JP3932494B2 - 炭化水素改質ガスに含まれる一酸化炭素のメタン化反応用アモルファス合金触媒、炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用アモルファス合金触媒、及びその用法 - Google Patents

炭化水素改質ガスに含まれる一酸化炭素のメタン化反応用アモルファス合金触媒、炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用アモルファス合金触媒、及びその用法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素改質ガスの中に含まれる一酸化炭素および二酸化炭素と水素とを反応させてメタンに変換し高エネルギー化すると共に有害な一酸化炭素を無害化する高活性アモルファス合金触媒とその触媒の用法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素改質ガスは、例えば都市ガスなどに用いられているガスで、ナフサやLPGなどの石油系原料や石炭ガス(COG)などの石炭系原料等の原料炭化水素ガスを、触媒を用いた水蒸気改質等の改質によって製造されている。その炭化水素改質ガスは、一般的に、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタンなどの複数のガスを含んだ混合ガスである。
【0003】
有害な一酸化炭素を含む炭化水素改質ガスは、その使用に当り取分け注意を必要とするため、従来は、鉄−クロム系の高温変成用触媒や銅−亜鉛系の低温変成用触媒等の触媒を用いて有害な一酸化炭素を二酸化炭素へ転化変成する一酸化炭素変成法によって無害化していた。
【0004】
また、炭化水素改質ガスの中には、既に酸素と結合している一酸化炭素と二酸化炭素が存在し、その存在は、ガス体積当りのエネルギーを低くする原因となっている。ガス体積当りの高エネルギー化が図れるメタン化、つまり、一酸化炭素と水素を反応させてメタンを生成する一酸化炭素のメタン化、或は二酸化炭素と水素を反応させてメタンを生成する二酸化炭素のメタン化については各種研究が進められており、その一酸化炭素のメタン化用触媒や、二酸化炭素のメタン化用触媒もかなり広く研究されている。
【0005】
例えば、一酸化炭素のメタン化触媒としては、アルミナにルテニウムを担持した触媒などが知られており、二酸化炭素のメタン化触媒としては、本願出願人の一人が関与する特願平8−204543号の発明や特願平9−51598号の発明がある。本願出願人の一人が関与する発明は、アモルファス合金に酸化還元処理を施したものの中に、二酸化炭素と水素の反応で大気圧でも高速にメタンを生成する触媒を見出して出願したものである。
【0006】
特願平8−204543号の発明は、以下の二つの発明からなる。
【0007】
(1)8原子%以下のZrと希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dyの少なくとも1種5原子%以下との合計で80原子%以下含みCo及びNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒。
【0008】
(2)Ti、Nb、Taの少なくとも1種と8原子%以上のZrと希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dyの少なくとも1種5原子%以下との合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒。
【0009】
特願平9−51598号の発明は、以下の六つの発明からなる。
【0010】
(1)20原子%以上のZrと5原子%を越え15原子%以下の希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dyの群から選ばれる少なくとも1種との合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒。
【0011】
(2)Ti、Nb、Taの少なくとも1種と10原子%以上のZrとの合計で20原子%以上と希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dyの群から選ばれる少なくとも1種5原子%を越え15原子%以下との合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒。
【0012】
(3)20原子%以上のZrと15原子%以下のMgとの合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒。
【0013】
(4)Ti、Nb、Taの少なくとも1種と10原子%以上のZrとの合計で20原子%以上と15原子%以下のMgとの合計で80原子%以下を含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒。
【0014】
(5)希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dyの群から選ばれる少なくとも1種とMgとの合計で15原子%以下と20原子%以上のZrとの合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒。
【0015】
(6)Ti、Nb、Taの少なくとも1種と10原子%以上のZrとの合計で20原子%以上と希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、Dyの群から選ばれる少なくとも1種とMgとの合計で15原子%以下との合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように炭化水素改質ガスは、メタンのほか一酸化炭素、二酸化炭素、水素などを含み、既に酸素と結合している一酸化炭素および二酸化炭素が存在することが、ガス体積当りのエネルギーを低くしているだけでなく、有害な一酸化炭素の存在がその取り扱いに特に注意を必要とする。したがって、炭化水素改質ガスに含まれるすべての水素を一酸化炭素および二酸化炭素と反応させて、メタンに変えると共にその際に生じる水を除くことができれば、ガス体積当りのエネルギーは著しく上昇すると共に、有害な一酸化炭素は無害化され、かつ有用なメタンリッチガスを有する炭化水素改質ガスへ変換することができる。
【0017】
しかし上述した一酸化炭素変成法、一酸化炭素のメタン化、二酸化炭素のメタン化の従来技術は、個々のガスに対してそれ相応の成果を得られてはいるものの、例えば既存の触媒上での一酸化炭素と水素との反応は極めて遅いことが知られているように解決策の決定技術となっておらず、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などが共存する混合ガスの炭化水素改質ガスに適用して有害な一酸化炭素を無害化し、かつ有用なメタンリッチガスへ変換できる技術は確立されていなかった。よって、炭化水素改質ガスに含まれている大量の一酸化炭素および二酸化炭素を迅速にメタンに変換することのできる高活性な触媒とその用法の出現が待たれていた。
【0018】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、炭化水素改質ガスに含まれている水素を大気圧下で高速に一酸化炭素および二酸化炭素と反応させてメタンに変えると共にその際に生じる水を除いてガス体積当りの高エネルギー化を著しく上昇し、かつ有害な一酸化炭素を無害化する炭化水素改質ガスに含まれる一酸化炭素のメタン化反応用アモルファス合金触媒、炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用アモルファス合金触媒、及びその用法を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、20原子%以上80原子%以下のZrを含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする炭化水素改質ガスに含まれる一酸化炭素のメタン化反応用アモルファス合金触媒である。
【0020】
第2の発明に係る炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用アモルファス合金触媒は、Ti、Nb、Taの少なくとも1種と10原子%以上のZrと合計で20原子%以上80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施してなるものである。
【0021】
第3の発明に係る炭化水素改質ガスに含まれる一酸化炭素のメタン化反応用アモルファス合金触媒は、20原子%以上のZrと希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、DyにMgを加えた群から選ばれる少なくとも1種15原子%以下との合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施してなるものである。
【0022】
第4の発明に係る炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用アモルファス合金触媒は、Ti、Nb、Taの少なくとも1種と10原子%以上のZrと合計で20原子%以上と希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、DyにMgを加えた群から選ばれる少なくとも1種15原子%以下との合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施してなるものである。
【0023】
第5の発明は、上記触媒を充填して形成した複数段の反応管と該複数段の反応管間を直列に接続する経路を設け、上記反応管内で上記触媒によるメタン化反応によって生成された水分を上記経路において冷却除去することを特徴とするメタン化反応用アモルファス合金触媒の用法である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下詳述する。
【0025】
本発明者らは長年にわたりアモルファス合金の性質の研究を行い、従来本発明者らが用いてきた鉄族金属−バルブメタルアモルファス合金および鉄族金属とZr、Ti、Nb、Taなどのバルブメタルからなるアモルファス合金に酸素との親和力が高い希土類元素あるいはMgを加えたアモルファス合金を作製し、これに酸化還元処理を施して形成した触媒は、一酸化炭素と水素の雰囲気で一酸化炭素が触媒に吸着し続けることによる触媒活性の低下を共存する二酸化炭素によって防止することができ、一酸化炭素を先行して全てメタンに変えると共に残余の水素は二酸化炭素と反応してメタンを生成するきわめて高い活性を備えた触媒であることを見いだし触媒に係る本発明を達成した。
【0026】
その触媒に係る本発明は、特許請求の範囲第1項ないし第4項から成るものであり、CoおよびNiの少なくとも1種とZrあるいはZrの一部をTa、Nb、Tiで置換したアモルファス合金、さらに担体として触媒活性に特に有効な正方晶二酸化ジルコニウム(化1)を安定化する希土類元素あるいはMgを添加したアモルファス合金に酸化還元処理を施して得られるアモルファス合金の酸化還元処理物質からなる炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用アモルファス合金触媒である。
【化1】
ZrO
【0027】
そして、その触媒は、上述のように一酸化炭素、二酸化炭素、水素などが共存する炭化水素改質ガスに作用し、一酸化炭素が触媒に吸着し続けることによる触媒活性の低下を共存する二酸化炭素によって防止することができるように形成したものである。
【0028】
次の表1に、これら第1ないし第4の発明に係る触媒の構成元素および含有率を示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003932494
【0030】
一般的に、特定の化学反応に対する高い選択的触媒活性を備えた触媒を得るためには、アルミナ、チタニア、シリカなどセラミックスに白金族元素などを担持するよりは、有効元素を必要量含む合金を前駆体として用い酸化還元処理によって担持触媒に変える方が便利である。しかし、通常の方法で作られる結晶質金属の場合、多種多量の合金元素を添加すると、しばしば、科学的性質の異なる多相構造となることが多く、酸化還元処理を施しても所定の特性を備えることができない。
【0031】
これに対し、上記組成の本発明のアモルファス合金触媒は、構成元素が局在することを許さず所定の元素を均一に固溶している。これらのアモルファス合金を液体急冷法、スパッター法、メカニカルアロイイング法などを用いて作製し、酸化還元処理を施すと、従来では実現しなかった本発明のアモルファス合金固有の優れた触媒活性を備え、迅速に一酸化炭素をメタンに変え、残余の全ての水素が二酸化炭素をメタンに変換する高性能触媒が生じる。
【0032】
すなわち、大気圧で高速に一酸化炭素および二酸化炭素をメタンに変換するアモルファス合金触媒は、上記組成の合金に酸化還元処理を施して得られる本発明の触媒によって実現される。
【0033】
次に、本発明における各成分組成を限定する理由を述べる。NiおよびCoは本発明合金触媒の基礎となる元素であって、バルブメタルであるZrあるいはZrの一部を他のバルブメタルであるTa、Ti、Nbの1種以上と置換したものと共存してアモルファス構造を形成する元素である。また、NiおよびCoは活性元素として触媒反応に寄与する元素であり、Zrは二酸化ジルコニウム(化1)を生じてNiおよびCoに対する担体として働く必須元素である。したがって、本発明触媒のすべての請求項においてNiおよびCoの少なくとも1種は20原子%以上必要であるため他の元素の合計を80原子%以下とする。
【化1】
【0034】
Ti、Nb、TaはZrを置換してNiおよびCoとアモルファス構造を形成する有効元素であるが、酸化物となって担体として働くとき、触媒活性に対する二酸化ジルコニウム(化1)の作用を凌ぐことはないため第2の発明および第4の発明において10原子%以上のZrと共存することならびにアモルファス構造形成のために20原子%以上とする必要がある。
【化1】
【0035】
希土類元素およびMgは、特に触媒活性の高い担体として作用する正方晶二酸化ジルコニウム(化1)を安定化する元素であるが、一定量以上の添加は不要であり、また多量の添加はアモルファス合金作製を困難にするため、第3の発明および第4の発明においては15原子%以下とする。
【化1】
【0036】
また、NiおよびCoの一部を少量のFeで置換することは本発明の目的に何ら支障がない。
【0037】
次に、特許請求の範囲第5項に記載した本発明に係る触媒の用法について説明する。
【0038】
一酸化炭素および二酸化炭素と水素が反応してメタンと水を生成するメタン化反応は、よく知られているように発熱を伴うため、継続して反応させていると温度が上昇して反応に適したガス温度以上となって反応の効率が低下し、また、継続した反応は、反応が平衡状態となって反応の進行が低下し、更にメタン化反応によって生成された水の存在は、体積当たりのガスエネルギーを低下させている。
【0039】
これらの点に鑑みてなされた第5の発明は、触媒を充填した複数段の反応管を直列接続する経路において、メタン化反応によって生成した水を冷却除去する触媒の用法であり、発熱反応によって昇温したガスを元のメタン化反応に適した温度に戻し、生成された水の除去によって反応平衡を生成物側へ片寄らせて反応を促進し、かつ水の除去によってガスの体積当たりの高エネルギー化を達成するものである。
【0040】
図1に基づいて、本発明の触媒の用法の一例を詳述する。図中1は触媒、2はその触媒1を充填して形成した反応管、3は反応管2、2間を直列に接続する経路であり、その経路3には冷媒4によって冷却する冷却器5を設けている。
【0041】
炭化水素改質ガスの導入ガス6は、まず上部から1段目の反応管2へ入り、その反応管2の中で、導入ガス6中の一酸化炭素および二酸化炭素と水素が触媒1によってメタンと水を生じる発熱メタン化反応を行う。その後、経路3において冷却器5で冷却され、メタン化反応に適した元の温度に戻されるとともに、生成している水7を分離除去する。そして2段目の反応管2の上部へ入り、触媒1によって再び上述のメタン化反応を行い、下部から出る。
【0042】
このようなプロセスの用法で炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用触媒を用いることによって、発熱反応で昇温した炭化水素改質ガスは元のメタン化反応に適した温度に戻されて、安定した反応をその後も継続することができるとともに、水の除去によって反応平衡を生成物側へ片寄らせて反応の促進を図ることができ、かつ水の除去によるガス体積当たりの高エネルギー化を図ることができる。
【0043】
なお、図1の事例は、反応管1を2段設け、その間に一つの冷却器5を設けているが、ガス量や昇温状況などとの関係によって、反応管1の設置段数や冷却器5の設置個数は調整して設ける。また、冷却器5を最後の反応管1の後に設け、水の除去によるガス体積当たりの高エネルギー化をより図るようにしてもよい。
【0044】
次に本発明の実施例を示す。
【0045】
【実施例1】
Ni−40原子%Zrの組成となるように原料金属を混合し、アルゴンアーク溶融により原料合金を作製した。この合金をアルゴン雰囲気中で再溶融し、図2に示した単ロール法を用いて超急冷凝固させることにより、厚さ0.01−0.05mm、幅1−3mm、長さ3−20mのアモルファス合金薄板を得た。アモルファス構造形成の確認はX線回折によって行った。この前駆体の合金試料を酸素雰囲気中500度Cで3時間酸化した後、水素雰囲気中300度Cで1時間還元して高活性触媒を得た。
【0046】
なお、図2に示した単ロール法装置による合金薄板の製作を詳述すると、所定組成に作成した原料合金14を石英管12の原料結晶合金挿入口11から挿入し、点線で囲んだ真空チャンバー内をアルゴン雰囲気に置換した後、石英管12の周囲に設置した加熱炉15で原料合金14を再溶融し、モーター16によって高速回転している高速回転ロール17の外周面上に溶融した原料合金14を噴出させ、超急冷凝固させることによって、上述した寸法を有するアモルファス合金薄板を製作するものである。
【0047】
こうして得られた触媒0.5gを内径8mmのガラス管中約2.5cmの長さにつめた反応管2本を電気炉内に設置した。導入ガスは1段目の反応管を通過後反応生成物である水を冷却して除き、さらに2段目の反応管を通過するようにした。反応管に導入したガスは、炭化水素改質ガスの一例成分を有するガスで、その組成を表2に示す。
【0048】
【表2】
Figure 0003932494
【0049】
300度Cにおいて、反応管に種々の速度で上記導入ガスを流し、1段目および2段目の反応管出口における一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン、ブタン、窒素の量をガスクロマトグラフで測定した。流速を変えて測定した結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
Figure 0003932494
【0051】
反応生成物のメタン選択率は99.9%以上であり、残りは微量のエタンであった。以上のように、本発明のNi−40原子%Zr合金に酸化還元処理を施して得られる触媒は、まず一酸化炭素を先行して全てメタンに転換し混合ガスを無害化すると共に、残りのほとんど全ての水素が二酸化炭素をメタンに転換するため、生成する水を冷却して除くことによって、本実施例においては体積当りのエネルギーをほぼ2.24倍に挙げることのできる高性能触媒であることが判明した。
【0052】
【実施例2】
表4の所定組成となるように原料金属を混合し、アルゴンアーク溶融により原料合金を作製した。この合金をアルゴン雰囲気中で再溶融し、図2に示した単ロール法を用いて超急冷凝固させることにより、厚さ0.01−0.05mm、幅1−3mm、長さ3−20mのアモルファス合金薄板を得た。アモルファス構造形成の確認はX線回折によって行った。これら前駆体の合金試料を酸素雰囲気中500度Cで3時間酸化した後、水素雰囲気中300度Cで1時間還元して高活性触媒を得た。
【0053】
こうして得られた触媒0.5gを内径8mmのガラス管中約2.5cmの長さにつめた反応管2本は、直列に接続するガラス管の経路で接続し、その2本の反応管は電気炉内に設置した。用いた導入ガスの組成は、表2に示す組成のものである。導入ガスは1段目の反応管を通過後反応生成物である水を経路において冷却して除き、さらに2段目の反応管を通過するようにした。1段目および2段目の反応管出口における一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン、ブタン、窒素の量をガスクロマトグラフで測定した。300度Cにおいて導入ガスを流速90ml/minで流し、測定した一酸化炭素のメタンへの変換率および水素のメタンへの変換率の結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
Figure 0003932494
【0055】
表3の結果と同様な結果を得た。すなわち、一般的に反応が遅いといわれている一酸化炭素と水素のメタン化反応が先行して炭化水素改質ガスの混合ガスを無害化するとともに、残りの水素が二酸化炭素をメタンに転換するため、生成する水を冷却して除くことによって、体積当たりのエネルギーを大幅に挙げることのできる高性能触媒であることが判明した。
【0056】
また、表3および表4の結果から明らかなように、1段目の反応管を出た炭化水素改質ガスの混合ガスには有害な一酸化炭素がほとんど存在しなくなっているため、1段式反応管による一酸化炭素変成器の実現が可能であることも判明した。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明のアモルファス合金に酸化還元処理を施して得られる触媒は、通常のアモルファス合金作成法によって容易に製造することができ、反応選択率がほとんど100%メタンであって微量の副産物はエタンであるうえに、反応平衡は常圧でも極端に生成物側に片寄っているため、メタンと共に生成する水を除く以外に、不純物を除いて反応を高圧で何度も繰り返すような特別かつ複雑な施設を必要とせずに、途中で水を除く単純な常圧の施設で迅速に、まず、全ての一酸化炭素をメタンに変換して混合ガスの炭化水素改質ガスを無害化すると共に、残りのほぼ全ての水素は二酸化炭素をメタンに転換し、体積当りのエネルギーを著しく向上させることができる高性能触媒である。
【0058】
また、上記高性能触媒を充填して形成した複数段の反応管を直列に接続する経路においてガス中水分を冷却脱水する用法の発明は、水の除去によって反応平衡を生成物側に移行させて反応を促進させることができ、発熱反応によって昇温したガスをメタン化反応に適した温度に戻して安定した反応を継続させることができ、かつ水の除去によってガス体積当たりの高エネルギー化が図れる。
【0059】
更に無害化され、かつ高エネルギー化された炭化水素改質ガスを用いた都市ガスは、ガス利用者の安全に大きく貢献することとなり、かつやさしい地球環境作りに大きく寄与することとなる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の触媒の用法一例を示す概略プロセスフロー説明図である。
【図2】 本発明の合金触媒を製造するための装置の一例を示す概要断面説明図である。
【符号の説明】
1 触媒 2 反応管
3 経路 4 冷媒
5 冷却器 6 導入ガス
7 水
11 原料結晶合金挿入口 12 石英管
13 垂直ノズル 14 原料合金
15 加熱炉 16 モーター
17 高速回転ロール

Claims (5)

  1. 20原子%以上80原子%以下のZrを含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする炭化水素改質ガスに含まれる一酸化炭素のメタン化反応用アモルファス合金触媒。
  2. Ti、Nb、Taの少なくとも1種と10原子%以上のZrと合計で20原子%以上80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用アモルファス合金触媒。
  3. 20原子%以上のZrと希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、DyにMgを加えた群から選ばれる少なくとも1種15原子%以下との合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする炭化水素改質ガスに含まれる一酸化炭素のメタン化反応用アモルファス合金触媒。
  4. Ti、Nb、Taの少なくとも1種と10原子%以上のZrと合計で20原子%以上と希土類元素であるY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Tb、DyにMgを加えた群から選ばれる少なくとも1種15原子%以下との合計で80原子%以下含みCoおよびNiの少なくとも1種を実質的残部とするアモルファス合金を前駆体とし、これに酸化還元処理を施すことを特徴とする炭化水素改質ガスに用いるメタン化反応用アモルファス合金触媒。
  5. 請求項1乃至4いずれか1項記載の触媒を充填して形成した複数段の反応管と該複数段の反応管間を直列に接続する経路を設け、上記反応管内で上記触媒によるメタン化反応によって生成された水分を上記経路において冷却除去することを特徴とするメタン化反応用アモルファス合金触媒の用法。
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