8aから引き出されることとなる。
【0024】
搬送ローラ対12は、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えられて互いに圧接して設けられていて、各ローラ軸の両端部が上記製版側板対に回転自在に支持されていることにより互いに反対方向に回転自在となっている。搬送ローラ対12は、上側の搬送ローラ12がプラテンローラ9の周速度(搬送速度)よりもわずかに速い周速度(搬送速度)で回転するように、図示しない複数のギヤ等の回転伝達部材、および例えばパウダー式電磁クラッチ(図示せず)を介して上記ステッピングモータに連結されている。
上記パウダー式電磁クラッチは、プラテンローラ9とサーマルヘッド10との間のニップ部からマスタ8を無理に引き摺り出さないような所定の張力としてのフロントテンションをプラテンローラ9と搬送ローラ対12との間のマスタ8に付与する機能を有する。上記のとおり、搬送ローラ対12は、マスタ8との間で滑りながら適度なフロントテンションを製版済みのマスタ8に付与するようになっている。
なお、上記電磁クラッチに代えて、上記ステッピングモータとは独立したステッピングモータで搬送ローラ対12を単独駆動してもよい。
【0025】
搬送ローラ対12に隣るマスタ搬送方向X1下流側には、製版済みのマスタ8の先端を版胴1のクランパ7に案内するための湾曲したガイド板13が搬送ローラ対12の各軸方向に延在して設けられている。
【0026】
カッタ11は、プラテンローラ9と搬送ローラ対12との間のマスタ搬送路を挟んで上下に設けられ固定刃11bおよび可動刃11aを備えたギロチンタイプの公知のものである。カッタ11は、上記ギロチンタイプに限らず、可動刃がマスタ搬送方向X1と直行するマスタ幅方向に回転しながら移動する回転刃移動タイプのものを用いてもよい。
【0027】
版胴1は、多孔性で円筒状の支持円筒体と、その支持円筒体の外周を覆うように複数層巻き付けられた樹脂あるいは金属網体製のメッシュスクリーン(図示せず)との2層構造からなる。版胴1は、インキ通過性の多数の開孔を有する開口部1a(印刷可能領域)と、クランパ7等が設けられている非開口部(非印刷可能領域)とを備えた周知の構成を有する。版胴1は、図示しない端板フランジの外周部に巻着・固設されていて、後述するインキパイプ5を兼ねる支軸の周りに回転自在に支持されている。
版胴1は、図示しないギヤやベルト等の駆動伝達手段を介して図示しない電動モータに連結されていて、該電動モータにより図中矢印方向(時計回り方向)に回転駆動される。電動モータとしては、例えば制御用のDCモータが使用されている。
【0028】
版胴1の内部には、インキパイプ5に固設された図示しないインキ側板に回転自在に支持されていて、図示しないギヤ等の駆動伝達手段により電動モータの回転駆動力が伝達されて版胴1と同期して図中矢印方向(時計回り方向)に回転駆動され、版胴1の内周面に接触してインキを供給するインキローラ2と、インキローラ2とわずかな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ2との間に断面楔状のインキ溜まり4を形成するドクタローラ3と、インキ溜まり4へインキを供給するインキパイプ5とが配置されている。インキローラ2、ドクタローラ3およびインキパイプ5がインキ供給手段を構成する。
インキ溜まり4のインキは、版胴1の外部に設けられた図示しないインキパック等より図示しないインキポンプで吸引され、インキパイプ5の供給孔より供給されて混練される。インキ溜まり4のインキは、ドクタローラ3により計量されながらインキローラ2の外周面上に薄膜状に供給され、さらにインキローラ2の外周面が版胴1の上記支持円筒体内周面に接触することにより版胴1の開口部1a部分に供給される。
【0029】
版胴1の上記非開口部外周面上の一部分には、版胴1の一つの母線に沿って設けられた強磁性体製のステージ6と、このステージ6の両側端に設けられたクランパ軸に回動自在に取り付けられ、ステージ6の平面部に対して開閉自在なゴム磁石を有するクランパ7とがそれぞれ設けられている。クランパ7は、図示しない装置本体側に設けられた開閉装置(図示せず)により所定位置において開閉される。版胴1は、クランパ7が図1に示す略右横に位置する状態、すなわち給版位置において停止されるようになっている。版胴1は、上記インキパックや上記インキポンプ等と一体的になされた版胴ユニットとして構成されており、上記装置本体に対してインキパイプ5の軸線方向に挿脱自在、すなわち着脱自在になっている。このように上記版胴ユニットを着脱自在にするための着脱手段としては、例えば特開2001−10195号公報の図2に開示されている構成例が挙げられる。
【0030】
インキローラ2に対向する版胴1の外周面の下方近傍には、版胴1の外周面に接離自在なプレスローラ15が配設されている。プレスローラ15は、版胴1上の製版済みのマスタ8に用紙29を押し付ける図2に示す第1の位置とこの第1の位置から離れた第2の位置(図1に示す初期位置でもある)との間で変位自在に構成されている。プレスローラ15における図1より見て奥側の端部には、プレスローラ15を、第1の位置と第2の位置との間で変位させるための変位手段が配設されている。
上記変位手段は、アーム軸16a、プレスローラアーム対16,16(以下、「プレスローラアーム対16」と略記する)、加圧アーム17、カムフォロア18、加圧バネ19およびカム20等から主に構成されている。
【0031】
アーム軸16aは、上記装置本体側に固設された筐体側板(図示せず)に回転自在に支持されている。プレスローラ15は、その横幅が版胴1の横幅と略同じ長さとなるように形成されており、中心部にはプレスローラ軸15aが挿通固着されている。プレスローラ軸15aの両端部は、図1における紙面の手前側および奥側に配置されたアーム軸16aにその一端側が固定されたプレスローラアーム対16の他端側に回転自在に支持されていて、版胴1上の製版済みのマスタに用紙29を介して圧接したときに従動回転するように構成されている。
【0032】
アーム軸16aの端部には、加圧アーム17の一端部が固着されている。加圧アーム17の略中央部には、カムフォロア18が回転自在に軸を持って保持されている。加圧アーム17の他端部側には、プレスローラ15を常に版胴1の外周面に圧接する向きに付勢する加圧バネ19(引張バネ)の一端が係止され、加圧バネ19の他端は上記筐体側板側に係止されている。この加圧バネ19により、加圧アーム17の他端側は、アーム軸16aを中心として時計回り方向に揺動する向きに付勢されている。加圧アーム17の他端部には、図示しない係止手段の係止部材と係合可能な切欠(図示せず)が一体的に形成されていて、該切欠は上記係止部材と係脱可能となっている。
【0033】
一方、カムフォロア18近傍の上記筐体側板には、版胴1の回転と同期して回転するカム20を固着したカム軸20aが回転自在に支持されている。カム20は、小径部と大径部とが形成された例えば板カムからなる。カム軸20aには、図示しないベルトプーリまたはギヤ等が固設されていて、図示しないベルトやギヤ等の駆動伝達手段を介して版胴1を回転駆動する上記電動モータに連結されており、これによりカム20が版胴1の回転と同期して回転するようになっている。加圧バネ19により、カムフォロア18はカム20に常に当接する向きに付勢されている。
上記係止手段は、通紙時(印刷時)以外はプレスローラ15を図1に示す第2の位置(厳密には第2の位置よりもさらに僅かに離間した位置)で保持する周知のものであり、上記係止部材、支軸、ソレノイドおよび引張バネ(共に図示せず)等を具備している。この孔版印刷装置の動作を制御する図示しないマイクロコンピュータを具備した制御手段は、後述する図示しない用紙先端検知センサからの用紙29を通紙する通紙信号に基づいて、上記ソレノイドをオンすることで上記変位手段を作動させるように制御する、すなわちプレスローラ15を第1の位置に揺動・変位させて版胴1上の製版済みのマスタ8に用紙29を押し付けて印刷動作を行わせるようになっている。
【0034】
給紙装置30は、用紙29を繰り出し可能に積載して昇降自在な給紙トレイ28と、給紙トレイ28上の用紙29に接触してレジストローラ対17,17(以下、「レジストローラ対17」と略記する)のニップ部に向けて用紙29を1枚ずつ分離して搬送する分離搬送手段としての給紙ローラ26および分離部材27と、版胴1の外周面とプレスローラ15との間にタイミングを取って用紙29を給送するレジスト手段としてのレジストローラ対17等とを具備している。
【0035】
給紙トレイ28は、図示しない給紙トレイ昇降モータおよびワイヤ式昇降機構等を備えた駆動装置(図示せず)により、積載された用紙29の最上位が常に給紙ローラ26に所定の押圧力(用紙29が搬送可能な押圧力)をもって接触するように、すなわち用紙29の増減に連動して用紙29が搬送可能な範囲の押圧力で接触する状態を保持しつつ昇降される。給紙トレイ28は、多くの用紙種類および用紙サイズを使用できる構造を有すると共に、その用紙積載容量を例えば用紙サイズA3やA4の用紙29で500枚以上を積載可能とする孔版印刷装置に適した構造を有する。
【0036】
給紙ローラ26は、金属製の給紙ローラ軸26aと一体的に形成されていて、給紙ローラ軸26aの一端部が上記筐体側板に回転自在に支持されている。分離部材27は、用紙29に対する摩擦係数の高いゴムや樹脂で形成され給紙ローラ26に当接可能となっている分離パッドと呼ばれる部材を有している。この分離パッドは、付勢手段としての図示しない圧縮バネにより給紙ローラ26に押し付けられる向きに付勢されている。給紙ローラ26は、例えばパルス入力で駆動するモータである図示しないステッピングモータに歯付きプーリおよび歯付きベルトを介して連結されていて、上記ステッピングモータにより時計回り方向に回転駆動される。
【0037】
レジストローラ対17は、軸を持って上記筐体側板に回転自在に支持されている。上側のレジストローラ17は、下側のレジストローラ17に対して所定のタイミングで当接するように接離自在に設けられている。下側のレジストローラ17は、例えばパルス入力で駆動するモータである図示しないステッピングモータに歯付きプーリおよび歯付きベルトを介して連結されていて、上記ステッピングモータにより反時計回り方向に回転駆動される。
【0038】
なお、給紙ローラ26やレジストローラ対17を回転駆動する駆動手段は、上記各ステッピングモータに限らず、上記電動モータからの回転駆動力をベルトやギヤおよびカムを具備した駆動力伝達・同期手段を介して上記版胴1の回転に同期して駆動するものもある。
【0039】
版胴1とプレスローラ15との間からレジストローラ対17のニップ部までの用紙搬送経路には、レジストローラ対17から給送された用紙29の先端を検知する用紙先端検知手段としての用紙先端検知センサ(図示せず)が配設されている。該用紙先端検知センサは、例えば発光部および受光部を具備した反射型の光学センサである。
【0040】
排紙装置45は、上記したエアーナイフ31と、エアーナイフ31が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、先端31a(以下、「尖端31a」と言い替える)を突出し、エアーナイフ31が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、尖端31aを収納する収納部材36と、エアーナイフ31により図2に示す版胴1上の製版済みのマスタ8から剥離・分離された印刷済みの用紙29を吸引しながら上記排紙トレイに搬送し排出する排紙搬送装置37と、上記した排紙トレイとから主に構成されている。
【0041】
排紙搬送装置37は、上記筐体側板対に回転自在に支持され図1および図2において反時計回り方向に回転自在な排紙ローラ前38と、同じく上記筐体側板対に回転自在に支持され図1および図2において反時計回り方向に図示しないモータにより回転駆動される排紙ローラ後39と、排紙ローラ前38および排紙ローラ後39に張り渡され多孔性の排紙ベルト40と、上側の排紙ベルト40の下方に配置され剥離・分離された印刷済みの用紙29を吸引するための吸引ファン41とを具備する。
【0042】
エアーナイフ31は、版胴1上の製版済みのマスタ8に用紙29を介してプレスローラ15が圧接することにより形成される印刷部(ニップ部)の下流近傍に、その尖端31aが上記剥離位置と上記非剥離位置との間に揺動・変位できるように配設されている。
エアーナイフ31は、例えば特開2001−10195号公報の図1および図4ないし図6等に示されているものと比較して、エアーナイフ31の下部に用紙案内部35が一体的に形成されていることが主に相違する。すなわち、エアーナイフ31は、特開2001−10195号公報明細書の段落番号(0025)および(0050)ないし(0054)等に記載されているものと略同様に構成されている。
【0043】
具体的には、エアーナイフ31は、図1ないし図4に示すように、用紙29が版胴1の外周面に貼り付いて巻き上がるのを確実に防止するために、その尖端31aの部分が尖った分離爪とも呼ばれる剥離爪の構成・機能を有すると共に、その剥離爪部位の先端部からエアーを吐出する図4のみに示すノズル33を備えている。このノズル33は、図示しない空気圧発生装置のポンプから用紙29の先端の搬送と同期して圧縮空気流が高速で吐出され、版胴1に押し付けられている用紙29の先端部と版胴1の外周面との間に吹き付ける周知のものである。
より具体的には、例えば後述する実施形態3等において版胴1の回転と同期して作動する図12に示す給気手段64からの圧縮空気であってもよい。
【0044】
エアーナイフ31は、エアーナイフアーム34を介して、エアーナイフ31の基部を固定し、該エアーナイフ31を揺動可能に支持するエアーナイフ軸32に連結・固定されている。エアーナイフ軸32の両端部は、上記筐体側板対に所定角度回動自在に支持されている。エアーナイフ31の下部には、その尖端31aから基端部側にかけて薄板状かつ略扇形状の用紙案内部35が一体的に形成されている。用紙案内部35は、図3(b)に示すように、エアーナイフ31が上記剥離位置を占めたとき、その尖端31aにより剥離した印刷済みの用紙29の先端面等を僅かに窪んだ湾曲面形状をなす用紙当接面35aに沿わせることにより、収納部材36に衝突したり引っ掛かってしまうことでジャム等を生じることなく、排紙搬送装置37の排紙ベルト40に整然と案内し受け渡す役目を有している。この点から、エアーナイフ31の尖端31a部位はできるだけ尖った形状を残して確実な剥離性能を維持するために、用紙案内部35の用紙当接面35aの形状を上記のように形成している。
【0045】
エアーナイフ31は、例えば上記特開2001−10195号公報の図1および図4ないし図6等に示されている分離部材変位手段(17aおよび17b)の何れか一方(以下、分離部材変位手段(17a)を代表として説明する)により、その尖端31aがエアーナイフ軸32を中心として上記剥離位置(分離位置)と上記非剥離位置(非分離位置)との間に揺動可能となっている。
上記剥離位置とは、好ましくは、エアーナイフ31の尖端31aが、プレスローラ15の外周面と版胴1の外周面との圧接したときにおける版胴1の凹み変形した外周面にも干渉せず、かつ、版胴1の外周面から用紙29の先端部を剥離・分離するのに最適な、版胴1の外周面からその遠心方向に最小間隙を有する位置に変位した位置をいう。また、上記非剥離位置とは、エアーナイフ31の尖端31aが、クランパ7配置部等の版胴1の外周突出部分と干渉しない位置に変位した位置をいう。また、例えば上記特開2001−10195号公報で開示されている分離部材退避手段(70a,70b)のような構成を有していないものにあっては、上記剥離位置とは、エアーナイフ31の尖端31aが、版胴1の外周面に干渉せず、かつ、版胴1の外周面から用紙29の先端部を剥離・分離するのに最適な、版胴1の外周面からその遠心方向に最小間隙を有する位置に変位した位置をいう。
【0046】
分離部材変位手段(17a)は、上記したエアーナイフアーム34と、上記したエアーナイフ軸32と、版胴1の支軸5に対して着脱自在に設けられ、版胴1の回転と同期して回転駆動され、かつ、上記剥離位置と上記非剥離位置との間にエアーナイフ31の尖端31aを選択的に変位させるための剥離爪カム(75)と、エアーナイフ軸32に設けられ、剥離爪カム(75)に従動するカムフォロアを構成するローラ(77a)およびこのローラ(77a)を一方の自由端で回動自在に支持するカムフォロアアーム(76)と、カムフォロアアーム(76)のローラ(77a)を剥離爪カム(75)の輪郭周面に圧接する向きに付勢する付勢手段としてのバネ(78)(引張バネ)とを具備している。
なお、上記特開2001−10195号公報記載の技術では、同公報明細書の段落番号(0025)および(0055)ないし(0057)、ならびに図1および図4ないし図6に示されている同技術に特有の分離部材退避手段(70a,70b)により、同公報の段落番号(0086)ないし(0089)に記載されているとおりの特徴的な動作が行われるが、本発明では該構成および動作はその要旨とするところではないので、その説明を省略する。
【0047】
エアーナイフ軸32の一端には図示しない加圧アームが固設されている。この加圧アームには、図示しないエアーナイフ係止手段の係止部材と係合可能な切欠(図示せず)が一体的に形成されていて、該切欠は上記係止部材と係脱可能となっている。
上記エアーナイフ係止手段は、通紙時(印刷時)以外はエアーナイフ31を図1に示す上記非剥離位置(厳密には非剥離位置よりもさらに僅かに離間した位置)で保持する周知のものであり、上記エアーナイフ係止部材、支軸、ソレノイドおよび引張バネ(共に図示せず)等を具備している。上記制御手段は、上記用紙先端検知センサからの通紙信号に基づいて、上記ソレノイドをオンすることで分離部材変位手段(17a)を作動させるように制御する、すなわちエアーナイフ31を上記剥離位置に揺動・変位させて版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29を剥ぎ取る排紙・剥離動作を行わせるようになっている。非印刷状態のときや、版胴1が上記版胴ユニットを構成して上記装置本体から離脱するホームポジションを占めているときには、上記エアーナイフ係止手段によりエアーナイフ31は上記非剥離位置に保持されると共に、その尖端31aが収納部材36の内部に退避した状態で保持されるようになっている。
【0048】
収納部材36は、図4に詳しく示すように、例えばステンレススチール製の薄板や板金材あるいは適宜の樹脂を折り曲げて断面コ字状をなすように一体成形されていて、上記装置本体側の上記筐体側板に固設された図示しない不動部材に図1ないし図3に示すように右下がりの傾斜した状態で取り付け固定されている。収納部材36の下部底壁には、エアーナイフ31の用紙案内部35を緩く嵌入する案内溝36aが形成されている。
【0049】
次に、孔版印刷装置の動作を説明する。
ユーザにより上記原稿読取装置の上記原稿受台に図示しない原稿がセットされ、これに前後して印刷に使用すべき用紙種類および用紙サイズの用紙29を適宜給紙トレイ28上に補充積載する。次いで、図示しない操作パネル上の製版スタートキー(図示せず)が押されるとスタート信号が生成されて、これが上記制御手段に入力されることによって排版から排紙に亘る一連の動作が自動的に行われる。最初に排版動作と並行して製版動作が行われる。
【0050】
まず、上記電動モータが回転駆動されることにより版胴1が回転し、図示しない上記排版装置により、版胴1に巻装されている使用済みのマスタ8が剥離され上記排版ボックス内に廃棄される。次いで、版胴1はクランパ7が図1において略右真横位置となる給版位置まで回転して停止する。版胴1が該給版位置に停止すると、クランパ7が上記開閉装置により開放されて給版待機状態となる。
【0051】
給版待機状態において、上記原稿読取装置に配設されている図示しない原稿分離搬送装置の作動により1枚の原稿が読取部に送出されて、図示しないスキャナの作動によってその原稿の画像が光学情報として読み取られ、CCD(電荷結合素子)等からなる画像センサで上記光学情報がアナログの電気信号に変換され、さらに上記A/D変換器および上記製版制御装置を経由して処理されて送出されるデジタル画像信号によって、サーマルヘッド10の上記発熱素子が主走査方向にパルス状に通電されて選択的に発熱される。これと同時に、上記ステッピングモータが回転駆動されることにより、プラテンローラ9および搬送ローラ対12が回転を開始して、マスタロール8aからマスタ8が引き出されつつ上記主走査方向と直交する副走査方向でもあるマスタ搬送方向X1に搬送されながら、マスタ8の上記熱可塑性樹脂フィルム部分が画像情報に応じて選択的に加熱穿孔される製版が行われる。
【0052】
そして、マスタ8の先端部がガイド板13に案内されてステージ6に対して拡開しているクランパ7の間に挿入され、搬送ローラ対12等が所定の角度回転して、これに対応して上記ステッピングモータのステップ数がある設定値に達し、製版済みのマスタ8の先端がステージ6とクランパ7との間に届いたと判断されると、上記開閉装置によりクランパ7が閉じられ、製版済みのマスタ8の先端部がステージ6とクランパ7との間に吸着・挾持される。
製版済みのマスタ8の先端部のクランプ後、上記電動モータの回転駆動により版胴1がマスタ搬送速度と略同じ周速度で図1に示す矢印方向に回転を再開して、製版済みのマスタ8が搬送ローラ対12により搬送されて版胴1の外周面へ巻装されるべく給版される。
【0053】
上記ステッピングモータの所定ステップ数の回転駆動により、マスタ8への製版および設定量の製版済みのマスタ8の搬送が終了したと判断されると、カッタ11が作動して製版済みのマスタ8が切断されると共に、上記ステッピングモータの回転駆動が停止されることによりプラテンローラ9および搬送ローラ対12の回転が停止する。そして、切断された製版済みのマスタ8の後端が、版胴1の回転によって製版装置14内から引き出され、版胴1の外周面に完全に巻き取られた段階で版胴1への製版済みのマスタ8の巻装が終了する。
【0054】
版胴1への製版済みのマスタ8の巻装が完了すると、版胴1が所定の周速度で図1の矢印方向に回転し始めることにより、給紙・印刷工程が開始される。なお、用紙29の先端が上記用紙先端検知センサを横切り・通過するまでは、換言すれば上記用紙先端検知センサにより用紙29の先端がオン検知されるまでは、上記制御手段によって上記係止手段の上記ソレノイドがオフされたままに制御されているため上記変位手段は非作動状態にあり、これによりプレスローラ15は第2の位置、すなわち版胴1の外周面から離間した初期位置で保持されている。
【0055】
次いで、版胴1の回転位置に合わせての所定のタイミングで、上記ステッピングモータが起動することにより給紙ローラ26が時計回り方向に回転し、給紙ローラ26と接触している給紙トレイ28上の最上の用紙29が、搬送されながら分離部材27との協働作用により1枚に分離されて用紙搬送方向X2の下流側にあるレジストローラ対17のニップ部に向けて送り出される。
【0056】
給紙ローラ26の回転により用紙29の先端がレジストローラ対17のニップ部に向けて正常に搬送されたと、上記ステッピングモータへの所定のパルス数(所定のステップ数)から判断されると、給紙ローラ26の回転が停止する。
用紙29は、上記ステッピングモータが停止するまでの間、レジストローラ対17のニップ部で用紙29の先端が当接した後、用紙29の先端部に所定の湾曲した撓みが形成された状態で保持される。
【0057】
次いで、版胴1が図1における矢印方向にさらに回転して、その版胴1上の製版済みのマスタ8の製版画像先端位置に合わせての所定のタイミングで、レジストローラ対17側の上記ステッピングモータが起動することにより、レジストローラ対17のニップ部で当接して待機している用紙29の先端がレジストローラ対17でタイミングを取られて版胴1とプレスローラ15との間に向けて送り出される。この後、レジストローラ対17側の上記ステッピングモータは所定パルス数(所定ステップ数)分回転駆動された後停止する。
【0058】
そして、レジストローラ対17側の上記ステッピングモータに供給される所定のパルス数内に、上記用紙先端検知センサにより用紙29の先端がオン検知されることによって、上記係止手段の上記ソレノイドに通電がなされ、該ソレノイドがオンすることにより上記変位手段を作動させる。すなわち、上記ソレノイドがオンすることで、加圧アーム17はその係止状態を解除されて加圧バネ19の付勢力によってアーム軸16aを中心に時計回り方向に揺動する。加圧アーム17の揺動により、カムフォロア18の外周面がカム20の輪郭周面と当接し、カムフォロア18の外周面がカム20の小径部周面と対向し非当接状態となるカム20の回転位置で、プレスローラアーム対16はアーム軸16aを中心に加圧バネ19の付勢力によって時計回り方向に揺動し上昇することとなる。
【0059】
これにより、プレスローラ15は、その外周面が版胴1上の製版済みのマスタ8に用紙29を押し付ける第1の位置に変位して、プレスローラ15は従動回転しながら版胴1上の製版済みのマスタ8に用紙29を連続的に押し付けることで、製版済みのマスタ8を版胴1の外周面に密着させそれにインキを充填させるためのいわゆる版付け印刷が行われる。この版付け印刷では、版胴1の開口部1aの開孔部分から製版済みのマスタ8の穿孔部分へとインキが滲み出てきて用紙29の表面に転移されることで孔版印刷が行われる。
この時、インキローラ2も版胴1の回転方向と同一方向に回転する。インキ溜まり4のインキは、インキローラ2の回転によりインキローラ2の表面に付着され、インキローラ2とドクターローラ3との間隙を通過する際にその量を規制され、版胴1の内周面に供給される。
【0060】
またこの時、上記用紙先端検知センサにより用紙29の先端がオン検知されることによって、上記エアーナイフ係止手段の上記ソレノイドに通電がなされ、これにより分離部材変位手段(17a)を作動させることとなる。すなわち、上記ソレノイドがオンすることで、バネ(78)の付勢力付与状態下において分離部材変位手段(17a)の分離爪カム(75)が版胴1と共に版胴1のホームポジション(クランパ7が略真下に位置する版胴1の回転位置)から時計回り方向に少し回転すると、分離爪カム(75)の小径部とカムフォロアアーム(76)のローラ(77a)とが対向することとなり、これにより図2に示すように、カムフォロアアーム(76)、エアーナイフアーム34およびエアーナイフ31は共にエアーナイフ軸32を中心として反時計回り方向に揺動して、図3(a)に示すように収納部材36内に収納されていたエアーナイフ31の尖端31aが図2および図3(b)に示すように版胴1の外周表面に近接して剥離位置を占めることで、版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29の先端部が確実に剥離される。エアーナイフ31の尖端31aにより剥離された印刷済みの用紙29の先端部は、エアーナイフ31の尖端31a下部の用紙当接面35aに当接しつつこれに沿って排紙搬送装置37の排紙ベルト40へと案内される。
【0061】
剥離された用紙29は、排紙搬送装置37の作動により排紙ベルト40上に吸引・吸着されて搬送されながら上記排紙トレイに排出・積載される。
説明が前後するが、版胴1が図1中矢印方向に回転して、クランパ7が、版胴1に圧接しているプレスローラ15の近傍に至ると、版胴1の回転と同期して回転駆動されていたカム20が、その大径部周面をカムフォロア18の外周面に接する位置に回転させているので、プレスローラ15は版胴1の外周面から外側へ突出しているクランパ7配置部から離間することとなり、プレスローラ15とクランパ7部位との干渉が避けられる。
【0062】
同様に、クランパ7が剥離位置を占めているエアーナイフ31の尖端31aの近傍に至ると、版胴1の回転と同期して回転駆動されていた分離爪カム(75)が、その大径部周面をカムフォロアアーム(76)のローラ(77a)の外周面に接する位置に回転させているので、版胴1のクランパ7配置部から離間することとなる。これと同時に、図1に二点鎖線でおよび図3(a)に示すように、エアーナイフ31はエアーナイフ軸32を中心として時計回り方向に揺動することにより、エアーナイフ31における下方に突出した用紙案内部35が収納部材36の案内溝36aに案内されつつその尖端31aが収納部材36内に収納されるので、エアーナイフ31の尖端31aとクランパ7部位との干渉が避けられる。
【0063】
一方、プレスローラ15が版胴1の外周面に当接した時点より版胴1が略4分の3周し、カム20の大径部周面とカムフォロア18とが接する時点、つまり、上記係止部材と加圧アーム17の上記切欠とが係止可能な時点において、上記ソレノイドへの通電が遮断されると、上記係止部材は係止状態となることによりプレスローラ15は、版胴1の外周面から離れた第2の位置(初期位置)に復帰して保持されて、印刷待機状態となる。エアーナイフ31も同様に、上記非剥離位置に保持されることにより、用紙案内部35が収納部材36の案内溝36aの奥に保持されると共に、その尖端31aが収納部材36内に収納・待避保持されることとなる。
【0064】
版付け印刷終了後、ユーザは上記排紙トレイに排出された印刷物を適宜目視して、通常の印刷動作を行ってもよいかどうかを適宜判断し、オーケーであれば上記操作パネルの図示しないテンキーで印刷枚数を設定し、上記操作パネルの図示しない印刷スタートキーを押すと、上記したと同様の給紙、通常の印刷および排紙の各動作が順次行われる。なお、版付け印刷された用紙29の枚数は、正規の通常の印刷枚数としてカウントされないようになっている。
通常の印刷動作は、版付け印刷動作と比較して、上記したように版付け印刷された用紙29の枚数が正規の通常の印刷枚数としてカウントされないこと、およびユーザが所望する設定印刷速度に応じた速度での給紙、印刷および排紙の各動作が行われることが主に相違するだけである。
【0065】
したがって、実施形態1によれば、用紙29の版胴1への巻き上がり時におけるトラブル処理時や、孔版印刷装置内部のプレスローラ15周りの清掃時などにおいて、エアーナイフ31の尖端31aに特に注意を払わなくても済むようになる。また、誤ってエアーナイフ31に触れたとしても、その尖端31aが収納部材36内に収納されているから、手等に傷を付けてしまうこともない。加えて、エアーナイフ31の尖端31aを従来とほぼ同様に遜色無く尖らせることができるので、版胴1上の製版済みのマスタ8と用紙29の先端部との間の隙間(浮き上がり)が僅かであっても確実にその間に挿入することができるようになり、巻き上がりが発生しやすい用紙29にも対応できるようになる。
【0066】
上述したとおり、本発明の請求項1および請求項3に係る実施形態1と上記特開2001−10195号公報の図1および図4ないし図6等に示されているエアーナイフ7a,7b周りの構成との本質的な相違点は、実施形態1が、エアーナイフ31が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、尖端31aを突出し、エアーナイフ31が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、尖端31aを収納する収納部材36を有していることおよび収納部材36がエアーナイフ31により剥ぎ取られた印刷済みの用紙29の先端面および先端縁を含む先端部の移動を妨げないような用紙案内部35をエアーナイフ31に有していることだけであると言える。
【0067】
実施形態1の上記例では、エアーナイフ軸32を中心として上記剥離位置と上記非剥離位置とを選択的に占める揺動変位可能なエアーナイフ31に対して、装置本体側に固定した収納部材36を適用したものであったが、これに限らず、エアーナイフ31に代えて、例えば特許第2856622号公報(特開平6−247029号公報)に開示されているような分離爪軸(34)を中心として上記剥離位置と上記非剥離位置とを選択的に占める揺動変位可能な剥離部材としての分離爪(15)に対して、装置本体側に固定した収納部材36を適用することもできるし、例えば特許第2968098号公報(特開平5−50737号公報)に開示されているような剥離爪(6)にも適用できる。その場合、分離爪(15)や剥離爪(6)の下部に、上述したような用紙案内部35を一体的にまたは別体的に付設すればよい。
【0068】
なお、現状のエアーナイフ31、エアーナイフアーム34およびエアーナイフ軸32等のレイアウトを変更できるのであれば、次のようなことも容易に実施できる。すなわち、エアーナイフ軸32を図1等に示した位置よりもさらに上方に移動し、かつ、エアーナイフアーム34を図1等に示したよりも長く延ばし、なおかつ、収納部材36を後述する実施形態2のようなガイド収納部材54の位置に固定すれば、これによりエアーナイフ31の尖端31aをして近似的な直線運動(実施形態1よりも、エアーナイフ軸32を中心としたより大きな半径で尖端31aが揺動する)させることが可能となるから、エアーナイフ31の用紙案内部35を除去することも可能となる。
【0069】
(実施形態2)
図5ないし図7に実施形態2を示す。
この実施形態2は、実施形態1と比較して、図5および図6に示すように、排紙装置45に代えた排紙装置45Aを有することのみ相違する。
排紙装置45Aは、排紙装置45と比較して、エアーナイフ31に代えて、図6に示す剥離位置と図5に示す非剥離位置とを選択的に占める進退可能な剥離部材としての剥離爪50を有すること、および収納部材36に代えて、装置本体側に固定されていて、剥離爪50が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、その先端50a(以下、「尖端50a」と言い替える)を突出し、剥離爪50が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、尖端50aを収納する機能・構成を備えると共に、上記剥離位置と上記非剥離位置との間に剥離爪50を案内する機能・構成をも備える収納部材としてのガイド収納部材54を有することが主に相違する。
【0070】
この実施形態2は、請求項1および請求項2に係る発明を、例えば特許第2856622号公報(特開平6−247029号公報)の図1、図2および図4等に示されているような分離爪軸(34)を中心として上記剥離位置と上記非剥離位置とを選択的に占めるべく揺動変位する剥離部材としての分離爪(15)を具備する排紙装置(30)に適用したものである。実施形態2は、手短に言えば上記公報記載の揺動変位可能な分離爪(15)に代えて、装置本体側の所定の位置に固定した直方体状の案内空間を有するガイド収納部材54を新たに設け、剥離爪50をしてガイド収納部材54内を直線運動可能にしたものである。
【0071】
剥離爪50およびガイド収納部材54は、版胴1上の製版済みのマスタ8に用紙29を介してプレスローラ15が圧接することにより形成される印刷部(ニップ部)の下流近傍(図5および図6に示す版胴1の左下側)に配設されている。
【0072】
剥離爪50は、図5ないし図7に示されているように、上記特許第2856622号公報(特開平6−247029号公報)の図1、図2および図4に示されている分離爪(15)と略同様な矩形状の断面と薄く尖った尖端50a形状を有する他、下部に突出した凸部50bが一体形成されている。
剥離爪50の基部側はピン53を介して剥離爪アーム51の自由端に連結されている。このように剥離爪50の基部側と剥離爪アーム51の自由端とは、ピン53によるピン結合であり、剥離爪アーム51の自由端部はピン53の回りに動きうる。剥離爪アーム51の基端部は、該剥離爪アーム51の自由端部を揺動可能に支持する剥離爪アーム軸52に連結・固定されている。剥離爪アーム軸52の両端部は、上記筐体側板対に所定角度回動自在に支持されている。
【0073】
剥離爪アーム軸52および剥離爪アーム51は、例えば上記特許第2856622号公報(特開平6−247029号公報)の図1に示されているカム(22L)、コロ(35)、分離爪駆動アーム(36)および引張りコイルばね(38)等を具備する揺動機構により、版胴1の回転と同期して揺動運動をするようになっている。
【0074】
剥離爪アーム51の自由端には、図示しない剥離爪係止手段の剥離爪アーム係止部材と係合可能な切欠(図示せず)が一体的に形成されていて、該切欠は上記係止部材と係脱可能となっている。
上記剥離爪係止手段は、実施形態1と同様に、通紙時(印刷時)以外は剥離爪50を上記非剥離位置(厳密には非剥離位置よりもさらに僅かに離間した位置)で保持する周知のものであり、上記剥離爪アーム係止部材、支軸、ソレノイドおよび引張バネ(共に図示せず)等を具備している。図示しない制御手段は、上記用紙先端検知センサからの通紙信号に基づいて、上記ソレノイドをオンすることで上記揺動機構を作動させるように制御する、すなわち剥離爪50をガイド収納部材54に案内させながら上記剥離位置に直線運動させて版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29を剥ぎ取る排紙・剥離動作を行わせるようになっている。非印刷状態のときや、版胴1が上記版胴ユニットを構成して上記装置本体から離脱するホームポジションを占めているときには、上記剥離爪係止手段により剥離爪50は上記非剥離位置に保持されると共に、その尖端50aが収納部材36の内部に退避した状態で保持されるようになっている。
【0075】
収納部材36は、図7に詳しく示すように、例えば剥離爪50の材質との関係で摩擦抵抗が小さくかつ耐摩耗性のよい材料を用いて、断面略コ字状をなすように一体成形されている。これにより、収納部材36の内部には、剥離爪50をして直線運動させるべく直方体状の案内空間が形成されている。ガイド収納部材54は、上記装置本体側の上記筐体側板に固設された図示しない不動部材に図5および図6に示すように右下がりの傾斜した状態で取り付け固定されている。ガイド収納部材54の下部底壁には、剥離爪50の凸部50bを緩く嵌入し位置決めするためのガイド溝54aが形成されている。
【0076】
実施形態2の動作について、実施形態1のそれと相違する排紙動作を中心として説明する。
実施形態1と同様の版付け印刷や通常の印刷が行われる時、上記用紙先端検知センサにより用紙29の先端がオン検知されることによって、上記剥離爪係止手段の上記ソレノイドに通電がなされ、該ソレノイドがオンすることにより上記揺動機構を作動させる。すなわち、上記ソレノイドがオンすることで、引張りコイルばね(38)の付勢力付与状態下においてカム(22L)が版胴1と共に版胴1のホームポジション(クランパ7が略真下に位置する版胴1の回転位置)から時計回り方向に少し回転すると、カム(22L)の小径部と分離爪駆動アーム(36)のコロ(35)とが対向することとなり、これにより図6に二点鎖線で示すように、剥離爪アーム51は剥離爪アーム軸52を中心として反時計回り方向に揺動する。このとき、剥離爪50はピン53を介して剥離爪アーム51の自由端部に連結されていることにより、同剥離爪50の尖端50aがガイド収納部材54内を摺接・滑動しつつ同図6に二点鎖線で示すように上記剥離位置に向かって直線的に案内されて、版胴1の外周表面に近接して剥離位置を占めることで、版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29の先端部が確実に剥離されることとなる。剥離爪50の尖端50aにより剥離された印刷済みの用紙29の先端部は、剥離爪50の尖端50a部位の傾斜面に沿って排紙搬送装置37の排紙ベルト40へと案内される。
【0077】
なお、クランパ7が版胴1に近接していて剥離位置を占めている剥離爪50の尖端50aの近傍に至ると、版胴1の回転と同期して回転駆動されていたカム(22L)が、その大径部周面を分離爪駆動アーム(36)のコロ(35)の外周面に接する位置に回転させているので、版胴1のクランパ7配置部から離間することとなる。これと同時に、図5に実線で示すように、剥離爪アーム51は剥離爪アーム軸52を中心として時計回り方向に揺動する。このとき、剥離爪50はピン53を介して剥離爪アーム51の自由端部に連結されていることにより、同剥離爪50の尖端50aがガイド収納部材54内を摺接・滑動しつつ同図5に実線で示すように上記非剥離位置に向かって直線的に案内されて、その尖端50aがガイド収納部材54内に収納されるので、剥離爪50の尖端50aとクランパ7部位との干渉が避けられる。
そして、印刷待機状態や版胴1が装置本体から離脱されるホームポジションにおいては、剥離爪50の尖端50aがガイド収納部材54内に収納・待避保持されることとなる。
【0078】
したがって、実施形態2によれば、用紙29の版胴1への巻き上がり時におけるトラブル処理時や、孔版印刷装置内部のプレスローラ15周りの清掃時などにおいて、剥離爪50の尖端50aに特に注意を払わなくても済むようになる。また、誤って剥離爪50に触れたとしても、その尖端50aがガイド収納部材54内に収納されているから、手等に傷を付けてしまうこともない。加えて、剥離爪50の尖端50aを従来と同様に、実施形態1と比較してより薄く尖らせることができるので、版胴上の製版済みのマスタ8と用紙29の先端部との間の隙間(浮き上がり)が僅かであっても確実にその間に挿入することができるようになり、巻き上がりが発生しやすい用紙にもより確実に対応できるようになる。
【0079】
(実施形態3)
図8ないし図12に実施形態3を示す。
この実施形態3は、実施形態1と比較して、図8および図10に示すように、排紙装置45に代えた排紙装置45Bを有することのみ相違する。
排紙装置45Bは、排紙装置45と比較して、エアーナイフ31に代えて、図10および図11に示す剥離位置と図8および図9に示す非剥離位置とを選択的に占める剥離部材としての可動剥離爪60を有すること、収納部材36に代えて、可動剥離爪60が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、可動剥離爪60の先端60a(以下、「尖端60a」と言い替える)を突出し、可動剥離爪60が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、尖端60aを収納するように可動剥離爪60を移動可能に案内し、上記剥離位置と上記非剥離位置との間での可動剥離爪60の移動動作に連動して変位可能な案内収納部材61を有すること、可動剥離爪60が上記印刷時において上記剥離位置を占めたとき、案内収納部材61から尖端60aを突出させる向きに可動剥離爪60に圧縮空気を供給する図12に示す給気手段64と、および可動剥離爪60が上記非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、案内収納部材61の内部に尖端60aを収納させる向きに付勢する付勢手段としてのバネ63(圧縮バネ)とを有することが主に相違する。
【0080】
可動剥離爪60および案内収納部材61は、実施形態1と同様に上記印刷部(ニップ部)の下流近傍(図8および図10に示す版胴1の左下側)に配設されている。
可動剥離爪60は、図9および図11に詳しく示すように、上記した尖端60aの他に、尖端60aの上部近傍に形成され圧縮空気を吐出する吐出孔60bと、図における左端に形成され給気手段64からの圧縮空気を受ける円い圧壁面60cと、吐出孔60bの上部に形成されバネ63を収納すると共に案内収納部材61からの尖端60aの突出量を規制するストッパ部60dと、可動剥離爪60の下部に突出して形成され案内収納部材61に対する可動剥離爪60の位置を決めると共に、回り止めの機能を有する凸部60eとを具備している。可動剥離爪60には、上記のものが一体的に形成されている。可動剥離爪60の尖端60a近傍、すなわち可動剥離爪60における吐出孔60bの図において右端には、給気手段64からの圧縮空気の一部が供給される吐出口が形成されている。
【0081】
案内収納部材61は、図9ないし図11に示されているように、上記筐体側板対間に回動可能に支持された支軸62に一体的に形成されている。案内収納部材61は、図9および図11に詳しく示すように、可動剥離爪60を収納可能な有底円筒状をなしている。案内収納部材61は、図における下部に形成され可動剥離爪60の凸部60eを緩く嵌入して可動剥離爪60を摺動自在にする溝部61aと、溝部61aの左端に形成され可動剥離爪60の図において左方向への移動を規制する溝止まり61bと、給気手段64からの圧縮空気を通すチューブ65を接続する通気可能な接続口61cと、案内収納部材61の上部に形成され可動剥離爪60のストッパ部60dと協働して尖端60aの突出量を規制する衝止部61dとを具備している。案内収納部材61には、上記のものが一体的に形成されている。
【0082】
上記のとおり、可動剥離爪60は、案内収納部材61の材質との関係で摩擦抵抗が小さくかつ耐摩耗性のよい材料を用いていることにより、また案内収納部材61の溝部61aと可動剥離爪60の凸部60eとが緩く嵌合して回り止めされることにより、案内収納部材61の上記円筒状の内壁面に対して回転することなく滑らかに摺動できるようになされている。
【0083】
給気手段64は、例えば特許第2968098号公報(特開平5−59737号公報)の図2に示されているものと同様である。すなわち、給気手段64は、案内収納部材61の接続口61cと給気用のチューブ65で連結・連通されたシリンダ66と、このシリンダ66内に装着されシリンダ66内を上死点および下死点の間で滑らかに摺動自在なピストン67と、その一端がピストン67にピンを介して連結され他端がクランクプーリ69にピンを介して連結されたリンク68と、版胴1と同期して回転しその回転駆動力をリンク68に伝達するクランクプーリ69とから主に構成されている。
ピストン67には、シリンダ66の内側と外側とを連通する通気孔67aが開けられており、また通気孔67aを開閉する図示しない弁板が設けられている。これにより、ピストン67の往動・圧縮行程においては圧縮空気による正圧が発生し、復動・戻り時には負圧が発生しないようになっている。
【0084】
可動剥離爪60および案内収納部材61は、例えば上記特開2001−10195の図1および図4ないし図5に示されている分離部材変位手段(17a)と類似の揺動機構(具体的には、実施形態1の分離部材変位手段(17a)と比較して、エアーナイフ軸32に代えて支軸62とし、エアーナイフ31に代えて可動剥離爪60を収納した案内収納部材61とし、エアーナイフアーム34を除去して案内収納部材61を支軸62に固設した点のみ相違する)によって、版胴1の回転と同期して揺動する。
すなわち、図示しない制御手段は、通紙時(印刷時)において、上記用紙先端検知センサからの通紙信号に基づいて、実施形態1と略同様の係止手段の上記ソレノイドをオンすることで上記揺動機構を作動させるように制御する。具体的には、後述する動作により可動剥離爪60を案内収納部材61に案内させながら上記剥離位置に直線運動させて版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29を剥ぎ取る排紙・剥離動作を行わせるようになっている。
また、図示しない制御手段は、通紙時(印刷時)以外は案内収納部材61と一緒に可動剥離爪60を上記非剥離位置(厳密には非剥離位置よりもさらに僅かに離間した位置)で保持させるように上記係止手段を制御するようになっている。非印刷状態のときや、版胴1が上記版胴ユニットを構成して上記装置本体から離脱するホームポジションを占めているときには、上記係止手段により可動剥離爪60は上記非剥離位置に保持されると共に、その尖端60aが案内収納部材61の内部に退避した状態で保持されるようになっている。
【0085】
実施形態3は、請求項5および請求項7に係る発明を、例えば特許第2968098号公報(特開平5−59737号公報)の図1や図2に示されているような剥離爪軸を中心として上記剥離位置と上記非剥離位置とを選択的に占めるべく揺動変位可能であり、かつ、給気手段(11)からの圧縮空気を上記剥離位置で噴出する剥離爪(6)を具備する排紙装置に適用したものである。実施形態3は、手短に言えば上記公報記載の剥離爪(6)等に代えて、給気手段64からの圧縮空気を上記剥離位置で吐出すると共に、給気手段64からの圧縮空気により可動剥離爪60を案内収納部材61内に移動可能にしたものである。
【0086】
実施形態3の動作について、実施形態1のそれと相違する排紙動作を中心として説明する。
実施形態1と同様の版付け印刷や通常の印刷が行われる時、上記用紙先端検知センサにより用紙29の先端がオン検知されることによって、実施形態1と同様の動作を介して、図10に実線で示すように、可動剥離爪60を収納した案内収納部材61は支軸62を中心として反時計回り方向に揺動する。
【0087】
一方、上記動作と並行して、給気手段64のクランクプーリ69が版胴1の回転と同期して回転されて、リンク68の移動によりピストン67がその下死点から上死点に向けて移動を開始し、このピストン67の移動によって発生した圧縮空気がシリンダ66からチューブ65を介して送られ、図11に示す可動剥離爪60の圧壁面60cに供給されることにより、可動剥離爪60の尖端60aがバネ63の付勢力に抗して案内収納部材61内から突出する向きに押されて移動し、図10および図11に示す上記剥離位置を占める。これと同時に、圧縮空気の一部は吐出孔60bを通ってその吐出口から吐出することによって、版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29の先端部が確実に剥離される。可動剥離爪60の尖端60aおよび圧縮空気により剥離された印刷済みの用紙29の先端部は、排紙搬送装置37の排紙ベルト40へと案内される。
【0088】
なお、クランパ7が版胴1に近接していて上記剥離位置を占めている可動剥離爪60の尖端60aの近傍に至ると、実施形態1と同様の動作を介して、図8に二点鎖線で示すように、可動剥離爪60を収納した案内収納部材61は支軸62を中心として時計回り方向に揺動することにより、版胴1のクランパ7配置部から離間することとなる。これと同時に、版胴1の回転と同期して回転されていたクランクプーリ69が、ピストン67を上死点に位置させることとなるので、シリンダ66内の空気の圧力が減少して、バネ63の付勢力によって可動剥離爪60の尖端60aが案内収納部材61内に引き込まれて上記非剥離位置を占めるので、可動剥離爪60の尖端60aとクランパ7部位との干渉が避けられる。
そして、印刷待機状態や版胴1が装置本体から離脱されるホームポジションにおいては、可動剥離爪60の尖端60aが案内収納部材61内に収納・待避保持されることとなる。
【0089】
したがって、実施形態3によれば、用紙29の版胴1への巻き上がり時におけるトラブル処理時や、孔版印刷装置内部のプレスローラ15周りの清掃時などにおいて、可動剥離爪60の尖端60aに特に注意を払わなくても済むようになる。また、誤って可動剥離爪60に触れたとしても、その尖端60aが案内収納部材61内に収納されているから、手等に傷を付けてしまうこともない。
加えて、従来のエアー(空気)突出タイプの剥離部材に用いることが可能であるので、構成が簡単で安価に供給できる。また、エアー量を多くすることも必要ではないので、マスタ8がエアー圧で破れたりすることもない。そして、この例でも、可動剥離爪60の尖端60aを従来と同様に、実施形態1と比較してより薄く尖らせることができるので、版胴1上の製版済みのマスタ8と用紙29の先端部との間の隙間(浮き上がり)が僅かであっても確実にその間に挿入することができるようになり、巻き上がりが発生しやすい用紙29にもより確実に対応できるようになる。
【0090】
なお、図8ないし図11において、例えば上記特開2001−10195の図1および図4ないし図5に示されている分離部材変位手段(17a)と類似の揺動機構および支軸62等を除去すると共に、例えば図8に示されている案内収納部材61の位置を僅かに上方に移動した上で装置本体側に固定し、かつ、可動剥離爪60本体からの尖端60aの位置までの寸法を少し延長した排紙装置構成としてもよい(請求項6参照)。このような排紙装置では、上述したとおりの所定のタイミングにおける給気手段64からの圧縮空気により可動剥離爪60および尖端60aがバネ63の付勢力に抗して案内収納部材61内を移動して上記剥離位置を占め、それ以外の時機にはバネ63の付勢力によって上記非剥離位置を占めることとなる。
【0091】
(実施形態4)
図13ないし図17に実施形態4を示す。
この実施形態4は、実施形態1と比較して、図13および図15に示すように、排紙装置45に代えた排紙装置45Cを有することのみ相違する。
排紙装置45Cは、排紙装置45と比較して、エアーナイフ31に代えて、図15および図16に示す剥離位置と図13および図14に示す非剥離位置とを選択的に占める剥離部材としての可動剥離爪70を有すること、収納部材36に代えて、可動剥離爪70が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、可動剥離爪70の先端70a(以下、「尖端70a」と言い替える)を突出し、可動剥離爪70が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、尖端70aを収納するように可動剥離爪70を移動可能に案内し、上記剥離位置と上記非剥離位置との間での可動剥離爪70の移動動作に連動して変位可能な案内収納部材73を有すること、可動剥離爪70が上記印刷時において上記剥離位置を占めたとき、案内収納部材73から尖端70aを突出させる向きに可動剥離爪70に圧縮空気を供給する実施形態3と同様の図12に示す給気手段64と、および可動剥離爪70が上記非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、案内収納部材73の内部に尖端70aを収納させる向きに付勢する付勢手段(例えば実施形態3と同様の圧縮バネ63)とを有することが主に相違する。
【0092】
実施形態4は、別の観点から見て実施形態1と比較すると、装置本体側に固定された収納部材36に代えた(可動剥離爪70を収納した)案内収納部材73を、上記剥離位置と上記非剥離位置との間での可動剥離爪70の変位動作に連動して変位可能に構成したと見ることもできる(請求項3参照)。また、実施形態4は、実施形態3と比較すると、案内収納部材61が支軸62に直接的に固定された構成に代えて、案内収納部材73がアーム71を介してアーム軸72に固定された構成を有することが主に相違するとも見ることができる。
【0093】
可動剥離爪70および案内収納部材73は、実施形態1や3と同様に上記印刷部(ニップ部)の下流近傍(図13および図15に示す版胴1の左下側)に配設されている。
可動剥離爪70は、図14、図16および図17に詳しく示すように、上記した尖端70aの他に、尖端70aの上部近傍に形成され圧縮空気を吐出する吐出孔70bと、図における左端に形成され図12に示した給気手段64からの圧縮空気を受ける円い圧壁面70cと、可動剥離爪70の尖端70a下部に突出して形成され案内収納部材73に対する可動剥離爪70の位置を決められると共に、回り止めの機能を有する被ガイド部70dと、吐出孔70bの上部に形成され案内収納部材73からの尖端70aの突出量を規制するためのストッパーネジ74を螺合するための雌ネジ部70eと、吐出孔70bの上部に形成され可動剥離爪70を図において左側に移動する向きに付勢する図示しないバネを収納するバネ収納部等とを具備している。可動剥離爪70には、上記のものが一体的に形成されている。可動剥離爪70の尖端70a近傍、すなわち可動剥離爪70における吐出孔70bの図において右端には、給気手段64からの圧縮空気の一部が供給される吐出口が形成されている。
【0094】
案内収納部材73は、図14ないし図16に示されているように、アーム71を介して、可動剥離爪70の基部を固定し、該可動剥離爪70を揺動可能に支持するアーム軸72に連結・固定されている。アーム軸72の両端部は、上記筐体側板対に所定角度回動自在に支持されている。案内収納部材73は、図14、図16および図17に詳しく示すように、可動剥離爪70を収納可能な有底円筒状をなしている。案内収納部材73は、図における下部に形成され可動剥離爪70の被ガイド部70dを緩く嵌入して可動剥離爪70を摺動自在にする溝部73aと、図における上部に形成され可動剥離爪70の図において左方向への移動を規制する溝止まり73dおよび可動剥離爪70に螺合されたストッパーネジ74と協働して尖端70aの突出量を規制する衝止部73eを有する溝73bと、給気手段64からの圧縮空気を通すチューブ65を接続する通気可能な接続口73c等とを具備している。案内収納部材73には、上記のものが一体的に形成されている。
【0095】
上記のとおり、可動剥離爪70は、案内収納部材73の材質との関係で摩擦抵抗が小さくかつ耐摩耗性のよい材料を用いていることにより、また案内収納部材73の溝部73aと被ガイド部70dとが緩く嵌合して回り止めされることにより、案内収納部材73の上記円筒状の内壁面に対して回転することなく滑らかに摺動できるようになされている。
【0096】
可動剥離爪70および案内収納部材73は、実施形態3と同様に、例えば上記特開2001−10195の図1および図4ないし図5に示されている分離部材変位手段(17a)と類似の揺動機構(具体的には、実施形態1の分離部材変位手段(17a)と比較して、エアーナイフ軸32に代えてアーム軸72とし、エアーナイフ31に代えて可動剥離爪70を収納した案内収納部材73とし、エアーナイフアーム34に代えてアーム71をアーム軸72に固設した点のみ相違する)によって、版胴1の回転と同期して揺動する。
すなわち、図示しない制御手段は、通紙時(印刷時)において、上記用紙先端検知センサからの通紙信号に基づいて、実施形態1と略同様の係止手段の上記ソレノイドをオンすることで上記揺動機構を作動させるように制御する。具体的には、後述する動作により可動剥離爪70を案内収納部材73に案内させながら上記剥離位置に直線運動させて版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29を剥ぎ取る排紙・剥離動作を行わせるようになっている。
また、図示しない制御手段は、通紙時(印刷時)以外は案内収納部材73と一緒に可動剥離爪70を上記非剥離位置(厳密には非剥離位置よりもさらに僅かに離間した位置)で保持させるように上記係止手段を制御するようになっている。非印刷状態のときや、版胴1が上記版胴ユニットを構成して上記装置本体から離脱するホームポジションを占めているときには、上記係止手段により可動剥離爪70は上記非剥離位置に保持されると共に、その尖端70aが案内収納部材73の内部に退避した状態で保持されるようになっている。
【0097】
実施形態4は、請求項1および請求項4に係る発明を、例えば特許第2968098号公報(特開平5−59737号公報)の図1や図2に示されているような剥離爪軸を中心として上記剥離位置と上記非剥離位置とを選択的に占めるべく揺動変位可能であり、かつ、給気手段(11)からの圧縮空気を上記剥離位置で噴出する剥離爪(6)を具備する排紙装置に適用したものである。実施形態4は、手短に言えば上記公報記載の剥離爪(6)等に代えて、給気手段64からの圧縮空気を上記剥離位置で噴出すると共に、給気手段64からの圧縮空気により可動剥離爪70を案内収納部材73内に移動可能にしたものである。
【0098】
実施形態4の動作について、実施形態1のそれと相違する排紙動作を中心として説明する。
実施形態1と同様の版付け印刷や通常の印刷が行われる時、上記用紙先端検知センサにより用紙29の先端がオン検知されることによって、実施形態1と同様の動作を介して、図15に実線で示すように、可動剥離爪70を収納した案内収納部材73はアーム軸72を中心として反時計回り方向に揺動する。
【0099】
一方、上記動作と並行して、図12に示した給気手段64のクランクプーリ69が版胴1の回転と同期して回転されて、リンク68の移動によりピストン67がその下死点から上死点に向けて移動を開始し、このピストン67の移動によって発生した圧縮空気がシリンダ66からチューブ65を介して送られ、図16に示す可動剥離爪70の圧壁面70cに供給されることにより、可動剥離爪70の尖端70aが図示しないバネの付勢力に抗して案内収納部材73内から突出する向きに押されて移動し、図15および図16に示す上記剥離位置を占めると同時に、圧縮空気の一部は吐出孔70bを通ってその吐出口から吐出することによって、版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29の先端部が確実に剥離される。可動剥離爪70の尖端70aにより剥離された印刷済みの用紙29の先端部は、排紙搬送装置37の排紙ベルト40へと案内される。
【0100】
なお、クランパ7が版胴1に近接していて上記剥離位置を占めている可動剥離爪70の尖端70aの近傍に至ると、実施形態1と同様の動作を介して、図13に二点鎖線で示すように、可動剥離爪70を収納した案内収納部材73はアーム軸72を中心として時計回り方向に揺動することにより、版胴1のクランパ7配置部から離間することとなる。これと同時に、版胴1の回転と同期して回転されていたクランクプーリ69が、ピストン67を上死点に位置させることとなるので、シリンダ66内の空気の圧力が減少して、上記バネの付勢力によって可動剥離爪70の尖端70aが案内収納部材73内に引き込まれて上記非剥離位置を占めるので、可動剥離爪70の尖端70aとクランパ7部位との干渉が避けられる。
【0101】
そして、印刷待機状態や版胴1が装置本体から離脱されるホームポジションにおいては、可動剥離爪70の尖端70aが案内収納部材73内に収納・待避保持されることとなる。
したがって、実施形態4によっても、実施形態3と同様の利点を得ることができる。
【0102】
実施形態3や4では、付勢手段としてのバネ63を上述したように可動剥離爪60と案内収納部材61との間や、可動剥離爪70と案内収納部材73との間に設けたが、これに限らず、例えば実施形態4で例示すると、ストッパーネジ74とこれよりも図において左側の案内収納部材73上との間に引張バネを張設するというように外部に設けてもよい。
実施形態3や4では、給気手段64におけるピストン67の通気孔67aおよび図示しない弁板を設けることにより、ピストン67の復動・戻り時には負圧を発生しないようになっているが、例えばこれら通気孔67aおよび上記弁板を除去し工夫して、ピストン67の復動・戻り時の負圧で可動剥離爪60,70の各尖端60a,70aを非剥離位置に向けて戻すようなことも可能である。また、可動剥離爪60や70が上記非剥離位置を占めたとき、図9に示すような案内収納部材61の有底壁面と圧壁面60cとの間のスペースや、図14に示すような案内収納部材73の有底壁面と圧壁面70cとの間のスペースは無くても構わない。
【0103】
なお、図13ないし図16において、例えば上記特開2001−10195の図1および図4ないし図5に示されている分離部材変位手段(17a)と類似の揺動機構、アーム軸72およびアーム71等を除去すると共に、例えば図13に示されている案内収納部材73の位置を僅かに上方に移動した上で装置本体側に固定し、かつ、可動剥離爪70本体からの尖端70aの位置までの寸法を少し延長した排紙装置構成としてもよい。このような排紙装置では、上述したとおりの所定のタイミングにおける給気手段64からの圧縮空気により可動剥離爪70および尖端70aが上記バネの付勢力に抗して案内収納部材73内を移動して上記剥離位置を占め、それ以外の時機には上記バネの付勢力によって上記非剥離位置を占めることとなる。
【0104】
(実施形態5)
図18に実施形態5を示す。
この実施形態5は、実施形態2と比較して、図18に示すように、排紙装置45Aに代えた排紙装置45Dを有することのみ相違する。
排紙装置45Dは、排紙装置45Aと比較して、剥離爪50に代えて、正面視でL字状に折れ曲がった剥離爪50Aを有すること、特許第2856622号公報(特開平6−247029号公報)の図1、図2および図4等に示されているような揺動機構、上記剥離爪係止手段、図5および図6に示した剥離爪アーム軸52および剥離爪アーム51を除去して、版胴1の回転と同期して剥離爪50Aを駆動するための駆動手段(駆動源)としてのソレノイド76を設けたこと、およびソレノイド76をオン/オフさせるための信号を生成する図示しない版胴回転位置センサを有することが主に相違する。
【0105】
ソレノイド76は、プル型であり、ガイド収納部材54の上面に固定されている。ソレノイド76と反対側の装置本体と剥離爪50Aの基部側との間には、剥離爪50Aを常時図において左上がり斜めに移動させる向き、すなわち剥離爪50Aを常時上記非剥離位置を占める向きに付勢する付勢手段としての引張バネ77が張設されている。
【0106】
上記版胴回転位置センサは、版胴1のクランパ7配置部位がプレスローラ15と対向する位置を通り過ぎた時点において、版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29の先端部を剥離するのに最適な版胴1の回転位置を検出する版胴回転位置検知手段の一例である。版胴1の図18において奥側の端板(図示せず)には、該端板からさらに奥側に突出して設けられた遮光板(図示せず)が設けられている。上記版胴回転位置センサは、上記遮光板と選択的に係合することによりオン信号を生成する透過型の光学センサからなり、装置本体側に固設されている。
【0107】
実施形態5の動作について、実施形態2のそれと相違する排紙動作を中心として説明する。
実施形態2と同様の版付け印刷や通常の印刷が行われる時、上記用紙先端検知センサにより用紙29の先端がオン検知されると共に、上記版胴回転位置センサからのオン信号に基づいて、ソレノイド76に通電がなされることにより、該ソレノイド76がオンする。これにより、ソレノイド76のプランジャ76aが引張バネ77の付勢力に抗して図18に示すように右下がり斜めに引き込まれることにより、ピンを介して連結されている剥離爪50Aおよびその尖端50aがガイド収納部材54内を摺接・滑動しつつ上記剥離位置に向かって直線的に案内されて、版胴1の外周表面に近接して剥離位置を占める。これにより、版胴1上の製版済みのマスタ8から印刷済みの用紙29の先端部が確実に剥離されることとなる。剥離爪50Aの尖端50aにより剥離された印刷済みの用紙29の先端部は、排紙搬送装置37の排紙ベルト40へと案内される。
【0108】
上記版胴回転位置センサからのオン信号生成時点から、版胴1が所定の回転角度回転した時点で、ソレノイド76がオフされることにより、引張バネ77の付勢力によって剥離爪50Aの尖端50aがガイド収納部材54内を摺接・滑動しつつ上記非剥離位置に向かって直線的に案内され、上記非剥離位置に保持されることとなる。
上述したとおり、実施形態5でも実施形態2と同様の利点を得られるが、駆動手段(駆動源)等は、ソレノイド76に限らず、適当な機構の組合わせなどによって電動モータ等も用いることができることは言うまでもない。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上述したような従来の印刷装置の有する問題点を解決して新規な印刷装置を提供することができる。請求項毎の効果を
挙げれば以下のとおりである。
【0110】
請求項1および3記載の発明によれば、剥離部材が印刷時において剥離位置を占めたとき、剥離部材の先端を突出し、剥離部材が非印刷時において非剥離位置を占めたとき、剥離部材の先端を収納するように剥離部材を移動可能に案内し、剥離位置と非剥離位置との間での剥離部材の変位動作に連動して変位可能な案内収納部材と、剥離部材が非印刷時において非剥離位置を占めたとき、案内収納部材の内部に剥離部材の先端を収納させる向きに上記剥離部材を付勢する付勢手段と、剥離部材が印刷時において剥離位置を占めたとき、案内収納部材から剥離部材の先端を突出させる向きに剥離部材に空気を供給し、剥離部材の先端を付勢手段の付勢力に抗して案内収納部材から剥離位置に突出させる給気手段とを有する構成としたので、巻き上がり等のトラブル処理とか印刷装置内部の清掃時において、あるいは例えば清掃や保守点検等で版胴を着脱したときなどにおいて、剥離部材の先端を含む先端部に特に注意を払わなくても済む。また、誤って剥離部材に接触したとしても、その先端が収納部材内に収納されているから、手等に傷を付けてしまうこともない。また、剥離部材の先端を従来と同様に尖らせることができるので、版胴上の製版済みのマスタと用紙の先端部との間の隙間(浮き上がり)が僅かであっても確実にその間に剥離部材の先端を挿入することができるようになり、巻き上がりが発生しやすい用紙にも確実に対応できるようになる。加えて、従来のエアー(空気)突出タイプの剥離部材に用いることが可能であるので、構成が簡単で安価に供給できる。さらには、エアー量を多くすることも必要ではないので、マスタがエアー圧で破れたりすることもない。
【0111】
請求項2および3記載の発明によれば、剥離部材が印刷時において剥離位置を占めたとき、剥離部材の先端を突出し、剥離部材が非印刷時において非剥離位置を占めたとき、剥離部材の先端を収納するように剥離部材を移動可能に案内する、装置本体側に固定された案内収納部材と、剥離部材が非印刷時において非剥離位置を占めたとき、案内収納部材の内部に剥離部材の先端を収納させる向きに上記剥離部材を付勢する付勢手段と、剥離部材が印刷時において剥離位置を占めたとき、案内収納部材から剥離部材の先端を突出させる向きに剥離部材に空気を供給し、剥離部材の先端を付勢手段の付勢力に抗して案内収納部材から剥離位置に突出させる給気手段とを有する構成としたので、巻き上がり等のトラブル処理とか印刷装置内部の清掃時において、あるいは例えば清掃や保守点検等で版胴を着脱したときなどにおいて、剥離部材の先端を含む先端部に特に注意を払わなくても済む。また、誤って剥離部材に接触したとしても、その先端が収納部材内に収納されているから、手等に傷を付けてしまうこともない。また、剥離部材の先端を従来と同様に尖らせることができるので、版胴上の製版済みのマスタと用紙の先端部との間の隙間(浮き上がり)が僅かであっても確実にその間に剥離部材の先端を挿入することができるようになり、巻き上がりが発生しやすい用紙にも確実に対応できるようになる。加えて、従来のエアー(空気)突出タイプの剥離部材に用いることが可能であるので、構成が簡単で安価に供給できる。さらには、エアー量を多くすることも必要ではないので、マスタがエアー圧で破れたりすることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す孔版印刷装置の要部の一部断面正面図である。
【図2】実施形態1の印刷時において、エアーナイフが剥離位置を占めて剥離動作等を行っている状態を示す要部の一部断面正面図である。
【図3】(a)は、実施形態1の非印刷時等においてエアーナイフが非剥離位置を占めた状態を、(b)は、実施形態1の印刷時においてエアーナイフが剥離位置を占めた状態を示す要部の拡大正面図である。
【図4】実施形態1における収納部材とエアーナイフとの形状関係を説明するための要部の分解斜視図である。
【図5】実施形態2の非印刷時等において、剥離爪が非剥離位置を占めている状態を示す要部の一部断面正面図である。
【図6】実施形態2の印刷時において、剥離爪が剥離位置を占めている状態等を示す要部の一部断面正面図である。
【図7】図5におけるS7−S7線の拡大断面図である。
【図8】実施形態3の非印刷時等において、可動剥離爪の先端が案内収納部材に収納されて非剥離位置を占めている状態等を示す要部の一部断面正面図である。
【図9】図8の要部を拡大して示す断面正面図である。
【図10】実施形態3の印刷時において、可動剥離爪の先端が案内収納部材から突出して剥離位置を占めている状態等を示す要部の一部断面正面図である。
【図11】図10の要部を拡大して示す断面正面図である。
【図12】給気手段の構成例を示す要部の正面図である。
【図13】実施形態4の非印刷時において、可動剥離爪の先端が案内収納部材に収納されて非剥離位置を占めている状態等を示す要部の一部断面正面図である。
【図14】図13の要部を拡大して示す断面正面図である。
【図15】実施形態4の印刷時において、可動剥離爪の先端が案内収納部材から突出して剥離位置を占めている状態等を示す要部の一部断面正面図である。
【図16】図15の要部を拡大して示す断面正面図である。
【図17】実施形態4における案内収納部材と可動剥離爪との形状関係を説明するための要部の分解斜視図である。
【図18】実施形態5の印刷時において、剥離爪の先端がガイド収納部材から突出して剥離位置を占めている状態等を示す要部の一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 版胴
2 インキローラ
7 クランパ
8 マスタ
15 押圧手段としてのプレスローラ
29 用紙
30 給紙装置
31 剥離部材としてのエアーナイフ
31a エアーナイフの先端
33 ノズル
36 収納部材
37 排紙搬送装置
40 排紙ベルト
45,45A,45B,45C,45D 排紙装置
50,50A 剥離部材としての剥離爪
50a 剥離爪の先端
54 収納部材としてのガイド収納部材
60 剥離部材としての可動剥離爪
60a 可動剥離爪の先端
61 案内収納部材
63 付勢手段としてのバネ
64 給気手段
70 剥離部材としての可動剥離爪
70a 可動剥離爪の先端
73 案内収納部材
76 ソレノイド
77 引張バネ
X2 用紙搬送方向

Claims (3)

  1. 製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタに用紙を相対的に押し付ける押圧手段と、先端が上記版胴の外周面に近接し該版胴から用紙を剥ぎ取る剥離位置とこの剥離位置から離間した非剥離位置とを選択的に占める剥離部材とを具備する印刷装置において、
    上記剥離部材が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記先端を突出し、上記剥離部材が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、上記先端を収納するように上記剥離部材を移動可能に案内し、上記剥離位置と上記非剥離位置との間での上記剥離部材の変位動作に連動して変位可能な案内収納部材と、
    上記剥離部材が上記非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、上記案内収納部材の内部に上記先端を収納させる向きに上記剥離部材を付勢する付勢手段と、
    上記剥離部材が上記印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記案内収納部材から上記先端を突出させる向きに上記剥離部材に空気を供給し、上記先端を上記付勢手段の付勢力に抗して上記案内収納部材から上記剥離位置に突出させる給気手段と、
    有することを特徴とする印刷装置。
  2. 製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタに用紙を相対的に押し付ける押圧手段と、先端が上記版胴の外周面に近接し該版胴から用紙を剥ぎ取る剥離位置とこの剥離位置から離間した非剥離位置とを選択的に占める剥離部材とを具備する印刷装置において、
    上記剥離部材が印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記先端を突出し、上記剥離部材が非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、上記先端を収納するように上記剥離部材を移動可能に案内する、装置本体側に固定された案内収納部材と
    上記剥離部材が上記非印刷時において上記非剥離位置を占めたとき、上記案内収納部材の内部に上記先端を収納させる向きに上記剥離部材を付勢する付勢手段と、
    上記剥離部材が上記印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記案内収納部材から上記先端を突出させる向きに上記剥離部材に空気を供給し、上記先端を上記付勢手段の付勢力に抗して上記案内収納部材から上記剥離位置に突出させる給気手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または2記載の印刷装置において、
    上記剥離部材が上記印刷時において上記剥離位置を占めたとき、上記給気手段からの空気の一部を上記先端の近傍から上記版胴に向けて吐出する吐出口を、上記剥離部材に設けたことを特徴とする印刷装置。
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