JP3931961B2 - 画像形成装置及びこれに用いられるプロセスカートリッジ、現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタなどの画像形成装置に係り、特に、像担持体上の潜像を現像剤にて可視像化する方式において、現像剤の補給・廃現像剤の回収を可能とする画像形成装置及びこれに用いられるプロセスカートリッジ、現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の画像形成装置としては、例えば電子写真方式を例に挙げると、感光体ドラム等の像担持体上に例えば走査光にて潜像を形成し、これを現像剤にて可視像化(現像)した後、用紙等のシートに転写するものが一般的である。
このとき、例えば二成分現像方式を使用すると、トナーの消費に伴って、トナー、あるいは、トナー及びキャリアを定期的に補給するようにしたり(例えば特開平9−185234号公報、特開平8−15971号公報)、また、現像装置内において現像剤が長時間に亘って循環使用されると、現像剤の特性(キャリアの帯電性など)が劣化してくるため、この種の劣化現像剤を回収することが行われる(例えば特開平2−6978号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の先行技術のうち、例えば前者の先行技術においては、トナーの補給は可能であるが廃現像剤の回収を行うことができない。
この点、後者の先行技術(例えば特開平2−6978号公報)では、同一の筐体でトナー補給と共に廃現像剤の回収を行うことが可能かも知れない。
しかしながら、例えば現像装置内の廃現像剤はキャリアの混ざった重いものであるから、トナー補給を行う同一筐体まで廃現像剤を持ち上げ搬送することは極めて困難である。
例えばエンドレスベルトを用いて廃現像剤を持ち上げ搬送する方式(例えば特開平8−123275号公報)は有効かも知れないが、機構の複雑さや、ベルトの耐久性の点でコストが嵩む懸念がある。
【0004】
また、像担持体には走査光による潜像が形成されるため、トナー補給ボックスと廃現像剤回収ボックスとのレイアウトについては、走査光の入射位置と干渉しない位置を選定することが必要不可欠である。
例えば像担持体上の可視像が転写されるシートを略鉛直方向上方に向けて搬送する態様において、走査光の入射位置より下方側(下流側に相当)にトナー補給ボックス、及び、廃現像剤回収ボックスを配設するとすれば、例えばトナーの補給量を増加させたいモデル変更を考えた場合では、トナー補給ボックスの容量が増加する分、例えば下側に配設されるシートトレイ位置に影響を与えることになり、トナーの補給量変更に伴う仕様変更がまちまちで共用化が困難になるばかりか、逆に、走査光の入射位置の上方側にデッドスペースが生じ易い。
【0005】
一方、走査光の入射位置の上方側(上流側に相当)にトナー補給ボックス、及び、廃現像剤回収ボックスを配設するとすれば、通常現像装置の現像部は前記走査光の入射位置よりも下方側に配設されるため、トナー補給ボックス及び廃現像剤回収ボックスと現像部との間を連通する補給路、回収路が必要になる。
このとき、トナー補給ボックスからの補給路、廃現像剤回収ボックスからの回収路はいずれも走査光の入射経路から外れた箇所に相互に干渉することなく二系統設置することが必要になるため、その分、装置の前後方向寸法が嵩み、装置が不必要に大型化してしまうという技術的課題が生ずる。
【0006】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、装置の小型化、現像剤補給量などの仕様変更に容易に対応でき、装置内にデッドスペースを生じさせることなく、現像剤補給機能と廃現像剤回収機能とを両立できるようにした画像形成装置及びこれに用いられるプロセスカートリッジ、現像装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、像担持体1上に潜像を形成する潜像形成手段2、像担持体1上に形成された潜像を現像剤にて可視像化する現像装置3、及び、像担持体1上に形成された可視像をシートSに転写する転写装置10を含み、装置本体7内に設けられる作像エンジンと、装置本体7の上部に設けられ且つ装置本体7のシートSが排出される排出口側が低く当該排出口から離れるにつれて高くなる傾斜部を具備する排出トレイ7bと、装置本体7内の作像エンジンの下方に設けられるシート供給装置とを備え、装置本体7の一側にてシート供給装置から供給されたシートSを下方側から上方に向けて搬送すると共に、転写装置10の転写部位を経て前記排出トレイ7bに排出する態様の画像形成装置において、現像装置3としては、現像剤が収容される現像ハウジング4に現像剤が補給可能な現像剤補給ボックス5及び現像ハウジング4内の廃現像剤が回収可能な廃現像剤回収ボックス6を夫々連通接続し、前記排出トレイ7bの傾斜部の下方であって像担持体1上の潜像書込位置Pを挟んで上方側には前記現像剤補給ボックス5を配設し、かつ、前記潜像書込位置Pを挟んで下方側には前記現像ハウジング4及び廃現像剤回収ボックス6を水平方向に隣接して配設し、更に、現像剤補給ボックス5と廃現像剤回収ボックス6とを潜像書込用の走査光経路を挟んで一ユニットとして構成し、かつ、現像ハウジング4に対して現像剤補給ボックス5及び廃現像剤回収ボックス6を一体的に分離可能としたことを特徴とするものである。
【0008】
このような技術的手段において、本件は、現像装置3にて潜像を可視像化する方式の画像形成装置を全て対象とするものであり、モノクロマシンに限らず、例えば像担持体1を複数配列したタンデム型カラーマシンにも適用可能である。
また、現像装置3は、現像剤補給と廃現像剤回収とを行うものであればいずれの現像剤をも仕様することができ、二成分現像剤を始め、供給されたトナーの搬送媒体としてのみ磁性キャリアを用いる態様など適宜選定することができる。
更に、現像剤補給ボックス5は現像剤(トナー、トナー+キャリア)を補給するための容器を広く含む。
更にまた、廃現像剤回収ボックス6は廃現像剤(主として現像装置3内の劣化現像剤を意味するが、クリーニングされた廃トナーなどを除外するものではない)を回収するための容器を広く含む。
【0009】
また、潜像書込位置Pを基準にしているのは、現像剤補給ボックス5、廃現像剤回収ボックス6が潜像書込位置を遮ると、像担持体1上に潜像を形成することができないことによる。
本態様のように、潜像書込位置Pの上方に現像剤補給ボックス5を、下方に廃現像剤回収ボックス6を配設すると、装置内スペースを有効に利用しながら、現像剤の補給機能、廃現像剤の回収機能を両立させることができる。
特に、潜像書込位置Pの上方に現像剤補給ボックス5を配設したのは、容量の変化に対応し易いことによる。
【0010】
また、本態様において、現像剤補給ボックス5及び廃現像剤回収ボックス6は一ユニットとして構成されている。
この場合、別途廃現像剤回収ボックス6を設けることなく、また、廃現像剤回収ボックス6の満杯検知が不要である。
更に、この種の画像形成装置においては、装置本体7に対して着脱自在に装着され、像担持体1及び少なくとも一つのプロセスユニット9(9a:例えば帯電ユニット,9b:例えばクリーニングユニット)が組み込まれたプロセスカートリッジ8を備え、このプロセスカートリッジ8に前記現像剤補給ボックス5及び廃現像剤回収ボックス6を具備させることが好ましい。
本態様によれば、両ボックス5,6を内包したまま装置本体7からプロセスカートリッジ8を着脱することができる。
【0011】
更にまた、現像剤補給ボックス5及び廃現像剤回収ボックス6はプロセスカートリッジ8に対して着脱自在であることが好ましい。
この場合、現像剤補給ボックス5、廃現像剤回収ボックス6の独自交換を可能とし、プロセスカートリッジ8の有効利用を図ることができる。
また、少なくとも像担持体1を含む像担持体カートリッジがプロセスカートリッジ8に対して着脱自在であることも好ましい。
この場合、像担持体カートリッジの独自交換を可能とし、プロセスカートリッジ8の有効利用を図ることができる。
更に、プロセスカートリッジ8は装置本体7上部の開閉カバー7aを開放することで上方から着脱自在である態様が好ましい。
この場合、プロセスカートリッジ8の着脱操作性を向上させることができるほか、開閉カバー7aの共通化で装置本体7コストの低減が可能である。
【0012】
また、画像形成装置は、像担持体1上の可視像が例えば転写装置10により転写されるシートSを下方側から上方に向けて搬送する態様であり、像担持体1の潜像書込位置Pを挟んで上方側に現像剤補給ボックス5を配設すると共に、前記潜像書込位置Pの下方側に現像ハウジング4及び廃現像剤回収ボックス6を配設するようにしたものである。
この場合、現像剤補給ボックス5を潜像書込位置Pより上方に配設することにより、現像剤補給ボックス5のレイアウトの自由度(容量の増加などに対する対応が容易)が高まる点で好ましい。
更に、略鉛直方向のシートパスを備えた態様にあっては、現像剤補給ボックス5の上方に排出シートが収容される排出トレイ7bを具備させるようにすればよい。
このとき、排出トレイ7bの下部のデッドスペースを現像剤補給ボックス5の設置スペースとして有効に利用することができる。
【0013】
また、略鉛直方向のシートパスを備えた態様において、現像剤補給ボックス5と現像ハウジング4との好ましい連通構造としては、現像剤補給ボックス5の補給口は現像ハウジング4の現像剤収容部より上方に偏位配置されており、現像剤補給ボックス5からの新規現像剤は像担持体1での潜像書込位置Pから外れた位置の供給路を経て現像ハウジング4に供給可能に構成される態様が挙げられる。
更に、略鉛直方向のシートパスを備えた態様において、廃現像剤回収ボックス6と現像ハウジング4との好ましい連通構造としては、廃現像剤回収ボックス6の回収口は現像ハウジング4の廃現像剤の排出口より上方に偏位配置されており、現像ハウジング4から排出された廃現像剤は回転搬送体を介して上方に位置する廃現像剤回収ボックス6の回収口に搬送される態様が挙げられる。
ここで、回転搬送体としては、リング状固定枠内に回転フィンを回転自在に具備させ、回転フィンにより廃現像剤を掬い上げるものであってもよいし、リング状回転部材に一時受部を適宜仕切り、リング状回転部材そのものを回転させることで一時受部に収容した廃現像剤を回転移動させるようにする等適宜選定して差し支えない。
【0014】
本発明は、上述した画像形成装置に限られるものではなく、図1に示すように、画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジ8や現像装置3単体をも対象とする。
【0015】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明に係る画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
同図において、画像形成装置は、装置本体20内に例えば電子写真方式の作像エンジン21を搭載し、装置本体20内の作像エンジン21の下方にシート供給装置22を装備すると共に、装置本体20の上部を排出トレイ27として構成し、装置本体20内の背面側(図2では左側に相当)にシート供給装置22から送出されたシートSを作像エンジン21、排出トレイ27へと導くシート搬送路23を略鉛直方向に設けたものである。
【0016】
本実施の形態において、作像エンジン21は、例えば電子写真方式を採用したものであって、感光体ドラム31と、この感光体ドラム31を帯電する帯電装置(本例では帯電ロール)32と、帯電された感光体ドラム31上に静電潜像(以下潜像という)を書き込むレーザ走査装置等の露光装置33と、感光体ドラム31上の潜像をトナー現像する現像装置34と、感光体ドラム31上の可視像(トナー像)をシートSに転写させる転写装置(本例では転写ロール)35と、感光体ドラム31上の残留トナーを清掃するクリーニング装置36とを備えている。
また、シート搬送路23の感光体ドラム31の上流側にはシートSを位置決め搬送するためのレジストロール24が設けられ、また、シート搬送路23の感光体ドラム31の下流側には定着装置25が配設されると共に、排出トレイ27の直前には排出ロール26が設けられる。
【0017】
更に、本実施の形態では、作像エンジン21の大部分のデバイスがプロセスカートリッジ40として一体的に構成されている。
すなわち、本実施の形態で用いられるプロセスカートリッジ40は、図2及び図3に示すように、感光体ドラム31、帯電装置32、現像装置34及びクリーニング装置36を内包し、装置本体20に対して着脱自在に装着されており、所謂CRU(Customer Replaceable Unit)構成になっている。
そして、本例では、感光体ドラム31と、帯電装置32及びクリーニング装置36とで感光体カートリッジ41が一体的に構成され、プロセスカートリッジ40に対して分離自在に装着される。
【0018】
ここで、この感光体カートリッジ41は、カートリッジケース411のうち、感光体ドラム31の潜像書込位置Pの上流側(本例では上方側に相当)に帯電装置32を配設し、更に、その上流側にクリーニング装置36を配設したものである。
尚、本例では、クリーニング装置36は、カートリッジケース411の一部をクリーニングケース360として構成し、このクリーニングケース360の開口縁に設けられて感光体ドラム31に当接配置されるクリーニングブレード361と、このクリーニングケース360の開口近傍に設けられて前記クリーニングブレード361で掻き取った残トナーをクリーニングケース360の奧側に搬送する搬送パドル362とを備えている。
【0019】
一方、現像装置34は、例えば二成分現像方式を採用したものであって、図3及び図4に示すように、感光体ドラム31の潜像書込位置Pの下流側(本例では下方側に相当)には感光体ドラム31側に開口した現像ハウジング51を有し、この現像ハウジング51の開口部に面して現像ロール52を配設すると共に、この現像ロール52の背面側には現像剤が攪拌搬送される一対の攪拌搬送オーガー53,54を配設し、これらの攪拌搬送オーガー53,54にて攪拌搬送された現像剤を現像ロール52に受け渡し、図示外のトリミング部材にて現像ロール52上の現像剤層厚を規制し、感光体ドラム31上の現像位置に現像剤を供給するものである。
【0020】
更に、現像装置34は現像ハウジング51の背面側にトナーカートリッジ42を備えている。
このトナーカートリッジ42は、図3及び図4に示すように、感光体ドラム31の潜像書込位置Pを跨って上下方向に延びて配設されており、カートリッジケース61のうち潜像書込位置Pに対応した部位に露光装置33からの走査光が通過する走査用通路62を開設する一方、カートリッジケース61の前記潜像書込位置Pの上流側(本例では上方側)にはトナー補給ボックス63を配設すると共に、前記潜像書込位置Pの下流側(本例では下方側)には廃現像剤回収ボックス64を配設したものである。
【0021】
そして、本実施の形態では、トナー補給ボックス63は、現像ロール52の軸方向に沿って延びる円筒状ボックスからなり、この内部にトナーアジテータ631を配設し、トナーが一箇所に固まらないように攪拌混合するようになっている。
そして、このトナー補給ボックス63と現像ハウジング51との間にはトナー補給ダクト65が連通接続されており、このトナー補給ダクト65は走査用通路62を遮らないように走査用通路62から外れた位置に設けられている。
このトナー補給ダクト65はトナー補給ボックス63の一部に開設された長孔状の補給口632に対応したトナー受部651を有すると共に、このトナー受部651の長手方向外側端から現像ハウジング51の補給口511(トナー補給ボックス63の補給口632より下方に配置)とが連通される接続管部652を有し、前記トナー受部651内には受け止められたトナーが所定量ずつ接続管部652側に供給せしめられるディスペンスオーガー653を配設するようにしたものである。
【0022】
また、本実施の形態において、廃現像剤回収ボックス64は、現像ロール52の軸方向に沿って延びる断面略変形扇形状ボックスからなり、その一側端上部に回収口641を備えており、その内部には回収された廃現像剤が均される均しアジテータ642を配設したものである。
一方、現像ハウジング51の長手方向一側端には現像ハウジング51内の廃現像剤を排出する排出口512(通常排出口512は前記回収口641よりも下方に配置)が開設されており、現像ハウジング51内の劣化現像剤が定期的に排出口512から排出されるようになっている。
尚、前記排出口512は通常所定高さ位置に常時開放されるように一若しくは複数設けられていてもよいし、あるいは、適宜タイミングで開閉するシャッタ等を付加するようにしてもよい。
そして、廃現像剤回収ボックス64の回収口641と現像ハウジング51の排出口512との間には廃現像剤搬送機構66が設けられている。
【0023】
この廃現像剤搬送機構66は、例えば図4ないし図6に示すように、現像ハウジング51とトナーカートリッジ42との側部に配設されており、廃現像剤回収ボックス64の回収口641と現像ハウジング51の排出口512とを接続ダクト661にて密封接続し、この接続ダクト661の一部にはリング状空間部662を形成し、このリング状空間部662内に回収フィン663を配設したものである。
ここで、回収フィン663としては、ローター664の周囲に複数のフィン材665を所定間隔毎に設けた態様が用いられ、リング状空間部662を区画する接続ダクト661部分のうち、回収フィン663のフィン移動軌跡に面した位置に前記回収口641が配置されると共に、この回収口641に対応した部位に連通口666が開設されている。尚、回収フィン663を樹脂成形などで製造するようにすればコスト低減を図ることは可能である。
【0024】
更に、本実施の形態において、プロセスカートリッジ40は、例えば図3に示すように、各感光体カートリッジ41やトナーカートリッジ42、その他のデバイスが保持されるカートリッジホルダ401を有し、このカートリッジホルダ401にはトナーカートリッジ42が押さえ込まれる可動ホルダ402を揺動自在に具備させ、この可動ホルダ402とトナーカートリッジ42側の係合片611との係合状態を解除することで、カートリッジホルダ401からトナーカートリッジ42を離脱させるようにしたものである。尚、図4では、トナーカートリッジ42の係合片611は図示を省略している。
【0025】
また、プロセスカートリッジ40には駆動伝達系70が設けられている。
この駆動伝達系70は、例えば図7及び図8に示すように、装置本体20側に駆動モータ71を固着し、この駆動モータ71の駆動軸ギア72に噛合する駆動カップリングギア73に駆動側カップリング74を具備させ、前記駆動カップリングギア73を装置本体20に対して軸方向に移動自在に支承すると共に、この駆動カップリングギア73を付勢スプリング75にてプロセスカートリッジ40から離間する方向に付勢し、更に、前記駆動軸ギア72及び駆動カップリングギア73をいずれもハスバギアで構成すると共に、駆動カップリングギア73軸にはトルクリミッタ76を取り付けたものである。
一方、プロセスカートリッジ40のカートリッジホルダ401にはCRU側カップリング77が設けられており、このCRU側カップリング77が駆動側カップリング74と解除可能に連結されるようになっている。
【0026】
本実施の形態では、駆動伝達系70は以下のように動作する。
すなわち、今、駆動モータ71が所定方向に伝達すると、駆動軸ギア72と駆動カップリングギア73との噛合部には回転方向とトルクリミッタ76負荷により図中矢印A方向へのスラスト力が発生する。すると、このスラスト力により駆動側カップリング74が付勢スプリング75の付勢力に抗してCRU側カップリング77に連結される。
一方、駆動モータ71が停止すると、駆動軸ギア72と駆動カップリングギア73との噛合部には前記スラスト力がなくなるため、駆動側カップリング74が付勢スプリング75の付勢力によって後退移動し、駆動側カップリング74とCRU側カップリング77との連結状態は解除される。
尚、カップリングの連結状態を解除する際に、駆動モータ71を連結時とは逆回転させ、これにより、駆動軸ギア72と駆動カップリングギア73との噛合部に連結時とは逆方向のスラスト力を生じさせ、両者の連結状態を解除するようにしてもよい。
このような連結解除機構を用いるようにすれば、カップリングの連結を解除するために専用の別部品が不要になり、その分、連結解除機構の構造を簡略化することができる。
【0027】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
今、図2に示すように、プロセスカートリッジ40では、感光体ドラム31が帯電装置32により帯電され、露光装置33により感光体ドラム31上に潜像が形成された後に、現像装置34により可視像(トナー像)が形成される。
一方、シート供給装置22からは所定のタイミングでシートがシート搬送路23に送出され、レジストロール24で位置決めされた後に転写部位へと搬送される。
そして、感光体ドラム31上のトナー像は転写装置35によりシートに転写され、定着装置25にてシート上の未定着トナー像が定着された後、定着済みのシートは排出トレイ27へ排出される。尚、感光体ドラム31上の残留トナーはクリーニング装置36にて清掃される。
【0028】
このような作像過程において、露光装置33からの走査光は、プロセスカートリッジ40の走査用通路62を通じて感光体ドラム31の潜像書込位置Pに到達するから、プロセスカートリッジ40が露光装置33の露光走査性を損なう懸念は全くない。
また、現像装置34では、作像過程が進むにつれてトナーの消費量が増えるが、図示外のトナー補給制御装置のアルゴリズムに従って、トナー補給ボックス63内の新規トナーはトナー補給ダクト65を通じて現像ハウジング51に逐次補給される。
そして、現像ハウジング51内に補給された新規トナーは攪拌搬送オーガー53,54によって現像ハウジング51内の現像剤と攪拌混合され、所定の帯電特性を具備した状態で現像ロール52側に供給され、この現像ロール52に保持された現像剤が感光体ドラム31との現像領域へ供給される。
【0029】
また、現像装置34において、現像ハウジング51内の現像剤の一部は、現像に供されることなく、攪拌搬送オーガー53,54によって現像ハウジング51内を循環移動することになる。
このような現像剤は劣化しており、帯電特性などを維持することが困難になるため、本実施の形態では、現像ハウジング51の排出口512から廃現像剤(主として劣化現像剤)が定期的あるいは所定のタイミングで排出される。
この廃現像剤は、図4及び図5に示すように、廃現像剤搬送機構66内の回収フィン663に搬送されて廃現像剤回収ボックス64の回収口641を通じて廃現像剤回収ボックス64内に落下回収された後、均しアジテータ642にて適宜均される。
【0030】
このようなプロセスカートリッジ40の装置本体20内におけるレイアウトを図9に示す。
尚、比較の形態として、感光体ドラム31の潜像書込位置Pより下流側(本例では下方側)にトナーカートリッジ42’(本例ではトナー補給ボックス63’のみを具備)が組み込まれたプロセスカートリッジ40’を示す。
ここで、本実施の形態に係るプロセスカートリッジ40と、比較の形態に係るプロセスカートーリッジ40’とを対比してみるに、本実施の形態に係るプロセスカートリッジ40の底部位置が比較の形態に比べてhだけ上方に上がり、その分、装置本体20内の下部に配置されるシート供給装置22などへのレイアウト上の制約は解消される。
【0031】
また、本実施の形態では、感光体ドラム31の潜像書込位置Pの上流側(本例では上方側)にトナー補給ボックス63が配設されるため、比較の形態に比べて、装置本体20内の走査光ラインkよりも上方空間の占有スペースは増加する。しかしながら、もともと、比較の形態にあっては、装置本体20内の排出トレイ27の下部空間はデッドスペースDであったため、このデッドスペースDを有効に利用し、前記トナー補給ボックス63の占有スペースとしたに過ぎないため、本実施の形態に係るプロセスカートリッジ40を使用するに当たって、装置本体20の上部仕様を大幅に変更する必要はない。
更に、トナー補給ボックス63のトナー補給量を例えば増加変更するような場合であっても、前記装置本体20内の上部スペースを有効に利用するようにすれば、装置本体20の上部仕様(排出トレイ27周辺)をほとんど変更せずに済む。
このため、各種仕様の画像形成装置を構築するに当たって、装置本体20の共用化を図ることができる。
尚、やむを得ず装置本体20の上部仕様を変更するにしても、排出トレイ27位置を僅かに上方に上げる等の軽度の仕様変更で済む。このため、比較の形態のように、装置本体20の下部スペースが圧迫される場合には、シート供給装置22側のレイアウトを変更する等の大幅な仕様変更が必要になるが、本実施の形態では、大幅な仕様変更は不要である。
【0032】
次に、本実施の形態に係るプロセスカートリッジ40の着脱操作について説明する。
本実施の形態において、装置本体20内には、プロセスカートリッジ40が着脱自在なカートリッジ受部80が形成されており、こののカートリッジ受部80は、プロセスカートリッジ40のカートリッジホルダ401の被案内部が移動自在に係合する案内溝などの案内部81を備えている。
また、本実施の形態では、排出トレイ27の底壁の一部が開閉カバー82として形成されており、この開閉カバー82解放時の開口部がプロセスカートリッジ40の着脱操作のための作業用開口83として利用されるようになっている。
【0033】
先ず、装置本体20からプロセスカートリッジ40を取り外す場合には、例えば図10に示すように、開閉カバー82を開放した後、作業用開口83を通じて装置本体20のカートリッジ受部80からプロセスカートリッジ40を引き出すようにすればよい。
この状態において、例えば感光体カートリッジ41を交換するような場合には、図11に示すように、プロセスカートリッジ40から感光体カートリッジ41を取り外すようにすればよい。
尚、図3に示すように、感光体カートリッジ41のカートリッジケース411は、カートリッジホルダ401側の複数の被係合部403に対して係脱自在な係合部412を有し、カートリッジホルダ401に対して着脱自在に位置決め装着されるようになっている。
【0034】
また、本実施の形態においては、プロセスカートリッジ40からトナーカートリッジ42を取り外すこともできる。
この場合、図12に示すように、カートリッジホルダ401の可動ホルダ402を倒し移動することで、可動ホルダ402によるトナーカートリッジ42の拘束状態を解除し、しかる後、カートリッジホルダ401からトナーカートリッジ42を略上方へ向けて引き出すようにすればよい。
ここで、本実施の形態では、装置本体20からプロセスカートリッジ40を取り出した後に、トナーカートリッジ42を交換しても差し支えないが、図13に示すように、装置本体20からプロセスカートリッジ40を取り外すことなく、可動ホルダ402によるトナーカートリッジ42の拘束状態を解除し、しかる後、プロセスカートリッジ40からトナーカートリッジ42を略上方へ向けて引き出すようにすることが可能であり、トナーカートリッジ42の交換作業性が良好に保たれている。
【0035】
特に、本実施の形態では、プロセスカートリッジ40に対して着脱自在な感光体カートリッジ41、トナーカートリッジ42を備えているので、夫々のカートリッジの寿命時期が異なるが、夫々の最長期限まで有効に利用することができる上で好ましい。
また、本実施の形態では、トナーカートリッジ42にトナー補給ボックス63と廃現像剤回収ボックス64とが一体的に設けられているため、トナーカートリッジ42を交換することで、トナー補給ボックス63及び廃現像剤回収ボックス64を同時に交換することが可能である。
従って、本実施の形態によれば、廃現像剤回収のための別のカートリッジを用いる必要がなく、操作性の向上とコスト低減が図れる。更に、補給トナーの空検知を行うことでトナーカートリッジ42の交換タイミングを規定すれば済むため、廃現像剤回収ボックス64の満杯検知などを行う必要はない。
【0036】
更に、本実施の形態では、トナーカートリッジ42は、トナー補給ボックス63と廃現像剤回収ボックス64とを備えているが、例えば図14に示すように、クリーニング装置36からの廃トナーなどが収容される別異の廃現像剤回収ボックス68を必要に応じて付加するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、現像剤補給ボックス及び廃現像剤回収ボックスのレイアウトを工夫し、像担持体上の潜像書込位置を挟んで上方側に現像剤補給ボックスを、下方側に現像ハウジング及び廃現像剤回収ボックスを配設するようにしたので、装置の小型化という要請を満たしながら、現像剤補給機能と廃現像剤回収機能とを両立することができる。
特に、本発明では、潜像書込位置の上方側に現像剤補給ボックスを配設したので、例えば略鉛直方向上方に向けてシートを搬送する態様の画像形成装置にあっては、潜像書込位置の上部空間をデッドスペースにすることなく、現像剤の補給スペースとして有効に利用でき、しかも、現像剤補給量などの仕様変更に対しても他の要素にほとんど影響を与えずに容易に対応することができる。
更に、現像剤補給ボックスと廃現像剤回収ボックスとを一ユニット化したので、廃現像剤回収のための別のカートリッジを用いる必要がなく、操作性の向上とコストの低減が図れる。更にまた、補給現像剤の空検知を行うことで両ボックスを含むユニットの交換タイミングを規定すれば済むため、廃現像剤回収ボックスの満杯検知などを行う必要がない。
【0038】
また、本発明に係る画像形成装置で用いられるプロセスカートリッジ、現像装置によれば、画像形成装置の小型化、現像剤補給量などの仕様変更に容易に対応でき、装置内にデッドスペースを生じさせることなく、現像剤補給機能と廃現像剤回収機能とを両立することができる、画像形成装置を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、現像装置の概要を示す説明図である。
【図2】 実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】 本実施の形態で用いられるプロセスカートリッジの詳細を示す説明図である。
【図4】 廃現像剤搬送機構を含めたプロセスカートリッジの要部分解斜視図である。
【図5】 廃現像剤搬送機構を含めたプロセスカートリッジの詳細を示す説明図である。
【図6】 (a)は廃現像剤搬送機構を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図である。
【図7】 プロセスカートリッジの駆動伝達系を示す説明図である。
【図8】 図7中VIII方向から見た矢視図である。
【図9】 実施の形態に係るプロセスカートリッジと、比較の形態に係るプロセスカートリッジとのレイアウト上の差異を示す説明図である。
【図10】 本実施の形態に係るプロセスカートリッジの着脱操作例を示す説明図である。
【図11】 プロセスカートリッジと感光体カートリッジとの関係を示す説明図である。
【図12】 プロセスカートリッジと現像剤補給ボックス及び廃現像剤回収ボックスとの関係を示す説明図である。
【図13】 現像剤補給ボックス及び廃現像剤回収ボックスの交換作業例を示す説明図である。
【図14】 現像補給ボックス及び廃現像剤回収ボックスの変形形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…潜像形成手段,3…現像装置,4…現像ハウジング,5…現像剤補給ボックス,6…廃現像剤回収ボックス,7…装置本体,7a…開閉カバー,7b…排出トレイ,8…プロセスカートリッジ,9(9a,9b)…プロセスユニット,10…転写装置,P…潜像書込位置,S…シート
Claims (9)
- 像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段、像担持体上に形成された潜像を現像剤にて可視像化する現像装置、及び、像担持体上に形成された可視像をシートに転写する転写装置を含み、装置本体内に設けられる作像エンジンと、
装置本体の上部に設けられ且つ装置本体のシートが排出される排出口側が低く当該排出口から離れるにつれて高くなる傾斜部を具備する排出トレイと、
装置本体内の作像エンジンの下方に設けられるシート供給装置とを備え、
装置本体の一側にてシート供給装置から供給されたシートを下方側から上方に向けて搬送すると共に、転写装置の転写部位を経て前記排出トレイに排出する態様の画像形成装置において、
現像装置は、現像剤が収容される現像ハウジングに現像剤が補給可能な現像剤補給ボックス及び現像ハウジング内の廃現像剤が回収可能な廃現像剤回収ボックスを夫々連通接続し、
前記排出トレイの傾斜部の下方であって像担持体上の潜像書込位置を挟んで上方側には前記現像剤補給ボックスを配設し、かつ、前記潜像書込位置を挟んで下方側には前記現像ハウジング及び廃現像剤回収ボックスを水平方向に隣接して配設し、
更に、現像剤補給ボックスと廃現像剤回収ボックスとを潜像書込用の走査光経路を挟んで一ユニットとして構成し、かつ、現像ハウジングに対して現像剤補給ボックス及び廃現像剤回収ボックスを一体的に分離可能としたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
装置本体に対して着脱自在に装着され、像担持体及び少なくとも一つのプロセスユニットが組み込まれたプロセスカートリッジを備え、
このプロセスカートリッジに前記現像剤補給ボックス及び廃現像剤回収ボックスを具備させたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
現像剤補給ボックス及び廃現像剤回収ボックスはプロセスカートリッジに対して着脱自在であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2又は3記載の画像形成装置において、
少なくとも像担持体を含む像担持体カートリッジがプロセスカートリッジに対して着脱自在であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2ないし4いずれかに記載の画像形成装置において、
プロセスカートリッジは装置本体上部の開閉カバーを開放することで上方から着脱自在であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし5いずれかに記載の画像形成装置において、
現像剤補給ボックスの補給口は現像ハウジングの現像剤収容部より上方に偏位配置されており、現像剤補給ボックスからの新規現像剤は像担持体での潜像書込位置から外れた位置の供給路を経て現像ハウジングに供給可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし5いずれかに記載の画像形成装置において、
廃現像剤回収ボックスの回収口は現像ハウジングの廃現像剤の排出口より上方に偏位配置されており、現像ハウジングから排出された廃現像剤は回転搬送体を介して上方に位置する廃現像剤回収ボックスの回収口に搬送されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2ないし5いずれかに記載の画像形成装置で用いられるプロセスカートリッジ。
- 請求項1ないし7いずれかに記載された画像形成装置に用いられる現像装置。
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