JP3929468B2 - 揺変性付与剤およびこれを用いた硬化性樹脂組成物ならびに硬化性樹脂組成物の使用方法 - Google Patents

揺変性付与剤およびこれを用いた硬化性樹脂組成物ならびに硬化性樹脂組成物の使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、揺変性付与剤およびこれを用いた硬化性樹脂組成物ならびに該硬化性樹脂組成物の使用方法に関する。
建築や土木等の分野において、防水材、シーリング材、接着剤、塗料等の種々の硬化性樹脂組成物が使用されている。例えば、防水材としては、水平な面に施工される場合、均一な厚さの塗膜を形成し、その表面が滑らかに仕上がる必要があるため低粘度の硬化性樹脂組成物が好適に用いられる。一方、垂直な面等の傾斜面に施工される場合には、施工箇所からの垂れを防止するため揺変性を有する硬化性樹脂組成物が用いられる。そのため、従来は水平面用と傾斜面用に、それぞれ別の防水材を準備する必要があった。
これに対して、シリカ等の粉体を低粘度の水平面用防水材に添加し、揺変性を付与して垂れにくくし、傾斜面用の材料として使用する方法が知られている。しかしながら、防水材を屋外で使用する場合、風の影響により、粉体、特にシリカのような軽量のものを計量し、添加するのは非常に困難である。
一方、上述した風の影響による問題を解決する目的で、液状の添加剤が提案されている。例えば、ポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を用いた液状揺変性付与剤が挙げられるが、十分な揺変性を付与できるものはなかった。
ところで、特許文献1には、製造が容易であり、環境を汚染することなく、少量の添加で種々の有機液体をゲル化でき、均質で、かつ長期間の保存および温度変化に対して安定性が高いとされる、特定のジイソシアネートとモノアミンからなるジウレア化合物からなる有機液体のゲル化剤が記載されている。
また、特許文献2には、優れた増粘性とチクソトロピック性を示すとされている増粘、粘性調整剤が記載されている。
特開2003−64346号公報 特開2002−69430号公報
しかしながら、特許文献1に記載のゲル化剤は、十分なゲル化能力がなく、十分な揺変性を発現することができない。また、特許文献1には、有機溶媒をゲル化する方法として、有機溶媒中に該ゲル化剤を添加し、所望により80〜180℃に加熱して溶解するまで撹拌する旨記載されている。即ち、該ゲル化剤は、尿素結合を2つ有しているため極性が高く粉体であるため、防水材等の硬化性樹脂組成物に均一に分散させる場合には加熱が必要な場合がある。したがって、上述したような、防水材の施工時に該ゲル化剤を添加することは、実用的ではなかった。
また、特許文献2には、溶媒を添加してもよい旨記載されているが、特許文献2に記載の増粘、粘性調整剤は水系塗料組成物等に使用されることを想定しているため、上述した防水材等に用いられる硬化性樹脂組成物との相溶性が高く、かつ、該増粘、粘性調整剤を溶解できる溶媒については検討する余地があった。
したがって、本発明は、従来の揺変性付与剤に比べて少量の添加量で硬化性樹脂組成物に十分な揺変性を付与でき、揺変性付与剤自身の安定性に優れ、屋外での使用に好適に用いられる揺変性付与剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記揺変性付与剤を用いた硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、ポリイソシアネートと、ジアミン化合物およびエチレングリコールモノイソプロピルエーテルを含むヒドロキシ化合物とを反応させてなるウレタン−ウレア化合物と、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも1種の極性溶媒とを含有する揺変性付与剤が、従来のポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を用いた揺変性付与剤等に比べて、少量で十分な揺変性を付与でき、揺変性付与剤自身の安定性に優れ、屋外での使用に好適に用いられることを知見し本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(8)を提供する。
(1)ポリイソシアネートと、ジアミン化合物およびエチレングリコールモノイソプロピルエーテルを含むヒドロキシ化合物とを反応させてなるウレタン−ウレア化合物と、
N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも1種の極性溶媒と
を含有する揺変性付与剤。
(2)前記ジアミン化合物が、1,4−キシリレンジアミンである上記(1)に記載の揺変性付与剤。
(3)前記ヒドロキシ化合物が、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルと、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、2−エチルヘキサノールおよびt−ブタノールからなる群から選択される少なくとも1種とからなる上記(1)または(2)に記載の揺変性付与剤。
(4)前記ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネートである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の揺変性付与剤。
(5)前記ウレタン−ウレア化合物が、下記式(1)で表される化合物である上記(1)に記載の揺変性付与剤。
Figure 0003929468
(式中、R 1 は前記ポリイソシアネートから二つのイソシアネート基を除いて得られる残基であり、R 2 はエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基である。ただし、少なくとも一方のR 2 はエチレングリコールモノイソプロピルエーテルからヒドロキシ基を除いて得られる残基である。)
(6)前記R 1 はトリレンジイソシアネートから二つのイソシアネート基を除いて得られる残基である上記(5)に記載の揺変性付与剤。
(7)ウレタン樹脂、変成シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂およびエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂と、
上記(1)〜(6)のいずれかに記載の揺変性付与剤と
を含有する硬化性樹脂組成物。
(8)上記(7)に記載の硬化性樹脂組成物の使用時に、該硬化性樹脂組成物のうち上記(1)〜(6)のいずれかに記載の揺変性付与剤を除いた成分に、前記揺変性付与剤を添加する、硬化性樹脂組成物の使用方法。
本発明揺変性付与剤は、従来のポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を用いた揺変性付与剤等に比べて少量の添加量で十分な揺変性を付与でき、揺変性付与剤自身の安定性に優れ、屋外での使用に好適に用いられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、揺変性を有しているので傾斜面にも用いることができ、特に、本発明の硬化性樹脂組成物の使用方法によれば、施工箇所が水平面と傾斜面に及ぶ場合でも、粘度の異なる硬化性樹脂組成物を準備する必要がない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の揺変性付与剤は、ポリイソシアネートと、ジアミン化合物およびエチレングリコールモノイソプロピルエーテルを含むヒドロキシ化合物とを反応させてなるウレタン−ウレア化合物(以下、便宜上「ウレタン−ウレア化合物(A)」とも言う。)を含有するものである。
上記ウレタン−ウレア化合物(A)に用いられるポリイソシアネートは、2個以上のイソシアネート基を有するものであればとくに限定されず、公知のポリイソシアネートを用いることができる。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)等の脂環式ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、またはこれらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等の3官能ポリイソシアネート等が挙げられる。
また、立体障害の大きなイソシアネート基を少なくとも1個有するイソシアネート化合物を用いることもできる。具体的には、三井サイテック社製のTMXDI(ジイソシアネート化合物)、サイセン(トリイソシアネート化合物)等が好ましく挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、揺変性の付与および得られる揺変性付与剤自身の安定性という点からトリレンジイソシアネート(TDI)が好ましい。これらの特性により優れる点から、反応性の異なるイソシアネート基を有する2,4−TDIがより好ましい。工業的には、2,4−体100%、または2,4−体/2,6−体=85/15混合物が好適に使用できる。
ウレタン−ウレア化合物(A)に用いられるジアミン化合物は、1分子中にアミノ基を2つ有する化合物であれば特に限定されない。該ジアミン化合物のアミノ基またはイミノ基は、上記ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応して、尿素結合を形成する。具体的には、例えば、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、1,3−キシリレンジアミン、1,4−キシリレンジアミン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、芳香環を有し、対称性のよい1,4−キシリレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタンを用いた場合は、一層高い揺変性を付与することが可能となる点から好ましい。
ウレタン−ウレア化合物(A)に用いられるヒドロキシ化合物は、1分子中にヒドロキシ基を少なくとも1つ有する化合物であれば特に限定されないが、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを含む。ヒドロキシ基の他に少なくとも1つのエーテル結合を有しているものを含むことが揺変性を付与する効果が大きく、樹脂への分散性に優れる点から好ましい。特に、イソプロピルエーテル部位を含むヒドロキシ化合物が、立体的に適度に水素結合を抑え、得られる揺変性付与剤自身の安定性を保つという点からより好ましい。イソプロピルエーテル部位を含むヒドロキシ化合物としては、具体的には、例えば、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル等が挙げられる。特に、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルが好ましい。
上記ヒドロキシ化合物のヒドロキシ基は、上記ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応してウレタン結合を形成する。
上記ヒドロキシ化合物としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール(2−メチル−2−プロパノール)、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデカノール、アリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等のモノヒドロキシ化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のジヒドロキシ化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン−ウレア化合物(A)を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、上記ポリイソシアネート、上記ジアミン化合物および上記ヒドロキシ化合物を用いて、公知の方法により反応させて得ることができる。これらの各成分を同時に反応させてもよいが、特に、ポリイソシアネートとヒドロキシ化合物を反応させた後、ジアミン化合物を反応させる方法が好ましい。
ウレタン−ウレア化合物(A)の製造は、上記ポリイソシアネートのイソシアネート基(X)、上記ジアミン化合物のアミノ基(Y)、上記ヒドロキシ化合物のヒドロキシ基(Z)の当量比[X/(Y+Z)]が、100/80〜100/120となるように各成分を混合して行うのが好ましい。
ウレタン−ウレア化合物(A)は、尿素結合とウレタン結合を有し、これらの結合が分子間で水素結合を形成することによりウレタン−ウレア化合物(A)のネットワークを形成し、揺変性を付与できると考えられる。
したがって、上記当量比が上記の範囲であると、上記ポリイソシアネートのイソシアネート基のほとんど全てが尿素結合およびウレタン結合を形成したウレタン−ウレア化合物(A)になるので、揺変性を付与する効果が大きくなる。この特性により優れる点から、上記当量比は、100/90〜100/110がより好ましく、100/95〜100/105が更に好ましい。
また、上記ジアミン化合物のアミノ基(Y)、上記ヒドロキシ化合物のヒドロキシ基(Z)の当量比(Y/Z)が、100/50〜100/200となるように混合して行うのが好ましい。該当量比がこの範囲であれば、ウレタン−ウレア化合物(A)中の尿素結合とウレタン結合の割合が適度になり、揺変性を付与する効果が大きくなる。この特性により優れる点から、上記当量比は、100/75〜100/150がより好ましい。
ウレタン−ウレア化合物(A)としては、揺変性を付与する効果が大きい点から下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0003929468
上記式(1)中、R1はポリイソシアネートから二つのイソシアネート基を除いて得られる残基であり、好ましくは、トリレンジイソシアネートから二つのイソシアネート基を除いて得られる残基である。具体的には、例えば、上述した2,4−TDI等のポリイソシアネートからイソシアネート基を除いたものが挙げられる。上記式(1)中の2つのR1は、同一であってもよく異なっていてもよい。
また、 2 はエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基である。ただし、少なくとも一方のR 2 はエチレングリコールモノイソプロピルエーテルからヒドロキシ基を除いて得られる残基である。
上記式(1)で表される化合物は、尿素結合およびウレタン結合を有し、極性が高いため、無極性溶媒には溶解しにくい。また、ヒドロキシ化合物、水等の極性溶媒にも溶解しないが、後述する本発明の揺変性付与剤に用いられる極性溶媒には容易に溶解する。
上記式(1)で表される化合物は、上記ポリイソシアネートに、1,4−キシリレンジアミン、および、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを含むヒドロキシ化合物を反応させて得ることができる。該ポリイソシアネートとしては、反応性が異なるイソシアネート基を有するものが好ましい。例えば、TDI等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物の製造に、1,4−キシリレンジアミンを用いることが、適度な水素結合のネットワークを形成し易くなるという理由から、特に揺変性の発現に有効である
本発明の揺変性付与剤は、上述したウレタン−ウレア化合物(A)と、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも1種の極性溶媒とを含有する。本発明の揺変性付与剤に用いられる極性溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。併用する場合の混合比は特に限定されない。
これらの極性溶媒は、上記ウレタン−ウレア化合物(A)、特に上記式(1)で表される化合物を容易に溶解でき、かつ、防水材、シーリング材、接着剤、塗料等に用いられる樹脂成分、例えば、ウレタン樹脂、変成シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂およびエポキシ樹脂等との相溶性に優れることから、加熱しなくても容易に混合できる。
本発明の揺変性付与剤は、上記の各成分の他に、更に、エステル系可塑剤を揺変性付与剤の樹脂成分への溶解性を損なわない程度含有してもよい。エステル系可塑剤としては、具体的には、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート等が例示される。
本発明の揺変性付与剤は、上記極性溶媒中に、上記ウレタン−ウレア化合物(A)を、ウレタン−ウレア化合物(A)と極性溶媒の合計に対して5〜70質量%含有するのが好ましい。この範囲であれば、少量の揺変性付与剤の添加により効果が得られ、更に溶媒の使用量を抑えて環境に対する負荷を低減することができる。これらの特性により優れる点から、8〜60質量%含有するのがより好ましい。
本発明の揺変性付与剤は、上述の各成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、充填剤、脱水剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を含有することができる。
充填剤としては、例えば、微粉シリカ(アエロジル200、東新化成(株)製)、アクリルパウダー(F350、日本ゼオン(株)製)等が挙げられる。
本発明の揺変性付与剤の添加量は、樹脂成分の種類や必要とされる揺変性の程度に応じて適宜調整できる。一般的に、樹脂成分100質量部に対して、上記ウレタン−ウレア化合物(A)が0.1〜10質量部含まれる量の本発明の揺変性付与剤が添加されるのが、少量で十分な揺変性を付与できる点から好ましい。これらの特性により優れる点から、上記ウレタン−ウレア化合物(A)が0.5〜5質量部含まれるのがより好ましい。
本発明の揺変性付与剤は、ウレタン−ウレア化合物(A)が尿素結合とウレタン結合を有するため、従来のポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を用いた揺変性付与剤等に比べて少量の添加量で十分な揺変性を付与できる。特に、上記式(1)で表される化合物を用いた場合は、一層高い揺変性を付与することができる。また、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを含むヒドロキシ化合物を用いて合成されたウレタン−ウレア化合物(A)を含有するため、樹脂への分散性に優れる。また、TDIを用いて合成されたウレタン−ウレア化合物(A)を含有する場合、揺変性の付与および得られる揺変性付与剤自身の安定性に優れる。
また、本発明の揺変性付与剤は、上記ウレタン−ウレア化合物(A)と上述した特定の極性溶媒とを含有する場合、風の影響を受けず、加熱する必要もなく硬化性樹脂組成物と容易に混合することができるので、屋外での使用に好適に用いられる。
本発明の揺変性付与剤は、硬化性樹脂組成物、水系塗料組成物、油脂類等に用いることができるが、上述したような優れた特性を有することから、防水材、シーリング材、接着剤、塗料等の硬化性樹脂組成物に好適に用いることができる。このような硬化性樹脂組成物としては、具体的には、例えば、特開平6−239953号公報に記載の湿気硬化性ポリウレタン組成物や、特開2000−192023号公報に記載の二液常温硬化型防水材組成物等が挙げられる。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ウレタン樹脂、変成シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂およびエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂と、上述した本発明の揺変性付与剤とを含有する硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」と言う。)である。
本発明の組成物に用いられるウレタン樹脂、変成シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂およびエポキシ樹脂は、一般的に防水材、シーリング材、接着剤、塗料等の樹脂組成物に用いられている公知のものを使用できる。
例えば、上記ウレタン樹脂(ウレタンプレポリマー)としては、防水材用樹脂組成物に好適に用いられるもの等が挙げられ、通常の1液型ポリウレタン樹脂組成物に用いるウレタンプレポリマーと同様、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(すなわち、ヒドロキシ基に対して過剰のイソシアネート基)との反応生成物であるウレタンプレポリマーであって、一般に、0.5〜10質量%のイソシアネート基を含有するものである。
防水材用樹脂組成物に用いられるウレタンプレポリマーとしては、具体的には、例えば、特開2000−192023号公報に記載のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが好適に挙げられる。該イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、TDIとポリオールとの反応により製造する。TDIとしては、2,4−TDI、2,6−TDIのいずれを用いることもできるが、2,4−TDI含有率の低いTDIを使用したプレポリマーでは、可使時間が短くなる傾向にあるため、可使時間を得るために2,4−TDIの含有率は65〜100質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。
ポリオールとしては、通常のウレタンプレポリマーを製造するために用いられる多価アルコール類、アミン類、アルカノールアミン類、多価フェノール類等が挙げられる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等、また、アミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が、アルカノールアミン類としては、エタノールアミン、プロパノールアミン等、そして多価フェノール類としては、レゾルシン、ビスフェノール類等を挙げることができる。
具体的には、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等のポリエーテル系ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィン系ポリオール、その他アジペート系ポリオール、ラクトン系ポリオール、ヒマシ油等のポリエステル系ポリオール等が好ましく、必要に応じてこれらのポリオールを併用することも可能である。これらの中でも、ポリプロピレングリコール(PPG)が好ましい。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、得られるウレタンプレポリマーの粘度が高くなり硬化物の機械的強度が不充分となるおそれがあるので、平均分子量400〜8000程度のものが好ましい。
ウレタンプレポリマー製造の際のTDIとポリオールの当量比は、TDI中のイソシアネート基と、ポリオール中のヒドロキシル基との当量比で、NCO/OH=1.5〜2.1である。該当量比がこの範囲であると、得られるウレタンプレポリマーの粘度が低くなり、未反応のイソシアネート基が少ないので好ましい。得られるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーのイソシアネート含有率は、1.5〜6.0質量%である。イソシアネート含有率がこの範囲であると、得られる組成物は、JIS A 6021に定める防水材の有するべき耐熱性、機械的強度(破断強度、破断伸び、引裂強さ)を得ることができ、可使時間を十分にとれる。好ましくは2.0〜4.0質量%である。また、ウレタンプレポリマーの製造条件は、通常のウレタンプレポリマーの製造条件でよい。すなわち、上述のTDIとポリオールを反応温度50〜100℃程度で、常圧下で反応させればよい。
上述した以外の樹脂成分としては、特開平6−239953号公報に記載されているウレタン樹脂等を好適に用いることができる。
上述した各樹脂は、単独で用いてもよく、要求される特性に応じて2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、上述の各成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の充填剤、可塑剤、硬化触媒、脱水剤、軟化剤、安定剤、着色剤、難燃剤、補強剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料・顔料等の公知の添加剤を配合することができる。
本発明の組成物は、上記樹脂100質量部に対して、上記ウレタン−ウレア化合物(A)が0.1〜10質量部含まれる量の本発明の揺変性付与剤を含有するのが、少量で十分な揺変性を付与できる点から好ましい。これらの特性により優れる点から、上記ウレタン−ウレア化合物(A)が0.5〜5質量部含まれるのがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、後述する1液型硬化性樹脂組成物、2液型硬化性樹脂組成物または3液型硬化性樹脂組成物として用いることができる。
本発明の1液型硬化性樹脂組成物は、上記樹脂成分と、本発明の揺変性付与剤と、所望により添加される添加剤とを含有し、空気中の水分により硬化するので、作業性に優れる。また、揺変性を有しているので傾斜面にも用いることができ、使用時に混合する手間がかからない。
本発明の2液型硬化性樹脂組成物の第1の態様は、上記樹脂成分と所望により添加される添加剤とを含む第1液と、本発明の揺変性付与剤を含む第2液とからなる。該2液型硬化性樹脂組成物によれば、施工時(使用時)に第1液と第2液を必要に応じて混合して用いることにより、施工箇所が水平面と傾斜面に及ぶ場合でも、粘度の異なる硬化性樹脂組成物を準備する必要がないので好ましい。なお、第2液に用いられる本発明の揺変性付与剤が、上述した特定の極性溶媒を含まない固体の場合も、便宜上、「第2液」と言う。
本発明の2液型硬化性樹脂組成物の第2の態様は、上記樹脂成分を含む第1液と、該樹脂成分に一般的に用いられる硬化剤および本発明の揺変性付与剤を含む第2液とからなり、必要により第1液および/または第2液に添加剤を添加してもよい。該2液型硬化性樹脂組成物は、硬化速度が速く、深部硬化性等に優れており、後述する3液型硬化性樹脂組成物よりも混合する手間が少ない。また、上記第2液とは別に、硬化剤を用意しておくことにより、施工箇所が水平面と傾斜面に及ぶ場合でも、水平面用には硬化剤を第1液と混合し、傾斜面用には第2液と第1液を混合して用いることにより、水平面と傾斜面の両方に好適に用いられる点から好ましい。
本発明の3液型硬化性樹脂組成物は、上記樹脂成分を含む第1液と、該樹脂成分に一般的に用いられる硬化剤を含む第2液と、本発明の揺変性付与剤を含む第3液とからなり、必要により第1液および/または第2液に添加剤を添加してもよい。該3液型硬化性樹脂組成物によれば、施工時(使用時)に第1液および第2液と、第3液とを必要に応じて混合して用いることにより、施工箇所が水平面と傾斜面に及ぶ場合でも、粘度の異なる硬化性樹脂組成物を準備する必要がないので好ましい。更に、硬化速度が速く、深部硬化性等に優れている。なお、第3液に用いられる本発明の揺変性付与剤が、上述した特定の極性溶媒を含まない固体の場合も、便宜上、「第3液」と言う。
本発明の組成物は、公知の条件・方法により製造することができる。例えば、上記2液型硬化性樹脂組成物の第1の態様は、上記ウレタン樹脂(ウレタンプレポリマー)および所望により添加される添加剤を、減圧下または不活性雰囲気下で、必要に応じて加熱して、ボールミル等の混合装置を用いて十分に混練し、均一に分散させて第1液とし、上述の本発明の揺変性付与剤を第2液として得ることができる。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物の使用方法を説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物の使用方法は、特に限定されないが、上述した本発明の硬化性樹脂組成物の使用時に、該硬化性樹脂組成物のうち上述した本発明の揺変性付与剤を除いた成分に、該揺変性付与剤を添加する方法が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物の使用方法によれば、施工箇所が水平面と傾斜面に及ぶ場合でも、粘度の異なる硬化性樹脂組成物を準備する必要がない。具体的には、例えば、チクソインデックス2.0以下の水平面用の防水材用ウレタン樹脂組成物に、本発明の揺変性付与剤を特定量添加することにより、チクソインデックス3.0以上にすることができ、垂直面に2.0mm以上の厚さの塗膜を形成できる。したがって、水平面用の防水材用ウレタン樹脂組成物に本発明の揺変性付与剤を添加することにより、傾斜面用の防水材用ウレタン樹脂組成物として使用できるので、2種類の防水材用ウレタン樹脂組成物を準備する必要がない。また、上記ウレタン−ウレア化合物(A)と上記極性溶媒とを含有する本発明の揺変性付与剤は液体なので、風の影響を受けず、加熱しなくても上記硬化性樹脂組成物と容易に混合することができるので、本発明の硬化性樹脂組成物は、屋外での使用に好適に用いられる。
なお、本明細書において、チクソインデックスは、BH型粘度計No.6ローターを使用し、20℃で、1rpmおよび10rpmでの粘度(cps)を測定し、1rpm/10rpmの粘度比を表す。
上述したように、本発明の硬化性樹脂組成物は、揺変性を有しているので傾斜面にも用いることができ、特に、本発明の硬化性樹脂組成物の使用方法によれば、施工箇所が水平面と傾斜面に及ぶ場合でも、粘度の異なる硬化性樹脂組成物を準備する必要がない。
本発明の硬化性樹脂組成物の用途は、特に限定されないが、上述したような優れた特性を有している点から、防水材、シーリング材、接着剤、塗料等に好適に用いられる。
揺変性付与剤(a)の調製)
2,4−TDI(コスモネートT100、三井化学(株)製)17.4gをN−メチルピロリドン(関東化学(株)製)37.6gに溶解させた溶液に、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(東京化成工業(株)製)5.2gとトリエチレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業(株)製)8.2gとの混合物を氷冷下で滴下した。滴下終了後、室温で6時間反応させた。次いで、この溶液に1,4−キシリレンジアミン(PXDA、昭和電工(株)製)6.8gをゆっくり添加し、室温で1時間反応させた後、溶媒を減圧除去し、下記式(2)で表される構造を有すると推定される化合物を得た。この化合物について、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認した。この得られた化合物を揺変性付与剤(a)とした。
Figure 0003929468
(本発明の揺変性付与剤(b)の調製)
上記本発明の揺変性付与剤(a)と基本的に同様に反応を行ったが、溶媒の除去を行わなかった。即ち、上記本発明の揺変性付与剤(a)がN−メチルピロリドンに50質量%溶液となるように溶解している本発明の揺変性付与剤(b)を得た。
(本発明の揺変性付与剤(c)〜(d)および(h)〜(j)の調製)
ヒドロキシ化合物として下記第1表に示すヒドロキシ化合物を第1表に示す量(g)で用いた以外は、上記本発明の揺変性付与剤(b)と基本的に同様に反応を行い、第1表に示す本発明の揺変性付与剤(c)〜(d)および(h)〜(j)を得た。
(本発明の揺変性付与剤(k)の調製)
上記本発明の揺変性付与剤(a)と基本的に同様に反応を行ったが、溶媒の除去量を調整し、上記本発明の揺変性付与剤(a)がN−メチルピロリドンに25質量%溶液となるように溶解している本発明の揺変性付与剤(k)を得た。
Figure 0003929468
(実施例1〜3)
1液型ウレタン系防水材用樹脂組成物(ユーロポール、横浜ゴム(株)製、チクソインデックス1.1、以下同じ)と、上記のようにして得られた本発明の揺変性付与剤(b)とを、第2表に示す組成で混合し、均一に分散させて第2表に示す各組成物を得た。
なお、第2表中、実施例1〜4の本発明の揺変性付与剤(b)の質量部は、上記式(2)で表される化合物とN−メチルピロリドンの合計の質量部を表し、上記式(2)で表される化合物の質量部は該揺変性付与剤の質量部の約2分の1に相当する。
上記各成分を混合後、得られた各組成物を20℃、50%RHで10分間放置した後、上記の方法で粘度を測定してチクソインデックスを算出し、各組成物の揺変性をチクソインデックスにより評価した。なお、チクソインデックスは高いほど揺変性が高いことを示す。
結果を第2表に示す。
(実施例4)
2液型ウレタン系防水材用樹脂組成物(U−8000、横浜ゴム(株)製、チクソインデックス1.1)の主剤および硬化剤と、本発明の揺変性付与剤(b)とを、第2表に示す組成で混合し、均一に分散させて実施例4の組成物を得た。
上記各成分を混合した直後の実施例4の組成物について、上記の方法でチクソインデックスを算出し、実施例4の組成物の揺変性をチクソインデックスにより評価した。
結果を第2表に示す。
(実施例5〜9
1液型ウレタン系防水材用樹脂組成物と、上記のようにして得られた本発明の揺変性付与剤(c)〜(d)、(h)〜(j)とを、第2表に示す組成で混合し、均一に分散させて第2表に示す各組成物を得た。
なお、第2表中、実施例5〜9の本発明の揺変性付与剤(c)〜(d)、(h)〜(j)の質量部は、上記の方法により合成された各ウレタン−ウレア化合物とN−メチルピロリドンの合計の質量部を表し、各ウレタン−ウレア化合物の質量部は該揺変性付与剤の質量部の約2分の1に相当する。
各成分を混合後、得られた各組成物を20℃、50%RHで10分間放置した後、上記の方法でチクソインデックスを算出し、各組成物の揺変性をチクソインデックスにより評価した。
結果を第2表に示す。
(実施例10
2液型ウレタン系防水材用樹脂組成物(U−8000、横浜ゴム(株)製、チクソインデックス1.1)の主剤および硬化剤と、本発明の揺変性付与剤(k)とを、第2表に示す組成で混合し、均一に分散させて実施例10の組成物を得た。
上記各成分を混合した直後の実施例10の組成物について、上記の方法でチクソインデックスを算出し、実施例10の組成物の揺変性をチクソインデックスにより評価した。
結果を第2表に示す。
(比較例1〜2)
実施例で用いた1液型または2液型ウレタン系防水剤用樹脂組成物100質量部と、ポリエーテル・エステル型多価カルボン酸を主成分とする従来の液状揺変性付与剤(ディスパロン3600N、固形分50質量%、楠本化学社製)5質量部(固形分2.5質量部)とを混合し、均一に分散させて比較例1および比較例2の組成物を得た。
各成分を混合後、比較例1の組成物を20℃、50%RHで10分間放置した後、上記の方法で粘度を測定してチクソインデックスを算出し、比較例1の組成物の揺変性をチクソインデックスにより評価した。
また、上記各成分を混合した直後の比較例2の組成物の粘度を上記の方法で測定してチクソインデックスを算出し、比較例2の組成物の揺変性をチクソインデックスにより評価した。
結果を第2表に示す。
Figure 0003929468
Figure 0003929468
第2表に示す結果から明らかなように、1液型ウレタン系防水材用樹脂組成物100質量部と、本発明の揺変性付与剤(b)1.4質量部(上記式(2)で表される化合物0.7質量部含有)とを含有する組成物(実施例1)は、従来の液状揺変性付与剤を用いた組成物(比較例1)に比べて、少量の揺変性付与剤の添加で3.0以上のチクソインデックスを得ることができた。
また、本発明の揺変性付与剤(b)の量を増やした組成物(実施例2および3)は、実施例1の組成物より、更に高いチクソインデックスを有していた。
また、2液型ウレタン系防水材用樹脂組成物と、本発明の揺変性付与剤(b)または(k)とを含有する組成物(実施例4および10)は、従来の液状揺変性付与剤を用いた組成物(比較例2)に比べて高いチクソインデックスを有し、1液型ウレタン系防水材用樹脂組成物を用いた場合と同等のチクソインデックスを有していた。
また、本発明の揺変性付与剤(c)〜(d)、(h)〜(j)のいずれかを含有する組成物(実施例6〜)は、チクソインデックスが4.5〜6.5となっており、比較例1の組成物に比べて高いチクソインデックスを有していた。

Claims (8)

  1. ポリイソシアネートと、ジアミン化合物およびエチレングリコールモノイソプロピルエーテルを含むヒドロキシ化合物とを反応させてなるウレタン−ウレア化合物と、
    N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも1種の極性溶媒と
    を含有する揺変性付与剤。
  2. 前記ジアミン化合物が、1,4−キシリレンジアミンである請求項1に記載の揺変性付与剤。
  3. 前記ヒドロキシ化合物が、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルと、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、2−エチルヘキサノールおよびt−ブタノールからなる群から選択される少なくとも1種とからなる請求項1または2に記載の揺変性付与剤。
  4. 前記ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネートである請求項1〜3のいずれかに記載の揺変性付与剤。
  5. 前記ウレタン−ウレア化合物が、下記式(1)で表される化合物である請求項1に記載の揺変性付与剤。
    Figure 0003929468
    (式中、R 1 は前記ポリイソシアネートから二つのイソシアネート基を除いて得られる残基であり、R 2 はエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基である。ただし、少なくとも一方のR 2 はエチレングリコールモノイソプロピルエーテルからヒドロキシ基を除いて得られる残基である。)
  6. 前記R 1 はトリレンジイソシアネートから二つのイソシアネート基を除いて得られる残基である請求項5に記載の揺変性付与剤。
  7. ウレタン樹脂、変成シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイソブチレン樹脂およびエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂と、
    請求項1〜6のいずれかに記載の揺変性付与剤と
    を含有する硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載の硬化性樹脂組成物の使用時に、該硬化性樹脂組成物のうち請求項1〜6のいずれかに記載の揺変性付与剤を除いた成分に、前記揺変性付与剤を添加する、硬化性樹脂組成物の使用方法。
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