JP3406795B2 - 光学部材検査装置 - Google Patents

光学部材検査装置

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JP3406795B2 JP05076097A JP5076097A JP3406795B2 JP 3406795 B2 JP3406795 B2 JP 3406795B2 JP 05076097 A JP05076097 A JP 05076097A JP 5076097 A JP5076097 A JP 5076097A JP 3406795 B2 JP3406795 B2 JP 3406795B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、レンズ等の光学部
材の形状異常等の光学的欠陥を検出するための光学部材
検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ,プリズム等の光学部材は、入射
した光束が規則正しく屈折したり、平行に進行したり、
一点又は線状に収束したり発散するように設計されてい
る。しかしながら、光学部材の形成時において糸くず等
が光学部材内に混入してしまっていたり(いわゆる「ケ
バ」)、成形後の人的取り扱いによって光学部材の表面
上にキズ等が生じていたりゴミが付着していると、入射
した光束が乱れてしまうので、所望の性能を得ることが
できなくなる。
【0003】そのため、従来より、これら光学的な欠陥
を検出するために、蛍光灯やスライドプロジェクタ用光
源等を用いた人間の目による官能検査が行われていた。
蛍光灯やスライドプロジェクタ用光源を用いた官能検査
とは、蛍光灯やスライドプロジェクタ用光源から発せら
れた光を光学部材に当てるとともに光路外から光学部材
の表面を観察し、光の反射,透過,屈折等を考慮しつ
つ、欠陥部分の輝度を背景の明るさと比較して認識する
というものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
人間の目による官能検査では、良品と不良品との客観的
な判定基準がない。従って、複数の人間によって検査を
行う場合、検査する人毎に良否の判定基準がばらついて
しまうので、検査する人によっては、良品の中に不良品
を含めてしまって製品全体の品質を落としてしまった
り、良品を不良品として破棄して無駄を生じさせてしま
っていた。また、同一人が検査する場合であっても、慣
れが生じるにつれて判定基準が厳しくなる傾向があり、
良品を不良品と判定してしまうことが多々あった。
【0005】そこで、本発明は、以上の問題に鑑み、客
観的基準に従って良品と不良品との合否判定を行うこと
ができる光学部材検査装置を提供することを課題とす
る。
【0006】各請求項記載の発明は、上記課題を解決す
るためになされたものである。請求項1記載の発明は、
検査対象光学部材の光学的欠陥を検出する光学部材検査
装置であって、撮像レンズと、この撮像レンズに関して
前記検査対象光学部材と略共役な位置において、この撮
影レンズの光軸に直交する一定方向にその走査方向が延
びるように配置されたラインセンサと、前記検査対象光
学部材を挟んで前記撮像レンズとは反対側の位置に配置
されてこの検査対象光学部材に向けて照明光を拡散する
拡散板と、前記一定方向にその長手方向を向けて配置さ
れた帯状の形状を有し、前記検査対象部材に光学的欠陥
がないとしたならば前記拡散板から発して前記検査対象
光学部材を透過して前記撮像レンズに入射した後に前記
撮像素子に入射することになる光を前記検査光学部材
と前記拡散板との間で遮遮光手段と、前記ラインセン
によって撮像された画像中の前記光学部材の光学的欠
陥を示す部位を数値化する数値化手段と、この数値化手
段によって数値化された数値が所定の判定基準値を超え
たか否かを判定する判定手段とを、備えたことを特徴と
する。
【0007】このように構成された光学部材検査装置に
よると、拡散板によって拡散された照明光は、検査対象
光学部材を透過して撮像レンズに入射した後にラインセ
ンサに入射する光の光路上において遮光手段によって遮
光されるので、前記光路の外側からのみ、前記検査対象
光学部材における前記光が透過する箇所,即ち、ライン
センサによって撮影される撮影対象領域を、照射する。
従って、この拡散板から検査対象光学部材の撮影対象領
へ入射した照明光は、この検査対象光学部材の撮影対
象領域に光学的欠陥が無い限り、撮像レンズに入射した
後に撮像素子に入射することはない。そのため、撮像素
子によって撮像される画像は、全体的に暗い。これに対
して、検査対象光学部材における撮像対象領域に光学的
欠陥がある場合には、拡散板からこの撮像対象領域に入
射した照明光が、この光学的欠陥によって拡散する。そ
して、拡散光の一部が撮像レンズに入射すると、この拡
散光が撮像素子上に収束するので、光学的欠陥の明るい
像が撮像素子によって撮像される。従って、撮像素子に
よって撮像される画像中に光学的欠陥に対応した明部が
表れるのである。
【0008】本発明における検査対象光学部材は、レン
ズ,プリズム,平行平面板等の透明な光学部材を含む。
従って、検査対象光学部材は、ガラスからなるものも樹
脂成形によるものも含む。光学部材の光学的欠陥とは、
光学部材の表面の欠陥や光学部材内部の欠陥を言う。光
学部材の表面の欠陥としては、表面のキズや汚れやゴ
ミ,等が列挙される。また、光学部材の内部の欠陥とし
ては、光学部材内部のケバやクラック等が列挙される。
【0009】値化手段は、画像中における光学部材の
光学的欠陥を示す明所の面積を算出しても良いし、幅を
算出しても良いし、輝度を算出しても良いし、これらを
掛け合わせた値を算出しても良い。
【0010】判定手段は、数値化手段によって数値化さ
れる数値が複数種類ある場合には、その全てを判定基準
値と比較しても良いし光学部材の種類に応じて定まる一
部の種類の数値のみを比較しても良い。
【0011】
【0012】拡散板は、背後から照明される透光部材で
あっても良いし、表面側から照明される反射部材であっ
ても良い。遮光手段は、検査対象光学部材を透過した光
が直接撮像素子に入射するのを防止するためのものであ
るので、撮像素子に入射する光束の周縁光線によって囲
まれる範囲を遮光しさえすれば、拡散板と検査対象光学
部材との間のどこに配置されても良い。また、その平面
形状は、少なくとも上述の周縁光束によって囲まれる範
囲を遮光し得る形状であれば良い。従って、遮光手段の
平面形状は、撮像素子がラインセンサであるので幅狭な
帯状の形状であるが、かりに、撮像素子がエリアセンサ
である場合にはエリアセンサと略同型の矩形形状とな
る。従って、エリアセンサの場合には、エリアセンサの
面積を大きくして解像度を高くすればするほど遮光手段
の幅が広くなるのに対し、ラインセンサの場合には、ラ
インセンサの長さを長くして解像度を高くしても遮光手
段の幅には変わりがない。遮光手段の幅が狭いと云う事
は、検査対象光学部材の欠陥個所に当たる照明光の入射
角が小さくなると云う事なので、欠陥個所にて拡散した
照明光が撮像レンズに入射する可能性が高くなるのであ
る。
【0013】この遮光手段は、拡散板の表面に直接印刷
された遮光パターンであっても良いし、板状の不透明部
材を適宜切り出して拡散板に貼り付けたものであっても
良いし、拡散板とは別個の透明部材表面上に遮光パター
ンを印刷したものであっても良い。
【0014】
【0015】請求項記載の発明は、請求項の撮影レ
ンズの倍率は前記検査対象光学部材の全幅が前記ライン
センサによって撮像される様に調整されていることで、
特定したものである。
【0016】
【0017】請求項記載の発明は、請求項におい
て、検査対象光学部材を前記ラインセンサの走査方向と
直交する方向へ移動させる移動手段を更に備えるととも
に、ラインセンサが前記検査対象光学部材をその各位置
で撮像して1ラインづつの画像データを出力すること
で、特定したものである。このように構成されれば、上
述した理由によってラインセンサが撮像素子として採用
された場合であっても、検査対象光学部材の全域にわた
って検査を行うことが可能になる。
【0018】請求項記載の発明は、請求項におい
て、検査対象光学部材における前記撮像手段によって撮
像される部位を前記一定方向における前記遮光手段の側
方から照明する補助照明装置を更に備えることで、特定
したものである。このように構成されれば、遮光手段
長手方向の長さが検査対象光学部材の幅よりも長い場合
でも、検査対象光学部材の撮影対象領域を遮光手段の長
手方向から照明することができるので、欠陥に方向性が
ある場合でも、欠陥個所にて照明光を拡散させて撮像レ
ンズに入射させることができる。
【0019】請求項記載の発明は、請求項の数値化
手段が、前記ラインセンサから出力された1ラインづつ
の画像データに基づいて検査対象光学部材全体に対応す
る画像データを再構成するとともに、この画像データ中
においてその輝度が所定の閾値を上回っている画素の数
を測定することで、特定したものである。
【0020】請求項記載の発明は、請求項の検査対
象光学部材を前記撮像レンズの光軸を中心に回転させる
回転手段を更に備えるとともに、撮影レンズの倍率が前
記検査対象光学部材の直径方向における全域が前記ライ
ンセンサによって撮像される様に調整されており、前記
ラインセンサが前記検査対象光学部材をその各位置で撮
像して1ラインづつの画像信号を出力することで、特定
したものである。
【0021】請求項記載の発明は、請求項の検査対
象光学部材を前記撮像レンズの光軸からオフセットした
回転軸を中心に回転させる回転手段を更に備えるととも
に、撮影レンズの倍率が前記検査対象光学部材の前記回
転軸から外縁までの領域が前記ラインセンサによって撮
像される様に調整されており、前記ラインセンサが前記
検査対象光学部材をその各位置で撮像して1ラインづつ
の画像データを出力することで、特定したものである。
【0022】請求項記載の発明は、請求項又は
数値化手段が、前記ラインセンサから出力された1ライ
ンづつの画像データのうちその輝度が所定の閾値を上回
っている箇所の長さを測定することで、特定したもので
ある。
【0023】請求項記載の発明は、請求項又は
数値化手段が、前記ラインセンサから出力された1ライ
ンづつの画像データに基づいて検査対象光学部材全体に
対応する極座標系の画像データを再構成し、この極座標
系の画像データを直交座標系の画像に変換し、この直交
座標系の画像データ中においてその輝度が所定の閾値を
上回っている画素の数を測定することで、特定したもの
である。
【0024】請求項10記載の発明は、請求項又は
の回転手段が検査対象光学部材の光軸を中心にこの検査
対象光学部材を回転させることで、特定したものであ
る。このように構成されれば、例えばレンズのように光
軸を中心として径方向に屈折力を有する光学部材を検査
する場合でも、遮光手段による陰が撮像素子の撮像面上
で移動しないので、撮像素子を固定したまま撮像を行う
ことができる。
【0025】請求項11記載の発明は、請求項10の遮
光手段が前記検査対象光学部材の光軸と交わる部位から
端部に向かうにつれて拡がる帯状の形状を有しているこ
とで特定したものである。このようにすれば、光学部材
の光軸近傍の位置においては、検査対象光学部材の欠陥
個所に当たる照明光の入射角が小さくなる故に欠陥個所
にて拡散した照明光が撮像レンズに入射する可能性が高
くなり、光学部材の周縁近傍の位置においては、検査対
象光学部材の欠陥個所に当たる照明光の入射角が大きく
なる故に欠陥個所にて拡散した照明光が撮像レンズに入
射する可能性が低くなる。即ち、欠陥検出感度を光軸近
傍にて高くし且つ周縁近傍にて低くすることができるの
である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。
【0027】
【実施形態1】本発明の第1の実施形態は、平行平面板
のように光軸を有さない光学部材の検査に適した光学部
材検査装置の構成例を示すものである。 <光学部材検査装置の構成>本第1実施形態の概略構成
を、正面図である図1,及び、部分側面図である図2に
示す。この図1に示すように、光学部材検査装置を構成
する照明ランプ1,拡散板2,及び撮像装置3は、同一
の光軸l上に配置されている。
【0028】この撮像装置3は、正レンズ系である撮像
レンズ4と、この撮像レンズ4によって収束された光に
よる像を撮像するCCDラインセンサからなる撮像素子
5とから、構成されている。図1において、撮像素子5
は、紙面に直交する方向にそのピクセル列を向かせるよ
うに設置されている。また、撮像素子5のピクセル列
は、その真中において、撮像レンズ4の光軸lと垂直に
交わっている。なお、撮像レンズ4は、撮像装置3内に
おいて撮像素子5に対して進退自在(ピント調節可能)
であり、撮像装置3自体も、光軸l方向に進退調整し得
る様に光学部材検査装置の図示せぬフレームに取り付け
られている。
【0029】この撮像素子5は、所定時間(各ピクセル
に電荷が適度に蓄積する程度の時間)毎にライン状に画
像を撮像し、ピクセルの並び順に各ピクセルを自己走査
して各ピクセルに蓄積した電荷を出力する。このように
して撮像素子5から出力された電荷は、所定の増幅処理
やA/D変換処理を受けた後に、1ライン分の輝度信号
からなる画像データとして、画像処理装置6に入力され
る。
【0030】画像処理装置6は、検査対象光学部材9が
良品であるか不良品であるかの判定を行うプロセッサで
あり、撮像素子5から入力された画像データに対して所
定の画像処理を行い、検査対象光学部材9の光学的欠陥
の程度を数値化するとともに、この数値を一定の判定基
準値(許容値)と比較し、この数値が判定基準値内に収
まっているか超えているかの判定を行う。即ち、この画
像処理装置6は、数値化手段,及び判定手段に相当す
る。この画像処理装置6は、また、上述した判定処理を
行うのに伴い、撮像素子5からの画像データが入力され
るのと同期して、検査対象光学部材9を移動させる制御
信号をスライドテーブル7に対して出力する。この画像
処理装置6内には、上述の画像処理を行うに際して画像
データを蓄積するための画像メモリ6aが、内蔵されて
いる。
【0031】スライドテーブル7は、スライドレール7
a,スライダ7b,駆動モータ7e,ブーム7c,及
び、ホルダ7dから構成されている。このスライドレー
ル7aは、撮像素子5のピクセル列の方向及び撮像レン
ズ4の光軸lの方向に対して夫々直交する方向を向く様
に、光学部材検査装置の図示せぬフレームに固定されて
いる。また、スライダ7bは、このスライドレール7a
上をスライドする。駆動モータ7eは、スライダ7bを
スライドレール7aに対して一定速度でスライド移動さ
せる。また、ブーム7cは、スライダ7b上にその基端
が固定されているとともに、その先端にホルダ7dが固
着されている。ホルダ7dは、検査対象光学部材9を着
脱自在に保持する。そして、画像処理装置6から上述の
制御信号が出力されると、駆動モータ7eがこの制御信
号に従って回転し、スライダ7bをスライドレール7a
に沿ってスライド駆動する。その結果、検査対象光学部
材9が、撮像素子5のピクセル列の方向と撮像レンズ4
の光軸lの方向とに夫々直交する方向へ、等速移動され
る。即ち、このスライドテーブル7が、検査対象光学部
材9を撮像素子5の走査方向と直交する方向へ移動させ
る移動手段を構成しているのである。
【0032】この検査対象光学部材9は、図3に示すよ
うな平面矩形の平行平面透明板である。この検査対象光
学部材9は、その短辺が撮像素子9のピクセル列と平行
となり且つ幅方向(撮像素子9のピクセル列と平行な方
向)の中点において撮像レンズ4の光軸lと直交するよ
うに、スライダ7によって保持・移動される。なお、図
3は、撮像レンズ4の位置から見た検査対象光学部材9
等の位置関係を示す平面図である。この図3において
は、検査対象光学部材9のスライドテーブル7による移
動方向は、左右方向となる。
【0033】この検査対象光学部材9は、撮像レンズ4
に関してその表面(撮像レンズ4に対向する面)が撮像
素子5の撮像面と共役となるように配置されている。従
って、撮像素子5は、検査対象光学部材9の表面の画像
(1ライン分)を撮像することができるのである。図3
においては、撮像素子5によって撮像され得る一ライン
分の撮像対象領域が、二点鎖線によって示されている。
なお、撮像レンズ4の倍率(即ち、撮像装置3自体の位
置,及び撮像レンズ4の撮像素子5に対する位置)は、
検査対象光学部材9の表面を全幅(撮像素子9のピクセ
ル列の方向における幅)にわたって撮像素子5の撮像面
に結像し得るように、調整されている。
【0034】一方、照明ランプ1は、照明光(白色光)
を発光する白熱ランプであり、光学部材検査装置の図示
せぬフレームに固定されている。この照明ランプ1と検
査対象光学部材9との間に配置されている拡散板2は、
図3に示すように、検査対象光学部材9よりも幅広な矩
形形状を有しており、その表面は粗面として加工されて
いる。従って、この拡散板2は、照明ランプ1から出射
された照明光をその裏面全面で受けて、拡散しつつ透過
させることができる。なお、この拡散板2は、その中心
において撮像レンズ4の光軸lと直交するとともに、そ
の外縁が撮像素子9のピクセル列と平行になる様に、光
学部材検査装置の図示せぬフレームに固定されている。
【0035】この拡散板2の表面上には、帯状の形状を
有する遮光手段としての遮光板8が、その長手方向を撮
像素子5のピクセル列の方向(撮像レンズ4の光軸に直
交する一定方向)と平行な方向に向けて、貼り付けられ
ている。この遮光板8の中心は撮像レンズ4の光軸lと
一致している。また、遮光板8の長手方向における全長
は検査対象光学部材9の幅(撮像素子5のピクセル列の
方向における幅)よりも長い。そして、図3に示すよう
に、撮像装置3の位置から見ると、遮光板8の両端は、
検査対象光学部材9の外縁よりも外側にはみ出してい
る。また、遮光板8の幅は、図1に示すように、撮像素
子5の各ピクセルに入射する光の周縁光線m,mの間隔
よりも広い。従って、撮像素子5の各ピクセルに入射し
得る方向からの全ての光がこの遮光板8によって遮られ
るので、撮像素子5によって撮像される検査対象光学部
材9の背景は、常に暗くなっている。即ち、これら照明
ランプ1,拡散板2,及び遮光板8が、検査対象光学部
材9を透過して撮像レンズ4に入射した後に撮像素子5
に入射する光の光路の外側から、検査対象光学部材9に
おける前記光が透過する箇所を照明する照明手段に、該
当する。
【0036】この遮光板8の長手方向における両端の側
方には、夫々、図2及び図3に示すように、補助照明装
置10,10が取り付けられている。この補助照明装置
10は、光ファイバー束11と、この光ファイバー束1
1の出射端に取り付けられた発散規制枠12と、この発
散規制枠12の出射端に取り付けられたコリメータレン
ズ13とから、構成されている。この発散規制枠12
は、光ファイバー束11の出射端から所定の開口数に依
って発散する光の広がりを、遮光板8の長手方向と平行
な方向のみに制限する部材である。また、コリメータレ
ンズ13は、発散規制枠12内において所定幅(検査対
象光学部材9の幅×2-1/2)まで拡がった光を平行光に
するレンズである。このコリメータレンズ13の光軸
は、撮像レンズ4の光軸lと検査対象光学部材9との交
点において、撮像レンズ4の光軸lに対して45度で交
わっている。従って、各補助照明装置10から出射され
た光(補助照明光)は、検査対象光学部材9の表面にお
ける撮像素子5によって撮像され得る部位を、全域に亘
って均等な照度及び角度で照明することができる。 <光学的欠陥検出の原理>次に、以上のように構成され
る光学部材検査装置において、検査対象光学部材9の光
学的な欠陥が撮像素子5によって撮像される原理を、以
下に説明する。
【0037】撮像素子5のピクセル列の受光面は殆ど幅
の無い線であるとみなせるので、図1の面内において
は、撮像レンズ4に入射して撮像素子5の各ピクセルに
入射し得る光は、撮像レンズ4の光軸lに沿った光線を
主光線とする光束であり且つ図1に示される周縁光線
m,m間を通る光のみである。この周縁光線m,mを逆
方向に辿ると、検査対象光学部材9の表面において交差
した後に、拡散板2に向かって拡がっている。そして、
拡散板2上において、この周縁光線m,mの間が遮光板
8によって遮られている。従って、図4に示すように、
検査対象光学部材9における撮像素子5による撮像対象
領域(撮像レンズ4に関して撮像素子5のピクセル列の
受光面と共役な部位及び光軸方向におけるその近傍)に
光学的欠陥がないとすると、撮像素子5の各ピクセルに
入射する光はない。即ち、拡散板2の表面における遮光
板8の側方箇所から拡散した光nは、検査対象光学部材
9における撮像対象領域を透過するが、周縁光線m,m
の外側を通るので、撮像レンズ4には入射しない。ま
た、拡散板2の表面における遮光板8の側方箇所から拡
散して検査対象光学部材9における撮像対象領域以外の
箇所を透過した光は、撮像レンズ4に入射し得るが、撮
像素子5の各ピクセル上には収束されない。そのため、
撮像素子5から出力される画像データは、検査対象光学
部材9の外縁に対応する明部(側面での拡散光に因る)
を除き、全域において暗くなっている。
【0038】これに対して、図3に示すように、検査対
象光学部材9表面における撮像対象領域内にキズC及び
ゴミDがある場合、図5に示すように、拡散板2の表面
における遮光板8の側方箇所から拡散した光nがこれら
キズC及びゴミDに当たると、この光nがこれらキズC
及びゴミDによって拡散される。この拡散光n’は、周
縁光線m,mの交点を中心として発散するので、その一
部は、撮像レンズ4を介して撮像素子5の各ピクセルに
入射する。従って、キズC及びゴミDの像(周囲よりも
明るい像)が撮像素子5の撮像面に形成される。なお、
検査対象光学部材9の外縁A,Bにおいても、同様な拡
散が生じるので、これら外縁A,Bの像が(周囲よりも
明るい像)が撮像素子5の撮像面に形成される。図6
は、図3に示す位置にて撮像が行われた時に撮像素子5
から出力される画像データの輝度分布を示すグラフであ
る。なお、図6においては、一回の撮像によって各ピク
セルに蓄積された電荷を、一走査分の周期内で順次自己
走査によって読み出している様子が示されている。
【0039】なお、キズやクラックは、光を拡散させる
方向に指向性を有している。即ち、キズやクラックの方
向に対して平行な方向から入射した光については拡散す
ることなくそのまま透過し、これと直交する方向から入
射した光については拡散する。従って、図7に示す様
に、遮光板8の長手方向と平行にキズ又はクラックKが
形成されている場合には、拡散板2の表面における遮光
板8の側方箇所から拡散した光nがキズ又はクラックK
に対して直交する様に入射するので、上述したようにし
て拡散が生じ、この拡散の一部が撮像レンズ4に入射
し、このキズ又はクラックKの像が撮像素子5によって
撮像される。これに対して、図8に示す様に、遮光板8
の長手方向と直交する方向に沿ってキズ又はクラックK
が形成されている場合には、遮光板8の長手方向と直交
する方向の縦断面である図9に示すように、拡散板2の
表面における遮光板8の側方箇所から拡散した光nがキ
ズ又はクラックKに対して平行に入射するので、入射し
た光nは拡散されることなくそのまま透過する。そし
て、この光nは周縁光線m,mの外側を進むので、撮像
レンズ4には入射しない。そのため、キズ又はクラック
Kの像は撮像素子5によって撮像されない。
【0040】このような問題を解消するために、本実施
形態においては、補助照明装置10,10が取り付けら
れているのである。この補助照明装置10は、遮光板8
の長手方向における側方から、検査対象光学部材9の表
面における撮像素子5によって撮像され得る部位を照明
する。従って、図10のように、キズ又はクラックKが
遮光板8の長手方向に対して直交する方向に沿って形成
されている場合でも、補助照明装置10は、このキズ又
はクラックKに対して直交方向から照明光を照射するこ
とができる。その結果、図10に示すように、このキズ
又はクラックKにて拡散が生じ、拡散光の一部が撮影レ
ンズ4に入射し、このキズ又はクラックKの像が撮像素
子5によって撮像される。 <光学的欠陥判定の方式>上述したように、撮像素子5
による撮像(電荷蓄積及び走査)は、スライドテーブル
7による検査対象光学部材9の移動と同期して、この検
査対象光学部材9が単位距離だけ移動する毎に行われ
る。そして、撮像素子5による撮像(電荷蓄積及び走
査)がなされる毎に、図6に示すような画像データが、
画像処理装置6に入力されて画像メモリ6aに書き込ま
れる。図11は、遮光板8,撮像素子5による撮像対象
領域(二点鎖線にて表示),及び検査対象光学部材9の
相対位置と画像メモリ6aに書き込まれた画像データと
の関係を示す。この図11に示すように、(a)の状態
から(d)の状態へ向けて検査対象光学部材9が撮像素
子5による撮像対象領域(二点鎖線にて表示)を通り抜
けるにつれて、画像メモリ6aの各行には、撮像素子5
によって撮像された各走査毎の画像データが、先頭行か
ら順に書き込まれる。
【0041】本実施形態においては、画像処理装置6
は、撮像素子5による撮像が全て完了した後において、
画像メモリ6aに格納されている検査対象光学部材9の
全面に対応する画像データ(図11(d))に基づい
て、良否判定を行う。具体的には、画像処理装置6は、
画像メモリ6aに格納されている画像データの各ピクセ
ルの輝度を所定の閾値と比較し、所定の閾値よりも明る
いピクセルの値を“1”とするとともにそれ以外のピク
セルの値を“0”とする二値化処理を行う。そして、二
値化処理後において“1”の値を有するピクセルの総数
が所定の判定基準値を超えている場合に、検査対象光学
部材9が不良品であると判断するのである。 <制御処理>次に、検査対象光学部材9が良品であるか
不良品であるかの判定を行うために画像処理装置6が実
行する制御処理の内容を、図12のフローチャートを用
いて説明する。この制御処理開始の前提として、スライ
ドテーブル7のスライダ7bは、図1示すスライドレー
ル7aの最右側端に位置しており、検査対象対象光学部
材9は、図11(a)に示す様に撮像レンズ4の光軸l
から外れた位置に在るものとする。
【0042】図12の制御処理は、画像処理装置6に接
続された図示せぬ検査開始ボタンが押下されることによ
りスタートする。スタート後最初のS01では、画像処
理装置6は、スライドテーブル7の駆動モータ7eに対
する駆動信号の出力を開始し、検査対象光学部材9の等
速移動を開始させる。
【0043】次のS02では、画像処理装置6は、撮像
素子5から出力された一走査分の画像データを入力し、
画像メモリ6aに書き込む。次のS03では、画像処理
装置6は、S02での画像データの書き込みによって画
像メモリ6a内で検査対象光学部材9全体に対応する画
像データが合成されたかどうかをチェックする。そし
て、未だ検査対象光学部材9全体に対応する画像データ
が合成されていない場合には、処理をS02に戻し、新
たな撮像によって撮像素子5から出力された画像データ
を入力する。
【0044】これに対して、検査対象光学部材9全体に
対応する画像データが合成された場合には、S04にお
いて、画像処理装置6は、画像メモリ6a内に書き込ま
れている検査対象光学部材9全体に対応する画像データ
に対して、二値化処理を行う。即ち、画像メモリ6aに
格納されている画像データの全ピクセルの輝度を、所定
の閾値と比較する。そして、当該所定の閾値よりも輝度
が高いピクセルの値を“1”に置き換えるとともに、当
該所定の閾値よりも輝度が低いピクセルの値を“0”に
置き換える。
【0045】次のS05では、画像処理装置6は、画像
メモリ6a内における“1”の値を有するピクセル(ド
ット)の総数を計測し、“1”の値を有するピクセル
(ドット)の数が所定の判定基準値よりも多いかどうか
をチェックする。そして、“1”の値を有するピクセル
(ドット)の数が所定の判定基準値よりも多い場合に
は、S06において、当該検査対象光学部材9が不良品
であると判定して、その旨を外部出力(画像表示,音声
出力)する。これに対して、“1”の値を有するピクセ
ル(ドット)の数が所定の判定基準値以下である場合に
は、S07において、当該検査対象光学部材9が良品で
あると判定して、その旨を外部出力(画像表示,音声出
力)する。以上の後に、画像処理装置6は、この制御処
理を終了する。
【0046】なお、S05での判定の代わりに、“1”
の値を有するピクセルの集合からなる領域の直径が所定
値以上あるかどうかによって判定を行っても良いし、
“1”の値を有するピクセルの集合からなる領域に該当
する二値化前画像における輝度値の総和が所定値以上あ
るかどうかによって判定を行っても良い。 <実施形態の作用>以上のように構成された本第1実施
形態によると、検査対象光学部材9を透過して撮像レン
ズ4に入射するとともに撮像素子5の各ピクセルに入射
し得る様な光は、遮光板8によって、予め拡散板2上に
て遮られている。従って、撮像素子5による撮像対象領
域内において検査対象光学部材9に光学欠陥が生じてい
なければ、撮像素子5によって撮像される画像データ
は、全体的に暗い。これに対して、撮像素子5による撮
像対象領域内において検査対象光学部材9に光学欠陥が
生じている場合には、遮光板8の側方からこの領域内に
入射した光が光学的欠陥によって拡散され、その拡散光
の一部が撮像レンズ4に入射する。この結果、撮像素子
5によって撮像される画像データは、光学欠陥の明るい
像が暗黒の背景上に強調されたものとなる。
【0047】なお、本実施形態においては、撮像素子5
をラインセンサにしている。そのため、撮像素子5全体
をあまり大きくすることなく、解像度(ピクセル列方向
に並んだピクセルの総数)を高くすることができる。し
かも、エリアセンサの場合と異なり、ピクセル数を増や
して解像度を高くしても、ラインセンサの幅(ピクセル
列に直交する方向における幅)は変わらない。従って、
遮光板8の側方を通って検査対象光学部材9における撮
像対象領域内に入射する光の入射角を、小さくすること
ができる。その結果、拡散の程度が僅かであっても、拡
散光が撮像レンズ4に入射する。つまり、光学的欠陥の
検出感度をエリアセンサの場合よりも高くすることがで
きる。
【0048】そして、撮像素子5によって撮像された画
像データにおける所定の判定基準値よりも輝度が高いピ
クセル(ドット)の数が測定され、測定されたピクセル
(ドット)数が一定の判断基準値と比較され、この比較
結果に応じて良品であるか不良品であるかの判定が客観
的になされるのである。
【0049】
【実施形態2】本発明の第2の実施形態は、第1実施形
態に比して、画像処理装置6内に画像メモリ6aがない
とともに、この画像処理装置6による制御処理が図13
に示すフローチャートに従ってなされることを特徴とす
る。この図13のフローチャートに従った制御処理は、
撮像素子5から入力される一ラインづつの画像データに
対して、直接二値化処理及び判定処理を実行するもので
ある。
【0050】この図13のフローチャートに従った制御
処理は、画像処理装置6に接続された図示せぬ検査開始
ボタンが押下されることによりスタートする。スタート
後最初のS11では、画像処理装置6は、スライドテー
ブル7の駆動モータ7eに対する駆動信号の出力を開始
し、検査対象光学部材9の等速移動を開始させる。
【0051】画像処理装置6は、次に、S12乃至S1
6のループ処理に入る。このループ処理に入って最初の
S12では、画像処理装置6は、撮像素子5から出力さ
れた一走査分の画像データを入力する。
【0052】次のS13では、画像処理装置6は、S1
2にて入力した一走査分の画像データに対して、二値化
処理を行う。即ち、一走査分の画像データの輝度を所定
の閾値と比較し、当該所定の閾値よりも輝度が高い部分
を論理値“1”とするとともに当該所定の閾値よりも輝
度が低い部分を論理値“0”とすることにより、画像デ
ータを矩形出力に変換する。
【0053】次のS14では、画像処理装置6は、S1
3にて変換された矩形出力の幅(論理値“1”の部分の
長さ)Tを測定する。次のS15では、画像処理装置6
は、S14にて測定された幅Tが所定の判定基準値より
も大きいか否かをチェックする。そして、S14にて測
定された幅Tが所定の判定基準値以下であると判定した
場合には、画像処理装置6は、処理をS16に進める。
【0054】このS16では、画像処理装置6は、検査
対象光学部材9全体に対応する画像データを入力し終わ
ったかどうかをチェックする。そして、未だ検査対象光
学部材全体に対応する画像データを入力し終わってない
場合には、画像処理装置6は、処理をS12に戻し、新
たな撮像によって撮像素子5から出力された画像データ
を入力する。
【0055】以上のループ処理を繰り返した結果、S1
4にて測定された幅Tが所定の判定基準値を超えたとS
15にて判定した場合には、画像処理装置6は、S18
において、当該検査対象光学部材9が不良品であると判
定して、その旨を外部出力(画像表示,音声出力)す
る。この場合には、以後における画像データの入力は打
ち切られ、この時点でこの制御処理は終了する。
【0056】これに対して、幅Tが所定の判定基準値を
超えたと判定することなく検査対象光学部材9全体に対
応する画像データを入力し終えたとS16にて判定した
場合には、画像処理装置6は、S17において、当該検
査対象光学部材9が良品であると判定して、その旨を外
部出力(画像表示,音声出力)する。そして、その後、
この制御処理を終了する。
【0057】本第2実施形態におけるその他の構成及び
作用は、第1実施形態のものと同じなので、その説明を
省略する。
【0058】
【実施形態3】本発明の第3の実施形態は、円形レンズ
のように光軸を中心にパワーを有する光学部材の検査に
適した構成例を示すものである。このような光学部材
は、第1実施形態の構成によって検査するのには適して
いない。図33は、このような光学部材としての凹レン
ズ14aを第1実施形態のスライドテーブル7に装着し
てスライド移動させた時に撮像装置3の位置から見た状
態を示すものである。この図33に示すように、凹レン
ズ14aを遮光板8に対して図中右側から左側に向けて
移動させると、凹レンズ14a及び遮光板8の見え方
は、同図(a)〜(c)に示すように変化する。同様
に、図34は、凸レンズ14bを第1実施形態のスライ
ドテーブル7に装着してスライド移動させた時に撮像装
置3の位置から見た状態を示すものである。この図34
に示すように、凸レンズ14bを遮光板8に対して図中
右側から左側に向けて移動させると、凸レンズ14b及
び遮光板8の見え方は、同図(a)〜(c)に示すよう
に変化する。このように、検査対象光学部材14a,1
4bの光軸が遮光板8の中心からずれている時には、検
査対象光学部材14a,14bを透過して見える遮光板
8の位置は、実際の位置よりもずれて見える。その結
果、検査対象光学部材14a,14bに光学的欠陥がな
いとしても、拡散板2における遮光板8の側方位置から
発散した光が撮像レンズ4に入射してしまい、撮像素子
5によって撮像される画像データが明るくなってしま
う。そのため、光学的欠陥の明るい像があまり強調され
なくなるとともに、光学的欠陥ではない部分が光学的欠
陥であると判定されてしまうおそれがあるのである。そ
のため、本第3実施形態では、検査対象光学部材14の
光軸と遮光板の中心とを常に一致させるために、その光
軸を中心として検査対象光学部材14を回転させる構成
としたのである。 <光学部材検査装置の構成>本第3実施形態の概略構成
を、図14の一部断面側面図に示す。この図14に示す
ように、光学部材検査装置を構成する照明ランプ1,拡
散板20,及び撮像装置3は、同一の光軸l上に配置さ
れている。
【0059】この撮像装置3の構成は、第1実施形態の
ものと同じなので、その説明を省略する。画像処理装置
21は、検査対象光学部材14が良品であるか不良品で
あるかの判定を行うプロセッサであり、撮像素子5から
入力された画像データに対して所定の画像処理を行い、
検査対象光学部材14の光学的欠陥の程度を数値化する
とともに、この数値を一定の判定基準値(許容値)と比
較し、この数値が判定基準値内に収まっているか超えて
いるかの判定を行う。即ち、この画像処理装置21は、
数値化手段,及び判定手段に相当する。この画像処理装
置21は、また、上述した判定処理を行うのに伴い、撮
像素子5からの画像データが入力されるのと同期して、
検査対象光学部材14を回転させるための制御信号を駆
動モータ18に対して出力する。この画像処理装置21
内には、上述の画像処理を行うに際して画像データを格
納するための第1画像メモリ21a及び第2画像メモリ
21bが、内蔵されている。
【0060】この駆動モータ18の駆動軸にはピニオン
ギア17が取り付けられており、このピニオンギア17
は、撮像レンズ4の光軸lを中心とした環状のホルダ1
5の周縁に取り付けられた環状ギア16に噛合してい
る。この環状のホルダ15は、円形レンズである検査対
象光学部材14の周縁を全周にわたって保持する。従っ
て、検査対象光学部材14の周縁の中心と光軸とが一致
している限り、検査対象光学部材14の光軸は、撮像レ
ンズ4の光軸lに対して同軸となる。そして、画像処理
装置21から上述の制御信号が出力されると、駆動モー
タ18がこの制御信号に従って回転する。すると、両ギ
ヤ17,16を介してホルダ15が回転駆動を受け、ホ
ルダ15に保持されている検査対象光学部材14が、光
軸lに直交する面内において、等速度で回転駆動され
る。即ち、これら駆動モータ18,両ギヤ17,16,
及びホルダ15が、検査対象光学部材14を撮像レンズ
4の光軸lを中心に回転させる回転手段を構成してい
る。なお、検査対象光学部材14の回転方向は、図15
に示すように、撮像装置3側から見て反時計方向であ
る。この図15は、検査対象光学部材14等を撮像装置
3側から見た平面図である。
【0061】検査対象光学部材14は、撮像レンズ4に
関してその表面(撮像レンズ4に対向する面)が撮像素
子5の撮像面と共役となるように配置されている。従っ
て、撮像素子5は、検査対象光学部材14の表面の画像
(1ライン分)を撮像することができるのである。図1
5においては、撮像素子5によって撮像され得る一ライ
ン分の撮像対象領域が、二点鎖線によって示されてい
る。なお、撮像レンズ4の倍率(即ち、撮像装置3自体
の位置,及び撮像レンズ4の撮像素子5に対する位置)
は、検査対象光学部材14の直径方向における全域を撮
像素子5の撮像面に結像し得るように、調整されてい
る。
【0062】一方、照明ランプ1は、照明光(白色光)
を発光する白熱ランプであり、光学部材検査装置の図示
せぬフレームに固定されている。この照明ランプ1と検
査対象光学部材14との間に配置されている拡散板20
は、図15に示すように、検査対象光学部材14よりも
大径な円盤形状を有しており、その表面は粗面として加
工されている。従って、この拡散板20は、照明ランプ
1から出射された照明光をその裏面全面で受けて、拡散
しつつ透過させることができる。なお、この拡散板20
は、その中心において撮像レンズ4の光軸lと直交する
様に、光学部材検査装置の図示せぬフレームに固定され
ている。
【0063】この拡散板20の表面上には、帯状の形状
を有する遮光手段としての遮光板19が、その長手方向
を撮像素子5のピクセル列の方向(撮像レンズ4の光軸
lに直交する一定方向)と平行な方向に向けて、貼り付
けられている。この遮光板19の中心は撮像レンズ4の
光軸lと一致している。また、遮光板19の長手方向に
おける全長は検査対象光学部材14の直径よりも長い。
そして、図15に示すように、撮像装置3の位置から見
ると、遮光板19の両端は、検査対象光学部材14の外
縁よりも外側にはみ出している。また、遮光板19の幅
は、撮像素子5のピクセル列の方向に直交する方向にお
ける光学部材検査装置の断面図である図16に示すよう
に、撮像素子5の各ピクセルに入射する光の周縁光線
m,mの間隔よりも広い。従って、撮像素子5の各ピク
セルに入射し得る方向からの光は全てこの遮光板19に
よって遮られるので、撮像素子5によって撮像される検
査対象光学部材14の背景は、常に暗くなっている。
【0064】この遮光板8の長手方向における両端の側
方には、夫々、図14及び図15に示すように、補助照
明装置10,10が取り付けられている。この補助照明
装置10の構成は、第1実施形態のものと同じなので、
その説明を省略する。 <光学的欠陥検出の原理>以上のように構成される光学
部材検査装置において、図16の面内では、撮像レンズ
4に入射して撮像素子5の各ピクセルに入射し得る光
は、撮像レンズ4の光軸lに沿った光線を主光線とする
光束であり且つ図16に示される周縁光線m,m間を通
る光のみである。この周縁光線m,mを逆方向に辿る
と、検査対象光学部材14の表面において交差した後
に、拡散板20に向かって拡がっている。そして、拡散
板20上において、この周縁光線m,mの間が遮光板1
9によって遮られている。従って、図16に示すよう
に、検査対象光学部材14における撮像素子5による撮
像対象領域(撮像レンズ4に関して撮像素子5のピクセ
ル列の受光面と共役な部位及び光軸方向におけるその近
傍)に光学的欠陥がないとすると、撮像素子5の各ピク
セルに入射する光はない。即ち、拡散板20の表面にお
ける遮光板19の側方箇所から拡散した光nは、検査対
象光学部材14における撮像対象領域を透過するが、周
縁光線m,mの外側を通るので、撮像レンズ4には入射
しない。また、拡散板2の表面における遮光板8の側方
箇所から拡散して検査対象光学部材14における撮像対
象領域以外の箇所を透過した光は、撮像レンズ4に入射
し得るが、撮像素子5の各ピクセル上には収束されな
い。そのため、撮像素子5から出力される画像データ
は、検査対象光学部材14の外縁に対応する明部(側面
での拡散光に因る)を除き、全域において暗くなってい
る。
【0065】これに対して、図15に示すように、検査
対象光学部材14表面における撮像対象領域内にキズC
及びゴミDがある場合、図17に示すように、拡散板2
0の表面における遮光板19の側方箇所から拡散した光
nがこれらキズC及びゴミDに当たると、この光nがこ
れらキズC及びゴミDによって拡散される。この拡散光
n’は、周縁光線m,mの交点を中心として発散するの
で、その一部は、撮像レンズ4を介して撮像素子5の各
画素上に入射する。従って、キズC及びゴミDの像(周
囲よりも明るい像)が撮像素子5の撮像面に形成され
る。なお、検査対象光学部材14の外周A,Bにおいて
も、同様な拡散が生じるので、これら外周A,Bの像が
(周囲よりも明るい像)が撮像素子5の撮像面に形成さ
れる。図18は、図15に示す位置にて撮像が行われた
時に撮像素子5から出力される画像データの輝度分布を
示すグラフである。なお、図18においては、一回の撮
像によって各ピクセルに蓄積された電荷を、一走査分の
周期内で順次自己走査によって読み出している様子が示
されている。
【0066】なお、遮光板19の短手方向と平行に形成
されたキズ又はクラックKは、図19に示すように、補
助照明装置10,10により、遮光板19の長手方向に
おける側方から照明される。従って、遮光板8の短手方
向に対して平行に形成されているキズ又はクラックK
も、補助照明装置10からの照明光によって拡散を生
じ、この拡散の一部を撮影レンズ4に入射させ、このキ
ズ又はクラックKの像が撮像素子5によって撮像され
る。 <光学的欠陥判定の方式>上述したように、撮像素子5
による撮像(電荷蓄積及び走査)は、駆動モータ18に
よる検査対象光学部材14の回転と同期して、この検査
対象光学部材14が単位角度だけ回転する毎に行われ
る。そして、撮像素子5による撮像(電荷蓄積及び走
査)がなされる毎に、図18に示すような画像データ
が、画像処理装置21に入力されて第1画像メモリ21
aに書き込まれる。図20乃至図24は、遮光板19,
撮像素子5による撮像対象領域(二点鎖線にて表示),
及び検査対象光学部材14の相対位置と第1画像メモリ
21aに書き込まれた画像データとの関係を示す。具体
的には、図20は、初期状態を示し(この時点で撮像さ
れる検査対象光学部材14の外縁上の点を、夫々
“A”,“B”とする)、図21は、初期状態から反時
計方向に45度回転した状態を示し、図22は、検査対
象光学部材14が初期状態から反時計方向に90度回転
した状態を示し、図23は、検査対象光学部材14が初
期状態から反時計方向に135度回転した状態を示し、
図24は、検査対象光学部材14が初期状態から反時計
方向に180度回転した終了態を示す。これら各図に示
すように、検査対象光学部材14が回転するにつれて、
第1画像メモリ21aの各行には、撮像素子5によって
撮像された各走査毎の画像データが、先頭行から順に書
き込まれる。
【0067】図24(b)に示す時点で第1画像メモリ
21aに書き込まれている画像データの縦軸は、点A,
B間を結ぶ直径を基準とした検査対象光学部材14の回
転角を示し、横軸は、検査対象光学部材14の中心(光
軸)Oから直径方向への距離を示す。即ち、第1画像メ
モリ21aに書き込まれる画像データの座標系は、極座
標系である。この極座標系においては、検査対象光学部
材14の中心Oに近い欠陥程面積が大きく写り込み、外
縁に近い欠陥程面積が小さく写り込む。従って、第1画
像メモリ21aに書き込まれている画像データそのもの
に基づいて、検査対象光学部材14が良品であるか否か
の客観的判定はできない。そのため、本実施の形態にお
ける画像処理装置21は、第1画像メモリ21aに書き
込まれている極座標系による画像データを直交座標系に
よる画像データに変換して、第2画像メモリ21bに書
き込む。
【0068】図25は、このような極座標系から直交座
標系への座標変換方法を示す図であり、検査対象光学部
材14の表面上に定義されたローカル座標系と撮像素子
5のピクセル列の方向を基準(縦軸)とした絶対座標系
との関係を示すものである。図25において、検査対象
光学部材14の表面上に定義されたローカル座標系は、
検査対象光学部材14の光軸Oを原点0とし、検査対象
光学部材14外縁上における点Aと点Bとを結ぶ線をY
軸とする。また、Y軸と直交し且つ原点0を通る線をX
軸とする。また、絶対座標系の縦軸上の各点の値は、撮
像素子5の各ピクセルの走査の順番に対応するので、撮
像素子5の解像度(ピクセル数)をnとすると0〜n−
1の値をとる。そして、n/2の点において、絶対座標
系の縦軸はローカル座標の原点0と交差することとな
る。
【0069】検査対象光学部材14が回転すると、ロー
カル座標系は、原点0を中心として絶対座標系の縦軸に
対して反時計方向に回転する。このとき、撮像開始時か
らの撮像の回数(走査回数)をkとし、撮像の一周期
(一走査)の間に検査対象光学部材14が回転する角度
をθとすると、撮像素子5中m(但し、0≦m≦n/2)
番目のピクセルPのローカル座標系における極座標はP
(n/2−m,kθ)となり、m’(但し、n/2<m’≦n
−1)番目のピクセルP’のローカル座標系における極
座標はP’(m’−n/2,π+kθ)となる。これら極
座標P,P’を直交座標によって表すと、P(Px,P
y),P’(P’x,P’y)となる。ここで、 Px=(n/2−m)sin kθ …(1) Py=(n/2−m)cos kθ …(2) Px’=(m’−n/2)sin(180+ kθ)=−(m’−n/2)sin kθ…(3) Py’=(m’−n/2)cos(180+kθ)=−(m’−n/2)cos kθ…(4) と表される。従って、これら式(1)〜(4)を用いる
ことにより、極座標系を直交座標系に変換することがで
きるのである。
【0070】いま、図26(a)に示すように、撮像素
子5のピクセル数(解像度)nが2048個であり、検
査対象光学部材14が半回転(180度)する間に20
48回の撮像がなされるとする(即ち、θ=180/204
8)。この場合、画像処理装置21は、第1画像メモリ
21a中の0〜1024列目のピクセルに対しては上記
式(1),(2)を適用し、1025〜2047列目の
ピクセルに対しては上記式(3),(4)を適用する。
但し、図26(b)に示すように、第2画像メモリ21
bの原点(0,0)は、中心ではなくて左上に位置する
ので、原点位置をずらすための補正がなされねばならな
い。具体的には、この第2画像メモリ21bのピクセル
数が2048×2048個であることから、画像処理装
置21は、上記式(1),(3)によって求められたX
座標値に対して一律に1024を加算し、上記式
(2),(4)によって求められたY座標値の極性を反
転した後に一律に1024を加算する補正を施さなけれ
ばならない。
【0071】以上をまとめると、画像処理装置21は、
図26(a)に示す第1画像メモリ21a中のk行目,
m列目(m=0〜1024)のピクセルに対しては、下
記式(1’),(2’)を実行する。 Px=1024+(1024−m)sin kθ …(1’) Py=1024−(1024−m)cos kθ …(2’) そして、求められたPx,Pyの値に基づき、図26
(b)に示す第2画像メモリ21b中のPy行目,Px
列目のピクセルを変換後のピクセルとして特定する。そ
して、第1画像メモリ21a中のk行目,m列目のピク
セルに書き込まれていたデータを、第2画像メモリ21
b中のPy行目,Px列目のピクセルに書き移す。
【0072】一方、画像処理装置21は、図26(a)
に示す第1画像メモリ21a中のk行目,m’列目
(m’=1025〜2047)のピクセルに対しては、
下記式(3’),(4’)を実行する。 Px’=1024−(m’−1024)sin kθ …(3’) Py’=1024+(m’−1024)cos kθ …(4’) そして、求められたPx’,Py’の値に基づき、図2
6(b)に示す第2画像メモリ21b中のPx’行目,
Py’列目のピクセルを変換後のピクセルとして特定す
る。そして、第1画像メモリ21a中のk行目,m列目
のピクセルに書き込まれていたデータを、第2画像メモ
リ21b中のPx’行目,Py’列目のピクセルに書き
移す。
【0073】このような書き移し完了後において第2画
像メモリ21bに格納されている画像データは、検査対
象光学部材14をエリアセンサによって撮像して得た画
像データと略等価であり、光学的欠陥の位置如何に拘わ
らず、画像データ中の光学的欠陥の面積は実際の光学的
欠陥の面積と正比例関係にある。そこで、画像処理装置
21は、この第2画像メモリ21bに格納されている画
像データに基づいて、良否判定を行うのである。具体的
には、画像処理装置21は、第2画像メモリ21bに格
納されている画像データの各ピクセルの輝度を所定の閾
値と比較し、所定の閾値よりも明るいピクセルの値を
“1”とするとともにそれ以外のピクセルの値を“0”
とする二値化処理を行う。そして、二値化処理後におい
て“1”の値を有するピクセルの総数が所定の判定基準
値を超えている場合に、検査対象光学部材14が不良品
であると判断するのである。 <制御処理>次に、検査対象光学部材14が良品である
か不良品であるかの判定を行うために画像処理装置21
が実行する制御処理の内容を、図27のフローチャート
を用いて説明する。
【0074】図27の制御処理は、画像処理装置21に
接続された図示せぬ検査開始ボタンが押下されることに
よりスタートする。スタート後最初のS21では、画像
処理装置21は、駆動モータ18に対する駆動信号の出
力を開始し、検査対象光学部材14の等速回転を開始さ
せる。
【0075】次のS22では、画像処理装置21は、撮
像素子5から出力された一走査分の画像データを入力
し、第1画像メモリ21aに書き込む。次のS23で
は、画像処理装置21は、S22での画像データの書き
込みによって第1画像メモリ21a内で検査対象光学部
材9全体に対応する極座標系による画像データが合成さ
れたかどうかをチェックする。そして、未だ検査対象光
学部材9全体に対応する極座標系による画像データが合
成されていない場合には、処理をS22に戻し、新たな
撮像によって撮像素子5から出力された画像データを入
力する。
【0076】これに対して、検査対象光学部材9全体に
対応する極座標系による画像データが合成された場合に
は、画像処理装置21は、S24において、第1画像メ
モリ21a内に書き込まれている極座標系による画像デ
ータに対して上記式(1’)〜(4’)を用いた座標変
換を行い、直交座標系に変換された画像データを第2画
像メモリ21bに書き込む。
【0077】次のS25では、画像処理装置21は、第
2画像メモリ21b内に書き込まれている直交座標系に
よる検査対象光学部材9全体の画像に対して、二値化処
理を行う。即ち、第2画像メモリ21bに格納されてい
る画像データの全ピクセルの輝度を、所定の閾値と比較
する。そして、当該所定の閾値よりも輝度が高いピクセ
ルの値を“1”に置き換えるとともに、当該所定の閾値
よりも輝度が低いピクセルの値を“0”に置き換える。
【0078】次のS26では、画像処理装置21は、第
2画像メモリ21b内における“1”の値を有するピク
セル(ドット)の総数を計測し、“1”の値を有するピ
クセル(ドット)の数が所定の判定基準値よりも多いか
どうかをチェックする。そして、“1”の値を有するピ
クセル(ドット)の数が所定の判定基準値よりも多い場
合には、S27において、当該検査対象光学部材9が不
良品であると判定して、その旨を外部出力(画像表示,
音声出力)する。これに対して、“1”の値を有するピ
クセル(ドット)の数が所定の判定基準値以下である場
合には、S28において、当該検査対象光学部材9が良
品であると判定して、その旨を外部出力(画像表示,音
声出力)する。以上の後に、画像処理装置21は、この
制御処理を終了する。
【0079】なお、S26での判定の代わりに、“1”
の値を有するピクセルの集合からなる領域の直径が所定
値以上あるかどうかによって判定を行っても良いし、
“1”の値を有するピクセルの集合からなる領域に該当
する二値化前画像における輝度値の総和が所定値以上あ
るかどうかによって判定を行っても良い。 <実施形態の作用>以上のように構成された本第3実施
形態によると、検査対象光学部材14を透過して撮像レ
ンズ4に入射するとともに撮像素子5の各ピクセルに入
射し得る様な光は、遮光板19によって、予め遮光板2
0上にて遮られている。従って、撮像素子5による撮像
対象領域内において検査対象光学部材14に光学欠陥が
生じていなければ、撮像素子5によって撮像される画像
データは、全体的に暗い。これに対して、撮像素子5に
よって撮像され得る範囲において検査対象光学部材14
に光学欠陥が生じている場合には、遮光板19の側方か
らこの領域内に入射した光が光学的欠陥によって拡散さ
れ、その拡散光の一部が撮像レンズ4に入射する。この
結果、撮像素子5によって撮像される画像データは、光
学欠陥の明るい像が暗黒の背景上に強調されたものとな
る。
【0080】なお、本実施形態においては、光軸を中心
として屈折力を有するレンズを検査対象光学部材14と
しているとともに、この検査対象光学部材14の光軸を
撮像レンズ4の光軸lと一致させ、この光軸を中心に検
査対象光学部材14を回転させている。従って、撮像装
置3の位置から見た場合、検査対象光学部材14を透過
して見える遮光板19の位置は、検査対象光学部材14
が回転しても、この検査対象光学部材14の光軸を中心
とした位置から変化しない。従って、検査対象光学部材
14に光学的欠陥がなければ、撮像素子5によって撮像
される画像データは常に暗黒のままであるし、検査対象
光学部材14に欠陥があれば、撮像素子5によって撮像
される画像データは欠陥の程度に応じて明るくなる。
【0081】そして、撮像素子5によって撮像された極
座標系による画像データが直交座標系による画像データ
に変換され、変換後の直交座標系による画像データにお
ける所定の判定基準値よりも輝度が高いピクセル(ドッ
ト)の数が測定され、測定されたピクセル(ドット)数
が一定の判断基準値と比較され、この比較結果に応じて
良品であるか不良品であるかの判定が客観的になされる
のである。 <実施形態の変形例>上述した拡散光による光学的欠陥
個所の検出は、検査対象光学部材14の表面における撮
像素子5による撮像対象領域に入射する光の向きが一方
向のみであっても成立する。そのため、上述した遮光板
19の代わりに、図28に示すような略半円型の遮光板
19aが用いられても良い。
【0082】また、検査対象光学部材14がシリンドリ
カル成分を含む場合(アナモフィクレンズ,シリンドリ
カルレンズ等)には、この検査対象光学部材14の屈折
力は、周方向に依って変わっている。従って、撮像装置
3の位置から見た場合、検査対象光学部材14を透過し
て見える遮光板19は、検査対象光学部材14が回転す
るのに従って、図29又は図30に示すように歪んでし
まう。このような場合には、このような歪みが生じたと
しても検査対象光学部材14を透過して撮像レンズ4に
入射する光を遮ることができる様に、図31に示すよう
な光軸側から外縁側に向けて徐々に幅が拡がった形状の
遮光板19bを採用すれば良い。このような形状の遮光
板19bを採用すれば、光軸l近傍の検出精度が向上す
るとともに、周縁近傍においても、正常箇所を欠陥個所
と誤認するおそれを、少なくとも防ぎ得る。この場合に
も、この遮光板19bの代わりに、図32に示す略半円
型遮光板19cが用いられても良い。
【0083】
【実施形態4】本発明の第4の実施形態は、第3実施形
態に比して、画像処理装置21内に画像メモリ21a,
21bがないとともに、この画像処理装置21による制
御処理が図35に示すフローチャートに従ってなされる
ことを特徴とする。この図35のフローチャートに従っ
た制御処理は、撮像素子5から入力される一ラインづつ
の画像データに対して、直接二値化処理及び判定処理を
実行するものである。
【0084】この図35のフローチャートに従った制御
処理は、画像処理装置21に接続された図示せぬ検査開
始ボタンが押下されることによりスタートする。スター
ト後最初のS31では、画像処理装置21は、駆動モー
タ18に対する駆動信号の出力を開始し、検査対象光学
部材14の等速回転を開始させる。
【0085】画像処理装置21は、次に、S32乃至S
36のループ処理に入る。このループ処理に入って最初
のS32では、画像処理装置21は、撮像素子5から出
力された一走査分の画像データを入力する。
【0086】次のS33では、画像処理装置21は、S
32にて入力した一走査分の画像データに対して、二値
化処理を行う。即ち、一走査分の画像データの輝度を所
定の閾値と比較し、当該所定の閾値よりも輝度が高い部
分を論理値“1”とするとともに当該所定の閾値よりも
輝度が低い部分を論理値“0”とすることにより、画像
データを矩形出力に変換する。
【0087】次のS34では、画像処理装置21は、S
33にて変換された矩形出力の幅(論理値“1”の部分
の長さ)Tを測定する。次のS35では、画像処理装置
21は、S34にて測定された幅Tが所定の判定基準値
よりも大きいか否かをチェックする。そして、S34に
て測定された幅Tが所定の判定基準値以下であると判定
した場合には、画像処理装置21は、処理をS36に進
める。
【0088】このS36では、画像処理装置21は、検
査対象光学部材9全体に対応する画像データを入力し終
わったかどうかをチェックする。そして、未だ検査対象
光学部材9全体に対応する画像データを入力し終わって
いない場合には、画像処理装置21は、処理をS32に
戻し、新たな撮像によって撮像素子5から出力された画
像データを入力する。
【0089】以上のループ処理を繰り返した結果、S3
4にて測定された幅Tが所定の判定基準値を超えたとS
35にて判定した場合には、画像処理装置21は、S3
8において、当該検査対象光学部材9が不良品であると
判定して、その旨を外部出力(画像表示,音声出力)す
る。この場合には、以後における画像データの入力は打
ち切られ、この時点でこの制御処理は終了する。
【0090】これに対して、幅Tが所定の判定基準値を
超えたと判定することなく検査対象光学部材9全体に対
応する画像データを入力したとS36にて判定した場合
には、画像処理装置21は、S37において、当該検査
対象光学部材9が良品であると判定して、その旨を外部
出力(画像表示,音声出力)する。そして、その後、こ
の制御処理を終了する。
【0091】本第4実施形態におけるその他の構成及び
作用は、第3実施形態のものと同じなので、その説明を
省略する。
【0092】
【実施形態5】本発明の第5の実施形態は、円形レンズ
のように光軸を中心にパワーを有する光学部材の検査に
適した構成例を示すものである。但し、第3実施形態に
おいて撮像素子5が検査対象光学部材14の直径方向の
全域を一度に撮像するのと異なり、本第5実施例におけ
る撮像素子5は、検査対象光学部材14の中心から外縁
までの領域しか一度に撮像しない。これは、照明対象面
積を狭くすることによって均一照度での照明を容易にす
るため,同一ピクセル数の撮像素子5を用いてより狭い
領域を撮像することによって解像度を上げるため,及
び、極座標系による画像データの全ピクセルに対して同
じ計算式を適用可能にすることによって処理を簡単化す
るためである。 <光学部材検査装置の構成>本第5実施形態の概略構成
を、図36の一部断面側面図に示す。この図36に示す
ように、光学部材検査装置を構成する照明ランプ1,拡
散板20,及び撮像装置3は、同一の光軸l上に配置さ
れている。
【0093】本第5実施形態においては、図36及び図
37に示すように、検査対象光学部材14の光軸,即
ち、検査対象光学部材14及びホルダ15の中心Oは、
撮像レンズ4の光軸lに対して、平行にオフセットして
いる。具体的には、撮像レンズ4の光軸lは、検査対象
光学部材14における中心Oと外縁との中間点を通って
いる。即ち、本第5実施形態における駆動モータ18,
両ギヤ17,16,及びホルダ15は、検査対象光学部
材14を撮像レンズ4の光軸lからオフセットした回転
軸を中心に回転させる回転手段に相当するのである。そ
して、撮像レンズ4の倍率(即ち、撮像装置3自体の位
置,及び撮像レンズ4の撮像素子5に対する位置)は、
検査対象光学部材14の表面における中心Oから外縁ま
での領域を撮像素子5の撮像面に結像し得るように、調
整されている。
【0094】画像処理装置22は、検査対象光学部材1
4が良品であるか不良品であるかの判定を行うプロセッ
サであり、撮像素子5から入力された画像データに対し
て所定の画像処理を行い、検査対象光学部材14の光学
的欠陥の程度を数値化するとともに、この数値を一定の
判定基準値(許容値)と比較し、この数値が判定基準値
内に収まっているか超えているかの判定を行う。即ち、
この画像処理装置22は、数値化手段,及び判定手段に
相当する。この画像処理装置22は、また、上述した判
定処理を行うのに伴い、撮像装置5からの画像データが
入力されるのと同期して、検査対象光学部材14を回転
させるための制御信号を駆動モータ18に対して出力す
る。この画像処理装置22内には、上述の画像処理を行
うに際して画像データを格納するための第1画像メモリ
22a及び第2画像メモリ22bが、内蔵されている。
【0095】本第5実施形態におけるその他の構成は第
3実施形態のものと同じであるので、その説明を省略す
る。 <光学的欠陥検出の原理>本第5実施形態において検査
対象光学部材の光学的欠陥が検出される原理は、第3実
施形態のものと同じであるので、その説明を省略する。 <光学的欠陥判定の方式>撮像素子5による撮像(電荷
蓄積及び走査)は、駆動モータ18による検査対象光学
部材14の回転と同期して、この検査対象光学部材14
が単位角度だけ回転する毎に行われる。そして、撮像素
子5による撮像(電荷蓄積及び走査)がなされる毎に、
図38に示すような画像データが、画像処理装置22に
入力されて第1画像メモリ22aに書き込まれる。図3
9乃至図43は、遮光板19,撮像素子5による撮像対
象領域(二点鎖線にて表示),及び検査対象光学部材1
4の相対位置と第1画像メモリ22aに書き込まれた画
像データとの関係を示す。具体的には、図39は、初期
状態を示し(この時点で撮像される検査対象光学部材1
4の外縁上の点を“B”とし、この点“B”から180
度離れた外縁上の点を“A”とする)、図40は、検査
対象光学部材14が初期状態から反時計方向に90度回
転した状態を示し、図41は、検査対象光学部材14が
初期状態から反時計方向に180度回転した状態を示
し、図42は、検査対象光学部材14が初期状態から反
時計方向に270度回転した状態を示し、図43は、検
査対象光学部材14が初期状態から反時計方向に360
度回転した終了態を示す。これら各図に示すように、検
査対象光学部材14が回転するにつれて、第1画像メモ
リ22aの各行には、撮像素子5によって撮像された各
走査毎の画像データが、先頭行から順に書き込まれる。
【0096】図43(b)に示す時点で第1画像メモリ
22aに書き込まれている画像データの縦軸は、中心
(光軸)Oと点Bとを結ぶ半径を基準とした検査対象光
学部材14の回転角を示し、横軸は、検査対象光学部材
14の中心Oから半径方向への距離を示す。即ち、第1
画像メモリ22aに書き込まれる画像データの座標系
は、極座標系である。この極座標系においては、検査対
象光学部材14の中心Oに近い欠陥程面積が大きく写り
込み、外縁に近い欠陥程小さく写り込む。従って、第1
画像メモリ22aに書き込まれている画像データそのも
のに基づいて、検査対象光学部材14が良品であるか否
かの客観的判定はできない。そのため、本実施の形態に
おける画像処理装置22は、第1画像メモリ22aに書
き込まれている極座標系による画像データを直交座標系
による画像データに変換して、第2画像メモリ22bに
書き込む。
【0097】図44は、このような極座標系から直交座
標系への座標変換方法を示す図であり、検査対象光学部
材14の表面上に定義されたローカル座標系と撮像素子
5のピクセル列の方向を基準(縦軸)とした絶対座標系
との関係を示すものである。図44において、検査対象
光学部材14の表面上に定義されたローカル座標系は、
検査対象光学部材14の中心Oを原点0とし、検査対象
光学部材14表面上における点A,B間を結ぶ線をY軸
とする。また、Y軸と直交し且つ原点0を通る線をX軸
とする。また、絶対座標系の縦軸上の各点の値は、撮像
素子5の各ピクセルの走査の順番に対応するので、撮像
素子5の解像度(ピクセル数)をnとすると0〜n−1
の値をとる。そして、0の点において、絶対座標系の縦
軸はローカル座標の原点0と交差することとなる。
【0098】検査対象光学部材14が回転すると、ロー
カル座標系は、原点0を中心として絶対座標系の縦軸に
対して反時計方向に回転する。このとき、撮像開始時か
らの撮像の回数(走査回数)をkとし、撮像の一周期
(一走査)の間に検査対象光学部材14が回転する角度
をθとすると、撮像素子5中m番目のピクセルPのロー
カル座標系における極座標はP(m,kθ)となる。こ
こで、 Px=m sin kθ …(5) Py=m cos kθ …(6) と表される。従って、これら式(5),(6)を用いる
ことにより、極座標系を直交座標系に変換することがで
きるのである。
【0099】いま、図45(a)に示すように、撮像素
子5のピクセル数(解像度)nが2048個であり、検
査対象光学部材14が一回転(360度)する間に81
92回の撮像がなされるとすると、θ=360/8192とな
る。但し、図45(b)に示すように、第2画像メモリ
22bの原点(0,0)は、中心ではなくて左上に位置
するので、原点位置をずらすための補正がなされねばな
らない。この第2画像メモリ22bのピクセル数は40
96×4096個なので、具体的には、画像処理装置2
2は、上記式(5)によって求められたX座標値に対し
て一律に2048を加算し、上記式(6)によって求め
られたY座標値の極性を反転した後に一律に2048を
加算する補正を施さなければならない。
【0100】以上をまとめると、画像処理装置22は、
図45(a)に示す第1画像メモリ22a中の各ピクセ
ルに対して、下記式(5’),(6’)を実行する。 Px=2048+msinkθ …(5’) Py=2048−mcoskθ …(6’) そして、求められたPx,Pyの値に基づき、図45
(b)に示す第2画像メモリ22b中のPy行目,Px
列目のピクセルを変換後のピクセルとして特定する。そ
して、第1画像メモリ22aのk行目,m列目のピクセ
ルに書き込まれていたデータを、第2画像メモリ22b
中のPy行目,Px列目のピクセルに書き移す。
【0101】このような書き移し完了後において第2画
像メモリ22bに格納されている画像データは、検査対
象光学部材14をエリアセンサによって撮像して得た画
像データと略等価であり、光学的欠陥の位置如何に拘わ
らず、画像データ中の光学的欠陥の面積は実際の光学的
欠陥の面積と正比例関係にある。そこで、画像処理装置
22は、この第2画像メモリ22bに格納されている画
像データに基づいて、良否判定を行うのである。具体的
には、画像処理装置22は、第2画像メモリ22bに格
納されている画像データの各ピクセルの輝度を所定の閾
値と比較し、所定の閾値よりも明るいピクセルの値を
“1”とするとともにそれ以外のピクセルの値を“0”
とする二値化処理を行う。そして、二値化処理後におい
て“1”の値を有するピクセルの総数が所定の判定基準
値を超えている場合に、検査対象光学部材14が不良品
であると判断するのである。 <制御処理>本第5実施形態において、検査対象光学部
材14が良品であるか不良品であるかの判定を行うため
に画像処理装置21が実行する制御処理は、第3実施形
態における図27のフローチャートに従って行われる。
但し、この制御処理におけるS24での座標変換に用い
る式は、上述した通り、式(5’)及び(6’)であ
る。 <実施形態の作用>以上のように構成された本第5実施
形態によると、同じピクセル数の撮像素子5を使用した
第3実施形態と比べて、検査対象光学部材14の表面に
おける撮像対象領域の全長が短いので、光学的欠陥個所
をより拡大して撮像することができる。即ち、光軸を中
心に屈折力を有する光学部材を検査する場合において、
解像度を最大にすることができるのである。また、この
ように狭い領域が撮像対象領域になることから、この撮
像対象領域を照明ランプ1及び拡散板20によって同一
照度に照明することも容易になる。従って、光学的欠陥
検出の精度もそれだけ向上する。さらに、第1画像メモ
リ22a内に格納されている極座標系による画像データ
を直交座標系へ座標変換する際には、全てのピクセルに
対して共通の式(5’),(6’)を実行すれば足りる
ので、処理を簡単にすることができる。
【0102】本第5実施形態におけるその他の作用は、
第3実施形態と同じであるので、その説明を省略する。 <実施形態の変形例>本第5実施形態における光学的欠
陥個所の検出は、検査対象光学部材14の表面における
撮像素子5による撮像対象領域に入射する光の向きが一
方向のみであっても可能である。そのため、上述した遮
光板19の代わりに、図46に示すような略四分円型の
遮光板19dが用いられても良い。また、検査対象光学
部材14がシリンドリカル成分を含む場合(アナモフィ
クレンズ,シリンドリカルレンズ等)には、この検査対
象光学部材14の屈折力は、周方向に依って変わってい
る。従って、撮像装置3の位置から見た場合、検査対象
光学部材14を透過して見える遮光板19は、検査対象
光学部材14が回転するのに従って、図47又は図48
に示すように歪んでしまう。このような場合には、この
ような歪みが生じたとしても検査対象光学部材14を透
過して撮像レンズ4に入射する光を遮ることができる様
に、図49に示すように検査対象光学部材14の中心O
側から外縁側に向けて徐々に幅が拡がった形状の遮光板
19eを採用すれば良い。このような形状の遮光板19
eを採用すれば、検査対象光学部材の中心O近傍の検出
精度が向上するとともに、外縁近傍においても、正常箇
所を欠陥個所と誤認するおそれを、少なくとも防ぎ得
る。この場合にも、この遮光板19eの代わりに、図5
0に示す略四分円型の遮光板19fが用いられても良
い。
【0103】さらに、本第5実施形態において、図35
に示すフローチャートに従って画像処理装置22による
制御処理が実行されても良い。
【0104】
【実施形態6】本発明の第6の実施形態は、上述の第3
実施形態に比して、照明ランプ1の代わりに2基のライ
ン照明装置21,21を備える事を、特徴としている。
【0105】図51は、この第6実施形態による光学部
材検査装置の概略構成を示す一部断面側面図であり、図
52は、図51の側方から見た光の進行状態を示す図で
ある。
【0106】各ライン照明装置21は、出射する照明光
が発散するようにレンズの特性が設定されている点を除
き、補助照明装置10と同様の構成を有している。そし
て、各ライン照明装置21は、図51及び図52に示さ
れるように、拡散板20の下方(図52における下方)
において、その照明光出射端の長手方向が遮光板19の
長手方向と平行になる様、光軸lを挟んで対称な位置に
配置されている。更に具体的に述べると、各ライン照明
装置21は、その照明光出射端が光軸l側に傾いて、遮
光板19の長手方向の縁を向いている。従って、図53
に示すように、各ライン照明装置21は、拡散板20に
おける遮光板19の長手方向の縁との接触箇所及びその
側方の領域(点線Eにて図示)を、夫々個別に照明す
る。
【0107】本第6実施形態におけるその他の構成及び
作用は、第3実施形態のものと同じなので、その説明を
省略する。
【0108】
【実施形態7】本発明の第7の実施形態は、上述の第6
実施形態に比して、拡散板20及び遮光板19を削除す
るとともに、撮像素子5の各ピクセルに入射する光の周
縁光線m,mの外側に各ライン照明装置21を配置した
ことを、特徴としている。
【0109】図54は、この第7実施形態による光学部
材検査装置における光の進行状態を示す図である。この
図54に示されるように、各ライン照明装置21は、撮
像素子5の各ピクセルに入射する光の周縁光線m,mの
外側から、検査対象光学部材14における撮像素子5に
よる撮像対象領域(撮像レンズ4に入射した後で撮像素
子5に入射する光が透過する領域)へ向く様に、配置さ
れている。従って、図55に示されるように、検査対象
光学部材14における撮像素子による撮像対象領域(点
線Eにて図示)が、これら各ライン照明装置21,21
によって照明されることとなる。
【0110】以上の構成により、本実施形態において
も、検査対象光学部材14に光学的欠陥が無い限り、各
ライン照明装置21から出射された照明光が検査対象光
学部材14を透過した後で撮像レンズ4に入射すること
はない。従って、撮像素子5によって撮像される画像の
背景は、常に暗くなる。これに対して、検査対象光学部
材14における撮像素子5による撮像対象領域に光学的
欠陥がある場合には、この光学的欠陥によって照明光が
拡散し、拡散した照明光の一部が撮像レンズ4に入射し
た後で撮像素子5上に収束するので、この光学的欠陥の
像(周囲に比して明るい像)が撮像素子5によって撮像
されることになる。
【0111】本第7実施形態におけるその他の構成及び
作用は、第3実施形態のものと同じなので、その説明を
省略する。
【0112】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の光学部
材検査装置によれば、客観的基準に従って良品と不良品
との合否判定を行うことができる。従って、良品として
用いる製品の品質を安定させることができるとともに、
良品を誤判定により廃棄してしまうといった無駄を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による光学部材検査
装置の概略構成を示す正面図
【図2】 図1の光学部材検査装置の部分側面図
【図3】 図1の検査対象光学部材等を撮像装置の位置
から見た平面図
【図4】 検査対象光学部材に光学的欠陥がない場合に
おける光の進行状態を示す図
【図5】 検査対象光学部材に光学的欠陥がある場合に
おける光の進行状態を示す図
【図6】 検査対象光学部材に光学的欠陥がある場合に
撮像素子から出力される画像データの輝度分布を示すグ
ラフ
【図7】 遮光板の長手方向と平行にキズ又はクラック
が形成された状態を示す平面図
【図8】 遮光板の長手方向と直交してキズ又はクラッ
クが形成された状態を示す平面図
【図9】 図8に示すキズ又はクラックを照明光が透過
する状態を示す縦断面図
【図10】 図8に示すキズ又はクラックによって補助
照明装置からの照明光が拡散する状態を示す縦断面図
【図11】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と画像メモリに書き込まれた画像データと
の関係を示す図
【図12】 図1の画像処理装置において実行される制
御処理の内容を示すフローチャート
【図13】 本発明の第2の実施形態において画像処理
装置で実行される制御処理の内容を示すフローチャート
【図14】 本発明の第3の実施形態による光学部材検
査装置の概略構成を示す側面図
【図15】 図14の検査対象光学部材等を撮像装置の
位置から見た平面図
【図16】 検査対象光学部材に光学的欠陥がない場合
における光の進行状態を示す図
【図17】 検査対象光学部材に光学的欠陥がある場合
における光の進行状態を示す図
【図18】 検査対象光学部材に光学的欠陥がある場合
に撮像素子から出力される画像データの輝度分布を示す
グラフ
【図19】 遮光板の長手方向と直交して形成されたキ
ズ又はクラックによって補助照明装置からの照明光が拡
散する状態を示す縦断面図
【図20】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図21】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図22】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図23】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図24】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図25】 極座標系から直交座標系への座標変換方法
を示す図
【図26】 図14の各画像メモリ内に格納されている
画像データを示すメモリマップ
【図27】 図14の画像処理装置において実行される
制御処理の内容を示すフローチャート
【図28】 遮光板の変形例を示す平面図
【図29】 遮光板が歪んで見える状態を示す平面図
【図30】 遮光板が歪んで見える状態を示す平面図
【図31】 遮光板の変形例を示す平面図
【図32】 遮光板の変形例を示す平面図
【図33】 本発明の第1実施形態による光学部材検査
装置によって凹レンズを検査した場合における遮光板の
見え方の説明図
【図34】 本発明の第1実施形態による光学部材検査
装置によって凸レンズを検査した場合における遮光板の
見え方の説明図
【図35】 本発明の第4の実施形態において画像処理
装置で実行される制御処理の内容を示すフローチャート
【図36】 本発明の第5の実施形態による光学部材検
査装置の概略構成を示す側面図
【図37】 図36の検査対象光学部材等を撮像装置の
位置から見た平面図
【図38】 検査対象光学部材に光学的欠陥がある場合
に撮像素子から出力される画像データの輝度分布を示す
グラフ
【図39】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図40】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図41】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図42】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図43】 遮光板,撮像対象領域及び検査対象光学部
材の相対位置と第1画像メモリに書き込まれた画像デー
タとの関係を示す図
【図44】 極座標系から直交座標系への座標変換方法
を示す図
【図45】 図36の各画像メモリ内に格納されている
画像データを示すメモリマップ
【図46】 遮光板の変形例を示す平面図
【図47】 遮光板が歪んで見える状態を示す平面図
【図48】 遮光板が歪んで見える状態を示す平面図
【図49】 遮光板の変形例を示す平面図
【図50】 遮光板の変形例を示す平面図
【図51】 本発明の第6の実施形態による光学部材検
査装置の概略構成を示す側面図
【図52】 検査対象光学部材に光学的欠陥がない場合
における光の進行状態を示す図
【図53】 図51の拡散板及び遮光板の平面図
【図54】 本発明の第7の実施形態による光学部材検
査装置の主要部を示す正面図
【図55】 図54の検査対象光学部材の平面図
【符号の説明】
1 照明ランプ 2 拡散板 3 撮像装置 4 撮像レンズ 5 撮像素子 6 画像処理装置 7 スライドテーブル 8 遮光板 9 検査対象光学部材 10 補助照明装置 14 検査対象光学部材 15 ホルダ 18 駆動モータ 19 遮光板 20 拡散板 21 画像処理装置 22 画像処理装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−5248(JP,A) 特開 平9−5249(JP,A) 特開 平8−327561(JP,A) 特開 昭62−42039(JP,A) 特開 平4−265847(JP,A) 特開 平7−190884(JP,A) 特開 昭53−7288(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/958 G01M 11/00 G01N 21/896

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査対象光学部材の光学的欠陥を検出する
    光学部材検査装置であって、 撮像レンズと、 この撮像レンズに関して前記検査対象光学部材と略共役
    な位置において、この撮影レンズの光軸に直交する一定
    方向にその走査方向が延びるように配置されたラインセ
    ンサと、 前記検査対象光学部材を挟んで前記撮像レンズとは反対
    側の位置に配置されてこの検査対象光学部材に向けて照
    明光を拡散する拡散板と、前記一定方向にその長手方向を向けて配置された帯状の
    形状を有し、前記検査対象部材に光学的欠陥がないとし
    たならば前記拡散板から発して 前記検査対象光学部材を
    透過して前記撮像レンズに入射した後に前記撮像素子に
    入射することになる光を前記検査光学部材と前記拡散
    板との間で遮遮光手段と、 前記ラインセンサによって撮像された画像中の前記光学
    部材の光学的欠陥を示す部位を数値化する数値化手段
    と、 この数値化手段によって数値化された数値が所定の判定
    基準値を超えたか否かを判定する判定手段とを備えたこ
    とを特徴とする光学部材検査装置。
  2. 【請求項2】前記撮影レンズの倍率は前記検査対象光学
    部材の全幅が前記ラインセンサによって撮像される様に
    調整されていることを特徴とする請求項記載の光学部
    材検査装置。
  3. 【請求項3】前記検査対象光学部材を前記ラインセンサ
    の走査方向と直交する方向へ移動させる移動手段を更に
    備えるとともに、 前記ラインセンサは、前記検査対象光学部材をその各位
    置で撮像して1ラインづつの画像データを出力すること
    を特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  4. 【請求項4】前記検査対象光学部材における前記撮像手
    段によって撮像される部位を、前記一定方向における前
    記遮光手段の側方から照明する補助照明装置を更に備え
    ることを特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  5. 【請求項5】前記数値化手段は、前記ラインセンサから
    出力された1ラインづつの画像データに基づいて検査対
    象光学部材全体に対応する画像データを再構成するとと
    もに、この画像データ中においてその輝度が所定の閾値
    を上回っている画素の数を測定することを特徴とする請
    求項記載の光学部材検査装置。
  6. 【請求項6】前記検査対象光学部材を前記撮像レンズの
    光軸を中心に回転させる回転手段を更に備えるととも
    に、 撮影レンズの倍率は前記検査対象光学部材の直径方向に
    おける全域が前記ラインセンサによって撮像される様に
    調整されており、 前記ラインセンサは、前記検査対象光学部材をその各位
    置で撮像して1ラインづつの画像データを出力すること
    を特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  7. 【請求項7】前記検査対象光学部材を前記撮像レンズの
    光軸からオフセットした回転軸を中心に回転させる回転
    手段を更に備えるとともに、 前記撮影レンズの倍率は前記検査対象光学部材の前記回
    転軸から外縁までの領域が前記ラインセンサによって撮
    像される様に調整されており、 前記ラインセンサは前記検査対象光学部材をその各位置
    で撮像して1ラインづつの画像データを出力することを
    特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  8. 【請求項8】前記数値化手段は、前記ラインセンサから
    出力された1ラインづつの画像データのうちその輝度が
    所定の閾値を上回っている箇所の長さを測定することを
    特徴とする請求項又は記載の光学部材検査装置。
  9. 【請求項9】前記数値化手段は、前記ラインセンサから
    出力された1ラインづつの画像データに基づいて検査対
    象光学部材全体に対応する極座標系の画像データを再構
    成し、この極座標系の画像データを直交座標系の画像デ
    ータに変換し、この直交座標系の画像データ中において
    その輝度が所定の閾値を上回っている画素の数を測定す
    ることを特徴とする請求項又は記載の光学部材検査
    装置。
  10. 【請求項10】前記回転手段は、検査対象光学部材の光
    軸を中心にこの検査対象光学部材を回転させることを特
    徴とする請求項又は記載の光学部材検査装置。
  11. 【請求項11】前記遮光手段は、前記検査対象光学部材
    の光軸に交わる部位から端部に向かうにつれて拡がる帯
    状の形状を有していることを特徴とする請求項10記載
    の光学部材検査装置。
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