JP3922964B2 - 車両用駆動力伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の駆動側の回転軸と従動側の回転軸間に配設されて、車両を四輪駆動車に構成する形式の車両用駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種形式の車両用駆動力伝達装置は、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材と、これら両回転部材間に配設され摩擦係合により前記両回転部材間のトルク伝達を行う摩擦クラッチと、同摩擦クラッチを押圧して摩擦係合作用する押圧力を前記両回転部材の差動回転に応じて発生させる押圧力発生機構を備えるものであり、その一例が、例えば特開平10−141395号公報に開示されている。当該車両用駆動力伝達装置において、押圧力発生機構は、前記両回転部材に連結された部材により形成され粘性流体が充填された収容空間部に位置して同収容空間部を複数の流体室に区画するベーン部を有するロータを備え、同ロータが前記両回転部材の差動回転により前記収容空間部を形成する部材に対して相対回転して押圧力を発生させるロータ形式のものである。
【0003】
従って、当該形式の車両用駆動力伝達装置は、車両の前後両輪間の差動回転数にのみ依存する差動回転感応型であって、車両の高速走行時においても、車両の前後両輪間に差動回転が発生すると、これに応じて四輪駆動状態を形成することになる。車両は、高速走行時には、必ずしも四輪走行を必要とせず、むしろ、高速の四輪駆動走行状態は無駄なエネルギーを消費することになって、燃費を大きく低下させることになる。このため、この種形式の車両用駆動力伝達装置においては、車両の高速走行時には四輪駆動走行状態を形成し得ない車速感応型として、無駄なエネルギーの消費を無くして燃費の向上を図ることが要請される。
【0004】
このため、本出願人は、この要請に対処すべく、前記押圧力発生機構として、車速が所定以上の高速時には、押圧力の発生を低減または規制し得る押圧力発生制御手段を備える形式の車両用駆動力伝達装置を、特願2000−365227号出願にて提案している。当該車両用駆動力伝達装置の一例は、前記押圧力発生機構を、粘性流体が充填されている収容空間部に位置して同収容空間部を複数の流体室に区画するベーン部を有し前記両回転部材の差動回転により前記収容空間部を形成する部材に対して相対回転して押圧力を発生させるロータを備えるロータ式の押圧力発生機構とし、前記押圧力発生制御手段を、前記ロータのベーン部の隣接する流体室を連通させる弁孔と、前記流体室に位置して前記弁孔を開放可能に閉鎖し所定の力の遠心力が作用した際前記弁孔を開放して前記両流体室を連通させる弁体からなる構成とした車両用駆動力伝達装置である。
【0005】
かかる構成の車両用駆動力伝達装置においては、前記押圧力発生機構に、車速が所定以上の高速時には押圧力の発生を低減または規制する押圧力発生制御手段を設けていることから、車両の前後輪間で差動回転が発生している場合であって、車両が高速走行状態である場合や、低速走行から高速走行に移行した場合には、押圧力発生機構で発生する押圧力は、車速に応答して漸次低下しまたは消失する。このため、車両が四輪駆動走行不要である高速走行時では、車両の四輪駆動走行状態を形成するための伝達トルクは低下または皆無となって、無駄なエネルギーの消費を抑制または防止して、燃費の向上を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、当該車両用駆動力伝達装置においては、車両が四輪駆動走行不要である高速走行時には、車両の四輪駆動走行状態を形成する伝達トルクを低下または皆無として、無駄なエネルギーの消費を抑制または防止するものである。しかしながら、当該車両用駆動力伝達装置においては、押圧力発生制御手段を構成する弁体として、遠心力の作用によって収容空間部を内周側から外周側へ移動する弁体を採用していることから、弁体が遠心力の作用により動作した場合には、弁体の外周面と収容空間部の内周面との接触は避けられない。
【0007】
弁体の外周面と収容空間部の内周面とが接触している場合に、車両の前後輪間で差動回転が発生すると、弁体の外周面と収容空間部の内周面間では、摩耗が発生するおそれがある。これら両周面間に摩耗が発生すると、これら両周面の一方または両方から摩耗粉が発生する。発生した摩耗粉は、収容空間部に収容されている粘性流体に混入して粘性流体の粘性特性を変化させ、また、収容空間部の内周面や内側面とロータの外周面や外側面間に詰まるおそれがある。この結果、当該車両用駆動力伝達装置においては、その設定されているトルク特性が変化して、安定したトルク特性を維持し得ないという問題が発生する。
【0008】
従って、本発明の目的は、押圧力発生機構が押圧力発生制御手段を備えるこの種形式の車両用駆動力伝達装置において、このような問題を解消することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両用駆動力伝達装置に関するもので、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材と、これら両回転部材間に配設され摩擦係合により前記両回転部材間のトルク伝達を行う摩擦クラッチと、同摩擦クラッチを押圧して摩擦係合作用する押圧力を前記両回転部材の差動回転に応じて発生させる押圧力発生機構を備えるとともに、前記押圧力発生機構は、車速が所定以上の高速時に押圧力の発生を低減または規制する押圧力発生制御手段を備える形式の車両用駆動力伝達装置を適用対象とするものである。
【0010】
しかして、本発明に係る車両用駆動力伝達装置においては、前記押圧力発生機構は、前記両回転部材に連結された部材により形成され粘性流体が充填された収容空間部に位置して同収容空間部を複数の流体室に区画するベーン部を有し前記両回転部材の差動回転により前記収容空間部を形成する部材に対して相対回転して押圧力を発生させるロータを備えるロータ式の押圧力発生機構である。
【0011】
また、前記押圧力発生制御手段は、前記ロータのベーンに形成されて同ベーンの隣接する流体室を連通させる弁孔と、前記流体室に位置して前記弁孔を開放可能に閉鎖し所定の力の遠心力が作用した際前記弁孔を開放して前記両流体室を互いに連通させる弁体にて構成されているものであって、前記押圧力発生機構を構成する前記ロータのベーン部には、前記収容空間部の形成部材と前記弁体間に相対回転が発生した際、同弁体の前記収容空間部の内周面に対する摺接を規制する弁体規制部位が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る車両用駆動力伝達装置においては、前記弁体規制部位を、前記弁体の遠心力の作用により前記収容空間部の内周面側への所定量以上の移動を規制して、前記弁体の前記収容空間部の内周面に対する当接を規制する構成とすることができる。また、前記弁体規制部位を、前記収容空間部の形成部材と前記弁体間に相対回転が発生した際、同弁体を前記収容空間部の内周面から引離して離間させる構成とすることができる。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明に係る車両用駆動力伝達装置は、車両走行中に車両の前後輪間に差動回転が発生すると、押圧力発生機構には、差動回転数に応じた押圧力が発生する。発生した押圧力は摩擦クラッチを押圧して、摩擦クラッチを差動回転数に応じて摩擦係合する。これにより、当該車両用駆動力伝達装置は、両回転部材間でトルク伝達を行い、車両を四輪駆動の走行状態とする。
【0014】
しかして、当該車両用駆動力伝達装置を構成する押圧力発生機構は、粘性流体の収容空間部に位置して同収容空間部を複数の流体室に区画するベーン部を有し内外両回転部材の差動回転により相対回転して押圧力を発生させるロータを備えるロータ式の押圧力発生機構であって、押圧力発生制御手段を備えている。当該押圧力発生制御手段は、ロータのベーン部に形成されて同ベーン部の隣接する流体室を連通させる弁孔と、流体室に位置して弁孔を開放可能に閉鎖し所定の力の遠心力が作用した際に弁孔を開放して両流体室を互いに連通させる弁体にて構成されている。
【0015】
このため、当該車両用駆動力伝達装置においては、車両が所定以上の高速走行状態になると、ロータのベーン部に形成されている弁孔を閉鎖している弁体が遠心力の作用を受けて収容空間部の外周縁側に移動する。この結果、弁体は弁孔を開放して、収容空間部内でベーン部にて区画されている両流体室間を連通させ、押圧力発生機構では、押圧力の発生が低減または規制される。従って、車両の前後輪間で差動回転が発生していても、車両が高速走行状態である場合や、低速走行から高速走行に移行した場合には、押圧力発生機構で発生する押圧力は、車速に応答して漸次低下しまたは消失する。このため、車両が四輪駆動走行不要である高速走行時には、車両の四輪駆動走行状態を形成するための伝達トルクは低下または皆無となって、無駄なエネルギーの消費を抑制または防止して、燃費の向上を図ることができる。
【0016】
このように、当該車両用駆動力伝達装置を構成する押圧力発生機構においては、車両が所定以上の高速走行状態では、押圧力発生制御手段を構成する弁体が遠心力の作用で収容空間部の外周縁側に移行して、弁体の外周面が収容空間部の内周面に接触し得る状態にある。弁体の外周面が収容空間部の内周面に接触している状態で、車両の前後輪間に差動回転が発生した場合には、これら両周面が互いに摺接してこれら両周面間に摩耗が発生するおそれがある。これら両周面間に摩耗が発生すると、これら両周面の一方または両方から摩耗粉が発生する。発生した摩耗粉は、収容空間部に収容されている粘性流体に混入して粘性流体の粘性特性を変化させ、また、収容空間部の内周面や内側面とロータの外周面や外側面間に詰まる。この結果、当該車両用駆動力伝達装置においては、その設定されているトルク特性が変化して、安定したトルク特性を維持し得ないという問題が発生する。
【0017】
しかしながら、当該車両用駆動力伝達装置においては、前記押圧力発生機構を構成するロータのベーン部に、収容空間部の形成部材と弁体間に相対回転が発生した際、同弁体の外周面の収容空間部の内周面に対する摺接を規制する弁体規制部位を設けている。このため、弁体の外周面と収容空間部の内周面が互い摺接することが回避される。この結果、弁体の外周面と収容空間部の内周面間では、摩耗が発生することはなくて摩耗粉が発生するおそれはない。このため、摩耗粉の発生に起因する粘性流体の粘性特性の変化がなく、また、収容空間部の内周面や内側面とロータの外周面や外側面間での摩耗粉の詰りがなくて、当該車両用駆動力伝達装置は、その設定されているトルク特性を、安定した状態に長期間維持することができる。
【0018】
本発明に係る車両用駆動力伝達装置においては、前記弁体規制部位は、具体的には、弁体の遠心力の作用により収容空間部の内周面側への所定量以上の移動を規制して、弁体の収容空間部の内周面に対する当接を規制する構成とすることができ、また、収容空間部の形成部材と弁体間に相対回転が発生した際、同弁体を収容空間部の内周面から引離して離間させる構成とすることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は車両用駆動力伝達装置に関するものであり、図1には、本発明に係る車両用駆動力伝達装置の一実施形態を示している。当該駆動力伝達装置10は、図5に示すように、前輪駆動をベースとする車両の後輪側への駆動力伝達系路に搭載されて、四輪駆動車を構成する。
【0020】
当該四輪駆動車において、トランスアクスル21はトランスミッション、トランスファおよびフロントディファレンシャルを一体に備えるもので、エンジン22の駆動力をトランスアクスル21のフロントディファレンシャル23を介して、両アクスルシャフト24a,24aに出力して左右の前輪24b,24bを駆動させるとともに、第1プロペラシャフト25側に出力させる。第1プロペラシャフト25は、駆動力伝達装置10を介して第2プロペラシャフト26に連結されており、第1プロペラシャフト25と第2プロペラシャフト26がトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力はリヤディファレンシャル27に伝達され、リヤディファレンシャル27から両アクスルシャフト28a,28aへ出力されて左右の後輪28b,28bを駆動させる。
【0021】
駆動力伝達装置10は、ロータ式の押圧力発生機構を備えるもので、第1プロペラシャフト25(駆動側の回転軸)と第2プロペラシャフト26(従動側の回転軸)間に配設される。駆動力伝達装置10は、図1に示すように、アウタケース10a、インナシャフト10b、摩擦クラッチ10c、および押圧力発生機構10dを備えるとともに、図2に示す弁機構10eを備えている。
【0022】
アウタケース10aは、本発明における外側回転部材に該当するもので、有底(前壁部)筒状のフロントハウジング11aと、フロントハウジング11aの後端開口部に螺着されて同開口部を覆蓋するリヤカバー11bにて形成されている。リヤカバー11bは、後述する押圧力発生機構10dの収容空間部を構成する一構成部材としても機能する。インナシャフト10bは、リヤカバー11bの中央部を液密的に貫通してフロントハウジング11a内に同心的に挿入されていて、軸方向を規制された状態で、フロントハウジング11aの前壁部とリヤカバー11bとに回転可能に支持されている。インナシャフト10bには、第2プロペラシャフト26の先端部が挿入されて、トルク伝達可能に連結される。また、アウタケース10aにおけるフロントハウジング11aの前端部には、第1プロペラシャフト25がトルク伝達可能に連結される。
【0023】
摩擦クラッチ10cは湿式多板式のクラッチであり、多数のクラッチプレート(インナクラッチプレート12aおよびアウタクラッチプレート12b)を備え、フロントハウジング11aとインナシャフト10b間に配設されている。摩擦クラッチ10cを構成する各インナクラッチプレート12aは、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート12bはフロントハウジング11aの内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレート12aと各アウタクラッチプレート12bは交互に位置していて、互いに当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状態となる。摩擦クラッチ10cは、各インナクラッチプレート12aと各アウタクラッチプレート12bとの互いの摩擦係合により、アウタケース10aとインナシャフト10b間で摩擦係合力に応じたトルク伝達を行う。
【0024】
押圧力発生機構10dは、アウタケース10aとインナシャフト10b間にて、摩擦クラッチ10cに対向して配設されているもので、リヤカバー11b、ロータ13、作動ピストン14、リヤカバー11bと作動ピストン14にて構成された収容空間部R、および、収容空間部Rに収容された高粘度の粘性流体からなり、粘性流体の収容空間部R内に弁機構10eが配設されている。
【0025】
作動ピストン14は、フロントハウジング11aとインナシャフト10b間に位置して、フロントハウジング11aに対しては、その内周にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、インナシャフト10bに対しては、その外周に回転可能かつ軸方向へ移動可能に組付けられている。この状態で、作動ピストン14はリヤカバー11bとともに、リヤカバー11bが有する円形状の凹所を、粘性流体が収容される収容空間部Rに形成している。ロータ13は、インナシャフト10bの外周にスプライン嵌合していて、インナシャフト10bと一体回転可能に組付けられた状態で収容空間部Rに位置している。
【0026】
ロータ13は、図1および図2に示すように、内スプライン部を有する円筒状の支持軸部13aの外周に6枚のベーン部13bを有するもので、収容空間部R内にてインナシャフト10bに組付けられた状態では、収容空間部Rを6つの圧力発生室r(流体室)に区画している。各ベーン部13bは、その基端側部位に、隣合う圧力発生室r(上流側流体室と下流側流体室)を互いに連通させる連通孔13cを有している。
【0027】
また、ロータ13のベーン部13bにおける連通孔13cの先端側の部位は、略逆T字状の肉厚部13b1を有するもので、肉厚部13b1の前側の部位が幅広の肉薄部13b2に、肉厚部13b1の後側の部位が幅狭の肉薄部13b3になっている。ロータ13の連通孔13cは、後述する弁機構10eの弁孔を構成するもので、以下、これを弁孔13cという。また、ロータ13の肉厚部13b1は、収容空間部Rを形成する作動ピストン14の内側面と、リヤカバー11bの凹所の内側面、すなわち、収容空間部Rの互いに対向する2つの内側面に微小隙間を保持して対向し、この2つの対向面に対して摺動可能である。
【0028】
弁機構10eは、ロータ13のベーン部13bに設けた弁孔13cと、弁孔13cが開口する一方側の圧力発生室rに配置した弁体15にて構成されているもので、当該車両用駆動力伝達装置10においては、押圧力発生機構10dには、6つ弁機構10eが配設されている形態を採っている。すなわち、弁機構10eは、各圧力発生室rに配設されている。各弁機構10eが配設されている押圧力発生機構10dにあっては、一方の弁機構10eを基準とする上流側流体室は他方の弁機構10eを基準とする下流側流体室となり、一方の弁機構10eを基準とする下流側流体室は他方の弁機構10eを基準とする上流側流体室となる関係にある。弁機構10eを構成する弁体15は、ベーン部13bの肉厚部13b1とは略同一の厚みを有する円盤状に形成されていて、図2および図3の2点鎖線で示すように、ベーン部13bの基端側部位に当接した状態で、弁孔13cを、その一方の開口部にて閉鎖すべく機能する。
【0029】
弁機構10eを構成する弁体15は、ロータ13の各ベーン部13b間に配置されている。弁体15は、図4に示すように、所定の厚みを有する円盤状のもので、円盤状本体15aの表裏両面における外周縁部の所定幅の部位がテーパ面15bに形成されていて、表裏両面側の両テーパ面15bの先端が外周面15cとなっている。
【0030】
ロータ13の各ベーン部13b間の空間部は、隣り合う一方の前側の肉薄部13b2と、隣り合う他方の後側肉薄部13b3にて形成されていて、当該空間部が弁体15が遠心力の作用により移動する通路に形成されている。また、各ベーン部13bにおいては、その前側の肉薄部13b2の先端部は前方内側に湾曲する屈曲部位に、また、その後側の肉薄部13b3の先端部は後方内側に湾曲する屈曲部位に形成されている。肉薄部13b2と肉薄部13b3の先端側の屈曲部位は互いに対向する状態にあって、遠心力の作用により外周側へ移動する途中の弁体15を包囲して、弁体15のそれ以上の外周側への移動を規制すべく機能する。
【0031】
当該駆動力伝達装置10においては、弁体15の外周面15cが収容空間部Rの内周面11b1に当接するわずかに手前で、弁体15の外周側への移動が規制されるように選定されている。すなわち、弁体15は外周側へ最大限移動した状態では、図3に示すように、その外周面15cと収容空間部Rの内周面11b1間に微小な隙間を保持していて、収容空間部Rの内周面11b1とは接触しない状態にある。
【0032】
かかる構成の車両用駆動力伝達装置10は、図5に示すように、前輪駆動をベースとする車両の後輪側への駆動力伝達系路に配設されて、四輪駆動車を構成する。当該四輪駆動車は、走行時には前輪24bが優先して駆動し、当該車両用駆動力伝達装置10によって、第1プロペラシャフト25が第2プロペラシャフト26にトルク伝達可能に連結された場合には、エンジン22の駆動力が第1プロペラシャフト25および第2プロペラシャフト26を介して後輪28b側に伝達されて四輪駆動走行状態を形成する。
【0033】
当該車両用駆動力伝達装置10においては、車両の走行中には、第1プロペラシャフト25に連結するアウタケース10aは常時回転していて、第2プロペラシャフト26に連結するインナシャフト10bとの間に回転差、換言すれば、車両の前後両輪24a,24b間に差動回転が発生した場合には、インナシャフト10bおよびロータ13と、アウタケース10aおよび作動ピストン13とが互いに相対回転する。
【0034】
これにより、圧力発生室rに収容されている粘性流体は、ロータ13のベーン部13bによって、その対向する2つの対向面間を差動回転数に応じた流速で強制移動され、粘性流体の粘性摩擦により圧力発生室r内に差動回転数に比例した内圧が発生する。すなわち、2つの対向面間を流動する粘性流体の上流側が高圧、下流側は低圧となる圧力分布の内圧が発生し、この内圧が作動ピストン14を押圧すべく作用する。
【0035】
この結果、作動ピストン14は上記した内圧により押動されて、摩擦クラッチ10cを差動回転数に応じた力で押圧して摩擦クラッチ10cを摩擦係合させる。これにより、摩擦クラッチ10cはインナシャフト10bをアウタケース10aに連結して、差動回転数に応じたトルクをインナシャフト10bに伝達する。このため、エンジン22の駆動力がインナシャフト10bを介して第2プロペラシャフト26に伝達され、車両を四輪駆動状態に形成する。
【0036】
しかして、当該車両用駆動力伝達装置10において、押圧力発生機構10dの収容空間部Rに配設されている弁機構10eを構成する弁体15は、当該車両の走行速度が所定速度未満の場合には図2の2点鎖線で示す状態にあり、当該車両の走行速度が所定速度以上の高速になると同図の実線で示す状態となる。すなわち、当該駆動力伝達装置10においては、ロータ13が差動回転の発生により収容空間部R内を相対回転して圧力発生室r内の粘性流体を弁体15側へ流動させ、弁体15をベーン部13bの基端側部位に押圧して弁孔13cを閉鎖した状態とするが、弁体15には当該車両の走行により発生する遠心力が作用する。当該遠心力は、弁体15をベーン部13bの基端側部位から先端側部位へ摺動すべく作用する。
【0037】
従って、当該車両用駆動力伝達装置10においては、当該車両の走行速度が所定速度未満の場合には、弁体15に作用する遠心力が小さくて、弁体15は基端側部位から先端側部位へ摺動することがなくて、弁体15は、図2に示すように、弁孔13cの開口端部に着座して弁孔13cを略閉鎖し(2点鎖線で示す弁体15を参照)、隣合う圧力発生室r同士の連通を略遮断する。このため、圧力発生室r内には差動回転数に応じた内圧が発生し、当該内圧が作動ピストン14を介して摩擦クラッチ10cを摩擦係合して、当該車両を四輪駆動走行状態とする。
【0038】
また、当該車両用駆動力伝達装置10においては、当該車両の走行速度が所定速度以上になると、弁体15に作用する遠心力が大きくなって、弁体15は基端側部位から先端側部位へ摺動して、弁孔13cの開口端部から離間して弁孔13cを開放し(実線で示す弁体15を参照)、上流側の圧力発生室rと下流側の圧力発生室rとを互いに連通させる。このため、圧力発生室rで発生する内圧は低下、または皆無に近くなって、作動ピストン14による摩擦クラッチ10cの摩擦係合は規制され、当該車両を四輪駆動走行状態から二輪駆動走行状態に変更させる。また、当該車両が高速走行状態で差動回転が発生した場合にも、当該車両用駆動力伝達装置10は車両を四輪駆動走行状態に形成することはない。
【0039】
従って、当該車両用駆動力伝達装置10においては、当該車両が四輪駆動走行不要である高速走行時では、車両の四輪駆動走行状態を形成する伝達トルクは低下または皆無となって、無駄なエネルギーの消費を防止して燃費の向上を図ることができる。
【0040】
当該車両用駆動力伝達装置10においては、前輪24bの回転数が大きくかつ後輪28bの回転数が小さい関係にある差動回転状態(差動回転が正転状態)と、前輪24bの回転数が小さくかつ後輪28bの回転数が大きい関係にある差動回転状態(差動回転の反転状態)では、アウタケース10aとインナシャフト10b間で伝達トルクが大小異なるように配慮されている。
【0041】
すなわち、当該車両用駆動力伝達装置10において、前輪24bと後輪28b間に正転状態の差動回転が発生した場合には、ロータ13は、図2の図示時計方向へ相対回転する。このため、各圧力発生室r内の粘性流体は、ベーン部13bの幅広の薄肉部13b2にて大きな剪断作用を受けることになって、各圧力発生室r内では内圧が高くなる。これに対して、前輪24bと後輪28b間に反転状態の差動回転が発生した場合には、ロータ13は、図2の図示反時計方向へ相対回転する。このため、各圧力発生室r内の粘性流体は、ベーン部13bの幅狭の薄肉部13b3にて小さい剪断作用を受けることになって、各圧力発生室r内で発生する内圧は、正転状態の差動回転時に比較して小さいくなる。
【0042】
また、当該車両用駆動力伝達装置10においては、押圧力発生機構10dを構成するロータ13として、多数のベーン部13bを採用して、収容空間部Rを多数の圧力発生室rに区画する手段を採っている。このため、適宜の数の弁体15を適宜の圧力発生室rに配置すれば、収容空間部R内には、適宜の数の弁機構10eを構成することができ、これにより、当該押圧力発生機構10dの押圧力発生能を適宜に調整することができ、当該車両用駆動力伝達装置10のトルク伝達特性を容易に調整することができる。
【0043】
ところで、当該車両用駆動力伝達装置10を構成する弁機構10eにおいては、車両が所定以上に高速走行している場合には、弁機構10eを構成する弁体15が遠心力の作用で収容空間部Rの内周面11b1側に移行していて、弁体15の外周面15cが収容空間部Rの内周面11b1に接触する状態にある。このため、この状態で、車両の前後輪間に差動回転が発生した場合には、両周面15c,11b1が互いに摺接して両周面15c,11b1間に摩耗が発生するおそれがある。両周面15c,11b1間に摩耗が発生すると、両周面15c,11b1の一方または両方から摩耗粉が発生する。
【0044】
当該車両用駆動力伝達装置10においては、弁体15は鉄製で、収容空間部Rを形成しているリヤカバー11bはアルミ製であることから、これらの周面の摺接時には、収容空間部Rを形成しているリヤカバー11bが摩耗して、アルミの摩耗粉が発生するおそれがある。発生した摩耗粉は、収容空間部Rに収容されている粘性流体に混入して粘性流体の粘性特性を変化させ、また、収容空間部Rの内周面や内側面とロータ15の外周面や外側面間に詰まる。この結果、駆動力伝達装置の設定されているトルク特性に変化を生じさせる。
【0045】
しかしながら、当該弁機構10eを構成する弁体15は、押圧力発生機構10dにおける収容空間部Rにおけるロータ13の各ベーン部13b間に配置されているが、配置されている空間部は、各ベーン部13bにおける隣り合う同士の前側の肉薄部13b2と後側肉薄部13b3にて形成されていて、当該空間部が弁体15が遠心力の作用により移動する通路に形成されている。また、当該通路では、その先端側の部位が互いに対向する屈曲部位に形成されていて、遠心力の作用により外周側へ移動する途中の弁体15を包囲して、弁体15のそれ以上の外周側への移動を規制すべく機能する。
【0046】
当該駆動力伝達装置10においては、弁体15の外周面15cが収容空間部Rの内周面11b1に当接するわずかに手前で、弁体15の外周側への移動が規制されるように選定されている。すなわち、弁体15は外周側へ最大限移動した状態では、図3に示すように、その外周面15cと収容空間部Rの内周面11b1間に微小な隙間を保持していて、収容空間部Rの内周面11b1とは非接触状態になるようにしてある。弁体15の外周面15cと収容空間部Rの内周面11b1が互いに摺接するようなことがなくて、これらの両周面15c,11b1間に摩耗が発生するおそれはなくて、摩耗粉が発生するおそれがない。このため、摩耗粉の発生に起因する粘性流体の粘性特性を変化、収容空間部Rの内周面11b1や内側面とロータの外周面15cや外側面間での摩耗粉の詰りがなく、当該車両用駆動力伝達装置10は、その設定されているトルク特性を、安定した状態に長期間の間維持することができる。
【0047】
当該駆動力伝達装置10においては、弁体15の外周面15cを収容空間部Rの内周面11b1に接触させないように、弁体15の外周側への移動を規制する手段を採っているが、各ベーン部13bの各肉薄部13b2、後側肉薄部13b3の湾曲形状を小さい曲率に形成し、または、各ベーン部13b間を広くして、弁体15と収容空間部Rを形成しているリヤカバー11b間に相対回転が発生した場合にのみ、いずれかの肉薄部13b2、後側肉薄部13b3の湾曲形状部にて、収容空間部Rの内周面11b1と接触している弁体15を同内周面11b1から引離して離間させる手段を採ることもできる。
【0048】
なお、使用している弁体15においては、その表裏両面における外周縁部の所定幅の部位を先細り形状のテーパ面15bに形成している。かかる形状の弁体15は、圧力発生室r内では、各テーパ面15bに流体圧を受けて傾くようなことがなくて安定した状態を保持し、設定された機能を良好に発揮する。当該弁体15においては、このようなテーパ面15bを凸状の形態に変更しても、テーパ面15bによる効果と同様の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る駆動力伝達装置を示す側断面図である。
【図2】同駆動力伝達装置の図1における矢印2−2線に沿って切断した正面図である。
【図3】同駆動力伝達装置における図2の一部を拡大して示す部分拡大図である。
【図4】同駆動力伝達装置の弁機構を構成する弁体の斜視図(a)、および縦断側面図(b)である。
【図5】同駆動力伝達装置を搭載して形成した四輪駆動車の概略的なスケルトン図である。
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置、10a…アウタケース、10b…インナシャフト、10c…摩擦クラッチ、10d…押圧力発生機構、10e…弁機構、11a…フロントハウジング、11b…リヤカバー、11b1…収容空間部の内周面、12a…インナクラッチプレート、12b…アウタクラッチプレート、13…ロータ、13a…支持軸部、13b…ベーン部、13b1…肉厚部、13b2,13b3…肉薄部、13c…弁孔(連通孔)、14…作動ピストン、15…弁体、15a…円盤状本体、15b…テーパ面、15c…外周面、21…トアランスアクスル、22…エンジン、23…フロントディファレンシャル、24a,24a…アクスルシャフト、24b,24b…前輪、25,26…プロペラシャフト、27…リヤディファレンシャル、28a,28a…アクスルシャフト、28b,28b…後輪、R…収容空間部、r…圧力発生室。

Claims (3)

  1. 互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材と、これら両回転部材間に配設され摩擦係合により前記両回転部材間のトルク伝達を行う摩擦クラッチと、同摩擦クラッチを押圧して摩擦係合作用する押圧力を前記両回転部材の差動回転に応じて発生させる押圧力発生機構を備えるとともに、前記押圧力発生機構は、車速が所定以上の高速時に押圧力の発生を低減または規制する押圧力発生制御手段を備え、前記押圧力発生機構が、前記両回転部材に連結された部材により形成され粘性流体が充填された収容空間部に位置して同収容空間部を複数の流体室に区画するベーン部を有し前記両回転部材の差動回転により前記収容空間部を形成する部材に対して相対回転して押圧力を発生させるロータを備えるロータ式の押圧力発生機構である車両用駆動力伝達装置であり、前記押圧力発生制御手段は、前記ロータのベーン部に形成されて同ベーン部の隣接する流体室を連通させる弁孔と、前記流体室に位置して前記弁孔を開放可能に閉鎖し所定の力の遠心力が作用した際前記弁孔を開放して前記両流体室を互いに連通させる弁体とからなり、前記ロータのベーン部には、前記収容空間部の形成部材と前記弁体間に相対回転が発生した際同弁体の前記収容空間部の内周面に対する摺接を規制する弁体規制部位が設けられていることを特徴とする車両用駆動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の車両用駆動力伝達装置において、前記弁体規制部位は、前記弁体の遠心力の作用による前記収容空間部の内周面側への所定量以上の移動を規制して、前記弁体の前記収容空間部の内周面に対する当接を規制するものであることを特徴とする車両用駆動力伝達装置。
  3. 請求項1に記載の車両用駆動力伝達装置において、前記弁体規制部位は、前記収容空間部の形成部材と前記弁体間に相対回転が発生した際同弁体を前記収容空間部の内周面から引離して離間させるものであることを特徴とする車両用駆動力伝達装置。
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