JP3925565B2 - 易開封性蓋材及び易開封性容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はカレーやシチュー等の容器として使用されるポリカーボネート又はポリエステルからなる容器本体の蓋材に関し、特に、従来の蓋材と同程度の接着強度を有すると共に蓋材が層間剥離を起こさず、開封後には容器本体に何等の残滓を残さない易開封性蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カレーやシチュー等を包装する容器としては、図2に示すように、ポリエステル製又はポリカーボネート製のトレー状容器本体6に蓋材を熱接着して封緘しているが、蓋材は容器本体から容易に剥がれるように易剥離性の蓋材が利用されることが多い。この易剥離性蓋材としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリオレフィン系樹脂層5を中間層として、その両面にポリエステル系樹脂層2、2’を積層した複合シーラント層1が利用されている。なお、3は蓋材の基材である。このような蓋材を容器本体から剥離開封すると、ポリオレフィン系樹脂層とポリエステル系樹脂層との接着面から剥離されて、蓋材の一部が容器本体に残存して残り、容器を開封することができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者はこの点を改良すべく種々検討した結果、中間層としてポリレフィン系樹脂層の代わりにポリカーボネート樹脂層を使用した複合フィルムをシーラント層として利用することによって、上記の問題点を解決し得ることを見出し、本発明を完成したもので、本発明の目的は従来のポリオレフィン系樹脂層を中間層とした蓋材と同様に容器本体との熱接着性がよく、容器本体から剥離開封に際してポリカーボネート樹脂層とポリエステル系樹脂層との層間から剥離せずに容器本体と蓋材とがスムーズに剥離し、容器本体に蓋材の一部が残存しない易開封性蓋材を提供することにある。
【0004】
本発明の要旨は、ポリカーボネート又はポリエステルからなる容器本体に熱接着される蓋材であって、該蓋材は、基材とシーラント層からなる積層体であり、前記シーラント層は、ポリカーボネート樹脂層を中間層としてその両面にポリエステル系樹脂層を積層した複合フィルムであることを特徴とする易開封性蓋材である。
また、本発明はポリカーボネート又はポリエステルからなる容器本体と蓋材からなる容器であって、該蓋材は、基材とシーラント層からなる積層体であり、前記シーラント層は、ポリカーボネート樹脂層を中間層としてその両面にポリエステル系樹脂層を積層した複合フィルムであり、前記中間層と前記ポリエステル系樹脂層間の剥離強度が、前記容器本体と前記ポリエステル系樹脂層間の剥離強度よりも高いことを特徴とする易開封性容器である。
【0005】
即ち、本発明は、シーラント層としてポリカーボネート系樹脂層を中間層としてその両面にポリエステル系樹脂層を積層した複合フィルムを使用することによって、容器本体に何らの残滓を残すことなく開封することが出来るのである。
本発明について、更に詳細に説明する。
本発明におけるポリカーボネート又はポリエステルからなる容器本体とは従来よりカレーやシチュウ等の容器として使用されているものである。そして、容器本体として使用するポリカーボネート又はポリエステルの厚さは120〜180μm程度のもので、通常この種の容器として使用されているものと異ならない。
【0006】
蓋材に使用されるポリエステル系樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の混合物であって、非晶性ポリエステル樹脂は、中間層及び容器本体との接着性を賦与し、結晶性ポリエステル樹脂は、容器本体に易開封性を賦与するために利用される。その混合割合は非晶性ポリエステル樹脂が50〜80重量部で結晶性ポリエステル樹脂が20〜50部である。非晶性ポリエステル樹脂が80重量部を超えると中間層のポリカーボネート系樹脂との接着性は向上し、中間層からの剥離は少なくなるが、容器本体との接着性も強くなり、易開封性となりにくい。また、結晶性ポリエステル樹脂の混合割合が多くなると、結晶性ポリエステル樹脂が熱接着性に乏しいため、特に容器本体との熱接着性を確保することが困難となる。
本発明においてポリカーボネート系樹脂層の両面にポリエステル系樹脂層を積層したシーラント層の製造方法としては原則として共押出法によって行なう。その際のポリエステル系樹脂層の厚さは3〜6μm(片側)、ポリカーボネート樹脂層の厚さは8〜12μmであって、積層したシーラント層の厚さとしては14〜24μmである。
【0007】
本発明にかかる蓋材は、上記のシーラント層を基材に接着剤によって貼着する。基材は蓋材に物理的強度を付与すると共に、蓋材に印刷特性を付与するために使用される。基材としては、通常、ポリエステル、ポリアミド、2軸延伸ポリプロピレン、アルミ箔或いはこれらの複合フィルムが使用され、その厚さは12〜75μm程度である。
【0008】
【実施例】
次に実施例として、図面をもって本発明の蓋材について具体的に説明する。
図1は本発明にかかる蓋材の積層構造を示す断面図であって、図中1はシーラント層を、2、2’はポリエステル系樹脂層を、3は基材をそれぞれ示す。
そして、中間層として厚さ8μmのポリカーボネート樹脂層の両側にそれぞれ3μmのポリエステル系樹脂層を共押出法によって積層して厚さ14μmの複合フィルムからなるシーラント層を得た。この場合のポリエステル樹脂の非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルとの混合割合は、60:40であった。
このシーラント層をウレタン系接着剤を用いてアルミニウムを蒸着した厚さ25μmのポリアミドフィルムと積層して易開封性の蓋材を得た。この蓋材を厚さ120μmのポリカーボネート製の容器本体に約140℃、2Kg/cm2で約1秒間熱圧着した。
この時の中間層とポリエステル系樹脂層及びポリエステル系樹脂層と容器本体との接着強度を測定した結果を表1に示した。
比較のため、中間層としてエチレン・酢酸ビニル共重合体よりなる樹脂を使用した以外は上記実施例の場合と同様にして容器本体と熱圧着し、中間層とポリエステル系樹脂層及びポリエステル系樹脂層と容器本体との接着強度を測定した結果を表1に示した。
【0009】
【表1】
【0010】
この結果より、中間層(即ち、ポリカーボネート樹脂層)とポリエステル系樹脂層の接着力はポリエステル系樹脂層と容器本体の接着力より遥かに大きいため、開封すると、ポリカーボネート樹脂層とポリエステル系樹脂層との層間剥離生せず、また、容器本体には何らの残滓を残すことなくポリエステル系樹脂層と容器本体の間で剥離した。
他方、比較例では中間層(即ち、ポリオレフィン樹脂層)とポリエステル系樹脂層の接着力とポリエステル系樹脂層と容器本体との接着力は同程度であるため、開封すると中間層から剥離して容器本体に残滓が残った。
【0011】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、蓋材として基材にポリエステル系樹脂層とポリカーボネート樹脂層とポリエステル系樹脂層からなる複合フィルムをシーラント層として使用し、容器本体としてポリカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂からなるものを使用することによって、従来のものと同程度の接着力を有すると共に蓋材が層間剥離を起こさず、開封した後には容器本体には何らの残滓も残らなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる蓋材の層構造を示した断面図。
【図2】従来の蓋材もって容器本体を封じた状態の断面図。
【符号の説明】
1 シーラント層 2、2’ ポリエステル系樹脂層 3 基材
4 ポリカーボネート樹脂層 5 ポリオレフィン樹脂層
6 容器本体
Claims (3)
- ポリカーボネート又はポリエステルからなる容器本体に熱接着される蓋材であって、該蓋材は、基材とシーラント層からなる積層体であり、前記シーラント層は、ポリカーボネート樹脂層を中間層としてその両面にポリエステル系樹脂層を積層した複合フィルムであることを特徴とする易開封性蓋材。
- ポリエステル系樹脂が、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルとの混合樹脂から構成されている請求項1記載の易開封性蓋材。
- ポリカーボネート又はポリエステルからなる容器本体と蓋材からなる容器であって、該蓋材は、基材とシーラント層からなる積層体であり、前記シーラント層は、ポリカーボネート樹脂層を中間層としてその両面にポリエステル系樹脂層を積層した複合フィルムであり、前記中間層と前記ポリエステル系樹脂層間の剥離強度が、前記容器本体と前記ポリエステル系樹脂層間の剥離強度よりも高いことを特徴とする易開封性容器。
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JP02225196A JP3925565B2 (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 易開封性蓋材及び易開封性容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02225196A JP3925565B2 (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 易開封性蓋材及び易開封性容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09216662A JPH09216662A (ja) | 1997-08-19 |
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Family
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021084688A (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 株式会社カーメイト | 包装体封止構造 |
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1996
- 1996-02-08 JP JP02225196A patent/JP3925565B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH09216662A (ja) | 1997-08-19 |
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