JP3925614B2 - オイルパン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダブロックの下面に固定するフランジ近傍に発生する応力を低減するようにしたオイルパンに関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのシリンダブロックの下面には、図4及び図5に示すようなオイルパン11が装着されており、エンジンの回転部や摺動部等の潤滑系を潤滑するに十分な油量のエンジンオイルが溜められている。オイルパン11は、鋼板をプレス成形して形成され、側壁11aの上縁部外周に全周に亘りフランジ11bが、底部一側に深底部12が、他側に浅底部13が形成されており、深底部12内にオイル・ストレーナ(図示せず)が収納される。このオイルパン11は、フランジ11bがシール部材を介してシリンダブロックの下面に液密に装着され、図6に示すようにバックアッププレート14を介してボルトにより固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
オイルパン11は、エンジンの運転時にエンジン振動に起因して振動し、フランジ11b近傍に曲げ応力が発生し、剛性の高いコーナ部に力が伝達されるため、図4に示すフランジ11b近傍のコーナ部11A〜11Fに応力が集中する。そして、特に油量の多い深底部12側は、油量の質量変動により図6に1点鎖線で示すように底面12aが上下に振動し、これに伴い側壁11aが左右方向に振動してフランジ11b近傍に大きな曲げ応力が発生する。このため、フランジ11b近傍のコーナ部11A〜11Fのうち、深底部12側コーナ部11C〜11Fにおけるフランジ11bと側壁11aとの連設部11c、及びフランジ11bのシリンダブロック下面とバックアッププレート14とにより挟持固定される固定端部11dに大きな曲げ応力が発生し、特にボルト締付部近傍に応力が集中し、これらの部位に亀裂が発生する虞があるという問題がある。
【0004】
オイルパンのエンジン振動に起因する振動を低減する手段として例えば、オイルパンの油溜部に水平方向に変形した段部を設けた構造としたもの(実開昭62−171651号公報)、或いはオイルパン本体とフランジとが連なるコーナ部に直接接触しないよう面取り部を有するブロック状の外側スティフナをボルトによりオイルパンのフランジに取り付け、オイルパン本体の上縁部近傍内側面に接触する内側スティフナを外側スティフナを挿通するボルトによりオイルパン本体に取り付けて補強する構造としたもの(実用新案登録第2574962号)が提案されている。
【0005】
しかしながら、前者のオイルパンの構造は、面剛性を確保してオイルパンからの騒音の低減を図ることを目的とするものであり、オイルパン本体とフランジとの連設部やその近傍の応力を低減させることはできない。また、後者のオイルパンの補強構造は、補強部材として外側スティフナ、内側スティフナ、及びこれらをオイルパン本体に取り付けるボルト等を必要とし、部品点数の増大及びこれに伴う重量の増加を来たすと共に、組付工数の増加及びこれに伴い生産性の低下を来たし、更に、部品点数の増大と相俟って製造コストが高くなる等の問題がある。
【0006】
このため、本発明では、簡単な構造でオイルパンのフランジ部近傍に発生する応力を効率良く低減して耐久性の向上を図るようにしたオイルパンを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、オイルパンの深底部側の側壁上部の少なくともコーナ部を含む範囲且つ上縁部外周に設けられたフランジの近傍位置に該フランジに沿って段差部を形成する。また、請求項2の発明では、深底部側の一方の側壁から深底部側の前壁及びコーナ部を経てこの深底部側の他方の側壁までフランジに沿って段差部を形成する。これら各発明の段差部の両端末部はなだらかな面をなしており、側壁に夫々連設される。オイルパンは、エンジンの振動に起因して振動し、特に油量の多い深底部側の底面が上下方向に振動して応力が発生する。側壁の深底部側の底面から前壁、コーナ部、両側壁に伝達される応力は、段差部を介してフランジに伝達される。段差部は、折り曲げ部が全長に亘り曲げ変形により応力を平均的に受け持つことで段差面の広い範囲で前記応力を受けてこれを緩和する。これにより、深底部側のフランジ近傍位置の亀裂の発生が防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。
図1は、本発明に係るオイルパンの実施形態の平面図、図2は、図1に示すオイルパンの側面図、図3は、図1に示すオイルパンの矢線III―IIIに沿う断面図である。
【0009】
図1及び図2に示すようにオイルパン1は、一側(前側)が深底部2、他側(後側)が浅底部3とされ、側壁1aの開口端が全周に亘り外側に折曲されてフランジ1bが形成されており、側壁1aとフランジ1bとの連設部1cは、滑らかな曲面をなしている。また、フランジ1bの先端は、外側に折り曲げられて剛性が確保されている。
【0010】
側壁1aの深底部2側には、フランジ1bの近傍位置に、前壁1eからコーナ部1C〜1Fを通して左右の両側壁1f、1fの略中央位置までフランジ1bに沿って水平に段差部1gが形成されている。この段差部1gは、図2及び図3に示すように前壁1e〜側壁1fとフランジ1bとの連設部1cを滑らかなクランク形状をなして内側に折り曲げて形成されており、且つ両側壁1f、1f側の端末部1h、1hが夫々なだらかな面をなしてこれら側壁に連設されている。このようにして、側壁1aの深底部2側の少なくとも前壁1e、コーナ部1C〜1F及び両側壁1f、1fの一部を含む範囲に、且つフランジ1bの近傍位置に当該フランジ1bと並行に(水平に)段差部を一体に形成する。また、側壁1a、及び底面1kには、補強用のビード1a'、1k'が適宜設けられている。
【0011】
このオイルパン1は、鋼板をプレス成形して形成されている。プレス成形において、フランジ1b近傍位置に側壁1aの全周に亘り前記段差部を形成する場合は、プレス成形性が大幅に低下する(特に、浅底部側は低下する)が、本願発明のように側壁1aの一部即ち、深底部2側にのみ段差部1gを形成することで、プレス成形性を良好に保つことができ、生産性の低下が防止される。
【0012】
以下に作用を説明する。
オイルパン1は、深底部2内にオイルストレーナが収納され、フランジ1bがシール部材を介してエンジンのシリンダブロック下面に取り付けられ、図3に示すバックアッププレート14を介してボルトにより固定される。オイルパン1は、エンジンの運転時に当該エンジンの振動に起因して振動する。そして、図3に示すように特に油量の多い深底部2側の底面2aが上下方向に振動して応力が発生する。
【0013】
深底部2側の底面2aから前壁1e、コーナ部1C〜1F、両側壁1f、1fに伝達される応力は、段差部1gを介して連設部1c及びフランジ1bに伝達される。段差部1gは、折り曲げ部1g'、1g"が全長に亘り曲げ変形により応力を平均的に受け持つため、段差面1iの広い範囲で応力を受けてこれを緩和する。これにより、連設部1c、フランジ1bのバックアッププレート14による固定端部1dにおける応力が低減される。段差部1gは、深底部2側の前壁1eからコーナ部1C〜1Fを含んで両側壁1fに亘り連続して形成されていることでフランジ1bの深底部2側近傍が補強される。これにより、フランジ1b近傍位置の亀裂の発生が防止される。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明では、プレス成形により形成されるオイルパンにおいて、深底部側の側壁上部の少なくともコーナ部を含む範囲且つ上縁部外周に設けられたフランジの近傍位置に該フランジに沿って段差部を形成したことで、オイルパンの深底部側フランジ近傍に発生する曲げ応力を低減することができ、亀裂の発生を防止することができ、耐久性の向上が図られる。
【0015】
また、前記段差部は、深底部側の側壁の一部に形成するだけの簡単な構造とすることで、効率の良い補強がなされると共にプレス成形性が損なわれることもなく生産性の低下を来すことがない。また、段差部の端部をなだらかに側壁に連設したことで、段差部がなくなる箇所への応力集中を回避できるので、耐久性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオイルパンの実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すオイルパンの側面図である。
【図3】図1に示すオイルパンの矢線III―IIIに沿う断面図である。
【図4】従来のオイルパンの平面図である。
【図5】図4に示すオイルパンの側面図である。
【図6】図4に示すオイルパンの矢線VI―VIに沿う断面図である。
【符号の説明】
1 オイルパン
1a 側壁
1b フランジ
1c 連設部
1e 前壁(深底部側)
1f 側壁(深底部側)
1g 段差部
1g'、1g" 折り曲げ部
1k 底面
1A〜1F コーナ部
2 深底部
3 浅底部
Claims (2)
- プレス成形により深底部及び浅底部が形成されるオイルパンにおいて、
前記深底部側の側壁上部の少なくともコーナ部を含む範囲且つ上縁部外周に設けられたフランジの近傍位置に該フランジに沿って段差部を形成するとともに、該段差部の両端末部をなだらかな面をなして上記深底部側の側壁に夫々連設したことを特徴とするオイルパン。 - プレス成形により深底部及び浅底部が形成されるオイルパンにおいて、
前記深底部及び前記浅底部の各上縁部外周に形成されたフランジと、
該フランジの近傍位置にて前記深底部側の一方の側壁から該深底部側の前壁及びコーナ部を経て該深底部側の他方の側壁まで前記フランジに沿って形成され、その両端末部をなだらかな面をなして上記深底部側の側壁に夫々連設した段差部とを含むことを特徴とするオイルパン。
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