JP2008115328A - ウレタン樹脂系硬化性組成物 - Google Patents

ウレタン樹脂系硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 揮発性有機化学物質(VOC)の発生が少なく、しかも低温での塗布作業性及び塗布後の塗布物の保形性を共に充足しうるウレタン樹脂系硬化性組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のウレタン樹脂系硬化性組成物は、(A)末端に活性水素を2個以上有する化合物とイソシアネート化合物との反応により得られるウレタンプレポリマーと、(B)無機系充填剤と、(C)N−アルキル−2−ピロリドン、沸点360℃以下の鉱油水素添加物、沸点360℃以下の液状高級オレフィン、沸点330℃以下の液状高級オレフィン水素添加物、α−オレフィンの低分子量重合体、リシノール酸のアルキルエステル、アジピン酸又はセバシン酸のジアルキルエステルから選ばれた化合物であって沸点が260℃以上の化合物からなる粘度調整剤と、(D)酸化ポリエチレンを上記(C)の化合物中で加熱膨潤後、分散させた酸化ポリエチレン系ワックスと、を含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、揮発性有機化学物質(VOC)の発生が少ないウレタン樹脂系硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、特に低温での塗布作業性に優れたウレタン樹脂系硬化性組成物に関するものである。
ウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型ウレタン樹脂系組成物は、接着剤等の種々の用途に用いられているが、その用途に応じて適切な粘度に調整され、使用されている。従来、この1液湿気硬化型ウレタン樹脂系組成物の粘度を調整するための粘度調整剤として、トルエンやキシレン、酢酸エチル等の有機溶剤が使用されてきた。しかし、これらの有機溶剤は揮発しやすく、揮発した有機化学物質は人体や環境に悪影響を及ぼすおそれがある。WHO(世界保健機関)でも、沸点が260℃未満の化合物を揮発性有機化学物質(VOC)として規定しており、VOCが人体や環境に悪影響を与える有害物質であることが認定されている。
特開2006−22298号公報には、粘度調整剤として揮発性の低いものを選択することにより、人体や環境等に対する悪影響を少なくした安全な1液湿気硬化型ウレタン系接着剤が提案されている。
特開2006−22298号公報
しかしながら、上記文献に開示されている粘度調整剤を用いた場合には、粘度調整剤である有機化学物質のもたらす希釈効果が少ないため、低温での良好な塗布作業性を確保することが困難である。また、揮発性有機化学物質(VOC)の発生を少なくする中において、一般的によく知られている粘性付与剤を用いたものでは、低温時の粘度が高かったり、あるいは粘性が低すぎて塗布後に垂れが生じて、低温時における作業性と保形性とを共に充足させることは困難である。
従って、本発明の目的は、揮発性有機化学物質(VOC)の発生が少なく、しかも低温での塗布作業性及び塗布後の塗布物の保形性を共に充足しうるウレタン樹脂系硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ウレタンプレポリマーと無機系充填剤と特定の高沸点化合物と特定の酸化ポリエチレンワックスとを配合してウレタン樹脂系硬化性組成物を調製すると、揮発性有機化学物質(VOC)の発生が少なく、しかも低温での塗布作業性及び塗布後の塗布物の保形性を共に充足させることができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)末端に活性水素を2個以上有する化合物とイソシアネート化合物との反応により得られるウレタンプレポリマーと、
(B)無機系充填剤と、
(C)(c1)N−アルキル−2−ピロリドン、(c2)沸点360℃以下の鉱油水素添加物、(c3)沸点360℃以下の液状高級オレフィン、(c4)沸点330℃以下の液状高級オレフィン水素添加物、(c5)α−オレフィンの低分子量重合体、(c6)リシノール酸のアルキルエステル、(c7)アジピン酸のジアルキルエステル、及び(c8)セバシン酸のジアルキルエステルよりなる群から選ばれた化合物であって沸点が260℃以上の化合物の1種又は2種以上からなる粘度調整剤と、
(D)酸化ポリエチレンを上記(c1)〜(c8)よりなる群から選ばれた化合物であって沸点が260℃以上の化合物中で加熱膨潤後、分散させた酸化ポリエチレン系ワックスと、
を含有するウレタン樹脂系硬化性組成物を提供する。
なお、本明細書において「液状」とは、特に断りのない限り、常温(25℃)で液状であることを意味する。
本発明のウレタン樹脂系硬化性組成物によれば、揮発性有機化学物質(VOC)の発生が少ない上、低温であっても塗布作業性が良好であり、しかも塗布後の塗布物の保形性に優れ、垂れが生じにくい。また、粘度調整剤の配合量を極力減らしつつ、低温での塗布作業性を向上できる。
本発明のウレタン樹脂系硬化性組成物は、ウレタンプレポリマー(A)と無機系充填剤(B)と粘度調整剤(C)と酸化ポリエチレン系ワックス(D)とを含有している。
[ウレタンプレポリマー(A)]
ウレタンプレポリマー(A)としては、末端に活性水素を2個以上有する化合物とイソシアネート化合物との反応により得られるウレタンプレポリマーであれば特に限定されず、従来公知のウレタンプレポリマーを使用できる。
末端に活性水素を2個以上有する化合物としては、分子量100〜20000程度(好ましくは500〜8000程度)の2官能以上のポリオールやポリチオール等を挙げることができる。末端に活性水素を2個以上有する化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリルポリオール、ひまし油等の活性水素を2個以上有する油脂等を用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA等のジオール類;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類;ソルビトール等のポリオール類等を脱水縮合して得られるポリエーテルポリオールなどが用いられる。代表的なポリエーテルポリオールとして、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。また、ポリエーテルポリオールとして、アンモニア、エチレンジアミン、尿素、モノメチルジエタノールアミン、モノエチルジエタノールアミン等のアミン類の1種又は2種以上の存在下、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を開環重合して得られるランダム又はブロック共重合体を用いることもできる。これらのポリエーテルポリオールは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類の1種又は2種以上と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類の1種又は2種以上とを重縮合して得られるポリエステルポリオールなどが用いられる。また、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトン類の開環重合物等を用いることもできる。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等を用いることができる。また、これらの水添物を末端に活性水素を2個以上有する化合物として用いることができる。
ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレンポリオール(2官能ポリオキシアルキレンポリオール、3官能ポリオキシアルキレンポリオール等、又はこれらの組み合わせ)や、該ポリオキシアルキレンポリオールと、アミン類の1種又は2種以上の存在下でプロピレンオキサイド等の環状エーテル化合物を開環重合して得られるランダム又はブロック共重合体(アミンポリオール等)との組み合わせが特に好ましい。
ポリチオールとしては、下記式(1)
HS−(R−SS)n−R−SH (1)
[式中、Rは、−C24−、−C36−、−C24−O−C24−、−C24−O−CH2−O−C24−、−C36−O−C36−O−C36−、又は−C24−O−(C24−O)m−C24−(但し、mは2〜50の整数である)を示し、nは2〜50の整数である]
で表される液状ポリサルファイド等が用いられる。
上記の末端に活性水素を2個以上有する化合物と反応させるイソシアネート化合物は、分子内に2以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限されず、従来公知のポリイソシアネート化合物(ジイソシアネート化合物、それ以外のポリイソシアネート化合物)を用いることができる。ポリイソシアネート化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリイソシアネート化合物には、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物などが含まれる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ω、ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼンなどが挙げられる。
なお、樹脂の黄変性が問題になる場合には、ポリイソシアネート化合物として、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物又は芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
ウレタンプレポリマーの合成方法は特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。例えば、撹拌機、コンデンサー、減圧脱水装置、窒素気流装置を備えた反応器に、ポリオール等の末端に活性水素を2個以上有する化合物を仕込み、減圧脱水後、イソシアネート化合物を加え、窒素気流下で70〜100℃にて3〜8時間反応させることにより、ウレタンプレポリマーを含有するウレタン系組成物を得ることができる。この際、イソシアネート化合物におけるNCOと末端に活性水素を2個以上有する化合物における活性水素との比率は、最終製品の用途等に応じて適宜選択できるが、一般に、NCO/活性水素=1.2以上(例えば、NCO/活性水素=1.2〜15程度)である。
また、ウレタンプレポリマー中のNCOの量は、ウレタンプレポリマー全体の1〜20質量%、特に2〜15質量%の範囲であるのが好ましい。NCOの量(質量%)が多すぎる場合は、接着強度は向上するものの、硬化途中の発泡が多くなり、硬化皮膜が脆くなる傾向が生じる。一方、NCOの量(質量%)が少なすぎる場合は、発泡は少なくなるものの、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり、硬化性組成物を使用する際の作業性の確保が困難になる傾向が生じる。
[無機系充填剤(B)]
無機系充填剤(B)としては、ウレタン樹脂系硬化性組成物に一般的に使用される無機充填剤を使用できる。例えば、無機充填剤として、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム等)、カオリン、クレー、タルク、珪砂、シリカなどが挙げられる。無機系充填剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの無機充填剤の中でも、汎用的であり、充填効果が高く、硬化性組成物の硬度の面から、炭酸カルシウムが特に好ましい。
無機系充填剤(B)の使用量は、最終用途等により適宜選択できるが、一般には、ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、50〜300質量部であり、好ましくは100〜200質量部である。無機系充填剤の量が多すぎる場合には、粘度が高くなって良好な塗布作業性を確保するのが難しくなり、逆に少なすぎる場合には、粘性付与効果が小さく、硬化性組成物が垂れやすくなる。
[粘度調整剤(C)]
本発明では、粘度調整剤(C)として、N−アルキル−2−ピロリドン(c1)、沸点360℃以下の鉱油水素添加物(c2)、沸点360℃以下の液状高級オレフィン(c3)、沸点330℃以下の液状高級オレフィン水素添加物(c4)、α−オレフィンの低分子量重合体(c5)、リシノール酸のアルキルエステル(c6)、アジピン酸のジアルキルエステル(c7)、及びセバシン酸のジアルキルエステル(c8)よりなる群から選ばれた化合物であって沸点が260℃以上の化合物を用いる。これらの化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記の化合物は何れも沸点が260℃以上であり、VOCの範疇に属しない。また、上記の化合物は、ウレタンプレポリマーに対して相溶性が良好であり、しかもウレタンプレポリマーを含有するウレタン樹脂系組成物の粘度を適切な粘度に調整することができる。
本発明における「沸点」は、単一の化合物についてはその化合物固有の沸点を指し、混合物(すなわち、沸点が単一ではなくある程度の分布を有する場合)については、「主物質の沸点」若しくは蒸留した際に「混合物全量の50質量%が留出する温度」を指す。なお、本発明の技術思想によれば、これらの混合物の初留点は260℃以上である。
N−アルキル−2−ピロリドン(c1)としては、例えば、N−オクチル−2−ピロリドン(ISPジャパン社製、商品名「LP−100」)、N−ドデシル−2−ピロリドン(ISPジャパン社製、商品名「LP−300」)が用いられる。
沸点360℃以下の鉱油水素添加物(c2)としては、鉱油を水素添加したもので沸点が360℃以下の化合物であればよく、例えば、商品名「ナフテニック・ライトNV−280」(三共油化社製)、商品名「ナフテニック・ライトNV−300」(三共油化社製)、商品名「ナフテニック・ライトNV−300SP」(三共油化社製)、商品名「ナフテニック・ライトNV−330SP」(三共油化社製)等を用いることができる。沸点が360℃を超える鉱油水素添加物は、ウレタンプレポリマーとの相溶性が悪く、貯蔵時に相分離を起こしやすいので好ましくない。
沸点360℃以下の液状高級オレフィン(c3)としては、例えば、2−オクチル−1−ドデセン[出光興産社製、商品名「A−20」(リニアレンダイマー)]、1−ヘキサデセン(出光興産社製、商品名「リニアレン16」)、1−オクタデセン(出光興産社製、商品名「リニアレン18」)等を使用することができる。液状高級オレフィンの炭素数は、例えば16〜20(好ましくは16〜18)程度である。沸点が360℃を超える液状高級オレフィンは、ウレタンプレポリマーとの相溶性が悪く、貯蔵時に相分離を起こしやすいので好ましくない。
沸点330℃以下の液状高級オレフィン水素添加物(c4)としては、例えば、前記沸点360℃以下の液状高級オレフィンを水素添加して得られる液状の化合物が挙げられる。より具体的には、例えば、2−オクチルドデカン(出光興産社製、商品名「A−20H」)等を使用できる。沸点が330℃を超える液状高級オレフィン水素添加物は、ウレタンプレポリマーとの相溶性が悪く、貯蔵時に相分離を起こしやすいので好ましくない。
α−オレフィンの低分子量重合体(ポリ−α−オレフィン)(c5)としては、例えば、炭素数10のα−オレフィンの低分子量重合体であって、重合体の沸点が260℃以上のものが挙げられる。より具体的には、商品名「PAO−5004」(出光興産社製)、「Durasyn164」(阪和興業社製)などを使用できる。
リシノール酸のアルキルエステル(c6)としては、リシノール酸のカルボキシル基がアルキルエステル化されたものであればよいが、リシノール酸のヒドロキシル基もエステル化されているのが好ましい。リシノール酸のヒドロキシル基やカルボキシル基が遊離の状態にあると、貯蔵中にウレタンプレポリマーのNCO基と反応するおそれがあり、ウレタンプレポリマーが高分子量化して粘度が上昇する傾向が生じる。好ましいリシノール酸のアルキルエステルとして、リシノール酸メチルアセチル(伊藤製油社製、商品名「リックサイザーC−101」)、リシノール酸ブチルアセチル(伊藤製油社製、商品名「リックサイザーC−401」)等のリシノール酸C1-8アルキルC1-4アシルなどが挙げられる。
アジピン酸のジアルキルエステル(c7)としては、例えば、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(大八化学工業社製、商品名「DOA」)、アジピン酸ジイソノニル(大八化学工業社製、商品名「DINA」)等のアジピン酸ジC8-12アルキルなどを使用できる。
セバシン酸のジアルキルエステル(c8)としては、例えば、セバシン酸ジオクチル(豊国製油社製、商品名「DOS」)、セバシン酸ジブチル(豊国製油社製、商品名「DBS」)等のセバシン酸ジ−C4-12アルキルなどを使用できる。
粘度調整剤(C)の使用量は、最終用途等に応じて適宜選択できるが、ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、一般には5〜50質量部、好ましくは10〜25質量部である。粘度調整剤の量が多すぎる場合には、粘度が下がり、硬化性組成物の保形性が悪くなって垂れやすくなり、逆に少なすぎる場合には、粘度が高くなって良好な塗布作業性を確保するのが難しくなりやすい。
[酸化ポリエチレン系ワックス(D)]
本発明では、酸化ポリエチレンを上記(c1)〜(c8)よりなる群から選ばれた化合物であって沸点が260℃以上の化合物中で加熱膨潤後、分散させた酸化ポリエチレン系ワックス(D)を用いる。この酸化ポリエチレンワックス(D)はチキソトロピック性を付与する揺変剤として作用する。
酸化ポリエチレンはポリエチレンを酸化して極性基を導入したものであり、酸価は、例えば10〜40、好ましくは15〜30程度であり、融点は、例えば60〜130℃、好ましくは80〜120℃程度である。酸化ポリエチレンを分散させる(c1)〜(c8)よりなる群から選ばれた化合物であって沸点が260℃以上の化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。この分散媒として用いる化合物は前記粘度調整剤(C)として用いる化合物と同一であっても異なっていてもよい。
酸化ポリエチレンを上記分散媒中で加熱膨潤、分散させる際の温度は、酸化ポリエチレンの融点や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常60〜140℃、好ましくは80〜120℃程度である。
酸化ポリエチレン系ワックス中の酸化ポリエチレンの濃度は、取扱性等を考慮して適宜選択できるが、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。
酸化ポリエチレン系ワックスの使用量は、最終用途等に応じて適宜選択できるが、ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、一般には1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%程度であり、酸化ポリエチレンとしての量は、ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、一般には0.2〜6質量%、好ましくは0.4〜3質量%程度である。酸化ポリエチレン系ワックスの量が多すぎる場合には、粘性とともに粘度も増加し、良好な塗布作業性が得られにくくなり、逆に少なすぎる場合には、満足な粘性付与効果が得られず、硬化性組成物が垂れやすくなる。
粘度調整剤として、上記のような揮発性有機化学物質(VOC)に該当しない沸点260℃以上の粘度調整剤を用いた場合には、一般にウレタン樹脂系硬化性組成物(揺変剤を含有している)の接着性等の特性を損なわない程度の少量の使用では粘度低減効果は低く、低温作業性は低下する。ところが、本発明のように揺変剤として酸化ポリエチレン系ワックスを使用すると、硬化性組成物を低温下で容器から押し出すときに抵抗感がほとんど無く、押し出しが容易であり、しかも押し出された塗布物は垂れにくく、保形性にも優れている。この理由は必ずしも明らかではないが、硬化性組成物中の無機充填剤が酸化ポリエチレンに吸着してネットワーク構造を形成し、シェアがかかると比較的粘度の高い粘度調整剤の存在下でも速やかにネットワーク構造がほぐれて流動性が向上すると共に、シェアの付与を解除すると、また速やかにネットワーク構造が回復するためであると推測される。これに対し、揺変剤として一般によく使用される脂肪酸アマイド系揺変剤を用いた場合には、低温での作業性は優れるものの、押し出された塗布物は垂れやすく、保形性に劣る。これは、脂肪酸アマイド系揺変剤は、静止時においては分子間又は分子内水素結合によってある程度の粘度を保持しており、シェアがかかると速やかに流動性が生じるが、シェアを解除した際には、上記のような比較的粘度の高い粘度調整剤の存在下では、水素結合を再度形成するのに時間がかかり、塗布物が垂れやすくなるためであると考えられる。また、同じく揺変剤として一般によく使用される植物性重合油系揺変剤を用いた場合には、硬化性組成物を低温下で容器から押し出すときに抵抗感が大きく、押し出しが非常に困難である。これは、植物性重合油系揺変剤自身の絡み合いの力が強く、比較的粘度の高い粘度調整剤の存在下では、シェアがかかっても速やかに絡み合いがほどけず、流動性が発現しないためであると考えられる。
本発明のウレタン樹脂系硬化性組成物は、例えば、ウレタンプレポリマー(A)と無機系充填剤(B)と粘度調整剤(C)と酸化ポリエチレン系ワックス(D)と、必要に応じて種々の添加剤とを混合機等に投入し、好ましくは減圧下で、撹拌することにより調製することができる。添加剤としては、用途に応じて適宜選択でき、例えば、染料や顔料等の着色剤、希釈剤、粘接着付与剤、増粘剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、顔料分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、硬化触媒などが挙げられる。
本発明のウレタン樹脂系硬化性組成物は、一液湿気硬化型のウレタン系接着剤、シーリング剤、塗料、コーティング剤等として使用できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
合成例1(ウレタンプレポリマーの合成)
2官能ポリプロピレングリコール(Mn=2000、アデカ社製「P−2000」)700質量部と、3官能ポリプロピレングリコール(Mn=3000、旭硝子社製「エクセノール3030」)200質量部と、アミンポリオール(Mn=1100、アデカ社製「EDP−1100」)100質量部と、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASF INOAC ポリウレタン社製「ルプラネートMS」)467質量部とを、2Lのセパラブルフラスコに仕込み、90℃で3時間窒素気流下で反応させて、NCO質量%が7%のウレタンプレポリマーを得た。
調製例1
酸価20、融点100℃の酸化ポリエチレン20質量部とリシノール酸メチルアセチル(伊藤製油社製「リックサイザーC−101」、沸点265℃;以後、粘度調整剤Aとする)80質量部を1Lのセパラブルフラスコに仕込み、120℃で1時間加熱膨潤後、リゾルバーで撹拌分散させて、その後冷却して酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Aとした。
調製例2
調製例1の粘度調整剤Aに代えて、リシノール酸ブチルアセチル(伊藤製油社製「リックサイザーC−401」、沸点267℃;以後、粘度調整剤Bとする)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Bとした。
調製例3
調製例1の粘度調整剤Aに代えて、「ナフテニック・ライトNV−330SP」(三共油化社製、鉱油の水素添加物、沸点350℃;以後、粘度調整剤Cとする)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Cとした。
調製例4
調製例1の粘度調整剤Aに代えて、アジピン酸ジイソノニル[沸点227℃(0.671kPa);以後、粘度調整剤Dとする]を使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Dとした。
調製例5
調製例1の粘度調整剤Aに代えて、2−オクチル−1−ドデセン(出光興産社製「A−20」、沸点345℃;以後、粘度調整剤Eとする)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Eとした。
調製例6
調製例1の粘度調整剤Aに代えて、ポリ−α−オレフィン(出光興産社製「PAO−5004」、沸点425℃;以後、粘度調整剤Fとする)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Fとした。
調製例7
調製例1の粘度調整剤Aに代えて、セバシン酸ジブチル(沸点344℃;以後、粘度調整剤Gとする)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Gとした。
調製例8
調製例1の粘度調整剤Aに代えて、2−オクチルドデカン(出光興産社製「A−20H」、沸点325℃;以後、粘度調整剤Hとする)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Hとした。
調製例9
調製例1の粘度調整剤Aに代えて、N−オクチル−2−ピロリドン[ISPジャパン社製「LP−100」、沸点170℃(15mmHg);以後、粘度調整剤Iとする]を使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Iとした。
調製例10
調製例1の酸価20、融点100℃の酸化ポリエチレンに代えて、酸価25、融点90℃の酸化ポリエチレンを使用した以外は、調製例1と同様の方法で、酸化ポリエチレンワックスを得た。この得られた酸化ポリエチレンワックスを揺変剤Jとした。
調製例11
植物性重合油60質量部と粘度調整剤A 40質量部を1Lのセパラブルフラスコに仕込み、120℃で1時間加熱膨潤後、リゾルバーで撹拌分散させて、その後冷却して得たものを、揺変剤Kとした。
調製例12
脂肪酸アマイド20質量部と粘度調整剤A 80質量部を1Lのセパラブルフラスコに仕込み、120℃で1時間加熱膨潤後、リゾルバーで撹拌分散させて、その後冷却してアマイドワックスを得た。この得られたアマイドワックスを、揺変剤Lとした。
実施例1
合成例1で得られたウレタンプレポリマーを含有する反応生成物(ウレタン系組成物)100質量部、炭酸カルシウム(日東粉化社製「NS#2300」)150質量部、調製例1で得られた揺変剤A 9質量部、粘度調整剤として粘度調整剤A 15質量部を2Lのプラネタリーミキサーに投入し、減圧下で30分間撹拌して、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例2
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例2で得られた揺変剤Bを使用し、粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Bを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例3
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例3で得られた揺変剤Cを使用し、粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Cを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例4
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例4で得られた揺変剤Dを使用し、粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Dを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例5
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例5で得られた揺変剤Eを使用し、粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Eを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例6
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例6で得られた揺変剤Fを使用し、粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Fを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例7
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例7で得られた揺変剤Gを使用し、粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Gを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例8
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例8で得られた揺変剤Hを使用し、粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Hを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例9
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例9で得られた揺変剤Iを使用し、粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Iを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例10
実施例1の揺変剤Aに代えて調製例10で得られた揺変剤Jを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例11
実施例1の粘度調整剤Aに代えて粘度調整剤Bを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例12
実施例1の粘度調整剤A 15質量部に代えて、粘度調整剤A 5質量部と粘度調整剤B 10質量部を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
実施例13
実施例1の粘度調整剤A 15質量部に代えて、粘度調整剤A 5質量部と粘度調整剤D 10質量部を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
比較例1
実施例1の炭酸カルシウム(日東粉化社製「NS#2300」)150質量部を用いないほかは、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
比較例2
実施例1の揺変剤Aを用いないほかは、実施利1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
比較例3
実施例1の揺変剤Aに代えて、揺変剤として「ディスパロン4200−20」(酸化ポリエチレンをキシレンを用いて加熱膨潤後、分散したもの、楠本化学社製)を使用し、粘度調整剤Aに代えて、キシレンを用いたほかは、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
比較例4
実施例1の揺変剤A 9質量部に代えて、調製例11で得られた揺変剤K 3質量部を使用したほかは、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
比較例5
実施例1の揺変剤Aに代えて、調製例12で得られた揺変剤Lを使用したほかは、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
比較例6
実施例1の粘度調整剤Aに代えて、ウンデカンを使用したほかは、実施例1と同様の方法で、ウレタン樹脂系硬化性組成物を得た。
<評価項目及び評価方法>
実施例及び比較例で得られた各ウレタン樹脂系硬化性組成物について下記の評価を行った。結果を表1、表2に示した。
[作業性(5℃)]
各ウレタン樹脂系硬化性組成物を製造した後、容器内に密閉して5℃下に1日間おいた。その後、環境温度5℃下で、大きさ約300×300mm、厚さ4mmのフレキシブル板に、硬化性組成物をカートリッジから8mm径でビード塗布する際の押し出し性を、以下の3段階で評価した。
○;押し出しの抵抗感がほとんど無く、押し出しが容易である
△;押し出しの抵抗感があり、押し出しがやや困難である
×;押し出しの抵抗感が大きく、押し出しは非常に困難である
[保形性(垂れ性)(5℃)]
各ウレタン樹脂系硬化性組成物を製造した後、容器内に密閉して5℃下に1日間おいた。その後、環境温度5℃下で、大きさ約300×300mm、厚さ4mmのフレキシブル板に、硬化性組成物をカートリッジから8mm径でビード状に塗布した後、直ちにビードが水平になるようにフレキシブル板を垂直に立てた。5時間後、硬化性組成物の垂れ性を、以下の3段階で評価した。
○;ビード塗布された硬化物がほとんど垂れておらず、形状を保っている
△;ビード塗布された硬化物がやや垂れているが、形状をほぼ保っている
×;ビード塗布された硬化物が垂れていて、形状が崩れている
[VOC]
VOC(揮発性有機化学物質)について環境対策の必要の有無を記載した。
[臭気]
臭気について、以下の2段階で評価した。
○;ほとんど臭気が感じられない
×;鼻をつくような強い臭気が感じられる
Figure 2008115328
Figure 2008115328
表に示されるように、実施例の各ウレタン樹脂系硬化性組成物は低温での作業性及び保形性が共に優れるだけでなく、環境及び臭気の面でも優れている。これに対し、無機系充填剤を含有しない比較例1のウレタン樹脂系硬化性組成物は保形性に劣り、揺変剤を含有しない比較例2のウレタン樹脂系硬化性組成物は低温での作業性及び保形性の何れも劣り、粘度調整剤としてキシレンを用いた比較例3のウレタン樹脂系硬化性組成物は環境及び臭気の面で問題があり、植物系重合油系の揺変剤を用いた比較例4のウレタン樹脂系硬化性組成物は低温での作業性に劣り、脂肪酸アマイド系の揺変剤を用いた比較例5のウレタン樹脂系硬化性組成物は保形性に劣り、粘度調整剤としてウンデカンを用いた比較例6のウレタン樹脂系硬化性組成物は環境面で好ましくない。
また、実施例1、4、7、13で調製したウレタン樹脂系硬化性組成物について、接着剤としての性能を評価するために、以下の接着試験を行った。結果を表3に示す。
[接着試験]
幅40mm×長さ40mm、厚さ9mmの合板(タイプI合板)板に、ガラス棒にて接着剤(ウレタン樹脂系硬化性組成物)を0.5mm厚で均一に塗布した後、幅40mm×長さ40mm、厚さ9mmの合板(タイプI合板)板を貼り合わせて試験体とした。この試験体を23℃、55%RHの条件下で、7日間養生した後、平面引張接着強さ(試験速度5mm/min)を測定した。
Figure 2008115328
表に示されるように、各ウレタン樹脂系硬化性組成物は接着剤として使用できることがわかる。

Claims (1)

  1. (A)末端に活性水素を2個以上有する化合物とイソシアネート化合物との反応により得られるウレタンプレポリマーと、
    (B)無機系充填剤と、
    (C)(c1)N−アルキル−2−ピロリドン、(c2)沸点360℃以下の鉱油水素添加物、(c3)沸点360℃以下の液状高級オレフィン、(c4)沸点330℃以下の液状高級オレフィン水素添加物、(c5)α−オレフィンの低分子量重合体、(c6)リシノール酸のアルキルエステル、(c7)アジピン酸のジアルキルエステル、及び(c8)セバシン酸のジアルキルエステルよりなる群から選ばれた化合物であって沸点が260℃以上の化合物の1種又は2種以上からなる粘度調整剤と、
    (D)酸化ポリエチレンを上記(c1)〜(c8)よりなる群から選ばれた化合物であって沸点が260℃以上の化合物中で加熱膨潤後、分散させた酸化ポリエチレン系ワックスと、
    を含有するウレタン樹脂系硬化性組成物。
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