JP3925204B2 - センサー付モータの組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原点位置が認識できるセンサーを備えたモータの組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業用機器の駆動源としてサーボモータが多用されており、位置および速度検出のセンサーとして、光学式エンコーダやレゾルバが主に用いられている。
【0003】
このセンサーは、原点位置が認識できるように構成されており、原点を励磁タイミングや検出信号の基準位置として用いている。
【0004】
例えば、この原点位置を基準にして励磁タイミングを決めようとすれば、センサー回転部の原点位置とモータのロータマグネット磁極位置、センサー固定部の原点位置とモータのステータ磁極位置とに分けて、それぞれ位置決めする必要がある。
【0005】
ここで、センサーとしてレゾルバを用いたサーボモータの従来の組立工程と構成について図を参照しながら説明する。
【0006】
図3において、まず、ロータマグネットをモータシャフトに接着固定後、ロータマグネ
ットを着磁する。次に、モータシャフトに軸受を装着後、ステータおよびブラケットを組み込むことでモータ部が完成する。モータ完成後、レゾルバロータをモータシャフトに、レゾルバステータをモータブラケットに仮固定し、その後、励磁タイミングを基準にしてレゾルバとモータの原点位置合わせを行なっていた。
【0007】
ここで、モータのブラケットにレゾルバステータを仮固定した後の原点調整(位置合わせ方法)について説明する。
【0008】
図4において、スター結線したステータ巻線43の2相に直流電流を流すとステータコア44は電磁石となり、この磁極とロータマグネット45の磁極が吸引して釣合った位置でロータは停止する。
【0009】
ここで、レゾルバロータの原点41をステータコアの特定位置に合わせてモータシャフトに固定し、次にレゾルバロータの原点41にレゾルバステータの原点42が一致するようにレゾルバステータを周方向に回転させブラケットに固定して原点調整を行なっていた。
【0010】
なお、レゾルバステータとレゾルバロータ、レゾルバステータとモータブラケット、また、レゾルバロータとモータシャフトはそれぞれ別体で構成したものを組み合わせていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のモータとセンサーの原点位置調整工程は、ロータ側とステータ側に分けて2回必要であり、それぞれ工数が多く煩雑であった。
【0012】
また、取扱いの面からモータおよびセンサーの口出し線の位置をある範囲内におさめる必要があった。
【0013】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、原点位置調整の工数を削減できる組立方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明のセンサー付モータの組立方法は、原点が認識できるブラシレスレゾルバと、モータシャフトとリング形状のマグネットを備えたロータと、軸受を介してロータを支持するブラケットとを具備し、前記モータシャフトのレゾルバ取り付け側に軸受とブラケットを装着し、モータシャフトにレゾルバロータを固定する第1ステップと、レゾルバロータの原点を基準にマグネットを着磁する第2ステップとを備え、第1ステップにおいて、レゾルバステータの枠をブラケットと一体構成にして、レゾルバステータ原点とステータ磁極の位置関係を一定に保持したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために請求項1に記載のセンサー付モータの組立方法は、原点が認識できるブラシレスレゾルバと、モータシャフトとリング形状のマグネットを備えたロータと、軸受を介してロータを支持するブラケットとを具備し、前記モータシャフトのレゾルバ取り付け側に軸受とブラケットを装着し、モータシャフトにレゾルバロータを固定する第1ステップと、レゾルバロータの原点を基準にマグネットを着磁する第2ステップとを備え、第1ステップにおいて、レゾルバステータの枠をブラケットと一体構成にして、レゾルバステータ原点とステータ磁極の位置関係を一定に保持し、レゾルバロータ原点を基準にしてマグネットを着磁することで原点と磁極位置のバラツキがなくなり、原点位置調整工程を兼ねることができる。
【0016】
また、レゾルバステータとステータの原点位置調整工程をなくすことができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の一実施例として、原点が認識できる回転センサーの代表として、ブラシレスレゾルバを用いたセンサー付モータについて図を参照して説明する。
【0018】
図1において、1はモータシャフト、2はリング型のマグネット、3は軸受、4はブラケット、5はブラシレスレゾルバである。
【0019】
ブラシレスレゾルバ5は、電磁誘導によって回転子角度位置を電気信号に変換するセンサーで、レゾルバステータ部5a、レゾルバロータ部5bで構成される。例えば、2相入力1相出力のブラシレスレゾルバ5は、トランス固定巻線と回転巻線とで回転トランス部5cを構成し、空間的に90°ずれた2つのレゾルバステータ巻線とトランス固定巻線とでレゾルバステータ部5aを構成している。また、回転トランス部5cを構成する回転巻線とレゾルバロータ巻線とは接続されて閉ループをなしてレゾルバロータ部5bを構成、このレゾルバロータ部5bをモータシャフトに固定する。
【0020】
また、レゾルバステータ部5aはモータシャフトを基準に芯出しした上でブラケットに固定する。空間的に90°ずれた2つのステータ巻線と回転トランス部
5cの固定巻線と併せてレゾルバステータ部5aを構成、レゾルバロータ部5bはこの回転巻線とロータ部の巻線は接続されて閉ループをなし、モータシャフトに固定される。また、ステータ部とトランス固定巻線はモータシャフトを基準にしてブラケットに固定する。
【0021】
次に、図2を用いてレゾルバ付モータの組立工程について説明する。まず、モータシャフト1にマグネット2を固着する。次に、センサーを取り付ける側のモータシャフト1に軸受3を挿入、その軸受3の外輪にブラケット4を嵌合装着する。そして、モータシャフト1とレゾルバロータ部5bとを軸方向の所定位置(回転方向には任意)に固定する。ここまでが第1ステップである。
【0022】
第2ステップでは、レゾルバロータ部5bの原点を基準にしてマグネット2の着磁をする。このマグネット2は、ラジアル配向されたリング形状をしており周方向のどの位置にでも着磁できる。
【0023】
ところで、レゾルバ原点は、レゾルバロータ部5bとレゾルバステータ部5aで構成した電気的な原点であるが、レゾルバロータコア外周のスロット位置と原点の機械的な位置関係を利用した治具を用いることで着磁作業を容易化できる。このように、レゾルバロータ部5bの原点を基準にして着磁することで、原点と磁極位置のバラツキがなくなり、原点調整工程を兼ねることができる。
【0024】
あとは従来と同様、ブラケット4にステータを取り付けてモータ組立を完成させ、ステータ巻線の2相に直流電流を流すことでステータコアは電磁石となる。この磁極とロータマグネットの磁極が吸引して釣合った位置でロータを停止させる。このとき、レゾルバロータ部5bの原点に対してレゾルバステータ部5aの原点を合わせるように固定すればよい。
【0025】
ところで、レゾルバステータ部5aの原点をブラケット4の周方向の特定位置に維持できるようにすれば(すなわち、レゾルバステータの枠とブラケットを一
体構成にすれば)、レゾルバロータ部5bの原点とレゾルバステータ部5aの原点の位置
合わせ工程も省略することができる。なお、センサーの原点を基準にして、マグネット磁極位置に対するステータ巻線の励磁タイミングを予め決定しておく必要がある。
【0026】
つまり、モータのブラケットとステータ磁極位置は予め凹凸嵌合などで周方向の位置関係を決めて一定に保ち、ブラケットとレゾルバステータの枠も一体構成にすることで周方向の位置関係を一定に保持できる。これにより、レゾルバロータ原点を基準にしてマグネットを着磁するだけで、原点位置調整工程は完了する。
【0027】
なお、レゾルバで説明したが光学式エンコーダにおけるZ信号を基準にして着磁しても同様に実施できる。
【0028】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、レゾルバロータ原点を基準にしてマグネットを着磁することで、レゾルバロータの原点位置とマグネット磁極位置のバラツキがなくなり、着磁で原点位置調整を兼ねることができる。
【0029】
また、ブラケットに対してレゾルバステータの原点が一定になるように一体構成することで、レゾルバステータに関する原点調整を削減できる。
【0030】
このように、ロータおよびステータに関する原点調整の工数を削減でき、併用することで原点調整工程をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における構造図
【図2】 本発明の一実施例における組立工程の説明図
【図3】 従来のレゾルバ付モータにおける組立工程の説明図
【図4】 従来のレゾルバ付モータにおける原点位置調整の説明図
【符号の説明】
1 モータシャフト
2 マグネット
3 軸受
4 ブラケット
5 レゾルバ(センサー)
5a レゾルバステータ部
5b レゾルバロータ部
Claims (1)
- 原点が認識できるブラシレスレゾルバと、モータシャフトとリング形状のマグネットを備えたロータと、軸受を介してロータを支持するブラケットとを具備し、前記モータシャフトのレゾルバ取り付け側に軸受とブラケットを装着し、モータシャフトにレゾルバロータを固定する第1ステップと、レゾルバロータの原点を基準にマグネットを着磁する第2ステップとを備え、第1ステップにおいて、レゾルバステータの枠をブラケットと一体構成にして、レゾルバステータ原点とステータ磁極の位置関係を一定に保持したセンサー付モータの組立方法。
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