JP3933839B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に経血などの***液を吸収保持する吸収性物品に係わり、特に着用者の動きに追従して効果的に***液を吸収できるようにした吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッド、おむつなどの吸収性物品が種々開発されている。これらの吸収性物品では、着用中において***液を吸収コアで確実に吸収し、***液が吸収性物品の外へ漏れないようにすることが求められる。
【0003】
ところで***部周辺の体の形状、特に膣口周辺は、着用者が立っている状態、座っている状態、脚を閉じている状態、開いている状態などで異なり、特に歩行時には刻々とその形状が変化する。特に歩行時には、左右臀部の肉が体の縦方向に対して左右上下に最大30mm程度変位する。
【0004】
詳細を述べると、左右太腿がお互いに交差する動作とともに、大腿部の筋肉組織も連動して弛緩と緊張を繰り返す。この筋肉組織のうち、大腿部の内側の面に存在するそけい靭帯は太腿の移動と連動し、太腿内側面のある一定範囲内を移動する。
【0005】
この際、靭帯周辺の筋肉組織も移動し、その部分の皮膚表面が周辺の皮膚表面に比べて陥没した状態となる。この陥没現象は一時的なものであり、筋肉組織が弛緩する動作によって元の状態に戻るが、歩行時のように断続的に大腿部の弛緩・緊張運動が繰り返された場合、陥没現象も断続的に発生する。このような陥没現象は、歩行時以外にも、開脚、閉脚を伴う動作や、寝返りをうつような動作のときも発生する。このような陥没部と吸収性物品の吸収コアとが密着できずに隙間が生じ、その隙間から***液が漏れてしまうことが多々生じている。
【0006】
***部に密着させる生理用ナプキンとして、例えば特表平6−502336号(WO92/07535)公報には、吸収コアが不透液性の後シートから離れて装着者側へと移動できる衛生ナプキンが開示されている。また特開平4−164446号公報には、下部吸収体の上に上部吸収体を設けた衛生ナプキンが開示されている。これらのナプキンにおいては、上側の吸収コアが***部の凹部に密着しやすいため、通常のナプキンと比べて漏れが防止しやすくなっている。しかしこれらのナプキンにおいては、装着者が動いたときにその動きに追従することができず、前記陥没部との間に隙間が生じてしまう。
【0007】
さらに実開平7−33315号公報には、着用者が自由に動き回った場合においても経血の漏れを防止することを目的とした吸収性物品(生理用ナプキン)が開示されている。この吸収性物品は、上部ナプキンと下部ナプキンとからなり、下部ナプキンよりも小さい上部ナプキンが、下部ナプキンの中央部に位置し、上部ナプキンの両端部から長手方向へ延びる一対(右側部と左側部)の弾性部材に下部ナプキンが接合されている。上部ナプキンと下部ナプキンとは互いに拘束することなく比較的自由に動くことが可能となっている。同様の技術を開示するものとして特開平11−104168号公報も存在する。
【0008】
上記公報におけるナプキンでは、上部ナプキンが着用者が直立した状態において***部に確実に密着することができる。しかし、弾性部材が下部ナプキンに前後端部のみ接合され、それ以外の個所では自由に伸縮できるようになっている。よって、歩行時など左右の脚が前後に振られる状態において、例えば右側部が前方または後方に動くと、左側部の弾性部材は制限されることなく移動できるため、下部ナプキンの左側部も引きずられて大きく動いてしまう。さらにこのとき、下部ナプキンの右側部の移動は左側部の移動を伴うため、前記右側部が動くために必要な力が大きくなってしまう。すなわち、右側部単独は移動しづらいものとなる。よって、***部と上部ナプキンとの間に隙間が生じ、その結果漏れてしまう。また、上部ナプキンに横方向へ大きく力が加わると、上部ナプキンは殆ど制限なく横方向へ移動できるため、上部ナプキンが横に大きくずれ過ぎてしまうこともある。このように、上記ナプキンでは装着者の動きに合わせて常に***部に密着することは難しい。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、***部に対する高い密着度を維持しつつ着用者の動きに対する追従性に優れた吸収性物品を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外部装着体へ対面する支持体と、前記支持体の受液側に位置する液吸収部材とを有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品の長手方向を縦方向、幅方向を横方向とするとき、
前記支持体には、一方の端部が支持体の横方向における一方の側部に接合され且つ他方の端部が支持体の他方の側部に接合された連結側壁シートが設けられ、
前記連結側壁シートが縦方向への伸縮性を有し、前記伸縮性により、前記連結側壁シートに、その両端部の間の中央領域を、前記支持体から受液側へ離す弾性収縮力が作用しており、
前記液吸収部材は、前記連結側壁シートに支持されて前記支持体と接合されずに前記支持体上で移動可能であることを特徴とするものである。
【0023】
また、前記液吸収部材は、吸収コアと、少なくとも前記吸収コアの受液側表面を覆う透液性シートとを有し、前記液吸収部材は、前記連結側壁シートの受液側上面に接合されているものであってもよいし、前記連結側壁シートは透液性であり、前記液吸収部材は連結側壁シートの支持体側下面に接合されているものであってもよい。
【0024】
また、前記連結側壁シートの前記縦方向の前端部および後端部が前記支持体に接合されて、前記支持体を前記縦方向に向け受液側へ凹状となるように湾曲させる力が作用していることが好ましい。
【0025】
さらに、前記連結側壁シートは、前記縦方向への弾性収縮力を発揮するように縦方向へ向けて繰り返す凹凸が形成されているものである。
【0026】
また、本発明は、外部装着体へ対面する支持体と、前記支持体の受液側に位置する液吸収部材とを有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品の長手方向を縦方向、幅方向を横方向とするとき、
前記支持体には、一方の端部が支持体の横方向における一方の側部に接合され且つ他方の端部が支持体の他方の側部に接合された連結側壁シートが設けられ、
前記連結側壁シートに、縦方向への弾性収縮力を発揮する複数の弾性部材が設けられ、前記弾性部材により、前記連結側壁シートに、その両端部の間の中央領域を、前記支持体から受液側へ離す弾性収縮力が作用し、
前記液吸収部材は、前記連結側壁シートに支持されて前記支持体と接合されずに前記支持体上で移動可能であり、
前記弾性部材は、前記連結側壁シートの、両側の前記端部から前記中央領域の間において、前記端部から中央領域の方向へ間隔を開けて複数取付けられていることを特徴とするものである。
【0027】
また、前記連結側壁シートが、前記端部から前記中央領域の方向へ向けてジグザグ形状または波形状とされているものであってもよい。
【0028】
さらに、液吸収部材の横方向の両側部には受液側へと立ち上る防漏カフが設けられているものであってもよい。
【0029】
また、前記支持体の前記液吸収部材と対面する側に、前記液吸収部材と別の吸収体を設けることも可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して説明する。図1は、本発明の吸収性物品の基本構成である参考例の生理用ナプキンを受液側から示す一部切欠斜視図、図2は図1のII−II線の断面図、図3は図1のIII−III線の断面図、図4は図1のIV−IV線の断面図である。また、図7、図8、図9はそれぞれ図2に示した生理用ナプキンの変形例である。図示X方向が幅方向、Y方向が縦方向、Z1方向が***部側(受液側)となる上部方向であり、Z2方向が下着などの外部装着体側となる下部方向である。
【0031】
図1に示す生理用ナプキン1は、主として下着などの外部装着体へ対面する支持体2と、装着者側へ位置して***液を吸収する液吸収部材3とから構成されている。支持体2のY方向へ延びる両側部(幅方向の両側部)2R、2Lには、Y方向へ延びる側壁シート4、4が設けられている。この側壁シート4にはY方向へ収縮する機能が設けられているため、図2に示すように側壁シート4により自由端5aがZ1方向へ立ち上る側壁5が形成されている。この側壁5の自由端5a側には、X方向において対向する側壁5どうしを連結する連結シート6が接合され、この連結シート6の支持体2側下面に液吸収部材3が接合され、液吸収部材3は支持体2と接合されず分離された状態で支持されている。よって、非着用状態(自由状態)では図2に示すように液吸収部材3が支持体2の上部方向(Z1方向)へ間隔を開けて位置する。
【0032】
支持体2は不透液性の支持シートで形成されることが好ましい。この支持シートは、通気性の樹脂フィルム、撥水処理されたスパンボンドまたはスパンレースなどの不織布、あるいは不織布の裏面に通気性の樹脂フィルムが接合されたものである。なお支持体2の裏面には、下着などの外部装着体などに掛止させるための粘着層2fが設けられている。なお、生理用ナプキンの使用時まで粘着層2fを保護するための離型紙が設けられることが好ましい。
【0033】
側壁5を形成する側壁シート4には、図1に示すように、それぞれがX方向へ延びる細かい凹凸状のヒダが形成されており、このヒダはY方向へ連続して繰り返し形成されている。このヒダは側壁シート4を形成する不織布などのシートが熱プレスされて凹凸が付されたものである。
【0034】
図5は前記熱プレス工程の説明図であり、図6は熱プレスされたシートを示す側壁5の部分斜視図である。このプレス工程は、熱可塑性繊維で形成されたまたは熱可塑性繊維を含むメルトブロン不織布などの不織布で形成された側壁シート4がロール間に挟まれてプレスまたは熱プレスされて形成される。図5に示すように、前記各ロールの表面は線状押型21,22を形成している。前記線状押型21,22によりシートが(加熱されて)加圧されると、シートは頂部4aと底部4bで繊維が強く圧縮され、中間部4cで繊維が軽く圧縮される。前記線状押型21と22を経た側壁シート4は、図6に示すように頂部4aと底部4bおよび中間部4cがMDへ繰り返して連続する波形状となる。
【0035】
側壁シート4は、図6に示すように波形状であるため、波の並ぶ方向(MD)へ弾性伸縮性を有し、また頂部4aおよび底部4bの延びる方向(CD)では自立性に富み座屈強度が高くなる。このような側壁シート4を図2に示すようにCD方向へ二つ折りし、このときの折目が後に側壁5の自由端5aとなる。
【0036】
本発明での側壁5を形成する側壁シート4は、図5に示す工程でヒダを有する状態に成形されることでそれ自体がMD(Y方向)へ弾性伸縮性を有するものであることが好ましい。ただし、図5に示す工程による凹凸状のヒダを形成しないものであって、それ自体がY方向へ弾性収縮性を有するセプトンメルブロン不織布、ウレタンフォームなどの弾性伸縮性材料を使用して側壁シート4を形成してもよい。さらに、側壁シート4をスパンボンド不織布やポイントボンド不織布やエアースルー不織布やエアレイド不織布等の不織布、あるいはポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の樹脂フィルムのようにそれ自体が大きな弾性伸縮性を有しないシートで形成し、このシートに糸状またはベルト状の弾性部材をY方向へ伸長させた状態で接合して、側壁5にY方向への弾性伸縮性を付与してもよい。
【0037】
側壁シート4は疎水性または撥水性であることが好ましい。側壁シート4が不織布で形成される場合、前記不織布を構成する繊維は撥水処理が施されたPE繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維や、PE/PPまたはPE/PETなどの複合繊維(すなわち芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維)等である。または、不織布にPEやPPをラミネートした複合不織布なども使用可能である。その他、疎水基の分子量を大きくした界面活性剤やジメチルポリシロキサン等のシリコン系化合物やフッ素系界面活性剤を繊維に混練したり、繊維や不織布の表面に塗付したりすることによって疎水性のシートを得ることができ、このようなシートも側壁シート4として使用可能である。
【0038】
図2に示す参考例では、図5の工程で形成された細かい凹凸状のヒダを有する弾性伸縮性を持つシートに、さらに弾性部材がY方向に伸長された状態で接合され、Y方向への弾性伸縮性が補強されている。
【0039】
すなわち図2に示すように、二つ折りされた側壁シートの間には弾性部材7a,7b,7cが挟まれ、ホットメルト型接着剤などでシートに接着されている。このとき例えば、各弾性部材は、外力を与えない状態における自由長が、前記波状のヒダが形成された側壁シート4の自由長とほぼ同じ長さ、あるいはやや短めのものを使用し、側壁シート4を波の並ぶ方向(MD)へほぼヒダが平坦になるまで伸ばした状態で、各弾性部材7a,7b,7cを前記伸ばされた状態の側壁シートの長さと同じ長さに伸ばして側壁シート4に接着する。その結果、外力を除去した自由状態で、側壁シート4はヒダを有し且つY方向へ所定の弾性伸縮性を有するようになる。図2に示す隣り合う弾性部材の間隔は5〜15mmである。
【0040】
弾性部材7a,7b,7cは天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体から形成でき、その形状としては、糸状、フィラメント状、フィルム状、帯状(ベルト状)などの形態を取り得る。またはエラスチックスパンボンド不織布やエラスチックメルトブロン不織布などの伸縮性不織布を切断したもの等も使用可能である。
【0041】
弾性部材が設けられた一対の側壁シート4、4を、1.2〜1.8倍程度伸長させた状態で、所定幅の接合基部5cが支持体2の両側部2R、2Lに接合されている。このとき、末端部5dが支持体2のX方向の外側を向くように接合されている。ただし、図7に示すように、末端部5dが支持体2の縦中心線L0側に位置するようにして接合基部5cを形成してもよい。
【0042】
側壁5の収縮範囲は自長の10〜100%であることが好ましい。前記下限より小さいと、側壁5の動きが規制され、側壁5が装着者の挙動に追従できなくなる。また前記上限より大きいと、側壁5の形状が保持されにくくなる。さらに、側壁5の伸縮力(限界まで伸長させた状態において)は、190mN〜2000mNであることが好ましい。前記下限より小さいと側壁5がZ2方向へと立ち上り難くなる。前記上限より大きいと、収縮力が強すぎて装着感が低下する。
【0043】
支持体2に接合される側壁シート4は、図2に示すように、弾性部材7a,7b,7cを頂点として、弾性部材7bが生理用ナプキン1の縦中心線L0側に位置し、弾性部材7a,7cが生理用ナプキン1のX方向における外側方向に位置するようにして、X方向へジグザグに折り曲げられている。また側壁シート4のY方向の前後端部4e,4fにおいては、図3に示すように、側壁シート4の全てが平坦に折り畳まれた状態で、支持体2の前後端部2E,2Fに接合されている。
【0044】
側壁5を形成する側壁シート4の自らの弾性収縮力および、各弾性部材7a,7b,7cの弾性収縮力によって側壁5がY方向へ弾性収縮する。その結果、非装着状態(外力が作用しない自由状態)においては、図4に示すように支持体2がY方向へ向けて受液側が凹状となるように湾曲させられ、且つ側壁5は、基端5b、5bからジグザク形状で立ち上がり、自由端5a、5aがZ1方向へ向けられる。
【0045】
図2および図3に示すように、側壁シート4は弾性部材の間隔、すなわち5〜15mmの折り幅で2回折り曲げられているため、生理用ナプキン1が身体に装着され、側壁5の自由端5aが肌に当たったときに、側壁5は上下方向(Z方向)へ柔軟に変形できるようになる。したがって、肌への当りが柔らかく、また身体の動きに対して、側壁5が柔軟に追従して自由端5aおよび/またはその周辺領域において側壁5が肌に密着しやすくなり、肌との間に隙間が形成されにくくなる。このように側壁5が肌に密着したまま体の動きに追従しやすくするために、側壁シートの折り幅が5〜15mmであり、且つ折り曲げ回数が1回以上、さらには4回以上であることが好ましい。なお、側壁シート4をジグザク状に折り曲げるときの折り曲げ位置は弾性部材が設けられている付近に限られない。ただし、弾性部材が設けられている部分に折り線を形成することで、側壁シート4を図2に示すようにジグザク状に変形しやすくなる。
【0046】
ここで図6に示すように、側壁シート4の全面に波状のヒダを形成せず、弾性部材7a,7b,7cが接合される部分において、ほぼ平坦とされた平坦部分4dを形成しておくと、前記弾性部材7a,7b,7cが設けられている部分を折り線として図2に示すようなジグザグ状の折り状態を形成しやすくなる。
【0047】
なお、X方向における支持体2の右側部2Rにおける側壁5の基端5bから、支持体2の左側部2Lにおける側壁5の基端5bまでの間隔は、生理用ナプキンの場合30mm以上100mm以下であることが好ましい。前記下限より小さいと、側壁5、5の間隔が小さくなり、その結果、側壁間に存在する液吸収部材3の幅も小さくなってしまう。また前記上限より大きいと、側壁5、5の間隔が着用者の股間部の間隔より大きくなってしまい、生理用ナプキン1の着用時に装着者に不快感を与えてしまう。
【0048】
以上のようにして形成されるZ方向へ立ち上った側壁5の自由端5a側において、弾性部材7bが設けられた箇所のすぐ上(Z2側)に連結シート6の両側部6L、6Rが接合されている。液吸収部材3はこの連結シート6の下側(支持シート3側)に接合されているので、生理用ナプキン1のY方向の中央部では、図2に示すように液吸収部材3がZ1方向へ立ち上る連結シート6に持ち上げられて、支持体2と離れた位置で支持される。
【0049】
なおこのとき、図8に示すように連結シート6の両側末端6S、6Sを支持体2側に向けて側壁5と接合させてもよい。この場合、連結シート6の両側末端6S、6Sが肌に接触する可能性がなくなるので、肌との摩擦が生じにくい。また、連結シート6の両側部6R,6Lと側壁5との接合箇所6sから、弾性部材7を経て側壁5の基端5bまでの実際の長さは10mm以上50mm以下であることが好ましい。この範囲内であれば側壁5のどの位置に設けられてもよく、図9に示すように弾性部材7bのすぐ下(Z2側)に連結シート6の両側末端6S、6Sが接合されていてもよい。ただし、ジグザグ状の側壁5の縦中心線L0側の頂点付近に、連結シート6の両側末端6S、6Sが接合されると側壁5の保形性が高まるので好ましい。
【0050】
連結シート6が接合される側壁5を形成している側壁シート4は、図6に示すように、CDに延びる波状のヒダが形成されているため、ヒダが延びる方向(CD)への座屈剛性が高くなっている。そして図2に示すように、前記側壁シート4がジグザグ状となっているため、側壁シート4の弾性部材7aと7bとの間の部分、すなわちCDが斜めに延びる部分によって連結シート6が両側方から支えられた状態である。よって連結シート6は、側壁5によって左右に大きく動くことなく適度に動ける範囲内に拘束された状態で、且つ支持体2とは独立し、ある程度の高さ位置を保った状態で確実に支持される。また側壁シート4が上下に向けてジグザグ形状であるため、連結シート6は上下(Z方向)へ比較的自由に動けるようになっている。
【0051】
その結果、生理用ナプキン1の装着時には、連結シート6に接合された液吸収部材3が装着者の体の動きに合わせて支持体2上で自由に動くことができる。このとき、左右の側壁5は独立して変形するものであるため、装着者が歩行したときなど左右の股間部の形状が変化するときであっても、その変化に左右それぞれの側壁5が別々に追従され易い。さらに、液吸収部材3は側壁5に直接接合されておらず、連結シート6を介して側壁5に接合されている。よって装着中に液吸収部材3が変形したとしても、側壁5が受ける影響は少なくてすみ、また逆に側壁5の動きによって、液吸収部材3が引きずられたり、変形したりすることも緩和される。部分的液吸収部材3が独立した動きをとることができる。よって、座ったり立ったりという動作においても、液吸収部材に対してX方向へかかる力が緩和され、液吸収部材3と着用者の皮膚との間に隙間を生じることがない。
【0052】
さらに、液吸収部材3は支持体2上で自由に動くことができるが、その動ける範囲は側壁5の基端5bから液吸収部材3の接合部までの高さ距離内であり、且つ前記のように側壁5が左右方向に過剰に変形しにくい形状であるため、支持体2上で液吸収部材3が過剰に移動して***部から外れてしまうこともない。
【0053】
また、側壁5は表面に凹凸が形成された側壁シート4で形成されているため、ソフト感が高い。また凹凸が形成されているので、支持体2の縦寸法より長い寸法を持つ側壁シート4によって側壁が形成されている。このように、支持体2の縦寸法より長い寸法をもつシートで側壁5が形成されると、側壁5にかかる力が緩衝されやすく、よって液吸収部材3が独立した挙動を示し易くなる。
【0054】
以上のように、生理用ナプキン1では確実に液吸収部材3が***液を吸収することができ、***液が漏れて下着類を汚してしまうことがない。さらに、支持体2は側壁シート4のY方向における収縮力により図4に示すようにY方向に沿って湾曲形状となっている。その結果、生理用ナプキン1は装着者の股間部によりフィットするものとなる。
【0055】
また生理用ナプキン1では、連結シート6は側壁5の自由端5aより若干Z2方向側へ位置しているため、連結シート6の接合箇所6sよりZ方向へ延出した側壁5(接合箇所6sから自由端5aまでの部分)は、***液がX方向において液吸収部材3の外側へと漏れることを防止する防漏カフとしての機能を発揮する。側壁5に防漏カフの機能を持たせるためには、連結シート6の上面から側壁5の自由端5aまでの間隔を5mm以上にすることが好ましく、更に好ましくは10mm以上である。
【0056】
連結シート6は、Y方向へ伸縮可能な素材で形成されることが好ましい。装着者が歩行などの動作で脚を前後に移動させたとき、右側部6Rと左側部6LとがY方向において互いに逆へ動く力が働くが、連結シート6がY方向へ伸縮可能であると、右側部6R及び左側部6LがY方向において逆方向へ動くことがさらに可能となり(このとき連結シート6はほぼ平行四辺形形状となる)、液吸収部材3に無理な力がかからず、液吸収部材3が好ましくない形状に変形したり、過剰に移動することを防止できる。
【0057】
ただし、連結シート6の伸縮性は前記側壁の伸縮力より小さいことが好ましい。また、連結シート6の伸縮可能長さは自長の20〜200%の範囲内であることが好ましい。前記下限より小さいと、液吸収部材3が側壁5の動きに完全に追従して、液吸収部材3と***部との間に隙間を生じてしまう。前記上限より大きいと、連結シート6が伸び切ったままもとの長さに戻らなくなり、液吸収部材3を支持体2からZ1方向へ押し上げることができなくなってしまう。
【0058】
また、連結シート6はX方向へ伸縮性を持たない、あるいは伸縮性を持ったとしても小さいことが好ましい。生理用ナプキン1の着用時における連結シート6のX方向への伸縮は、液吸収部材3の不必要な移動を生じさせ、装着者の皮膚と液吸収部材3との間に摩擦を生じてしまう。また、側壁5の自由端5aがZ1方向へ立ち上った形状を崩してしまい、また側壁5の防漏カフとしての機能を損う恐れもある。
【0059】
連結シート6は、例えばPE、PP、PET、ポリウレタン、ナイロン等の合成繊維や、セルロース、コットン、レーヨン等の天然繊維を原料として用いて形成したエアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、レジンボンド不織布、エアレイド不織布、メルトブローン不織布等や、PE、PP、PETなどの熱可塑性樹脂から形成された樹脂シートや、前記樹脂シートに開孔処理を施してヤング率を低下させたものや、みかんネットのように目の粗い編み目構造を有するメッシュ材料等が使用可能である。また、複数のシートを組合せて連結シート6を形成することもできる。例えば、連結シート6の両側部6R、6Lを開孔処理されたシートまたはメッシュ材料で構成し、両側部6R、6Lに挟まれる中間部を前記不織布等で形成することができる。
【0060】
以上述べた連結シート6の支持体2側に液吸収部材3が接合されている。よってこの場合、連結シート6は***液を液吸収部材3へと透過させるため、連結シート6は透液性の素材で形成されている。
【0061】
液吸収部材3は、図1において点線で示すように、支持体2より一回り小さな長方形状である。ただし、いわゆる砂時計形状であってもよい。液吸収部材3は、透液性の連結シート6のすぐ下に位置する吸収コア3bと、吸収コア3bの支持体側を覆う不透液性層3cとから構成される。吸収コア3bの周辺において、不透液性層3cが連結シート6に接合されている。
【0062】
吸収コア3bは、粉砕パルプあるいは粉砕パルプと高吸水性ポリマーの混合物などにより形成され、粉砕パルプあるいは粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物がティッシュなどの吸収性シートや透液性のシートで包まれたものである。また、液吸収部材3を***部によりフィットさせるため、吸収コア3bが弾性変形性を有することが好ましい。吸収コア3bに弾性変形性を持たせるためには、前記粉砕パルプと高吸水性ポリマーに、ウレタンフォームやセルローススポンジなどの粉砕物、球状の繊維塊であるエアリッチ繊維、網状に形成された伸縮性を有するセプトン等の樹脂の積層体、捲縮された繊維、スプリットヤーンを含有させるとよい。この場合親水性の素材もしくは親水化処理を施したものを使用することが好ましい。
【0063】
なお、吸収コア3bの液吸収性を高めるために、Z2方向へ向かうにしたがって吸収コア3bの密度を高くすることが好ましい。この場合、吸収コア3bへと移行した***液が、吸収コア3b内においてより支持体2側へと移行しやすくなるので、吸収速度及び吸収量が大きくなる。また、2つの吸収体を積層して吸収コア3bを形成し、上層(受液側)の密度より、下層(支持体2側)の密度を高くしてもよい。
【0064】
連結シート6と吸収コア3bとは、オレフィンベースまたはゴムベースのホットメルトで接着されている。なお、ホットメルトの塗布は、くし状、スプレー状またはスパイラル状などのパターンで行われ、連結シート6と吸収コア3bと間の液透過性が低下することが防止されている。スパイラル形状、ビード形状、帯状、複数本の連続線による接合、または接着剤をスプレー塗付して接合してもよい。
【0065】
また不透液性層3cは、通気性の樹脂フィルム、撥水処理されたスパンボンドまたはスパンレースなどの不織布である。ただし、連結シート6が液不透過性である場合、層3cを透液性の素材で形成してもよい。
【0066】
図10は、前記参考例の変形例であり、生理用ナプキンを受液側から示す一部切欠斜視図、図11は図10のXI−XI線の断面図である。図10に示す生理用ナプキン1Aは、図1に示す生理用ナプキン1と同じ構成を持つ。ただし、連結シート6Aの中央領域には、***液を透過させ易くするために複数の開孔部6hが設けられている。さらに、連結シート6Aの下に接合された液吸収部材3Aは、連結シート6A側に位置する透液性層3aと、支持体2側に位置する不透液性層3cと、前記透液性層3aと不透液性層3cとの間に挟まれる吸収コア3bとから構成されている。よって連結シート6Aの開孔部6hでは、透液性層3aが露出している。
【0067】
透液性層3aは、親水処理されたPE繊維、PP繊維、PET繊維、またはこれらの複合繊維などで形成された不織布であり、スパンボンド不織布、スパンレース不織布などである。あるいは開孔処理が施された樹脂シートである。
【0068】
ただし生理用ナプキン1Aにおいて、液吸収部材3Aの透液性層3aは設けられずに、図2に示すような液吸収部材3が設けられ、開孔部6hから吸収コア3bの吸収性シートが露出していてもよい。また、図1に示す生理用ナプキン1において、液吸収部材3の代わりに透液層3aを有する液吸収部材3Aを用いてもよい。
【0069】
図12は、前記参考例のさらに他の変形例であり、生理用ナプキンを受液側から示す一部切欠斜視図、図13は図12のXIII−XIII線の断面図である。
【0070】
図12に示す生理用ナプキン1Bは、図1に示す生理用ナプキン1と同じ構成を持つ。ただし図12に示す生理用ナプキン1Bでは、連結シート6Bの中央領域においてY方向に延びる凸部6mと凹部6nがX方向へ交互に形成されている。このように受液側の表面に凹凸が形成されていると、***液がX方向へと移動することを防止でき横漏れがしにくくなる。なお連結シート6Bの凸部6mと凹部6nは、前記側壁の凹凸の形成と同様に、シートをプレスまたは熱プレスすることにより形成することができる。
【0071】
図14は他の参考例を示す一部切欠斜視図、図15は図14のXIV−XIV線の断面図、図16は液吸収部材の変形例を示す断面図である。
【0072】
図14に示す生理用ナプキン1Cは、前記参考例の生理用ナプキン1と同じ構成を持つが、液吸収部材3Cが砂時計形状であり、連結シート6の受液側に存在する。このように、前記参考例のように連結シート6の下に液吸収部材3Cが接合されておらず、連結シート6の上に液吸収部材3Cが接合されていても、参考例と同様に液吸収部材3Cが独立した挙動を示し装着者の動きに追従することができる。
【0073】
生理用ナプキン1Cでは、側壁5の弾性部材7b付近に接合された連結シート6の受液側に液吸収部材3Cが設けられている。液吸収部材3Cは、前記液吸収部材3Aと同様の構造を持っており、装着者に面する透液性層3aと連結シート6の面する不透液性層3cと透液性層3aと不透液性層3cとの間に挟まれる吸収コア3bとで構成されている。この場合、連結シート6は透液性または不透液性のどちらでもかまわない。液吸収部材3Cの代わりに、図16に示すような吸収コア3bの表面全体を透液性層3aで包んで形成した液吸収部材3Dを用いてもよい。この場合、連結シートは液不透液性であることが好ましい。その他、連結シート6を不透液性とし、液吸収部材3Cを不透液性層3cを設けずに、吸収コア3bと受液側の表面を覆う透液性層3aのみで形成してもよい。
【0074】
液吸収部材3Cまたは3Dと連結シート6の接合では、前記のように接着剤をスパイラル形状や線状や点線状に塗付したり、スプレーを用いて接着剤を塗付して接合する。
【0075】
なお、縦中央線L0付近のみよって液吸収部材3Cと連結シート6と接合する場合、X方向における側壁5と連結シート6との接合部と、液吸収部材3Cと連結シート6との接合部までの間隔が長くなるため、側壁5の動きを連結シート6が吸収するため、液吸収部材3Cがより独立した動きを取り易くなる。またこの場合、連結シート6の両側部6R,6Lに流れた***液が液吸収部材の下側(連結シート6側)へと流れ込むことが可能となるため、図16に示すような液吸収部材3Dを用いて連結シート6側へと流れた***液を液吸収部材3Dの連結シート6側でも吸収できるようにすることが好ましい。
【0076】
図17は、さらに別の参考例を示す斜視図、図18は図17のXVIII−XVIII線の断面図である。図17に示す生理用ナプキン1Eでは、図14に示した前記他の参考例の生理用ナプキン1Cと同様に、連結シート6Eの受液側に砂時計形状の液吸収部材3Cが設けられている。
【0077】
生理用ナプキン1Eでは、連結シート6Eの両側部6R,6Lにおいて切欠部6p,6qが設けられている。このような連結シート6Eを用いると、切欠部6p,6qが設けられている箇所においては側壁5と連結シート6Eとは独立した挙動を示すことができる。よって、切欠部6p、6qの間に位置する液吸収部材3Cが装着者の股間部の変形に追従することができる。
【0078】
なお、連結シート6Eにおいては切欠部6p、6qから***液が連結シート6Eの側へと移動が生じる。よって、図18に示すように、支持体2上に液吸収部材3とは別の第2の吸収体が設けられており、切欠部6p、6qを透過した***液が第2の吸収体で吸収されることが好ましい。
【0079】
生理用ナプキン1Eでは、第2の吸収コア2bが設けられ、さらに第2の吸収コア2bの受液側が透液性層2aで覆われている。前記透液性層2aは親水処理された繊維で形成されてスパンボンドまたはスパンレースなどの不織布であり、前記第2の吸収コア2bは、吸収コア3bと同様にパルプ、またはパルプとSAPとの混合体がティッシュなどで包まれたもの、あるいは吸収紙を重ねたものなどである。
【0080】
なお、本発明では自由状態の液吸収部材3Cが装着者の***部に密着し、液吸収部材3Cにより経血を十分に吸収保持できるため、第2の吸収コア2bは液吸収部材3よりも薄いものでよく、例えばティッシュなどの吸収紙を重ねたものなどで構成できる。またティッシュなどので形成される第2の吸収コア2bは、その面積が液吸収部材3Cの面積よりも広く、上から見た状態で、液吸収部材3Cの左右前記の側方へ前記第2の吸収コア2bがはみ出している大きさであることが好ましい。または、第2の吸収コアは連結シート6Eの切欠部6p,6qのZ2方向の直下付近にのみ設けられ、縦中央線L0付近には設けられないものであってもよい。
【0081】
図19、図20、図21は、それぞれ前記参考例の変形例であり、生理用ナプキンの受液側から示す一部切欠斜視図である。図19に示す生理用ナプキン1F、図20に示す生理用ナプキン1G、図21に示す生理用ナプキン1Hは、連結シートを除いて図17及び図18に示す生理用ナプキン1Eと同じ構造を持っている。
【0082】
図19の生理用ナプキン1Fでは、支持体2のY方向の縦寸法より小さい寸法をもつ連結シート6Fが、支持体2のY方向の中央において側壁5に接合されている。この場合、連結シート6Fの端部6e,6eが支持体2に接合されておらず、連結シート6Fが支持体2の変形の影響をより受け難く、連結シート6Fがより独立した挙動を示し、装着者の股間部の動きに追従できる。
【0083】
また、図20の生理用ナプキン1Gでは、連結シート6Gが図19に示した連結シート6Fのように支持体2より小さな縦寸法を持っている。さらに、連結シート6Gは、X方向の中央部(幅中心線W0の付近)の縦寸法が極端に短くなっており、H字形状を持っている。この場合、連結シート6Gが左右において独立して動くことができるので、液吸収部材3Cが装着者の股間部の動きにさらに追従しやすくなる。
【0084】
図21に示す生理用ナプキン1Hでは、3つの連結シート6Ha,6Hb,6HcがY方向へ間隔を開けて側壁5に接合されている。この場合、連結シート6Ha,6Hb,6Hcがそれぞれが互いに影響を受けることなく動くことができるので、連結シート6Ha,6Hb,6Hc上に接合された液吸収部材3CがY方向において部分的に独立して動くことができる。なお、生理用ナプキン1Hでは、3つの連結シートが設けられているが、設けられる連結シートの数は2つあるいは4つ以上であってもよい。
【0085】
図22は、本発明の実施の形態の吸収性物品を示す一部切欠斜視図、図23は図22のXXIII−XXIII線の断面図である。
【0086】
図22に示す生理用ナプキン1Jでは、前記参考例の側壁シートの代わりに、支持体2の右側部2Rから左側部2LまでX方向へ連続して延びる連結側壁シート8が設けられている。
【0087】
連結側壁シート8には、側壁シート4と同様に、それぞれがX方向へ延びる細かい凹凸状のヒダが形成されており、このヒダはY方向へ連続して繰り返し形成されている。ヒダが形成されたシートが2枚積層されて連結側壁シート8を形成している。この2枚のシートの間には、側壁シート4と同様に所定間隔ごと弾性部材7f,7g,7h,7iが伸長した状態で挟まれて接合されている。なお、弾性部材7g、7hとの間隔は、液吸収部材3Cの幅寸法より若干広く設定されている。弾性部材を挟み込んだシートが伸長した状態で、シートのX方向の側部がそれそれ支持体2の両側部2R,2Lに接合されて接合基端8c,8cとなっている。
【0088】
シートのX方向の幅寸法は支持体のX方向における幅寸法より大きく、側壁シート4と同様に弾性部材が設けられた箇所を頂点としてジグザグに折られている。すなわち、弾性部材7f、7iが設けられている箇所が支持体2のX方向外側方向へ位置している。そして、弾性部材7g、7h間において、連結側壁シート8の平坦部(中央領域)8tとなっており、平坦部8tは支持体2からZ1方向へ間隔をあけて位置している。この平坦部8tの受液側において液吸収部材3Cが接合され、第1〜第3の実施の形態と同様に液吸収部材が支持体2とは別の挙動を示すことができるようになっている。よって、生理用ナプキン1Jにおいても、液吸収部材3Cが支持体2から独立した挙動を示し、装着者の股間部の動きに追従することができる。
【0089】
また、生理用ナプキン1Jでは、連結側壁シート8の平坦部8tの液吸収部材3Cの両側部3R,3Lのすぐ外側において、Y方向へ延びるシート10s、10sが設けられている。シート10sの自由端10eには弾性部材7eが設けられ、自由端10eが装着者へと立ち上る防漏カフが形成され、X方向の漏れが防止されることが好ましい。
【0090】
図24は、前記実施の形態の変形例であり、図23と同等の断面図である。図24では、防漏カフ10を形成するためのシート10tが、X方向に連続しており、シート10tの受液側に液吸収部材3Cが設けられている。この場合、シート10tが連結シートと同様の機能を果す。
【0091】
なお、本発明においても、参考例のように支持体2上に第2の吸収コアが設けられていてもよい。
【0092】
以上、本発明の吸収性物品が生理用ナプキンである実施例について述べたが、本発明の吸収性物品はおむつ、尿取りパッド、パンティライナーなどその他の吸収性物品にも適用可能である。
【0093】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、吸収コアが支持体と独立して動くことができるので、液吸収部材を常に着用者の***部に密着させることができる。また、この状態で着用者の動きに追従することができるようになるため、***液を確実且つ効果的に吸収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸収性物品の参考例として生理用ナプキンを示す一部切欠斜視図
【図2】図1に示す生理用ナプキンのII−II線の断面図
【図3】図1のIII−IIIの線の断面図
【図4】図1のIV−IV線の断面図
【図5】側壁シートにヒダを形成する加圧工程を示す線形金型の断面図
【図6】側壁シートおよび弾性部材を示す部分斜視図
【図7】参考例の生理用ナプキンの変形例を示す断面図
【図8】参考例の生理用ナプキンの変形例を示す断面図
【図9】参考例の生理用ナプキンの変形例を示す断面図
【図10】参考例の変形例を示す一部切欠斜視図
【図11】図10のXI−XI線の断面図
【図12】参考例のさらに他の変形例を示す一部切欠斜視図
【図13】図12のXIII−XIII線の断面図
【図14】吸収性物品の他の参考例として生理用ナプキンを示す一部切欠斜視図
【図15】図14のXIV−XIV線の断面図
【図16】吸収コアの変形例を示す断面図
【図17】吸収性物品の他の参考例として生理用ナプキンを示す一部切欠斜視図
【図18】図17のXVIII−XVIII線の断面図
【図19】参考例の変形例を示す斜視図
【図20】参考例の変形例を示す斜視図
【図21】参考例の変形例を示す斜視図
【図22】本発明の吸収性物品として生理用ナプキンを示す一部切欠斜視図
【図23】図22のXXIII−XXIII線の断面図
【図24】本発明の変形例を示す断面図
Claims (9)
- 外部装着体へ対面する支持体(2)と、前記支持体(2)の受液側に位置する液吸収部材(3C)とを有する吸収性物品(1J)であって、
前記吸収性物品の長手方向を縦方向、幅方向を横方向とするとき、
前記支持体(2)には、一方の端部(8c)が支持体(2)の横方向における一方の側部(2R)に接合され且つ他方の端部(8c)が支持体(2)の他方の側部(2L)に接合された連結側壁シート(8)が設けられ、
前記連結側壁シート(8)が縦方向への伸縮性を有し、前記伸縮性により、前記連結側壁シート(8)に、その両端部(8c,8c)の間の中央領域(8t)を、前記支持体(2)から受液側へ離す弾性収縮力が作用しており、
前記液吸収部材(3C)は、前記連結側壁シート(8)に支持されて前記支持体(2)と接合されずに前記支持体(2)上で移動可能であることを特徴とする吸収性物品。 - 前記連結側壁シート(8)には、前記縦方向への弾性収縮力を発揮するように縦方向へ向けて繰り返す凹凸が形成されている請求項1記載の吸収性物品。
- 外部装着体へ対面する支持体(2)と、前記支持体(2)の受液側に位置する液吸収部材(3C)とを有する吸収性物品(1J)であって、
前記吸収性物品の長手方向を縦方向、幅方向を横方向とするとき、
前記支持体(2)には、一方の端部(8c)が支持体(2)の横方向における一方の側部(2R)に接合され且つ他方の端部(8c)が支持体(2)の他方の側部(2L)に接合された連結側壁シート(8)が設けられ、
前記連結側壁シート(8)に、縦方向への弾性収縮力を発揮する複数の弾性部材(7a,7b)が設けられ、前記弾性部材(7a,7b)により、前記連結側壁シート(8)に、その両端部(8c,8c)の間の中央領域(8t)を、前記支持体(2)から受液側へ離す弾性収縮力が作用し、
前記液吸収部材(3C)は、前記連結側壁シート(8)に支持されて前記支持体(2)と接合されずに前記支持体(2)上で移動可能であり、
前記弾性部材(7a,7b)は、前記連結側壁シート(8)の、両側の前記端部(8c,8c)から前記中央領域(8t)の間において、前記端部(8c,8c)から中央領域(8t)の方向へ間隔を開けて複数取付けられていることを特徴とする吸収性物品。 - 前記液吸収部材(3C)は、吸収コア(3b)と、少なくとも前記吸収コア(3b)の受液側表面を覆う透液性シート(3a)とを有し、前記液吸収部材(3C)は、前記連結側壁シート(8)の受液側上面に接合されている請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記連結側壁シート(8)は透液性であり、前記液吸収部材(3C)は連結側壁シート(8)の支持体側下面に接合されている請求項1ないし4のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記連結側壁シート(8)の前記縦方向の前端部および後端部が前記支持体(2)に接合されて、前記支持体(2)を前記縦方向に向け受液側へ凹状となるように湾曲させる力が作用している請求項1ないし5のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記連結側壁シート(8)が、前記端部から前記中央領域の方向へ向けてジグザグ形状または波形状とされている請求項1ないし6のいずれかに記載の吸収性物品。
- 液吸収部材(3C)の横方向の両側部には受液側へと立ち上る防漏カフが設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記支持体(2)の前記液吸収部材(3C)と対面する側に、前記液吸収部材(3C)と別の吸収体(2b)が設けられている請求項1ないし8のいずれかに記載の吸収性物品。
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