JP3926839B2 - 万能dr−結合性ペプチドを用いる免疫応答の改変 - Google Patents
万能dr−結合性ペプチドを用いる免疫応答の改変 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3926839B2 JP3926839B2 JP50932395A JP50932395A JP3926839B2 JP 3926839 B2 JP3926839 B2 JP 3926839B2 JP 50932395 A JP50932395 A JP 50932395A JP 50932395 A JP50932395 A JP 50932395A JP 3926839 B2 JP3926839 B2 JP 3926839B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- peptide
- universal
- peptides
- binding
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K7/00—Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- C07K7/04—Linear peptides containing only normal peptide links
- C07K7/08—Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/02—Immunomodulators
- A61P37/04—Immunostimulants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/02—Immunomodulators
- A61P37/06—Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/08—Antiallergic agents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/001—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof by chemical synthesis
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/005—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
- C07K14/70503—Immunoglobulin superfamily
- C07K14/70539—MHC-molecules, e.g. HLA-molecules
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2730/00—Reverse transcribing DNA viruses
- C12N2730/00011—Details
- C12N2730/10011—Hepadnaviridae
- C12N2730/10111—Orthohepadnavirus, e.g. hepatitis B virus
- C12N2730/10122—New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S530/00—Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof
- Y10S530/868—Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof involving autoimmunity, allergy, immediate hypersensitivity, delayed hypersensitivity, immunosuppression, or immunotolerance
Description
本願は、引用することで本明細書に組入れる1993年9月14日提出の係属中の米国出願第08/121,101号の一部継続出願である。
本発明は自己免疫疾患、ウィルス性疾患及び癌の如くのいく種かの病理症状を予防、処置又は診断するための組成物及び方法に関する。詳しくは、本発明は選定した主要組織適合性複合体(MHC)分子に結合でき、且つ免疫応答を誘導又は阻害できる新規ペプチドを提供する。
MHC分子はクラスI又はクラスII分子のいづれかに分類される。クラスII MHC分子は専門の抗原表示細胞(APC)、例えばマクロファージ、樹枝状細胞又はB細胞により発現される。このクラスII MHC分子は通常、APCの外部から細胞内(endocytic)経路の中に入り込むタンパク質抗原のプロセシングより誘導されたペプチドフラグメントに結合する。このMHC−ペプチド複合体はCD4+Tヘルパー細胞の精査のために事後的に出現し、そのヘルパー細胞はその後活性化し、増殖し、そして表示されている特定の免疫原性ペプチドに対する免疫応答を増幅する。T細胞の活性化はT細胞レセプターとそのリガンド、即ちMHC分子とペプチド抗原との二分子複合体との結合を必要とする(ShimonkevitzらJ. Immunol. 133, 2067-2074(1984); BabbittらNature 317, 359-361(1985); BuusらCell 47, 1071-1077(1986); Townsend, A., and Bodmer, H., Annu. Rev. Immunol. 7, 601-624)。
T細胞の不適正な活性化はいくつかの免疫病理、例えば自己免疫、同種移植拒絶反応及びアレルギー反応の原因である。典型的な自己免疫疾患にはリウマチ様関節炎、多発性硬化症及び重症筋無力症が挙げられる。T細胞活性化に関与するアレルギー反応には様々な花粉、塵ダニ等に対するアレルギーが含まれる。更に、外来性の感染疾患が免疫病理(例えばライム病、肝炎、LCMV、後発的連鎖球菌性心内膜炎又は糸状体腎炎)を及ぼすことがある。食品過敏症、例えば腹腔症及びクローン病、並びにその他のアレルギー性疾患は、特定のMHCアレルが関係しているか、又は自己免疫成分が伴っていると推定される。
このような症状を処置する最も一般的に利用されている手法は、一般に免疫制御薬剤を利用することによってこの免疫系を抑制することにある。MHCアレルが症状に関係していることで知られるケースのためのその他の手法が提案されており、一定のMHCアレルの選択的遮断が含まれる。しかしながら、多種類のMHC制限が関与している場合、選択的遮断以外の手法を見い出せねばならない。
クラスII分子へのペプチド結合のための条件についての免疫化学的研究が行われている。複数のネズミ及びヒトクラスII MHCアレルの結合性モチーフが特定されており、そして天然にプロセシングされたペプチドの配列決定も様々なクラスIIタイプについて最近発表されている(RudenskyらNature 353, 622-627(1991); ChiczらNature 358, 764-768(1992); HuntらScience 256, 1817-1820(1992); RudenskyらNature 359, 429-431(1992))。
特にDR分子の場合、MHC結合性グループの対応の疎水性ポケットに結合する大型の疎水性アンカーがペプチド−DR相互作用の最も重要な決定基であることが示されている(Brownら、Nature 364, 33-39(1993))。いくつかのその他のアンカーは、明確であるとはいえあまり目立たない役割を果たし、そしてアレル特異性を決定するのを助ける。最近になって、ペプチド分子のC−末端側のペプチド骨格はMHC結合性グループの壁と直接的な水素結合で結合することも強調されている(KriegerらJ. Immunol. 146, 2331-2340(1991)); O'SullivanらJ. Immunol. 146, 1240-1246(1991); 及びO'SullivanらJ. Immunol. 147, 2663-2669(1991)。
MHCアレルのペプチド結合性ポケットに横たわるアレル特異的多形性残基はペプチドの固有のセットに結合する能力を有する各アレルを供与する傾向にあるが、一定のペプチドが複数のMHC特異性体に結合することを示す例が数多くある。このことはヒトDRアイソトープの場合において最もよく述べられているが、それにおいてはいくつかのDRアレルが類似のモチーフを認識するようであることが注目されており、そしてそれとは別に、いく人かの研究者は多数のDRタイプの背景における一定のエピトープの退行性結合及び/又は認識を報告しており、一定のペプチドは「万能」エピトープを表示しうる概念へと導かれている(BuschらInt. Immunol. 2, 443-451(1990); Panina-BordignonらEur. J. Immunol. 19, 2237-2242(1989); SinigagliaらNature 336, 778-780(1988); O'SullivanらJ. Immunol. 147, 2663-2669(1991); RoacheらJ. Immunol. 144, 1849-1856(1991); HillらJ. Immunol. 147, 189-197(1991))。ところで、従来報告されているエピトープはいく種かのDRアレルに結合する能力を有してはいるが、それらは万能ではない。
従って、本発明はDR結合性ペプチド、即ち広域なパターンのDRアレルにより認識される「万能DR結合性ペプチド」を提供する。本発明に従うと、かかる万能DR結合性ペプチドはクラスII制限化T細胞にとっての有能な免疫原として、及び有用なヒトペプチドベース免疫制御剤、ワクチン又は治療剤として利用されうる。
発明の概要
本発明は患者におけるT細胞の活性化を阻害又は誘導する組成物及び方法を提供する。この方法は、薬理学的に許容される担体と、DR座の実質的に全てのアレルによりコードされるMHC分子上の抗原結合性部位に結合する約4〜約20残基のペプチドを含んで成る治療的に有効な投与量の薬理組成物を投与することを含んで成る。これらのペプチドを万能DR結合性ペプチドと呼ぶ。この万能DR結合性ペプチドは免疫病理、例えば自己免疫、同種移植拒絶反応及びアレルギー性反応に関係する免疫応答を阻止するのに利用できうる。
免疫応答を高めるために用いるとき、この万能DRペプチドはTヘルパーペプチドとして作用でき、そしてCTL誘導性ペプチドと一緒に投与してよい。TヘルパーペプチドをCTL誘導性ペプチドと連結してCTL/Lヘルパーペプチドコンジュゲートを形成することができうる。このコンジュゲートを更に改質してよい。例えば、このコンジュゲートはアセチル化、パルミチル化、又は脂肪酸でアシル化する、又は担体に連結してよい。このCTLペプチドはスペーサー分子、例えばAla-Ala-AlaによってTヘルパーペプチドに連結してもよい。他方、万能DRペプチドは抗体応答を強化するのに利用できうる。CTL応答の誘導により、万能DRペプチドは抗体誘導性決定基に連結して、又は混合して投与してよい。
万能DRペプチドは様々な慣習を利用して記述できうる。例えば、好適な万能DRペプチドはペプチドのアミノ末端(R1)からカルボキシ末端(R5)の方向で式R1−R2−R3−R4−R5を有する。尚、アラニン又はリジンが後続するR1はD−アミノ酸であり;R2はシクロヘキシルアラニン、チロシン又はフェニルアラニンであり;R3は3又は4個のアミノ酸であり、それぞれ独立してアラニン、イソロイシン、セリン及びバリンより成る群から選ばれ;R4はスレオニン−ロイシン−リジン、リジン−スレオニン又はトリプトファン−スレオニン−ロイシン−リジンであり;そしてR5はD−アミノ酸が後続する2〜4個のアミノ酸より成り、ここでこの2又は4個のアミノ酸のそれぞれは独立してアラニン、セリン及びバリンより成る群から選ばれる。この式に従うと、より好適な万能DRペプチドは式R1−R2−R3−R4−R5を有し、ここでR1はアラニン又はリジンが後続するD−アラニンであり;R2はシクロヘキシルアラニン又はフェニルアラニンであり;R3は3又は4個のアミノ酸であってそれぞれがアラニン、イソロイシン及びバリンを含んで成る群から選ばれるものであり;R4はスレオニン−ロイシン−リジン、リジン−スレオニン、又はトリプトファン−スレオニン−ロイシン−リジンであり;そしてR5はD−アラニンが後続する2〜4個のアラニンである。
万能DRペプチドは、タンパク質において一般に見い出せるアミノ酸の一文字コードを用いて、そしてD−アミノ酸又は異常なアミノ酸についての記号を表示して記述することもできる。この慣習を利用すると、本発明の好適な万能DRペプチドには以下のものが含まれる:oZXZZZKTZZZZo, oZXZZZZTLKZZo, oZXVZZZTLKZZO, oZXIZZZTLKZZo, oKXVZZWTLKZZo及びoKFVZZWTLKZZo;ここでoはD−アミノ酸、Zはアラニン、セリン又はバリン、Kはリジン、Tはスレオニン、Lはロイシン、WはトリプトファンそしてXはシクロヘキシルアラニン、チロシン又はフェニルアラニンである。最も好適な万能DRペプチドにはaAXAAAKTAAAAa, aAXAAAATLKAAa, aAXVAAATLKAAa, aAXIAAATLKAAa, aKXVAAWTLKAAa及びaKFVAAWTLKAAaが含まれ、ここでaはD−アラニン、Aはアラニン、Xはシクロヘキシルアラニン、Kはリジン、Tはスレオニン、Lはロイシン、Vはバリン、Iはイソロイシン、Wはトリプトファンである。
【図面の簡単な説明】
図1A〜1Fは12人のドナーのうちの3人についての代表的な応答を示す。14回目(第2刺激、図1A,1B,1C)及び28回目(第3刺激、図1D,1E,1F)においてアッセイした、ペプチド965.10(黒四角)、906.09(白四角)、760.50(黒丸)又は破傷風毒素830-843(白丸)のいづれかの添加による0日目に作製したヒトPBMC T細胞系由来の抗原特異的T細胞応答。2回の独立実験の代表を示している。
図2A及び2BはヒトPBMC由来の抗原特異的T細胞応答のまとめを示す。図2Aは第2刺激の結果を示し、そして図2Bは第3刺激の結果を示す。得られた最大Δcpmを縦座標上にプロットした。
図3A−3Fは感作したネズミリンパ節T細胞の増殖能により測定した様々なペプチドエピトープのin vivo免疫原性を示す。C57BL/6Jマウスに20μg/マウス(白三角)、1μg/マウス(黒四角)、50ng/マウス(白四角)、2.5ng/マウス(黒丸)又は0.125ng/マウス(白丸)の、TT 830-843(図3A),Ova 323-336(図3B),HBVc 128-140(図3C),965.10(図3D),1024.03(図3E)及び760.50(図3F)を注射した。10日後、排液しているリンパ節を取り除き、そしてT細胞増殖アッセイを実施例9に記載の通りにして行った。2回の独立実験の代表を示す。
定義
本明細書において利用するオリゴペプチド又はペプチドとは、少なくとも4残基のアミノ酸又は疑似アミノ酸の鎖、好ましくは少なくとも6、より好ましくは8〜10、時折り11〜14残基、そして通常には約30残基未満、より通常には約25未満、そして好ましくは15未満、例えば8〜14残基の鎖を意味する。このオリゴペプチド又はペプチドは様々な長さであってよく、天然(非帯電)形態又は塩の形態であってよく、そして修飾、例えばグリコシル化、側鎖酸化もしくはホスホリル化をされていなくても、又はこれらの修飾を含んでいてもよく、ただしその修飾は本明細書に記載のポリペプチドの生物活性を破壊してしまわないことが条件とされる。
ペプチド、オリゴペプチド又はタンパク質におけるアミノ酸残基に言及するとき、「アミノ酸残基」、「アミノ酸」及び「残基」なる語は同義語として用いており、そして本明細書では、アミド結合又は疑似アミド結合を介して少なくとも1個の別のアミノ酸又は疑似アミノ酸に共有結合しているアミノ酸又は疑似アミノ酸を意味する。
本明細書で用いている語「アミノ酸」は、特定していない限り、「L−アミノ酸」又は「疑似L−アミノ酸」を意味する。
これらのペプチドは好ましくはその他の天然タンパク質及びそのフラグメントを実質的に含まず、一定の態様においてはこれらのペプチドは天然のフラグメント又は粒子に合成的に接合されていてよい。
生物活性とは、適正なMHC分子に結合する能力を意味し、そしてCTL応答を刺激するのに有用なペプチドの場合、Tヘルパー応答を誘導し、それは標的抗原又は疑似抗原に対するCTL応答の誘導を助ける。ペプチド類似体拮抗因子の場合、この類似体はもしそれが天然ペプチドとMHC分子に対する結合について競合するならば生物活性を有するものであり、そしてそれ故T細胞応答を刺激する天然ペプチドの能力を有意に低める。
本発明の「万能DR−結合性ペプチド」は12種の最も一般的なDRアレル(DR1, 2w2b, 2w2a, 3, 4w4, 4w14, 5, 7, 52a, 52b, 52c及び53)のうちの少なくとも約7つに高親和力で結合できるペプチドである。「高親和力」とは、ここでは300nM以下のIC50%で結合することと定義する。
この開示全体にわたり、結果はIC50で表わしている。アッセイを伴う条件を一定にすると(即ち、MHC及びラベル化ペプチド濃度を一定にして)、これらの値はKD値に近づく。IC50値は、アッセイ条件を変えると往々にして劇的に変化し、そして使用した特定の試薬(例えばMHC調製品等)に依存することに注目すべきである。例えば、過剰な濃度のMHCは一定のリガンドの見かけ上の測定されたIC50を高めるであろう。
このような不確実さを避けるための結合性データを表現する別の方法は対照ペプチドに対する相対値である。対照ペプチドは全てのアッセイに含ませる。特定のアッセイが多かれ少なかれ感受性となると、試験するペプチドのIC50は若干変動する。しかしながら、対照ペプチドに対する結合相対値は変動しないであろう。例えば、対照ペプチドのIC50が10倍に増大する条件下で行うアッセイ全てのIC50値も約10倍シフトするであろう。従って、あいまいさを避けるため、ペプチドが良好か、中程度か、弱いか、又はネガティブなバインダーであるかの評価は、標準ペプチドのIC50に対するそのIC50に基づくべきである。
特定のアッセイにおいて測定する標準ペプチドのIC50は表Iに報告しているものとは異なり、従って、良好、中間、弱及びネガティブバインダーを決定するのに利用する域値は対応の因子により変わるであろうことが理解されるべきである。
本発明の「CTL誘導性ペプチド」は、潜在的な標的抗原、例えば腫瘍関連抗原、例えば限定することなく、腎細胞癌腫、乳癌、癌胎児性抗原、黒色腫(MAGE−1)及び前立腺癌特異的抗原、C型肝炎抗原、アプステイン・バー・ウィルス抗原、HIV−1及びHIV−2抗原、並びにパピローマウィルス抗原の選定のエピトープ領域に由来するものである。
「単離された」又は「生物学的に純粋な」なる表現は、天然状態で付随していることが通常見い出されている成分を実質的に又は本質的に含まない物質を意味している。即ち、本発明のペプチドはin situ環境で通常結合している物質、例えば抗原表示細胞上のMHCクラスI分子を含まない。たとえタンパク質が均質又は主要バンドとなるまで単離できたとしても、所望のタンパク質と一緒に精製されてしまった5〜10%の範囲の天然タンパク質の微量來雑物があるものである。本発明の単離されたペプチドはかかる内因性共精製タンパク質を含まない。
「T細胞クローン」なる語は、単一のバージンリンパ球の子孫であり、且つ同一のイムノグロブリン又はT細胞レセプタータンパク質を発現するT細胞のグループを意味する。「バージン」リンパ球なる語は、作用することで本明細書に組入れるStitesら、Basic and Clinical Immunology、第8版、Prentice Hall, Englewood Cliffs, New Jersey(1994)に用いられているのと同じようにここで用いている。
本明細書で用いている「Tヘルパーペプチド」はTヘルパー細胞のT細胞レセプターにより認識されるペプチドを意味する。本発明のTヘルパーペプチドは万能DR結合性ペプチドである。
好適な態様の説明
一の態様において、本発明はヘルパーT細胞の活性化を阻止することによっ免疫応答をブロッキングするための万能DRペプチドの利用に関する。その退行性クラスII結合能を理由に、万能DR結合性ペプチドは同種移植拒絶反応、アレルギー性反応又は自己免疫が関与するT細胞媒介式現象の阻害において治療剤として利用されうる。
他方、この万能DRペプチドは、投与した免疫原に対する免疫応答を高めるため、任意のワクチン製剤におけるアジュバンド成分として有用である。例えば、この万能DR結合性ペプチドをCTL誘導性ペプチドと一緒に投与して、例えばウィルス感染した細胞に対するCTL応答を誘導することができる。他方、この万能DR結合性ペプチドをCTL誘導性ペプチドに接合し、そして投与してCTL応答を誘導することができる。別の態様において、万能DRペプチドを抗体誘導性ペプチドに接合させるか、又は抗体誘導性ペプチドと混合する。特定の決定基に対する抗体応答を高めるためのヘルパーペプチドの利用は例えばHervas-Stubbsら、Vaccineに:867-871(1994)に記載されている。
ペプチド化合物を記述するのに用いる命名法は、各アミノ酸残基のアミノ基を左側に(N−末端)、そしてカルボキシル基を右側に(C−末端)表示する慣習に従っている。アミノ酸の構造式において、各残基は一般に標準の3文字又は1文字記号により表示している。アミノ酸残基のL−型は単一大文字により又は3文字記号の最初の大文字により表わし、そしてそのD−型を有するそのアミノ酸のD−型は単一小文字により又は3文字記号により表わしている。グリシンは不斉炭素原子をもたず、それ故単に「Gly」又はGと表わす。
本発明のペプチドは様々な方法で調製できる。その相対的に短いサイズを理由に、これらのペプチドは慣用の技術に従って溶液中で又は固相支持体上で合成できうる。様々な自動合成装置が市販され、そして既知のプロトコールに従って利用されうる。例えば、Stewart and Young, Solid Phase Peptide Synthesis、第2版、Pierce Chemical Co.(1984)前掲を参照のこと。
他方、組換DNA技術を利用してよく、それにおいては課題の免疫原性ペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクターの中に挿入し、適当な宿主細胞に形質転換又はトランスフェクションし、そして発現にとって適当な条件下で培養する。これらの手順は一般に当業界に公知であり、一般的には引用することで本明細書に組入れるSambrookらのMolecular Cloning, A Laboratory Mannual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York(1982)に記載されている。即ち、本発明の一又は複数種のペプチド配列を含んで成る融合タンパク質を適当なT細胞エピトープを供するために使用してよい。
本明細書で考慮される長さのペプチドをコードする配列は化学的技術、例えばMatteucciら、J. Am. Chem. Soc. 103:3185(1981)のホスホトリエステル法により合成できうるため、修飾は単に天然ペプチド配列をコードするものを適当な(一又は複数の)塩基で置換することによって施すことができる。次にこのコード配列に適当なリンカーを施し、そして当業界においして一般的に入手できる発現ベクターの中にライゲーションし、そしてそのベクターを適当な宿主を形質転換させるのに用いて、所望の融合タンパク質を製造することができる。数多くのかかるベクター及び適当な宿主系が現在入手できる。融合タンパク質の発現のため、このコード配列に作動連結型の開始及び停止コドン、プロモーター及びターミネーター領域を、そして通常は複製系を、所望の細胞宿主の中での発現のための発現ベクターを提供するために施してよい。例えば、細菌宿主に適合性のプロモーター配列を、所望のコード配列の挿入のための慣用の制限部位を含むプラスミドの中に施す。得られる発現ベクターを適当な細菌宿主の中に形質転換させる。むろん、酵母又は哺乳細胞宿主も、適当なベクター及びコントロール配列を用いながら使用してよい。
万能DR−結合性ペプチド
本発明は出発ペプチドの特異性を広げるような修飾の同定のために有用な方法を提供する。例えば、引用することで本明細書に組入れる国際出願W092/02543には、DR分子に結合できるペプチドを同定するのに適当な方法が記載されている。本願は、HLA−DRと特異的に反応するペプチドの起源としてのインフレンザウィルス由来のヘムアルグチニン(「HA」)の利用を述べる。タンパク質の一部を適当なDR分子、例えばDR1, DR4w4又はDR4w14に結合する配列を提供するため、反応性についてスクリーニングする。
選定のMHC分子に結合する抗原又はそのペプチドが同定できたら、抗原又はペプチドの「コア結合性領域」を、例えば重複ペプチドを合成することにより、及び/又はN−末端もしくはC−末端欠乏(トランケーション)もしくは付加を利用することにより決定してよい。コア結合性領域及び臨界接触残基の決定において、単一アミノ酸置換された一連のペプチドを、静電荷、疎水性等の結合能に及ぼす効果を調べるために採用してよい。
コア領域において、「臨界接触部位」、即ち、MHC分子に結合する及びT細胞に対する表示(プレゼンテーション)を阻害する能力を保持するようにそのペプチドの中に存在せねばならない残基(又はその機能同等物)は、単一アミノ酸置換、欠乏又は挿入によって同定される。更に、臨界接触残基の側鎖により供される属性を調べるため特定のアミノ酸(例えばAla)による系統立ったスキャンを行ってもよい。
本質的な接触部位を除いて中性アミノ酸による単一アミノ酸置換に対して比較的鈍感である本発明のペプチドは多重置換を寛容することが見い出された。特に好適な多重置換基は小型の比較的中性な成分、例えばAla, Gly, Pro又は類似の残基である。これらの置換基はホモオリゴマーでもヘテロオリゴマーであってもよい。置換又は付加された残基の数及びタイプは本質的な接触点間の距離及び所望の一定の機能属性(例えば疎水性、対、親水性)に依存する。親ペプチドの親和力に比しての、MHC分子に対する増強した結合親和力は、かかる置換によっても達成されうる。いかなる状況においても、かかる「スペーサー」置換は、結合を妨げうる立体及び電荷障害の如くを避けるためにアミノ酸残基又はその他の分子フラグメントを採用すべきである。
単一アミノ酸置換の効果はD−アミノ酸を用いることによっても調査されうる。かかる置換は公知のペプチド合成手順を利用して行ってよく、例えば引用することで本明細書に組入れるMerrifield, Science 232:341-347(1986), Barany and Merrifield, The Peptides, Gross and Meienhofer, eds. (N.Y., Academic Press), pp. 1-284(1979);及びStewart and Young, Solid Phase Peptide Synthesis, (Rockford, Ill., Pierce), 2d Ed. (1984)に記載されている。
本発明において利用されているペプチドは以下の実施例の章に開示されているペプチドとは、又はCTLペプチドの特定の抗原性タンパク質配列とは、課題の化合物が適当なMHC分子に結合できる、又は標的抗原性タンパク質に対する細胞障害のTリンパ球活性を供することができる限り、同一である必要はない。即ち、当業者は、いくつかの保存性置換をペプチドの活性に実質的に影響を及ぼすことなく施すことができることを認識するであろう。保存性置換は、アミノ酸残基を生物学的及び/又は化学的に類似な別のものに置き換える、例えば一の疎水性残基を別のものに、又は一の極性残基を別のものに置き換えることを含む。
上記の一般手法を利用し、特定MHCアレルに対する結合性モチーフを決定することができる。1又は複数種のアレルに対して高い親和性を示すペプチドの特異性を広げるため、上記の修飾を施し、そして得られるペプチドを結合について更に試験する。特定のMHCアレルに対する有意に強い結合能を示す修飾ペプチドを選べる。この修飾は多少ランダムなふうに施してよい。出発ペプチドに修飾する一の手法は2種以上のアレル由来の結合性モチーフを組合せることにある。
MHCに対する結合にとって重要な側鎖を含むアンカー残基を13残基のポリ−アラニンペプチドの中に挿入する別の手法が利用されうる。この手法はJardetzkyら、Nature 353, 326-329(1990)により利用されており、この者は単一の主要MHC接触残基(Tyr)で修飾されたポリアラニンペプチドが、DR1に対する高い親和結合能を有するペプチドを提供することを実証している。主要MHC接触残基としてチロシンを利用する代わりにシクロヘキシルアラニン又はフェニルアラニンを利用してもよい。これらの残基は、HAペプチドに高親和結合可能なDRアレルに結合することのできるペプチドの能力の点でTyrと互換性があり、そして更にDRβ鎖の中の残基86においてG→V置換を含むMHC分子への結合も可能とする。この変化は、クラスII MHCにおけるB結合性ポケットの結合特異性に、チロシンがもはや有効に結合できなくなるという影響を及ぼすが、シクロヘキシルアラニン及びフェニルアラニンは結合できる。
上記で同定したペプチドの生物活性は様々な系でアッセイできる。一般に、抗原特異的T細胞活性化を阻害する能力を試験する。一の典型的なプロトコールにおいては、過剰のペプチドを既知のMHC発現の抗原表示細胞(例えばDR1)、並びに既知の抗原特異性(例えば破傷風毒830-843)及びMHC制限(再度DR1)のT細胞クローン、更には抗原性ペプチド自体(即ち、破傷風毒素)とインキュベートする。このアッセイ培養物をT細胞増殖にとって十分な時間、例えば4日間インキュベートし、そして増殖を標準の手順により、例えばインキュベーションの最後の18時間の間にトリチウム化チミジンでパルスを付することを利用して測定する。インヒビターを受容していないコントロールと比べての%阻害を次に計算する。
in vitroアッセイにおいて抗原表示を阻害するペプチドの能力は、in vivoで免疫応答を阻害するペプチドの能力に相関する。in vivo活性は動物モデルにおいて、例えばこのペプチドにより認識される特定のMHC分子に限定されることで知られる抗原及び免疫調節性ペプチドを投与することにより決定できうる。次にTリンパ球をその動物から取り出し、そして投与量範囲の抗原と共に培養する。刺激の阻害は慣用の手段、例えば[3H]−チミジンでパルスし、そして適当なコントロールと比較することにより測定される。むろん一定の実験の詳細は当業者に明らかであろう。更に、引用することで本明細書に組入れるAdoriniら、Nature 334, 623-625(1988)を参照のこと。
規定のMHC分子、特にMHCクラスII分子を有する数多くの細胞が公知であり、且つ例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手できる(引用することで本明細書に組入れる「Catalogne of Cell Lines and Hybridomas」第6版(1988), Rockville, Maryland, U.S.A.)。
本発明のペプチドの好適な態様はN−及びC−末端残基の修飾を含んで成る。当業者により理解される通り、N−及びC−末端はそのペプチドの物理的又は化学的性質を変えるため、例えば結合性、安定性、生物有用性、連結のし易さ、等に影響を及ぼすために修飾を施してよい。
様々な擬似アミノ酸又はD−アミノ酸によるペプチドの、例えばN−又はC−末端での修飾は、例えばペプチドのin vivo安定性を高めるうえで有用である。かかるペプチドは「inverso」又は「retro-inverso」形態として、即ち、配列のL−アミノ酸をD−アミノ酸に置き換えることにより、又はアミノ酸配列を反転させ、そしてL−アミノ酸をD−アミノ酸に置き換えることにより、合成できうる。D−ペプチドはペプチダーゼに対して実質的に一層耐性であるため、そしてそれ故血清及び組織の中でそのL−ペプチド対応物よりも安定であるため、生理条件下でのD−ペプチドの安定性は、対応のL−ペプチドに比しての親和力の相違に多大に寄与しうる。更に、置換を有する又は有さないL−アミノ酸含有ペプチドは、抗原性ペプチドのエキソペプチダーゼ破壊を阻害するためにD−アミノ酸でキャップを付してよい。
安定性は様々な方法でアッセイできる。例えば、ペプチダーゼ及び様々な生物学的媒体、例えばヒト血漿及び血清を安定性を試験するために利用できる。例えば、全て引用することで本明細書に組入れる、VerhoefらEur. J. Drug Metab. Pharmacokin. 11, 291-302(1986); WalterらProc. Soc. Exp. Biol. Med. 148, 98-103(1975); WitterらNeuroendocrinology 30, 377-381(1980); VerhoefらJ. Endocrinology 110, 557-562(1986); HandaらEur. J. Pharmacol. 70, 531-540(1981); BizzozeroらEur. J. Biochem. 122, 251-258(1982); Chang, Eur. J. Biochem. 151, 217-224(1985)を参照のこと。
安定性は、D−アミノ酸残基をペプチドのC及びN末端に導入することによっても高まりうる。従来の研究は、in vivo及びin vitroでのL−アミノ酸含有ペプチドの半減期は、血清含有培地の中でインキュベートするとき、D−アミノ酸をそのC及びN末端に導入することによってそのペプチドをエキソペプチダーゼ活性に耐性にすることによってかなり長めることができることを示唆している。
本発明のペプチド又は類似体は一定の残基の順列又は組成を変えることによって修飾でき、ここで生物活性に必須のこの一定のアミノ酸残基、例えば臨界接触部位にあるものは生物活性に有害な影響を及ぼすことなく一般に変えることができないことが容易に理解される。非臨界アミノ酸はタンパク質の中のその天然のもの、例えばL−α−アミノ酸又はそのD−異性体に限定する必要がなく、非タンパク質性アミノ酸、例えばβ−γ−δ−アミノ酸、及びL−α−アミノ酸の誘導体も含まれうる。上記の通り、本発明のペプチドは一般にL−アミノ酸又はD−アミノ酸のいづれかを含んで成るが、コア結合性領域内のD−アミノ酸ではない。
CTLペプチド
CTLペプチドは免疫応答を高めるために本発明の万能ペプチドと一緒に投与できうる。いくつかの抗原性タンパク質由来のCTLエピトープを本発明のコンジュゲートにおいて利用できる。適当な抗原の例には前立腺特異的抗原(PSA)、B型肝炎のコア及び表層抗原(HBVc, HBVs),C型肝炎抗原、アプステイン・バーウィルス抗原、異色腫抗原(例えばMAGE−1)、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)抗原及びヒトパピロマウィルス(HPV)抗原が含まれる。
一定の態様において、本発明のCTLペプチドはHBV表層抗原又はヌクレオカプシドポリペプチド、コア及びプレコア内に由来する。本明細書記載のより好適な態様において、このCTL誘導性ペプチドはHBenv 309-328(ペプチド799.08), HBenv 329-348(ペプチド799.09), HBenv 349-368(ペプチド799.10)の領域、又は領域HBc 91-110(ペプチド802.03)に由来し、ここでその番号付けは、本明細書に引用することで組入れるGalibertら、Nature 281, 646(1979)に従っている。
適当なエピトープを含んで成るCTLペプチドを合成し、次いでMHCクラスI分子に結合するその能力を、例えば精製クラスI分子及び放射性ヨウ素化ペプチド並びに/又はエンプティークラスI分子を発現する細胞を用いて、例えば、免疫蛍光染色及びフローマイクロフルオリメトリー、ペプチド−I依存性クラスI集成アッセイ及びペプチド競合によるCTL認識の阻害を介して、アッセイで試験する。クラスI分子に結合するペプチドを、感染又は免疫個体由来のCTLの標的を担うその能力について、及び潜在的な治療剤としてウィルス感染標的細胞又は腫瘍細胞に作用できるCTL集団を生起しうるin vitro又はin vivo CTL応答を主として誘導するその能力について、更に評価する。
1又は複数のCTLペプチドを、1又は複数の万能DRペプチドと共に混合物として投与してよく、それはペプチド間に非共有結合を含んでいても含んでいなくてもよい。例えば、1又は複数種のペプチドを、ペプチド間の結合を助長するために以下に説明の通りにして脂質付加してよい。他方、これらのペプチドを共有結合させてCTL/万能DRコンジュゲートを形成してよい。
CTLペプチドと万能DRペプチドとの結合を助長するため、追加のアミノ酸をCTLペプチドの末端に付加してよい。この追加の残基は本明細書に記載の理由のため、又はペプチドもしくはオリゴペプチドの物理学的もしくは化学的特性を改変する等のため、担体、支持体又は大きなペプチドにカップリングするのに用いることもできる。アミノ酸、例えばチロシン、システイン、リジン、グルタミン酸又はアスパラギン酸等をペプチド又はオリゴペプチドのC−又はN−末端に導入してよい。更に、このペプチド又はオリゴペプチド配列は天然配列とは、末端−NH2アシル化により、例えばアルカノイル(C1−C20)又はチオグリコリルアセチル化により、末端−カルボキシアミド化により(例えばアンモニア、メチルアミン等による)修飾されていることで相違しうる。ある状況においては、これらの修飾は支持体又はその他の分子への連結のための部位を供しうる。
万能DRペプチドと同様に、本発明のペプチド又はその類似体であってCTL刺激活性を有するものは修飾して、その他の所望の属性、例えば向上した薬理特性を与え、しかも未修飾ペプチドの生物活性の実質的に全てを高める又は少なくとも維持させることができる。例えば、これらのペプチドは、本明細書に開示の配列に由来するペプチドのペプチドアミノ酸配列において、例えばアミノ末端もしくはカルボキシ末端のいづれかでのアミノ酸の付加もしくは欠失、又はその両者により、伸長、短縮又は置換を施すことによって修飾することができうる。通常、CTL刺激性エピトープを実質的に擬態させるつもりの配列部分は、例えば連結もしくはカップリングのし易さ等のためにペプチドの物理又は化学的特性を改変する目的のためにいづれかの末端に追加のアミノ酸を付加してよい箇所を除き、標的抗原性タンパク質の配列とは約20%以上相違しないであろう。このペプチド配列の領域がウィルスのサブタイプ間で多形性であることがわかっている状況では、1又は複数の特定のアミノ酸を変えて、別のウィルス株又はサブタイプの別の細胞障害性T−リンパ球エピトープをより効率的に擬態するようにさせることが所望されうる。
CTLエピトープ、例えばHBV特異的ペプチドを含むものとして本発明により同定されるペプチド配列領域において、ペプチドがその生物活性、即ちウィルス感染細胞又はウィルス抗原を表示する細胞に対するクラスI−制限化細胞障害性T−リンパ球応答を保持することを可能にする残基(又は実質的機能同等物であるもの)がある。これらの残基は単独アミノ酸置換、欠失又は挿入によって同定できる。更に、この残基の側鎖により供されるその役割は特定のアミノ酸(例えばAla)による系統的スキャンを介して検索できる。多重置換を寛容するペプチドは一般に小さく、比較的中性の分子、例えばAla, Gly, Pro又は類似の残基の如くの置換基を含む。置換、付加又は解除してよい残基の数及び種類は本質的なエピトープ点間の間隔と、所望される限定のコンホメーション及び機能属性(例えば、疎水性、対、親水性)とに依存するであろう。所望するなら、CTLに対する表示のためのペプチド類似体のそのMHC分子に対する高い結合親和力もかかる改変によって達し得る。一般に、エピトープ及び/又はコンホメーション上重要な残基間の任意のスペーサー置換、付加又は欠失は、結合の妨げとなりうる量体又は電荷障害を回避するようにアミノ酸又はその他の成分を選ぶべきである。所望の生物活性を保持しながら置換を寛容するペプチドは、万能DRペプチドについて上記した通り、D−アミノ酸含有ペプチドとして合成してもよい。
本発明のペプチドは、ポリマー(多量体)を形成するために連結を介して組合せるか、又は連結抜きで混合物としての組成物の中に配合してよい。同じペプチドを連結させ合うと、それ故ホモポリマーを形成すると、複数の反復エピトープ単位が提供される。ペプチドが異なり合うとき、例えば異なるウィルスサブタイプを表示するカクテル、サブタイプ内の異なり合うエピトープ、異なるHLA制限特異性、又はTヘルパーエピトープを含むペプチドのとき、反復単位を有するヘテロポリマーが提供される。共有結合の他に、分子間及び構造内結合を形成できる非共有結合も考えられる。
コンジュゲートの調製
上記の通り、CTL誘導性ペプチドを万能DR−結合性ペプチドに共有結合させて本発明のコンジュゲートを調製できる。特に好適なCTL誘導性ペプチド/万能結合性コンジュゲートはスペーサー分子によって連結されている。他方、CTLペプチドはスペーサー抜きで万能DR−結合性ペプチドに連結してよい。このスペーサーは一般に比較的小さい、中性分子、例えばアミノ酸又は擬似アミノ酸であって、生理学的条件下で実質的に無荷帯であり、且つ直鎖又は分枝直鎖を有しうるものを含んで成る。これらのスペーサーは一般に、例えばAla, Gly又はその他の非極性アミノ酸もしくは中性極性アミノ酸の中性スペーサーより選ばれる。本明細書における一定の好適な態様において、この中性スペーサーはAlaである。任意的に存在しているスペーサーは同じ残基より成るものでなくてもよいことが理解され、従ってヘテロでもホモオリゴマーでもよい。好ましい典型的なスペーサーはAlaのホモオリゴマーである。存在しているとき、このスペーサーは通常少なくとも1又は2個の残基であり、より通常には3〜6個の残基であろう。別の態様において、この万能DR−結合性ペプチドはCTLペプチドに、好ましくは万能DE−結合性ペプチドをアミノ末端に配置して接合させる。これらのペプチドは中性リンカー、例えばAla-Ala-Ala等により連結されていてよく、そして好ましくは、一般にSer-Ser連結等を介してこのペプチドコンジュゲートのアミノ末端に付加されているLys残基のアルファー及びエプシロンアミノ基に付加されたパルミチン酸等(以下に詳細)((PAM)2Lys)の如くの脂質残基を更に含む。
このCTL誘導性ペプチドは、このCTLペプチドのアミノ又はカルボキシ末端のいづれかにおいて、直接的、又はスペーサーを介して、万能DR−結合性ペプチドに連結してよい。CTL誘導性ペプチド又は万能DR−結合性ペプチドのいづれかのアミノ末端はアシル化してよい。更に、このCTLペプチド/万能DR−結合性コンジュゲートは一定のアルカノイル(C1−C20)脂質にGly, Gly-Gly, Ser, Ser-Serの如くの上記の1又は複数の連結残基を介して連結してよい。
一定の態様において、本発明の薬理組成物の中にCTLの感作を補助する少なくとも一種の成分を含ませることが所望されうる。脂質はウィルス抗原に対してCTLをin vivoで感作することを補助する試薬として同定されている。例えば、パルミチン酸残基をLys残基のアルファー及びエプシロンアミノ基に付加し、次いで例えば1又は複数の連結残基、例えばGly, Gly-Gly, Ser, Ser-Ser、等を介して、免疫原性ペプチドに連結してよい。この脂質付加ペプチド次いでリポソームの中に組込んだミセル形態で、又は不完全フロインドアジュバントの如くのアジュバントの中で乳化して直接注射してよい。好適な態様において、特定の有効な免疫原は、この免疫原のアミノ末端に例えばSer-Serの連結を介して付加されたLysのアルファー及びエプシロンアミノ基に付加されたパルミチン酸を含んで成る。
CTL応答の脂質感作の別の例として、E.コリリポタンパク質、例えばトリパルミトイル−S−グリセリルシステインセリル−セリン(P3CSS)が、適当なペプチドに共有付加されている場合、ウィルス特異的CTLを感作するのに用いられうる。本発明のペプチドは例えばP3CSSにカップリングしてよく、そしてそのリポペプチドを個体に投与して標的抗原に対するCTL応答を特異的に感作することができる。更に、中和抗体の誘導も適当なエピトープを表示するペプチドに接合したP3CSSで感作されるため、感染に対する体液性及び細胞媒介式応答の両者をより効率的に誘引するために2種類の組成物を組合せてよい。
薬理組成物
本発明の万能DR−結合性ペプチド並びにその薬理及びワクチン組成物は予防的及び/又は治療的な目的で哺乳動物、特にヒトに投与してよい。この万能DRペプチドはペプチドと一緒に投与する他の免疫原に対する免疫応答を高めるために使用できる。例えば、CTL/万能DR混合物をウィルス感染症及び癌を処置及び/又は予防するために用いてよい。他方、抗体応答を誘導する免疫原を使用してよい。万能DRペプチド及びその他の免疫原の免疫原性混合物を用いて処置できうる疾患の例には、前立腺癌、B型肝炎、C型肝炎、腎細胞癌腫、頸部癌腫、リンパ腫、CMV及び尖圭コンジロームが含まれる。
この万能DR−結合性ペプチドは不要のT細胞反応性に関与する諸症状を処置するのにも利用できうる。万能DR−結合性ペプチドを用いて処置できる疾患の例には、自己免疫疾患(例えばリウマチ様関節炎、多発性硬化症及び重症筋無力症)、同種移植拒絶反応、アレルギー(例えば花粉アレルギー)、ライム病、肝炎、LCMV、後発的連鎖球菌性心内膜炎又は糸状体腎炎、並びに食品過敏症が含まれる。
治療的用途において、本発明の免疫原性組成物又は万能DR−結合性ペプチドを既に癌、自己免疫疾患に苦しんでいる又は注目のウィルスで感染した個体に投与する。疾患の潜伏期又は急性期にある者を、適宜独立に、又はその他の処置と組合せて、万能DR−結合性ペプチド又は免疫原性コンジュゲートで処置してよい。
治療的用途において、免疫原性組成物を含んで成る組成物を患者に、ウィルスもしくは腫瘍抗原に対する有効なCTL応答を誘引するのに、並びに症状及び/もしくは合併症を治療もしくは少なくとも軽減するのに足りる量で投与する。同様に、万能DR−結合性ペプチドを含んで成る組成物を疾患及びその合併症の症状を治療又は少なくとも部分的に軽減するのに足りる量で投与する。これを成し遂げるのに適度な量を「治療的に有効な量」と定義する。この用途に有効な量は、例えばペプチドの組成、投与の仕方、処置すべき疾患の段階及び症度、患者の体重及び一般健康状態、並びにかかりつけの医師の判断に依存するであろう。
本発明の免疫原性組成物の治療的に有効な量は一般に、70kgの患者につき約1.0μg〜約5000μgのペプチドの初期免疫(即ち、治療的又は予防的投与)に範囲し、それに、患者の血液中のCTL活性を測定することを介して患者の応答及び症状に依存して数週間から数ケ月にわたっての、ブースト療法に応じて約1.0μg〜約1000μgのペプチドのブースト投与が続く。
本発明のDR−結合性ペプチドの治療的有効量は70kgの患者につき1日当り約1.Omg〜約2,000mgのペプチドに一般に範囲し、1日当り約0.5mg〜約1,000mgのペプチドの投与量がより一般的に利用される。
本発明の組成物は重症な疾患状態、即ち、生命を脅かす、又は潜在的に生命を脅かす状況において一般に採用されうることを念頭におかねばならない。かかるケースにおいては、外生物質の最少限化及びコンジュゲートの相対的無毒性の観点で、処置医がこれらの組成物をかなり過剰量で投与することが可能であり、且つ所望すると思うことがある。
予防的用途のためには、投与は疾患の最初の徴候において、又は腫瘍の検査もしくは外科的除去において、又は急性感染症の場合は診断後直ちに開始すべきである。これに、少なくとも症状が実質的に緩和するまで及びその後の一定期間までのブースト投与が続く。慢性感染症においては、負荷投与、それに続くブースト投与が必要でありうる。
本発明の組成物による感染個体の処置は急性感染個体における感染症の治癒を早めうる。慢性感染症の発症し易い(又は予測される)個体については、この組成物は急性から慢性感染症への移行を防ぐための方法において特に有効である。感染症以前に、又はその最中に、このかかり易い個体が例えば、上記の通りに同定できたとき、この組成物はそれらの者を狙いとし、大集団への投与の必要性を最少限とすることができる。
このペプチド混合物又はコンジュゲートは慢性感染症の処置のため、及びキャリヤーにおけるウィルス感染細胞を排除するように免疫系を刺激するためにも利用してよい。免疫増強量のペプチドを製剤に配合すること及び細胞障害性T細胞応答を有効に刺激するに足りる投与態様が重要である。即ち、慢性感染症の処置のためには、代表的な投与量は、1日の投与につき、70kgの患者当り、約1.0μg〜約5000μg、好ましくは約5μg〜1000μgの範囲である。免疫投与、それに続く確立した間隔、例えば1〜4週間でのブースト投与が、個体を有効に免疫するための長期間のためにおそらく必要とされうる。慢性感染症の場合、投与は少なくとも臨床症状又は実験検査がウィルス感染症が消えたか、又は実質的に緩和したことを示すまで続け、更にその後一定期間続ける。
治療的処置のための薬理組成物は非経口、局所、経口又は局部投与を意図する。好ましくは、この薬理組成物は非経口的に、例えば静脈内的に、皮下的に、経皮的に又は筋肉内的に投与する。即ち、本発明は許容担体、好ましくは水性担体に溶解又は懸濁されたペプチド又はコンジュゲート溶液を含んで成る非経口投与用組成物を提供する。様々な水性担体、例えば水、緩衝水、0.9%の食塩水、0.3%のグリシン、ヒアルロン酸等を使用してよい。これらの組成物は慣用の公知の減菌技術により除菌するか、又は濾過除菌してよい。得られる水性溶液はそのまま使用するために包装するか、又は凍結乾燥してよい。凍結乾燥調製品は投与の前に無菌溶液と組合せてよい。この組成物は薬理学的に許容される補助物質を、例えばpH調整剤及び緩衝剤、等張性調整剤、湿潤剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート等を、生理学的条件に近づけるのに必要なだけ含んでよい。
薬理製剤中の本発明の万能DR及び/又はCTL刺激性ペプチドの濃度は幅広く変えてよく、即ち約0.1%の少なさから、通常には約2%で、又は少なくとも約2%から20%〜50%ほどの多さで(重量)変えてよく、そして主として流体容積、粘度等により、選定した特定の投与態様に応じて選ばれるであろう。
本発明のペプチド及びコンジュゲートはリポソームを介して投与してもよく、リポソームはこのコンジュゲートが特定の組織、例えばリンパ組織を標的とすることを担うか又は感染細胞を特異的に標的とするようにさせ、更にペプチド組成物の半減期を長める。リポソームには、エマルション、フォーム、ミセル、可溶性単層、液晶、リン脂質分散体、多重層等が含まれる。これらの調製品において、導入すべきペプチドは、単独で、又は例えばリンパ球にわたって広がっているレセプターに結合する分子、例えばCD45抗原に結合するモノクローナル抗体と一緒に、又はその他の治療的もしくは免疫原性組成物と一緒にリポソームの一部として組込む。即ち、本発明の所望のペプチド又はコンジュゲートで充填したリポソームはリンパ球の部位であって、そこでリポソームが選定の治療/免疫原性ペプチド組成物を導入する箇所にまで誘導することができる。本発明において使用するためのリポソームは標準の小胞体形成用脂質から形成し、それは一般に中性及び負帯電リン脂質並びにステロール、例えばコレステロールを含む。脂質の選定は一般に、例えばリポソームのサイズ、酸不安定性及び血液中でのリポソームの安定性の所見により導かれる。リポソームを調製するために様々な方法が有用であり、例えばSzokaらAnn. Rev. Biophys. Bioeng. 9, 467(1980)米国特許第4,235,871; 4,501,728; 4,837,028;及び5,019,369、に記載され、これらは引用することで本明細書に組入れる。
免疫細胞を標的とするためにリポソームの中に含ませるリガンドには、例えば所望の免疫系細胞の細胞表層決定基に特異的な抗体又はそのフラグメントが含まれうる。ペプチド又はコンジュゲートを含むリポソーム懸濁物を静脈内的に、局部的に、局所的に、等で、とりわけ投与のし方、導入すべきコンジュゲート及び処置すべき疾患の段階に応じて変わる投与量で投与してよい。
固形組成物のためには、慣用の無毒な固形担体、例えば薬理級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等を使用してよい。経口投与のためには、薬理学的に許容される無毒な組成物は、任意の通常利用されている賦形剤、例えば先に挙げた担体と、一般に10〜95%、そしてより好ましくは25〜75%の濃度の活性成分、即ち、本発明の1又は複数種のコンジュゲートとを組込むことによって形成する。
エアゾール投与のためには、これらのペプチドは好ましくは界面活性剤及び噴射剤を伴って細断形態で供給される。コンジュゲートの典型的なパーセンテージは0.01〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。この界面活性剤はむろん無毒でなくてはならず、そして好ましくは噴射剤の中で可溶性である。代表的なかかる試薬は6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸、例えばカプロン酸、オクタノン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレイン酸、リノール酸、オレステリン酸及びオレイン酸と、脂肪族多価アルコールとのエステル又は半エステル、又は環状無水物である。複合エステル、例えば複合又は天然グリセリドを採用してよい。この界面活性剤はこの組成物の0.1〜20重量%、好ましくは0.25〜5重量%を占めうる。この組成物の残りは通常噴射剤とする。所望するなら担体を、例えば鼻口導入用のレシチンと共に含ませてよい。
別の観点において、本発明はワクチンに向けられ、これは活性成分として、本明細書記載の免疫原性万能DRペプチド又はCTL/万能DRペプチドコンジュゲートを免疫学的に有効な量で含む。このコンジュゲートは、ホスト、例えばヒトに、それ自体の担体に結合させて、又は活性ペプチド単位のホモポリマーもしくはヘテロポリマーとして導入してよい。かかるポリマーは高められた免疫学的反応の利点を有し、そしてそのポリマーを作るのに種々のペプチドを使用するとき、ウィルスは腫瘍細胞の種々の抗原決定基と反応する抗体及び/又はCTLを誘導する追加の能力を有する。有用な担体は当業界に公知であり、そして例えばチログロブリン、アルブミン、例えば牛血清アルブミン、破傷風毒素、ボリアミノ酸、例えばポリ(リジン:グルタミン酸)、B型肝炎ウィルスコアタンパク質、B型肝炎ウィルス組換ワクチン等が含まれる。このワクチンは生理学的に寛容される(許容される)希釈液、例えば水、リン酸緩衝食塩水、又は食塩水をも含み、そして更に一般にはアジュバントを含む。アジュバント、例えば不完全フロインドアジュバント、リン酸素アルミニウム、水酸化アルミニウム又はみょうばんは当業界に公知の材料である。また、前述の通り、CTL応答は本発明のペプチドを脂質、例えばP3CSSに接合することによって感作することができる。本明細書記載のペプチド組成物による、注射、エアゾール、経口、経皮又はその他のルートを介する免疫により、ホストの免疫系は、所望の抗原に特異的な大量のCTLを生産することによってそのワクチンに応答し、そしてそのホストは事後感染に対して少なくともある程度免疫されるか、又は慢性感染症の発症に耐える。
本発明の万能DRペプチドを含むワクチン組成物は、疾患、例えばウィルス感染症又は癌にかかり易い又はその危険性のある患者に、抗原に対する免疫応答を誘引し、それ故患者自身の免疫応答能力を高めるために投与する。かかる量は「免疫学的に有効な投与量」と定義する。この用途において、正確な量は、ここでも患者の健康状態及び体重、投与の態様、製剤の種類等に応じるか、70kgの患者当り約1.0μg〜約5000μg、より一般には70kgの体重当り約10μg〜約500μgが一般の範囲である。
ある状況におていは、本発明のペプチドワクチンを、注目のウィルス、特にウィルスエンベロープ抗原に対する中和抗体応答を誘導するワクチンと組合せることが所望されうる。
治療的又は免疫の目的のため、本発明のペプチドは衰弱したウィスル性宿主、例えば痘疹又は鶏痘により発現させてもよい。この手法は、痘疹ウィルスを、本発明のペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現するベクターとして利用することを含む。急性もしくは慢性的に感染したホストに、又は非感染ホストに導入することにより、この組換痘疹ウィルスは免疫原性ペプチドを発現し、それ故ホストのCTL応答を誘引する。免疫プロトコールに有用な痘疹ベクター及び方法は例えば引用することで本明細書に組入れる米国特許第4,722,848号に記載されている。他のベクターはBCG(バチル・カルメッテ−グエリン)(Bacille Calmette Guerin)である。BCGベクターはStoverら、Nature 351, 456-460(1991)に記載されている。本発明のペプチドの治療的投与又は免疫のために有用な多種多様なその他のベクター、例えばサルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)ベクター等は、本明細書の記載から当業者にとって明らかであろう。
抗原性コンジュゲートはCTLをex vivoで誘引するためにも利用できる。得られるCTLは、その他の慣用治療形態に応答しない、又はペプチドワクチン治療手法に応答しないであろう患者の慢性感染症(ウィルス性又は細菌性)もしくは腫瘍を処置するのに利用できる。特定の病原体(感染性因子又は腫瘍抗原)に対して応答するex vivo CTL応答は、組織培養物の中で、患者のCTL前駆細胞(CTLp)を抗原表示細胞(APC)及び適当な免疫原性ペプチドと一緒にインキュベートすることによって誘導する。CTLpが活性化し、そして成熟してエフェクターCTLへと増殖するのに適当なインキュベーション時間の後(一般に1〜4週間)、その細胞を患者に戻し、そこでそれらは特定の標的細胞(感染細胞又は腫瘍細胞)を破壊するであろう。
本発明のペプチドはモノクローナル抗体を作るのにも利用できる。かかる抗体は潜在的な診断又は治療剤として有用でありうる。
これらのペプチドは診断試薬としても有用でありうる。例えば、本発明のペプチドはこのペプチド又は関連のペプチドを利用する処置療法に対する特定の個体の感受性を決定するのに利用でき、それ故現存の処置プロトコールを改良する又は冒された個体の予後を決定するのに役立ちうる。更に、このペプチドは慢性感染症を発症するかなりの危険性を有する個体を診察するのにも利用できうる。
以下の実施例は例示のために提供し、限定を意図しない。
実施例
実施例1
実験手順
I.細胞系及びMHC精製
様々な細胞系を精製ヒト及びマウスクラスII分子の起源として用いた。ヒトHLAクラスI LL分子の起源として、以下のアプステイン・バー・ウィルス(EBV)形質転換ホモ接合細胞系を用いた:(ValliらJ. Clin. Invest. 91, 616-628, 1993): LG2[DB1*0101](DR1); 3107[DRB1*1501(DR2w2b)]; MAT[DRB1*0301(DR3)]; PREISS[DRB1*0401(DR4)]; BIN40[DRB1*0404(DRw14)]; SWEIG[DRB1*11011(DR5)]; RITOUT[DRB1*0701(DR7)]; PF[DQA1*0301/DQB1*0301(DQ3.1)。ある状況においては、トランスフェクション化繊維芽細胞を使用した:L416.3[DRB5*0101(DR2w2a)]; TR81.19[DRB3*0101(DR52a)];及びL257.6[DRB4*0101(DRw53)。マウスクラスII分子のためには、以下の細胞系を使用した:A20(IAd, IEd)(SetteらScience 258, 1801-1804, 1992); CH12(IAk, IEk)(Setteら1992);LS102.9(IAs)(WallらInt. Imm. 4, 773-777, 1992);及びDB27.4(IAb)(WallらJ. Immuno. 152:4526-4536, 1994)。
II.MHC分子の精製
MHC分子を本質的に述べられている通りに精製した。(Gorgaら、J. Biol. Chem. 262, 16087-16094(1987))。簡単に述べると、ヒトクラスII分子をLB3.1(全DR, Valliら、J. Clin. Invest. 91, 616-628(1993))又はIVD12(DQ3.1 Sidneyら、J. Immunol. 152, 4516-4525(1994))モノクローナル抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。マウスクラスII分子はMKD6(IAd, SetteらScience 258, 1801-1804(1992)); 10.3.6(IAk, Setteら前掲); 14.44(IEd及びIEk,Setteら前掲);及びY3JP(IAs,WallらInt. Immunol. 4, 773-777(1992))モノクローナル抗体の利用により精製した。
III.ペプチド合成
ペプチドを、Applied Biosystems(Foster City, CA)430Aペプチド合成装置で、標準Fmocカップリングサイクル(ソフトウェア・バージョン1.40)を用い、N−α−Fmoc−保護化アミノ酸の逐次カップリングにより合成した。全てのアミノ酸、試薬及び樹脂はApplied Biosystems 又はNova Biochem (San Diego, CA)より獲得した。溶媒はBurdick & Jacksonより獲得した。固相合成を適当に置換したFmoc−アミノ酸−Wang樹脂より開始した。出発樹脂の装填量は0.5〜0.7mmol/gのポリスチレンとして、そして各合成において0.1又は0.25meqを使用した。一般の反応サイクルは以下の通りに進行した:N−末端Fmoc基をジメチルホルムアミド(DMF)中の25%のピペリジンで5分かけて除去し、次いで更にDMF中の25%溶液で15分処理した。その樹脂をDMFで5回洗った。その樹脂に4〜10倍過剰量の予め形成しておいた適当なFmoc−アミノ酸の1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルのN−メチルピロリドン(NMP)溶液を加え、そしてその混合物を30〜90min反応させた。その樹脂を、次の伸長サイクルの準備のためにDMFで洗った。完全に保護した樹脂結合型ペプチドをピペリジンサイクルにかけて末端Fmoc基を外した。その生成物をジクロロメタンで洗い、そして乾かした。その樹脂を次に適当なスキャベンジャーの存在下で[例えば水中で5%(V/V)]トリフルオロ酢酸によって20℃で60min処理した。過剰のトリフルオロ酢酸の蒸発後、粗ペプチドをジエチルエーテルで洗い、水に溶かし、そして凍結乾燥した。そのペプチドを逆相HPCLにより、0.8%のTFA改質剤を含むH20/CH3CN勾配を利用し、Vydac 300A孔サイズC−18調製用カラムで>95%の均質度にまで精製した。合成ペプチドの純度を分析用逆相カラムでアッセイし、そしてその組成をアミノ酸分析及び/又は配列決定により確認した。この合成手順に用いたシクロヘキシルアラニンはNova Biochem (San Diego, CA)より購入した。パルミチル化ペプチドは、ペプチドを切断する前に樹脂の上にパルミチン酸をカップリングすることによって作った。カップリングは対称無水物法、即ち、ジクロロメタン中での2倍過剰量のパルミチン酸と1倍量のジイソプロプルカルボジイミドにより成し遂げた。
IV.MHCペプチド結合性アッセイ
精製マウス又はヒトクラスII分子(5〜500nM)を、プロテアーゼ混合物の存在下で5%のDMSOを含むPBSの中で48時間5nMの125I−放射性ラベル化ペプチドとインキュベートした。精製ペプチドをクロラミン−T法(Buusら、Science 235, 1353-1358(1987))を利用してヨウ素化した。プロテアーゼインヒビターの最終濃度は以下の通りにした:1nMのPMSF, 1.3nMの1,10フェナントロロン、73μMのペプスタチンA、8mMのEDTA, 6mMのN−エチルマレイミド及び200μMのNa−p−トシル−L−リジンクロロメチルケトン。インキュベーション混合物中の最終界面活性剤濃度は2.6%のジジトニン(1Ad及び1Ak)又は0.05%のNP−40(他の全てのクラスII分子)とした。クラスII−ペプチド複合体をSephadex G−50又はTKS 2000カラムでのゲル濾過により遊離ペプチドから分け、そしてペプチド結合画分を既に述べられている通りにして計算した(Setteら、J. Immunol. 142, 35-40(1989))。先の実験において、各DR調製品を一定量の放射性ラベル化ペプチドの存在下で力価検定して、全放射能の10〜20%が結合するのに必要なクラスII分子の濃度を決定した。全ての事後阻害及び直接結合アッセイをこのクラスIIの濃度を用いて行った。阻害アッセイにおいて、阻害ペプチドは一般に120μg/ml〜1.2ng/mlの範囲の濃度で試験した。このデータをプロットし、そして50%の阻害を生み出す投与量を測定した。各ペプチドは2〜4回の完全に独立した実験で試験した。
本明細書で用いている通り、<50nMでの結合は高親和力を成し、そして50〜500nMでの結合は中程度の親和力を成す。
V.DR制限化ペプチド表示の阻害
MHCの抗原表示機能をブロックするペプチドの能力は、適当なDRタイプのマイトマイシンC−処理EBV細胞(5×104/ウェル)を、10%のヒト血清(Gemini Bioproducts, Inc., Calabasas, CA)を含む完全培地中のRPMI 1640(Bio Whittaker)中のインヒビターペプチドとインキュベートすることによりアッセイした。このインヒビターペプチドを96穴U底プレート(Costar, Cambridge, MA)の中で150μg/mlの濃度で出発して1/4希釈系列でルーチン的に力価検定した。インヒビターペプチドと共に、アッセイウェルに最適濃度に至らない濃度のHA 307-319ペプチド(DR1, DR4w4, DR5, DR526)もしくはHA 307-319, Y309>F(DR4w14)、又はLol P1 171-190(DR3)(Sidneyら、J. Immunol. 149, 2634-2640(1992))を加え、それらは、インヒビターペプチド抜きで、最大増殖応答の30〜50%をもたらした。この濃度は通常50〜200ng/mlであった。APCをペプチドと37℃で2hr5%のC02インキュベーターの中でインキュベーション後、2×104個のT細胞を各ウェルに加えた。使用したT細胞クローンはCl 1[DR1及びDR52b(KriegerらJ. Immunol. 146, 2331-2340(1991))]; クローン42.19(DRw14); クローンJK 1(DR5);及び系132-132(DR3)とした。T細胞の増殖を3日後に測定した。簡単には、T細胞添加の24時間、[3H]チミジン(1μCi/ウェル)(ICN, Irvine, CA)を各ウェルに加え、最終の18hrインキュベーションを行った。細胞をガラスファイバーフィルター(LKB Wallac細胞ハーバスター1295-001, LKB, Gaithersburg, MD)で回収し、そしてチミジンの取り込みを測定した(LKBベータプレートカウンター)。増殖応答の50%を阻害するのに必要なインヒビターペプチドの各投与量について抗原表示の%阻害を計算した。
実施例2
「万能」ペプチドエピトープのDR結合特異性
いく種かのネズミ及びヒトクラスII MHCアレルの結合性モチーフが決定されており、そして天然プロセシングされたペプチドの配列決定によるモチーフ分析も様々なクラスIIタイプについて最近述べられている(RudenskyらNature 353, 622-627(1991); ChiczらNature 358, 764-768(1992); HuntらScience 256, 1817-1820(1992); RudenskyらNature 359, 429-431(1992))。
特にDR分子の場合、MHC結合性グループの対応の疎水性ポケットに結合する大型の疎水アンカーがペプチド−DR相互作用の最重要決定基であることが示されている(Brownら、Nature 364, 33-39(1993))。いくつかのその他のアンカーは、明確ではあるがあまり目立たない役割を果たし、そしてアレル特異性を決定するのに役立つ。最近、ペプチド分子のC−末端側のペプチド骨格がMHC結合性グループの壁に直接水素結合で結合していることも強調されている。
MHCアレルのペプチド結合性ポケットに横たわるアレル特異的多形性残基はペプチドの固有のセットに結合する能力を有する各アレルを供与する傾向にあるが、一定のペプチドが複数のMHC特異性体に結合することを示す例が数多くある。このことはヒトDRアイソトープの場合において最もよく述べられているが、それにおいてはいくつかのDRアレルが類似のモチーフを認識するようであることが既に注目されており、そしてそれとは別に、いく人かの研究者は多数のDRタイプに関する一定のエピトープの退行性結合及び/又は認識を報告しており、一定のペプチドは「万能」エピトープを表示しうる概念へと導かれている(BuschらInt. Immunol. 2, 443-451(1990); Panina-BordignonらEur. J. Immunol. 19, 2237-2242(1989); SinigagliaらNature 336, 778-780(1988); O'SullivanらJ. Immunol. 147, 2663-2669(1991)RoacheらJ. Immunol. 144, 1849-1856(1991); HillらJ. Immunol. 147, 189-197(1991))。
複数のDR分子(HA307-319, TT830-843, CS378-398, MT17-31及びHBVnc50-69)に結合できる先に記載のDR結合はペプチドのDR結合能を実施例I V章に記載のアッセイを利用して調べた。得られるデーター(表II、A章)は、これらのペプチドが試験したいくつかのDR分子に結合できるにもかかわらず、それらは他のものと結合できないことを示した。例えば、HL307-319はDR1, DR4w4, DR5, DR7及びDR2w2aに高(<50nM)又は中(50〜500mM)の親和力で結合した;しかしながら、残りの4種のDR特異性体については結合は検出不能であった。HBVnc50-69は試験した10のDRのうちの5つにも高又は中親和力をもって結合した(DR1, DR2w2b, DR4w4, DR5及びDR2w2a)。TT830-843及びCS378-398は試験した10のDR分子のうち4つに高又は中親和力をもって結合し(それぞれDR1, DR5, DR7, DR2w2a及びDR1, DR4w4, DR5, DR7)、そしてMT17-31は10種のDRのうちの3っに高又は中親和力をもって結合した。
まとめると、このような既に述べられている「万能」エピトープは複数のDRタイプに結合するが、これらはその結合能において、試験したDR特異性の最大50%が一定のペプチドと、高いから中程度に至るまでの親和力をもって結合する点で、完全に交差反応性ではない。
実施例3
多重DRアレル760.50及び760.57に対する高親和力を有するペプチドの開発
リウマチ様関節炎に関与するDRアレルDR1, DR4w4及びDR4w14に対して高親和力で結合できるいくつかのペプチドを作った。これらのペプチドを作るため、我々はJardetzkyら、EMBO J. 9:1797-1803(1990)に最初に述べられている手法を利用した。それにおいては、MHCに対する結合に重要な側鎖を含むアンカー残基を13残基のポリ−アラニンペプチドに挿入した。かかる2つのペプチド760.50及び760.57は係属親出願08/121,101号に記載されており、そしてその広域DR結合特異性に関して非常に興味深い。10種の精製DR分子のパネルに対する結合能を試験したとき、一般に、これらのペプチドは上記の天然「万能」エピトープ(表II、B章)よりも強い親和力及び広い特異性をもって結合することが見い出された。760.50も760.57も完全に交差反応性であり、なぜならほんのわずかな親和結合能しか分析した10のアレルのうち4つにおいて検出されなかったからである(DR2w2b, DR3, DR52a及びDRw53)。
実施例4
多重DRアレル906.09及び906.11に対する高親和力を有するペプチドの開発
特異性を更に広げるため、V又はIが760.57ペプチドの4位に導入されている906.09及び906.11ペプチドを合成した。表II、C章に示す通り、906.09及び906.11ペプチドは共にDR1, DR2w2a, DR4, DR5及びDR7に対する良好な結合親和力を保持していた(0.3〜80nMの範囲)。更に、分子DR2w2b, DR3, DR52a及びDRw53に対する結合能(760.50及び760.57に比して)は有意に向上し(10〜25倍)、20〜1200nMの範囲のIC50%であった。即ち、試験した10のDR特異性体のうちの9つがこれらのペプチドに高又は中程度の親和力をもって結合し、そして1つのDR52aは弱く結合した。
まとめると、これらのデーターは、全てではないにしてもほとんどのDRアレルに対して高親和力をもって結合するペプチドの開発を例証した。様々なDR分子間でのこの広域交差反応性を理由に、我々は906.09及び906.11ペプチドが万能DR結合性ペプチドであると決定した。
実施例5
万能DR結合性ペプチドはDQ3.1及びマウスクラスII分子にも結合する
この万能結合性ペプチドがその他のヒトクラスIIアイソトープ又は非ヒトクラスII分子にも結合できるかを決定するアッセイを行った。より詳しくは、DQ3.1及びいくつかのマウスクラスII特異性体に対する万能DR結合性ペプチドの結合能を決定し、表IIIに示す。参照目的のため、従来述べられているマウスクラスIIエピトープの結合親和力も表III,A章に示す。これら従来述べられているエピトープ全てはその対応の制限要素と20〜400mMでの高又は中程度の親和力をもって結合する。一般に、760系列のペプチド(表III,B章)は試験した6つのアレルのうちの5つ(IAb, IAd, IEd, IAs, IEk)に、80〜700nMの範囲で、中程度の親和力をもって結合する。興味深いことに、906系列のペプチド(表III,C章)は、上記のアレルの場合は10〜100nMの範囲で有意に高い親和力をもって結合し、そして906.11もIAkに対して中程度の親和力をもって結合する。DQ3.1に対する結合性については、760.50, 760.57, 906.09及び906.11の全てが、精製DQ3.1分子に対して比較的高親和力をもって結合する(30〜120nMの範囲)ことが見い出された。
コントロールとして、ヒトクラスI分子に対する760及び906ペプチドの結合能も調べた。精製HLA−A1,−A2.1,−A3,−A11及び−A24分子に対しては、10μMに至るまで、結合は認められなかった(データーは示さず)。まとめると、これらのデーターは、906系列のペプチドが万能クラスII(クラスIではない)MHC結合性ペプチドであることを示唆する。
実施例6
万能DRバインダーによるT細胞増殖の阻害
退縮性クラスII結合能を理由に、万能DRバインダーは同種移植拒絶反応、アレルギー反応又は自己免疫にかかわるT細胞媒介現象の阻害における治療剤としての候補である。従って、抗原−特異的in vitro T細胞増殖応答をブロックするこれらのペプチドの能力を評価した。実施例1、段落(V)に記載の抗原表示アッセイの阻害をこの評価を行うために利用した。
そのMHC結合能を保つため、これらのペプチドは少なくとも6種のDR分子により制限されるヒトT細胞の増殖応答の有能なインヒビターであることが見い出された(表IV)。より詳しくは、DR1, DR4w4, DR4w14, DR5に対する高結合親和力を有するペプチド760.50及び760.57は、これらのアレルにより制限されるT細胞増殖を1.0〜25μmの範囲のIC50%で阻害した。一方、これらのペプチドはDR3分子には2.5〜6.5μMの範囲で弱く結合し、従って、DR3制限化T細胞活性は弱く阻害されるか(760.57については220μMのIC50%)又は全く阻害されなかった(760.50については>250μMのIC50%)。
906.09及び906.11ペプチドはDR1, DR4w4, DR4w14及びDR5応答もかなり効果的に阻害した(0.5〜15μMの範囲のIC50%)。予測通り、中程度のDR3結合能を有する906類似体は、30〜60μMの範囲のIC50%をもって、DR3制限化抗原表示も阻害できる。
同じ組の実験で、我々は760及び906ペプチドを、DR52b制限化応答を阻害する能力についても試験した。この実験は我々にとって非常に関心がもたられ、なぜなら我々はいままでにDR52b分子に対するペプチド結合能を測定するための分子結合性アッセイを開発することができなかったからである。得られるデーターは、906.09及び906.11ペプチドの両者が、1〜2μMの範囲の良好なIC50%でDR52b分子との関係におけるHA 307-319クローン1の表示を阻害することを実証し、それ故、これらのペプチドの万能DR結合能は11番目のアレルにまで広がる。
最後に、これらのペプチドはポリクローナルマイトジェンPHAに応答するHA特異的DR制限化T細胞クローンの増殖を阻害できず、そしてまたペプチドを事後的に(同時ではなく)抗原性刺激体(データーは示さず)に加える最近述べられているT細胞拮抗因子アッセイ(DeMagistrisら、Cell 68, 525-634(1992))において阻害できなかった。これらの発見は、上記の結果が760又は906ペプチドのある種の非特異的細胞障害性に原因しうる可能性を排除する。
実施例7
広域反応性クラスII結合性ペプチドの修飾による万能DR T細胞エピトープの作製
万能DR結合性ペプチドの様々なタイプの応用、即ち、体液性及び細胞障害応答の両方を助けることのできる万能DR制限化Tヘルパーエピトープを作るためのこれらのペプチドの利用も考えられる。万能DR結合性ペプチドの中の潜在的なTCR接触残基は全てアラニンであるため、そのメチル側鎖が関与できる限られた相互作用に基づき、よりかさ高い疎水性の帯電した残基の導入は、T細胞レセプターとの相互作用の傾向を向上させ、それ故その免疫原性を高めうることが推定される。
この論義に沿って、我々は更に906.09万能ペプチドを修飾した。いくつかの類似体を、HA307-319ペプチドの事前分析に基づき潜在的なTCR接触残基であるとされる2.5及び7位でのかさ高い又は帯電した側鎖基の導入により作った。一方、DR結合能を左右することのわかっている位置(3,4,8,9及び11)はそのままとした。更に、3位においてシクロヘキシルアラニンの代わりに天然アミノ酸Pheを抱える類似体も作った。次いでこれらのペプチドを多重DRアレルに結合する能力を保持しているかを試験し、そしてDR結合能が有意に低下していないペプチドを免疫応答を誘導するその能力について試験した。最良の2つのペプチド965.10及び1024.03由来のデーターを以下に説明する。
これら2つのペプチドをHLA DR及びネズミIa結合能について試験すると(表II,D章及び表III,D章)、一般に、それらはほとんどのDRアレルに対する、親ペプチド906.09に係る強い結合能及び広域反応性を保持していることが見い出された。その例外は、DR3に弱くしか結合せず(1470nM)、しかもDRw53に対して高親和力でなく中程度の親和力(420nM)で結合する1024.03により代表される。また、965.10及び1024.03ペプチドは試験したネズミクラスII分子のほとんどに対して非常に弱まった結合能を示した。ところで、IAbアレルに対しては良好な結合能が保持され、従ってこれらのペプチドのin vivo免疫原性を試験するのにH−2bマウスを使用することを可能とした(以下参照)。最後、両ペプチドの良好なDQ3.1結合能(25mMの範囲)も保持されていた。
実施例8
万能DR結合性ペプチドのin vitro免疫原性
万能DRエピトープ965.10を、その2つの子孫ペプチド906.09及び760.50並びに従来述べられている天然エピトープTT 830-843と一緒に、正常個体由来のPBMCにおけるin vitro T細胞応答を刺激するその能力について比較した。利用したプロトコールは、自己APC及びペプチド抗原によるPBLの反復刺激を伴い、そして主としてin vitro応答の試験ができるように特別にデザインした。このプロトコールを以下に挙げ、このアッセイの結果がそれに続く。
A.アッセイプロトコール
健康なドナー由来のPBMCをin vitroで、Marcaら、J. Immunol. 146, 1946-1971(1991)を応用したプロトコールを用いて刺激した。末梢血液単換細胞(PBMC)をFicoll-Paque(Pharmacia LKB, Uppsala, Sweden)で精製し、そして24穴組織培養プレートの4個のウェル(Costar, Cambridge, MA)に4×106PBMC/ウェルでプレートした。ペプチドを10μg/mlの最終濃度で加えた。培養物を次に37℃,5%のCO2でインキュベートした。4日目、組換IL−2を10ng/mlの最終濃度で加えた。その後培養物を3日置きに、1ml培地を吸引し、そして新鮮なIL−2含有培地と交換することによってルーチン的に栄養補給した。抗原によるT細胞の2回の更なる刺激をおよそ14及び28日目に行った。そのT細胞(3×105/ウェル)をペプチド(10μg/ml)により、抗原表示細胞としての自己PBML細胞を用いて、24穴組織培養プレートの全部で3個のウェルにおいて刺激した。更に、14及び28日目に、T細胞増殖応答を以下の通りにして決定した:2×104個のT細胞/ウェル;APCとしての1×105個の照射PBMC;ペプチド濃度はU底96穴組織培養プレート(Costar, Cambridge, MA)の中で0.01〜10μg/mlの最終濃度に希釈した。T細胞増殖アッセイは上記の通りにして3日目において回収した。
B.結果
3人の正常なドナー由来の代表的なデーターを図1に示す。2ラウンドの刺激を経て得たデーターをパネルA〜Cに示し、そして3ラウンドの刺激後のデーターをパネルD〜Fに示す。予想通り、親ペプチド760.50及び906.09はこれらの実験では劣った免疫原であった。いづれのペプチドも2ラウンドの刺激を経て有意な(>10,000cpm)応答を誘導しなかった。3ラウンドの刺激の後、760.50は試験した3人のドナーのうちの1人において応答を誘導した。天然「万能」エピトープTT 830-843は2ラウンドの刺激の後でも有意な応答を示さず、そして3ラウンドの刺激の後でも、TT 830-843は3人のドナー全員においてわずかな陽性応答しかもたらさなかった。このような弱い応答に反して、3人のドナーは全員、修飾万能DRペプチド965.10に対しては2ラウンドの刺激を経るだけでめざましく応答した。
図2A及び2Bは得られるin vitro刺激データーの全てをまとめている(2及び3回の刺激のそれぞれ)。2回のin vitro刺激の後では(図2A)、ペプチド965.10が大半(9/12)のドナーのT細胞を有意に刺激することのできる唯一のペプチドである。TT 830-843は少数の個体(3/12)において応答を発生させ、一方760.50及び906.09は共に応答を全く刺激しなかった(0/3)。3回の刺激では(図2b),965.10は試験した12人のドナーのうち11人において有意な反応をもらたし、TT 830-843は大半のドナー(7/12)において有意な応答を供することができる;760.50は3人のドナーのうちの1人において応答を誘導し、そして906.09は試験した3人のドナーのいづれも刺激しなかった。
965.10のin vitroでの2回の刺激だけで特異的なT細胞集団を増殖する能力と、3回の刺激により事実上ドナー全員に有意なT細胞応答を与えるその能力とは、このペプチドの免疫原性の能力がペプチドTT 830-843, 760.50又は906.09よりも優れていることを示す。
実施例9
マウスにおける万能DRエピトープのin vivo免疫原性760.50, 965.10及び1024.03ペプチドのin vivo免疫原性をC57 BL/6J(H−2b+)マウスで試験した。
これらのアッセイを実施するため、C57 BL/6Jマウスに、PBS/CFA(Difco, Detroit, MI)中の様々な希釈投与量のペプチド(0.000125, 0.0025, 0,05, 1及び20μg/マウス)を100μlの容量で尾のつけ根に皮下注射した。10日目、3匹のマウス/ペプチド投与量のグループから鼠径及び傍大動脈リンパ節を集め、プールし、そして単一の組織懸濁物にホモジナイズした。細胞を2回洗い、そして96穴マイクロタイター細胞培養プレート中にプレートした(1×106細胞/ウェル)。対数投与量の免疫ペプチド希釈品(0.01〜100μg/ml)を加え、そして標準の3日T細胞増殖アッセイを上記の通りに実施した。
これらの実験において、2種類の他の事前に規定された天然IAb制限化エピトープOva 323-336及びHBVコア128-140に対する非天然エピトープの活性を比較した。これら2種類の天然エピトープは965.10よりも若干弱い親和力(3〜14倍)で結合する(表III,A章)。IAbにあまり結合しないTT 830-843ペプチド(データーは示していない)をネガティブなコントロールとして含ませた。マウスのグループをCFA中の様々な量のペプチド(0.000125〜20μg/マウス)で免疫した。免疫して10日後、排液しているリンパ節を集め、そして様々な投与量の抗原でin vitro刺激した。
図3に示す通り、IAbに結合できないことと一致して、TT 830-843は特異的なT細胞増殖応答をもたらすことができなかった。既知のIAb制限化ヘルパーエピトープOva 323-336(図3、パネルB)及びHBVc 125-140(図3、パネルC)は、免疫のために用いた最も高い2通りのペプチド投与量(1及び20μg/マウス)において25,000〜70,000の範囲で応答を誘発した。万能DRエピトープ965.10(図3、パネルD)及び1024.03(図3、パネルE)は最強の応答を刺激し、有効免疫投与量は0.05μg/マウスの少なさで得られ、100,000〜150,000cpmの範囲の強度であった。一方、ペプチド760.50(図3、パネルF)は最低限の免疫原であり、非常に弱い増殖応答しかし誘導しなく、従って最も多い投与量(20μg/マウス)でのみ試験した。これらの結果は、万能DRエピトープ965.10及び1024.03がin vivoでもin vitroでも非常に有効なヘルパーエピトープとして機能することを示唆した。ヒト免疫不全データーと共に、それらは高MHC結合能に加えて、潜在的なTCR接触位置での「イムノドミナント」アミノ酸残基の存在が強力なT細胞応答の発生にとっての重要な要素であることも示唆した。
実施例10
マウスにおけるin vivo CT誘導のためのヘルパーエピトープとして作用する万能DRペプチド
T細胞増殖応答を誘導する能力はペプチドエピトープのヘルパー能力の指標であると一般に考えられている。我々はこのことを、965.10ペプチドのCTL応答の発生の助けを誘導する能力を測定することにより確認しようとした。このCTL誘導実験は以下のプロトコールに従って実施した。
A.CTL誘導プロトコール
3〜6匹のC57 BL/6Jマウスのグループを、PBS/5%のDMSOに溶かされ、そしてIFA(Difco, Detroit, MI)に乳化したCTL及びヘルパーエピトープの混合物で尾のつけ根において皮下注射した。11日後、マウスを殺し、そして脾臓細胞を用意した。脾臓細胞(3×107/10ml/T25フラスコ)をin vitroでペプチドコート化同系リポ多糖(LPS)ブラストの添加により刺激した。LPSブラストは、LPS(W E. コリ055: B5)(Difco, Detroit, MI)(25μg/ml)及び硫酸デキストラン(Pharmacia, Uppsala Sweden)(7μg/ml)を含む培地の中に再懸濁したC57 BL/6Jマウスの脾臓細胞から使用72hr前に調製した。培養物を全容量3mlで1.5×106脾臓細胞/mlで調製し、そして37℃で72hr、T75フラスコの中で5%のCO2でインキュベートした。
次に、細胞を照射に付し、洗い、そして30〜40×106細胞/mlで再懸濁した。この懸濁物のアリコート1mlをCTLエピトープと100μg/mlで37℃で1hr、5%のCO2でインキュベートした。細胞を1回洗い、次いで10×106細胞/mlで再懸濁した。適当なエフェクター細胞にフラスコ当り1mlの容量物を加え、そして6日間インキュベートした。次に細胞障害能をEL4(bハプロタイプ)標的細胞(3×106細胞/ml)を用いて測定し、それはナトリウム51Crクロメート及びCTLエピトープペプチドの存在下で37℃でインキュベートした。60分後、細胞を3回洗い、そして10%のFCS(Irvine Scienti fic, Santa Ana, CA), 2mMのL−グルタミン(Irvine Scientific)、50μg/mlのゲンタマイシン(Irvine Scientific)及び5×10-5Mのべーターメルカプトエタノール(Sigma, St. Louis, MO)を含むRPM1-1640(Bio Whittaker, Walkersville, MD)の中に再懸濁した。次に、1×104個の51Crラベル化標的細胞をU底96穴ウェルプレートの中の希釈エフェクター細胞に加えた(最終容量=200μl)。37℃、5%のCO2で6hrインキュベーション後、0.1mlのアリコートの上清液を各ウェルから取り出し、そして放射能をMicromedicガンマーカウンターで決定した。%比溶解力を以下の式により決定した:
%比溶解力=100×(実験放出量−自発放出量)/(最大放出量−自発放出量)。データーを溶解単位/106個のエフェクター細胞で表わす。1溶解単位は、ペプチドの非存在又は存在下で、6時間以内に1×104個の51Cr−ラベル化標的細胞の30%の溶解を達成せしめるのに必要なリンパ球の数として任意的に規定する。
我々はC57 BL/6Jマウスを10nmの投与量のKb制限化(Carbonan and Bevan, J. Exp. Med. 169: 603-612(1989))脂質付加CTL決定基(Ova 257-264)で、様々な量のIAb制限化ヘルパーエピトープOva 323-336(Wallら、J. Immunal. 152: 4526-4536(1994)), HBVコア128-140又は965.10ペプチドを伴って免疫した。11日後、脾臓細胞をCTLエピトープOva 257-264でin vitro刺激し、6日間インキュベートし、次いで標準6hrクロム放出CTLアッセイで試験した。CTL標的はOva 257-264パルスしたEL4細胞及びOva 257-264トランスフェクションしたEG7細胞の両者を含む。
B.結果
得られた結果を表Vに示す。万能DRエピトープ965.10は投与量依存状況でCTL応答を誘導することが認められ、5μg/マウスの965.10ペプチドをOva 257-264 CTLエピトープと一緒に注射したときに最大の307溶解単位が得られた。一方、Ova 323-336及びHBVc 128-140エピトープのヘルパー活性は、ヘルパー効果の程度(それぞれ4倍及び5倍上昇)及び最大ヘルパー活性の誘導に必要な投与量(100μg/マウス)の両方の点で、言うまでもなかった。
上記の実施例は本発明の例示のために提供し、その範囲を限定するものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなくその他の変更を思いつくであろう。本明細書で引用している全ての刊行物、特許及び特許明細書は引用することで本明細書に組入れる。
Claims (26)
- 免疫応答を誘導するための組成物であって、DR座の実質的に全てのアレルによりコードされるMHC分子上の抗原結合性部位に結合できる30残基未満の万能DR結合性オリゴペプチドを含んで成り、ここで当該万能DR結合性オリゴペプチドが配列aK(X)VAAWTLKAAa(式中、Xはシクロヘキシルアラニンを意味する)を含んでなる、組成物。
- 免疫応答を誘導することができる免疫原をさらに含んで成る、請求項1記載の組成物。
- 前記免疫原が抗体誘導性決定基である、請求項1記載の組成物。
- 前記万能DR結合性オリゴペプチド及び前記抗体誘導性決定基が混合されている、請求項3記載の組成物。
- 前記万能DR結合性オリゴペプチド及び前記抗体誘導性決定基が連結されている、請求項3記載の組成物。
- 前記免疫原がペプチドである、請求項2記載の組成物。
- 前記ペプチドがCTL誘導性ペプチドである、請求項6記載の組成物。
- 前記ペプチドが抗体誘導性ペプチドである、請求項6記載の組成物。
- 前記ペプチド及び前記万能DR結合性オリゴペプチドが連結されている、請求項6記載の組成物。
- 前記ペプチドがT−ヘルパーエピトープである、請求項6記載の組成物。
- ペプチドがリンカーを介して前記万能DR結合性オリゴペプチドに連結されている、請求項6記載の組成物。
- 前記リンカーがアミノ酸擬似体を含んで成る、請求項11記載の組成物。
- 前記ペプチドが前記万能DR結合性オリゴペプチドのC末端に連結されている、請求項6記載の組成物。
- 前記ペプチドが前記万能DR結合性オリゴペプチドのN末端に連結されている、請求項6記載の組成物。
- 前記免疫原がウィルスに由来する、請求項2記載の組成物。
- 前記免疫原が癌細胞に由来する、請求項2記載の組成物。
- 前記万能DR結合性オリゴペプチドが脂質成分に共有結合している、請求項2記載の組成物。
- アジュバントを更に含んで成る、請求項1記載の組成物。
- 前記アジュバントがフロインドの完全アジュバント又はフロインドの不完全アジュバント、みょうばん、リン酸アルミニウム及び水酸化アルミニウムから成る群から選ばれる、請求項18記載の組成物。
- 患者のT細胞のMHCクラスII媒介活性化を誘導するための医薬品であって、30残基未満の万能DR結合性オリゴペプチドを含んで成り、ここで当該万能DR結合性オリゴペプチドが配列aK(X)VAAWTLKAAa(式中、Xはシクロヘキシルアラニンを意味する)を含んでなる、医薬品。
- 免疫応答を誘導するための融合タンパク質であって、
(i)免疫原性ペプチド、天然タンパク質フラグメント又は粒子、及び
(ii)配列aK(X)VAAWTLKAAa(式中、Xはシクロヘキシルアラニンを意味する)を含んでなる少なくとも一の万能DR結合性ペプチド、
を含んで成る融合タンパク質。 - 前記融合タンパク質が複数の万能DRオリゴペプチドを含んで成る、請求項21記載の融合タンパク質。
- 前記免疫原性ペプチド又はタンパク質フラグメントがTヘルパーペプチドを含んで成る、請求項21記載の融合タンパク質。
- 前記免疫原性ペプチド又はタンパク質フラグメントが抗体誘導性ペプチドを含んで成る、請求項21記載の融合タンパク質。
- 前記免疫原性ペプチド又はタンパク質フラグメントがCTL誘導性ペプチドを含んで成る、請求項21記載の融合タンパク質。
- T細胞及び/又は抗体誘導性ペプチドに対する免疫応答を誘導するための組成物であって、1又は複数のT−細胞及び/又は抗体誘導性ペプチドに連結された複数の万能DR結合性ペプチドを含んで成り、ここで当該万能DR結合性ペプチドが配列aK(X)VAAWTLKAAa(式中、Xはシクロヘキシルアラニンを意味する)を含んでなる、;組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US12110193A | 1993-09-14 | 1993-09-14 | |
US08/121,101 | 1993-09-14 | ||
PCT/US1994/010368 WO1995007707A1 (en) | 1993-09-14 | 1994-09-14 | Alteration of immune response using pan dr-binding peptides |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09505559A JPH09505559A (ja) | 1997-06-03 |
JP3926839B2 true JP3926839B2 (ja) | 2007-06-06 |
Family
ID=22394559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50932395A Expired - Lifetime JP3926839B2 (ja) | 1993-09-14 | 1994-09-14 | 万能dr−結合性ペプチドを用いる免疫応答の改変 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US5736142A (ja) |
EP (1) | EP0735893B1 (ja) |
JP (1) | JP3926839B2 (ja) |
CN (1) | CN1135181A (ja) |
AT (1) | ATE415173T1 (ja) |
AU (1) | AU698962B2 (ja) |
DE (1) | DE69435171D1 (ja) |
DK (1) | DK0735893T3 (ja) |
ES (1) | ES2318848T3 (ja) |
PT (1) | PT735893E (ja) |
WO (1) | WO1995007707A1 (ja) |
Families Citing this family (193)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110097352A9 (en) * | 1992-01-29 | 2011-04-28 | Pharmexa Inc. | Inducing cellular immune responses to hepatitis B virus using peptide and nucleic acid compositions |
US7611713B2 (en) | 1993-03-05 | 2009-11-03 | Pharmexa Inc. | Inducing cellular immune responses to hepatitis B virus using peptide compositions |
US7252829B1 (en) * | 1998-06-17 | 2007-08-07 | Idm Pharma, Inc. | HLA binding peptides and their uses |
US9266930B1 (en) | 1993-03-05 | 2016-02-23 | Epimmune Inc. | Inducing cellular immune responses to Plasmodium falciparum using peptide and nucleic acid compositions |
US6413935B1 (en) | 1993-09-14 | 2002-07-02 | Epimmune Inc. | Induction of immune response against desired determinants |
AU698962B2 (en) | 1993-09-14 | 1998-11-12 | Epimmune, Inc. | Alteration of immune response using pan DR-binding peptides |
US20050049197A1 (en) * | 1993-09-14 | 2005-03-03 | Epimmune Inc. | Induction of immune response against desired determinants |
JPH10509693A (ja) * | 1994-09-30 | 1998-09-22 | アナージェン, インコーポレイテッド | Mhc−ペプチド複合体の調製法 |
GB9509844D0 (en) * | 1995-05-16 | 1995-07-12 | Cancer Res Campaign Tech | Screening for inhibitors of TCR-MHC interactions |
AU1582797A (en) * | 1996-01-24 | 1997-08-20 | Epimmune, Inc. | Induction of immune response against desired determinants |
GB9702377D0 (en) * | 1996-02-23 | 1997-03-26 | Zeneca Ltd | Peptide derivatives |
US20040171028A1 (en) * | 1996-06-06 | 2004-09-02 | Baker Brenda F. | Phosphorous-linked oligomeric compounds and their use in gene modulation |
WO1997046578A1 (en) | 1996-06-07 | 1997-12-11 | Zeneca Limited | Peptide derivatives |
ATE408617T1 (de) | 1996-06-11 | 2008-10-15 | Northern Sydney And Central Co | T zell antigen rezeptor peptide |
GB9621836D0 (en) | 1996-10-19 | 1996-12-11 | Zeneca Ltd | Peptide compounds |
US6562345B1 (en) | 1996-11-12 | 2003-05-13 | City Of Hope | Immuno-reactive peptide CTL epitopes of human cytomegalovirus |
GB9624562D0 (en) | 1996-11-27 | 1997-01-15 | Zeneca Ltd | Peptide derivatives |
US6413517B1 (en) | 1997-01-23 | 2002-07-02 | Epimmune, Inc. | Identification of broadly reactive DR restricted epitopes |
US7964192B1 (en) | 1997-12-02 | 2011-06-21 | Janssen Alzheimer Immunotherapy | Prevention and treatment of amyloidgenic disease |
US6761888B1 (en) * | 2000-05-26 | 2004-07-13 | Neuralab Limited | Passive immunization treatment of Alzheimer's disease |
US7179892B2 (en) * | 2000-12-06 | 2007-02-20 | Neuralab Limited | Humanized antibodies that recognize beta amyloid peptide |
TWI239847B (en) * | 1997-12-02 | 2005-09-21 | Elan Pharm Inc | N-terminal fragment of Abeta peptide and an adjuvant for preventing and treating amyloidogenic disease |
US6787523B1 (en) * | 1997-12-02 | 2004-09-07 | Neuralab Limited | Prevention and treatment of amyloidogenic disease |
US6923964B1 (en) | 1997-12-02 | 2005-08-02 | Neuralab Limited | Active immunization of AScr for prion disorders |
US7588766B1 (en) | 2000-05-26 | 2009-09-15 | Elan Pharma International Limited | Treatment of amyloidogenic disease |
US6913745B1 (en) | 1997-12-02 | 2005-07-05 | Neuralab Limited | Passive immunization of Alzheimer's disease |
US6905686B1 (en) | 1997-12-02 | 2005-06-14 | Neuralab Limited | Active immunization for treatment of alzheimer's disease |
US6750324B1 (en) | 1997-12-02 | 2004-06-15 | Neuralab Limited | Humanized and chimeric N-terminal amyloid beta-antibodies |
US7790856B2 (en) * | 1998-04-07 | 2010-09-07 | Janssen Alzheimer Immunotherapy | Humanized antibodies that recognize beta amyloid peptide |
US20080050367A1 (en) * | 1998-04-07 | 2008-02-28 | Guriq Basi | Humanized antibodies that recognize beta amyloid peptide |
US6710226B1 (en) | 1997-12-02 | 2004-03-23 | Neuralab Limited | Transgenic mouse assay to determine the effect of Aβ antibodies and Aβ Fragments on alzheimer's disease characteristics |
US20050059802A1 (en) * | 1998-04-07 | 2005-03-17 | Neuralab Ltd | Prevention and treatment of amyloidogenic disease |
ES2371432T3 (es) * | 1998-05-13 | 2012-01-02 | Epimmune Inc. | Vectores de expresión para estimular una respuesta inmune y procedimientos de uso de los mismos. |
WO1999058658A2 (en) | 1998-05-13 | 1999-11-18 | Epimmune, Inc. | Expression vectors for stimulating an immune response and methods of using the same |
US20030147882A1 (en) * | 1998-05-21 | 2003-08-07 | Alan Solomon | Methods for amyloid removal using anti-amyloid antibodies |
CA2330824A1 (en) | 1998-06-17 | 1999-12-23 | Epimmune Inc. | Hla binding peptides and their uses |
IL140592A0 (en) | 1998-07-23 | 2002-02-10 | Harvard College | Synthetic peptides and methods of use for autoimmune disease therapies |
US6800730B1 (en) * | 1998-10-02 | 2004-10-05 | Ludwig Institute For Cancer Research | Isolated peptides which bind to MHC class II molecules, and uses thereof |
ES2222728T3 (es) | 1998-10-05 | 2005-02-01 | Pharmexa A/S | Procedimiento de vacunacion terapeutica. |
EP1502602A3 (en) * | 1998-10-05 | 2006-05-17 | Pharmexa A/S | Methods for therapeutic vaccination |
CA2370391A1 (en) | 1999-04-23 | 2000-11-02 | Pharmexa A/S | Method for down-regulating il5 activity |
US6787637B1 (en) | 1999-05-28 | 2004-09-07 | Neuralab Limited | N-Terminal amyloid-β antibodies |
UA81216C2 (en) * | 1999-06-01 | 2007-12-25 | Prevention and treatment of amyloid disease | |
AU6226100A (en) * | 1999-07-19 | 2001-04-24 | Epimmune, Inc. | Inducing cellular immune responses to hepatitis c virus using peptide and nucleic acid compositions |
PL353855A1 (en) | 1999-07-20 | 2003-12-01 | Pharmexa A/Spharmexa A/S | Method for down-regulating gdf-8 activity |
CA2386499A1 (en) * | 1999-10-05 | 2001-04-12 | Epimmune, Inc. | Inducing cellular immune responses to human immunodeficiency virus-1 using peptide and nucleic acid compositions |
DK1230268T3 (da) | 1999-11-18 | 2010-02-08 | Epimmune Inc | Heteroklitiske analoger af klasse I-epitoper |
CA3016482A1 (en) | 1999-11-30 | 2001-06-07 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | B7-h1, a novel immunoregulatory molecule |
US7026443B1 (en) * | 1999-12-10 | 2006-04-11 | Epimmune Inc. | Inducing cellular immune responses to human Papillomavirus using peptide and nucleic acid compositions |
EP1244465A4 (en) * | 1999-12-21 | 2005-01-12 | Epimmune Inc | INDUCTION OF CELLULAR IMMUNE RESPONSE TO PROSTATE CANCER BY MEANS OF PEPTIDE AND NUCLEIC ACID COMPOUNDS |
US7462354B2 (en) * | 1999-12-28 | 2008-12-09 | Pharmexa Inc. | Method and system for optimizing minigenes and peptides encoded thereby |
SK287468B6 (sk) * | 2000-02-21 | 2010-10-07 | H. Lundbeck A/S | Použitie analógu autológneho Aß alebo APP polypeptidu živočícha, analóg, fragment nukleovej kyseliny, vektor, transformovaná bunka, bunková línia a kompozície |
KR100879810B1 (ko) * | 2000-02-21 | 2009-01-22 | 하. 룬드벡 아크티에셀스카브 | 아밀로이드의 하향-조절을 위한 신규한 방법 |
US7030219B2 (en) | 2000-04-28 | 2006-04-18 | Johns Hopkins University | B7-DC, Dendritic cell co-stimulatory molecules |
EP1652856A1 (en) * | 2000-08-09 | 2006-05-03 | The Regents of The University of California San Diego | Stress proteins-derived peptides and method of use thereof |
US6989146B2 (en) * | 2000-08-09 | 2006-01-24 | The Regents Of The University Of California | Stress proteins and peptides and methods of use thereof |
US6664230B1 (en) * | 2000-08-24 | 2003-12-16 | The Regents Of The University Of California | Orally administered peptides to ameliorate atherosclerosis |
EP1313850B1 (en) | 2000-08-28 | 2008-08-06 | Agensys, Inc. | Nucleic acid and corresponding protein entitled 85p1b3 useful in treatment and detection of cancer |
CA2425648A1 (en) | 2000-10-19 | 2002-04-19 | Epimmune Inc. | Hla class i and ii binding peptides and their uses |
PE20020574A1 (es) * | 2000-12-06 | 2002-07-02 | Wyeth Corp | Anticuerpos humanizados que reconocen el peptido amiloideo beta |
US7700751B2 (en) | 2000-12-06 | 2010-04-20 | Janssen Alzheimer Immunotherapy | Humanized antibodies that recognize β-amyloid peptide |
US20040121946A9 (en) * | 2000-12-11 | 2004-06-24 | John Fikes | Inducing cellular immune responses to her2/neu using peptide and nucleic acid compositions |
US7097837B2 (en) | 2001-02-19 | 2006-08-29 | Pharmexa A/S | Synthetic vaccine agents |
US6924358B2 (en) | 2001-03-05 | 2005-08-02 | Agensys, Inc. | 121P1F1: a tissue specific protein highly expressed in various cancers |
US7271240B2 (en) | 2001-03-14 | 2007-09-18 | Agensys, Inc. | 125P5C8: a tissue specific protein highly expressed in various cancers |
US20030191073A1 (en) | 2001-11-07 | 2003-10-09 | Challita-Eid Pia M. | Nucleic acid and corresponding protein entitled 161P2F10B useful in treatment and detection of cancer |
EP2280030A3 (en) | 2001-04-10 | 2011-06-15 | Agensys, Inc. | Nucleic acids and corresponding proteins useful in the detection and treatment of various cancers |
WO2002092120A1 (en) * | 2001-05-15 | 2002-11-21 | Ludwig Institute For Cancer Research | Structurally modified peptides and uses thereof |
MY144532A (en) * | 2001-08-20 | 2011-09-30 | Lundbeck & Co As H | Novel method for down-regulation of amyloid |
EP2287186B1 (en) | 2001-09-06 | 2014-12-31 | Agensys, Inc. | Nucleic acid and corresponding protein entitled STEAP-1 useful in treatment and detection of cancer |
MY139983A (en) * | 2002-03-12 | 2009-11-30 | Janssen Alzheimer Immunotherap | Humanized antibodies that recognize beta amyloid peptide |
CA2490449A1 (en) * | 2002-06-25 | 2003-12-31 | City Of Hope | Adjuvant-free peptide vaccine |
AU2003243151A1 (en) | 2002-08-16 | 2004-03-03 | Agensys, Inc. | Nucleic acid and corresponding protein entitled 251p5g2 useful in treatment and detection of cancer |
US7432351B1 (en) | 2002-10-04 | 2008-10-07 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | B7-H1 variants |
WO2008103472A2 (en) | 2007-02-23 | 2008-08-28 | Elan Pharmaceuticals, Inc. | Prevention and treatment of synucleinopathic and amyloidogenic disease |
TW200509968A (en) | 2002-11-01 | 2005-03-16 | Elan Pharm Inc | Prevention and treatment of synucleinopathic disease |
US8506959B2 (en) | 2002-11-01 | 2013-08-13 | Neotope Biosciences Limited | Prevention and treatment of synucleinopathic and amyloidogenic disease |
AU2002352976B2 (en) | 2002-11-27 | 2007-11-08 | Agensys, Inc. | Nucleic acid corresponding protein entitled 24P4C12 useful in treatment and detection of cancer |
EP1903056A3 (en) | 2002-12-10 | 2008-05-07 | Idm Pharma, Inc. | HLA-A1, -A2 -A3, -A24, -B7, and -B44 binding peptides comprising tumor associated antigen epitopes, and compositions thereof |
EP1572740A2 (en) * | 2002-12-11 | 2005-09-14 | Pharmexa A/S | Targeting single epitopes |
DE10303974A1 (de) | 2003-01-31 | 2004-08-05 | Abbott Gmbh & Co. Kg | Amyloid-β(1-42)-Oligomere, Verfahren zu deren Herstellung und deren Verwendung |
WO2004069182A2 (en) | 2003-02-01 | 2004-08-19 | Neuralab Limited | Active immunization to generate antibodies to soluble a-beta |
CA2515699C (en) | 2003-02-10 | 2015-01-27 | Aya Jakobovits | Nucleic acid and corresponding protein named 158p1d7 useful in the treatment and detection of bladder and other cancers |
EP1609107A4 (en) * | 2003-03-28 | 2006-08-30 | Idm Pharma Inc | METHOD FOR IDENTIFYING OPTIMAL PEPTIDE PITOPARIANTS |
CA2522812C (en) | 2003-04-18 | 2012-08-21 | Idm Pharma, Inc. | Hla-a2 tumor associated antigen peptides and compositions |
SI1629088T1 (sl) | 2003-05-30 | 2012-08-31 | Agensys Inc | Antigen izvornih celic prostate (psca) in njegova podzaporedja |
PE20050627A1 (es) | 2003-05-30 | 2005-08-10 | Wyeth Corp | Anticuerpos humanizados que reconocen el peptido beta amiloideo |
US9090673B2 (en) | 2003-12-12 | 2015-07-28 | City Of Hope | Synthetic conjugate of CpG DNA and T-help/CTL peptide |
HUE026000T2 (en) | 2003-12-17 | 2016-04-28 | Wyeth Llc | Immunogenic peptide-bearing conjugates and methods for their preparation |
PL2336147T3 (pl) | 2003-12-17 | 2015-01-30 | Janssen Alzheimer Immunotherap | Immunogenne koniugaty A beta z nośnikiem peptydowym i sposoby ich otrzymywania |
AU2005250370B2 (en) | 2004-05-28 | 2010-04-01 | Agensys, Inc. | Antibodies and related molecules that bind to PSCA proteins |
EP1756147A2 (en) * | 2004-06-01 | 2007-02-28 | Innogenetics N.V. | Peptides for inducing a ctl and/or htl response to hepatitis c virus |
US20090317412A1 (en) * | 2004-06-04 | 2009-12-24 | Alexander Jeffery L | Induction of an immune response against streptococcus pneumoniae polyaccharides |
MX2007001679A (es) | 2004-08-09 | 2007-05-23 | Elan Pharm Inc | Prevencion y tratamiento de la enfermedad sinucleinopatica y amiloidogenica. |
JP5303146B2 (ja) | 2004-10-06 | 2013-10-02 | メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ | B7−h1ならびに癌の診断、予後診断および処置の方法 |
WO2006066089A1 (en) * | 2004-12-15 | 2006-06-22 | Neuralab Limited | Humanized amyloid beta antibodies for use in improving cognition |
TW200636066A (en) * | 2004-12-15 | 2006-10-16 | Elan Pharm Inc | Humanized antibodies that recognize beta amyloid peptide |
PE20061401A1 (es) * | 2004-12-15 | 2006-12-23 | Neuralab Ltd | ANTICUERPOS Aß PARA MEJORAR LA COGNICION |
KR100646313B1 (ko) | 2004-12-31 | 2006-11-14 | 강원대학교산학협력단 | 알러지 질환 예방 및 치료용 펩티드 또는 그의 염 및 이를함유한 의약 조성물 |
JP4324636B2 (ja) | 2005-03-31 | 2009-09-02 | アジェンシス,インコーポレイテッド | 161p2f10bタンパク質に結合する抗体および関連分子 |
BRPI0619249A2 (pt) | 2005-11-30 | 2011-09-20 | Abbott Lab | anticorpos anti-globulÈmeros-aß, frações que se ligam a antìgeno destes, hibridomas correspondentes, ácidos nucléicos, vetores, células hospedeiras, métodos de produzir os ditos anticorpos, composições compreendendo os ditos anticorpos, usos dos ditos anticorpos e métodos de usar os ditos anticorpos |
CN101506236B (zh) | 2005-11-30 | 2012-12-12 | 雅培制药有限公司 | 抗淀粉样β蛋白的单克隆抗体及其用途 |
ES2310072B1 (es) | 2005-12-23 | 2009-11-16 | Proyecto De Biomedicina Cima, S.L. | Nuevos peptidos determinantes antigenicos t colaboradores (/dth). |
WO2007079448A2 (en) | 2006-01-03 | 2007-07-12 | University Of Georgia Research Foundation, Inc. | Three component carbohydrate vaccine |
US20090036653A1 (en) * | 2006-04-13 | 2009-02-05 | Peptimmune, Inc. | Methods for the directed expansion of epitopes for use as antibody ligands |
WO2007120834A2 (en) * | 2006-04-13 | 2007-10-25 | Peptimmune, Inc. | Methods for designing and synthesizing directed sequence polymer compositions via the directed expansion of epitope permeability |
US8784810B2 (en) * | 2006-04-18 | 2014-07-22 | Janssen Alzheimer Immunotherapy | Treatment of amyloidogenic diseases |
US9511134B2 (en) | 2006-05-18 | 2016-12-06 | Epimmune Inc. | Inducing immune responses to influenza virus using polypeptide and nucleic acid compositions |
EP2035448A4 (en) | 2006-06-01 | 2010-11-03 | Elan Pharm Inc | NEUROACTIVE FRAGMENTS OF APP |
PT2476435T (pt) | 2006-08-11 | 2018-03-05 | Life Sciences Res Partners Vzw | Péptidos imunogénicos e a sua utilização em distúrbios imunitários |
CA2665068C (en) | 2006-10-06 | 2016-01-05 | Bn Immunotherapeutics Inc. | Methods for treating cancer with mva |
US20090142362A1 (en) * | 2006-11-06 | 2009-06-04 | Avant Immunotherapeutics, Inc. | Peptide-based vaccine compositions to endogenous cholesteryl ester transfer protein (CETP) |
US8455626B2 (en) | 2006-11-30 | 2013-06-04 | Abbott Laboratories | Aβ conformer selective anti-aβ globulomer monoclonal antibodies |
WO2008083169A2 (en) | 2006-12-26 | 2008-07-10 | The Johns Hopkins University | Compositions and methods for the treatment of immunologic disorders |
CA2673659A1 (en) * | 2006-12-27 | 2008-07-10 | The Johns Hopkins University | Methods of detecting and diagnosing inflamatory responses and disorders by determining the level of soluble b7-h4 |
US7989173B2 (en) * | 2006-12-27 | 2011-08-02 | The Johns Hopkins University | Detection and diagnosis of inflammatory disorders |
US20090142342A1 (en) * | 2006-12-27 | 2009-06-04 | Johns Hopkins University | B7-h4 receptor agonist compositions and methods for treating inflammation and auto-immune diseases |
PT3067066T (pt) | 2007-02-23 | 2019-06-17 | Univ California | Prevenção e tratamento da doença sinucleinopática e amiloidogénica |
EP2486928A1 (en) | 2007-02-27 | 2012-08-15 | Abbott GmbH & Co. KG | Method for the treatment of amyloidoses |
EP2134176A4 (en) * | 2007-03-30 | 2012-08-29 | Brigham & Womens Hospital | COMPOUNDS AND METHODS FOR ENHANCING MHC CLASS II THERAPIES |
US8003097B2 (en) * | 2007-04-18 | 2011-08-23 | Janssen Alzheimer Immunotherapy | Treatment of cerebral amyloid angiopathy |
BRPI0810118A8 (pt) * | 2007-04-18 | 2015-09-29 | Janssen Alzheimer Immunotherap | Método para tratar doença, método para efetuar profilaxia contra caa, uso de um agente, método para reduzir amilóide vascular em um paciente, e, kit para tratamento |
AU2008287530A1 (en) * | 2007-05-07 | 2009-02-19 | Peptimmune, Inc. | Methods for the directed expansion of epitopes for use as antibody ligands |
PL2182983T3 (pl) | 2007-07-27 | 2014-10-31 | Janssen Alzheimer Immunotherap | Leczenie chorób amyloidowych z wykorzystaniem humanizowanych przeciwciał specyficznych względem Abeta |
BRPI0817682A2 (pt) * | 2007-10-16 | 2015-04-07 | Peptimmune Inc | Métodos para projetar e preparar vacinas compreendendo composições de polímero de sequência direcionada via a expansão direta de epítopos |
JO3076B1 (ar) * | 2007-10-17 | 2017-03-15 | Janssen Alzheimer Immunotherap | نظم العلاج المناعي المعتمد على حالة apoe |
EP2215111B1 (en) | 2007-11-01 | 2016-03-16 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Hla-dr binding peptides and their uses |
US20090169549A1 (en) * | 2007-12-19 | 2009-07-02 | The Board Of Regents Of The University Of Texas System | Conformational isomers of alpha-synuclein, antibodies thereto and methods of their manufacture and use |
NZ586875A (en) | 2007-12-28 | 2012-10-26 | Elan Pharm Inc | Treatment and prophylaxis of amyloidosis with an antibody that binds a specific epitope of human amyloid A peptide |
EP2247306B1 (en) | 2008-02-14 | 2018-04-18 | Life Sciences Research Partners VZW | Immunogenic control of tumours and tumour cells |
CA2759118A1 (en) * | 2008-04-17 | 2009-10-22 | Declion Pharmaceuticals, Inc. | Design and synthesis of directed sequence polymer compositions and antibodies thereof for the treatment of protein conformational disorders |
US20120039984A1 (en) | 2008-07-03 | 2012-02-16 | University Of Georgia Research Foundation, Inc. | Glycopeptide and uses thereof |
US9067981B1 (en) | 2008-10-30 | 2015-06-30 | Janssen Sciences Ireland Uc | Hybrid amyloid-beta antibodies |
JP5792630B2 (ja) | 2009-01-28 | 2015-10-14 | エピミューン,インコーポレイティド | Pan−dr結合ポリペプチドおよびその使用 |
CA2750922A1 (en) * | 2009-01-28 | 2010-08-05 | Antigen Express, Inc. | Li-key hybrid peptides that modulate the immune response to influenza |
RU2600798C2 (ru) * | 2009-04-01 | 2016-10-27 | Юниверсити Оф Майами | Композиции вакцин и способы их применения |
EP2432893B1 (en) * | 2009-05-19 | 2019-05-01 | University Of Miami | Compositions, kits and methods for in vitro antigen presentation, assessing vaccine efficacy, and assessing immunotoxicity of biologics and drugs |
CN102666581A (zh) | 2009-08-31 | 2012-09-12 | 艾普利穆恩公司 | 用于抑制移植物排斥的方法和组合物 |
EP2491116A4 (en) | 2009-10-22 | 2013-12-11 | Univ Jefferson | CELL-BASED ANTI-RISK COMPOSITIONS AND METHOD FOR THEIR PREPARATION AND USE |
MX360403B (es) | 2010-04-15 | 2018-10-31 | Abbvie Inc | Proteinas de union a amiloide beta. |
EA023397B1 (ru) | 2010-05-26 | 2016-05-31 | Селекта Байосайенсиз, Инк. | Комбинированные вакцины с синтетическими наноносителями |
JP6147665B2 (ja) | 2010-08-14 | 2017-06-14 | アッヴィ・インコーポレイテッド | アミロイドベータ結合タンパク質 |
CA2819416C (en) | 2010-12-02 | 2019-04-30 | Bionor Immuno As | Peptide scaffold design |
US9493514B2 (en) | 2011-01-06 | 2016-11-15 | Bionor Immuno As | Dimeric scaffold proteins comprising HIV-1 GP120 and GP41 epitopes |
JP2011201902A (ja) * | 2011-05-19 | 2011-10-13 | Wyeth Llc | 可溶性A−βに対する抗体を生成させるための能動免疫 |
WO2013019658A2 (en) | 2011-07-29 | 2013-02-07 | Selecta Biosciences, Inc. | Synthetic nanocarriers comprising polymers comprising multiple immunomodulatory agents |
EP2766386A1 (en) | 2011-10-12 | 2014-08-20 | Alpha-o Peptides AG | Self-assembling peptide nanoparticles as vaccines against infection with norovirus |
GB201201511D0 (en) * | 2012-01-30 | 2012-03-14 | Univ Leuven Kath | Modified epitopes for boosting CD4+ T-cell responses |
MX2014014683A (es) | 2012-06-06 | 2015-02-24 | Bionor Immuno As | Peptidos derivados de proteinas virales para usarse como inmunogenos y reactivos de dosificacion. |
US20150283220A1 (en) | 2012-10-19 | 2015-10-08 | Bavarian Nordic, Inc. | Methods and compositions for the treatment of cancer |
PE20152004A1 (es) | 2013-03-13 | 2016-02-07 | Prothena Biosciences Ltd | Inmunoterapia tau |
US9302005B2 (en) | 2013-03-14 | 2016-04-05 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Methods and materials for treating cancer |
GB201309469D0 (en) | 2013-05-28 | 2013-07-10 | Imcyse Sa | Detection of CD4+ T lymphocytes |
BR112016001775A2 (pt) | 2013-07-31 | 2017-09-05 | Univ Arkansas | Composição, métodos de tratamento de um humano que foi diagnosticado com câncer, de prevenção de câncer em um humano com alto risco de ter câncer e de produção de uma composição, de uma população de células nk humanas antitumorais isoladas e de uma população de células dendríticas humanas antitumorais isoladas, células nk e dendríticas humanas isoladas, e, kit |
ES2714708T3 (es) | 2013-10-01 | 2019-05-29 | Mayo Found Medical Education & Res | Procedimientos para el tratamiento de cáncer en pacientes con niveles elevados de Bim |
WO2015075635A2 (en) | 2013-11-19 | 2015-05-28 | Prothena Biosciences Limited | Monitoring immunotherapy of lewy body disease from constipation symptoms |
WO2015143123A2 (en) | 2014-03-19 | 2015-09-24 | Mackay Memorial Hospital Of Taiwan Presbyterian Church And Mackay Memorial Social Work Foundation | Antibodies against immunogenic glycopeptides, composition comprising the same and use thereof |
WO2015164798A1 (en) | 2014-04-25 | 2015-10-29 | Tria Bioscience Corp. | Synthetic hapten carrier compositions and methods |
ES2851451T3 (es) | 2014-05-13 | 2021-09-07 | Bavarian Nordic As | Terapia de combinación para tratar cáncer con un poxvirus que expresa un antígeno de tumor y un anticuerpo monoclonal contra TIM-3 |
WO2015179654A1 (en) | 2014-05-22 | 2015-11-26 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Distinguishing antagonistic and agonistic anti b7-h1 antibodies |
US10517875B2 (en) | 2014-07-23 | 2019-12-31 | Mayo Foundation for Medical Engineering and Research | Targeting DNA-PKcs and B7-H1 to treat cancer |
US10441644B2 (en) | 2015-05-05 | 2019-10-15 | The Regents Of The University Of California | H3.3 CTL peptides and uses thereof |
AU2016258984B2 (en) | 2015-05-05 | 2020-11-19 | The Regents Of The University Of California | H3.3 CTL peptides and uses thereof |
US10729791B2 (en) | 2015-05-18 | 2020-08-04 | Imcyse Sa | Animal models for evaluating pharmaceutical compounds |
IL255722B1 (en) | 2015-06-29 | 2024-01-01 | Ose Immunotherapeutics | A method for inducing an early memory response with an anticancer vaccine of short peptides |
WO2017075045A2 (en) | 2015-10-30 | 2017-05-04 | Mayo Foundation For Medical Education And Research | Antibodies to b7-h1 |
PE20190208A1 (es) | 2016-05-02 | 2019-02-07 | Prothena Biosciences Ltd | Anticuerpos que reconocen tau |
AU2017259275C1 (en) | 2016-05-02 | 2022-01-27 | The Scripps Research Institute | Compositions and methods related to HIV-1 immunogens |
CU24537B1 (es) | 2016-05-02 | 2021-07-02 | Prothena Biosciences Ltd | Anticuerpos monoclonales que compiten por unirse a tau humano con el anticuerpo 3d6 |
KR102506091B1 (ko) | 2016-05-02 | 2023-03-07 | 프로테나 바이오사이언시즈 리미티드 | 타우 면역요법 |
US20230241207A1 (en) | 2017-04-03 | 2023-08-03 | Neon Therapeutics, Inc. | Protein antigens and uses thereof |
AU2018263935A1 (en) | 2017-05-02 | 2019-12-19 | Prothena Biosciences Limited | Antibodies recognizing tau |
WO2018208856A1 (en) | 2017-05-08 | 2018-11-15 | Gritstone Oncology, Inc. | Alphavirus neoantigen vectors |
WO2018213803A1 (en) | 2017-05-19 | 2018-11-22 | Neon Therapeutics, Inc. | Immunogenic neoantigen identification |
CN111328287A (zh) | 2017-07-04 | 2020-06-23 | 库瑞瓦格股份公司 | 新型核酸分子 |
WO2019089817A1 (en) * | 2017-11-01 | 2019-05-09 | The Scripps Research Institute | Novel scaffolded hiv-1 vaccine immunogens |
KR102624844B1 (ko) | 2017-11-27 | 2024-01-12 | 오제 이뮈노테라프틱스 | 암의 향상된 치료 |
KR20200118029A (ko) | 2018-01-04 | 2020-10-14 | 아이코닉 테라퓨틱스, 인코포레이티드 | 항-조직 인자 항체, 항체-약물 결합체, 및 관련 방법 |
CN109748952B (zh) * | 2018-05-02 | 2020-09-15 | 中国药科大学 | 辅助性表位肽及其应用 |
CA3103460A1 (en) | 2018-06-13 | 2019-12-19 | The Scripps Research Institute | Nanoparticle vaccines with novel structural components |
JP2022512595A (ja) | 2018-10-05 | 2022-02-07 | バヴァリアン・ノルディック・アクティーゼルスカブ | 組み換えmva、及び免疫チェックポイントアンタゴニストまたは免疫チェックポイントアゴニストの静脈内投与によって、がんを治療する併用療法 |
CA3119503A1 (en) | 2018-11-20 | 2020-05-28 | Bavarian Nordic A/S | Therapy for treating cancer with an intratumoral and/or intravenous administration of a recombinant mva encoding 4-1bbl (cd137l) and/or cd40l |
TW202039534A (zh) | 2018-12-14 | 2020-11-01 | 美商美國禮來大藥廠 | KRAS變體mRNA分子 |
CN113557035A (zh) | 2019-01-12 | 2021-10-26 | 卫理公会医院 | 自组装肽纳米颗粒和其用途 |
JP2022524588A (ja) | 2019-03-03 | 2022-05-09 | プロセナ バイオサイエンシーズ リミテッド | タウ認識抗体 |
TW202110870A (zh) | 2019-05-30 | 2021-03-16 | 美商葛利史東腫瘤科技公司 | 經修飾之腺病毒 |
JP2023503857A (ja) | 2019-11-20 | 2023-02-01 | バヴァリアン・ノルディック・アクティーゼルスカブ | がんを治療するための腫瘍内及び/または静脈内投与用組み換えmvaウイルス |
EP4069722A1 (en) | 2019-12-02 | 2022-10-12 | Regeneron Pharmaceuticals, Inc. | Peptide-mhc ii protein constructs and uses thereof |
EP4149531A1 (en) | 2020-05-11 | 2023-03-22 | Ose Immunotherapeutics | Vaccine against sars-cov virus |
WO2021236809A2 (en) | 2020-05-19 | 2021-11-25 | Othair Prothena Limited | Multi-epitope vaccine for the treatment of alzheimer's disease |
CN116438308A (zh) | 2020-08-06 | 2023-07-14 | 磨石生物公司 | 多表位疫苗盒 |
WO2022268916A2 (en) | 2021-06-23 | 2022-12-29 | Ose Immunotherapeutics | Pan-coronavirus peptide vaccine |
WO2023118508A1 (en) | 2021-12-23 | 2023-06-29 | Bavarian Nordic A/S | Recombinant mva viruses for intraperitoneal administration for treating cancer |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5785973A (en) | 1988-02-01 | 1998-07-28 | Praxis Biologics, Inc. | Synthetic peptides representing a T-cell epitope as a carrier molecule for conjugate vaccines |
GB8812214D0 (en) * | 1988-05-24 | 1988-06-29 | Hoffmann La Roche | Use of peptide from circumsporozoite protein of p falciparum as universally recognized t-cell epitope |
IT1237764B (it) * | 1989-11-10 | 1993-06-17 | Eniricerche Spa | Peptidi sintetici utili come carriers universali per la preparazione di coniugati immunogenici e loro impiego per lo sviluppo di vaccini sintetici. |
US5336758A (en) * | 1990-03-09 | 1994-08-09 | The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services | Peptides stimulating cytotoxic T cells immune to HIV RT |
WO1992002543A1 (en) * | 1990-08-01 | 1992-02-20 | Cytel Corporation | Novel immunosuppressant peptides |
US5679640A (en) | 1991-02-12 | 1997-10-21 | Cytel Corporation | Immunosuppressant peptides |
CZ42794A3 (en) * | 1991-08-26 | 1994-11-16 | Cytel Corp | Hla-re-stringed ctl epitopes of hepatitis b virus |
AU2468392A (en) * | 1991-08-29 | 1993-04-05 | Cytel Corporation | Novel immunosuppressants |
ATE466869T1 (de) | 1993-03-05 | 2010-05-15 | Epimmune Inc | Verfahren zur herstellung von immunogenen hla- a2.1-bindenden peptiden |
AU698962B2 (en) | 1993-09-14 | 1998-11-12 | Epimmune, Inc. | Alteration of immune response using pan DR-binding peptides |
WO1999058658A2 (en) * | 1998-05-13 | 1999-11-18 | Epimmune, Inc. | Expression vectors for stimulating an immune response and methods of using the same |
-
1994
- 1994-09-14 AU AU78736/94A patent/AU698962B2/en not_active Ceased
- 1994-09-14 CN CN94194128A patent/CN1135181A/zh active Pending
- 1994-09-14 US US08/305,871 patent/US5736142A/en not_active Expired - Lifetime
- 1994-09-14 WO PCT/US1994/010368 patent/WO1995007707A1/en active Application Filing
- 1994-09-14 AT AT94929801T patent/ATE415173T1/de active
- 1994-09-14 PT PT94929801T patent/PT735893E/pt unknown
- 1994-09-14 DE DE69435171T patent/DE69435171D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1994-09-14 ES ES94929801T patent/ES2318848T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1994-09-14 EP EP94929801A patent/EP0735893B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1994-09-14 DK DK94929801T patent/DK0735893T3/da active
- 1994-09-14 JP JP50932395A patent/JP3926839B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2000
- 2000-11-08 US US09/709,774 patent/US7202351B1/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN1135181A (zh) | 1996-11-06 |
AU7873694A (en) | 1995-04-03 |
ATE415173T1 (de) | 2008-12-15 |
EP0735893A1 (en) | 1996-10-09 |
DK0735893T3 (da) | 2009-03-09 |
DE69435171D1 (de) | 2009-01-08 |
EP0735893B1 (en) | 2008-11-26 |
JPH09505559A (ja) | 1997-06-03 |
PT735893E (pt) | 2009-03-06 |
EP0735893A4 (en) | 1998-02-04 |
US7202351B1 (en) | 2007-04-10 |
US5736142A (en) | 1998-04-07 |
AU698962B2 (en) | 1998-11-12 |
ES2318848T3 (es) | 2009-05-01 |
WO1995007707A1 (en) | 1995-03-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3926839B2 (ja) | 万能dr−結合性ペプチドを用いる免疫応答の改変 | |
JP3908271B2 (ja) | Hla−a2.1結合ペプチドおよびそれらの使用 | |
US6413935B1 (en) | Induction of immune response against desired determinants | |
EP1917970B1 (en) | Hla binding peptides and their uses | |
US7252829B1 (en) | HLA binding peptides and their uses | |
JP2002507397A (ja) | Hla結合ペプチド及びその使用 | |
EP0907370B1 (en) | Hla-a2.1 binding peptides and their uses | |
JP2001511132A (ja) | 広範な反応性のdr制限されたエピトープの同定 | |
JP2006512300A (ja) | Hla結合ペプチド及びその使用 | |
US20020098197A1 (en) | Hla binding peptides and their uses | |
JP4063879B2 (ja) | 所望の決定基に対する免疫応答の誘導 | |
AU2000232427A1 (en) | HLA binding peptides and their uses | |
US20050049197A1 (en) | Induction of immune response against desired determinants | |
JP2004517609A (ja) | Hla−a2.1結合ペプチドおよびそれらの用途 | |
JP2002518346A (ja) | Hla結合ペプチドおよびそれらの用途 | |
WO2002020035A1 (en) | Hla binding peptides and their uses | |
US7731971B2 (en) | Enhanced CTL epitope-containing HIV-1 reverse transcriptase polypeptides | |
JP2004508340A (ja) | Hla結合ペプチドおよびその使用方法 | |
JP2010001303A (ja) | Hla結合ペプチド及びその使用 | |
MXPA98007512A (en) | Peptides with increased affinity by molecules from locus to leucocitus huma | |
AU4754899A (en) | HLA Binding peptides and their uses |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051011 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20060110 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20060227 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060711 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20061010 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061106 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20061127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070301 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100309 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110309 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110309 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120309 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130309 Year of fee payment: 6 |