JP3923442B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、被研磨膜を研磨する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、素子領域を画定する素子分離領域を形成するための技術として、LOCOS(LOCal Oxidation of Silicon、局所酸化)法が広く知られている。
【0003】
しかし、LOCOS法により素子分離領域を形成した場合には、バーズビークによって素子領域が小さくなる傾向がある。素子分離領域を形成する際の酸化量を小さくすれば、バーズビークを小さくすることが可能であるが、酸化量を小さくした場合には、十分な素子分離機能を得ることができなくなってしまう。また、LOCOS法により素子分離領域を形成した場合には、基板表面に大きな段差が形成されてしまう。このため、LOCOS法を用いて素子分離領域を形成する技術では、更なる微細化・高集積化が困難であった。
【0004】
LOCOS法に代わる方法として、STI(Shallow Trench Isolation)法が注目されている。STI法による素子分離領域の形成方法を図12を用いて説明する。図12は、従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0005】
まず、図12(a)に示すように、半導体基板210上に、シリコン酸化膜212、シリコン窒化膜214を順次形成する。
【0006】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン窒化膜214及びシリコン酸化膜212をパターニングする。これにより、シリコン窒化膜214及びシリコン酸化膜212に、半導体基板210に達する開口部216が形成される。
【0007】
次に、開口部216が形成されたシリコン窒化膜214をマスクとして半導体基板210を異方性エッチングする。こうして、半導体基板210にトレンチ216、即ち溝が形成される。
【0008】
次に、図12(b)に示すように、トレンチ216内及びシリコン窒化膜214上にシリコン酸化膜220を形成する。
【0009】
次に、図12(c)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、シリコン窒化膜214の表面が露出するまで、シリコン酸化膜220表面を研磨する。シリコン窒化膜214は、シリコン酸化膜220を研磨する際のストッパとして機能する。研磨剤としては、例えば、シリカより成る研磨砥粒とKOHより成る添加剤とを含む研磨剤を用いる。こうして、トレンチ216内に、シリコン酸化膜220より成る素子分離領域221が埋め込まれる。素子分離領域221により素子領域222が画定される。
【0010】
この後、シリコン窒化膜214及びシリコン酸化膜212をエッチング除去する。この後、素子領域222内にトランジスタ(図示せず)を形成する。こうして、半導体装置が製造される。
【0011】
STI法を用いて素子分離領域221を形成すれば、LOCOS法で素子分離領域を形成する場合のようなバーズビークが発生することはなく、素子領域222が狭くなってしまうのを防止することができる。また、トレンチ218の深さを深く設定することにより、実効的な素子間距離を長くすることができるため、高い素子分離機能を得ることができる。
【0012】
しかしながら、上記のような研磨剤、即ち、シリカより成る研磨砥粒とKOHより成る添加剤とを含む研磨剤を用いた従来の半導体装置の製造方法では、研磨速度があまり速くなく、また、必ずしも良好な平坦性が得られなかった。
【0013】
近時、研磨速度が速く、良好な平坦性が得られる研磨剤として、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤が提案されている(特許文献1〜3参照)。提案されている研磨剤では、研磨砥粒として、例えば酸化セリウム(セリア、CeO2)が用いられている。また、添加剤として、例えばポリアクリル酸アンモニウム塩が用いられている。
【0014】
このような提案されている研磨剤を用いれば、シリカより成る研磨砥粒とKOHより成る添加剤とを含む研磨剤を用いた場合と比較して、速い速度で被研磨膜220の表面を研磨することができ、しかも、被研磨膜220の表面の平坦性を向上することが可能となる。
【0015】
しかし、このような提案されている研磨剤を用いた場合には、被研磨膜220の表面がほぼ平坦化されると研磨速度が著しく遅くなってしまう。被研磨膜220の表面が平坦化されると研磨速度が著しく遅くなってしまうのは、提案されている研磨剤中に添加剤として含まれる界面活性剤の特性によるものと考えられている。このため、提案されている研磨剤を用いた場合には、シリコン窒化膜上に被研磨膜であるシリコン酸化膜が残ってしまう。
【0016】
ここで、シリコン酸化膜220の凹部における表面の高さとシリコン窒化膜214の表面の高さとがほぼ等しくなるように、シリコン酸化膜220の厚さを設定することも考えられる。しかし、シリコン酸化膜220の膜厚は設計値に対して±30nm程度変動するのが一般的である。このため、シリコン酸化膜220が設計値より厚く形成されてしまった場合(図13(a)参照)には、シリコン窒化膜214上にシリコン酸化膜220が残ってしまう(図13(b)参照)。
【0017】
シリコン窒化膜214上にシリコン酸化膜220が残っていると、シリコン窒化膜214やシリコン酸化膜212をエッチング除去することができないため、シリコン窒化膜214上のシリコン酸化膜212を、何らかの方法により除去しなければならない。
【0018】
シリコン窒化膜214上に残ったシリコン酸化膜220を除去する方法として、研磨剤の供給を止め、純水を供給しながらシリコン酸化膜220を研磨することが提案されている。シリコン酸化膜220の平坦化が終了した時点においては、シリコン酸化膜220と研磨パッド(図示せず)との間には研磨剤(図示せず)が残っている。研磨剤に含まれていた添加剤は水溶性であるため、純水を供給すると、添加剤が短時間で除去される。一方、研磨剤に含まれていた研磨砥粒は水溶性ではないためシリコン酸化膜220と研磨パッドとの間に残る。添加剤は、シリコン酸化膜220の表面が平坦化された際に、シリコン酸化膜220の研磨速度を遅くするのに寄与していたものである。このような添加剤が短時間に除去される一方、研磨に寄与する研磨砥粒は研磨パッドとシリコン酸化膜220との間に残るため、シリコン窒化膜214上に残っているシリコン酸化膜220を研磨により除去することが可能となる。
【0019】
【特許文献1】
特開2000−248263号公報
【特許文献2】
特開平8−22970号公報
【特許文献3】
特開平5−326469号公報
【特許文献4】
特開2001−9702号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単に、研磨剤を供給するのを止め、純水を供給しながら被研磨膜であるシリコン酸化膜220を研磨すると、図14に示すように、素子分離領域を構成する埋め込み酸化膜220の表面にディッシング(dishing)224と称される凹みが深く生じてしまう場合があった。埋め込み酸化膜220の表面にディッシング224が深く生じると、埋め込み酸化膜220のウェハ面内及びウェハ面間のばらつきに対するマージンが小さくなってしまう。
【0021】
本発明の目的は、被研磨膜表面にディッシングが生じるのを抑制しつつ、高いスループットで被研磨膜を研磨し得る半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、被研磨膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、次いで、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を供給しながら、前記被研磨膜の表面を研磨することにより、前記被研磨膜の表面を平坦化する第1の工程と、前記研磨剤供給を止め、水を供給しながら、前記膜厚測定工程で測定された前記被研磨膜の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨量で、前記被研磨膜の表面を更に研磨する第2の工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を図1乃至図10を用いて説明する。
【0024】
(研磨装置)
本実施形態による半導体装置の製造方法を説明するに先立って、本実施形態で用いられる研磨装置について図1乃至図3を用いて説明する。図1は、研磨装置を示す平面図である。図2は、研磨装置を示す側面図(その1)である。図3は、研磨装置を示す側面図(その2)である。
【0025】
図1に示すように、基台100上には、回転可能な研磨テーブル102a〜102cが3つ設けられている。
【0026】
本実施形態では、メイン研磨と仕上げ研磨のいずれにおいても、研磨テーブル102aを用いる。なお、メイン研磨及び仕上げ研磨の詳細な内容については、後述することとする。本実施形態では、研磨テーブル102b、102cについては、特に用いない。
【0027】
図2に示すように、研磨テーブル102上には、それぞれ研磨パッド104が設けられている。
【0028】
基台100上には、アーム108a〜108dを有するカルーセル110が設けられている。
【0029】
アーム108a〜108dには、回転可能な研磨ヘッド112a〜112dがそれぞれ設けられている。カルーセル110を適宜回転させることにより、研磨ヘッド11a〜112dを移動させることが可能である。
【0030】
図2に示すように、研磨ヘッド112a〜112dは、半導体基板10を支持する。研磨ヘッド112a〜112dは、半導体基板10を回転させながら、半導体基板10を研磨パッド104a、104bに押し付ける。
【0031】
研磨テーブル102a〜102c上には、それぞれ複数のノズル124a、124bが設けられている。ノズル124aは、研磨剤を研磨パッド104上に供給するためのものである。ノズル124bは、純水等を研磨パッド104上に供給するためのものである。
【0032】
図1に示すように、研磨テーブル102a〜102cの側部には、研磨パッド104の目立てを行うための目立て装置114a〜114cがそれぞれ設けられている。
【0033】
図3に示すように、目立て装置114は、ダイヤモンドディスク116を有している。ダイヤモンドディスク116は、例えばステンレスより成る台金118に、例えば150μm程度の粒状のダイヤモンド120を固定することにより構成されている。ダイヤモンド120を配置する密度は、1cm2当たり数個程度となっている。ダイヤモンド120は、例えばニッケルめっき層122により台金118に固定されている。
【0034】
こうして、本実施形態で用いられる研磨装置が構成されている。
【0035】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図4乃至図10を用いて説明する。図4及び図5は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0036】
まず、図4(a)に示すように、半導体基板10を用意する。半導体基板10としては、例えばシリコン基板を用いる。より具体的には、例えばシリコンウェハを用いる。
【0037】
次に、半導体基板10上の全面に、例えば熱酸化法により、シリコン酸化膜12を形成する。シリコン酸化膜12の厚さは、例えば10nm程度とする。
【0038】
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン窒化膜14を形成する。シリコン窒化膜14の膜厚は、例えば100nm程度とする。
【0039】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12に半導体基板10に達する開口部16を形成する。
【0040】
次に、開口部16が形成されたシリコン窒化膜14をマスクとして、半導体基板10を異方性エッチングする。これにより、半導体基板10にトレンチ18、即ち、溝が形成される。トレンチ18の深さは、例えば300nm程度とする。
【0041】
次に、図7(b)に示すように、全面に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜20を形成する。シリコン酸化膜20の膜厚は、例えば440nmを目標膜厚とする。こうして、トレンチ18内にシリコン酸化膜20が埋め込まれる。こうして、表面に凹凸が存在するシリコン酸化膜20が形成される。
【0042】
次に、被研磨膜であるシリコン酸化膜20の膜厚を測定する。被研磨膜20の膜厚の測定は、全数測定でもよいし、抜き取り測定でもよい。即ち、すべてのウェハについて被研磨膜20の膜厚を測定してもよいし、一部のウェハに対して被研磨膜20の膜厚を測定してもよい。被研磨膜20の膜厚はロット毎にばらつく傾向があるため、抜き取り測定を行う場合には、1つのロット内においてある程度の枚数のウェハに対して抜き取り測定を行うことが望ましい。1ロットのウェハの枚数が例えば25枚の場合には、25枚のウェハのうちの例えば10枚のウェハに対して抜き取り測定を行う。測定箇所の数は、1枚のウェハに対して例えば12箇所ずつとする。
【0043】
被研磨膜20の膜厚を測定する際には、例えば、シリコン窒化膜14の表面から被研磨膜20の凸部の表面までの膜厚を測定する。測定装置としては、例えば、KLA−Tencor株式会社製の薄膜測定装置(ASET−F5)を用いることができる。
【0044】
なお、ここでは、被研磨膜20の膜厚を測定する際、シリコン窒化膜14の表面から被研磨膜20の凸部の表面までの膜厚を測定したが、トレンチ16の底面から被研磨膜20の凹部の表面までの膜厚を測定してもよい。
【0045】
次に、測定された被研磨膜20の膜厚のデータに基づいて、被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′を求める。こうして求められた被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′、即ち平均膜厚は、仕上げ研磨における研磨時間を最適化する際に用いられる。仕上げ研磨における研磨時間の最適化については、後述することとする。
【0046】
次に、半導体基板10を、研磨ヘッド112a(図1参照)により支持する。この際、被研磨膜であるシリコン酸化膜20が下面側に位置するようにする。
【0047】
次に、カルーセル110を反時計回りに90度程度回転させる。これにより、半導体基板10を支持する研磨ヘッド112aが、上面に研磨パッド104が設けられた研磨テーブル102a上に位置することとなる。
【0048】
次に、図2に示すように、CMP法により、メイン研磨を行う。メイン研磨は、以下のようにして行う。即ち、研磨ヘッド112aにより半導体基板10を回転させながら、研磨ヘッド112aを降下させ、被研磨膜20の表面を研磨パッド104の表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102aを回転させるとともに、ノズル124aを介して研磨パッド104上に研磨剤を供給する。こうして、被研磨膜であるシリコン酸化膜20の表面が研磨され、表面がほぼ平坦なシリコン酸化膜20が得られる(図7(c)参照)。
【0049】
研磨剤、即ち、スラリーとしては、被研磨膜20の表面に凹凸が存在する際には比較的速い研磨レートで被研磨膜20の表面を研磨し、被研磨膜20の表面がほぼ平坦化された際には被研磨膜20に対する研磨レートが遅くなるような特性を有する研磨剤を用いる。
【0050】
このような研磨剤としては、例えば、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用いる。このような研磨剤では、研磨砥粒として、例えば酸化セリウム(セリア)が用いられている。また、添加剤として、例えばポリアクリル酸アンモニウム塩が用いられている。このような研磨剤としては、例えばEKCテクノロジー株式会社製の研磨剤(型番:Micro Planer STI2100)を挙げることができる。
【0051】
図6は、本実施形態で用いられる研磨剤の特性を示すグラフである。横軸は研磨圧力を示している。縦軸は研磨速度、即ち研磨レートを示している。
【0052】
図6から分かるように、本実施形態で用いられる研磨剤は、ある研磨圧力を境界として、その境界より小さい研磨圧力においては研磨速度が遅く、その境界より大きい研磨圧力においては研磨圧力にほぼ比例して研磨速度が速くなる傾向がある。
【0053】
図7は、研磨速度が変化するメカニズムを示す概念図である。
【0054】
図7(a)に示すように、被研磨膜20の表面に凹凸が存在している状態においては、被研磨膜20の凸部における角の部分に圧力が集中するため、被研磨膜20の凸部における角の部分に高い圧力が加わる。このため、被研磨膜20の凸部が速い研磨レートで研磨され、被研磨膜20は速い研磨速度で平坦化される。
【0055】
これに対し、図7(b)に示すように被研磨膜20の表面がほぼ平坦化された状態においては、高い圧力が一部に集中して加わることはなく、被研磨膜20に加わる圧力は全体として平均化される。このため、被研磨膜20に対する研磨速度は極めて遅くなる。
【0056】
このように、本実施形態で用いられる研磨剤は、表面に凹凸が存在する被研磨膜20に対する研磨速度は速く、表面が平坦化された被研磨膜20に対する研磨速度は遅くなるという特性を有している。
【0057】
なお、表面が平坦化された被研磨膜20に対して研磨速度が遅くなるのは、研磨剤に添加剤として含まれている界面活性剤の特性によるものと考えられている。
【0058】
メイン研磨の終点検出は、例えば研磨テーブル102aの駆動電圧に基づいて行う。
【0059】
図8は、メイン研磨の際における研磨テーブルの駆動電圧の変化を示すグラフである。横軸は、研磨時間を示している。縦軸は、研磨テーブルの駆動電圧を示している。
【0060】
メイン研磨の際における研磨テーブル102aの駆動電圧は、例えば図8に示すように変化する。そして、被研磨膜20の表面がほぼ平坦化されると、研磨テーブル102aの駆動電圧は殆ど変化しなくなる。このため、単位時間当たりの駆動電圧の変化を観測することにより、終点検出を行うことができる。
【0061】
なお、ここでは、メイン研磨の終点検出を研磨テーブル102aの駆動電圧に基づいて行う場合を例に説明したが、メイン研磨の終点を検出する方法はこれに限定されるものではなく、他の方法を用いてメイン研磨の終点を検出してもよい。例えば、研磨テーブル102aの駆動電流を観測することにより、終点検出を行ってもよい。また、研磨テーブル102aのトルクを観測することにより、終点検出を行ってもよい。また、研磨ヘッド112aの駆動電圧、駆動電流、トルク等を観測することによっても、終点検出を行うことが可能である。
【0062】
メイン研磨を行う際の条件は、例えば以下の通りとする。
【0063】
研磨ヘッド112aを研磨パッド104に押し付ける圧力は、例えば100〜500g重/cm2の範囲とする。ここでは、例えば200g重/cm2とする。
【0064】
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば70〜140回転の範囲とする。ここでは、例えば120回転/分とする。
【0065】
研磨テーブル112aの回転数は、例えば70〜120回転/分の範囲とする。ここでは、例えば120回転/分とする。
【0066】
研磨剤126の供給量は、例えば0.1〜0.3リットルの範囲とする。ここでは、例えば0.2リットル/分とする。
【0067】
なお、メイン研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
【0068】
なお、研磨パッド104の目立てを、メイン研磨を行う前に行ってもよいし、メイン研磨中に行ってもよい。
【0069】
研磨パッド104の目立てを行う際の条件は、例えば以下の通りとする。
【0070】
ダイヤモンドディスク116が研磨パッド104aに加える荷重は、例えば100〜200g重/cm2とする。
【0071】
ダイヤモンドディスク116の回転数は、例えば70〜120g重/cm2とする。
【0072】
こうして、被研磨膜であるシリコン酸化膜20に対するメイン研磨が終了する。
【0073】
次に、仕上げ研磨を行う。仕上げ研磨は、以下のようにして行う。即ち、研磨パッド104上に研磨剤を供給するのを止め、ノズル124bを介して純水を研磨パッド104上に供給する。そして、研磨ヘッド112aを回転させながら、被研磨膜20を研磨パッド104表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102bについても回転させる。
【0074】
仕上げ研磨を開始する際、被研磨膜であるシリコン酸化膜20と研磨パッド104との間には、メイン研磨の際に用いられた研磨剤126が残っている。研磨剤126に含まれていた添加剤は水溶性であるため、純水128を供給すると、添加剤は短時間で除去される。一方、研磨剤126に含まれていた研磨砥粒は、水溶性ではないため、除去されにくく、被研磨膜20と研磨パッド104との間に残ることとなる。添加剤は、被研磨膜20の表面が平坦化された際に、被研磨膜20の研磨速度を遅くするのに寄与していたものである。このような添加剤が短時間に除去される一方、研磨に寄与する研磨砥粒は被研磨膜20と研磨パッド104との間に残るため、残された研磨砥粒により被研磨膜20を更に研磨することができる。
【0075】
なお、このように、研磨剤126を供給するのを止め、純水128を供給しながら被研磨膜20を研磨する技術は、水ポリッシュと称されている。
【0076】
本実施形態では、仕上げ研磨を行う際に、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨時間で、被研磨膜20を研磨する。換言すれば、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて最適化された研磨時間で、被研磨膜20に対して仕上げ研磨を行う。仕上げ研磨の研磨時間の最適化は、以下のようにして行う。
【0077】
まず、メイン研磨を行う前に予め求めておいた被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′と、被研磨膜20の基準膜厚dとの差Δdを求める。被研磨膜20の基準膜厚d、即ち、目標膜厚は、上述したように、例えば440nmである。基準膜厚dと測定膜厚の平均値d′との差Δdは、以下のような式により表される
Δd=d−d′ …(1)
被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′が例えば453.2nmの場合、被研磨膜20の測定膜厚の平均値と基準膜厚との差Δdは−13.2nmとなる。
【0078】
図9は、仕上げ研磨の時間と被研磨膜の研磨量との関係を示すグラフである。横軸は、仕上げ研磨の時間を示している。縦軸は、被研磨膜の研磨量を示している。なお、このような仕上げ研磨の時間と被研磨膜の研磨量との関係については、予め求めておく。
【0079】
図9から分かるように、被研磨膜20の研磨量は、仕上げ研磨の時間に比例する傾向がある。研磨時間をtとし、研磨量をy、定数をaとすると、以下のような式が成立する。
【0080】
y=a・t …(2)
なお、図9において45秒経過後に傾きが小さくなっているのは、研磨に寄与する研磨砥粒が純水により流されて減少してしまうためと考えられる。
【0081】
研磨量が研磨時間に正比例するため、被研磨膜20の測定膜厚d′の基準膜厚dからのずれに応じて仕上げ研磨における研磨時間を適宜補正すれば、仕上げ研磨を最適な研磨時間で行うことが可能となる。
【0082】
被研磨膜20が基準膜厚、即ち目標通りの膜厚で形成された場合における仕上げ研磨の最適な研磨時間、即ち基準研磨時間を例えばTとすると、仕上げ研磨の際における最適な研磨時間T′は、以下のような式により表される。
【0083】
T′=T−Δd/a …(3)
被研磨膜20が目標通りの膜厚で形成された場合における仕上げ研磨の最適な研磨時間Tを例えば25秒とし、図9から求められる定数aを例えば1nmとすると、式(3)より、被研磨膜を研磨する際における最適な研磨時間T′は例えば38.2秒となる。
【0084】
なお、被研磨膜20が基準膜厚、即ち目標通りの膜厚で形成された場合における仕上げ研磨の最適な研磨時間、即ち基準研磨時間Tについては、予め求めておく。
【0085】
このようにして、本実施形態では、仕上げ研磨を行う際における研磨時間を、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正する。本実施形態では、仕上げ研磨を行う際における研磨時間を、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正するため、被研磨膜であるシリコン酸化膜の膜厚にばらつきが生じた場合であっても、最適な研磨時間で仕上げ研磨を行うことができる。
【0086】
仕上げ研磨を行う際の条件は、例えば以下のように設定する。
【0087】
研磨ヘッド112aを研磨パッド104bに押し付ける圧力、即ち研磨圧力は、例えば50〜500g重/cm2の範囲とする。ここでは、例えば140g重/cm2とする。
【0088】
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば40〜140回転の範囲とする。ここでは、例えば120回転/分とする。
【0089】
研磨テーブル102bの回転数は、例えば40〜140回転/分の範囲とする。ここでは、例えば120回転/分とする。
【0090】
純水128の供給量は、例えば0.1〜10リットルの範囲とする。ここでは、例えば0.2リットル/分とする。
【0091】
仕上げ研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
【0092】
こうして、シリコン窒化膜14上のシリコン酸化膜20が除去され、仕上げ研磨が終了する(図5(a)参照)。
【0093】
この後、図5(b)に示すように、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜14をエッチング除去する。トレンチ18内に埋め込まれたシリコン酸化膜20より成る素子分離領域21により、素子領域22が画定される。
【0094】
この後、素子領域22内に、トランジスタ等(図示せず)を形成する。
【0095】
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
【0096】
(評価結果)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の評価結果について図10を用いて説明する。図10は、被研磨膜の表面に生じたディッシングを示す断面図である。
【0097】
被研磨膜であるシリコン酸化膜20の表面に生ずるディッシングの深さを測定したところ、以下のような結果が得られた。なお、測定器としては、接触式の段差測定器を用いた。
【0098】
まず、仕上げ研磨の研磨時間を最適化することなく、仕上げ研磨を単に25秒間行った場合について、評価を行った。
【0099】
被研磨膜20の測定膜厚の平均値が455nmの場合、シリコン窒化膜14上に被研磨膜20が残ってしまった。但し、被研磨膜20の表面に生じたディッシングの深さは、1nmと浅かった。
【0100】
被研磨膜20の測定膜厚の平均値が440nmの場合、シリコン窒化膜14上に被研磨膜20が残ってしまうことはなかった。被研磨膜20の表面に生じたディッシング24の深さは22nmであり、許容範囲内であった。
【0101】
被研磨膜20の測定膜厚の平均値が425nmの場合、シリコン窒化膜14上に被研磨膜20が残ってしまうことはなかった。被研磨膜20の表面に生じたディッシング24の深さは40nmであり、許容範囲外であった。
【0102】
これらのことから、仕上げ研磨の単に25秒間行った場合には、被研磨膜20の膜厚がばらつくと、シリコン窒化膜14上に被研磨膜20が残ってしまったり、被研磨膜20表面にディッシングが深く生じてしまったりすることが分かる。
【0103】
次に、本実施形態の場合、即ち、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨時間で仕上げ研磨を行った場合について、評価を行った。
【0104】
被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′が455nmの場合、d=440nm、T=25秒、a=1とすると、仕上げ研磨における最適な研磨時間T′は40秒となる。測定膜厚の平均値d′が455nmの被研磨膜20に対して、仕上げ研磨を40秒間行ったところ、シリコン窒化膜14上に被研磨膜20が残ってしまうことはなかった。被研磨膜20表面に生じたディッシング24の深さは20nmであり、許容範囲内であった。
【0105】
被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′が440nmの場合、上記と同様にd=440nm、T=25秒、a=1とすると、仕上げ研磨における最適な研磨時間T′は25秒となる。測定膜厚の平均値d′が440nmの被研磨膜20に対して、仕上げ研磨を25秒間行ったところ、シリコン窒化膜14上に被研磨膜20が残ってしまうことはなかった。被研磨膜20表面に生じたディッシング24の深さは22nmであり、許容範囲内であった。
【0106】
被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′が425nmの場合、上記と同様にd=440nm、T=25秒、a=1とすると、仕上げ研磨における最適な研磨時間T′は10秒となる。測定膜厚の平均値d′が425nmの被研磨膜20に対して、仕上げ研磨を10秒間行ったところ、シリコン窒化膜14上に被研磨膜20が残ってしまうことはなかった。被研磨膜20表面に生じたディッシング24の深さは20.5nmであり、許容範囲内であった。
【0107】
以上のことから、本実施形態によれば、被研磨膜20の膜厚がばらついた場合であっても、被研磨膜20の表面にディッシング24が深く生じるのを抑制しつつ、シリコン窒化膜14上の被研磨膜20を研磨により除去することができる。
【0108】
本実施形態による研磨方法は、メイン研磨を行う前に被研磨膜20の膜厚を予め測定し、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨時間で、仕上げ研磨を行うことに主な特徴がある。
【0109】
上述したように、仕上げ研磨における研磨時間を単に一律に設定した場合には、被研磨膜20が基準膜厚、即ち目標膜厚より厚く形成されてしまった場合には、シリコン窒化膜14上に被研磨膜20が残ってしまい、被研磨膜20が基準膜厚、即ち目標膜厚より薄く形成されてしまった場合には、被研磨膜14の表面にディッシングが生じてしまう。
【0110】
これに対し、本実施形態によれば、メイン研磨を行う前に被研磨膜20の膜厚を予め測定し、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨時間で仕上げ研磨を行うため、被研磨膜20の膜厚がばらついた場合であっても、被研磨膜20の表面にディッシングが深く生じるのを抑制しつつ、シリコン窒化膜14上の被研磨膜20を研磨により除去することができる。
【0111】
しかも、本実施形態によれば、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨速度が速い研磨剤を用いるため、被研磨膜20を迅速に平坦化することができる。従って、本実施形態によれば、ディッシング24の発生を抑制しつつ、高いスループットで被研磨膜20を研磨し得る半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0112】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を図10を用いて説明する。図1乃至図9に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0113】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、メイン研磨を行う前に予め被研磨膜20の膜厚を測定し、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに基づいて補正された研磨圧力で、仕上げ研磨を行うことに主な特徴がある。換言すれば、本実施形態による半導体装置の製造方法は、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに基づいて最適化された研磨圧力で仕上げ研磨を行うことに主な特徴がある。
【0114】
まず、メイン研磨を行う工程までは、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので説明を省略する(図4(a)乃至図4(c)参照)。
【0115】
次に、仕上げ研磨を行う。仕上げ研磨は、予め測定された被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに基づいて最適化された研磨圧力で行う。被研磨膜20の膜厚の測定は、メイン研磨を行う前に測定しておく。
【0116】
仕上げ研磨を行う際における最適な研磨圧力は、以下のようにして求められる。
【0117】
まず、メイン研磨を行う前に予め求めておいた被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′と、被研磨膜20の膜厚の基準膜厚dとの差Δdを求める。被研磨膜20の基準膜厚dは、第1実施形態と同様に、例えば440nmとする。被研磨膜20の測定膜厚の平均値d′と基準膜厚dの差Δdは、以下のような式により表される
Δd=d−d′ …(4)
被研磨膜20の測定膜厚d′が例えば442.5nmの場合、被研磨膜20の測定膜厚の平均値dと基準膜厚dとの差Δdは−2.5nmとなる。
【0118】
図11は、仕上げ研磨の際に被研磨膜に加える圧力と被研磨膜の研磨量との関係を示すグラフである。横軸は、被研磨膜に加える圧力を示している。縦軸は、被研磨膜の研磨量を示している。図11は、仕上げ研磨を例えば30秒間行った場合のものである。
【0119】
なお、このような仕上げ研磨における研磨圧力と被研磨膜の研磨量との関係については、予め求めておく。
【0120】
図11から分かるように、被研磨膜20の研磨量は、被研磨膜20を仕上げ研磨する際の研磨圧力に比例する傾向がある。研磨圧力をpとし、研磨量をy、定数をbとすると、以下のような式が成立する。
【0121】
y=b・p …(5)
研磨量が研磨圧力に正比例するため、被研磨膜20の測定膜厚d′の基準膜厚dからのずれに応じて仕上げ研磨における研磨圧力を補正すれば、仕上げ研磨を最適な研磨圧力で行うことができる。
【0122】
被研磨膜20が基準膜厚、即ち目標通りの膜厚で形成された場合における仕上げ研磨の最適な研磨圧力、即ち基準研磨圧力を例えばPとすると、仕上げ研磨の際における最適な研磨圧力P′は、以下のような式により表される。
【0123】
P′=P−Δd/b …(6)
被研磨膜20が基準膜厚、即ち、目標通りの膜厚で形成された場合における仕上げ研磨の最適な研磨圧力、即ち基準研磨圧力Pを例えば140g重/cm2とし、図11から求められる定数bを例えば2とすると、式(6)より、被研磨膜20を研磨する際の最適な研磨圧力P′は例えば152.5g重/cm2となる。
【0124】
なお、被研磨膜20が基準膜厚、即ち、目標通りの膜厚で形成された場合における仕上げ研磨の最適な研磨圧力Pについては、予め求めておく。
【0125】
仕上げ研磨を行う際の条件は、例えば以下のように設定する。
【0126】
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば40〜140回転の範囲とする。ここでは、例えば120回転/分とする。
【0127】
研磨テーブル102bの回転数は、例えば40〜140回転/分の範囲とする。ここでは、例えば120回転/分とする。
【0128】
純水128の供給量は、例えば0.1〜10リットルの範囲とする。ここでは、例えば0.2リットル/分とする。
【0129】
仕上げ研磨の時間は、例えば30秒とする。
【0130】
仕上げ研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
【0131】
こうして、シリコン窒化膜14上のシリコン酸化膜20が除去され、仕上げ研磨が終了する(図5(a)参照)。
【0132】
この後の半導体装置の製造方法は、図5(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0133】
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
【0134】
本実施形態による半導体装置の製造方法について評価を行ったところ、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、良好な結果が得られた。即ち、被研磨膜20の膜厚がばらついた場合であっても、被研磨膜20の表面に生ずるディッシング24を浅く抑制しつつ、シリコン窒化膜14上の被研磨膜20を除去することができた。
【0135】
このように、本実施形態によれば、メイン研磨を行う前に予め被研磨膜20の膜厚を測定し、被研磨膜20の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨圧力で仕上げ研磨を行うため、被研磨膜20の膜厚がばらついた場合であっても、被研磨膜20の表面にディッシング24が深く生じるのを抑制しつつ、シリコン窒化膜14上の被研磨膜20を研磨により除去することができる。
【0136】
しかも、本実施形態によれば、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨速度が速い研磨剤を用いるため、被研磨膜20を迅速に平坦化することができる。従って、本実施形態によれば、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、ディッシング24の発生を抑制しつつ、高いスループットで被研磨膜20を研磨し得る半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0137】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0138】
例えば、上記実施形態では、被研磨膜の測定膜厚の平均値に基づいて仕上げ研磨の際における研磨時間や研磨圧力を最適化したが、仕上げ研磨の際における研磨時間や研磨圧力は、必ずしも被研磨膜の測定膜厚の平均値に基づいて最適化しなくてもよい。例えば、被研磨膜の測定膜厚の最大値や最小値に基づいて、仕上げ研磨の際における研磨時間や研磨圧力を最適化してもよい。
【0139】
また、第1実施形態では、定数aの値を1として仕上げ研磨の時間を最適化したが、定数aの値は、被研磨膜の特性、研磨剤の特性、研磨条件等により異なるものである。従って、定数aの値は1に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
【0140】
また、第2実施形態では、定数bの値を2として仕上げ研磨の圧力を最適化したが、定数bの値は、被研磨膜の特性、研磨剤の特性、研磨条件等により異なるものである。従って、定数bの値は2に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
【0141】
また、上記実施形態では、酸化セリウム(セリア)より成る研磨砥粒を含む研磨剤を用いる場合を例に説明したが、本発明は、研磨剤に含まれる研磨砥粒は酸化セリウムに限定されるものではない。即ち、表面に凹凸が存在する被研磨膜20に対する研磨速度が比較的速く、表面がほぼ平坦化された被研磨膜20に対しては研磨速度が遅くなるような特性を有する研磨剤を適宜用いることができる。例えば、酸化シリコン(シリカ)より成る研磨砥粒を含み、上記のような特性を有する研磨剤を用いてもよい。例えば、かかる研磨剤として、花王株式会社製のKS−S−210を挙げることができる。
【0142】
また、上記実施形態では、STI法により素子分離領域を形成する場合を例に説明したが、本発明は、素子分離領域を形成する場合に限定されるものではなく、平坦化された被研磨膜の表面を更に研磨する際に広く用いることができる。
【0143】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、メイン研磨を行う前に被研磨膜の膜厚を予め測定し、被研磨膜の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨量で仕上げ研磨を行うため、被研磨膜の膜厚がばらついた場合であっても、被研磨膜の表面にディッシングが深く生じるのを抑制しつつ、シリコン窒化膜上の被研磨膜を研磨により除去することができる。しかも、本発明によれば、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨速度が速い研磨剤を用いるため、被研磨膜を迅速に平坦化することができる。従って、本発明によれば、ディッシングの発生を抑制しつつ、高いスループットで被研磨膜を研磨し得る半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】研磨装置を示す平面図である。
【図2】研磨装置を示す側面図(その1)である。
【図3】研磨装置を示す側面図(その2)である。
【図4】本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図5】本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図6】研磨剤の特性を示すグラフである。
【図7】研磨速度が変化するメカニズムを示す概念図である。
【図8】メイン研磨の際における研磨テーブルの駆動電圧の変化を示すグラフである。
【図9】仕上げ研磨を行う際における研磨時間を研磨圧力との関係を示すグラフである。
【図10】被研磨膜の表面に生じたディッシングを示す断面図である。
【図11】仕上げ研磨を行う際における研磨圧力と研磨量との関係を示すグラフである。
【図12】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図13】提案されている半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図14】素子分離領域の表面に生じたディッシングを示す断面図である。
【符号の説明】
10…半導体基板
12…シリコン酸化膜
14…シリコン窒化膜
16…開口部
18…トレンチ
20…シリコン酸化膜
21…素子分離領域
22…素子領域
24…ディッシング
100…基台
102a〜102c…研磨テーブル
104…研磨パッド
108a〜108d…アーム
110…カルーセル
112a〜112d…研磨ヘッド
114a〜114c…目立て装置
116…ダイヤモンドディスク
118…台金
120…ダイヤモンド
122…ニッケルめっき層
124a、124b…ノズル
210…半導体基板
212…シリコン酸化膜
214…シリコン窒化膜
216…開口部
218…溝
220…シリコン酸化膜
221…素子分離領域
222…素子領域
224…ディッシング

Claims (8)

  1. 被研磨膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、
    次いで、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を供給しながら、前記被研磨膜の表面を研磨することにより、前記被研磨膜の表面を平坦化する第1の工程と、
    前記研磨剤供給を止め、水を供給しながら、前記膜厚測定工程で測定された前記被研磨膜の測定膜厚の基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨量で、前記被研磨膜の表面を更に研磨する第2の工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記膜厚測定工程の前に、半導体基板上に前記被研磨膜と異なるエッチング特性を有する絶縁膜を形成する工程と;前記絶縁膜に開口部を形成する工程と;前記絶縁膜をマスクとして前記半導体基板をエッチングし、前記半導体基板に溝を形成する工程と;前記溝内及び前記絶縁膜上に前記被研磨膜を形成する工程とを更に有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
    前記測定膜厚は、前記被研磨膜の膜厚を測定することにより得られた複数の測定値のうちの平均値、最大値又は最小値である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2の工程では、前記測定膜厚の前記基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨時間で、前記被研磨膜の表面を研磨する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2の工程では、前記測定膜厚の前記基準膜厚からのずれに応じて補正された研磨圧力で、前記被研磨膜の表面を研磨する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記研磨剤は、酸化セリウムより成る研磨砥粒を含む
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記研磨剤は、酸化シリコンより成る研磨砥粒を含む
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記添加剤は、ポリアクリル酸アンモニウム塩より成る
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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