JP2510133Y2 - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP2510133Y2
JP2510133Y2 JP12174089U JP12174089U JP2510133Y2 JP 2510133 Y2 JP2510133 Y2 JP 2510133Y2 JP 12174089 U JP12174089 U JP 12174089U JP 12174089 U JP12174089 U JP 12174089U JP 2510133 Y2 JP2510133 Y2 JP 2510133Y2
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清仁 村田
英昭 松井
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は動力伝達装置に関し、特に同軸的かつ相対回
転可能に位置する内外両回転部材間に配設され、これら
両回転部材間のトルク伝達を行う動力伝達装置に関す
る。
(従来技術) この種形式の動力伝達装置としては特表昭61-501583
号公報に示されている粘性流体継手(ビスカスカップリ
ング)、特開昭63-287631号公報に示されているビスカ
スカップリング、摩擦クラッチおよびこれら両者を連結
するカム手段からなる動力伝達装置がある。かかる動力
伝達装置は駆動側回転部材と従動側回転部材間に配設さ
れて、これら両部材の相対回転時これら両部材を互に動
力伝達可能に連結して、従動側回転部材を駆動させる連
結機構として使用されるものと、駆動側および従動側回
転部材間、両駆動側回転部材間または両従動側回転部材
間に配設されてこれら両部材の相対回転時これら両部材
間の回転差を制限させる差動制限機構として使用される
もの等に大別される。前者の連結機構は主としてリヤル
タイム式の四輪駆動車における一方の動力伝達系路に配
設され、また後者の差動制限機構は主として車両におけ
る各ディファレンシャルに配設される。
(考案が解決しようとする課題) ところで、上記した前者の粘性流体継手であるビスカ
スカップリングにおいては、内外両プレート間の相対回
転時これら両プレート間に存在する粘性流体の剪断力に
起因する粘性摩擦トルクにより両プレート間のトルク伝
達が可能になるものであるが、かかる粘性摩擦トルクは
さほど大きくないとともに同トルクの立上り特性はよく
ない。また、大きな粘性摩擦トルクを発生させるべくビ
スカスカップリングを構成すると剪断力が極めて大きく
なって発熱量が増大し、粘性流体が高温になってその粘
度が大きく低下する。このため、得られる粘性摩擦トル
クが変動して両プレート間のトルク伝達特性が不安定と
なり、特に両プレート間の回転差が漸次増大した後漸次
減少する場合にはトルク伝達特性にヒステリシスが生じ
る。従って、かかるビスカスカップリングを四輪駆動車
における一方の動力伝達系路の連結機構、各ディファレ
ンシャルの差動制限機構等として使用した場合には一方
の動力伝達系路の伝達トルク、差動制限トルクが不安定
な状態となり、車両の走行性能に影響を及ぼす。
また、上記した後者の動力伝達装置においては、ビス
カスカップリングにて発生する粘性摩擦トルクにより両
回転部材間のトルク伝達がなされるとともに、上記粘性
摩擦トルクをカム手段にて推力に変換して摩擦クラッチ
を係合させ、同クラッチの摩擦トルクによりさらに両回
転部材間のトルク伝達がなされるようになっている。従
って、かかる動力伝達装置はビスカスカップリングの作
動を基礎とするもので、ビスカスカップリングの上記し
た不具合をそのまま包含している。
本出願人はこれらの問題を解決すべき動力伝達装置を
特願昭63-114406号出願にて提案している。当該動力伝
達装置は、同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回
転部材間に配設されてこれら両回転部材の相対回転によ
り作動して粘性抵抗力を発生させる粘性抵抗力発生手段
と、前記両回転部材をトルク伝達可能に連結する摩擦係
合力を発生させるとともに付与される推力に応じて摩擦
係合力を増減させる摩擦クラッチと、前記粘性抵抗力発
生手段にて発生する粘性抵抗力を前記摩擦クラッチに対
する推力に変換させる推力変換手段を備え、同推力変換
手段を、前記粘性抵抗力発生手段にて発生する粘性抵抗
力に応じて相対回転する一対のカムメンバーと、これら
両カムメンバーのカム面間に介装されて両カムメンバー
を互いに離間すべく作用するカムフォロアにて構成して
なる動力伝達装置である。
かかる動力伝達装置は上記したビスカスカップリング
を廃止して、ビスカスカップリングに起因する上記問題
を解消したものである。しかしながら、当該動力伝達装
置においては差動回転数が大きくなるほど剪断速度が増
大して粘性流体の粘度が低下するため、差動回転数が増
大することにともない伝達トルクの増加率が低下する。
第8図のグラフには差動回転数に対する伝達トルクの関
係が示されており、上記した先願に係る動力伝達装置に
おいてはグラフ(I)に示すように、グラフ(II)に示
すビスカスカップリングに比較して粘性流体の温度によ
る粘度低下が少ないことから、同カップリングより伝達
トルクは増加するもののその増加率は漸次低下する傾向
にある。このため、トルク伝達特性はタイトコーナブレ
ーキング現象の発生領域(III)の下限から漸次離れ、
車両の走行性能上不利となる。
従って、本考案の目的はかかる問題に対処することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本考案に係る動力伝達装置は、同軸的かつ相対回転可
能に位置する内外両回転部材間に配設されてこれら両回
転部材の相対回転により作動して粘性抵抗力を発生させ
る粘性抵抗力発生手段と、前記両回転部材をトルク伝達
可能に連結する摩擦係合力を発生させるとともに付与さ
れる推力に応じて摩擦係合力を増減させる摩擦クラッチ
と、前記粘性抵抗力発生手段にて発生する粘性抵抗力を
前記摩擦クラッチに対する推力に変換させる推力変換手
段を備え、同推力変換手段を、前記粘性抵抗力発生手段
にて発生する粘性抵抗力に応じて相対回転する一対のカ
ムメンバーと、これら両カムメンバーのカム面間に介装
されて両カムメンバーを互いに離間すべく作用するカム
フォロアにて構成してなる動力伝達装置であり、前記両
カムメンバーの少なくとも一方のカムメンバーを、カム
面を有するカム形成部材と同カム形成部材が嵌合される
凹所を有するカムボデー部材とにより構成し、前記カム
形成部材を弾性部材を介して前記カムボデー部材の凹所
に嵌合して支持したことを特徴とするものである。
(考案の作用・効果) かかる構成の動力伝達装置においては、両回転部材間
に相対回転が生じると粘性抵抗力発生手段に差動回転数
に応じた粘性抵抗力が発生し、同粘性抵抗力は推力変換
手段にて摩擦クラッチに対する推力に変換される。従っ
て、摩擦クラッチはかかる推力により押圧され、両回転
部材間で差動回転数に比例したトルク伝達を行う。従っ
て、当該動力伝達装置は四輪駆動車の一方の動力伝達系
路における駆動側回転部材と従動側回転部材との連結機
構として機能するとともに、駆動側および従動側回転部
材間、両駆動側回転部材間、両従動側回転部材間の差動
制限機構として機能する。
しかして、当該動力伝達装置においては両回転部材間
の差動回転数が増大して両カムメンバー間の相対回転が
増大すると、カムフォロアから一方のカムメンバーに対
する一方向の回転方向への作用および他方のカムメンバ
ーに対する他方の回転方向への作用が増大する。このた
め、カム形成部材とカムボデー部材を構成部材とするカ
ムメンバーにおいては、カムフォロアからの回転方向の
作用力により弾性部材が変形して、カム形成部材が傾
く。このカム形成部材の傾きに比例してカムメンバーの
軸方向分力が増大し、これにより推力変換手段にて発生
する推力が増大する。このため、伝達トルクが増大し、
粘性流体の粘度低下に起因する伝達トルクの低下を補足
しまたは同伝達トルクの低下を上回り、当該動力伝達装
置においてはトルク伝達特性をタイトコーナブレーキン
グ現象の発生領域の下限に近づけることができ、車両の
走行性能の向上を図ることができる。
また、当該動力伝達装置においてはカム形成部材とカ
ムボデー部材間に介在する弾性部材によりカム面に発生
する衝撃が緩和され、装置の寿命が向上する。
(実施例) 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明するに、第
1図には本考案の第1実施例に係る動力伝達装置10が示
されている。当該動力伝達装置10は第7図に示すように
リヤルタイム式の四輪駆動車の後輪側動力伝達系路に配
設される。
当該車両は前輪側が常時駆動するとともに後輪側が必
要時駆動するもので、エンジン21の一側に組付けたトラ
ンスアクスル22はトランスミッションおよびトランスフ
ァを備え、エンジン21からの動力をアクスルシャフト23
に出力して前輪24を駆動させるとともに、第1プロペラ
シャフト25に出力する。第1プロペラシャフト25は動力
伝達装置10を介して第2プロペラシャフト26に連結して
いて、これら両シャフト25、26が動力伝達可能な場合動
力がリヤディファレンシャル27を介してアクスルシャフ
ト28に出力され、後輪29が駆動する。
動力伝達装置10はアウタケース11とインナケース12か
らなる環状の作動室内に摩擦クラッチ10a、粘性抵抗力
発生手段10bおよび推力変換手段10cを備えている。アウ
タケース11は第1プロペラシャフト25に一体的に連結さ
れ、またインナケース12は第2プロペラシャフト26に一
体的に連結されてアウタケース11内に同軸的かつ相対回
転可能に組付けられている。
摩擦クラッチ10aは湿式多板クラッチで多数のクラッ
チプレート13aとクラッチディスク13bとからなり、各ク
ラッチプレート13aはその外スプライン部をアウタケー
ス11の内スプライン部11aに嵌合されて同ケース11に一
体回転可能かつ軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ各
クラッチディスク13bはその内スプライン部をインナケ
ース12の外スプライン部12aに嵌合されて同ケース12に
一体回転可能かつ軸方向へ移動可能に組付けられてい
る。
粘性抵抗力発生手段10bはアウタケース11内の底部11b
と後述する推力変換手段10cを構成する第1カムメンバ
ー14とにより形成された粘性流体室R、アウタケース11
の底部11bに設けた第1フィン11c、および第1カムメン
バー14に設けた第2フィン14aにて構成されている。第
1フィン11cはアルミ合金等アウタケース11より軽量で
かつ加工容易な材料にて形成されていて、アウタケース
11の底部11bに嵌着されて同ケース11と一体回転可能で
あり、多数のフィン部11c1は同心円状に形成されて粘性
流体室Rに同軸的に所定長さ突出している。第2フィン
14aは第1カムメンバー14のボデー部材14bに一体的に形
成されており、第1フィン11cと同様アルミ合金等軽量
でかつ加工容易な材料からなりかつ多数のフィン部14a1
は同心円状に形成されて流体室Rに同軸的に所定長さ突
出している。第1カムメンバー14は両ケース11、12に対
して液密的に回転可能かつ軸方向へ摺動可能に組付けら
れていて、各フィン部14a1が第1フィン11cの各フィン
部11c1間に所定の微小間隙を保って嵌合され、かつ所定
の長さ互に重合している。なお、流体室Rにはシリコン
オイル等高粘性の粘性流体が所定量封入されている。
推力変換手段10cは第1カムメンバー14、第2カムメ
ンバー15およびカムフォロアである複数のコロ16にて構
成されている。しかして、両カムメンバー14、15はカム
ボデー部材14b、15aとカム形成部材14c、15bとにより構
成されている。各カムボデー部材14b、15aにおいては第
1図〜第3図に示すように、互の対向面に周方向に等間
隔を保持して形成された複数の凹所14d、15cを備えてお
り、各カム形成部材14c、15bはゴム製の弾性部材14e、1
5dを介して各凹所14d、15cに嵌合されて支持されてい
る。また、各カム形成部材14c、15bは互に対向する側に
一対のカム面14c1、14c2および15b1、15b2からなるV形
状のカム部を備えている。カムメンバー15は第1カムメ
ンバー14と摩擦クラッチ10aの最左端のクラッチディス
ク13bとの間にて、インナケース12の外周に一体回転可
能に組付けられており、同カムメンバー15と第1カムメ
ンバー14間の各カム部間にコロ16が介装され、コロ16は
各カム部のカム面に当接している。
かかる構成の動力伝達装置10においては、第1および
第2プロペラシャフト25、26間に相対回転が生じていな
い場合にはこれら両シャフト25、26間でのトルク伝達は
ないが、両シャフト25、26間に相対回転が生じると両シ
ャフト25、26でのトルク伝達を行う。すなわち、これら
両シャフト25、26間に相対回転が生じると第1プロペラ
シャフト25と一体のアウタケース11および第1フィン11
cと、第2プロペラシャフト26と一体のインナケース1
2、第2カムメンバー15および第2フィン14aとの間に相
対回転が生じ、これら両フィン11c、14a間に下記式で示
す粘性剪断トルクTが発生する。
K:定数、μ:粘性流体の粘度、N:差動回転数、l:各フィ
ン部が対向する長さ、h:各フィン部の対向面の隙間、r
i:粘性剪断力発生部の各半径 この粘性剪断トルクTは第1カムメンバー14の差動回
転を規制する抵抗力として作用し、この抵抗力Fはコロ
16の配置半径をRとするとF=T/Rとなる。また、この
抵抗力は推力変換手段10cにより摩擦クラッチ10aを押圧
する推力に変換されるが、この場合両カムメンバー14、
15およびコロ16は第2図および第3図に示すように作動
し、コロ16と各カム面との接触角をθとすると推力Sは
S=Ftanθとなる。これにより、摩擦クラッチ10aにお
いてはクラッチプレート13aとクラッチディスク13bとが
差動回転数に応じた摩擦係合をし、両ケース11、12間す
なわち両シャフト25、26間のトルク伝達を行う。
しかして、当該動力伝達装置10においては、両カムメ
ンバー14、15の相対回転方向の力が第2図に示すように
F1の場合には、F1は小さな力のための弾性部材14e、15d
の変形が小さくて推力S1はF1tanθである。これに対
して相対回転方向の力がF1からこれより大きなF2になる
と、各弾性部材14e、15dは第3図に示すように変形して
コロ16の各カム面に対する接触角をθより大きいθ
に変化させ、この場合の推力S2をF2tanθとする。従
って、当該動力伝達装置においては接触角θが増大する
分先願に対する動力伝達装置より大きな伝達トルクが得
られ、トルク伝達特性は第8図のグラフ(IV)に示すよ
うにタイトコーナブレーキング現象の発生領域(III)
の下限に近づき、車両の走行性能が向上する。
なお、本実施例においては両カムメンバー14、15のい
ずれか一方のみをカムボデー部材とカム形成部材とによ
り構成してもよい。
第4図には本考案の第2実施例に係る動力伝達装置30
が示されており、当該動力伝達装置30においても第1実
施例に係る動力伝達装置10と同様に第7図に示すリヤル
タイム式の四輪駆動車の後輪側動力伝達系路に配設され
る。
しかして、動力伝達装置はアウタケース31およびイン
ナケース32からなる環状の作動室内に粘性抵抗力発生手
段30a、摩擦クラッチ30bおよび推力変換手段30cを備え
ている。
アウタケース31は環状の第1外殻31a、第2外殻31b、
および第3外殻31cからなり、第1外殻31aと第2外殻31
bとは互に固着され、かつ第3外殻31cは第2外殻31bの
右端部に液密的に嵌着されている。インナケース32は段
付筒状のもので、同ケース32の外周にアウタケース31が
液密的かつ回転可能に嵌合し、これら両ケース31、32に
て作動室が形成されている。かかるインナケース32はそ
の内スプライン32aにて第2プロペラシャフト26の先端
部のスプラインに嵌合して固定され、かつアウタケース
31は同シャフト26の先端部に回転可能に支持されて第1
プロペラシャフト25の後端に固定されている。
粘性抵抗力発生手段30aは作動プレート33と、後述す
る推力変換手段30cを構成する第1カムメンバー34とか
らなる。作動プレート33はその一側に同心円状の多数の
リブ33aを備えており、インナケース32の外周に一体回
転可能に組付けられ、かつ抜止めされている。第1カム
メンバー34はその他側に同心円状の多数のリブ34aを備
えていて、アウタケース31の第1外殻31aの内周に嵌合
されてインナケース32に対して液密的かつ回転可能にな
っている。かかる第1カムメンバー33は各リブ34aを作
動プレート33の各リブ33a間に所定の周間隔を保って嵌
入させている。
摩擦クラッチ30bは多数のクラッチプレート35とクラ
ッチディスク36とからなる。各クラッチプレート35はそ
の外周のスプライン部をアウタケース31の第2外殻31b
における内周に設けたスプライン部31dに嵌合させて、
同ケース31に一体回転可能かつ軸方向へ移動可能に組付
けられている。各クラッチディスク36はその内周のスプ
ライン部をインナケース32の外周に設けたスプライン部
32cに嵌合されて各クラッチプレート35間に位置し、同
ケース32に一体回転可能かつ軸方向へ移動可能に組付け
られている。これらのプレート35およびディスク36の収
容室R1にはクラッチ用オイルが所定量封入されている。
推力変換手段30cは第1カムメンバー34、第2カムメ
ンバーを構成する第1外殻31aおよび複数のボール37か
らなるカム機構と、作動ピストン38とにより構成されて
おり、第1カムメンバー34は前述したごとく粘性抵抗力
発生手段30aの構成部材を兼ねている。第2カムメンバ
ーを構成する第1外殻31a(以下第2カムメンバー31aと
いうことがある)の第1カムメンバー34に対向する面に
は、第4図〜第6図に示すように周方向に当間隔を保持
して形成された複数の凹所31a1が形成されていて、同凹
所31a1内にカム形成部材31eがゴム製の弾性部材31fを介
して嵌合されて支持されている。カム形成部材31eと第
1カムメンバー34のカム形成部材34bは、互に対向する
側に一対のカム面31e1、31e2および34b1、34b2からなる
V形状のカム部を備えており、各カム部に各ボール37が
介装されている。作動ピストン38はアウタケース31の第
1外殻31aの内周およびインナケース32の外周に液密的
かつ軸方向へ摺動可能に組付けられて第1カムメンバー
34と左端のクラッチディスク35間に位置し、第1カムメ
ンバー34との間に作動プレート33を収容する圧力室R2
形成している。この圧力室R2にはシリコンオイル等の高
粘性流体が所定量封入されていて、粘性抵抗力の発生室
も兼ねている。
かかる構成の動力伝達装置30においては、第1、第2
両プロペラシャフト25、26間に相対回転が生じていない
場合にはこれら両シャフト25、26間のトルク伝達はない
が両シャフト25、26間に相対回転が生じるとトルク伝達
がなされる。すなわち、これら両シャフト25、26間に相
対回転が生じると、第1プロペラシャフト25に一体回転
可能に組付けられているアウタケース31、これら一体の
第2カムメンバー31aおよび第1カムメンバー34と、第
2プロペラシャフト26に一体回転可能に組付けられてい
るインナケース32および作動プレート33との間に差動回
転が生じ、作動プレート33と第1カムメンバー34間に下
記式で示す粘性摩擦トルクTが発生する。
但し、kは定数、μは粘性流体の粘度、Nは作動回転
数、lは各リブの対向する長さ、hは各リブの対向面の
間隔、riは粘性剪断力発生部の各半径 この粘性摩擦トルクTは第1カムメンバー34の差動回
転を規制する抵抗力として作用するが、各ボール37にお
ける抵抗力FはT/R(Rはボール37の軌道輪半径)とな
る。また、この抵抗力Fは第1カムメンバー34を圧力室
R2側へ摺動させる推力に変換されるが、この場合ボール
37の各カム面に対する接触角θが両カムメンバー34、31
aの相対回転方向の力が増大すると第6図に示すように
弾性部材31fが変形してボール37のカム形成部材31e側の
接触角を増大させる。従って、当該動力伝達装置30にお
いても第1実施例における動力伝達装置10と同様の作用
効果を奏する。
なお、上記各実施例においてはカムフォロアとしてコ
ロ16またはボール37を採用した例について示したが、こ
れらコロ16またはボール37に換えてカムフォロアを両カ
ムメンバーのいずれか一方に一体的に形成した突起部に
変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例に係る動力伝達装置の断面
図、第2図および第3図は同装置におけるカム部の拡大
断面図、第4図は第2実施例に係る動力伝達装置の断面
図、第5図および第6図は同装置におけるカム部の拡大
断面図、第7図は第1実施例に係る動力伝達装置を搭載
した車両の概略構成図、第8図は差動回転数と伝達トル
クの関係を示すグラフである。 符号の説明 10、30……動力伝達装置、10a、30a……摩擦クラッチ、
10b、30b……粘性抵抗力発生手段、10c、30c……推力変
換手段、11、31……アウタケース、12、32……インナケ
ース、14、34……第1カムメンバー、15、31a……第2
カムメンバー、14b、15a……カムボデー部材、14c、15
b、31e、34b……カム形成部材、14e、15d、31f……弾性
部材、16……コロ、37……ボール、25、26……プロペラ
シャフト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 渡辺 勉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−206126(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸的かつ相対回転可能に位置する内外回
    転部材間に配設されてこれら両回転部材の相対回転によ
    り作動して粘性抵抗力を発生させる粘性抵抗力発生手段
    と、前記両回転部材をトルク伝達可能に連結する摩擦係
    合力を発生させるとともに付与される推力に応じて摩擦
    係合力を増減させる摩擦クラッチと、前記粘性抵抗力発
    生手段にて発生する粘性抵抗力を前記摩擦クラッチに対
    する推力に変換させる推力変換手段を備え、同推力変換
    手段を、前記粘性抵抗力発生手段にて発生する粘性抵抗
    力に応じて相対回転する一対のカムメンバーと、これら
    両カムメンバーのカム面間に介装されて両カムメンバー
    を互いに離間すべく作用するカムフォロアにて構成して
    なる動力伝達装置であり、前記両カムメンバーの少なく
    とも一方のカムメンバーを、カム面を有するカム形成部
    材と同カム形成部材が嵌合される凹所を有するカムボデ
    ー部材とにより構成し、前記カム形成部材を弾性部材を
    介して前記カムボデー部材の凹所に嵌合して支持したこ
    とを特徴とする動力伝達装置。
JP12174089U 1989-10-18 1989-10-18 動力伝達装置 Expired - Lifetime JP2510133Y2 (ja)

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