JP3929254B2 - 高周波回路及びそれを用いた通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波・ミリ波帯の高周波信号を処理する高周波回路に関するものである。特に、マイクロ波・ミリ波帯の通信装置に用いられる周波数逓倍器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波帯、ミリ波帯の局部発振器を構成するにあたり、PLL(Phase Locked Loop)発振器が生成する低周波信号の周波数を順次逓倍することにより、所望の周波数の信号を得る方法がある。この方法を用いた局部発振器では、2逓倍する周波数逓倍器を直列に接続することが一般的に行われている。
【0003】
一般的な2逓倍の周波数逓倍器が「Edmar Camargo,“Design of FET Frequency Multipliers and Harmonic Oscillators”,pp.146-147,Artech House,Boston and London,1998」に示されている。この周波数逓倍器の構成を図6に示す。
【0004】
入力端子1に入力された周波数f0の信号は、整合回路3および伝送線路7aを経て非線形素子であるFET(Field Effect Transistor)11のゲートに入力される。整合回路3および整合回路5はバイアス回路を兼ねており、整合回路3および整合回路5はFET11をピンチオフ付近にバイアスする。そうすると、FET11のドレイン電流波形は歪み、半波整流波形に近いものとなる。このため、ドレイン電流は周波数f0の基本波およびその基本波の高調波からなり、特に偶数次の高調波成分を多く含むことになる。
【0005】
このFET11のドレインに伝送線路7bを介して基本波に対して電気長が90°の先端開放スタブ6bの一端が接続される。先端開放スタブ6bの接続点では基本波に対して短絡となるので、基本波はFET11のドレイン端に反射され、FET11の内部での非線形性が強まり、高調波成分が増強されることになる。一方、先端開放スタブ6bの接続点では2倍波に対して開放となるので、2倍波は通過し整合回路5を介して出力端子2に出力される。
【0006】
FET11のドレイン側に現れた2倍波の大部分はこのように整合回路5を介して出力端子2に出力されるが、FET11のドレイン側に現れた2倍波の一部はFET11のゲート側に帰還する。この帰還した2倍波は、FET11のゲート側に一端が接続された2倍波に対して電気長90°の先端開放スタブ6cによって反射されてFET11に再入射し、FET11からの2倍波の発生に寄与する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の周波数逓倍器は2倍波出力を大きくできるが、不要波である3倍波を抑圧するための考慮はされていない。マイクロ波・ミリ波帯の通信装置において、その通信装置が備える周波数逓倍器から不要波である3倍波が出力されると、周波数逓倍器の次段に接続される回路、例えば他の周波数逓倍器やミキサ等で更なる不要波が生成され、その不要波が所望波信号と混合されるために所望波信号の特性が劣化してしまう。また、周波数逓倍器の次段に接続される回路で3倍波を除去しようとすると3倍波除去フィルタ回路が必要となり、通信装置の大型化とコストの上昇を招いてしまう。尚、入力される信号と同一周波数の基本波および該基本波の高調波を出力する非線形素子を備えた高周波回路であるミキサや増幅器においても不要波である3倍波を抑圧できなければ同様の問題が起こってしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、不要波である3倍波の出力を抑圧する高周波回路及びこれを用いた通信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る高周波回路においては、入力される信号と同一周波数の基本波および該基本波の高調波を出力する非線形素子を備え、前記基本波の3倍波を前記非線形素子に反射する第一の先端開放スタブを前記非線形素子の入力側に備え、前記第一の先端開放スタブと前記非線形素子の入力側とが伝送線路を介して接続され、前記伝送線路の線路長前記基本波の波長の1/48倍〜1/12倍または3/16倍〜1/4倍の範囲内とし、前記第一の先端開放スタブが反射する前記基本波の3倍波によって前記非線形素子から出力される前記基本波の3倍波が抑圧されるようにする。入力される信号と同一周波数の基本波および該基本波の高調波を出力する非線形素子を備える高周波回路としては、後述する周波数逓倍器以外にミキサや増幅器などがある。
【0010】
また、回路規模を縮小する観点から、上記構成の高周波回路において、前記第一の先端開放スタブをインダクタおよびキャパシタで集中定数化した等価回路に代える並びに/又は前記伝送線路をインダクタに代えるようにしてもよい。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る周波数逓倍器においては、入力される信号と同一周波数の基本波および該基本波の高調波を出力する非線形素子と、前記非線形素子が出力する基本波を前記非線形素子に反射する第二の先端開放スタブと、を備え、前記基本波の3倍波を前記非線形素子に反射する第一の先端開放スタブを前記非線形素子の入力側に備え、前記第一の先端開放スタブと前記非線形素子の入力側とが伝送線路を介して接続され、前記伝送線路の線路長前記基本波の波長の1/48倍〜1/12倍または3/16倍〜1/4倍の範囲内とし、前記第一の先端開放スタブが反射する前記基本波の3倍波によって前記非線形素子から出力される前記基本波の3倍波が抑圧されるようにする。さらに、前記非線形素子に前記基本波と同一周波数の信号を出力する第一の整合回路と、前記非線形素子の出力信号から前記第一の先端開放スタブによって基本波が除かれた信号を入力する第二の整合回路と、を備えるようにしてもよい。
【0013】
また、回路規模を縮小する観点から、上記構成の周波数逓倍器において、前記第一および第二の先端開放スタブの少なくとも一つをインダクタおよびキャパシタで集中定数化した等価回路に代える並びに/又は前記伝送線路をインダクタに代えるようにしてもよい。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る通信装置においては、上記構成のいずれかの高周波回路及び/又は上記構成のいずれかの周波数逓倍器を備えるようにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る周波数逓倍器の構成を図1に示す。尚、図1において、図6と同一の部分には同一の符号を付す。入力端子1は整合回路3の入力側に接続され、整合回路3の出力側は3倍波に対して電気長が略90°(詳細には90°±30°)である先端開放スタブ6aと、伝送線路7aの一端とに接続される。伝送線路7aの他端はHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)4のベースに接続される。HBT4のエミッタは接地されており、HBT4のコレクタは伝送線路7bの一端に接続される。
【0016】
伝送線路7bの他端は、基本波に対して電気長が略90°(詳細には90°±30°)である先端開放スタブ6bと整合回路5の入力側とに接続される。整合回路5の出力側は出力端子2に接続される。
【0017】
整合回路3は周波数f0でHBT4の入力整合をとり、整合回路5は周波数2f0でHBT4の出力整合をとる。さらに、整合回路3および整合回路5はバイアス回路を兼ねている。尚、本実施形態では先端開放スタブ6aおよび6b並びに伝送線路7aおよび7bをマイクロストリップ線路とする。
【0018】
上述したように先端開放スタブ6aは3倍波に対して電気長が略90°(詳細には90°±30°)であり先端開放スタブ6bは基本波に対して電気長が略90°(詳細には90°±30°)であるので、例えば入力信号と同一周波数である基本波の周波数f0が7.25GHzであってマイクロストリップ線路である先端開放スタブ6aおよび6bを比誘電率12.9の誘電体基板上に配置する場合、先端開放スタブ6aの線路長は0.8mm〜1.6mmの範囲で設定し、先端開放スタブ6bの線路長は2.4〜4.8mmの範囲で設定する。
【0019】
このような構成の周波数逓倍器は次のように動作する。入力端子1に入力された周波数f0(=7.25GHz)の信号が整合回路3および伝送線路7aを介してHBT4のベースに入力される。また、HBT4は、整合回路3および整合回路5によってピンチオフ付近にバイアスされる。これにより、HBT4のコレクタ電流波形はベース電圧に対して指数関数的に増加するため、多くの高調波を出力する。
【0020】
そして、そのコレクタ電流は伝送線路7bによって位相を変えられたのち、先端開放スタブ6bの接続点に到達する。基本波に対して電気長が略90°である先端開放スタブ6aの接続点では、基本波に対して短絡となるので、基本波がHBT4側に反射する。一方、2倍波に対しては開放となるので、2倍波は通過し整合回路5に入力される。整合回路5は周波数2f0で整合をとるので、整合回路5の出力側に接続される出力端子2から出力される信号の周波数は2f0(=14.5GHz)となる。すなわち、図1に示した周波数逓倍器は2逓倍の周波数逓倍器である。
【0021】
また、HBT4のコレクタ側に現れた3倍波の一部はHBT4のベース側に帰還する。この帰還した3倍波は、HBT4のベース側に一端が接続された3倍波に対して電気長略90°の先端開放スタブ6aによって反射され、伝送線路7aによって位相が調整されたのちHBT4に入力される。
【0022】
この伝送線路7aの位相条件について図3を参照して説明する。図3は、伝送線路7aの線路長と出力端子2から出力される基本波、2倍波、および3倍波の電力との関係を示した図である。伝送線路7aの線路長Lは基本波の波長λ0で表しており、特性曲線T1、T2、T3はそれぞれ出力端子2から出力される基本波の電力、出力端子2から出力される2倍波の電力、出力端子2から出力される3倍波の電力を示している。尚、入力端子1に入力される信号の周波数f0=7.25[GHz]、入力端子1に入力される信号の電力Pin=−5[dBm]、HBT4のベースバイアス電圧1.4[V]、HBT4のコレクタバイアス電圧3.0[V]である。
【0023】
図3から明らかなように、出力端子2から出力される基本波の電力および出力端子2から出力される2倍波の電力は、伝送線路7aの線路長Lに関わらずほぼ一定となる。一方、伝送線路7aの線路長Lを図3中の動作領域RI(λ0/48〜λ0/12)または動作領域RII(3λ0/16〜λ0/4)の範囲に設定することによって、出力端子2から出力される3倍波の電力を著しく小さくすることができる。例えば、基本波の周波数が7.25GHzであってマイクロストリップ線路である先端開放スタブ6aを比誘電率12.9の誘電体基板上に配置する場合、基本波の波長λ0は14.4mmとなるので、先端開放スタブ6aの線路長Lを0.3〜1.2mm又は2.7〜3.6mmの範囲で設定するとよい。
【0024】
ここで、図6に示した従来の周波数逓倍器の入出力特性と図1に示した本発明に係る周波数逓倍器の入出力特性とを比較した結果を図4に示す。尚、比較のため、従来の周波数逓倍器の非線形素子には図6に示したEFT11の代わりにHBTを用いている。特性曲線T4、T5は図1に示した本発明に係る周波数逓倍器の入出力特性曲線であり、それぞれ出力端子2から出力される2倍波の電力、出力端子2から出力される3倍波の電力を示している。また、特性曲線T6、T7は図6に示した従来の周波数逓倍器の入出力特性曲線であり、それぞれ出力端子2から出力される2倍波の電力、出力端子2から出力される3倍波の電力を示している。
【0025】
尚、従来の周波数逓倍器において、伝送線路7aの線路長L=λ0/32(ただし、λ0は基本波の波長である)、入力端子1に入力される信号の周波数f0=7.25[GHz]、FET11の代わりに用いたHBTのベースバイアス電圧1.4[V]、FET11の代わりに用いたHBTのコレクタバイアス電圧3.0[V]である。また、本発明に係る周波数逓倍器において、伝送線路7aの線路長L=λ0/16(ただし、λ0は基本波の波長である)、入力端子1に入力される信号の周波数f0=7.25[GHz]、HBT4のベースバイアス電圧1.4[V]、HBT4のコレクタバイアス電圧3.0[V]である。
【0026】
図4から明らかなように、本発明に係る周波数逓倍器は、従来の周波数逓倍器と同等の2倍波出力が得られる。これは、先端開放スタブ6aが2倍波に対しても反射源となるため、HBT4のベース側に帰還した2倍波は先端開放スタブ6aにより一部反射されHBT4に再入射して2倍波出力の発生に寄与するためであると考えられる。さらに、本発明に係る周波数逓倍器は、従来の周波数逓倍器に比べ3倍波出力を抑圧することができる。これは、HBT4と先端開放スタブ6aとを接続する伝送線路7aの線路長を図3中の動作領域RI、RIIの範囲に設定することにより、先端開放スタブ6aで反射された3倍波とHBT4内部で発生する3倍波とがHBT4の内部で逆相合成され、HBT4のコレクタから出力される3倍波が抑圧されるためであると考えられる。
【0027】
次に、本発明に係る周波数逓倍器の他の形態について説明する。図1に示した本発明に係る周波数逓倍器では分布定数線路(先端開放スタブ6aおよび6b並びに伝送線路7aおよび7b)を用いているが、分布定数線路の代わりに集中定数回路を用いてもよい。そこで、図1の周波数逓倍器が備える全ての分布定数線路を集中定数回路に置き換える。その集中定数回路に置き換えた周波数逓倍器の構成を図2に示す。尚、図2において図1と同一の部分には同一の符号を付し説明を省略する。
【0028】
図1の伝送線路7aおよび7bは信号の位相の変化を目的として設けられているため、図2のように伝送線路7aおよび7bをそれぞれインダクタ10aおよび10bに置き換えても同様な効果を得ることができる。
【0029】
さらに、図1の周波数fの信号を抑圧する先端開放スタブを、図2のようにキャパシタとインダクタを直列接続し、インダクタのキャパシタと接続していない側を接続点とし、キャパシタのインダクタと接続していない側を接地した集中定数回路に置き換えることができる。この場合、キャパシタの容量Cと、インダクタのインダクタンスLと、抑圧する信号の周波数fとが(1)式の関係を満たすように、キャパシタの容量Cの値およびインダクタのインダクタンスLの値を設定する。このような設定にすることによって、キャパシタとインダクタからなる集中定数回路は先端開放スタブと同様に周波数fの信号を抑圧することができる。
【数1】
Figure 0003929254
【0030】
従って、キャパシタ8aの容量C1とインダクタ9aのインダクタンスL1は(2)式の関係を、キャパシタ8bの容量C2とインダクタ9bのインダクタンスL2は(3)式の関係を、それぞれ満たすようにキャパシタ8aおよび8bの容量並びにインダクタ9aおよび9bのインダクタンスを設定する。
【数2】
Figure 0003929254
【0031】
図2の周波数逓倍器のように集中定数回路を用いることによって分布定数線路を用いた場合に比べて周波数逓倍器の回路規模を縮小することができる。また、図2の周波数逓倍器では、全ての分布定数線路(伝送線路7aおよび7b並びに先端開放スタブ6aおよび6b)を集中定数回路に置き換えたが、必ずしも全ての分布定数線路を置き換える必要はなく、置き換えは部分的であってもよい。さらに、先端開放スタブと置き換える集中定数回路は本実施形態に限定されることはなく、先端開放スタブと等価となる集中定数回路であれば他の構成でも構わない。尚、インダクタにはチップインダクタやスパイラルインダクタなどを用い、キャパシタにはチップキャパシタやMIM(Metal Insulator Metal)キャパシタなどを用いるとよい。特に、周波数逓倍器をMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)化する場合には、スパイラルインダクタとMIMキャパシタを用いることが望ましい。
【0032】
また、図1および図2に示した周波数逓倍器において、高周波でも動作可能な非線形素子としてHBTを用いたが、高周波でも動作可能な他の非線形素子、例えばMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)やHEMT(High Electron Mobility Transistor)などを用いてもよい。
【0033】
次に、上述した周波数逓倍器を有する局部発振器を備える通信装置について説明する。送信装置および受信装置の構成としては例えば図5に示すようなものがある。
【0034】
まず、送信装置20から説明する。低周波数の信号であるデータ信号が入力端子21に入力され、入力端子21からミキサ22に送出される。ミキサ22には、局部発振器29が発生する局部発振信号も入力される。
【0035】
局部発振器29は、PLL発振器26と、上述した本発明に係る周波数逓倍器27と、増幅器28とを備えている。PLL発振器26が発振する信号は、周波数逓倍器27によって周波数が逓倍され且つ増幅器28によって増幅されたのち、局部発振信号としてミキサ22に出力される。
【0036】
ミキサ22は局部発振信号とデータ信号とを混合することによりRF信号を作成し次段のバンドパスフィルタ23に出力する。RF信号は、バンドパスフィルタ23によって不要成分が除去され且つ増幅器24により電力増幅されたのちアンテナ25を介して送信される。
【0037】
次に、受信装置40について説明する。アンテナ41から入力された受信信号は、増幅器42によって増幅されたのち、バンドパスフィルタ43によって不要成分が除去され所望波信号のみが選別される。この所望波信号がミキサ44に入力される。また、ミキサ44には局部発振器49が発生する局部発振信号も入力される。
【0038】
局部発振器49は、PLL発振器46と、上述した本発明に係る周波数逓倍器47と、増幅器48とを備えている。PLL発振器46が発振する信号は、周波数逓倍器47によって周波数が逓倍され且つ増幅器48によって増幅されたのち、局部発振信号としてミキサ44に出力される。
【0039】
ミキサ44では局部発振信号と所望波信号とを混合することによりIF信号を作成し出力端子45に出力する。IF信号の周波数は局部発振信号の周波数と所望波信号の周波数との差により決定されるので、ミキサ44が出力するIF信号は常に一定の周波数となる。
【0040】
送信装置20および受信装置40において、PLL発振器の次段に周波数逓倍器を設けることにより、PLL発振器の発振周波数を低くすることができる。これにより、安価で且つ安定した信号を出力するPLL発振器を用いることができる。さらに、周波数逓倍器は上述したように3倍波を抑圧する構成であるので、純度の高い所望送信信号または所望受信信号を得る必要がある場合でも、周波数逓倍器の次段に3倍波除去フィルタ回路を設けずにすむ。これにより、送信装置または受信装置の低コスト化を図ることができるとともに、送信装置または受信装置の大型化を防ぐことができる。
【0041】
さらに、ミキサや増幅器が備える非線形素子の入力側に3倍波を反射する先端開放スタブを設けて、その先端開放スタブと非線形素子とを伝送線路によって接続し、先端開放スタブが反射する3倍波によって非線形素子から出力される3倍波が抑圧されるように伝送線路の線路長を調整するようにしてもよい。また、これら先端開放スタブおよび伝送線路の一部又は全部を等価な集中定数回路に置き換えてもよい。
【0042】
尚、本発明に係る通信装置は、上述した実施形態に限定されることはなく、他の構成の送信装置または受信装置にも適用され、送信と受信の両方が行える送受信装置についても適用することができる。送受信装置の一実施態様としては、図5に示した送信装置20と受信装置40とを合わせ持った構成とする態様が考えられる。この場合、送信に用いる局部発振器が出力する信号の周波数と受信に用いる局部発振器が出力する信号の周波数を同一とすることで、局部発振器を共用化することができ、部品点数を低減することができる。
【0043】
また、上述した実施形態では周波数逓倍器が備える先端開放スタブ6aおよび6b並びに伝送線路7aおよび7bをマイクロストリップ線路としたが、本発明はこれに限定されることなく、他の種類の線路、例えばコプレーナ線路等を用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明の高周波回路によれば、基本波の3倍波を非線形素子に反射する第一の先端開放スタブを非線形素子の入力側に備え、第一の先端開放スタブと非線形素子の入力側とが伝送線路を介して接続され、伝送線路の線路長が基本波の波長の1/48倍〜1/12倍または3/16倍〜1/4倍の範囲内であるようにしているので、第一の先端開放スタブで反射された3倍波と非線形素子内部で発生する3倍波とを非線形素子の内部で逆相合成することができ、高周波回路から出力される3倍波が減少する。これにより、不要波である3倍波の出力を抑圧する高周波回路を実現することができる。
【0045】
また、本発明の高周波回路によれば、上記構成の高周波回路において、第一の先端開放スタブをインダクタおよびキャパシタで集中定数化した等価回路に代えるので、高周波回路の回路面積の縮小を図ることができる。特にスパイラルインダクタとMIMキャパシタを用いると、MMIC化する場合に効果がある。
【0046】
また、本発明の周波数逓倍器によれば、基本波の3倍波を非線形素子に反射する第一の先端開放スタブを非線形素子の入力側に備え、第一の先端開放スタブと非線形素子の入力側とが伝送線路を介して接続され、伝送線路の線路長が基本波の波長の1/48倍〜1/12倍または3/16倍〜1/4倍の範囲内であるようにしているので、第一の先端開放スタブで反射された3倍波と非線形素子内部で発生する3倍波とを非線形素子の内部で逆相合成することができ、周波数逓倍回路から出力される3倍波が減少する。また、第一の先端開放スタブが2倍波に対しても反射源となるため、非線形素子の入力側に帰還した2倍波は第一の先端開放スタブにより一部反射され非線形素子に再入射して2倍波出力の発生に寄与する。さらに、非線形素子が出力する基本波を非線形素子に反射する第二の先端開放スタブを備えるので、基本波は出力されず2倍波が出力される。これにより、従来の周波数逓倍器と同程度の2倍波を出力するとともに、3倍波の出力を抑圧する周波数逓倍器を実現することができる。
【0047】
また、本発明の周波数逓倍器によれば、非線形素子に基本波と同一周波数の信号を出力する第一の整合回路と、非線形素子の出力信号から第一の先端開放スタブによって基本波が除かれた信号を入力する第二の整合回路と、を備えるので、入力信号の入力時および出力信号の出力時においてインピーダンス不整合による効率の低下がない。これにより、周波数逓倍器の出力効率を高くすることができる。
【0050】
また、本発明の周波数逓倍器によれば、上記構成の周波数逓倍器において、第一および第二の先端開放スタブの少なくとも一つをインダクタおよびキャパシタで集中定数化した等価回路に代える並びに/又は伝送線路をインダクタに代えるので、周波数逓倍器の回路面積の縮小を図ることができる。特にスパイラルインダクタとMIMキャパシタを用いると、MMIC化する場合に効果がある。
【0051】
また、本発明によれば、通信装置が上記構成の高周波回路及び/又は上記構成の周波数逓倍器を備えるので、高周波回路及び/又は上記構成の周波数逓倍器の次段に3倍波除去フィルタ回路を設けずにすむ。これにより、通信装置の低コスト化を図ることができるとともに、通信装置の大型化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る周波数逓倍器の構成を示す図である。
【図2】 図1の周波数逓倍器の分布定数回路を集中等価回路に置き換えた形態の周波数逓倍器の構成を示す図である。
【図3】 図1の周波数逓倍器における各成分の出力電力と伝送線路長との関係を示す図である。
【図4】 図1および図6の周波数逓倍器の入出力電力の関係を示す図である。
【図5】 本発明に係る送信装置および受信装置の構成を示す図である。
【図6】 従来の周波数逓倍器の構成を示す図である。
【符号の説明】
3、5 整合回路
4 HBT
6a、6b 先端開放スタブ
7a、7b 伝送線路
8a、8b キャパシタ
9a、9b、10a、10b リアクタ
20 送信装置
22、44 ミキサ
24、42 増幅器
27、47 周波数逓倍器
29、49 増幅器
40 受信装置

Claims (6)

  1. 入力される信号と同一周波数の基本波および該基本波の高調波を出力する非線形素子を備えた高周波回路において、
    前記基本波の3倍波を前記非線形素子に反射する第一の先端開放スタブを前記非線形素子の入力側に備え、前記第一の先端開放スタブと前記非線形素子の入力側とが伝送線路を介して接続され、
    前記伝送線路の線路長前記基本波の波長の1/48倍〜1/12倍または3/16倍〜1/4倍の範囲内とし、
    前記第一の先端開放スタブが反射する前記基本波の3倍波によって前記非線形素子から出力される前記基本波の3倍波が抑圧されることを特徴とする高周波回路。
  2. 請求項1に記載の高周波回路において、前記第一の先端開放スタブをインダクタおよびキャパシタで集中定数化した等価回路に代える並びに/又は前記伝送線路をインダクタに代えることを特徴とする高周波回路。
  3. 請求項1に記載の高周波回路であって、前記非線形素子が出力する基本波を前記非線形素子に反射する第二の先端開放スタブを備える周波数逓倍器。
  4. 前記非線形素子に前記基本波と同一周波数の信号を出力する第一の整合回路と、前記非線形素子の出力信号から前記第二の先端開放スタブによって基本波が除かれた信号を入力する第二の整合回路と、を備える請求項3に記載の周波数逓倍器。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の周波数逓倍器において、前記第一および第二の先端開放スタブの少なくとも一つをインダクタおよびキャパシタで集中定数化した等価回路に代える並びに/又は前記伝送線路をインダクタに代えることを特徴とする周波数逓倍器。
  6. 請求項1若しくは請求項2に記載の高周波回路及び/又は請求項3〜5のいずれかに記載の周波数逓倍器を備えることを特徴とする通信装置。
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