JP3924835B2 - 車両用クロスメンバ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイプ材からなるクロスメンバ本体を備えた車両用クロスメンバ構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば実開平6−51065号公報に示されるように、断面円形のパイプを所定長さに切断した後に、ベント曲げによって円弧状に湾曲させることにより、車両の車幅方向に延びるクロスメンバ本体を形成し、このクロスメンバ本体に取り付けられたアッパプレス品とロアプレス品とからなる左右一対のプレスもなかを介して上記クロスメンバ本体を車体に取り付けるように構成されたサスペンションメンバが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記クロスメンバ本体は、パイプ材を曲げ成形することにより形成され、軽量で座屈強度および曲げ強度が大きいという性質を有しているので、車両の衝突時に上記クロスメンバ本体が後方に押圧された場合に、上記パイプ材に大きな変形を生じることがなく、車体に対する取付け部となるプレスもなかに衝突荷重が集中的に作用することにより、上記プレスもなかを構成するアッパプレス品とロアプレス品との接合部が剥離するように変形し易い構造となっていた。このため、車両の衝突時に、上記クロスメンバ本体に入力された衝突荷重を、車体のフロアフレーム等に設けられた衝撃吸収部に伝達することができず、この衝撃吸収部を塑性変形させることによる衝撃吸収作用を十分に得られないという問題があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑み、車両の衝突時に、クロスメンバ本体に入力された衝突荷重を車体側部材に効果的に伝達することができる車両用クロスメンバ構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、パイプ材からなるクロスメンバ本体と、車体側部材に対する取付け部が設けられた取付けアーム部材とを有し、上記クロスメンバ本体の車幅方向の両端部に上記取付けアーム部材がそれぞれ取り付けられるとともに、この取付けアーム部材を介して上記クロスメンバ本体が車体側部材に取り付けられてなる車両用クロスメンバ構造において、上記クロスメンバ本体は、車幅方向に延びる横架部と、この横架部の側端部から車体の前後方向に延びる左右一対の延長部と、この延長部と上記横架部との接続部となる湾曲部とを有し、これらがパイプ材により一体に形成され、上記取付けアーム部材は、上部パネルと下部パネルとにより一体に形成されて、この上部パネルおよび下部パネルが上記湾曲部に外嵌されて固着され、上記上部パネルと下部パネルとの間には、これら両パネルに接合され、かつ上記延長部の軸線方向である車体の前後方向に延びるガセットが配置されるとともに、このガセットの前部が上記取付けアーム部材の上部パネルと下部パネルとの接合部および上記クロスメンバ本体の湾曲部の後面に沿って設置されることにより、この湾曲部と上部パネルおよび下部パネルとの固着部分の近傍に上記ガセットの前部が配設されたものである。
【0006】
上記構成によれば、車両の衝突時にクロスメンバ本体から上記取付けアーム部材に入力された衝突荷重が、車体側部材に伝達されるようになるが、この取付けアーム部材とともにガセットにより上記衝突荷重が安定して支持される。また、上記取付けアーム部材を構成する上部パネルと下部パネルとがガセットによって一体に連結されることにより、車両の衝突時に作用する衝突荷重に応じて上記上部パネルと下部パネルとが剥離することが効果的に防止されるとともに、車両の衝突時に取付けアーム部材の前後方向に作用する衝突荷重がガセットにより安定して支持されることになる。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材に取り付けられたガセットに、車体の前後方向に延びるリブを突設したものである。
【0008】
上記構成によれば、ガセットの重量をそれ程増大させることなく、ガセットの荷重支持力が効果的に増強され、車両の衝突時に取付けアーム部材の前後方向に作用する衝突荷重が、より安定して支持されることになる。
【0009】
請求項3に係る発明は、上記請求項1に記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材に取り付けられたガセットの設置部に、サスペンションのロアアームが連結されるロアアームの連結部を配設したものである。
【0010】
上記構成によれば、取付けアーム部材に取り付けられた上記ガセットによってロアアームの連結部が効果的に補強され、サスペンションからロアアームを介して上記取付けアーム部材に入力される振動荷重等が安定して支持されることになる。
【0011】
請求項4に係る発明は、上記請求項3記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材に設けられたロアアームの連結部の両側方に、車体側部材に対する取付け部を配設したものである。
【0012】
上記構成によれば、ロアアームの連結部が上記ガセットによって補強されることにより、ロアアームの支持剛性が向上するとともに、サスペンションからロアアームを介して上記取付けアーム部材に入力される振動荷重等が車体側に伝達されて効果的に支持される。また、上記ガセットの両側方において取付けアーム部材は車体側部材に取り付けられるので、車両の衝突時に取付けアーム部材およびガセットに入力された衝突荷重が車体側に効果的に伝達されることになる。
【0013】
請求項5に係る発明は、上記請求項1に記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材の下面に、サスペンションのロアアームを取り付けるように構成したものである。
【0014】
上記構成によれば、サスペンションの修理時等に、上記クロスメンバ本体および取付けアーム部材を車体側部材から取り外すことなく、ロアアームを取付けアーム部材から取り外すことが可能となる。
【0015】
請求項6に係る発明は、上記請求項5記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材に設けられたガセットの設置部に、ロアアームの連結ボルトが螺着されるナットを取り付けるとともに、その両側方にロアアームの下面部を支持するロアアームブラケットの取付け部を配設したものである。
【0016】
上記構成によれば、上記ガセットとロアアームブラケットとの間にロアアームの枢支部が配設された状態で安定して支持されるとともに、ロアアームの取付け作業が容易に行われることになる。
【0017】
請求項7に係る発明は、上記請求項5または6記載の車両用クロスメンバ構造において、ロアアームブラケットの下面に、ロアアームの連結ボルトを保護する保護部材を設けたものである。
【0018】
上記構成によれば、車両の走行時に車体がバウンスした場合等に、上記取付けボルトの頭部が路面に当接して連結ボルトが損傷したり、ロアアームの連結ボルトが傾斜状態となったりすること等が効果的に防止されることになる。
【0019】
請求項8に係る発明は、上記請求項1に記載の車両用クロスメンバ構造において、車両の衝突時に塑性変形することによって衝突荷重を吸収する荷重吸収部が設けられた車体フレームの設置部に、取付けアーム部材を取り付けるように構成したものである。
【0020】
上記構成によれば、クロスメンバ本体から取付けアーム部材を介して車体フレームに伝達された衝突荷重に応じ、上記荷重吸収部が塑性変形することにより、衝突時に車体に作用する衝突荷重が効果的に吸収されることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、本発明に係る車両用クロスメンバ構造の実施形態を示している。この車両用クロスメンバは、パイプ材からなるクロスメンバ本体1と、このクロスメンバ本体1を車体側部材に取り付ける左右一対の取付けブラケット2および取付けアーム部材3とを有している。上記クロスメンバ本体1は、車幅方向に延びる横架部4と、その側端部から車体の前方側に延びる左右一対の延長部5と、この延長部5と上記横架部4との接続部となる湾曲部6とを有し、これらが丸パイプまたは角パイプ等からなるパイプ材を曲げ加工することによって一体に形成されている。
【0022】
そして、上記クロスメンバ本体1の延長部5には、フロントフレーム7からなる車体側部材にボルト止めされる取付けブラケット2が立設されるとともに、前輪用サスペンションを構成するロアアーム8の前方枢支部8aを支持する支持ブラケット9が取り付けられている。また、クロスメンバ本体1の湾曲部6には、上記取付けアーム部材3が、延長部5と逆方向、つまり車体の後方側に延びるように取り付けられている。
【0023】
上記取付けアーム部材3は、図4〜図6に示すように、プレス成形品からなる上部パネル10と下部パネル11とによって構成され、その間には車体の前後方向に作用する荷重を支持するガセット12が配設されている。上記上部パネル10および下部パネル11は、その壁面部が上下に所定間隔を置いて相対向して設置され、その外周部に設けられたフランジ部が互いに溶接されて接合されるとともに、前面内方部が上記湾曲部6の後部に外嵌されて溶接されることにより固着されている。
【0024】
上記ガセット12は、車体の前後方向に延びる基板13と、その内側辺部および後端部から上方に突設されたリブ14,15とからなり、上記基板13が下部パネル11の上面に溶接されて接合されるとともに、上記基板13の前面部およびリブ14,15の上端部が上部パネル10の裏面に溶接されて接合されることにより、この上部パネル10および上記下部パネル11がガセット12を介して互いに連結されている。
【0025】
上記基板13の前部は、先窄まりの三角形状に形成され、その外側辺部および内側辺部が、取付けアーム部材3の上部パネル10と下部パネル11との接合部および上記クロスメンバ本体1の湾曲部6の後面に沿って設置されることにより、この湾曲部6と上記取付けアーム部材3との接続部の近傍に、上記基板13の前部が配設されている。
【0026】
上記ガセット12の基板13上には、ロアアーム8の後方枢支部8bを取付けアーム部材3に連結する連結ボルト16用のナット17が溶接されている。そして、上記取付けアーム部材3の下部パネル11には、上記ロアアーム8の後方枢支部8bの下面部を支持するロアアームブラケット18の取付け部となるナット19およびスペーサ20が、上記ナット17が設けられたロアアーム8の連結部の左右両側方に取り付けられるとともに、その後方側に車体側部材に対する取付け部となるスペーサ21,22がそれぞれ取り付けられている。
【0027】
そして、上記スペーサ21,22を挿通するように設置される取付けボルト23,24によってロアアームブラケット18が取付けアーム部材3の下面に取り付けられ、このロアアームブラケット18の上面と、上記ガセット12の下面との間に、ロアアーム8の後方枢支部8bが配設された状態で、この後方枢支部8bが上記連結ボルト16により枢支されるようになっている。
【0028】
また、上記スペーサ22を挿通するように設置された取付けボルト25が、フロントフレーム7の後方に連設された連結フレーム26の取付け孔に挿入されてナット27に螺着されるとともに、上記スペーサ21を挿通するように設置された取付けボルト28が、上記連結フレーム26に取り付けられた連結ブラケット29の取付け孔に挿入されてナット30に螺着されることにより、上記連結フレーム26および連結ブラケット29からなる車体側部材に取付けアーム部材3が取り付けられるように構成されている。
【0029】
なお、上記スペーサ20を挿通した取付けボルト24が、連結フレーム26上に設置されたナット31に螺着されることにより、上記取付けボルト24によっても取付けアーム部材3が車体側部材に取り付けられている。また、上記スペーサ21を挿通する取付けボルト28によっても上記ロアアームブラケット18が取付けアーム部材3の下面に取り付けられるようになっている。
【0030】
上記ロアアームブラケット18の下面には、連結ボルト16を保護する保護部材32が設置されている。この保護部材32は、連結ボルト16の軸部が挿通される挿通孔を有する円板状の基板33と、この基板33の外周部から下方に突設された鍔部34とからなり、この鍔部34によって上記連結ボルト16の頭部16aを囲繞して保護するように構成されている。また、上記取付けアーム部材3の上面には、図示を省略したトーションバーの取付け部となる取付け孔35が設けられている(図1および図3参照)。さらに、上記クロスメンバ本体1の横架部4には、図示を省略したエンジンのマウントブラケットが取り付けられるようになっている。
【0031】
上記構成において、車両の衝突時には、車幅方向に延びるパイプ材からなる横架部4およびその側端部に連設されて車体の前後方向に延びる左右一対の延長部5を有するクロスメンバ本体1を後方に押圧する衝突荷重が、上記フロントフレーム7から取付けブラケット2を介してクロスメンバ本体1の延長部5に入力されるとともに、エンジンからマウントブラケットを介して上記横架部4等に入力されることになる。
【0032】
そして、上記クロスメンバ本体1は、座屈強度および曲げ強度が大きいパイプ材によって形成されているため、上記衝突荷重が作用した場合においても、大きな塑性変形を生じることがなく、クロスメンバ本体1の湾曲部6に取り付けられた上記取付けアーム部材3に衝突荷重が集中的に作用することになるが、上記取付けアーム部材3には、車体の前後方向に作用する荷重を支持するガセット12が設けられているため、上記衝突荷重に応じて取付けアーム部材3が塑性変形するのを上記ガセット12によって効果的に抑制することができる。
【0033】
したがって、車両の衝突時に、クロスメンバ本体1に入力された衝突荷重を、上記取付けアーム部材3を介して連結フレーム26および連結ブラケット29からなる車体側部材に伝達して支持することができるとともに、上記連結フレーム26またはこれに連続するフロアフレーム等に設けられたビード部からなる衝撃吸収部を塑性変形させることにより、上記衝突荷重を効果的に吸収することができる。
【0034】
また、上記のようにプレス成形品等からなる上部パネル10と、下部パネル11とによって上記取付けアーム部材3を構成したため、この取付けアーム部材3の構造を簡略化してその重量を軽量化することができる。そして、上記取付けアーム部材3の上部パネル10と下部パネル11との間にガセット12を配設し、このガセット12を上記上部パネル10および下部パネル11にそれぞれ接合することにより、上記ガセット12を介して両パネル10,11を互いに連結したため、上記衝突荷重に応じて上部パネル10と下部パネル11との接合部が剥離するように変形するのを上記ガセット12によって効果的に防止することができる。
【0035】
このため上記上部パネル10と、下部パネル11とによって取付けアーム部材3を構成することにより、その構造を簡略化して軽量化を図るように構成したにも拘らず、上記取付けアーム部材3の変形を効果的に抑制することができ、これによって車両の衝突時に作用する衝突荷重を、上記取付けアーム部材3から車体側部材に伝達して支持することができる。
【0036】
さらに上記のように車体の前後方向に延びる上記延長部5の軸線方向に沿って上記ガセット12を設置したため、車両の衝突時に取付けアーム部材3の前後方向に作用する衝突荷重をガセット12により安定して支持し、上記取付けアーム部材3の変形を効果的に抑制することができる。
【0037】
特に、上記実施形態に示すように、車体の前後方向に延びるリブ14を上記ガセット12に突設した場合には、ガセット12の重量をそれ程増大させることなく、ガセット12が有する荷重支持力を、簡単な構成で効果的に増強することができるため、上記衝突荷重に応じて取付けアーム部材3が変形するのを、より効果的に抑制することができる。
【0038】
さらに、上記実施形態に示すように、ガセット12の前部を先窄まりの三角形状に形成し、上記クロスメンバ本体1の湾曲部6と、取付けアーム部材3との接合部の近傍に、上記ガセット12の前部を配設するように構成した場合には、衝突荷重に応じて上部パネル10と下部パネル11との剥離が生じ易い上記湾曲部6と取付けアーム部材3との接合部の近傍を、上記ガセット12の前部によって補強することにより、上記剥離の発生および伝播を防止して上記取付けアーム部材3の変形を効果的に抑制することができる。
【0039】
また、上記実施形態では、取付けアーム部材3に取り付けられたガセット12の設置部に、上記ロアアーム8の取付け部となるナット17を固着し、このナット17が設置されたロアアーム8の連結部を上記ガセット12によって補強するように構成したため、上記ロアアーム8の支持剛性が効果的に向上し、サスペンションからロアアーム8を介して上記取付けアーム部材3に入力される振動荷重等を安定して支持することができる。
【0040】
そして、上記実施形態に示すように、上記ナット17からなるロアアーム取付け部が設置されたガセット12の両側方に、車体側部材に対する取付け部となるスペーサ21,22を配設し、このスペーサ21,22を挿通する取付けボルト28,25によって上記取付けアーム部材3を車体側部材に取り付けるように構成したため、この取付けアーム部材3に設けられた車体側部材に対する取付け部を上記ガセット12によって効果的に補強できるとともに、上記ロアアーム8から取付けアーム部材3に入力された荷重を車体側部材に伝達することにより、安定して支持できるという利点がある。
【0041】
また、上記実施形態に示すように、取付けアーム部材3の下面に、サスペンションのロアアーム8を取り付けるように構成した場合には、サスペンションの修理時等に、上記取付けアーム部材3を車体から取り外すことなく、ロアアーム8を取付けアーム部材3から取り外すことができ、サスペンションの修理作業等を容易に行うことができる。
【0042】
さらに、上記実施形態では、取付けアーム部材3に設けられたガセット12の設置部に、ロアアーム8の連結ボルト16が螺着されるナット17を取り付けるとともに、その両側方にロアアーム8の下面部を支持するロアアームブラケット18の取付け部となるナット19およびスペーサ20を設けたため、上記ロアアーム8の後方枢支部8aを、ガセット12とロアアームブラケット18とにより安定して支持することができるとともに、ロアアーム8の取付け作業を容易に行うことができる。
【0043】
また、上記実施形態に示すように、ロアアームブラケット18の下面に、ロアアーム8の連結ボルト16を保護する保護部材32を設け、この保護部材32の鍔部34によって上記連結ボルト16の頭部16aを囲繞するように構成した場合には、車両の走行時に車体がバウンスした場合等に、連結ボルト16の頭部16aが路面に当接して損傷したり、連結ボルト16が傾斜状態となったりすること等を効果的に防止することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、車両の衝突時に塑性変形することによって衝突荷重を吸収する荷重吸収部が設けられた連結フレーム26からなる車体フレームの設置部に、取付けアーム部材3を取り付けるように構成したため、上記クロスメンバ本体1から取付けアーム部材3を介して上記車体フレームに伝達された衝突荷重に応じて上記荷重吸収部を塑性変形させることにより、衝突時に作用する衝突荷重を効率よく吸収することができる。
【0045】
なお、本発明に係る車両用クロスメンバ構造は、前部車体に取り付けられて前輪用サスペンションを支持する部分に限定されることなく、後部車体に取り付けられて後輪用サスペンションを支持する部分にも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、パイプ材からなるクロスメンバ本体と、車体側部材に対する取付け部が設けられた取付けアーム部材とを有し、上記クロスメンバ本体の車幅方向の両端部に上記取付けアーム部材がそれぞれ取り付けられるとともに、この取付けアーム部材を介して上記クロスメンバ本体が車体側部材に取り付けられてなる車両用クロスメンバ構造において、上記クロスメンバ本体は、車幅方向に延びる横架部と、この横架部の側端部から車体の前後方向に延びる左右一対の延長部と、この延長部と上記横架部との接続部となる湾曲部とを有し、これらがパイプ材により一体に形成され、上記取付けアーム部材は、上部パネルと下部パネルとにより一体に形成されて、この上部パネルおよび下部パネルが上記湾曲部に外嵌されて固着され、上記上部パネルと下部パネルとの間には、これら両パネルに接合され、かつ上記延長部の軸線方向である車体の前後方向に延びるガセットが配置されるとともに、このガセットの前部が上記取付けアーム部材の上部パネルと下部パネルとの接合部および上記クロスメンバ本体の湾曲部の後面に沿って設置されることにより、この湾曲部と上部パネルおよび下部パネルとの固着部分の近傍に上記ガセットの前部が配設された構成としため、車両の衝突時に作用する衝突荷重によって上記取付けアーム部材が塑性変形するのを防止し、クロスメンバ本体に入力された衝突荷重を車体側部材に伝達して効果的に支持することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両用クロスメンバ構造の実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 上記車両用クロスメンバ構造の右側部分を示す背面図である。
【図4】 取付けアーム部材の右側部分を示す平面図である。
【図5】 図4のB−B線断面図である。
【図6】 図4のC−C線断面図である。
【符号の説明】
1 クロスメンバ本体
3 取付けアーム部材
4 横架部
5 延長部
6 湾曲部(接続部)
8 ロアアーム
10 上部パネル
11 下部パネル
12 ガセット
14 リブ
16 ロアアームの連結ボルト
17 ナット(ロアアーム取付け部)
18 ロアアームブラケット
19 ナット(車体側部材に対する取付け部)
20 スペーサ(車体側部材に対する取付け部)
21,27 スペーサ(ロアアームブラケットの取付け部)
26 連結フレーム(車体フレーム)
Claims (8)
- パイプ材からなるクロスメンバ本体と、
車体側部材に対する取付け部が設けられた取付けアーム部材とを有し、
上記クロスメンバ本体の車幅方向の両端部に上記取付けアーム部材がそれぞれ取り付けられるとともに、この取付けアーム部材を介して上記クロスメンバ本体が車体側部材に取り付けられてなる車両用クロスメンバ構造において、
上記クロスメンバ本体は、車幅方向に延びる横架部と、この横架部の側端部から車体の前後方向に延びる左右一対の延長部と、この延長部と上記横架部との接続部となる湾曲部とを有し、これらがパイプ材により一体に形成され、
上記取付けアーム部材は、上部パネルと下部パネルとにより一体に形成されて、この上部パネルおよび下部パネルが上記湾曲部に外嵌されて固着され、
上記上部パネルと下部パネルとの間には、これら両パネルに接合され、かつ上記延長部の軸線方向である車体の前後方向に延びるガセットが配置されるとともに、
このガセットの前部が上記取付けアーム部材の上部パネルと下部パネルとの接合部および上記クロスメンバ本体の湾曲部の後面に沿って設置されることにより、この湾曲部と上部パネルおよび下部パネルとの固着部分の近傍に上記ガセットの前部が配設されたことを特徴とする車両用クロスメンバ構造。 - 請求項1記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材に取り付けられたガセットに、車体の前後方向に延びるリブを突設したことを特徴とする車両用クロスメンバ構造。
- 請求項1に記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材に取り付けられたガセットの設置部に、サスペンションのロアアームが連結されるロアアームの連結部を配設したことを特徴とする車両用クロスメンバ構造。
- 請求項3記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材に設けられたロアアームの連結部の両側方に、車体側部材に対する取付け部を配設したことを特徴とする車両用クロスメンバ構造。
- 請求項1に記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材の下面に、サスペンションのロアアームを取り付けるように構成したことを特徴とする車両用クロスメンバ構造。
- 請求項5記載の車両用クロスメンバ構造において、取付けアーム部材に設けられたガセットの設置部に、ロアアームの連結ボルトが螺着されるナットを取り付けるとともに、その両側方にロアアームの下面部を支持するロアアームブラケットの取付け部を配設したことを特徴とする車両用クロスメンバ構造。
- 請求項5または6記載の車両用クロスメンバ構造において、ロアアームブラケットの下面に、ロアアームの連結ボルトを保護する保護部材を設けたことを特徴とする車両用クロスメンバ構造。
- 請求項1に記載の車両用クロスメンバ構造において、車両の衝突時に塑性変形することによって衝突荷重を吸収する荷重吸収部が設けられた車体フレームの設置部に、取付けアーム部材を取り付けるように構成したことを特徴とする車両用クロスメンバ構造。
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