JP3930098B2 - 光学部材検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、レンズ等の光学部材の形状異常等の光学的欠陥を検出するための光学部材検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズ,プリズム等の光学部材は、入射した光束が規則正しく屈折したり、平行に進行したり、一点又は線状に収束したり発散するように設計されている。しかしながら、光学部材の形成時において糸くず等が光学部材内に混入してしまっていたり(いわゆる「ケバ」)、成形後の人的取り扱いによって光学部材の表面上にキズ等が生じていたりゴミが付着していると、入射した光束が乱れてしまうので、所望の性能を得ることができなくなる。
【0003】
そのため、本出願人は、先に特願平9−50760号において、検査対象光学部材をその光軸を中心に回転させる回転機構及びラインセンサを用いて検査対象光学部材全体を撮像する光学部材検査装置を、提案した。図31は、この光学部材検査装置の主要部を示す概略図である。図31(a)に示す光学部材検査装置のラインセンサ100は、検査対象光学部材102が所定角度回転する毎に、撮像レンズ101によって形成された検査対象光学部材102の像を、その直径方向に沿ってライン状に撮像する。このようにラインセンサ100を採用したのは、検査対象光学部材102を照明する照明光がラインセンサ100に直接入射しないようにするためである。
【0004】
そして、撮像の都度ラインセンサ100から出力される画像データは、画像メモリ103の先頭行から順に、行単位に書き込まれる。従って、この画像メモリ103内における画像データの座標系は、横軸(行)を直径方向とし且つ縦軸を初期位置からの回転角度とした極座標系となる。そのため、図31(b)に示すように、画像メモリ103内の画像データ上においては、検査対象光学部材102の回転中心近傍に形成された光学的欠陥は見かけ上面積が大きく写り込み、回転中心から離れる程面積が小さく写り込む。
【0005】
このように、画像メモリ103内の画像データ上の光学的欠陥を示す領域の面積は、光学的欠陥の実際の面積とは正比例関係にないので、画像データ上の光学的欠陥を示す領域の面積が一定の閾値を超えたか否かに基づいては、この検査対象光学部材102が不良品であるか良品であるかの判定はできない。
【0006】
そのため、特願平9−50760号においては、直交座標系による画像データを格納するための第2の画像メモリを用意するとともに、極座標系による画像データを構成する全ての輝度値について、順番に所定の座標変換演算を実行し、第2の画像メモリにおける算出された直交座標値に最も近い位置にあるピクセルに、その輝度値を書き込むようにしていた。そして、全ての輝度値についてこのような座標変換処理を実行した後において、第2の画像メモリ中の画像データに含まれる光学的欠陥を示す領域の面積が一定の閾値を超えたか否かに基づいて、この検査対象光学部材102が不良品であるか良品であるかを判定していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような座標変換法によると、以下の問題があった。即ち、図32に示すように、検査対象光学部材102の中心近傍においては、極座標系による画像データにおける複数個の輝度値が直交座標系による画像データにおける同一の輝度値(画像メモリにおける同一のピクセル)に対応するケースが、頻繁に生じる。このようなケースにおいても、上述した座標変換法によると、極座標系による画像データにおける各輝度値毎に逐一座標変換演算が実行され、第2の画像メモリ中の同一ピクセルに各輝度値が次々と上書きされることとなる。
【0008】
このように、上述の座標変換法によると、直交座標系による画像データにおける各ピクセルに対応する輝度値を得るために、複数回の演算実行及び書き込みが必要になっていた。これが、従来における第1の問題点である。
【0009】
また、ラインセンサ100と検査対象光学部材102との相対回転速度に比較してラインセンサ100の撮像周期が長すぎると、図33に示すように、ラインセンサ100による個々の撮像毎に撮像される検査対象光学部材102の面積が広くなって、極座標系による画像データの行数が少なくなってしまう。その結果、図34に示すように、座標変換後における直交座標系による画像データ中に輝度値の欠落が生じ得る。このような輝度値の欠落が生じると、その後の良否判定が不正確になってしまう。これが従来における第2の問題点である。
【0010】
さらに、上述の座標変換法によると、画像メモリ中の同一のピクセルに複数個の輝度値が上書きされる場合、最後に上書きされた輝度値がそのピクセルの輝度値として確定してしまう。その結果、それ以前に書き込まれた輝度値に関して算出された直交座標値の方が最後に書き込まれた輝度値に関して算出された直交座標値よりも当該ピクセルの中心に近い場合であっても、たまたま処理順が先であったという理由のみに依りその輝度値が消去されてしまうという不合理が生じていた。このようにして当該ピクセルの周辺に対応する輝度値が当該ピクセルに書き込まれてしまうと、その後の良否判定が不正確になってしまう。これが従来における第3の問題点である。
【0011】
本発明の第1の課題は、上記第1の問題点に鑑み、少ない処理ステップ数と処理時間で座標変換を行うことができるできる光学部材検査装置を、提供することである。
【0012】
本発明の第2の課題は、上記第2の問題点に鑑み、座標変換後の画像データに輝度値の欠落を生じることなく座標変換を行うことができる光学部材検査装置を、提供することである。
【0013】
本発明の第3の課題は、上記第3の問題点に鑑み、座標変換演算によって算出される直交座標値が画像メモリ中のピクセルの中心に最も近くなる輝度値を当該ピクセルに書き込むことができる光学部材検査装置を、提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記第1の課題を解決するためになされたものであり、検査対象光学部材の光学的欠陥を検出する光学部材検査装置であって、撮像レンズと、この撮像レンズによって形成された検査対象光学部材の像を繰り返し撮像するために複数の画素を一方向に並べてなるラインセンサと、前記検査対象光学部材の像と前記ラインセンサとを相対回転させる回転手段と、前記ラインセンサから出力された前記各画素に対応する輝度値からなる画像データを入力する入力手段と、直交座標によってその位置が特定される複数のピクセルをマトリックス状に並べてなる画像メモリと、前記入力手段によって入力された各輝度値を出力した時における前記検査対象光学部材の像前記ラインセンサの相対角度を特定する角度特定手段と、前記入力手段によって入力された各輝度値に対応する画素の位置を特定する画素位置特定手段と、前記相対角度と前記画素の位置との組み合わせからなる全ての極座標値に対して所定の極座標−直交座標変換演算を夫々施したときに、前記画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に最も近い計算結果になる各極座標値を、夫々当該直交座標値に対応させているとともに、当該所定の極座標−直交座標変換演算を行ったときに何れの極座標値にも対応していない直交座標値が生じた場合には、前記極座標−直交座標変換演算の計算結果が当該直交座標値に最も近くなる極座標値を当該何れの極座標値にも対応していない直交座標値に対応させている変換テーブルと、前記角度特定手段によって特定された相対角度及び前記画素位置特定手段によって特定された画素の位置に基づいて前記変換テーブルを検索して、対応する直交座標値を読み出す検索手段と、前記入力手段によって入力された各輝度値を、前記検索手段によって読み出された直交座標値に対応する前記画像メモリ中のピクセルへ書き込む書込手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
このように構成されると、回転手段によって検査対象光学部材の像とラインセンサとが相対回転している間に、ラインセンサは、繰り返しこの検査対象光学部材の像を撮像する。入力手段は、ラインセンサが検査対象光学部材を撮像することによってこのラインセンサから出力された画像データ(ラインセンサの各画素に対応する輝度値からなる画像データ)を入力する。この入力手段が画像データを構成する各輝度値を入力すると、角度特定手段は、その輝度値がラインセンサから出力された際における検査対象光学部材の像及びラインセンサの相対角度を特定し、画素位置特定手段は、その輝度値に対応する画素のラインセンサ内における位置を特定する。このようにして相対角度及び画素位置の特定がなされると、検索手段は、これら相対角度及び画素位置に基づいて変換テーブルを検索して、対応する直交座標値を読み出す。書込手段は、直交座標値が読み出されると、入力手段によって入力された各輝度値を、読み出された直交座標値に対応する画像メモリ中のピクセルへ書き込む。ここで、変換テーブルは、画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に対して、前記検査対象光学部材の像及び前記ラインセンサの相対角度と画素の位置との組み合わせを一つのみ対応させている。従って、相対角度と画素の位置との複数個の組み合わせに基づいて、同一の直交座標値が読み出されることはない。その結果、画像メモリ中の同一のピクセルに対して複数個の輝度値が上書きされる事が防止されるので、処理ステップ数及び処理時間の短縮が図られる。
【0016】
請求項2記載の発明は、上記第1の課題を解決するためになされたものであり、検査対象光学部材の光学的欠陥を検出する光学部材検査装置であって、撮像レンズと、この撮像レンズによって形成された検査対象光学部材の像を繰り返し撮像するために複数の画素を一方向に並べてなるラインセンサと、前記検査対象光学部材の像と前記ラインセンサとを相対回転させる回転手段と、前記ラインセンサから出力された前記各画素に対応する輝度値からなる画像データを入力する入力手段と、直交座標によってその位置が特定される複数のピクセルをマトリックス状に並べてなる画像メモリと、前記検査対象光学部材の像と前記ラインセンサとの相対角度と前記画素の位置との組み合わせからなる全ての極座標値に対して所定の極座標−直交座標変換演算を夫々施したときに、前記画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に最も近い計算結果になる各極座標値を、夫々当該直交座標値に対応させるとともに、当該所定の極座標−直交座標変換演算を行ったときに何れの極座標値にも対応していない直交座標値が生じた場合には、前記極座標−直交座標変換演算の計算結果が当該直交座標値に最も近くなる極座標値を当該何れの極座標値にも対応していない直交座標値に対応させている変換テーブルと、この変換テーブルから、相対角度と前記画素の位置との組み合せ,及びこの組み合わせに対応する前記直交座標値を、夫々一つ取り出す取出手段と、前記入力手段から入力された画像データから、前記取出手段によって取り出された相対角度と前記画素の位置との組み合せに対応する輝度値を読み出す読出手段と、この読出手段によって読み出された輝度値を前記取出手段によって取り出された前記直交座標値に対応する前記画像メモリ中のピクセルへ書き込む書込手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
このように構成されると、回転手段によって検査対象光学部材の像とラインセンサとが相対回転している間に、ラインセンサは、繰り返しこの検査対象光学部材の像を撮像する。入力手段は、ラインセンサが検査対象光学部材を撮像することによってこのラインセンサから出力された画像データ(ラインセンサの各画素に対応する輝度値からなる画像データ)を入力する。一方、取出手段は、変換テーブルから相対角度と前記画素の位置との組み合せ,及びこの組み合わせに対応する直交座標値を夫々一つ取り出す。そして、読出手段は、入力手段から入力された画像データから取出手段によって取り出された相対角度と画素の位置との組み合せに対応する輝度値を読み出し、書込手段は、この読出手段によって読み出された輝度値を、取出手段によって取り出された直交座標値に対応する画像メモリ中のピクセルへ書き込む。ここで、変換テーブルは、画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に対して、前記検査対象光学部材の像及び前記ラインセンサの相対角度と画素の位置との組み合わせを一つのみ対応させている。従って、相対角度と画像の位置との複数個の組み合わせに基づいて、同一の直交座標値が読み出されることはない。その結果、画像メモリ中の同一のピクセルに対して複数個の輝度値が上書きされる事が防止されるので、処理ステップ数及び処理時間の短縮が図られる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、画像メモリに書き込まれた前記検査対象光学部材全体に対応する画像データの図形的特徴量を測定する図形的特徴量測定手段と、この図形的特徴量が所定の判定基準値を超えたか否かを判定する判定手段とを更に備えたことで、特定したものである。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項2の入力手段が、前記ラインセンサが前記検査対象光学部材の像を繰り返し撮像することによってこのラインセンサから出力された画像データを各撮像毎に行単位で順番に格納する一時格納メモリを有するとともに、前記読出手段が、前記取出手段によって取り出された相対角度に対応する行,及び前記取出手段によって取り出された前記画素の位置に対応する列によって特定されるピクセルから前記輝度値を読み出すことで、特定したものである。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4の書込手段が、前記検査対象光学部材全体に対応する画像データの前記一時格納メモリへの格納が完了した後に、この一時格納メモリに格納された画像データを構成する各輝度値を、前記画像メモリに書き込むことで、特定したものである。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1のラインセンサが、その画素の列を前記撮像レンズの光軸と直交させた状態で固定されており、前記回転手段が、前記検査対象光学部材を前記撮像レンズの光軸を中心に回転させ、前記角度特定手段が、前記回転手段によって回転された検査対象光学部材の回転角を検知するエンコーダを有することで、特定したものである。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1の画素位置特定手段が、前記ラインセンサから順番に出力される各輝度値をカウントするカウンタを有することで、特定したものである。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項8乃至10の何れかにおける変換テーブルが、前記相対角度と前記画素の位置との組み合わせのうち、前記画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に対応しないものについては、無効を示す値を対応させていることで、特定したものである。
【0027】
請求項記載の発明は、請求項1又は2の変換テーブルは、前記相対角度と前記画素の位置との全ての組み合わせを何れかの前記直交座標値に対応させるとともに、各直交座標値に対応する前記相対角度と前記画素の位置との組み合わせが複数ある場合には、一つの有効な組み合わせ以外の全ての組み合わせに対して無効を示すフラグを付しており、前記書込手段が、前記角度特定手段によって特定された相対角度及び前記画素位置特定手段によって特定された画素の位置の組み合わせについて、前記変換テーブル内において無効を示すフラグが付されていない場合に限り、前記検索手段によって読み出された直交座標値に対応する前記画像メモリ中のピクセルへ、前記入力手段によって入力された輝度値を書き込むことで、特定したものである。
【0030】
請求項10記載の発明は、請求項2のラインセンサが、その画素の列を前記撮像レンズの光軸と直交させた状態で固定されており、前記回転手段が、前記検査対象光学部材を前記撮像レンズの光軸を中心に回転させることで、特定したものである。
【0031】
請求項11記載の発明は、請求項1又は2の変換テーブルが、前記入力手段によって入力された各輝度値を出力した時における前記検査対象光学部材の像及び前記ラインセンサの相対角度以外の角度については、当該角度と前記画素の位置との組み合わせに対して前記所定の極座標−直交座標変換演算を施し、その演算の結果得られた値に最も近い直交座標値を、当該角度よりも大きく且つ最も近い前記相対角度に対応させたことで、特定したものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
【実施形態1】
<光学部材検査装置の構成>
本第1実施形態による光学部材検査装置の概略構成を、図1の側面断面図に示す。この図1に示すように、光学部材検査装置を構成する照明ランプ1,拡散板2,及び撮像装置3は、同一の光軸l上に配置されている。
【0034】
この撮像装置3は、正レンズ系である撮像レンズ4と、この撮像レンズ4によって収束された光による像を撮像する撮像素子(複数の画素を一方向に並べてなるCCDラインセンサ)5とから、構成されている。図1において、撮像素子5は、左右にその画素列を向かせるように設置されている。また、撮像素子5の画素列は、その中央において、撮像レンズ4の光軸lと垂直に交わっている。なお、撮像レンズ4は、撮像装置3内において撮像素子5に対して進退自在(ピント調節可能)であり、撮像装置3自体も、光軸l方向に進退調整し得る様に光学部材検査装置の図示せぬフレームに取り付けられている。
【0035】
撮像素子5は、所定時間(各画素に電荷が適度に蓄積する程度の時間)毎にライン状に画像を繰り返し撮像し、画素の並び順に各画素を自己走査して、各画素に蓄積した電荷を出力する。このようにして撮像素子5から出力された一連の電荷は、所定の増幅処理やA/D変換処理によって輝度値情報に変換される。そして、1ライン分の画素に対する輝度値情報からなる画像データとして、制御装置6に入力される。
【0036】
検査対象光学部材14は、撮像装置3側から見た平面図である図2に示す様に円形のレンズ(負レンズ)であり、光学部材検査装置の図示せぬフレームに取り付けられたホルダ15によって、撮像レンズ4に関してその表面(撮像レンズ4に対向する面)が撮像素子5の撮像面と共役となるように、保持されている。このホルダ15は、撮像レンズ4の光軸lを中心とした環状の形状を有しており、検査対象光学部材14の周縁をその全周に亘って保持する。従って、検査対象光学部材14の周縁の中心と光軸とが一致している限り、検査対象光学部材14の光軸は、撮像レンズ4の光軸lに対して同軸となる。
【0037】
また、ホルダ15は、撮像レンズ4の光軸lを中心として、光軸lに直交する面内で回転可能となっている。そして、このホルダ15の周縁には、環状ギア16が形成されている。この環状ギア16は、駆動モータ8の駆動軸に取り付けられたピニオンギア7に噛合している。従って、駆動モータ8がその駆動軸を回転させると、両ギア7,16を介してホルダ15が回転駆動を受け、ホルダ15に保持されている検査対象光学部材14が、光軸lに直交する面内において撮像装置3側から見て反時計方向へ回転駆動される。従って、これらホルダ15,両ギア16,7,及び駆動モータ8は、検査対象光学部材14の像と撮像素子5とを相対回転させる回転手段を構成する。
【0038】
このホルダ15の下面(拡散板2側の面)には、光軸lを中心とした放射状の白黒縞からなるコードパターンが印刷されており、光学部材検査装置の図示せぬフレームには、このコードパターンを読むための反射型光センサを有する読取装置10が固定されている。これらコードパターン及び読取装置10は、インクリメンタル方式のエンコーダを構成し、制御装置6に対して、検査対象光学部材14の回転量に対応した数のパルスを入力する。
【0039】
なお、撮像レンズ4の倍率(即ち、撮像装置3自体の位置,及び撮像レンズ4の撮像素子5に対する位置)は、検査対象光学部材14の直径方向における全幅を撮像素子5の撮像面に結像し得るように、調整されている。従って、撮像素子5は、検査対象光学部材14の表面の画像(直径方向の全域にわたる1ライン分の画像)を撮像することができるのである。図2においては、撮像素子5によって撮像され得る一ライン分の撮像対象領域が、二点鎖線によって示されている。
【0040】
照明ランプ1は、照明光(白色光)を発光する白熱ランプであり、光学部材検査装置の図示せぬフレームに固定されている。
この照明ランプ1と検査対象光学部材14との間に配置されている拡散板2は、図2に示すように、検査対象光学部材14よりも大径な円盤形状を有しており、その表面は粗面として加工されている。従って、この拡散板2は、照明ランプ1から出射された照明光をその裏面全面で受けて、検査対象光学部材14に向けて拡散することができる。なお、この拡散板2は、その中心において撮像レンズ4の光軸lと直交する様に、光学部材検査装置の図示せぬフレームに固定されている。
【0041】
この拡散板2の表面上(検査対象光学部材14側)には、帯状の形状を有する遮光板9が、その長手方向を撮像素子5の画素列の方向と平行な方向に向けて、貼り付けられている。この遮光板9の中心は撮像レンズ4の光軸lと一致している。また、遮光板9の長手方向における全長は検査対象光学部材14の直径よりも長い。そして、図2に示すように、撮像装置3の位置から見ると、遮光板9の両端は、検査対象光学部材14の外縁よりも外側にはみ出している。また、遮光板9の幅は、撮像素子5の画素列の方向に直交する方向における光学部材検査装置の断面図である図4に示すように、撮像素子5の各画素に入射する光の周縁光線m,mの間隔よりも広い。
【0042】
制御装置6は、撮像装置3から入力された画像データに基づいて検査対象光学部材14が良品であるか不良品であるかの判定を行う装置である。
図3は、この制御装置6の内部回路構成を示すブロック図である。図3に示す様に、制御装置6は、バスBを介して相互に接続されたCPU60,フレームメモリ61,ホストメモリ62,及び回転角検出回路63から、構成されている。
【0043】
入力手段の一部をなすフレームメモリ61は、撮像装置3から入力された一ライン分の画像データが書き込まれるバッファである。
ホストメモリ62は、全極座標データ格納領域62a,直交座標データ格納領域62b及び変換テーブル格納領域62cを含んでいる。この全極座標データ格納領域62aは、入力手段の一部として、フレームメモリ61に書き込まれた各一ライン分の画像データが先頭行から行単位で書き込まれる一時格納メモリ(撮像素子5から出力された画像データを各撮像毎に行単位で順番に格納する一時格納メモリ)としての領域である。この全極座標データ格納領域62aに書き込まれた画像データを、以下、「極座標データ」という。直交座標データ格納領域62bは、極座標データを座標変換(極座標−直交座標変換)して得られた直交座標系による画像データ(以下、「直交座標データ」という)が書き込まれる画像メモリ(直交座標によってその位置が特定される複数のピクセルをマトリックス状に並べてなる画像メモリ)としての領域である。変換テーブル格納領域62cは、全極座標データ格納領域62a内の各画素の座標位置(m,k)を直交座標データ格納領域62b内の画素の座標位置(x,y)に対応付けた変換テーブル(直交座標値に対して検査対象光学部材14の像及び撮像素子5との相対角度と画素の位置との組み合わせを一つのみ対応させた変換テーブル)を格納する領域であり、上述の座標変換の際にCPU60によって参照される。これら極座標データ,直交座標データ,及び変換テーブルについては、後で詳しく説明する。
【0044】
回転角検出回路63は、読取装置10から入力されてくるパルスに基づいて検査対象光学部材14の回転量(初期状態からの回転量)及び角度位置を検出してCPU60に通知する回路である。
【0045】
CPU60は、制御装置6全体の制御を行うプロセッサであり、入力手段の一部,取出手段,読出手段,書込手段,図形的特徴量測定手段,及び判定手段に、相当する。即ち、CPU60は、回転角検出回路63からの通知によって検査対象光学部材14の位置を常時認識しつつ、フレームメモリ61に書き込まれた画像データを定期的にホストメモリ62の全極座標データ格納領域62aに書き写すとともに、変換テーブル格納領域62c内の変換テーブルを参照して、全極座標データ格納領域62aに格納された極座標データの各ピクセルの輝度値情報を直交座標データ格納領域62b内の対応するピクセルに書き込む。そして、この書き込み完了後において直交座標データ格納領域62bに格納されている直交座標データ中の光学的欠陥に相当する領域の図形的特徴量を測定するとともに、この図形的特徴量を一定の判定基準値(許容値)と比較し、この数値が判定基準値内に収まっているか超えているかの判定を行う。
<光学的欠陥検出の原理>
以上のように構成される光学部材検査装置において、図4の面内では、撮像レンズ4に入射して撮像素子5の各画素に入射し得る光は、撮像レンズ4の光軸lに沿った光線を主光線とする光束であり且つ図4に示される周縁光線m,m間を通る光のみである。この周縁光線m,mを逆方向に辿ると、検査対象光学部材14の表面において交差した後に、拡散板2に向かって拡がっている。そして、拡散板2上において、この周縁光線m,mの間が遮光板9によって遮られている。従って、図4に示すように、検査対象光学部材14における撮像素子5による撮像対象領域(撮像レンズ4に関して撮像素子5の画素列の受光面と共役な部位及び光軸方向におけるその近傍)に光学的欠陥がないとすると、撮像素子5の各画素に入射する光はない。即ち、拡散板2の表面における遮光板9の側方箇所から拡散した光nは、検査対象光学部材14における撮像対象領域を透過するが、周縁光線m,mの外側を通るので、撮像レンズ4には入射しない。また、拡散板2の表面における遮光板9の側方箇所から拡散して検査対象光学部材14における撮像対象領域以外の箇所を透過した光は、撮像レンズ4に入射し得るが、撮像素子5の各画素上には収束されない。そのため、撮像装置3から出力される画像データは、検査対象光学部材14の外縁に対応する明部(側面での拡散光に因る)を除き、全域において暗くなっている。
【0046】
これに対して、図2に示すように、検査対象光学部材14表面における撮像対象領域内にキズC及びゴミDがある場合、図5に示すように、拡散板2の表面における遮光板9の側方箇所から拡散した光nがこれらキズC及びゴミDに当たると、この光がこれらキズC及びゴミDによって拡散される。この拡散光n’は、周縁光線m,mの交点を中心として発散するので、その一部は、撮像レンズ4を介して撮像素子5の画素上に入射する。従って、キズC及びゴミDの像(周囲よりも明るい像)が撮像素子5の撮像面に形成される。なお、検査対象光学部材14の外周A,Bにおいても、同様な拡散が生じるので、これら外周A,Bの像が(周囲よりも明るい像)が撮像素子5の撮像面に形成される。図6は、図2に示す位置にて撮像が行われた時に撮像装置3から出力される画像データを構成する各輝度値の分布を示すグラフである。なお、図6においては、一回の撮像によって各画素に蓄積された電荷を、一走査分の周期内で順次自己走査によって読み出している様子が示されている。
<光学的欠陥判定の方式>
撮像素子5による撮像(電荷蓄積及び走査)は、駆動モータ8による検査対象光学部材14の回転と同期して、この検査対象光学部材14が所定角度だけ回転する毎に行われる。そして、撮像素子5による撮像(電荷蓄積及び走査)がなされる毎に、図6に示すような画像データが、制御装置6のフレームメモリ61に書き込まれて、ホストメモリ62の全極座標データ格納領域62aに取り込まれる。図7乃至図11は、遮光板9,撮像素子5による撮像対象領域(二点鎖線にて表示),及び検査対象光学部材14の相対位置と全極座標データ格納領域62aに取り込まれた画像データとの関係を示す。具体的には、図7は、初期状態を示し(この時点で撮像される検査対象光学部材14の外縁上の点を、夫々“A”,“B”とする)、図8は、初期状態から検査対象光学部材14が反時計方向に45度回転した状態を示し、図9は、検査対象光学部材14が初期状態から反時計方向に90度回転した状態を示し、図10は、検査対象光学部材14が初期状態から反時計方向に135度回転した状態を示し、図11は、検査対象光学部材14が初期状態から反時計方向に180度回転した終了状態を示す。これら各図に示すように、検査対象光学部材14が回転するにつれて、全極座標データ格納領域62aの各行には、撮像装置3によって撮像された各一ライン分の画像データが、先頭行から順に書き込まれる。
【0047】
図11に示す時点でホストメモリ62の全極座標データ格納領域62aに格納されている画像データ(極座標データ)の横軸は、検査対象光学部材14の中心(光軸)Oから直径方向への距離を示し、縦軸は、点A,B間を結ぶ直径を基準とした検査対象光学部材14の回転角を示す。制御装置6のCPU60は、上述したように、この極座標データを、直交座標系による画像データ(直交座標データ)へ変換する。
図12は、このような極座標データから直交座標データへの座標変換方法を示す図であり、検査対象光学部材14の表面上に定義されたローカル座標系と撮像素子5の画素列の方向を基準(縦軸)とした絶対座標系との関係を示すものである。図12において、検査対象光学部材14の表面上に定義されたローカル座標系は、検査対象光学部材14の光軸Oを原点0とし、検査対象光学部材14外縁上における点Aと点Bとを結ぶ線をY軸とする。また、原点0を通ってY軸と直交する線をX軸とする。また、絶対座標系の縦軸上の各点の値は、撮像素子5の各画素の走査の順番に対応するので、撮像素子5の解像度(座標数)をnとすると0〜n−1の値をとる。そして、n/2の点において、絶対座標系の縦軸はローカル座標の原点0と交差することとなる。
【0048】
検査対象光学部材14が回転すると、ローカル座標系は、原点0を中心として絶対座標系の縦軸に対して反時計方向に回転する。このとき、撮像開始時からの撮像の回数(走査回数)をkとし、撮像の一周期(一走査)の間に検査対象光学部材14が回転する角度をθとすると、撮像素子5中m(但し、0≦m≦n/2)番目の座標Pのローカル座標系における極座標はP(n/2−m,kθ)となり、m’(但し、n/2<m’≦n−1)番目の座標P’のローカル座標系における極座標はP’(m’−n/2,180+kθ)となる。これら極座標P,P’を直交座標によって表すと、P(Xp,Yp),P’(Xp’,Yp’)となる。ここで、
Xp=(n/2−m)sin kθ …(1)
Yp=(n/2−m)cos kθ …(2)
Xp'=(m'−n/2)sin(180+kθ) …(3)
Yp'=(m'−n/2)cos(180+kθ) …(4)
と表される。従って、これら式(1)〜(4)を用いることにより、極座標系を直交座標系に変換することができるのである。
【0049】
いま、図13(a)に示すように、撮像素子5の画素数(解像度)nが2048個であり、検査対象光学部材14が半回転(180度)する間に3600回の撮像がなされるとする(即ち、θ=180/3600=0.05)。この場合、極座標データ中の0〜1024列目の座標に対しては上記式(1),(2)が適用され、1025〜2047列目の座標に対しては上記式(3),(4)が適用される。但し、図13(b)に示すように、直交座標データの原点(0,0)は、中心ではなくて左下に位置するので、原点位置をずらすための補正がなされねばならない。具体的には、この直交座標データの座標数が2048×2048個であることから、上記各式(1)〜(4)によって求められた値に、一律に1024が加算されなければならない。即ち、極座標データ中のm=0〜1024列目の座標に対しては下記記式(1'),(2')が適用され、m’=1025〜2047列目の座標に対しては下記記式(3'),(4')が適用される。
Xp=(1024−m)sin kθ+1024 …(1')
Yp=(1024−m)cos kθ+1024 …(2')
Xp'=(m'−1024)sin (180+kθ)+1024 …(3')
Yp'=(m'−1024)cos (180+kθ)+1024 …(4')
しかしながら、これら各式(1')〜(4')を極座標データ中の全ての点に対して実行したとしても、極座標データ中の何れの座標にも対応しない座標が直交座標データ中に生じる可能性がある。そのために、本実施形態においては、図14(a)及び(b)に示すように、極座標データを構成する各一ライン分の画像データ(輝度値情報列)を擬似的にp倍して、極座標データ中の一ライン分の画像データの総数を(180/θ)×p本とする。そして、本来のθの値をp分割した値θ’(=θ/p),及び、増加された極座標データの各行(一ライン分の画像データ)の行番号を示すk'を用いて、上述の式(1')〜(4')(即ち、所定の極座標−直交座標変換演算)を実行する。即ち、下記式(1")〜(4")を用いることにより、極座標系を直交座標系に変換するのである。
Xp=(n/2−m)sin k'θ'+n/2
=(1024−m)sin k'θ'+1024 …(1")
Yp=(n/2−m)cos k'θ'+n/2
=(1024−m)cos k'θ'+1024 …(2")
Xp'=(m'−n/2)sin(180+ k'θ')+n/2
=(m'−1024)sin(180+ k'θ')+1024 …(3")
Yp'=(m'−n/2)cos(180+k'θ')+n/2
=(m'−1024)cos(180+k'θ')+1024 …(4")
但し、これら各式(1")〜(4")によって規定される極座標データ中の全画素の座標に対する直交座標系における座標の関係は、予め計算され、変換テーブルとしてまとめられる。図15は、このようにしてまとめられた変換テーブルの構造を部分的に示した表である。図15に示すように、この変換テーブルは、上記式(1")〜(4")によって規定された関係にある極座標値(m,k')及び直交座標値(Xm,Yk')の組み合わせを極座標データ中における並び順通りに列挙した形式を、有している。但し、ここに書き込まれる直交座標値(Xm,Yk')の値は、小数点以下を四捨五入した値となっている。この四捨五入により、m及びkの組み合わせに対して極座標−直交座標変換演算を施して算出された値に最も近い直交座標値(X,Y)が、当該m及びkの組み合わせに対応される。
【0050】
この変換テーブルは、全ての項目(極座標値,直交座標値)が書き込まれた後で、先頭行から順に、各行毎に図15の左から右へスキャンされる。そして、同じ直交座標が重複して表れた場合には、最初に表れたもの以外には、スタック値が上書きされる。このスタック値とは、図13(b)に示す直交座標データの原点(0,0)を示す直交座標値である。
【0051】
そして、各極座標値(m,k')のk'座標の値が、pによって除算され、その商(小数点以下切り捨て)が、本来のk座標の値として、元のk'座標の値に上書きされる。その結果、図16に示すように、変換テーブル中に、同じ極座標値(m,k)が重複して存在し得ることとなる。このように同一の極座標値(m,k)に複数の直交座標値(Xm,Yk')を対応付けられるのは、図33に示すように、βの時点でラインセンサから出力される画像データは、θの角度範囲内の全域における輝度情報を反映しているからである。
【0052】
即ち、変換テーブルは、入力手段によって入力された各輝度値を出力した時における検査対象光学部材の像及びラインセンサの相対角度以外の角度については、当該角度と画素の位置との組み合わせに対して所定の極座標−直交座標変換演算を施し、その演算の結果得られた値に最も近い直交座標値を、当該角度よりも大きく且つ最も近い相対角度に対応させている。
【0053】
以上のようにして作成された変換テーブルが、ホストメモリ62の変換テーブル格納領域62cに格納されるのである。
<制御処理>
次に、上述した光学的欠陥判定方式に従った良否判定を行うために制御装置6(CPU60)が実行する制御処理の内容を、図17及び図18のフローチャートを用いて説明する。
【0054】
図17の制御処理は、制御装置6に接続された図示せぬ検査開始ボタンが押下されることによりスタートする。スタート後最初のS01では、CPU60は、撮像工程を実行する。この撮像工程では、CPU60は、回転角検出回路63からの通知に基づいて検査対象光学部材14の回転量を検知し、この検査対象光学部材14が半回転する間に撮像装置3からフレームメモリ61に書き込まれた全ての画像データを、順次、ホストメモリ62の全極座標データ格納領域62aへ格納する(撮像素子5から出力された各画素に対応する輝度値からなる画像データを入力する入力手段に相当)。
【0055】
次のS02では、CPU60は、座標変換工程を実行する。図18は、S02にて実行される座標変換工程サブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンに入って最初のS11では、CPU60は、変換テーブル格納領域62cに格納されている変換テーブルから、極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の組み合わせを一組取り出す(変換テーブルから相対角度と画素の位置との組み合わせ,及びこの組み合わせに対応する直交座標値を、夫々一つ取り出す取出手段に相当)。
【0056】
次のS12では、CPU60は、全極座標データ格納領域62a中のS11にて読み出した極座標(m,k)によって示される位置から、輝度値情報を読み出す(画像データから、取出手段によって取り出された相対角度と画素の位置との組み合わせに対応する輝度値を読み出す読出手段に相当)。
【0057】
次のS13では、CPU60は、S12にて読み出した輝度値情報を、直交座標データ格納領域62b中のS11にて読み出した直交座標値(Xm,Yk')によって示される位置に、書き込む(入力手段によって入力された各輝度値を、検索手段によって読み出された直交座標値に対応する画像メモリ中のピクセルへ書き込む書込手段に相当)。
【0058】
次のS14では、CPU60は、変換テーブルから極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の全ての組み合わせを参照したかどうかをチェックする。そして、未だ全ての組み合わせを参照していなければ、処理をS11に戻して、次の組み合わせを読み出す。
【0059】
これに対して、全ての組み合わせを参照し終えている場合には、このサブルーチンを終了して、処理を図17のメインルーチンに戻す。
処理が戻された図17のメインルーチンでは、CPU60は、S02の後に実行されるS03において、ラベリング工程を実行する。即ち、CPU60は、直交座標データ格納領域62b内に格納されている直交座標データから所定閾値以上の輝度値を有する画素の集合からなる領域を抽出し、抽出した各領域に対して夫々一意の番号(ラベル)i(i=1,2,3,……)を付与する。
【0060】
次のS04では、CPU60は、S03にてラベルnを付与した各領域に対して、ラベルnの順番に、特徴量抽出処理を実行する。具体的には、各領域毎に、その領域の面積,フィレ径,最大輝度又は平均輝度等を算出する(図形的特徴量測定手段に相当)。
【0061】
次のS05では、CPU60は、S04にて測定した図形的特徴量に基づいた良否判定工程を実行する。具体的には、判断基準値を超える面積又はフィレ径を有する領域が一つでも有るか否か,最大輝度が判断基準値を超えるか否か,等に基づいて、検査対象光学部材14が良品であるか不良品であるかの判定を実行する(判定手段に相当)。以上の後に、CPU60は、この制御処理を終了する。<実施形態の作用>
以上のように構成された本実施形態によると、検査対象光学部材14を透過して撮像レンズ4に入射するとともに撮像素子5の各画素に入射し得る様な光は、遮光板9によって、予め拡散板2上にて遮られている。従って、撮像素子5による撮像対象領域内において検査対象光学部材14に光学欠陥が生じていなければ、撮像素子5によって撮像される画像データ中の各画素の輝度値は、全て黒の値(8ビットグレースケールにおける“0”)となっている。
【0062】
これに対して、撮像素子5によって撮像され得る範囲において検査対象光学部材14に光学欠陥が生じている場合には、遮光板9の側方からこの領域内に入射した光が光学的欠陥によって拡散され、その拡散光の一部が撮像レンズ4に入射する。この結果、遮光板9の暗い陰を背景とした光学的欠陥の明るい像が、撮像素子5の撮像面に形成される。このとき、画像データ中の光学的欠陥の明るい像を撮像して得られた画素の輝度値は、その像の明るさ(及び、像と撮像素子5の画素との重なり具合)に応じた値(8ビットグレースケールにおける“1〜255”)となっている。
【0063】
そして、検査対象光学部材14が半回転する間に、撮像素子5による撮像が一定周期(検査対象光学部材14が0.05°回転する毎)でなされ、各撮像によって得られたライン状の画像データが全極座標データ格納領域62aに蓄積される(S01)。
【0064】
制御装置6のCPU60は、図19に示すように、変換テーブルから一つづつ極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の組み合わせ読み出し(S11)、全極座標データ格納領域62a内における当該極座標値(m,k)によって示されるピクセルに書き込まれている輝度値情報を、直交座標データ格納領域62b内における当該直交座標値(Xm,Yk')によって示されるピクセルに書き込む(S12,S13)。このような書き込みを、変換テーブル中の極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の全組み合わせに関して実行すると、直交座標データ格納領域62b内に、直交座標系による画像データ(直交座標データ)が再現される。このとき、変換テーブル内には、同一の直交座標値(Xm,Yk')は、重複して記載されていないので、直交座標データ格納領域62b内の同一ピクセルに輝度値情報が複数回に亘って上書きされることはない。また、直交座標データ格納領域62b(における検査対象光学部材14の周縁)内に対応する全ての直交座標値(Xm,Yk')が、予め、何れかの極座標値(m,k)に対応付けられているので、直交座標データにおける輝度値抜けは、生じない。
【0065】
CPU60は、このようにして得られた直交座標系による画像データ(直交座標データ)に基づいて図形的特徴量を算出し(S04)、算出した図形的特徴量を一定の判断基準値と比較することによって、検査対象光学部材14の良否判定を行う(S05)。
【0066】
このように、本実施形態においては、極座標データ中の全輝度値情報に対して座標変換処理を行う場合に比して、処理ステップ数及び処理時間を大幅に減少させることができるとともに、直交座標データ中の輝度値抜けを防止できる。
【0067】
【実施形態2】
本発明の第2の実施形態は、上記第1実施形態に比して、フレームメモリ61から1ライン分の画像データをホストメモリ62に書き写す毎に座標変換処理を実行する事を、特徴とする。
【0068】
図20は、本第2実施形態による光学部材検査装置に用いられる制御装置6の構成を示すブロック図である。この図20に示すように、制御装置6のホストメモリ62には、第1実施形態における全極座標データ格納領域62aの代わりに、1ライン分の極座標格納領域62dが設けられている。本第2実施形態による光学部材検査装置におけるその他の構成は、第1実施形態のものと同じなので、その説明を省略する。
<制御処理>
次に、上述した光学的欠陥判定方式に従った良否判定を行うために制御装置6(CPU60)が実行する制御処理の内容を、図21及び図22のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
図21の制御処理は、制御装置6に接続された図示せぬ検査開始ボタンが押下されることによりスタートする。スタート後最初のS21では、CPU60は、座標変換工程を実行する。図22は、S21にて実行される座標変換工程サブルーチンを示すフローチャートである。
【0070】
このサブルーチンに入って最初のS31では、CPU60は、処理対象の画像データを特定するための変数yを初期化(y=0)する。
次のS32では、CPU60は、変換テーブル格納領域62cに格納されている変換テーブルの先頭位置(図16における左上)から、極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の組み合わせを、一組取り出す(変換テーブルから相対角度と画素の位置との組み合わせ,及びこの組み合わせに対応する直交座標値を、夫々一つ取り出す取出手段に相当)。
【0071】
次のS33では、CPU60は、撮像工程を実行する。この撮像工程では、CPU60は、回転角検出回路63からの通知された検査対象光学部材14の回転角に基づき、(前回の撮像からの)回転角が単位角(θ=0.05)に達するのを待って、撮像装置5に対して撮像指示を通知する。そして、撮像によって撮像装置5から出力された1ライン分の画像データを、フレームメモリ61に書き込ませる。
【0072】
次のS34では、CPU60は、S33の結果フレームメモリ61に書き込まれた1ライン分の画像データを、ホストメモリ62の極座標データ格納領域62dへ書き写す(撮像素子5から出力された各画素に対応する輝度値からなる画像データを入力する入力手段に相当)。
【0073】
次のS35では、CPU60は、極座標データ格納領域62d中のS32又はS38にて読み出した極座標(m)によって示されるピクセルから、輝度値情報を読み出す(画像データから、取出手段によって取り出された相対角度と画素の位置との組み合わせに対応する輝度値を読み出す読出手段に相当)。
【0074】
次のS36では、CPU60は、S35にて読み出した輝度値情報を、直交座標データ格納領域62b中のS32又はS38にて読み出した直交座標値(Xm,Yk')によって示されるピクセルに、書き込む(入力手段によって入力された各輝度値を、検索手段によって読み出された直交座標値に対応する画像メモリ中のピクセルへ書き込む書込手段に相当)。
【0075】
次のS37では、CPU60は、変換テーブルから極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の全ての組み合わせを参照したかどうかをチェックする。そして、未だ全ての組み合わせを参照していなければ、処理をS38へ進める。
【0076】
S38では、CPU60は、変換テーブル格納領域62cに格納されている変換テーブルにおける次の位置から、極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の組み合わせを、一組取り出す(変換テーブルから相対角度と画素の位置との組み合わせ,及びこの組み合わせに対応する直交座標値を、夫々一つ取り出す取出手段に相当)。
【0077】
ここに、「変換テーブルにおける次の位置」とは、前回読み出した極座標値(m,k)よりも極座標値のmの値が一つだけ大きい位置(図16における右隣の位置),若しくは、前回読み出した極座標値(m,k)のmの値が最大値n(=2047)である場合には、極座標値のmの値が0である次の未読み出しの位置(図16における次の行の最左側の位置)である。
【0078】
次のS39では、CPU60は、S38にて読み出した極座標値(m,k)のkの値を前回読み出したkの値と比較し、kの値が変化したか否かをチェックする。そして、kの値が変化していない場合には、処理をS35に戻す。
【0079】
これに対して、kの値が変化している場合には、S40にて処理対象の画像データを特定するための変数yをインクリメントした後に、処理をS33に戻す。以上説明したS33乃至S40のループ処理を繰り返した結果、変換テーブルにおける極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の全ての組み合わせを参照し終えたとS37にて判定した場合には、CPU60は、このサブルーチンを終了して、処理を図21のメインルーチンに戻す。
【0080】
処理が戻された図21のメインルーチンでは、CPU60は、S21の後に実行されるS22において、ラベリング工程を実行する。即ち、CPU60は、直交座標データ格納領域62b内に格納されている直交座標データから所定閾値以上の輝度値を有する画素の集合からなる領域を抽出し、抽出した各領域に対して夫々一意の番号(ラベル)i(i=1,2,3,……)を付与する。
【0081】
次のS23では、CPU60は、S22にてラベルnを付与した各領域に対して、ラベルnの順番に、特徴量抽出処理を実行する。具体的には、各領域毎に、その領域の面積,フィレ径,最大輝度又は平均輝度等を算出する(図形的特徴量測定手段に相当)。
【0082】
次のS24では、CPU60は、S23にて測定した図形的特徴量に基づいた良否判定工程を実行する。具体的には、判断基準値を超える面積又はフィレ径を有する領域が一つでも有るか否か,最大輝度が判断基準値を超えるか否か,等に基づいて、検査対象光学部材14が良品であるか不良品であるかの判定を実行する(判定手段に相当)。以上の後に、CPU60は、この制御処理を終了する。<実施形態の作用>
以上のように構成された本第2実施形態によると、検査対象光学部材14が半回転する間に、撮像素子5による撮像が一定周期(検査対象光学部材14が0.05°回転する毎)でなされ、各撮像によって得られた一ライン分の画像データが極座標データ格納領域62dに格納される(S34)。
【0083】
制御装置6のCPU60は、極座標データ格納領域62dに一ライン分の画像データが格納されると、変換テーブルから順番に一つづつ極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の組み合わせ読み出し(S32,S38)、極座標データ格納領域62d内における当該極座標値(m)によって示されるピクセルに書き込まれている輝度値情報を、直交座標データ格納領域62b内における当該直交座標値(Xm,Yk')によって示されるピクセルに書き込む(S35,S36)。このような書き込みを繰り返した結果、変換テーブルから読み出した極座標値(m,k)のk座標の値が大きくなると、CPU60は、次の一ライン分の画像データをフレームメモリ61から極座標データ格納領域62dに書き写す(S40,S33,S34)。
【0084】
そして、変換テーブルから極座標値(m,k)及び直交座標値(Xm,Yk')の全ての組み合せを読み出され、これらに従った書き込みがなされると、直交座標データ格納領域62b内に、直交座標系による画像データ(直交座標データ)が再現される。
【0085】
本第2実施形態におけるその他の作用は、第1実施形態とものと同じであるので、その説明を省略する。
【0086】
【実施形態3】
本発明の第3の実施形態は、上述の第1実施形態と比較して、制御装置6内において、プログラム処理によって座標変換を行うのではなく、ハードウェアによって座標変換を行うことを特徴としている。
<光学部材検査装置の構成>
図23は、本第3実施形態による制御装置6の構成を示すブロック図である。
【0087】
図23における極座標データメモリ65は、検査対象光学部材14が半回転する間に撮像装置3から出力された全ての一ライン分の画像データが先頭行から行単位に書き込まれて検査対象光学部材14全体に相当する極座標データが合成されるメモリであり、第1実施形態におけるホストメモリ62の全極座標データ格納領域62aに相当する。なお、本第3実施形態においては、撮像装置3による撮像は、検査対象光学部材が0.05度回転する毎に行われるので、極座標データの行数は3600行となっている。
【0088】
この極座標データメモリ65は、検査対象光学全部材14の全体に対応する極座標データが合成された後においては、読み出しパルスが入力される毎に、その時点で入力されているアドレス(極座標データのk座標を指定するための0〜3599[実際には2進数]の値をとる上位アドレス,及び、極座標データのm座標を指定するための0〜2047[実際には2進数]の値をとる下位アドレス)によって指定されたピクセルに記載されている輝度値情報を、出力する。
【0089】
直交座標データメモリ66は、座標変換の結果としての直交座標データが合成される画像メモリ(直交座標によってその位置が特定される複数のピクセルをマトリックス状に並べてなる画像メモリ)であり、第1実施形態における直交座標データ格納領域62bに相当する。
【0090】
この直交座標データメモリ66は、書き込みパルスが入力される毎に、その時点で入力されているアドレス(直交座標データのX座標を指定するための0〜2047[実際には2進数]の値をとる上位アドレス,及び直交座標データのY座標を指定するための0〜2047[実際には2進数]の値をとる下位アドレス)によって指定された位置(ピクセル)に、極座標データメモリ65から出力された輝度値情報を、格納する。
【0091】
制御回路64は、制御装置6全体の制御を司る回路であり、所定周期のクロックパルスを生成する。そして、このクロックパルスのタイミングに同期して、極座標データメモリ65に読み出しパルス,直交座標データメモリ66に書き込みパルスを各々入力するとともに、画素カウンタ68にインクリメントパルスを入力する。なお、制御回路64は、これら読み出しパルス,書き込みパルス,及びインクリメントパルスを各々2048×3600個出力した時点で、画像処理部70に対して画像変換完了通知を行う。
【0092】
画素カウンタ68は、入力されたインクリメントパルスの数を0〜2047のサイクルで計数するカウンタ(撮像素子から順番に出力される各輝度値をカウントするカウンタ)であり、計数結果としての画素アドレス(極座標データメモリの下位アドレスm)を出力するとともに、2048個のインクリメントパルスを計数する毎に、計数結果をリセットして0とするとともに、回転角カウンタ67に対してカウントパルスを入力する。即ち、この画素カウンタ68が、入力手段によって入力された各輝度値に対応する画素の位置を特定する画素位置特定手段に、相当する。
【0093】
回転角カウンタ67は、入力されたカウントパルスの数を0〜3599のサイクルで計数するカウンタであり、計数結果としての回転角アドレス(極座標データメモリの上位アドレスk)を出力する。即ち、回転角カウンタ67は、入力手段によって入力された各輝度値を出力した時における検査対象光学部材の像及びラインセンサの相対角度を特定する角度特定手段に、相当する。
【0094】
画素カウンタ68から出力された画素アドレス及び回転角カウンタ67から出力された回転角アドレスは、夫々下位アドレスm及び上位アドレスkとして、変換テーブル69にも入力される。即ち、これら画素カウンタ68及び回転角カウンタ67が、角度特定手段によって特定された相対角度及び画素位置特定手段によって特定された画素の位置に基づいて変換テーブルを検索して対応する直交座標値を読み出す検索手段に、相当する。
【0095】
変換テーブル69は、ROM上に構築されたテーブル(画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に対して、検査対象光学部材の像及びラインセンサの相対角度と前記画素の位置との組み合わせを一つのみ対応させた変換テーブル)であり、入力されたアドレスによって指定されるエントリに、当該入力アドレス(回転角アドレス及び画素アドレス)に対応するデータ(直交座標データメモリ66に対する上位アドレスであるX座標アドレス,及び、下位アドレスであるY座標アドレス)が書き込まれている形式を有する。以下、この変換テーブルの作成手順を説明する。
【0096】
いま、上記式(1')〜(4')においてθ=0.05を代入して、m(0〜1024)及びk(0〜3599)の全ての組合せについて上記式(1'),(2')(即ち、所定の極座標−直交座標変換演算)を実行するとともに、m'(1025〜2047)及びk(0〜3599)の全ての組合せについて上記式(3'),(4')(即ち、所定の極座標−直交座標変換演算)を実行する。すると、計算結果は、図24の表にその一部を示す通りになる。
【0097】
この図24に示したように、上記各式(1')〜(4')に夫々任意のm,k(整数)を代入した計算結果は、必ずしも整数とはならない。即ち、直交座標データの各ピクセルの中心点とは一致しない。従って、X,Yの計算結果の小数点以下第1位を四捨五入して、実際の計算結果に最も近い直交座標(X,Y)を、極座標データ中の極座標(m,k)に対応する座標として特定する。この四捨五入により、m及びkの組み合わせに対して極座標−直交座標変換演算を施して算出された値に最も近い直交座標値(X,Y)が、当該m及びkの組み合わせに対応される。図25は、このようにして得られた極座標値(m,k)及び直交座標値(X,Y)の関係をまとめたテーブルである。
【0098】
但し、この図25に示すX及びYの各組合せは、必ずしもユニークではなく、同一のX及びYの組合せがm及びkの複数の組合せに対応している場合がある。そのため、同一のX及びYの組合せが複数位置にあった場合には、それらX及びYの組合せに対応する四捨五入前の数値(図24)を調べる。そして、四捨五入前の数値との差(Xについての差及びYについての差の合計)が最も小さくなる位置にあるものを、有効なものと特定し、それ以外の位置にあるものについてはスタック値(X=0,Y=0)に書き換える。このスタック値への書換により、極座標−直交座標変換演算の結果が直交座標値(X,Y)に最も近くなるm及びkの組み合わせのみに対して、当該直交座標(X,Y)が対応するようになる。図26は、このスタック値への書換がなされたテーブルを示す(但し、スタック値は横線によって示されている)。
【0099】
この図26によると、直交座標値(X=1536,Y=1908),(X=1538,Y=1908),(X=1532,Y=1901),(X=1534,Y=1901)が、欠落している。即ち、これら直交座標値(X,Y)は、m及びkの何れの組み合わせにも対応していない。この場合には、スタック値への書換がなされた各直交座標値(X,Y)の四捨五入前の数値(図24)が調べられる。そして、それらのうち、欠落している各直交座標値(X,Y)との差(Xについての差及びYについての差の合計)が最も小さくなるものが特定され、その位置にその欠落している直交座標値(X,Y)が書き込まれる。この書き込みにより、m及びkの何れの組み合わせにも対応していない直交座標値(X,Y)が、何れの直交座標値にも対応していないm及びkの組み合わせのうち、極座標−直交座標変換演算の結果が当該直交座標値(X,Y)に最も近くなる組み合わせに、対応することになる。図27は、この書き込みがなされたテーブルを示す。この図27に示す状態にまで加工されたテーブルが、変換テーブル69としてROMに書き込まれるのである。
【0100】
以上の構成を有する変換テーブル69は、入力されたアドレスに対応するY座標アドレス,及び、X座標アドレスを出力して、直交座標データメモリ66に入力する。従って、上位アドレス(回転角アドレス)k=0,下位アドレス(画素アドレス)m=0から順番に、上位アドレス(回転角アドレス)k=3599,下位アドレス(画素アドレス)m=2047までの全てのアドレスの組合せがこの変換テーブル69に入力され、夫々に対応するデータ(Y座標アドレス,X座標アドレス)がこの変換テーブル69から出力されると、直交座標データメモリ66内において検査対象光学部材14全体に相似した画像データ(直交座標データ)が合成されることになる。
【0101】
このように直交座標データが直交座標データメモリ66内に合成されると、画像処理部70には、制御回路64から画像変換完了通知が入力される。この画像変換完了通知を受けた画像処理部70は、直交座標データメモリ66から直交座標データ全体を読み出し、直交座標データ中の各ピクセルの輝度値を所定の閾値と比較し、所定の閾値よりも明るいピクセルの値を“1”とするとともにそれ以外のピクセルの値を“0”とする二値化処理を行う。そして、二値化処理後において“1”の値を有する領域のピクセルの総数(面積)が所定の判定基準値を超えている場合や“1”の値を有するピクセルの集合からなる領域のフィレ径が所定の判定基準値を超えている場合等に、検査対象光学部材14が不良品であると判断するのである。即ち、この画像処理部70は、画像メモリに書き込まれた検査対象光学部材全体に対応する画像データの図形的特徴量を測定する図形的特徴量測定手段,及び、図形的特徴量が所定の判定基準値を超えたか否かを判定する判定手段に、相当する。
【0102】
本第3実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
<実施形態の作用>
以上のように構成された本第3実施形態によると、検査対象光学部材14が半回転する間に、検査対象光学部材14が0.05°回転する毎に撮像装置3による撮像がなされ、各撮像によって得られたライン状の画像データが制御装置6の極座標データメモリ65に蓄積される。
【0103】
そして、この極座標データメモリ65中において極座標データが合成されると、制御回路64は、所定の周期でインクリメントパルス,読み出しパルス,及び書き込みパルスを出力する。
【0104】
このインクリメントパルスを受信した画素カウンタ68は、このインクリメントパルスの数を計数し、計数結果を画素アドレスmとして、極座標データメモリ65及び変換テーブル69に入力する。この時、画素カウンタ68の計数結果が2047以下である場合には、回転角カウンタ67は、初期値0を回転角アドレスkとして、極座標データメモリ65及び変換テーブル69に入力する。そして、画素カウンタ68は、2048個のインクリメントパルスが入力される毎に計数結果をリセットするとともに、カウントパルスを回転角カウンタ67に入力する。回転角カウンタ67は、このカウントパルスの数を計数し、計数結果を回転角アドレスkとして、極座標データメモリ65及び変換テーブル69に入力する。
【0105】
極座標データメモリ65は、読み出しパルスが入力されると、その時点で入力されているアドレス(上位アドレスとしての回転角アドレスk,下位アドレスとしての画素アドレスm)によって指定されるピクセルに書き込まれている輝度値を、直交座標データメモリ66に対して出力する。
【0106】
一方、変換テーブル69は、入力されたアドレス(上位アドレスとしての回転角アドレスk,下位アドレスとしての画素アドレスm)に対応するデータ(X座標アドレス,Y座標アドレス)を出力して、直交座標データメモリ66に入力する。
【0107】
直交座標データメモリ66は、書き込みパルスが入力されると、その時点で入力されているアドレス(上位アドレスとしてのX座標アドレス,下位アドレスとしてのY座標アドレス)によって指定されるピクセルに、極座標データメモリ65から入力された輝度値情報を書き込む。
【0108】
このとき、変換テーブル69内には、同一の直交座標値(X,Y)は、重複して記載されていないので、直交座標データメモリ66内の同一ピクセルに輝度値情報が複数回に亘って上書きされることはない。しかも、直交座標データメモリ66の各ピクセルに書き込まれる輝度値情報は、極座標データにおける座標値(m,k)に対する極座標−直交座標変換演算結果が最も当該ピクセルの中心に近くなるものの輝度値である。従って、実際の検査対象光学部材14の像に近似した直交座標データを得ることができる。また、直交座標データメモリ66(における検査対象光学部材14の周縁)内に対応する全ての直交座標値(X,Y)が、予め、何れかの極座標(m,k)に対応付けられているので、直交座標データにおける輝度値抜けは、生じない。
【0109】
極座標データメモリ65から出力された全ての輝度値情報が直交座標データメモリ66に書き込まれると、画像処理部70は、このようにして得られた直交座標系による画像データ(直交座標データ)に基づいて図形的特徴量を算出し、算出した図形的特徴量を一定の判断基準値と比較することによって、検査対象光学部材14の良否判定を行う。
【0110】
本第3実施形態におけるその他の作用は、第1実施形態のものと同じなので、その説明を省略する。
【0111】
【実施形態4】
本発明の第4の実施形態は、上記第3実施形態に比して、制御装置6内に極座標データメモリ65を有さず、撮像装置3によって1ラインの撮像がなされる毎に順次一画素づつ座標変換を行い、その画素を直交座標データメモリ66に書き写すことを、特徴とする。
<光学部材検査装置の構成>
図28は、本第4実施形態による制御装置6及び撮像装置3の回路構成を示すブロック図である。
【0112】
図28における直交座標データメモリ66,変換テーブル69,及び画像処理部70は、上述の第3実施形態のものと全く同じなので、その説明を省略する。制御装置6の回転角検出器71は、読取装置10から入力されたパルスを計数し、入力されたパルスの数が検査対象光学部材14の回転角0.05°に対応した数に達する毎に、その旨を示す角度検出信号を画像入力制御部72に通知するとともに、リセット信号を出力画素カウンタ73に入力する。また、回転角検出器71は、角度検出信号を出力した回数を0〜3599のサイクルで計数し、計数結果としての回転角アドレスを上位アドレスkとして変換テーブル69に入力する。即ち、この回転角検出器71が、入力手段によって入力された各輝度値を出力した時における検査対象光学部材の像及びラインセンサの相対角度を特定する角度特定手段に相当する。
【0113】
制御装置6の画像入力制御部72は、入力手段として、制御装置6全体にわたる画像データの流れを司る回路であり、所定周期のクロックパルスを生成する。そして、このクロックパルスを所定の周期で分周することにより、バッファメモリ32に対する駆動パルス及びA/D変換器31に対する変換パルスを生成する。また、画像入力制御部72は、回転角検出器71から角度検出信号が入力される毎に、撮像装置3の撮像素子5に対して撮像開始信号を入力するとともに、所定時間後に読み出し開始信号を入力する。また、画像入力制御部72は、読み出し開始信号を出力すると、駆動パルス及び変換パルスと同じタイミングで、書き込みパルスを直交座標データメモリ66に入力する。そして、書き込みパルスを計2048×3600個出力した時点で、画像処理部70に対して画像変換完了通知を行う。
【0114】
撮像装置3の撮像素子5は、画像入力制御部72から撮像開始信号が入力されると、撮像(電荷の蓄積)を開始する。そして、読み出し信号が入力されると、各画素に蓄積された電荷を、パラレルにバッファメモリ32に転送する。
バッファメモリ32は、一ライン分(2048個)の電荷を保持するメモリであり、撮像素子5によって転送された電荷を、駆動パルスのタイミングに従って一つづつA/D変換器31に入力する。また、バッファメモリ32は、A/D変換器31に一つの画素の電荷を入力する毎に、制御装置6の出力画素カウンタ73にカウントパルスを入力する。
【0115】
撮像装置3のA/D変換器31は、画像入力制御部72から入力される変換パルスに従って、撮像素子5から出力される電荷(アナログ信号)をデジタル信号である輝度値情報に変換し、直交座標データメモリ66に入力する。
【0116】
制御装置6の出力画素カウンタ73は、回転角検出器71からリセット信号が入力される毎にリセットされるとともに、バッファメモリ32から入力されたカウントパルスを計数し、計数結果としての画素アドレスを下位アドレスmとして変換テーブル69に入力する。即ち、出力画素カウンタ73が、入力手段によって入力された各輝度値に対応する画素の位置を特定する画素位置特定手段に相当する。
【0117】
本第4実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
<実施形態の作用>
以上のように構成された本第4実施形態によると、検査対象光学部材14が0.05°回転する毎に、回転角検出器71は、回転角アドレス(変換テーブル69の上位アドレス)kをインクリメントするとともに、出力画素カウンタ73をリセットし、画像入力制御部72に角度検出信号を入力する。角度検出信号を受信した画像入力制御部72は、撮像装置3の撮像素子5に対して撮像を行わせる。
【0118】
撮像素子5は、画像入力制御部72から読出開始信号を受信すると、各画素に蓄積されていた電荷をバッファメモリ32へパラレルに出力する。バッファメモリ32は、このように転送された各画素の電荷を順番に出力する。A/D変換器31は、このようにしてバッファメモリ32から画素毎に出力された電荷を、デジタル信号である輝度値情報に変換し、直交座標データメモリ66に入力する。
【0119】
このとき同時に、出力画素カウンタ73は、バッファメモリ32から電荷が出力された回数を計数し、計数結果(即ち、直交座標データメモリ66に入力されている輝度値情報に対応する画素の番号)を、画素アドレス(下位アドレス)mとして変換テーブル69に入力する。すると、変換テーブル69は、その時点で入力されているアドレス(上位アドレスとしての回転角アドレスk,下位アドレスとしての画素アドレスm)に対応するデータ(X座標アドレス,Y座標アドレス)を出力して、直交座標データメモリ66に入力する。
【0120】
直交座標データメモリ66は、書き込みパルスが入力された時に入力されているアドレス(上位アドレスとしてのX座標アドレス,下位アドレスとしてのY座標アドレス)によって指定されるピクセルに、撮像装置3から入力された輝度値情報を書き込む。
【0121】
このとき、変換テーブル69内には、同一の直交座標値(X,Y)は、重複して記載されていないので、直交座標データメモリ66内の同一ピクセルに輝度値情報が複数回に亘って上書きされることはない。しかも、直交座標データメモリ66の各ピクセルに書き込まれる輝度値情報は、極座標データにおける極座標値(m,k)に対する極座標−直交座標変換演算結果が最も当該ピクセルの中心に近くなるものの輝度値である。従って、実際の検査対象光学部材14の像に近似した直交座標データを得ることができる。また、直交座標データメモリ66(における検査対象光学部材14の周縁)内に対応する全ての直交座標値(X,Y)が、予め、何れかの極座標値(m,k)に対応付けられているので、直交座標データにおける輝度値抜けは、生じない。
【0122】
回転角検出器71から出力される回転角アドレスが最大値k=3599となり、且つ、出力画素カウンタ73から出力される画素アドレスが最大値m=2047となった時点で画像変換完了通知が画像入力制御部72から出力されると、画像処理部70は、直交座標データメモリ66内にて合成された直交座標データに基づいて図形的特徴量を算出し、算出した図形的特徴量を一定の判断基準値と比較することによって、検査対象光学部材14の良否判定を行う。
【0123】
本第4実施形態におけるその他の作用は、第1実施形態のものと同じなので、その説明を省略する。
【0124】
【実施形態5】
本発明の第5の実施形態は、上述の第4実施形態と比較して、変換テーブル中の各直交座標値について、それが有効であるか無効であるかのフラグを設定し、有効である事を示すフラグが設定されている直交座標値に関してのみ座標変換を行うことを、特徴としている。
<光学部材検査装置の構成>
図29は、本第5実施形態による制御装置6の構成を示すブロック図である。
【0125】
図29に示すように、本第5実施形態による制御装置6は、変換テーブル74の構成及び機能,並びに、画像入力制御部72から直交座標データメモリ66に入力される書き込みパルスの信号路にゲート回路75が設けられている点のみ、図28に示す第4実施形態の制御装置6と異なる。
【0126】
変換テーブル74は、ROM上に構築されており、入力されたアドレス(上位アドレスとしての回転角アドレスk,及び、下位アドレスとしての画素アドレスm)によって指定されるエントリに、当該入力アドレスに対応するデータ(直交座標データメモリ66に対する上位アドレスであるX座標アドレス,下位アドレスであるY座標アドレス,及び、これら両アドレスが有効であるか(=1)無効であるか(=0)を示すデータ有効フラグビットF)が書き込まれている形式を有する。以下、この変換テーブルの作成手順を説明する。
【0127】
いま、上述の第3実施形態において説明した手順により図25と同じ表を生成し、生成した表中に書き込まれているX及びYの組合せをチェックする。そして、表中に一箇所のみ記載されているX及びYの組合せについては、全て有効であると判定し、同じ欄内にデータ有効フラグビットF=1をセットする。また、同一のX及びYの組合せが複数箇所に記載されている場合には、それらX及びYの組合せに対応する四捨五入前の数値(図24)を調べる。そして、四捨五入前の数値との差(Xについての差及びYについての差の合計)が最も小さくなる位置に記載されているものを、有効な組合せと特定し、それが記載されている欄内にデータ有効フラグビットF=1を設定する。一方、それ以外の欄には、データ有効フラグビットF=0(即ち、無効を示すフラグ)を設定する。図30は、このようなデータ有効フラグビットFの設定がなされたテーブルを示す。この図30に示す状態にまで加工されたテーブルが、変換テーブル74としてROMに書き込まれるのである。
【0128】
以上の構成を有する変換テーブル74は、入力されたアドレスに対応するY座標アドレス,及び、X座標アドレスを直交座標データメモリ66に入力するとともに、入力されたアドレスに対応するデータ有効フラグビットFをゲート回路75の制御端子に入力する。
【0129】
ゲート回路75は、変換テーブル74からデータ有効フラグビットF=1が出力されている時,即ち、有効なX座標アドレス及びY座標アドレスがこの変換テーブル74から出力されている時にのみ、画像入力制御部72から出力された書き込みパルスを通過させる。一方、ゲート回路75は、変換テーブル74からデータ有効フラグビットF=0が出力されている時,即ち、無効なX座標アドレス及びY座標アドレスがこの変換テーブル74から出力されている時には、画像入力制御部72から出力された書き込みパルスを阻止する。
【0130】
本第5実施形態のその他の構成は、第4実施形態のものと同じなので、その説明を省略する。
<実施形態の作用>
以上のように構成された本第5実施形態によると、検査対象光学部材14が0.05°回転する毎に、回転角検出器71は、回転角アドレス(変換テーブル69の上位アドレス)kをインクリメントするとともに、出力画素カウンタ73をリセットし、画像入力制御部72に角度検出信号を入力する。角度検出信号を受信した画像入力制御部72は、撮像装置3の撮像素子5に対して撮像を行わせる。
【0131】
撮像素子5は、画像入力制御部72から読出開始信号を受信すると、各画素に蓄積されていた電荷をバッファメモリ32へパラレルに出力する。バッファメモリ32は、このように転送された各画素の電荷を順番に出力する。A/D変換器31は、このようにしてバッファメモリ32から各画素毎に出力された電荷を、デジタル信号である輝度値情報に変換し、直交座標データメモリ66に入力する。
【0132】
このとき同時に、出力画素カウンタ73は、バッファメモリ32から電荷が出力された回数を計数し、計数結果(即ち、直交座標データメモリ66に入力されている輝度値情報に対応する画素の番号)を、画素アドレス(下位アドレス)mとして変換テーブル69に入力する。すると、変換テーブル74は、その時点で入力されているアドレス(上位アドレスとしての回転角アドレスk,下位アドレスとしての画素アドレスm)に対応するX座標アドレス及びY座標アドレスを直交座標データメモリ66に入力するとともに、対応するデータ有効フラグビットFをゲート回路75に入力する。
【0133】
ゲート回路75は、入力されたデータ有効フラグビットFが“0”であれば画像入力制御部72からの書き込みパルスを阻止し、入力されたデータ有効フラグビットFが“1”であれば書き込みパルスを通過させる。
【0134】
その結果、直交座標データメモリ66は、書き込みパルスがゲート回路75を介して入力された時にのみ、入力されているアドレス(上位アドレスとしてのX座標アドレス,下位アドレスとしてのY座標アドレス)によって指定されるピクセルに、撮像装置3から入力された輝度値情報を書き込む。一方、書き込みパルスがゲート回路75によって阻止されている時には、撮像装置3のA/D変換器31から入力された輝度値情報は、直交座標データメモリ66には書き込まれずに破棄される。
【0135】
ところで、変換テーブル74内においては、同一のX座標アドレス及びY座標アドレスの組合せに関して、それが有効であることを示すデータ有効フラグビットF=1は、一箇所にしか設定されていない。従って、直交座標データメモリ66内の同一ピクセルに輝度値情報が複数回に亘って上書きされることはない。しかも、データ有効フラグビットF=1が設定された直交座標値(X,Y)に対応する極座標値(m,k)は、それに基づく極座標−直交座標変換演算結果が、最も当該直交座標値(X,Y)に近くなるものである。従って、実際の検査対象光学部材14の像に近似した直交座標データを得ることができる。
【0136】
回転角検出器71から出力される回転角アドレスが最大値k=3599となり、且つ、出力画素カウンタ73から出力される画素アドレスが最大値m=2047となった時点で画像変換完了通知が画像入力制御部72から出力されると、画像処理部70は、直交座標データメモリ66内にて合成された直交座標データに基づいて図形的特徴量を算出し、算出した図形的特徴量を一定の判断基準値と比較することによって、検査対象光学部材14の良否判定を行う。
【0137】
本第5実施形態におけるその他の作用は、第1実施形態のものと同じなので、その説明を省略する。
【0138】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明の光学部材検査装置によれば、少ない処理ステップ数と処理時間で座標変換を行うことができる。
【0139】
また、請求項13,14,又は16の光学部材検査装置によれば、座標変換後の画像データに輝度値の欠落を生じることなく座標変換を行うことができる。
また、請求項10,13,又は14の光学部材検査装置によれば、座標変換演算によって算出される直交座標値が画像メモリ中のピクセルの中心に最も近くなる輝度値を当該ピクセルに書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による光学部材検査装置の概略構成を示す側面断面図
【図2】 図1の検査対象光学部材等を撮像装置の位置から見た平面図
【図3】 図1の制御装置の内部回路構成を示すブロック図
【図4】 検査対象光学部材に光学的欠陥がない場合における光の進行状態を示す図
【図5】 検査対象光学部材に光学的欠陥がある場合における光の進行状態を示す図
【図6】 検査対象光学部材に光学的欠陥がある場合に撮像装置から出力される画像データの輝度分布を示すグラフ
【図7】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部材の相対位置と極座標データ格納領域に格納された極座標データとの関係を示す図
【図8】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部材の相対位置と極座標データ格納領域に格納された極座標データとの関係を示す図
【図9】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部材の相対位置と極座標データ格納領域に格納された極座標データとの関係を示す図
【図10】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部材の相対位置と極座標データ格納領域に格納された極座標データとの関係を示す図
【図11】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部材の相対位置と極座標データ格納領域に格納された極座標データとの関係を示す図
【図12】 極座標系から直交座標系への座標変換方法を示す図
【図13】 図3の極座標データ格納領域及び直交座標データ格納領域に格納されている画像データを示すメモリマップ
【図14】 擬似的な画像データの増加による輝度値情報の穴埋めを示す説明図
【図15】 変換テーブルの作成手順を示す図
【図16】 図3の変換テーブルの構造を示す図
【図17】 図3のCPUにて実行される制御処理を示すフローチャート
【図18】 図17のS02にて実行される座標変換行程処理サブルーチンを示すフローチャート
【図19】 本発明の第1実施形態による作用の説明図
【図20】 本発明の第2の実施の形態における制御装置の内部回路構成を示すブロック図
【図21】 図20のCPUにて実行される制御処理を示すフローチャート
【図22】 図21のS21にて実行される座標変換行程処理サブルーチンを示すフローチャート
【図23】 本発明の第3の実施の形態における制御装置の内部回路構成を示すブロック図
【図24】 変換テーブルの作成手順を示す図
【図25】 変換テーブルの作成手順を示す図
【図26】 変換テーブルの作成手順を示す図
【図27】 図23の変換テーブルの構造を示す図
【図28】 本発明の第4の実施の形態における制御装置の内部回路構成を示すブロック図
【図29】 本発明の第5の実施の形態における制御装置の内部回路構成を示すブロック図
【図30】 図29の変換テーブルの構造を示す図
【図31】 先願の光学部材検査装置の概略図
【図32】 先願における座標変換の説明図
【図33】 ラインセンサの撮像周期の説明図
【図34】 直交座標データにおける輝度値抜け状態を示す図
【符号の説明】
3 撮像装置
4 撮像レンズ
5 撮像素子
6 制御装置
8 駆動モータ
10 読取装置
14 検査対象光学部材
15 ホルダ
60 CPU
62 ホストメモリ
62a 全極座標データ格納領域
62b 直交座標データ格納領域
62c 変換テーブル格納領域
62d 極座標データ格納領域
63 回転角検出回路
65 極座標データメモリ
66 直交座標データメモリ
67 回転角カウンタ
68 画素カウンタ
69 変換テーブル
71 回転角検出器
73 出力画素カウンタ
74 変換テーブル

Claims (11)

  1. 検査対象光学部材の光学的欠陥を検出する光学部材検査装置であって、
    撮像レンズと、
    この撮像レンズによって形成された検査対象光学部材の像を繰り返し撮像するために複数の画素を一方向に並べてなるラインセンサと、
    前記検査対象光学部材の像と前記ラインセンサとを相対回転させる回転手段と、
    前記ラインセンサから出力された前記各画素に対応する輝度値からなる画像データを入力する入力手段と、
    直交座標によってその位置が特定される複数のピクセルをマトリックス状に並べてなる画像メモリと、
    前記入力手段によって入力された各輝度値を出力した時における前記検査対象光学部材の像前記ラインセンサの相対角度を特定する角度特定手段と、
    前記入力手段によって入力された各輝度値に対応する画素の位置を特定する画素位置特定手段と、
    前記相対角度と前記画素の位置との組み合わせからなる全ての極座標値に対して所定の極座標−直交座標変換演算を夫々施したときに、前記画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に最も近い計算結果になる各極座標値を、夫々当該直交座標値に対応させているとともに、当該所定の極座標−直交座標変換演算を行ったときに何れの極座標値にも対応していない直交座標値が生じた場合には、前記極座標−直交座標変換演算の計算結果が当該直交座標値に最も近くなる極座標値を当該何れの極座標値にも対応していない直交座標値に対応させている変換テーブルと、
    前記角度特定手段によって特定された相対角度及び前記画素位置特定手段によって特定された画素の位置に基づいて前記変換テーブルを検索して、対応する直交座標値を読み出す検索手段と、
    前記入力手段によって入力された各輝度値を、前記検索手段によって読み出された直交座標値に対応する前記画像メモリ中のピクセルへ書き込む書込手段と
    を備えたことを特徴とする光学部材検査装置。
  2. 検査対象光学部材の光学的欠陥を検出する光学部材検査装置であって、
    撮像レンズと、
    この撮像レンズによって形成された検査対象光学部材の像を繰り返し撮像するために複数の画素を一方向に並べてなるラインセンサと、
    前記検査対象光学部材の像と前記ラインセンサとを相対回転させる回転手段と、
    前記ラインセンサから出力された前記各画素に対応する輝度値からなる画像データを入力する入力手段と、
    直交座標によってその位置が特定される複数のピクセルをマトリックス状に並べてなる画像メモリと、
    前記検査対象光学部材の像と前記ラインセンサとの相対角度と前記画素の位置との組み合わせからなる全ての極座標値に対して所定の極座標−直交座標変換演算を夫々施したときに、前記画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に最も近い計算結果になる各極座標値を、夫々当該直交座標値に対応させるとともに、当該所定の極座標−直交座標変換演算を行ったときに何れの極座標値にも対応していない直交座標値が生じた場合には、前記極座標−直交座標変換演算の計算結果が当該直交座標値に最も近くなる極座標値を当該何れの極座標値にも対応していない直交座標値に対応させている変換テーブルと、
    この変換テーブルから、相対角度と前記画素の位置との組み合せ,及びこの組み合わせに対応する前記直交座標値を、夫々一つ取り出す取出手段と、
    前記入力手段から入力された画像データから、前記取出手段によって取り出された相対角度と前記画素の位置との組み合せに対応する輝度値を読み出す読出手段と、
    この読出手段によって読み出された輝度値を前記取出手段によって取り出された前記直交座標値に対応する前記画像メモリ中のピクセルへ書き込む書込手段と
    を備えたことを特徴とする光学部材検査装置。
  3. 前記画像メモリに書き込まれた前記検査対象光学部材全体に対応する画像データの図形的特徴量を測定する図形的特徴量測定手段と、
    前記図形的特徴量が所定の判定基準値を超えたか否かを判定する判定手段と
    を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の光学部材検査装置。
  4. 前記入力手段は、前記ラインセンサが前記検査対象光学部材の像を繰り返し撮像することによってこのラインセンサから出力された画像データを各撮像毎に行単位で順番に格納する一時格納メモリを有するとともに、
    前記読出手段は、前記取出手段によって取り出された相対角度に対応する行,及び前記取出手段によって取り出された前記画素の位置に対応する列によって特定されるピクセルから前記輝度値を読み出す
    ことを特徴とする請求項2記載の光学部材検査装置。
  5. 前記書込手段は、前記検査対象光学部材全体に対応する画像データの前記一時格納メモリへの格納が完了した後に、この一時格納メモリに格納された画像データを構成する各輝度値を、前記画像メモリに書き込む
    ことを特徴とする請求項4記載の光学部材検査装置。
  6. 前記ラインセンサは、その画素の列を前記撮像レンズの光軸と直交させた状態で固定されており、
    前記回転手段は、前記検査対象光学部材を前記撮像レンズの光軸を中心に回転させ、
    前記角度特定手段は、前記回転手段によって回転された検査対象光学部材の回転角を検知するエンコーダを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  7. 前記画素位置特定手段は、前記ラインセンサから順番に出力される各輝度値をカウントするカウンタを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  8. 前記変換テーブルは、前記相対角度と前記画素の位置との組み合わせのうち、前記画像メモリの各ピクセルを特定する個々の直交座標値に対応しないものについては、無効を示す値を対応させている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学部材検査装置。
  9. 前記変換テーブルは、前記相対角度と前記画素の位置との全ての組み合わせを何れかの前記直交座標値に対応させるとともに、各直交座標値に対応する前記相対角度と前記画素の位置との組み合わせが複数ある場合には、一つの有効な組み合わせ以外の全ての組み合わせに対して無効を示すフラグを付しており、
    前記書込手段は、前記角度特定手段によって特定された相対角度及び前記画素位置特定手段によって特定された画素の位置の組み合わせについて、前記変換テーブル内において無効を示すフラグが付されていない場合に限り、前記検索手段によって読み出された直交座標値に対応する前記画像メモリ中のピクセルへ、前記入力手段によって入力された輝度値を書き込む
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光学部材検査装置。
  10. 前記ラインセンサは、その画素の列を前記撮像レンズの光軸と直交させた状態で固定されており、前記回転手段は、前記検査対象光学部材を前記撮像レンズの光軸を中心に回転させる
    ことを特徴とする請求項2記載の光学部材検査装置。
  11. 前記変換テーブルは、前記入力手段によって入力された各輝度値を出力した時における前記検査対象光学部材の像及び前記ラインセンサの相対角度以外の角度については、当該角度と前記画素の位置との組み合わせに対して前記所定の極座標−直交座標変換演算を施し、その演算の結果得られた値に最も近い直交座標値を、当該角度よりも大きく且つ最も近い前記相対角度に対応させた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学部材検査装置。
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